JPS646827Y2 - - Google Patents
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- JPS646827Y2 JPS646827Y2 JP1985098939U JP9893985U JPS646827Y2 JP S646827 Y2 JPS646827 Y2 JP S646827Y2 JP 1985098939 U JP1985098939 U JP 1985098939U JP 9893985 U JP9893985 U JP 9893985U JP S646827 Y2 JPS646827 Y2 JP S646827Y2
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- blood
- rotor
- pump
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- housing
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Description
【考案の詳細な説明】
考案の背景
技術分野
本考案は、人工心肺体外循環回路などに用いら
れる血液潅流用ポンプであつて、長時間使用して
も溶血が少なく、かつ小型な血液ポンプに関す
る。 先行技術 従来、人工心肺体外循環回路に用いられる血液
ポンプは、溶血が少なく、微生物汚染防止の機能
に優れるという点からローラ型ポンプが用いられ
ていた。 このようなローラ型ポンプを人工心肺体外循環
回路に接続して用いる場合、大きな流量を得るた
めに太いポンプチユーブを用い、かつ患者と諸装
置間の配管のため、プライミング量が増し、その
ため送・脱血流量のバランスを保つよう注意深い
監視が必要となる。 これを軽減するため、ローラ型ポンプ等の装置
を患者に近づけようとしても、大きな流量が要求
される血液潅流用ローラ型ポンプは大型であるた
め限界があり、また流量を大きくしようとすれば
必然的に大型化してしまうため、小型で高性能す
なわち小型で大流量が得られる血液ポンプの開発
が望まれていた。 小型で大流量を得られるポンプとして、渦巻型
や遠心型のポンプが知られている。 しかしこれらのポンプでは、ポンプ室内で高速
回転する羽根によつて流体を送り出すため、血液
ポンプとして使用すると血液損傷すなわち溶血が
発生し、特に長時間ポンプを運転して血液循環を
行う場合には溶血量が累積的に増加し、結局、使
用することが困難または不能であるという欠点を
有する。 そこで本願考案者等はポンプ内での溶血の発生
原因は、ポンプの回転子の構造にあると考え鋭意
研究を重ねた結果本考案に至つた。 考案の目的 本考案の目的は、上述した従来の渦巻型ポンプ
の欠点を解消し、小型かつ高性能で、しかも溶血
量を著しく減少させ長時間の血液循環に対しても
使用可能な血液ポンプを提供することにある。 考案の開示 このような目的は以下の本考案によつて達成さ
れる。 すなわち本考案は、略円錐状支持体と、該支持
体の曲面上にその頂点より所定の距離離れた位置
から前記支持体の外周端縁付近まで入口角10〜
30゜かつ出口角40〜60゜にて放射状に立設された複
数の湾曲羽根とを有する回転子と、該回転子を回
転可能に収納する空間を有するハウジングと、前
記ハウジングの前記回転子軸方向に設けられ、前
記略円錐状支持体の頂点付近に向けて血液を導入
する血液流入口と、前記ハウジングの前記回転子
回転方向の接線方向側にその接線方向または接線
方向に近接して設けられ、前記空間内の血液を排
出する血液流出口と、前記回転子を回転させる駆
動手段とを有することを特徴とする血液ポンプで
ある。 考案の具体的構成 以下本考案の血液ポンプを添付図面に示す好適
実施例について詳細に説明する。 本考案の血液ポンプの構成例を第1図に示す。 1はハウジング、2は回転子を収納する空間、
3は血液流入口、4は血液流出口、5は支持体、
6は湾曲羽根、7は回転軸、8はベアリング、9
はシールリング、10はモータ、11はカプラ
ー、12はモータの端子である。 本考案の血液ポンプは、ハウジング1の回転子
を収納する空間2内に、支持体5および湾曲羽根
