以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
図1〜図36は本発明によるベビーカーの一実施の形態を説明するための図である。このうち、図1〜図7には、ベビーカーの全体構成が示されている。図1〜図7に示すように、本実施の形態におけるベビーカー10は、車体20と、車体20に着脱可能に取り付けられたシート130と、を有している。車体20は、略中心に配置されたコア部材25と、コア部材25に支持された前脚30および後脚40と、アーム部材65を介してコア部材30に支持されたハンドル部材60と、を有している。前脚30の下端には、前車輪35を含むキャスター34が保持されている。また、後脚40の下端には、キャリア50を介し、後車輪47を含む後輪ユニット45が保持されている。
また、本実施の形態において、車体20は、折り畳み可能に構成されている。具体的には、車体20は、ハンドル部材60、前脚30および後脚40が、コア部材25から放射状に延び出した使用状態(展開状態)と、ハンドル部材60、前脚30および後脚40をコア部材25に対して回動(揺動)させた折り畳み状態と、の間で変形可能に構成されている。また、車体20は、後脚40の揺動とハンドル部材60の回動とを連動させる後脚リンク材88と、前脚30の揺動とハンドル部材60の回動(ハンドル部材60を支持するアーム部材25の回動)とを連動させる前脚リンク機構70と、を有している。
このような本実施の形態のベビーカー10においては、シート130に乳幼児を乗車させた状態で、操作者(例えば、乳幼児の保護者)がハンドル部材60を把持してベビーカー10を操縦し、ベビーカー10の前脚30の側が進行方向の前方となるようにしてベビーカー10を走行させることができる。
なお、本明細書中において、ベビーカー10および車体20に対する「前」、「後」、「上」、「下」、「前後方向」、および「上下方向」の用語は、特に指示がない場合、展開状態にあるベビーカー10を操縦する操作者を基準とした「前」、「後」、「上」、「下」、「前後方向」、および「上下方向」を意味する。さらに詳しくは、ベビーカー10の「前後方向」とは、図1における紙面の左下と右上とを結ぶ方向であって、図2における紙面の左右の方向に相当する。そして、特に指示がない限り、「前」とは、ベビーカー10を操縦する操作者が向く側であり、図1における紙面の左下側並びに図2における紙面の左側がベビーカー10の前側となる。一方、ベビーカー10の「上下方向」とは前後方向に直交するとともに接地面に直交する方向である。したがって、接地面が水平面である場合、「上下方向」とは垂直方向をさす。また、「幅方向」または「車幅方向」とは、横方向であって、「前後方向」および「上下方向」のいずれにも直交する方向である。
まず、ベビーカー10の車体20について説明する。主に図1〜9に示すように、本実施の形態におけるベビーカー10の車体20は、より具体的には、コア部材25、前脚30、後脚40、アーム部材30およびハンドル部材60は、車幅方向における中心を通る前後方向に沿った面を中心として、概ね対称な構成となっている。
図1〜図4に示すように、展開状態のベビーカー10の車体20においては、コア部材25が概ね中心に配置されている。主に図6、図9、図10および図11に示すように、コア部材25は、本体部分としてのベース部26と、固定具25aを介してベース部26に着脱可能に固定された前脚軸支部27と、を有している。コア部材25のベース部26は、例えばアルミニウム鍛造品からなり、高い剛性を有している。前脚軸支部27は、前脚30を回転可能に支持する部材であって、後述するように、支持した前脚30とともに前脚ユニット29を構成する。
次に、コア部材25に接続された前脚30および後脚40について説明する。
図1〜図9に図示された車体20には、車幅方向に並べて配列された一対の前脚30が設けられている。図3に示すように、展開状態において、各前脚30は、コア部材25と接続されている側の端部が、当該端部とは反対側の前車輪ユニット35と接続されている側の端部よりも、前後方向における後方に位置するようにして、コア部材20から延び下がっている。また、図1および図2に示すように、一対の前脚30は、使用状態において、車幅方向における離間間隔がコア部材25の側から離間するにつれて大きくなっていくように、傾斜している。
上述したように、各前脚30の下端には、キャスター34が取り付けられている。キャスター34は、一対の前車輪35を回転可能に支持している。また、キャスター34は、一対の前車輪35の車軸を旋回可能に支持している。なお、図1〜図7に示すベビーカー10の車体20においては、各前脚30の下端に支持される一対の前車輪35の離間間隔は、一対の前脚30の下端の離間間隔と比較して極めて小さい。したがって、図1〜図7に示された本実施の形態によるベビーカー10は、機能的に分類すると、四輪車として構成されていると言える。
各前脚30は、コア部材25に対して回動可能(揺動可能)に接続されている。図8に示すように、各前脚30の回動軸線(揺動軸線)rafは、車幅方向外側(車幅方向におけるベビーカー10の車体20の中心から離間する側)が車幅方向内側(車幅方向におけるベビーカー10の車体20の中心に近接する側)よりも前後方向における後方に位置するように、延びている。このため、各前脚30は、前後方向における前方かつ車幅方向における外方にコア部材25から延び出た状態(図1〜図4に示された状態)から、コア部材25から概ね下方に延び下がった状態(図5および図6に示された状態)へと、コア部材25に対して揺動することができる。また、図6に示すように、各前脚30の回動軸線(揺動軸線)rafは、車幅方向外側が車幅方向内側よりも上下方向における下方に位置するように、延びている。この結果、各前脚30がコア部材25に対して回動したとしても、前脚30の下方に支持された前車輪35が、回動する前と略平行な姿勢を維持することができるようになる。すなわち、図6示すように、前脚30をコア部材25に対して回動させて折り畳んだ状態においても、各前脚30にキャスター34を介して支持された一対の前車輪35の回転軸線は、接地面と平行に延びるようになる。
次に、後脚40について説明する。図1〜図7に図示された車体20には、前脚30と同様に、車幅方向に並べて配列された一対の後脚40が設けられている。図3に示すように、展開状態において、各後脚40は、コア部材25と接続されている側の端部が、当該端部とは反対側の後輪ユニット45と接続されている側の端部よりも、前後方向における前方に位置するようにして、コア部材20から延び下がっている。また、図4に示すように、一対の後脚40は、使用状態において、車幅方向における離間間隔がコア部材25の側から離間するにつれて大きくなっていくように、傾斜している。
各後脚40は、コア部材25に対して回動可能(揺動可能)に接続されている。図8に示すように、各後脚40の回動軸線(揺動軸線)rar1,rar2は、車幅方向外側が車幅方向内側よりも前後方向における前方に位置するように、延びている。このため、各後脚40は、前後方向における後方かつ車幅方向における外方にコア部材25から延び出た状態(図1〜図4に示された状態)から、コア部材25から概ね下方に延び下がった状態(図5および図6に示された状態)へと、コア部材25に対して揺動することができる。
各後脚30の下端には、後輪キャリア50が取り付けられている。後輪キャリア50は、後車輪35を有した後輪ユニット35を支持している。後輪キャリア50および後輪ユニット35については、後に詳述する。
図示されたベビーカー10の車体20において、各後脚40は、平行に配置された第1後脚要素41と第2後脚要素42とを含んでいる。図9に示すように、第1後脚要素41および第2後脚要素42は、その上端において、平行な回動軸線(揺動軸線)rar1,rar2を中心としてコア部材25と接続されている。また、第1後脚要素41および第2後脚要素42は、その下端において、平行な回動軸線(揺動軸線)rar3,rar4を中心として、後輪キャリア50を支持するキャリア支持部材43と回動可能(揺動可能)に接続されている(図18参照)。また、後脚要素41,42のコア部材25に対する回動軸線rar1,rar2と、後脚要素41,42のキャリア支持部材43に対する回動軸線rar3,rar4と、は平行になっており、且つ、図9に模式的に示すように、これらの回動軸線rar1,rar2,rar3,rar4は平行四辺形を形成する位置に配置されている。この結果、各後脚40がコア部材25に対して回動したとしても、後脚40の下方に支持された後車輪47が、回動する前と略平行な姿勢を維持することができるようになる。すなわち、図7示すように、後脚40をコア部材25に対して回動させて折り畳んだ状態においても、各後脚40に後輪キャリア50を介して支持された後車輪47の回転軸線は、接地面と平行に延びるようになる。
なお、図5〜図7に示すように、本実施の形態のベビーカー10においては、コア部材25から延び出る左側の前脚30、右側の前脚30、左側の後脚40および右側の後脚40は、使用状態から折り畳み状態へ変形する際に、互いに接近するようにコア部材25に対して揺動する。言い換えると、左側の前脚30、右側の前脚30、左側の後脚40および右側の後脚40は、互いの間になされる角度が小さくなるように、コア部材25に対して揺動する。さらに言い換えると、一対の前脚30および一対の後脚40は、そのコア部材25から離間している側の端部が互いに接近した位置に配置されるように、コア部材25に対して揺動する。
この結果、図5に示すように、折り畳み状態において、前脚30および後脚40は、互いに接近して、コア部材25から下方に延び出る。これにより、ベビーカー10の前後方向における寸法を、折り畳み状態において、小型化することができる。また、図6に示すように、折り畳み状態において、一対の前脚30は、互いに接近して、コア部材25から下方に延び出る。同様に、図7に示すように、折り畳み状態において、一対の後脚40は、互いに接近して、コア部材25から下方に延び出る。これにより、ベビーカー10の車幅方向における寸法を、折り畳み状態において、小型化することができる。
次に、ハンドル部材60およびアーム部材65について説明する。
上述しように、図1〜7に示すように、ハンドル部材60は、車幅方向に並べて配置された一対のアーム部材65を介し、コア部材25に揺動可能に連結されている。ハンドル部材60は、車幅方向に並べて配置された一対のハンドル延出部61と、一対のハンドル延出部61の間を連結する屈曲可能な屈曲部62と、を有している。本実施の形態において、ハンドル延出部61の一端は、アーム部材25に回動可能(揺動可能)に接続され、ハンドル延出部61の他端は、屈曲部62に接続されている。
