JPWO2012144384A1 - 放射性ハロゲン含有水の浄化方法、透過水の製造方法および放射性ハロゲン含有水の浄化装置 - Google Patents
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Abstract
放射性ハロゲン含有水の酸化還元電位を800mV以下にして固液分離し、次いで、得られた前処理水の酸化還元電位を500mV以下にして半透膜ユニットで処理して濃縮廃水と透過水に分離することで、放射性ハロゲンを含有する海水、河川水、地下水、排水処理水などから放射性ハロゲン、特に放射性ヨウ素を除去する放射性ハロゲン含有水の浄化方法および装置に関するものであり、水中に微量に含まれる放射性ヨウ素を効率的に除去する。
Description
本発明は、放射性ハロゲン、特に放射性ヨウ素を含有する海水、河川水、地下水、排水処理水を浄化する方法および放射性ハロゲン含有水の浄化装置に関するものである。
近年電力エネルギー製造システムの中核を担っている原子力発電において、使用済み核燃料の処理は非常に重要な課題となっている。使用済みの核燃料からウランやプルトニウムを回収再利用する場合、大量の水を利用し、放射性物質、とくに、放射性ヨウ素を含有するプロセス廃水が生成する。このプロセス廃水から放射性物質を分離除去し、安全な水を回収することが求められている。また、発電所タービンの定期修理や突然の停止などの場合にも設備内に滞留するプロセス水には放射性ヨウ素が含有している場合が多く、さらに、万一の放射能漏れ事故の場合には、自然環境中の水が放射能を帯びることになるため、その濃度が許容範囲を超える場合、分離除去することが非常に重要となる。
水中の放射性物質を分離除去する方法として、活性炭、イオン交換樹脂、ゼオライトといったものに吸着させる方法が最もポピュラーであり、例えば、非特許文献1や特許文献1,2において例示されている。さらに、最近では、非特許文献2に示されるように、様々な膜分離の適用も試みられている。また、特許文献3には、廃水に還元剤を添加した後に低分子を除去可能な逆浸透膜で除去する例が挙げられている。
しかしながら、吸着剤では、とくに原廃水の塩分濃度が高い場合は、塩分によってヨウ素などのハロゲンを吸着する能力が阻害されるため、好ましくない。また、直接高濃度の原廃水を処理すると、吸着剤そのものに放射性物質が濃縮され、処理設備の危険性が高まるという問題があった。また、還元剤を添加してから逆浸透膜で除去する方法は、ヨウ素を除去しやすい安定状態にしやすいが、廃水が河川水や雨水など自然水との混合水であったり、廃水そのものが天然由来であったりする場合、ハロゲンが各種不純物に取り込まれて錯体を形成するなどして、複雑な平衡状態を形成するため、還元剤を多量に添加する必要があったりするなど、還元剤の効果が十分に発揮できない場合があった。
独立行政法人 物質・材料研究機構、革新的実用原子力技術開発費補助事業平成15年度成果報告書概要版、「放射性ヨウ素の処理処分に関する技術」(2004)
IAEA、Application of Membrane Technologies for Liquid Radioactive Waste Processing (2004).
本発明の目的は、放射性ハロゲンを含有する海水、河川水、地下水、排水処理水などから効率的に、ハロゲン、特にヨウ素を除去することにある。
前記課題を解決するために、本発明は次の構成をとる。
(1)放射性ハロゲン含有水の酸化還元電位を800mV以下にして固液分離し、次いで、得られた前処理水の酸化還元電位を500mV以下にして半透膜ユニットで処理して濃縮廃水と透過水に分離する放射性ハロゲン含有水の浄化方法。
(2)固液分離で0.45μm以上の微粒子を99%以上除去することを特徴とする(1)に記載の放射性ハロゲン含有水の浄化方法。
(3)半透膜ユニット処理後の透過水を吸着ユニットで処理することを特徴とする(1)または(2)に記載の放射性ハロゲン含有水の浄化方法。
(4)吸着ユニットがアニオン交換体からなることを特徴とする(3)に記載の放射性ハロゲン含有水の浄化方法。
(5)半透膜ユニット処理後の透過水のpHを8以上にして、さらに半透膜ユニットで処理することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の放射性ハロゲン含有水の浄化方法。
(6)固液分離の洗浄排水を別の固液分離装置で処理することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の放射性ハロゲン含有水の浄化方法。