6で構成される回転子が回転可能に収納され、該
回転子がモータ10によつて回転されると、血液
が血液流入口3より空空間2内へ流入し、血液流
出口4より吐出されるように構成されている。 回転子は、円錐状の支持体5の上面に複数の湾
曲羽根6が放射状に立設された構造となつてお
り、各湾曲羽根6は支持体5の円錐頂点より一定
距離d離れた位置から支持体5の外周端縁付近ま
で形成されている。 回転型子をこのような構造としたことによる特
徴を以下に説明する。 渦巻ポンプにおいて、回転子の構造を第3図に
示すようにオープン型とした場合には、血液流1
3の一部が支持体5の外周付近において高速の渦
流14を生じそのため溶血が発生する。 これに対し、本考案における回転子では、第4
図に示すように血液流13は支持体5の上面に沿
つて流れ、前述のような渦流14を生じないた
め、溶血が発生しない。 このような円錐状支持体5の頂角は120〜160゜
とするのがよい。頂角が120゜未満ではポンプ効率
が悪くなり、160゜をこえると流入時の不要な渦の
発生が大きくなるからである。 また支持体の直径は30〜50mm程度とするのがよ
い。直径が30mm未満であると充分な流量が得られ
ず、50mmをこえるとプライミング量が大となるか
らである。 次に湾曲羽根6の形成位置について、第2図を
参照しつつ説明する。 第2図は回転子の平面図であり、61は湾曲羽
根6の血液流入側、62は湾曲羽根6の血液流出
側を示す。 羽根の血液流入側61は、支持体5の円錐頂点
よりd=2〜5mm程度離れた位置より形成されて
いるのがよい。2mm未満では流入する血液を損傷
し、5mmをこえるとポンプ効率が下がるからであ
る。 羽根の血液流出側62は、支持体の外周端縁5
1付近まで形成されている。この血液流出側62
の羽根の末端は、外周端縁51に一致させてもよ
く、外周端縁51より若干内側または外側まで形
成させてもよい。いずれにしても羽根末端部に渦
流14を生じない程度の小さい位置であればよ
い。 本考案においては湾曲羽根6の形成角度が限定
される。 すなわち、湾曲羽根6の入口角αは、10°≦α
≦30°とし、湾曲羽根6の出口角βは40°≦β≦60°
とする。特に出口角β≒50°とすることが好まし
い。 ここで入口角αとは第2図に示すように、血液
流出側62の先端を連ねる円の接線と、血液流入
側61の湾曲羽根6の接線とのなす角をいい、出
口角βとは、支持体5の外周円の接線と、血液流
出側62の湾曲羽根61の接線とのなす角をい
う。 このように湾曲羽根6の入口角および出口角を
限定した理由を以下に説明する。 血液流入口3内の血液は羽根6の回転により予
め旋回しつつ空間2内へ流入し、血液は支持体5
の頂点より放射状に広がつて血液流13となる
が、回転子が第2図に示す矢印方向に高速で回転
しているため、血液は湾曲羽根6の湾曲面63に
押し付けられつつ広がつてゆく。そのため、血液
中の血球が、湾曲面63にこすり付けられ、溶血
が発生する。 従つて、αを10゜未満とするとポンプ効率が下
がり、30゜をこえると、羽根との衝撃が大きくな
る。 βを40゜未満とすると血球の羽根との接触長さ
が大きくなり、60゜をこえると羽根と血球との接
触角が大となる。特にβ≒50゜とした場合には溶
血量は最も減少する。 ポンプ吐出量(累積)と溶血して遊離したヘモ
グロビン量の関係を第6図に示す。同図に示すグ
ラフより、出口角β≒50゜の回転子のポンプでは
他に比べ溶血量が極端に少ないことがわかる。 なお湾曲羽根6は支持体5上にほぼ垂直に形成
されているのが好ましいが、一定の傾斜をもつて
形成されていてもよい。 このような湾曲羽根6は、支持体5上に等間隔
に形成するのが好ましく、羽根の枚数は特に限定
されないが、通常は6枚程度とするのがよい。 また湾曲羽根6の高さはポンプの大きさ、吐出
量などにより、決定されるが、ローラポンプの代
りに用いる場合は5〜10mm程度とするのがよい。
5mm未満であると、十分な吐出量が得られず、10
mmをこえると、大型化するからである。 湾曲羽根6の厚さは、強度等を考慮して適当に
決定する。 このような支持体5および湾曲羽根6の構成材
料は、軽量で十分な強度を有し、溶血を減少させ
るのに適当なものであればいかなるものでもよ