また、例えば図3および図4に示すように、ハンドル延出部61のアーム部材25の側の領域は、後脚リンク材88の一端と回動可能に接続されている。後脚リンク材88の他端は、キャリア支持部材43の側の領域において、後脚40の第2後脚要素42と接続されている。この後脚リンク材88は、後脚40のコア部材25に対する回動と、一対のハンドル延出部61の回動と、を連動させるようになる。そして、図5に示すように、折り畳んだ状態において、ハンドル部材60は、コア部材25上に支持されたアーム部材35から下方に向けて延びるようになる。
すなわち、ハンドル部材60および後脚40は、使用状態から折り畳み状態へ変形する際に、互いに接近するようにコア部材25に対して揺動する。言い換えると、ハンドル部材60および後脚40は、側面視において互いの間になされる角度が小さくなるように、コア部材25に対して揺動する。さらに言い換えると、ハンドル部材60および後脚40は、ハンドル部材60のアーム部材65から離間している側の端部と後脚40のコア部材25から離間している端部とが互いに接近した位置に配置されるように、揺動する。
ところで、上述したように、一対の後脚40のキャリア支持部材43の側の端部の車幅方向への離間間隔は、使用状態から折り畳み状態へ変形する際に、接近するようになる(図4および図7参照)。一対の後脚40の車幅方向への離間間隔が狭くなれば、一対の後脚40にそれぞれ接続された一対の後脚リンク材88の車幅方向への離間間隔も狭くなる。そして、本実施の形態においては、一対の後脚40の車幅方向への接近および一対の後脚リンク材88の車幅方向への接近にともなって、一対のハンドル延出部60が互いに接近し得るように、ハンドル部材60およびハンドル部材60を支持するアーム部材65が以下のように構成されている。
まず、各アーム部材65は、回動可能(揺動可能)にコア部材25に接続された回動ベース66と、回動ベース66に支持されハンドル部材60と接続されているハンドル支持部材67と、を有している。ハンドル支持部材67は、ハンドル部材60のハンドル延出部61の一端と回動可能に接続されている。
各回動ベース66のコア部材25に対する回動軸線ramは、車幅方向と交差しており、概ね前後方向に向いている(例えば図3及び図13参照)。このため、一対のアーム部材65は、一対のアーム部材65のコア部材25とは反対の側の端部間、すなわち、ハンドル支持部材67間の車幅方向における離間間隔が変化するように、コア部材25に対して回動することができる。
また、ハンドル支持部材67は、回動ベース66のコア部材25に対する回動軸線ramと平行な軸線rasを中心として、回動ベース66に対して回動可能となっている(例えば図13参照)。したがって、アーム部材65は、一対のハンドル支持部材67と対応するハンドル延出部61との回動軸線rah(図4参照)を、水平方向に平行な一直線に保ちながら、コア部材25対して回動して一対のハンドル支持部材67を車幅方向に接近または離間させることができる。このようなアーム部材65の構成により、後脚40の車幅方向への接近にともない、一対のハンドル延出部61のアーム部材65に近接する側の端部間の車幅方向における離間間隔を折り畳み状態において狭くすることができる。
また、上述したように、一対のハンドル延出部61のアーム部材65から離間する側の端部は、屈曲可能な屈曲部62によって、連結されている。この屈曲部62が折り畳み状態において屈曲することによって、一対のハンドル延出部61のアーム部材65から離間する側の端部間の車幅方向における離間間隔を狭くすることができる。
以上のアーム部材65とハンドル部材60の構成により、折り畳んだ状態において使用状態よりも、ハンドル部材60および後脚40は、ハンドル部材60のアーム部材65から離間している側の端部と後脚40のコア部材25から離間している端部とは、前後方向だけでなく車幅方向にも互いに接近した位置に配置されるようになる。
なお、図17に示すように、屈曲部62は、一対のハンドル延出部62のアーム部材65から離間する側の端部に接続された第1屈曲部63aおよび第3屈曲部63cと、第1屈曲部63aおよび第3屈曲部63cとの間に配置された第2屈曲部と、を有している。第1〜第3屈曲部63a,63b,63cは、それぞれ回動可能に端部間を接続されている。
そして、図1〜図4に示すように、屈曲部62は、使用状態において、アーム部材65から離間する側に向けて、一対のハンドル延出部61から延び出ている。一方、図7によく示されているように、屈曲部62は、折り畳み状態において、アーム部材65に接近する側に突出するように屈曲する。これにより、図17に示すように、折り畳み状態において、ハンドル部材の寸法を、車幅方向に方向だけでなく、上下方向および前後方向にも小型化することができる。すなわち、ハンドル部材60の使用状態における寸法を、操縦性等を考慮した適切な長さに維持しながら、同時に、折り畳み時におけるハンドル部材60の寸法を車幅方向だけでなく前後方向にも小型化することができる。
また、図5に示すように、屈曲部62の屈曲軸線baは、実質的に、一対のハンドル延出部61が含まれる仮想の平面vpに直交している。したがって、図5に示すように、一対のハンドル延出部61が含まれる仮想の平面vpからの屈曲部62の突出量plは、折り畳み状態において使用状態よりも実質的に大きくなってしまうことはない。この点からも、ベビーカー10を折り畳み状態における寸法を、前後方向および上下方向において、効果的に小型化することが可能となる。
さらに、図10および図11によく示されているように、本実施の形態によるベビーカー10の車体20においては、一対のアーム部材20と前脚30との間に前脚リンク機構70が設けられている。前脚リンク機構70は、一対のアーム部材20と前脚30との間を連結し、前脚30の揺動と一対のアーム部材65の回動とを連動させるように構成されている。
図10および図11に示すように、前脚リンク機構70は、一対のアーム部材65の間を連結するアーム部材連結リンク72と、一対の前脚30の間を連結する前脚連結リンク78と、アーム部材連結リンク72および前脚連結リンク78の間を延びる連絡リンク81と、を有している。
図10に示すように、アーム部材連結リンク72は、使用状態において、一対のアーム部材65の回動ベース66の間を水平方向に一直線状に延びている。このアーム部材連結リンク72は、回動ベース66に回動可能に接続されるとともに、その中央部分において、屈曲可能に構成されている。したがって、使用状態から折り畳み状態に向けて一対の回動ベース66がコア部材25に対して回動した場合、一対の回動ベース66の接近にともなって、アーム部材連結リンク72は屈曲する。
とりわけ、図13に示すように、本実施の形態においては、アーム部材連結リンク72の屈曲軸線bal1およびアーム部材連結リンク72の回動ベース66に対する回動軸線ral1は、回動ベース66のコア部材25に対する回動軸線ramと略平行に延びている。このため、アーム部材連結リンク72は、回動ベース66のコア部材25に対する回動にともなって滑らかに屈曲することができる。
ただし、アーム部材連結リンク72と連絡リンク81とは、第1コネクタ73を介して、連結されている。そして、第1コネクタ73は、アーム部材連結リンク72上に配置され、アーム部材連結リンク72が前脚30の側の突出(下側に突出)するようにして屈曲することを規制している。このため、アーム部材連結リンク72は、図11に示すように、中央部分が上方に向けて突出するように屈曲し、逆側に屈曲することはない。
同様に、図10に示すように、前脚連結リンク78は、使用状態において、一対の前脚30の間を水平方向に一直線状に延びている。この前脚連結リンク78は、前脚30に回動可能に接続されるとともに、その中央部分において、屈曲可能に構成されている。したがって、使用状態から折り畳み状態に向けて一対の前脚30がコア部材25に対して回動した場合、一対の前脚30の接近にともなって、前脚連結リンク78は屈曲する。
連絡リンク81は、上述したように、第1コネクタ73を介し、アーム部材連結リンク72の屈曲可能箇所または屈曲可能箇所の近傍と、連結されている。連絡リンク81は、その一端を第1コネクタ73に回動可能(揺動可能)に接続されている。図11および図13から理解され得るように、連絡リンク81の第1コネクタ73に対する回動軸線rac1は、アーム部材連結リンク72の屈曲軸線bal1に対して直交している。また、図10および図11に示すように、連絡リンク81は、第2コネクタ79を介し、前脚連結リンク78の屈曲可能箇所または屈曲可能箇所の近傍と、連結されている。連絡リンク81は、第1コネクタ73に接続された一端とは逆の他端を第2コネクタ79に回動可能(揺動可能)に接続されている。図11に示すように、連絡リンク81の第2コネクタ79に対する回動軸線rac2は、前脚連結リンク78の屈曲軸線bal2に対して直交している。
ところで、本実施の形態におけるベビーカー10の車体20には、使用状態、すなわち、展開された状態を維持するための機構が設けられている。以下に説明するように、状態維持機構は、ベビーカー10の車体20をなす要素の変位または変形を規制するように構成されている。上述してきたように、前脚リンク機構40および後脚リンク材88を介し、ベビーカー10の車体20をなす要素の変位または変形は連動している。したがって、状態維持機構により一構成要素の変位または変形を規制すれば、ベビーカー10の折り畳み動作を規制してベビーカー10を使用状態に維持することが可能となる。
まず、第1の状態維持機構91として、アーム部材65に対するハンドル部材60の回動を規制する機構が設けられている。図15および図16に示すように、第1の状態維持機構91は、ハンドル延出部61のアーム部材65側の端部61a内に配置された規制スライダ92と、ハンドル延出部61の端部61aに対面するアーム部材56のハンドル支持部材67に形成された溝68と、を含むように構成されている。
規制スライダ92は、ハンドル延出部61の端部61aから、この端部61aに対面するアーム部材56のハンドル支持部材67に向けて突出した一対の規制突起92aを含んでいる。規制スライダ92は、ハンドル延出部61内において、ハンドル延出部61に対して摺動可能となっている。規制スライダ61は、ハンドル延出部61内に設けられた圧縮ばね93bにより、ハンドル延出部61内において屈曲部62の側から離間する側に向けて付勢されている。規制スライダ61は、各ハンドル延出部61の屈曲部62の側に端部領域に設けられた第1切替スイッチ64によって、圧縮ばね93bの付勢力に抗して移動させられ得るようになっている。第1切替スイッチ64は、ハンドル延出部61に対して摺動可能に、ハンドル延出部61の外面上に設けられている。ハンドル延出部61内には、第1切替スイッチ64と規制スライダ92とを連結する連結部材93bが延びている。