(7)半透膜ユニット処理後の濃縮廃水をさらに半透膜ユニット、晶析または蒸発処理して浄化水を得ることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の放射性ハロゲン含有水の浄化方法。
(8)半透膜ユニットで処理する前に脱気を行うことを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の放射性ハロゲン含有水の浄化方法。
(9)(1)〜(8)のいずれかに記載の放射性ハロゲン含有水の浄化方法を行うことで透過水を得る透過水の製造方法。
(10)放射性ハロゲン含有水を固液分離して前処理水を得る固液分離ユニットと、固液分離ユニット処理前の酸化還元電位を測定する第1の酸化還元電位計と、前処理水に還元剤を添加する還元剤添加ユニットと、還元剤が添加された前処理水を濃縮廃水と透過水に分離する半透膜ユニットと、半透膜ユニット処理前の酸化還元電位を測定する第2の酸化還元電位計を備えた放射性ハロゲン含有水の浄化装置。
(11)半透膜ユニットの透過水を処理する吸着ユニットを備えたことを特徴とする(10)に記載の水の浄化装置。
本発明によって、放射性ハロゲンを含有する海水、河川水、地下水、排水処理水などから効率的に、ハロゲン、特にヨウ素を除去することができ、放流もしくは再利用可能な、安全な水を製造することが可能となる。
以下、本発明の望ましい実施の形態を、図面を用いて説明する。ただし、本発明がこれらに限られるものではない。
本発明の放射性ハロゲン含有水の浄化装置の一例を図1に示す。図1に示す放射性ハロゲン含有水の浄化装置では、原廃水1が廃水タンク2で一旦貯留された後、供給ポンプ3によって前処理ユニット4で処理され、前処理水槽5に送られる。ここで、前処理ユニット4は、懸濁物質除去を目的としており、沈降分離、浮上分離、砂ろ過、膜ろ過が挙げられるが、本発明が目的とする放射性ハロゲン除去という観点からは、凝集剤の添加による廃棄物増加は好ましくないため、凝集剤を添加せず、かつ確実に懸濁成分を除去できる膜ろ過を適用することが好ましい。また、放射性ハロゲンの除去率を上げる目的でアルカリを添加すると、スケールが析出しやすくなるため、濃縮が困難になり好ましくない。さらに、水処理の取水で一般的に適用される次亜塩素酸などの酸化剤を添加すると、原廃水中の有機物が分解し、低分子化するとともに、ハロゲンと反応したり、次亜塩素酸との交換反応が起こったりして成分が複雑化し、前処理効率・除去率が低下するため、本発明においては添加するべきではない。さらに、何らかの成分によって廃水が酸化状態にある場合もそのまま処理すると、配管中や前処理などに付着した汚れや有機物などが分解され、漏出してくる場合があるため、前処理に供する廃水の酸化還元電位が高い場合は、予め、還元剤を添加するなどして、酸化状態にならないようにすることが好ましい。ただし、前処理で還元状態にすると、嫌気化し懸濁物と反応してしまう場合があるため、半透膜ユニットに供給される時点で還元状態を維持するためには、前処理前での還元剤の添加は最小限に抑えることが好ましい。具体的には、酸化還元電位を800mV以下、好ましくは500mV以下に抑え、かつ、200mV以上にすると好ましい。もちろん、地下やタンク内の嫌気状態に滞留している廃水などでは、廃水が予め200mVを下回る酸化還元電位である場合があるが、そのような場合は、そのまま前処理に供給することに問題はない。ただし、廃水に含まれる懸濁性有機物などにはある程度ハロゲンが錯体になったり、吸着されたりするなどして取り込まれているため、廃水の酸化還元電位を半透膜ユニットへの供給水の酸化還元電位よりも低くすると、懸濁物に取り込まれているハロゲンがイオン化して固液分離できず、その後に酸化還元電位が上がって、半透膜ユニットで除去しにくい傾向に向かうため、前処理ユニット4に供給する廃水の酸化還元電位に比べて第1の半透膜ユニット8に供給する前処理水の酸化還元電位を低くしておくことが好ましい。なお、配管の洗浄を目的として、間欠的(例えば、数分〜数十分/日)に酸化剤を添加することを否定するものではないが、その間の処理水質変動に留意する必要がある。また、その間だけ、凝集剤や吸着剤を添加することも可能である。
前処理水は、酸化還元電位をハロゲンの還元電位以下、具体的には500mV以下、好ましくは、200mV以下、さらに好ましくは100mV以下となるように還元剤注入ユニット6で還元剤が添加された後に、第1の昇圧ポンプ7によって第1の半透膜ユニット8に送られて分離処理される(本発明の第1の実施態様)。前述のように、廃水の酸化還元電位が200mVを下回る場合も、第1の半透膜ユニット8に供給されるまでに、酸化還元電位が上昇する場合があるので、第1の半透膜ユニット8に供給される前の酸化還元電位を測定し、好ましくは還元剤を十分に添加して、第1の半透膜ユニット8に供給される前処理水の酸化還元電位が200mV以下、さらに好ましくは100mV以下に維持することが好ましい。