く、その好適例としてアクリル樹脂、 等を挙げることができる。そして、支持体5と湾
曲羽根6は、一体形成により形成することが好ま
しい。 このような支持体5および湾曲羽根6の表面に
は、抗血栓処理のために、セグメント・ポリ・ウ
レタン(S.P.U.)をコーテイングすることが好ま
しい。同時に、回転子を収納する空間2もコーテ
イングする方が好ましい。 以上説明したような支持体5および湾曲羽根6
で構成される回転子は、第1図に示すようにハウ
ジング1の空間2内に回転可能に収納されてい
る。 空間2は、高いポンプ効率を得る等の理由によ
り、回転子を回転させたときの回転体に対応する
形状とすることが好ましく、ほぼ円筒状である
が、空間2の上部は傾斜していてもよい。 ハウジング上部中心には、後述する回転子の軸
方向に空間2内と連通する血液流入口3が設けら
れている。この血液流入口3には、軟質塩化ビニ
ルチユーブ等が接続される。 またハウジングの円筒状空間2の円筒部の接線
方向には空間2内と連通する血液流出口4が設け
られている。この血液流出口4には同様に軟質塩
化ビニルチユーブ等が接続される。 血液は血液流入口3より空間2内の回転子の支
持体の頂点の上方へ導入され、回転子の回転によ
つて加速されて血液流出口4より送出される。 第1図に示すように、回転子には、回転軸7が
固着されており、回転軸7は、ハウジング1に嵌
入されたベアリング8により軸支されている。 また空間2内の血液が回転軸7の軸穴より漏れ
ることを防止するため、軸穴にはシールリング9
を嵌入することが好ましい。 このような回転子は、ハウジング1の下方に取
り付けられたモータ10の駆動によつて回転す
る。回転軸7とモータの軸とは直結的に連結さ
れ、回転軸7の先端がモータ10の軸とカプラー
11を介して遊嵌され、モータ10の回転力のみ
を伝達するように構成することが好ましい。これ
によりハウジング1とモータ10を着脱自在とす
ることができ便利である。 なおモータ10は小型かつ高性能のものを用い
ることが好ましく、人工心肺回路用の場合、ポン
プの最大流量が12/min程度になるものである
のがよい。 考案の具体的作用 以下本発明の具体的作用を第1図ないし第4図
を参照しつつ説明する。 モータ10の端子12に電圧を印加するとモー
タ10が駆動し、回転子が回転される。回転子の
回転方向は第2図中の矢印方向である。 回転子の回転によつて、血液が血液流入口3よ
り空間2内へ導入される。空間2内は導入された
血液は支持体5の円錐頂点付近から放射状に広が
る血液流13を形成する。このとき、支持体5は
円錐状で、湾曲羽根6は支持体5の外周端縁付近
まで形成されているので第3図に示すような渦流
14を生じることはない。 また血液流13は湾曲羽根6の高速回転により
湾曲面63に沿つて流れるが、湾曲羽根6の入口
角および出口角が上記の如く限定されているた
め、溶血を生じることが少ない。 このように回転子の回転によつて加速された血
液は、血液流出口4より吐出され、血液循環回路
内を血液が循環する。 上述した作用により血液ポンプが連続運転さ
れ、長時間血液循環を行つても、溶血はほとんど
生じない。 考案の具体的効果 本考案の血液ポンプによれば、円錐状支持体の
外周端縁付近まで湾曲羽根を形成したことによ
り、渦流の発生が防止され、これによる溶血が防
止される。さらに湾曲羽根の入口角および出口角
をそれぞれ10〜30゜および40〜60゜に限定したこと
により、血液中の血球が湾曲羽根の湾曲面にこす
りつけられて破損することを最少限に抑えられ
る。 従つて本考案の血液ポンプは累積的な溶血量が
著しく減少し、長時間の血液循環に対しても使用
することができる。 また本考案の血液ポンプは小型であるため、プ
ライミング量を減少することができ、しかも、ポ
ンプ効率が極めて良く、低電力で大流量の血液循
環を可能とする。 考案の実施例 (実施例 1) 第4図に示す形状の回転子を作成した。その仕
様は次のとおりであつた。 支持体は、直径=40mm、頂角=140゜とした。 湾曲羽根の形成位置は頂部より3mmの位置から
支持体外周端縁までとした。 湾曲羽根の入口角α=20゜、出口角β=50゜、枚
数は6とした。 これら支持体と湾曲羽根とをアクリル樹脂によ