一方、ハンドル支持部材67に形成された溝68は、圧縮ばね93bからの付勢によって移動させられた規制スライダ92の規制突起92aが収容される規制溝68bと、圧縮ばね93bからの付勢に抗して移動させられた規制スライダ92の規制突起92aを案内する案内溝68aと、を有している。規制溝68bは、ハンドル延出部61の回動軸線rahからの放射方向と平行となるよう、案内溝68aから延び出ている。
したがって、規制スライダ92が圧縮ばね93bに押圧されて、規制突起92が案内溝68a内に配置されている場合には、ハンドル延出部61のアーム部材65に対する回動が規制されるようになる。一方、第1切替スイッチ64が操作されると、圧縮ばね93bの付勢力に抗して、規制スライダ92が案内溝68a内まで引き上げられる。この場合、ハンドル部材60をアーム部材65に対して回動させることができる。また、ハンドル部材60が折り畳み状態から使用状態の位置までアーム部材65に対して回動させられると、圧縮ばね93bの押圧により、規制突起92aが規制溝68b内に嵌り込み、ベビーカー10の車体20が使用状態に維持されるようになる。
次に、第2の状態維持機構95として設けられた、アーム部材65のコア部材25に対する回動を規制する機構について、説明する。図12〜図14に示すように、第2の状態維持機構95は、前脚リンク機構70に設けられた凸部74と、凸部74を収容し得る収容部84が形成された状態維持片83と、を有している。
図12〜図14に示すように、凸部74は、第1コネクタ73の後側の面から突出している。状態維持片83は、コア部材25に設けられ、コア部材25から立ち上がっている。状態維持片83は、コア部材25上において、ベビーカーが使用状態にある場合に、前脚リンク機構70の第1コネクタ73と対面する位置に配置されている。さらに具体的には、図12〜図14に示すように、状態維持片83は、使用状態から折り畳み状態へ変形を開始する際における、凸部74の移動経路rp(図14参照)に概ね沿って延び、且つ、この凸部74の移動経路rpからしだいに離間していくように後方に反っている。そして、図11に示すように、状態維持片83のうちの、ベビーカー10が使用状態にある場合に凸部74に対面する位置に、収容部84が形成されている。
すなわち、図14に示すように、前脚リンク機構70の凸部74が状態維持片83の収容部84に嵌り込んでいる状態において、アーム部材連結リンク72の屈曲が規制される。これにより、前脚リンク機構70全体としての変形(変位)も規制されるようになる。ただし、この状態維持片83は、反り返っている方向に、すなわち、前脚リンク機構70(第1コネクタ73)から離間する前後方向における後向きに、撓み得るように構成されている。したがって、図14に二点鎖線で示すように、状態維持片を後方側(つまり、前脚リンク機構70の第1コネクタ73から離間する側)に押圧することにより、状態維持片が後方側にさらに反り返るようになる。これにより、前脚リンク機構70の凸部74が状態維持片83の収容部84から抜けだし、アーム部材連結リンク72の変形が可能となる。
なお、図14に示すように、状態維持片83は一部分が反り返っている板状材から構成されている。そして、収容部84は、状態維持片83の反り返っていない領域であり、且つ、折り畳み状態へ向けた変形を使用状態から開始する際における凸部74の移動経路rpと平行に延びている部分に形成されている。したがって、収容部84に収容された凸部74が、意図しない外力等によって、収容部84から外れてしまうことが、効果的に防止されるようになっている。
また、図10〜図14に示すように、本実施の形態において、前脚リンク機構70に揺動可能な揺動部材75が設けられている。図14に示すように、揺動部材75は、操作者が把持することができる把持部75aと、把持部75aから延び出て把持部75aと同期して揺動可能な解除レバー部75bと、を有している。揺動部材75は、前脚リンク機構70の第1コネクタ73に取り付けられている。図14に示すように、揺動部材75の前脚リンク機構70(第1コネクタ73)に対する揺動軸線sasは、板状からなる状態維持片83の表面と平行に延びている。
図14に示すように、揺動部材75は、使用状態において揺動した際に、解除レバー部75bが状態維持片83に当接するように、配置されている。そして、操作者が把持部75aを把持して揺動部材75を揺動させた際に、解除レバー部75bは、状態維持片83を前方側から後方側へと押圧する。すなわち、揺動部材75を操作することにより、状態維持片83は前脚リンク機構70の第1コネクタ73から離間するように強いられる。この結果、図14に二点鎖線で示すように、前脚リンク機構70に設けられた凸部74が状態維持片83の収容部84から抜け出すことが可能となる。このようにして前脚リンク機構70と状態維持片83との係合が解除され、前脚リンク機構70の変形が可能となる。したがって、揺動部材75(解除レバー部75b)は、第2の状態維持機構95を操作する切替スイッチ(第2切替スイッチ)として機能するようになる。
さらに、第3の状態維持機構97として、ハンドル部材60の屈曲部62の屈曲を規制する機構が設けられている。ハンドル部材60の屈曲部62は、ハンドル延出部61に回動可能に取り付けられるとともに、互いに対して回動可能に接続された第1〜第3の屈曲部63a,63b,63cを含んでいる。そして、屈曲部62内には、屈曲部62のハンドル延出部61に対する回動、および、第1〜第3屈曲部63a,63b,63cの間での回動を規制する機構が組み込まれている。
また、例えば図4に示すように、ベビーカー10においては、回動の規制を解除するための、言い換えると、回動可能な状態にするための押圧ボタン98aが、屈曲部62の第2屈曲部63bに設けられている。加えて、図4および図17に示すように、屈曲部62の第2屈曲部63bには、押圧ボタン98aの変位を規制する操作規制スイッチ98bがさらに設けられている。すなわち、第3の状態維持機構97を操作するには、操作規制スイッチ98bを解除した状態で押圧ボタン98aを押圧する必要がある。このようにして、ベビーカー10の使用状態において、屈曲部62の屈曲は、第3の状態維持機構97によって規制されている。
以上のような、第1〜第3の状態維持機構91,95,97によって、ベビーカー10の車体20が、展開した使用状態に維持されるようになる。
ここで、使用状態と折り畳み状態との間でベビーカー10の車体20を変形させる際のベビーカー10の車体20の動作について説明する。まず、展開した使用状態にあるベビーカー10の車体20を折り畳む際の動作について説明する。
使用状態から折り畳み状態にベビーカー10の車体20を変形させるには、第1〜第3の状態維持機構91,95,97を操作する。例えば、まず、第3の状態維持機構97について、操作規制スイッチ98bを解除した状態で押圧ボタン98aを押圧し、ハンドル部材60の屈曲部62を屈曲可能な状態にする。そして、例えば、屈曲部62を僅かに屈曲させた状態に変形させ、これにより、押圧ボタン98aを押し続ける必要なしに屈曲部62が回動可能になっている状態に維持する。
次に、第2の状態維持機構95を操作する。具体的には、図12および図13に示すように、第2切替スイッチとしての揺動部材75の把持部75aを把持した様態で、揺動部材75を前脚リンク機構70に対して揺動させる。図14に示すように、揺動部材75の揺動にともなって解除レバー部75bが状態支持片83を押圧するようになる。この結果、前脚リンク機構70の凸部74が、状態支持片83の収容部(貫通孔)84から抜けだし、前脚リンク機構70は変形可能な状態となる。
さらに、第3の状態維持機構91を操作する。具体的には、第1切替スイッチ64(例えば図17参照)をハンドル延出部61に対して摺動させ、ハンドル延出部61内に配置された規制スライダ92(図15参照)を引き上げる。この規制スライダ92の移動にともなって、規制スライダ92の規制突起92aが、アーム部材65のハンドル支持部材67内に形成された溝68内において、規制溝68bから案内溝68aに移動する(図16参照)。これにより、ハンドル部材60(ハンドル延出部61)のアーム部材65(ハンドル支持部材67)に対する揺動が可能となる。
以上のように、第1〜第3の状態維持機構91,95,97を操作して、ベビーカー10の車体20を使用状態に維持する拘束を解除した後、後脚40に接近する向きに(図3に示す側面視においては、時計回りの向きに)、ハンドル部材60をアーム部材に対して揺動させる。後脚リンク材88によって、ハンドル部材60のアーム部材65に対する揺動は後脚40に伝達される。この結果、ハンドル部材60の揺動にともなって、後脚40は、コア部材25から離間する側の端部が前方に移動するように(図3に示す側面視においては、時計回りの向きに)、コア部材25に対して揺動する。
上述したように、一対の後脚40の離間間隔は、コア部材25に対して回動することによって、互いに接近するようになる。このような一対の後脚40の接近にともなって、一対の後脚40に後脚リンク材88を介して連結された一対のハンドル延出部61も互いに接近するようになる。具体的には、一対のハンドル延出部61の一方の端部に接続されたハンドル支持部材67は、回動ベース66が揺動して互いに接近することにより、一対の後脚リンク材88の接近動作にともなって、互いに接近することができる。また、一対のハンドル延出部61の一方の端部に接続された屈曲部62は、屈曲することができる。これらにより、一対のハンドル延出部61も互いに接近して、一対のハンドル延出部61の車幅方向における離間間隔は狭くなる。
なお、ハンドル部材60の屈曲部62は、図17に二点鎖線で示すように、使用状態において、ハンドル延出部61の他方の端部から、アーム部材65(コア部材25)から離間する側に向けて突出する。その一方で、ハンドル部材60の屈曲部62は、図17に実線で示すように、折り畳み状態において、ハンドル延出部61の他方の端部から、アーム部材65(コア部材25)に接近する側に向けて突出するように屈曲するようになる。
さらに、一対の回動ベース66の接近動作は、前脚リンク機構70を介して、一対の前脚30に伝達される。まず、図11および13に示すように、前脚リンク機構70のアーム部材連結リンク72は、一対の回動ベース66の回動動作にともない、上方に突出するように屈曲する。アーム部材連結リンク72の上方への屈曲動作は、連絡リンク81を介して前脚連結リンク78に伝達され、前脚連結リンク78も上方に突出するように屈曲するようになる。このような前脚連結リンク78の屈曲動作にともなって、一対の前脚30は、車幅方向において互いに接近し得るように、コア部材25に対して揺動する。すなわち、後脚40は、コア部材25から離間する側の端部が後方に移動するように(図3に示す側面視においては、反時計回りの向きに)、コア部材25に対して揺動する。