る一体成形により作成した。 (比較例 1) 第3図に示す形状(オープン型)の回転子を作
成した。その仕様は次のとおりであつた。 支持体は直径=20mm、頂角=140゜とし、湾曲羽
根の形成位置は、頂部より3mmの位置から、支持
体外周端縁より10mm突出した位置までとした。 それ以外は実施例1と同様とした。 上記実施例1および比較例1の回転子をハウジ
ング内に装着した血液ポンプAおよびポンプBを
作成した。 これらポンプAおよびBについて以下の条件の
下で連続運転し、ポンプ吐出量(累積)と溶血量
(遊離ヘモグロビン量)の関係を調べた。との結
果を第5図に示す。 モータ回転数は2500r.p.m.、負荷は100mmHg、
流量は2/minであつた。 第5図のグラフから明らかなように、ポンプA
(実施例1)はポンプB(比較例1)に比べ溶血量
が著しく少ないことが確認された。 次に湾曲羽根の入口角αを20゜とし、出口角β
を種々変更した場合の溶血量を調べる実験を行つ
た。 各々β=50゜(本考案例)、β=20゜(比較例2)、
β=90゜(比較例3)の回転子を装着した血液ポン
プを連続運転し、遊離ヘモグロビン量(累積)を
測定した。 なお、回転子の仕様は、出口角β以外は、前述
の実施例1と同様とした。 また実験に用いたポンプの条件は、モータ回転
数:2500r.p.m.、負荷100mmHg、流量:2/
minであつた。 この実験結果を表1に示す。 尚、溶血量は、ポンプ吐出量(累積)100,
200,300における遊離ヘモグロビン量(mg)
を測定した。
れる血液潅流用ポンプであつて、長時間使用して
も溶血が少なく、かつ小型な血液ポンプに関す
る。 先行技術 従来、人工心肺体外循環回路に用いられる血液
ポンプは、溶血が少なく、微生物汚染防止の機能
に優れるという点からローラ型ポンプが用いられ
ていた。 このようなローラ型ポンプを人工心肺体外循環
回路に接続して用いる場合、大きな流量を得るた
めに太いポンプチユーブを用い、かつ患者と諸装
置間の配管のため、プライミング量が増し、その
ため送・脱血流量のバランスを保つよう注意深い
監視が必要となる。 これを軽減するため、ローラ型ポンプ等の装置
を患者に近づけようとしても、大きな流量が要求
される血液潅流用ローラ型ポンプは大型であるた
め限界があり、また流量を大きくしようとすれば
必然的に大型化してしまうため、小型で高性能す
なわち小型で大流量が得られる血液ポンプの開発
が望まれていた。 小型で大流量を得られるポンプとして、渦巻型
や遠心型のポンプが知られている。 しかしこれらのポンプでは、ポンプ室内で高速
回転する羽根によつて流体を送り出すため、血液
ポンプとして使用すると血液損傷すなわち溶血が
発生し、特に長時間ポンプを運転して血液循環を
行う場合には溶血量が累積的に増加し、結局、使
用することが困難または不能であるという欠点を
有する。 そこで本願考案者等はポンプ内での溶血の発生
原因は、ポンプの回転子の構造にあると考え鋭意
研究を重ねた結果本考案に至つた。 考案の目的 本考案の目的は、上述した従来の渦巻型ポンプ
の欠点を解消し、小型かつ高性能で、しかも溶血
量を著しく減少させ長時間の血液循環に対しても
使用可能な血液ポンプを提供することにある。 考案の開示 このような目的は以下の本考案によつて達成さ
れる。 すなわち本考案は、略円錐状支持体と、該支持
体の曲面上にその頂点より所定の距離離れた位置
から前記支持体の外周端縁付近まで入口角10〜
30゜かつ出口角40〜60゜にて放射状に立設された複
数の湾曲羽根とを有する回転子と、該回転子を回
転可能に収納する空間を有するハウジングと、前
記ハウジングの前記回転子軸方向に設けられ、前
記略円錐状支持体の頂点付近に向けて血液を導入
する血液流入口と、前記ハウジングの前記回転子
回転方向の接線方向側にその接線方向または接線
方向に近接して設けられ、前記空間内の血液を排
出する血液流出口と、前記回転子を回転させる駆
動手段とを有することを特徴とする血液ポンプで
ある。 考案の具体的構成 以下本考案の血液ポンプを添付図面に示す好適
実施例について詳細に説明する。 本考案の血液ポンプの構成例を第1図に示す。 1はハウジング、2は回転子を収納する空間、