以上のようにして、ハンドル部材60の揺動動作、前脚30の揺動動作、および、後脚40の揺動動作が連動して行われ、使用状態から折り畳み状態へのベビーカー10の車体20の動作が完了する。
図5に示すように、折り畳み状態において、ハンドル部材60および後脚40のコア部材25からの前後方向における後方への突出量は、使用状態よりも大幅に小さくなる。同様に、前脚30のコア部材25からの前後方向における前方への突出量も、使用状態よりも大幅に小さくなる。また、折り畳み状態において、ハンドル部材60、後脚40および前脚30のコア部材25からの車幅方向における突出量も、使用状態よりも大幅に小さくなる。さらに、折り畳み状態においてはハンドル部材60が下方に向けて延び出ているので、ベビーカー10の上下方向における高さも大幅に低くすることができきる。このように、使用状態から折り畳むことによって、ベビーカー10の車体20の寸法を、前後方向、車幅方向および上下方向において、大幅に小型化することができる。
なお、上述したように、ハンドル部材60の屈強部62は、使用状態において、一対のハンドル延出部61から後方上方に突出し、折り畳み状態において、一対のハンドル延出部61内に屈曲して入り込む。このため、使用状態におけるハンドル部材60の突出量をベビーカー10の操縦性を考慮して適切な長さに設定することと、折り畳み状態におけるハンドル部材60の長さを十分に短くしてベビーカー10の寸法、とりわけ、上下方向における寸法を大幅に小型化させることと、を両立することができる。
また、図5に示すように、ハンドル延出部61に対する屈曲部62の揺動軸線、および、屈曲部62をなす第1〜第3屈曲部63a,63b,63cの間の揺動軸線baは、平行に配置された一対のハンドル延出部61によって画定される仮想平面vpに対して略直交する方向に延びている。このため、図5に示すように、屈曲部62が屈曲することによって、一対のハンドル延出部61によって画定される仮想平面vpからの屈曲部62の突出量plが大きくなってしまうことはなく、これにより、折り畳み状態における寸法を十分に小型化させることができる。
さらに、上述したように、前脚30のコア部材25に対する回動軸線raf(例えば図8および図9参照)は、車幅方向外側が車幅方向内側よりも前後方向における後方に位置するとともに上下方向における下方に位置するように、傾斜している。また、後脚40の第1後脚要素および第2後脚要素42は、キャリア支持部材43およびコア部材25とともに平行四辺形状のリンクを構成している。これにより、図5〜図7に示すように、折り畳んだ状態においても、前脚30に支持された前車輪35および後脚40に支持された後車輪47は使用状態と同様の姿勢に保たれ、前車輪35の回転軸線および後車輪47の回転軸線は使用状態と平行となっている。したがって、折り畳み状態にあるベビーカー10の車体20は、前車輪35および後車輪47を介して接地面に対して起立することができる。この結果、折り畳み状態にあるベビーカー10の車体20を非常に取り扱い易くすることができる。さらに、揺動部材75の把持部75aを把持してベビーカー10の車体20を操作することもでき、これにより、折り畳み状態にあるベビーカー10の車体20の操作性を格段に向上させることができる。
ところで、本実施の形態においては、使用状態から折り畳み状態に向けた車体2の変化(変形・変位)を付勢する変形付勢部材が、ベビーカー10の車体20に組み込まれている。具体的には、図9に示すように、各後脚40とコア部材25との間に、第1の変形付勢部材16としての引張ばねが設けられている。第1の変形付勢部材16としてのばねによって、各後脚40は、そのコア部材25から離間する側の端部が前後方向における前方に移動するよう、すなわち、図3の側面視において時計回りの向きにコア部材25に対して回動するよう、付勢されている。
また、図9に示すように、各前脚30とコア部材25のとの間に、第2の変形付勢部材17としての引張ばねが設けられている。第2の変形付勢部材17としてのばねによって、各前脚30は、そのコア部材25から離間する側の端部が前後方向における後方に移動するよう、すなわち、図3の側面視において反時計回りの向きにコア部材25に対して回動するよう、付勢されている。
さらに、前脚リンク機構70のアーム部材連結リンク72の屈曲軸線の回りに第3の変形付勢部材18(図11参照)としてのトーションばねが設けられている。第3の変形付勢部材18としてのばねによって、アーム部材連結リンク72は水平方向に延びる状態から、上方へ突出するように屈強する状態へ向けて、付勢されている。
このような第1〜第3の変形付勢部材16,17,18によれば、第1〜第3の状態保持機構91,95,97を解除することによって、使用状態にあるベビーカー10の車体20が、自動的に、折り畳み状態へ変形するようになり、且つ、ベビーカー10の車体20を安定して折り畳み状態に維持し続けることができる。そもそも、このベビーカー10の折り畳み操作は、ハンドル部材60を一方向へ揺動させるだけであるとともに、当該揺動中にハンドル部材60の軸線方向が上下方向や前後方向に大きく移動しないため、容易である。そして、このような変形付勢部材16,17,18および状態保持機構91,95,97によれば、ベビーカー10の折り畳み操作をさらに容易なものとすることができる。
次に、折り畳み状態にあるベビーカー10の車体20を展開する際のベビーカー10の車体20の動作を説明する。
折り畳み状態にあるベビーカー10の車体20を展開する際のベビーカー10の車体20の折り畳み動作は、上述した動作と逆になる。具体的には、ハンドル部材60を、後脚40から離間する向きに(図3に示す側面視において、反時計回りの向きに)、アーム部材65に対して揺動させる。このハンドル部材60の揺動動作にともなって、前脚30、後脚40およびアーム部材65がコア部材25に対して揺動し、車体20が展開される。
このとき、ハンドル部材60の一対のハンドル延出部61が互いから離間するとともに、屈曲部62が展開された状態になる。屈曲部62は、いったん展開された使用状態になると、第3の状態維持機構97によって屈曲することを規制される。そして、屈曲動作を規制された屈曲部62によって、一対のハンドル延出部61が互いから離間した維持に保持されるようになる。
また、ベビーカー10の車体20が使用状態に展開されると、前脚リンク機構70の凸部74は、その移動経路rpに沿って延びる状態支持片83に案内され、状態支持片83に形成された収容部(貫通孔)84内に入り込むようになる。このようにして、第2の状態維持機構95をなす前脚リンク機構70の凸部74と状態支持片83の収容部(貫通孔)84との係合により、前脚リンク機構70の変形が規制されるようになる。
さらに、図15に示すように、第1の状態維持機構91をなす規制スライダ92は、ハンドル延出部61内において、圧縮ばね93bによって付勢されている。そして、ベビーカー10の車体20が使用状態に展開されると、規制スライダ92の規制突起92aは、アーム部材65のハンドル支持部材67に形成された溝68の案内溝68aから規制溝68bへと入り込むようになる。規制突起92aが規制溝68bへと入り込むと、ハンドル延出部61のハンドル支持部材67に対する回動(揺動)は規制されるようになる。このようにして、第1の状態維持機構91をなす規制スライダ92と溝68との係合により、ハンドル部材60のアーム部材65に対する揺動が規制されるようになる。
以上のようにして、上述した第1〜第3の付勢部材16,17,18の付勢力に抗してハンドル部材60、前脚30および後脚40を揺動させることによって、ベビーカー10の車体20を展開された使用状態へと変形させることができ、且つ、第1〜第3の状態維持機構91,95,97によって自動的に使用状態に固定することができる。したがって、ベビーカー10の折り畳み動作と同様に、ベビーカー10の展開動作も、極めて容易に行うことができる。
次に、各後脚40の下端にキャリア支持部材43を介して保持された後輪キャリア50と、後輪キャリア50に保持される後輪ユニット45と、についてさらに詳述する。
例えば図1〜図7に示すように、各後脚40のコア部材25から離間する側の端部には、それぞれ、キャリア支持部材43を介し、後輪キャリア50が支持されている。一方、各後輪ユニット45は、対応する後輪キャリア50に着脱可能に支持される車軸46と、車軸46に回転可能に支持された後車輪47と、後車輪47と同期して車軸46に対して回転可能なブレーキリング48と、を有している。そして、後輪ユニット45は、後輪キャリア50に対して着脱可能に保持されるようになる。
ブレーキンリング48は、後輪キャリア50に支持された状態で後輪キャリア50に対面するようになる側の面に、多数の規制用溝48cを形成されている。規制用溝48cは、車軸46を中心とした仮想円の周方向に並べて配置されている。各溝48cは、車軸46を中心とする放射方向に延び、且つ、半径方向内側に開口している。このブレーキンリング48は、後輪キャリア50から移動可能に突出する規制用係合部材55が規制用溝48c内に入り込むことにより、車軸46を中心とした回転を規制されるようになる。ブレーキンリング48の回転が規制されると、後車輪47の車軸46に対する回転も規制されるようになる。規制用係合部材55については、後輪キャリア50のその他の構成要素とともに、後に詳述する。
図19に示すように、後輪キャリア50は、キャリア支持部材43に対して所定の角度範囲で、水平方向に延びる回動軸線ragを中心として回動可能となるよう、キャリア支持部材43に接続されている。また、後輪キャリア50とキャリア支持部材43との間には、サスペンション44が設けられている。サスペンション44に付勢された状態でのキャリア支持部材43に対する後輪キャリア50の回動により、ベビーカー10の走行中における地面(走行面)の凹凸に起因した車体20の揺れや歪み等を抑制することができる。
また、図20、図22および図22に示すように、本実施の形態によるベビーカー10は、選択的に使用される一対の第1後輪ユニット45aおよび一対の第2後輪ユニット45bを有している。一対の第1後輪ユニット45aおよび一対の第2後輪ユニット45bのいずれか一対の後輪ユニットが選択され、当該一対の後輪ユニットが一対の後輪キャリア50のそれぞれに保持されるようになる。図20に示すように、第1後輪ユニット45aの第1の後車輪47aの径は、第2の後輪ユニット45bの第2の後車輪47bの径よりも、大きくなっている。また、第1後輪ユニット45aの後車輪47aは空気が注入されたゴム製中空タイヤを有し、第2後輪ユニット45aの後車輪47aは空気が注入されていないゴム製中実タイヤを有している。さらに、第2後輪ユニット45aのブレーキンリング46aの径は、第2の後輪ユニット45bの後車輪47bの径よりも、大きくなっている。