3は血液流入口、4は血液流出口、5は支持体、
6は湾曲羽根、7は回転軸、8はベアリング、9
はシールリング、10はモータ、11はカプラ
ー、12はモータの端子である。 本考案の血液ポンプは、ハウジング1の回転子
を収納する空間2内に、支持体5および湾曲羽根
6で構成される回転子が回転可能に収納され、該
回転子がモータ10によつて回転されると、血液
が血液流入口3より空空間2内へ流入し、血液流
出口4より吐出されるように構成されている。 回転子は、円錐状の支持体5の上面に複数の湾
曲羽根6が放射状に立設された構造となつてお
り、各湾曲羽根6は支持体5の円錐頂点より一定
距離d離れた位置から支持体5の外周端縁付近ま
で形成されている。 回転型子をこのような構造としたことによる特
徴を以下に説明する。 渦巻ポンプにおいて、回転子の構造を第3図に
示すようにオープン型とした場合には、血液流1
3の一部が支持体5の外周付近において高速の渦
流14を生じそのため溶血が発生する。 これに対し、本考案における回転子では、第4
図に示すように血液流13は支持体5の上面に沿
つて流れ、前述のような渦流14を生じないた
め、溶血が発生しない。 このような円錐状支持体5の頂角は120〜160゜
とするのがよい。頂角が120゜未満ではポンプ効率
が悪くなり、160゜をこえると流入時の不要な渦の
発生が大きくなるからである。 また支持体の直径は30〜50mm程度とするのがよ
い。直径が30mm未満であると充分な流量が得られ
ず、50mmをこえるとプライミング量が大となるか
らである。 次に湾曲羽根6の形成位置について、第2図を
参照しつつ説明する。 第2図は回転子の平面図であり、61は湾曲羽
根6の血液流入側、62は湾曲羽根6の血液流出
側を示す。 羽根の血液流入側61は、支持体5の円錐頂点
よりd=2〜5mm程度離れた位置より形成されて
いるのがよい。2mm未満では流入する血液を損傷
し、5mmをこえるとポンプ効率が下がるからであ
る。 羽根の血液流出側62は、支持体の外周端縁5
1付近まで形成されている。この血液流出側62
の羽根の末端は、外周端縁51に一致させてもよ
く、外周端縁51より若干内側または外側まで形
成させてもよい。いずれにしても羽根末端部に渦
流14を生じない程度の小さい位置であればよ
い。 本考案においては湾曲羽根6の形成角度が限定
される。 すなわち、湾曲羽根6の入口角αは、10°≦α
≦30°とし、湾曲羽根6の出口角βは40°≦β≦60°
とする。特に出口角β≒50°とすることが好まし
い。 ここで入口角αとは第2図に示すように、血液
流出側62の先端を連ねる円の接線と、血液流入
側61の湾曲羽根6の接線とのなす角をいい、出
口角βとは、支持体5の外周円の接線と、血液流
出側62の湾曲羽根61の接線とのなす角をい
う。 このように湾曲羽根6の入口角および出口角を
限定した理由を以下に説明する。 血液流入口3内の血液は羽根6の回転により予
め旋回しつつ空間2内へ流入し、血液は支持体5
の頂点より放射状に広がつて血液流13となる
が、回転子が第2図に示す矢印方向に高速で回転
しているため、血液は湾曲羽根6の湾曲面63に
押し付けられつつ広がつてゆく。そのため、血液
中の血球が、湾曲面63にこすり付けられ、溶血
が発生する。 従つて、αを10゜未満とするとポンプ効率が下
がり、30゜をこえると、羽根との衝撃が大きくな
る。 βを40゜未満とすると血球の羽根との接触長さ
が大きくなり、60゜をこえると羽根と血球との接
触角が大となる。特にβ≒50゜とした場合には溶
血量は最も減少する。 ポンプ吐出量(累積)と溶血して遊離したヘモ
グロビン量の関係を第6図に示す。同図に示すグ
ラフより、出口角β≒50゜の回転子のポンプでは
他に比べ溶血量が極端に少ないことがわかる。 なお湾曲羽根6は支持体5上にほぼ垂直に形成
されているのが好ましいが、一定の傾斜をもつて
形成されていてもよい。 このような湾曲羽根6は、支持体5上に等間隔
に形成するのが好ましく、羽根の枚数は特に限定
されないが、通常は6枚程度とするのがよい。 また湾曲羽根6の高さはポンプの大きさ、吐出
量などにより、決定されるが、ローラポンプの代
りに用いる場合は5〜10mm程度とするのがよい。
5mm未満であると、十分な吐出量が得られず、10
mmをこえると、大型化するからである。 湾曲羽根6の厚さは、強度等を考慮して適当に
決定する。 このような支持体5および湾曲羽根6の構成材
料は、軽量で十分な強度を有し、溶血を減少させ
るのに適当なものであればいかなるものでもよ
く、その好適例としてアクリル樹脂、 等を挙げることができる。そして、支持体5と湾
曲羽根6は、一体形成により形成することが好ま
しい。 このような支持体5および湾曲羽根6の表面に
は、抗血栓処理のために、セグメント・ポリ・ウ
レタン(S.P.U.)をコーテイングすることが好ま
しい。同時に、回転子を収納する空間2もコーテ
イングする方が好ましい。 以上説明したような支持体5および湾曲羽根6
で構成される回転子は、第1図に示すようにハウ
ジング1の空間2内に回転可能に収納されてい
る。 空間2は、高いポンプ効率を得る等の理由によ
り、回転子を回転させたときの回転体に対応する
形状とすることが好ましく、ほぼ円筒状である
が、空間2の上部は傾斜していてもよい。 ハウジング上部中心には、後述する回転子の軸
方向に空間2内と連通する血液流入口3が設けら
れている。この血液流入口3には、軟質塩化ビニ
ルチユーブ等が接続される。 またハウジングの円筒状空間2の円筒部の接線
方向には空間2内と連通する血液流出口4が設け
られている。この血液流出口4には同様に軟質塩
化ビニルチユーブ等が接続される。 血液は血液流入口3より空間2内の回転子の支
持体の頂点の上方へ導入され、回転子の回転によ
つて加速されて血液流出口4より送出される。 第1図に示すように、回転子には、回転軸7が
固着されており、回転軸7は、ハウジング1に嵌
入されたベアリング8により軸支されている。 また空間2内の血液が回転軸7の軸穴より漏れ
ることを防止するため、軸穴にはシールリング9
を嵌入することが好ましい。 このような回転子は、ハウジング1の下方に取
り付けられたモータ10の駆動によつて回転す
る。回転軸7とモータの軸とは直結的に連結さ
れ、回転軸7の先端がモータ10の軸とカプラー
11を介して遊嵌され、モータ10の回転力のみ
を伝達するように構成することが好ましい。これ
によりハウジング1とモータ10を着脱自在とす
ることができ便利である。 なおモータ10は小型かつ高性能のものを用い
ることが好ましく、人工心肺回路用の場合、ポン
プの最大流量が12/min程度になるものである
のがよい。 考案の具体的作用 以下本発明の具体的作用を第1図ないし第4図
を参照しつつ説明する。 モータ10の端子12に電圧を印加するとモー
タ10が駆動し、回転子が回転される。回転子の
回転方向は第2図中の矢印方向である。 回転子の回転によつて、血液が血液流入口3よ
り空間2内へ導入される。空間2内は導入された
血液は支持体5の円錐頂点付近から放射状に広が
る血液流13を形成する。このとき、支持体5は
円錐状で、湾曲羽根6は支持体5の外周端縁付近
まで形成されているので第3図に示すような渦流
14を生じることはない。 また血液流13は湾曲羽根6の高速回転により
湾曲面63に沿つて流れるが、湾曲羽根6の入口
角および出口角が上記の如く限定されているた
め、溶血を生じることが少ない。 このように回転子の回転によつて加速された血
液は、血液流出口4より吐出され、血液循環回路
内を血液が循環する。 上述した作用により血液ポンプが連続運転さ
れ、長時間血液循環を行つても、溶血はほとんど
生じない。 考案の具体的効果 本考案の血液ポンプによれば、円錐状支持体の
外周端縁付近まで湾曲羽根を形成したことによ
り、渦流の発生が防止され、これによる溶血が防
止される。さらに湾曲羽根の入口角および出口角
をそれぞれ10〜30゜および40〜60゜に限定したこと
により、血液中の血球が湾曲羽根の湾曲面にこす
りつけられて破損することを最少限に抑えられ
る。 従つて本考案の血液ポンプは累積的な溶血量が
著しく減少し、長時間の血液循環に対しても使用
することができる。 また本考案の血液ポンプは小型であるため、プ
ライミング量を減少することができ、しかも、ポ
ンプ効率が極めて良く、低電力で大流量の血液循
環を可能とする。 考案の実施例 (実施例 1) 第4図に示す形状の回転子を作成した。その仕