このように、一つのベビーカー10が取り替え可能な二種類の車輪ユニット45a,45bを有している場合には、ベビーカー10が走行するようになる路面(接地面、走行面)の状況に応じて適切な後車輪47を含む車輪ユニット45を選択することができる。一例として、ベビーカー10が凹凸の大きな路面上を走行するようになる場合には、第1の後輪ユニット45aが好適に選択される。第1の後輪ユニット45aを用いた場合、大径のゴム製中空タイヤを含むように構成された後車輪47aによって、路面の凹凸に起因したベビーカー10の揺れや歪みを吸収することができる。これにより、ベビーカー10の安定性を向上させ、乳幼児が乗っているベビーカー10をより安全かつより安定して走行させることができる。他の例として、ベビーカー10が混雑した場所を走行するようになる場合には、第2の後輪ユニット45bが好適に選択される。第2の後輪ユニット45aを用いた場合、小径のゴム製中実タイヤを含むように構成された後車輪47bによって、小回りが可能となり、操縦性を向上させることができる。
また、図22および図23に示すように、使用状態において、本実施の形態による後輪キャリア50は、第1後輪ユニット45aの車軸46aと第2後輪ユニット45bの車軸46bとを、異なる鉛直方向位置(上下方向位置)vp1,vp2(図19参照)に支持するようになっている。図22および図23に示すように、大径のタイヤを含む後車輪47aを支持する第1後輪ユニット45aの車軸46aは、小径のタイヤを含む後車輪47bを支持する第2後輪ユニット45bの車軸46bよりも、鉛直方向において上方の位置vp1に支持されるようになる。これにより、径の異なる後車輪47a,47bをそれぞれ有した第1後輪ユニット45aおよび第2後輪ユニット45bを入れ替えたとしても、ベビーカー10の車体20の高さや、乳幼児が乗る位置の高さが変化することはない。したがって、後輪ユニット45a,45bを取り替えることによって、ベビーカー10の重心位置の変化や、ベビーカー10に乗車した乳幼児の視界の変化等を引き起こしてしまうことを防止することができる。これにより、重心位置の変化に起因した操縦性の低下、走行性の低下、乗り心地の低下等を防止することができる。
とりわけ、本実施の形態においては、第1後輪ユニット45aの車軸46aは、第1後輪ユニット45aの後車輪47aの半径と、第2後輪ユニット45bの後車輪47bの半径と、の差と略等しい分だけ、第2後輪ユニット45bの車軸46bよりも鉛直方向上方の位置において、後輪キャリア50に保持されている。したがって、後輪ユニット45a,45bを保持する後輪キャリア50は、いずれの後輪ユニット45a,45bを保持していても、接地面から一定の鉛直方向位置に配置されるようになる。したがって、後輪ユニット45a,45bを取り替えることによって、ベビーカー10の重心位置の変化や、ベビーカー10に乗車した乳幼児の視界の変化等を引き起こしてしまうことはない。
また、本実施の形態においては、第1後輪ユニット45aの後車輪47aの半径と、第2後輪ユニット45bの後車輪47bの半径と、の差と略等しい分だけ、第1後輪ユニット45aのブレーキリング48aの半径が、第2後輪ユニット45bのブレーキリング48bの半径よりも大きくなっている。この場合、図22および図23に示すように、単一の規制用係合部材55と、両方の後輪ユニット45a,45bのブレーキリング48a,48bと、を係合させることが可能となる。つまり、後輪キャリア50の構成を簡易にすることができ、軽量化および小型化等を図ることができる。
ここで、後輪ユニット45,45a,45bを後輪キャリア50に保持するための構成について説明する。
なお、図21に示すように、一対の後輪キャリア50の各々は、ケーシングとしての本体51と、本体51内に配置された保持部材(図示する例においては、保持プレート)56と、保持プレート56を鉛直方向の下側から上側へと引き上げる付勢ばね57と、を有している。保持プレート56の一部分が、本体51から外部に露出し、操作ボタン56aを構成している(例えば図18参照)。操作ボタン56aを本体51の外部から押圧することにより、付勢ばね57の付勢力に抗して、本体51内で保持プレート56を鉛直方向下方に押し下げることができる。
また、図19および図21に示すように、本体51には、第1後輪ユニット45aの車軸46aを受ける第1の孔51a1と、第2後輪ユニット45bの車軸46bを受ける第2の孔51a1と、が鉛直方向に離間して形成されている。保持プレート56aは、付勢ばね57によって引き上げられた状態において、第1の孔51a1に対面する位置に配置され第1の孔51a1を下方から部分的に塞ぐ第1の接触部56b1と、付勢ばね57によって引き上げられた状態において、第2の孔51a2に対面する位置に配置され第2の孔51a1を下方から部分的に塞ぐ第2の接触部56b2と、を有している。一方、図20、図22および図23に示すように、各後輪ユニット45,45a,45bの車軸46,46a,46bの先端は、先細りするように形成されている。また、図20、図22および図23に示すように、車軸46a,46bの先端近傍には、周状の溝46a1,46b1が形成されている。
このような構成においては、後輪ユニット45,45a,45bの車軸46,46a,46bの先端を、後輪キャリア50の第1の孔51a1または第2の孔51a2に挿入するだけで、後輪ユニット45,45a,45bが後輪キャリア50に保持されるようになる。具体的には、テーパ状に形成された車軸46,46a,46bの先端によって、保持プレート56の接触部56b1,56b2が鉛直方向下向きに押圧される。これにより、車軸46,46a,46bが保持プレート56を越えて本体51の内部へ進む。このとき、保持プレート56の接触部56b1,56b2は、付勢ばね57からの付勢力により、下方から車軸46,46a,46bに当接する。最終的に、図22および図23に示すように、保持プレート56の接触部56b1,56b2が、車軸46,46a,46bの周状溝46a1,46b1に入り込み、車軸46,46a,46bの軸線方向に沿った移動が規制されるようになる。なお、このようにして後輪キャリア50に保持された後輪ユニット45,45a,45bは、操作ボタン56aを押圧して保持プレート56を本体51内で押し下げることにより、後輪キャリア50から取り外すことができる。
次に、後輪ユニット45の後輪47の回転を規制する構成および作用について説明する。後車輪47を省略して一対の後脚40の下端部を示す図24および図25から理解され得るように、一対の後輪キャリア50の各々が規制用係合部材55を有し、且つ、各後輪キャリア50に支持された後輪ユニット45が規制用係合部材55と係合するブレーキンリング48を有している。したがって、一対の後輪48は、それぞれ別個に、回転を規制されるようになる。
ただし、図24および図25に示すように、一方の後輪キャリア(第1の後輪キャリア)50aと他方の後輪キャリア(第2の後輪キャリア)50bとの間には伝達機構100が設けられている。そして、伝達機構100によって、一方の後輪キャリア50aの規制用係合部材55の移動が他方の後輪キャリア50bへ伝達され、後輪キャリア50bの規制用係合部材55が、一方の後輪キャリア50aの規制用係合部材55に連動して移動するようになっている。このため、本実施の形態においては、一方の後輪キャリア50aを操作するだけで、他方の後輪キャリア50bを操作することなく、両方の後輪キャリア50a,50bに保持した後輪ユニット45の後輪47の回転を規制することができるようになっている。
まず、一方の後輪キャリア50aの構成および作用について説明する。図26に示すように、後輪キャリア50aは、車輪ユニット45の車軸46を保持する上述した本体(ケーシング)51と、本体51に対して一方向に摺動可能である摺動部材111と、本体51内に配置され、一方向に沿って一側から前記一側とは反対側の他側へ向けて摺動部材を本体51に対して付勢する付勢部材117と、を有している。
なお、本実施の形態において、一方向とは、概ね、上下方向(鉛直方向)である。また、一方向における一側とは、上下方向における下側であり、一方向における他側とは、上下方向における上側である。
車輪ユニット45のブレーキンリング48の規制用溝48cに入り込み得る規制用係合部材55は、摺動部材111に取り付けられている。摺動部材111は、外力が加えられていない場合に、第1保持位置rp1と、第1保持位置rp1よりも前記一方向に沿って一側に位置する第2保持位置rp2と、のいずれかに保持されるように構成されている。摺動部材111が第2保持位置rp2に保持されている場合(図22および図23に二点鎖線で示す状態)に、規制用係合部材55は、車輪ユニット45のブレーキンリング48の規制用溝48cに入り込んで、後車輪47の車軸46に対する回転を規制するようになる。一方、摺動部材111が第1保持位置rp1に保持されている場合(図22および図23に実線で示す状態)には、規制用係合部材55と車輪ユニット45との係合が解除され、すなわち、規制用係合部材55は、車輪ユニット45のブレーキンリング48の規制用溝48cから抜け出し、後車輪47の車軸46に対する回転が可能となる。
また、図26に示すように、摺動部材111には、二つの長穴112a,112bが形成されている。各長穴112a,112bは、上述した車軸46,46a,46bが挿入される孔51a1,51a2に対面する位置に形成されている。
さらに、摺動部材111は、摺動部材111を他側(上下方向上側)から他側(上下方向下側)に向けて押圧するための外力を加えられるようになる操作部113を有している。この操作部113は、摺動部材111の一部からなり、摺動部材111と一体的に構成されている。このため、操作部113は、規制用係合部材と連動して一方向に移動するようになる。操作部50は、本体51の外部に設けられ、後脚47の下端領域において後車輪47の近傍に配置されている。使用者は、直接、操作部113に接触して外力を加えることができるようになっている。
そして、摺動部材111は、いったん、一方向に沿って他側から一側に向けて押圧され、さらに厳密には、他側から一側に向けて第2保持位置を越えて押圧され、その後、付勢部材117の付勢力によって一側から他側に戻される度に、保持されるようなになる位置が、第1保持位置rp1と第2保持位置rp2との間で交互に変化するように、構成されている。とりわけ本実施の形態においては、摺動部材111は、一方向に沿った摺動可能範囲内の最も一側の位置まで摺動させられる度に、付勢部材117の付勢力によって一側から他側に戻されて保持されるようなになる位置が、第1保持位置rp1と第2保持位置rp2との間で交互に変化するように、構成されている。具体的には、以下に説明するように構成されている。
本体51および摺動部材111のいずれか一方は、一方向と略平行な面であって、線状に延びる係合溝116が形成された面115を含んでいる。一方、本体51および摺動部材111の他方には、その先端が係合溝116内に配置された挿入部材119であって、前記一方向への変位を規制されている挿入部材119が支持されている。図26に示す例では、本体51に挿入部材119の他側端部が固定され、挿入部材119は、本体51から一方向における一側に向けて垂下している。挿入部材119は、金属線(金属棒)によって構成されている。一方、図26に示すように、摺動部材111は、線状に延びる係合溝116が形成された面115を含んでいる。
挿入部材119は、一方向に沿って他側から一側へ延びている。ただし、図27に示すように、挿入部材119の一端側の先端部は90°曲げられ、摺動部材111の面115の法線方法であって、係合溝116の深さ方向に沿って延びている。挿入部材119の先端は、係合溝116内に延び入っている。さらに、挿入部材119の先端と係合溝116の底面116aとは互いに向けて押圧され、挿入部材119の先端は係合溝116の底面116aに当接している。挿入部材119は、一方向への移動を規制されている。ただし、細長状の挿入部材119が撓むことにより、挿入部材119の先端は、一方向に直交する方向に移動することができるようになっている。このような構成において、挿入部材119と係合溝116との係合により、挿入部材119を支持する本体51に対する、係合溝116を形成された摺動部材111の自由な移動が規制されている。
図27に示すように、係合溝116は、第1折り返し位置p1から、一方向において第1折り返し位置p1よりも他側に位置する第2折り返し位置p2まで、を結ぶ第1溝経路c1と、第2折り返し位置p2から、一方向において第2折り返し位置p2よりも一側に位置する第3折り返し位置p3まで、を結ぶ第2溝経路c2と、第3折り返し位置p3から、一方向において第3折り返し位置p3よりも他側に位置する第4折り返し位置p4まで、を結ぶ第3溝経路c3と、第4折り返し位置p4から、一方向において第4折り返し位置p4よりも一側に位置する第1折り返し位置p1まで、を結ぶ第4溝経路c4と、によって構成される経路を有している。そして、係合溝116および挿入部材119は、挿入部材119が第1〜第4の折り返し位置p1〜p4にこの順番で到達して係合溝116を周回するように、構成されている。
また、図27に示すように、係合溝116が形成された面115上で一方向に直交する他方向において、第1折り返し位置p1および第3折り返し位置p3は、第2折り返し位置p2および第4折り返し位置p4の間に配置されている。これにより、第1〜第4折り返し位置p1〜p4以外に一方向における折り返し点を形成することなく、且つ、経路の交差を生じさせることなく、係合溝116が周状に形成されている。
本実施の形態においては、係合溝116内において第1溝経路c1と第2溝経路c2とが合流(接続)する領域では、第2溝経路c2の係合溝116の深さが第1溝経路c1の係合溝116の深さよりも深くなっている。この結果、図27および図28に示すように、第2溝経路c2に沿った段差s2が形成されている。そして、この段差s2によって、第2折り返し位置p2に到達した挿入部材119は、その後、係合溝116に対して一方向一側に向けて相対移動する際に、段差s2によって第1溝経路c2へ入り込むことを阻害され、第2溝経路c2に沿って第3折り返し位置p3へ誘導されるようになる。
また、係合溝116内において第2溝経路c2と第3溝経路c3とが合流(接続)する領域では、第3溝経路c3の係合溝116の深さが第2溝経路c2の係合溝116の深さよりも深くなっている。この結果、図27および図28に示すように、第3溝経路c3に沿った段差s3が形成されている。この段差s3によって、第3折り返し位置p3に到達した挿入部材119は、その後、第3溝経路c3に沿って第4折り返し位置p4へ誘導されるようになる。
さらに、係合溝116内において第3溝経路c3と第4溝経路c4とが合流(接続)する領域では、第4溝経路c4の係合溝116の深さが第3溝経路c3の係合溝116の深さよりも深くなっている。この結果、図27に示すように、第4溝経路c4に沿った段差s4が形成されている。この段差s4によって、第4折り返し位置p4に到達した挿入部材119は、その後、第4溝経路c4に沿って第1折り返し位置p1へ誘導されるようになる。
加えて、係合溝116内において第4溝経路c4と第1溝経路c1とが合流(接続)する領域では、第1溝経路c1の係合溝116の深さが第4溝経路c4の係合溝116の深さよりも深くなっている。この結果、図27に示すように、第1溝経路c1に沿った段差s1が形成されている。図27に二点鎖線で示すように、この段差s1によって、第1折り返し位置p1に到達した挿入部材119は、その後、第1溝経路c1に沿って第2折り返し位置p2へ誘導されるようになる。
このようにして、係合溝116および挿入部材119の一方向一側へ向けた相対移動と、係合溝116および挿入部材119の一方向他側へ向けた相対移動と、を繰り返すことにより、挿入部材119が第1〜第4の折り返し位置p1〜p4にこの順番で到達して係合溝116を周回するようになる。
上述したように、本実施の形態においては、係合溝116は摺動部材111の一つの面115に形成され、挿入部材119は、その一方向他側端部を本体51に支持されている。また、摺動部材111は、付勢部材117により一方向の一側から他側へ向けて付勢されている。この結果、係合溝116は、挿入部材に対して一方向一側(鉛直方向下側)から他側(鉛直方向上側)へ向けて相対移動するように、付勢部材117によって付勢されている。図27においては、紙面の下側から上下側に向けて溝116が挿入部材119に対して相対移動しようとする。
このため、摺動部材111に外力が不可されていない場合には、挿入部材119は、一方向一側に向けて突出する折り返しを形成する第1折り返し位置p1または第3折り返し位置p3に配置されるようになる。そして、本実施の形態においては、挿入部材119が係合溝116の第1折り返し位置p1に位置している場合、摺動部材111は、鉛直方向上方に位置する第1保持位置rp1(図19に示された位置)に配置されることになる。一方、挿入部材119が係合溝116の第3折り返し位置p3に位置している場合、摺動部材111は、鉛直方向上方に位置する第2保持位置rp2(図24に示された位置)に配置されることになる。
なお、図22および図23に実線で示すように、摺動部材111が第1保持位置に位置している場合には、摺動部材111に取り付けられた規制用係合部材55は、後輪ユニット45のブレーキンリング48の規制用溝48cから抜け出ており、ブレーキンリング48と同期する後車輪47の回転は規制されていない。一方、図22および図23に二点鎖線で示すように、摺動部材111が第2保持位置に位置している場合には、摺動部材111に取り付けられた規制用係合部材55は、後輪ユニット45のブレーキンリング48の規制用溝48cに入り込み、ブレーキンリング48と同期する後車輪47の回転は規制されるようになる。
そして、挿入部材119が係合溝116の第1折り返し位置p1に位置している場合に、摺動部材111を一方向他側から一側へ向けて押圧すると、係合溝116が形成された摺動部材111は、挿入部材119を保持する本体51に対して、一方向一側へ移動し、逆に言えば、挿入部材119は係合溝116に対して一方向他側へ相対移動する。このとき、挿入部材119は、第4溝経路c4には段差s4によって入り込まず、第1溝経路c1を進む。この結果、摺動部材111は、外部からの押圧力によって、挿入部材119が係合溝116の第2折り返し位置p2に到達するまで、一方向一側に移動することができる。
挿入部材119が係合溝116の第2折り返し位置p2に到達したところで、外部からの摺動部材111への押圧を解除すると、付勢部材117の付勢力によって、係合溝116が形成された摺動部材111は、挿入部材119を保持する本体51に対して、一方向他側へ移動する。上述したように、このとき、挿入部材111は、第1溝経路c1には段差s1によって入り込まず、第2溝経路c2を進む。この結果、摺動部材111は、付勢部材117からの付勢力によって、挿入部材119が係合溝116の第3折り返し位置p3に到達するまで、一方向他側に移動するようになる。
なお、何らかの不都合により、例えば挿入部材119が係合溝116内で引っ掛かってしまう等により、挿入部材119を第1折り返し位置p1から第2折り返し位置p2まで押圧して移動させることができなかった場合、付勢部材117からの付勢力によって、挿入部材117は再び第1折り返し位置p1に戻り、摺動部材111は再び第1保持位置に保持される。この場合、操作者は、挿入部材119が第2段差s2を落下する感触を操作中に得られなかったことにより、さらには、本体51から延び出した操作部113の位置により、操作が予定とおり行われなかったことを把握することができる。
同様に、挿入部材119が係合溝116の第3折り返し位置p3に位置している場合に、摺動部材111を一方向他側から一側へ向けて押圧すると、係合溝116が形成された摺動部材111は、挿入部材119を保持する本体51に対して、一方向一側へ移動し、逆に言えば、挿入部材119は係合溝116に対して一方向他側へ相対移動する。このとき、挿入部材111は、第2溝経路c2には段差s2によって入り込まず、第3溝経路c3を進む。この結果、摺動部材111は、外部からの押圧力によって、挿入部材119が係合溝116の第4折り返し位置p4に到達するまで、一方向一側に移動することができる。
挿入部材119が係合溝116の第4折り返し位置p4まで到達したところで、外部からの摺動部材111への押圧を解除すると、付勢部材117の付勢力によって、係合溝116が形成された摺動部材111は、挿入部材119を保持する本体51に対して、一方向他側へ移動する。上述したように、このとき、挿入部材111は、第3溝経路c1には段差s3によって入り込まず、第4溝経路c4を進む。この結果、摺動部材111は、付勢部材119からの付勢力によって、挿入部材119が係合溝116の第1折り返し位置p1に到達するまで、一方向他側に移動するようになる。
なお、何らかの不都合により、挿入部材119を第3折り返し位置p3から第2折り返し位置p4まで押圧して移動させることができなかった場合、付勢部材117からの付勢力によって、挿入部材117は再び第3折り返し位置p3に戻り、摺動部材111は再び第2保持位置に保持される。この場合、操作者は、挿入部材119が第4段差s3を落下する感触を操作中に得られなかったことにより、さらには、本体51から延び出した操作部113の位置により、操作が予定とおり行われなかったことを把握することができる。