様は次のとおりであつた。 支持体は、直径=40mm、頂角=140゜とした。 湾曲羽根の形成位置は頂部より3mmの位置から
支持体外周端縁までとした。 湾曲羽根の入口角α=20゜、出口角β=50゜、枚
数は6とした。 これら支持体と湾曲羽根とをアクリル樹脂によ
る一体成形により作成した。 (比較例 1) 第3図に示す形状(オープン型)の回転子を作
成した。その仕様は次のとおりであつた。 支持体は直径=20mm、頂角=140゜とし、湾曲羽
根の形成位置は、頂部より3mmの位置から、支持
体外周端縁より10mm突出した位置までとした。 それ以外は実施例1と同様とした。 上記実施例1および比較例1の回転子をハウジ
ング内に装着した血液ポンプAおよびポンプBを
作成した。 これらポンプAおよびBについて以下の条件の
下で連続運転し、ポンプ吐出量(累積)と溶血量
(遊離ヘモグロビン量)の関係を調べた。との結
果を第5図に示す。 モータ回転数は2500r.p.m.、負荷は100mmHg、
流量は2/minであつた。 第5図のグラフから明らかなように、ポンプA
(実施例1)はポンプB(比較例1)に比べ溶血量
が著しく少ないことが確認された。 次に湾曲羽根の入口角αを20゜とし、出口角β
を種々変更した場合の溶血量を調べる実験を行つ
た。 各々β=50゜(本考案例)、β=20゜(比較例2)、
β=90゜(比較例3)の回転子を装着した血液ポン
プを連続運転し、遊離ヘモグロビン量(累積)を
測定した。 なお、回転子の仕様は、出口角β以外は、前述
の実施例1と同様とした。 また実験に用いたポンプの条件は、モータ回転
数:2500r.p.m.、負荷100mmHg、流量:2/
minであつた。 この実験結果を表1に示す。 尚、溶血量は、ポンプ吐出量(累積)100,
200,300における遊離ヘモグロビン量(mg)
を測定した。
【表】
以上の結果より明らかなように、本考案の血液
ポンプを使用した場合、溶血量が著しく少ないこ
とが確認された。 次に血液ポンプの性能を調べるために、以下の
実験を行つた。 湾曲羽根の入口角αは20゜、出口角βが各々
20゜、50゜および90゜の3種の回転子を作成し、これ
らを前述と同様な仕様の血液ポンプに装着した。
これらのポンプを3600r.p.mにて10分間運転し、
負荷50mmHg,100mmHgおよび150mmHgの場合に
おける流量特性を調べた。 その結果を第7図に示す。 第7図のグラフより明らかなように、本考案の
血液ポンプは、ポンプ吐出流量が大であり高性能
であることがわかつた。
ポンプを使用した場合、溶血量が著しく少ないこ
とが確認された。 次に血液ポンプの性能を調べるために、以下の
実験を行つた。 湾曲羽根の入口角αは20゜、出口角βが各々
20゜、50゜および90゜の3種の回転子を作成し、これ
らを前述と同様な仕様の血液ポンプに装着した。
これらのポンプを3600r.p.mにて10分間運転し、
負荷50mmHg,100mmHgおよび150mmHgの場合に
おける流量特性を調べた。 その結果を第7図に示す。 第7図のグラフより明らかなように、本考案の
血液ポンプは、ポンプ吐出流量が大であり高性能
であることがわかつた。
第1図は本考案の血流ポンプの部分断面正面図
である。第2図は本考案の血液ポンプに用いる回
転子の構造を示す平面図である。第3図はオープ
ン型回転子における血流の流れの状態を示す側面
図である。第4図は本考案の血液ポンプに用いる
回転子における血液の流れの状態を示す側面図で
ある。第5図は、第4図および第3図に示す回転
子を装着した血液ポンプAおよびBについて、ポ
ンプ吐出量(累積)と遊離ヘモグロビン量の関係
を示すグラフである。第6図は、湾曲羽根の出口
角βが各々20゜、50゜および90゜の回転子を装着した
血液ポンプについて、ポンプ吐出量(累積)と遊
離ヘモグロビン量の関係を示すグラフである。第
7図は、湾曲羽根の出口角βとポンプの吐出流量
との関係を示すグラフである。 符号の説明、1……ハウジング、2……空間、
3……血液流入口、4……血液流出口、5……支
持体、51……支持体外周端縁、6……湾曲羽
根、61……血液流入側、62……血液流出側、
63……湾曲面、7……回転軸、8……ベアリン
グ、9……シールリング、10……モータ、11
……カプラー、12……端子、13……血液流、
14……渦流。
である。第2図は本考案の血液ポンプに用いる回
転子の構造を示す平面図である。第3図はオープ
ン型回転子における血流の流れの状態を示す側面
図である。第4図は本考案の血液ポンプに用いる
回転子における血液の流れの状態を示す側面図で
ある。第5図は、第4図および第3図に示す回転
子を装着した血液ポンプAおよびBについて、ポ
ンプ吐出量(累積)と遊離ヘモグロビン量の関係
を示すグラフである。第6図は、湾曲羽根の出口
角βが各々20゜、50゜および90゜の回転子を装着した
血液ポンプについて、ポンプ吐出量(累積)と遊
離ヘモグロビン量の関係を示すグラフである。第
7図は、湾曲羽根の出口角βとポンプの吐出流量
との関係を示すグラフである。 符号の説明、1……ハウジング、2……空間、
3……血液流入口、4……血液流出口、5……支
持体、51……支持体外周端縁、6……湾曲羽
根、61……血液流入側、62……血液流出側、
63……湾曲面、7……回転軸、8……ベアリン
グ、9……シールリング、10……モータ、11
……カプラー、12……端子、13……血液流、
14……渦流。
Claims (1)
- 【実用新案登録請求の範囲】 略円錐状支持体と、該支持体の曲面上にその頂
点より所定の距離離れた位置から前記支持体の外
周端縁付近まで入口角10〜30゜かつ出口角40〜60゜
にて放射状に立設された複数の湾曲羽根とを有す
る回転子と、該回転子を回転可能に収納する空間
を有するハウジングと、 前記ハウジングの前記回転子軸方向に設けら
れ、前記略円錐状支持体の頂点付近に向けて血液
を導入する血液流入口と、 前記ハウジングの前記回転子回転方向の接線方
向側にその接線方向または接線方向に近接して設
けられ、前記空間内の血液を排出する血液流出口
と、 前記回転子を回転させる駆動手段とを有するこ
とを特徴とする血液ポンプ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1985098939U JPS646827Y2 (ja) | 1985-06-28 | 1985-06-28 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1985098939U JPS646827Y2 (ja) | 1985-06-28 | 1985-06-28 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS626837U JPS626837U (ja) | 1987-01-16 |
| JPS646827Y2 true JPS646827Y2 (ja) | 1989-02-22 |
Family
ID=30967359
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1985098939U Expired JPS646827Y2 (ja) | 1985-06-28 | 1985-06-28 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS646827Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2019064571A1 (ja) * | 2017-09-29 | 2019-04-04 | 株式会社サンメディカル技術研究所 | 補助人工心臓ポンプ |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5581330U (ja) * | 1978-11-30 | 1980-06-04 |
-
1985
- 1985-06-28 JP JP1985098939U patent/JPS646827Y2/ja not_active Expired
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS626837U (ja) | 1987-01-16 |
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