以上のようにして、摺動部材111は、一方向に沿って他側から一側に向けて押圧される度に、さらに厳密には、他側から一側に向けて第2保持位置を越えて押圧される度に、付勢部材117の付勢力によって一側から他側に戻されて保持されるようなになる位置が、第1保持位置rp1と第2保持位置rp2との間で交互に変化するようになる。したがって、後輪の回転を規制する状態と、後車輪の回転を可能にする状態と、の切替を、一つの方向に沿った一つの向きへ摺動部材111に対して外力を付加することのみによって実現することができる。
とりわけ、本実施の形態においては、図18によく示されているように、後車輪47の近傍に配置された操作部113を介し、摺動部材111に外力を加えることができる。このような構成によれば、操作者は、操作部113を足で踏むことのみにより、後車輪47の回転可能な状態と、後車輪47の回転不可能な状態と、に切り換えることができる。したがって、ハンドル部材60に手を掛けてベビーカー10の車体10が意図しない方向に移動することを防止しながら、後車輪47を回転不可能な状態に切り換えること、および、後車輪47を回転不可能な状態に切り換えることができる。このような操作は無理の無い体勢で行うことができ、さらには、ベビーカー10に乗った乳幼児から目を離すことなく行うこともできる。
なお、以上に説明した後車輪47の回転を規制および規制解除する構成は単なる例示に過ぎず、種々変更してもよい。例えば、上述の係合溝116および挿入部材119に関する構成を、図30〜図32に示すように変形してもよい。これらのような変形によっても、後車輪47の回転を規制する状態と後車輪47の回転を可能にする状態との切替を一つの方向に沿った一つの向きへの外力の付加によって行うことができる。なお、次の変形例に関する説明は、上述した実施の形態と異なる点のみについて行う。また、図30〜図32は、一方の後輪キャリア(第1の後輪キャリア)50aの変形例を説明するための図であって、後輪キャリアの本体と摺動部材とを分解した状態で模式的に示す図である。図30〜図32において、上述した実施の形態と同一に構成され得る部分には同一符号を付している。
図30に示す例においては、係合溝116の経路(輪郭)が異なるだけで、他は上述した実施の形態と同一に構成されている。図30に示す例において、挿入部材119が係合溝116の第1折り返し位置p1に配置された場合に、摺動部材111(規制用係合部材55)が第1保持位置に保持され、挿入部材119が係合溝116の第3折り返し位置p3に配置された場合に、摺動部材111(規制用係合部材55)が第2保持位置に保持されるようになる。また、第2折り返し位置p2および第4折り返し位置p4は一方向において互いに異なる位置に配置されており、第1折り返し位置p1および第3折り返し位置p3は一方向において互いに異なる位置に配置されている。第2折り返し位置p2および第4折り返し位置p4が前記他方向において、第1折り返し位置p1と第3折り返し位置p3との間に配置されている。
図31に示す例においては、係合溝116は、本体51の一つの面115上に形成されている。挿入部材119は、その前記他側の端部を摺動部材111に保持されている。図31に示す例において、挿入部材119が係合溝116の第2折り返し位置p2に配置された場合に、摺動部材111(規制用係合部材55)が第1保持位置に保持され、挿入部材119が係合溝116の第4折り返し位置p4に配置された場合に、摺動部材111(規制用係合部材55)が第2保持位置に保持されるようになる。また、第2折り返し位置p2および第4折り返し位置p4は一方向において互いに異なる位置に配置されており、第1折り返し位置p1および第3折り返し位置p3は一方向において互いに異なる位置に配置されている。第1折り返し位置p1および第3折り返し位置p3が前記他方向において、第2折り返し位置p2と第4折り返し位置p4との間に配置されている。
図32に示す例においては、係合溝116は、本体51の一つの面115上に形成されている。挿入部材119は、その前記他側の端部を摺動部材111に保持されている。図32に示す例において、挿入部材119が係合溝116の第4折り返し位置p4に配置された場合に、摺動部材111(規制用係合部材55)が第1保持位置に保持され、挿入部材119が係合溝116の第2折り返し位置p2に配置された場合に、摺動部材111(規制用係合部材55)が第2保持位置に保持されるようになる。また、第2折り返し位置p2および第4折り返し位置p4は一方向において互いに異なる位置に配置されている。第2折り返し位置p2および第4折り返し位置p4が前記他方向において、第1折り返し位置p1と第3折り返し位置p3との間に配置されている。
ところで、上述したように、以上のような構成を有した一方の後輪キャリア50aと、他方の後輪キャリア50bと、の間には、一方の後輪キャリア(第1の後輪キャリア)50aの摺動部材の移動動作を、他方の後輪キャリア(第2の後輪キャリア)50bに伝達するための伝達機構100が設けられている。このような構成により、本実施の形態によるベビーカー10では、一方の後輪キャリア50aの操作部113に対して上述の極めて簡易で単純な操作を行うことのみにより、一方の後輪キャリア50aに支持された後車輪47だけでなく、他方の後輪キャリア50bに支持された後車輪47に対しても、回転規制操作および回転規制解除操作を行うことができる。以下、他方の後輪キャリア50bおよび伝達機構100について説明する。
図29に示すように、後輪キャリア50bは、車輪ユニット45の車軸47を保持する上述した本体(ケーシング)51と、本体51に対して一方向に摺動可能である摺動部材121と、本体51内に配置され、一方向に沿って一側から前記一側とは反対側の他側へ向けて摺動部材121を本体51に対して付勢する付勢部材127と、を有している。付勢部材121には、規制用係合溝55が取り付けられている。
摺動部材が121は、本体51内において第1保持位置と、第1保持位置よりも一方向に沿って他側に位置する第2保持位置(図27に実線で示す位置)と、の間を移動可能となっている。摺動部材121が第2保持位置に保持されている場合(図25に示す状態)に、規制用係合部材55は、車輪ユニット45のブレーキンリング48の規制用溝48cに入り込んで、後車輪47の車軸46に対する回転を規制するようになる。一方、摺動部材121が第1保持位置に保持されている場合には、規制用係合部材55と車輪ユニット45との係合が解除され、すなわち、規制用係合部材55は、車輪ユニット45のブレーキンリング48の規制用溝48cから抜け出し、後車輪47の車軸46に対する回転が可能となる。
また、図29に示すように、摺動部材121には、長穴122aが形成されている。この長穴122aは、上述した車軸46,46bが挿入される孔51a2に対面する位置に形成されている。
図26および図29に示すように、伝達機構100は、チューブ等の筒状部材101と、筒状部材101内を摺動可能に挿通しているワイヤ102と、を有している。図26および図29に示すように、筒状部材101の両端は、それぞれ、一方の後輪キャリア50aの本体51および他方の後輪キャリア50bの本体51に固定されている。また、図26に示すように、ワイヤ102の一方の端部は、筒状部材101の一方の端部を越えて延び、一方の後輪キャリア50aの摺動部材111に固定されている。一方の後輪キャリア50aの摺動部材111が一方向に沿って一側へ移動すると、ワイヤ102は筒状部材101から一方の後輪キャリア50a側に引き出される。図27に示すように、ワイヤ102の他方の端部は、筒状部材101の他方の端部を越えて延び、他方の後輪キャリア50bの摺動部材121に固定されている。他方の後輪キャリア50bの摺動部材121が一方向に沿って他側へ移動すると、ワイヤ102は筒状部材101から一方の後輪キャリア50a側に押し出される。
なお、図1、図18および図19に示すように、伝達機構100は、一対の後脚40の第2後脚要素42を通過して、一方の後輪キャリア50aと他方の後輪キャリア50bとの間を延びている。このような構成によれば、一方の後輪キャリア50aの摺動部材121の一方向に沿った本体51に対する相対移動と、他方の後輪キャリア50bの摺動部材121の一方向に沿った本体51に対する相対移動と、を連動させることができる。すなわち、一方の後輪キャリア50aの摺動部材121が一方向に沿って一側へ移動すると、他方の後輪キャリア50bの摺動部材121が一方向に沿って一側へ移動するようになる。また、一方の後輪キャリア50aの摺動部材121が一方向に沿って他側へ移動すると、他方の後輪キャリア50bの摺動部材121が一方向に沿って他側へ移動するようになる。
そして、本実施の形態によれば、一方の後輪キャリア50aの摺動部材121が第1保持位置に位置する場合に、他方の後輪キャリア50bの摺動部材121も第1保持位置に位置するようになり、一方の後輪キャリア50aの摺動部材121が第2保持位置に位置する場合に、他方の後輪キャリア50bの摺動部材121も第2保持位置に位置するようになっている。すなわち、一方の後輪キャリア50aに保持された一方の車輪ユニット(第1の車輪ユニット)45の後車輪47の回転が規制されると、他方の後輪キャリア50bに保持された他方の車輪ユニット(第2の車輪ユニット)45の後車輪47の回転も規制されるようになる。同様に、一方の後輪キャリア50aに保持された一方の車輪ユニット45の後車輪47の回転の規制が解除されると、他方の後輪キャリア50bに保持された他方の車輪ユニット45の後車輪47の回転の規制も解除されるようになる。
次に、前脚30およびコア部材25の前脚軸支部27についてさらに説明する。上述した例では、前脚軸支部27が、互からしだいに離間するようにして延び下がる一対の前脚30を支持している例を説明した。そして、この一対の前脚30と、コア部材25のベース部26から取り外し可能な前脚軸支部27と、によって前脚ユニット29が構成される。
そして、本実施の形態においては、上述の一対の前脚30とこの一対の前脚30を支持する前脚軸支部27とからなる第1の前脚ユニット29aに加え、第1の前脚ユニット29aと選択的に使用される第2の前脚ユニット29bを有している。図31には、第2の前脚ユニット29bが組み込まれたベビーカー10が示されている。
第2の前脚ユニット29bは、コア部材25のベース部26に着脱可能に固定される第2の前脚軸支部27bと、第2前脚軸支部27aに支持された第2前脚30bと、を有している。第2前脚軸支部27aは、車幅方向に並べて配置された一対の前脚要素31を有している。一対の前脚要素31は、しだいに、車幅方向に接近するようにしてコア部材25から延び下がっている。一対の前脚要素31は、コア部材25から離間する側の端部において互いに接続されている。一対の前脚要素31の互いに接続された下端には、一対の前車輪35を有するキャスター34が取り付けられている。図33に示すように、一対の前輪の離間間隔は、一対の後車輪47の離間間隔と比較して著しく短い。したがって、第2前脚ユニット29bを取り付けられた図33に示されたベビーカー10は、機能的に分類すると、三輪車を構成していると言える。その一方で、上述した第1前脚ユニット29aを取り付けられたベビーカー10は、機能的に分類すると、四輪車を構成していると言える。
このように、一つのベビーカー10が取り替え可能な二種類の前脚ユニット29a,29bを有している場合には、ベビーカー10が走行するようになる路面(接地面、走行面)の状況に応じて適切な前脚ユニット29a,29bを選択することができる。一例として、ベビーカー10が凹凸の大きな路面上を走行するようになる場合には、第1の前脚ユニット29aが好適に選択される。第1の前脚ユニット29aを有するベビーカー10は四輪車として機能し、走行中性を向上させることができる。これにより、乳幼児が乗っているベビーカー10をより安全かつより安定して走行させることができる。他の例として、ベビーカー10が混雑した場所を走行するようになる場合には、第2前脚ユニット29bが好適に選択される。第21の前脚ユニット29bを有するベビーカー10は三輪車として機能し、これにより、ベビーカー10の小回りが可能となり、ベビーカー10の操縦性を向上させることができる。
なお、図33に示された前脚ユニット29bにおいて、第2の前脚30bは、第2前脚軸支部27bに対して回動可能(揺動可能)に支持されている。すなわち、折り畳み状態において、第2前脚30bのキャスター34を支持する側の端部が、前後方向に沿って後方に移動するよう、第2前脚30bを第2前脚軸支部27bに対して揺動させることができる。本実施の形態においては、前脚ユニット29の交換に伴い、前脚リンク機構70の一部分も取り替え可能になっている。具体的には、前脚リンク機構70の連絡リンク81および前脚連結リンク78を、前脚ユニット29とともに、取り替えるようにすることができる。前脚30の構成に応じて前脚リンク機構70も一部交換することによって、前脚ユニット29の揺動を、ハンドル部材60の揺動(アーム部材65の回動)に連動させることができる。
ところで、上述した前脚ユニット29aと同様に、第2の前脚リンク29bについても、使用状態から折り畳み状態へ向けた前脚30の前脚軸支部27に対する回動を付勢する変形付勢部材17(図9参照)が組み込まれていることが好ましい。このような変形付勢部材17によれば、前脚30が前脚軸支部27に対して一定の向きに付勢され、前脚30が前脚軸支部29に対して自由に揺動することがなくなる。このため、この変形付勢部材17を設けることによって、上述したように車体20の折り畳み操作を容易にするだけでなく、前脚ユニット29の取り替え作業を容易化することもできる。
次に、ベビーカー10の車体20に取り付けられるシート130について説明する。
図2に示すように、乳幼児の座部または寝台として機能するシート130が、車体20に取り外し可能に取り付けられる。例えば図1、図2および図16に示すように、本実施の形態においては、シート130に固定用の一対のロッド131が設けられ、アーム部材65のハンドル保持部67にシート130のロッド131を受ける保持孔12が形成されている。また、保持孔12内には、ロッド131から突出する固定用のピン(図示せず)を係止する係止機構(図示せず)が設けられている。そして、一対のロッド131を保持孔12に挿入するようにしてシート130を車体20上に配置することにより、シート130が車体20に自動的に固定されるようになっている。シート130を車体20から取り外すには、ハンドル支持部材67に設けられた解除スイッチ13を操作することにより、シート130のロッドと車体20の保持孔12との係合が解除され、シート130を車体20から取り外すことが可能になっている。
図1に示す例において、シート130は、座部130aと、座部130aに連結された背部130bと、を有している。本実施の形態においては、図1に示すように、シート130に座った乳幼児が前方を向くように、シート130を車体20取り付けることができるとともに(背面配置)、図1に示された態様とは逆に、乳幼児がベビーカー10を操作する操作車(保護者)と対面するように、シート130を反対向きにして車体20に取り付けることもできる(対面配置)。
ただし、図1に示されたシート130は一例に過ぎず、以下に説明するように、種々の態様のシートを用いることができる。また、取り外し可能なシートを複数用意しておき、天候条件や気候条件等を考慮して、好適なシートが選択されて使用されるようにしてもよい。
図34に示す例では、図1に示されたシート130に対し、開閉可能な幌133および透明フードを含む風防132が取り付けられている。この例において、ファスナ等の固定手段134を用い、シート130の全周において、幌133および風防132を固定することにより、乳幼児の搭乗スペースに雨や風が入り込むことを防止することができる。また、幌133と風防132との間に僅かな隙間を形成しておくことにより、換気や搭乗スペースの室温調整等を期待することができる。さらに、シート130等に、通気孔を形成しておいてもよい。この場合、通気孔と、幌133および風防132の間の隙間と、によって、乳幼児の搭乗スペースの快適性を保つことができる。なお、通気孔にはフィルタを設けることが好ましい。
図35示す例では、シート135が、寝台およびベビーキャリアとして機能し得るように構成されている。シート135には、ベビーキャリアとしてシート135を使用する場合に役立つハンドル136が設けられている。図示するシート135には、上述した幌133が固定手段134を介して固定されている。また、上述した風防132もシート135に取り付け可能となっている。このシート135には通気孔137が設けられており、風防132が取り付けられた場合においても、乳幼児の搭乗スペースと外部との換気を行うことが可能となっている。なお、通気孔137には空気を浄化するためのフィルタが組み込まれていることが好ましい。
図36に示す例においては、図35と同様に、シート140は、寝台およびベビーキャリアとして機能し得るように構成されている。ただし、優れた通気性を確保すべく、シート140は籐によって構成されている。また、シート140上に、幌133が設けられている。
なお、図35に示されたシート135および図36に示されたシート140は、両者とも、上述した対面配置および背面配置が可能に構成されていることが好ましい。
図33に示す例においては、布製部材を車体20のハンドル部材60およびアーム部材65に取り付けることによってシート142が形成されている。このような態様によれば、シート142を車体20から取り外すことなく、ベビーカー10を折り畳むことができる。
さらに、車体20から取り外されたシートが、車の座席に固定され得るチャイルドシートとしても、機能し得るように構成してもよい。
さらに、シートに紐状部材が取り付けられ、車体20から取り外されたシートを、乳幼児を座らせたままの状態で、紐状部材を用いて保護者の体に固定することができるようにしてもよい。一例として、シートを背負えるようにしてもよい。このような態様によれば、ベビーカーで乳幼児を連れ出した際に、急に乳幼児をベビーカーから降ろす必要が生じた場合に臨機応変に対応することができる。また、このような状況下での、保護者の負担を大幅に軽減することもできる。
以上のような本実施の形態によれば、使用状態において、前脚30および後脚40が、車体20の概ね中央に位置するコア部材25から、下方に向けて車幅方向および前後方向に延び広がっている。このような車体20を有したベビーカー10によれば、剛性を効果的に高めることができ、走行中の安定性を確保することができる。また、折り畳み状態においては、前脚30および後脚40のコア部材に対する揺動により、前脚30および後脚40のコア部材25とは反対側の端部が、折り畳んだ状態において使用状態よりも、互いに接近した位置に配置されるようになる。これにより、折り畳み状態における寸法を前後方向および車幅方向において小型化することができる。すなわち、本実施の形態によれば、ベビーカー10の剛性を向上させながら折り畳み時の寸法をコンパクトにすることができる。
また、本実施の形態によれば、前脚30および後脚40を有するフレーム構造に回動可能にそれぞれ接続された一対のハンドル延出部61と、一対のハンドル延出部61を連結する屈曲可能な屈曲部62と、を有するハンドル部材60と、が設けられている。そして、一対のハンドル延出部61のフレーム構造に対する揺動により、ハンドル部材60および後脚40は、折り畳んだ状態において使用状態よりも、各ハンドル延出部61と後脚40とによってなされる角度が小さくなる位置に配置される。また、屈曲部62は、折り畳み状態において、フレーム構造に接近する側に突出するように屈曲する。このようなベビーカー10によれば、折り畳み状態において、ハンドル部材60のフレーム構造からの延出長さを短くすることができるとともに、ハンドル部材60の車幅方向寸法を小さくすることができる。
さらに、本実施の形態によれば、ベース部27に取り付けられ得る第1前脚ユニット29aと、ベース部27に取り付けられ得る第2前脚ユニット29bであって、第1前脚ユニット29aと選択的に使用される第2前脚ユニット29bと、が設けられている。そして、第1前脚ユニット29aおよび第2前脚ユニット29bのうちの一方を使用した場合にベビーカー10が三輪車として機能し、第1前脚ユニット29aおよび第2前脚ユニット29bのうちの他方を使用した場合にベビーカー10が四輪車として機能するようになっている。このようなベビーカー10によれば、ベビーカー10が走行するようになる路面の状況に応じて第1前脚ユニット29aおよび第2前脚ユニット29bのうちのいずれかを選択することにより、操縦性または走行安定性を向上させることができる。
さらに、本実施の形態によれば、ベビーカー10が、前脚30および後脚40を有するフレーム構造と、後脚40に取り付けられた後輪キャリア50と、後輪キャリア50に着脱可能に支持され第1後車輪47aを含む第1後輪ユニット45aと、後輪キャリア50に着脱可能に支持され第2後車輪47bを含む第2後輪ユニット45bであって、第1後輪ユニット45aと選択的に使用される第2後輪ユニット45bと、を有している。そして、第1の後車輪47aの径と第2の後車輪47bの径とは異なっている。このようなベビーカー10によれば、ベビーカー10が走行するようになる路面の状況に応じて第1後輪ユニット45aおよび第2前脚ユニット29bのうちのいずれかを選択することにより、操縦性または走行安定性を向上させることができる。
さらに本実施の形態によれば、一方向に沿って他側から一側に向けて外力を加える度に、後車輪47の回転を規制した状態と、後車輪47の回転が可能な状態と、を切り換えることが可能となる。このようなベビーカー10によれば、操作が簡易かつ単純であることから、後車輪47の回転を規制した状態と、後車輪47の回転が可能な状態と、をより正確に切り換えることができる。