ここで、廃水の酸化還元電位の測定位置は、前処理ユニット4の前、とくに、取水近傍であることが好ましいが、前処理ユニット4の後ろにあっても、本発明の目的を実質的に達成することが可能である。すなわち、前処理ユニット4の出口で高い酸化還元電位を示した場合に、前処理ユニット4の前で還元剤を添加するなどの対応をとることができる。もちろん、前処理ユニット4の前後両方で酸化還元電位を監視することも全く問題ない。
また、第1の半透膜ユニット8の前の酸化還元電位を抑えるにあたっても、半透膜ユニットの前で酸化還元電位を監視することが一般的であるが、半透膜ユニットの濃縮水の酸化還元電位を監視すること、さらには、両方でも差し支えない。とくに、両方監視することによって、半透膜ユニット内での酸化還元電位上昇が起こった場合のことを考慮すると、両方に備えることも好ましい。さらに、還元剤注入ユニット6の前後で酸化還元電位を監視すると、還元剤注入量の制御もしやすく、また、注入以上の検知も行いやすいので、好ましい実施態様の一つである。
酸化還元電位の測定に関しては、市販のORP計(酸化還元電位計)を使ってオンラインもしくはオフラインで測定することが可能であるが、オフラインで測定する場合は、外気の溶解や温度変化の影響を受けるため、オンラインで測定することが好ましいが、特に制約されるものではない。本用途に適したORP計としては、例えば、横川電機株式会社製のPH202(もしくはOR100)/OR8EFG、PH72/OR72SNなどを挙げることができる。
この半透膜による分離処理は、ヨウ素を除去することを第1の目的とし、本発明においては、第1の半透膜ユニット8の供給水を還元状態にすることによって第1の半透膜ユニット8におけるヨウ素の除去率を向上させることができるが、さらに、第2の目的として、後段の吸着ユニット12において吸着処理される場合に阻害物質となる他のハロゲンなどを除去することができる。
第1の半透膜ユニット8の透過水は、水質が満足する場合は、そのまま、浄化水13として放流もしくは再利用に供することが出来るが、引き続いて、吸着ユニット12で処理され、ヨウ素濃度を低減することが好ましい(本発明の第3の実施態様)。ここで、適用可能な吸着ユニット12としては、活性炭やイオン交換樹脂など、ヨウ素を吸着できるものであれば、特に制限されるものではないが、吸着効率が高く脱着・再生が可能である点からアニオン交換樹脂が最適である(本発明の第4の実施態様)。ところで、第1の半透膜ユニット8の濃縮廃水は、必要に応じてエネルギー回収ユニット23で圧力エネルギーを回収した後に、濃縮(減容)水貯留槽24に蓄えられる。
図1では、半透膜ユニットが1段の場合を例示しているが、図2に示すように、半透膜を複数段にすることも可能である。この場合、中間水槽9や第2の昇圧ポンプ10を備えることも可能であるし、第1の半透膜ユニット8の透過側と第2の半透膜ユニット11の供給側を直結して、中間水槽9を省略したり、第2の昇圧ポンプ10を省略したりすることも可能である。ここで、第2の半透膜ユニット11の除去性能を高める目的で、再度還元剤を添加することも可能であるが、第1の半透膜ユニット8の前で還元剤が添加されていることを鑑み、pHを8以上、好ましくは9以上にしてから第2の半透膜ユニット11に供給することがさらに好ましい(本発明の第5の実施態様)。すなわち、半透膜の荷電特性にもよるが、還元剤が酸性もしくは中性の場合は、第1の半透膜ユニット8の透過水も酸性にシフトしていることが多く、この場合はアルカリを添加して、pHを上げることになる。なお、図2では第2の半透膜ユニット11の濃縮水は、ヨウ素濃度が高められているため、第1の半透膜ユニット8の上流に還流することも好ましい。
前処理ユニット4の分離性能に関しては、後段の半透膜ユニットへの負荷を低減するために、凝集剤の添加なしで懸濁物質を確実に処理できることが好ましい。具体的には、0.45μm以上の微粒子を95%以上、さらに好ましくは、99%以上除去することができ、さらには、0.01μm以上の微粒子を80%以上、さらには、90%以上除去できることが好ましい(本発明の第2の実施態様)。
ここで、膜の微粒子の除去性能は、0.45μmの場合、例えば、ポリスチレンラテックス微粒子(岩井化学薬品株式会社製、K045)もしくは同等品を純水20ppm分散させ、膜ろ過した濾液の濃度を測定することによって得ることができる。また、0.01μmの場合は、分子量の異なるデキストラン(例えば、分子量70kDa、100kDa、200kDa、500kDa)を1000ppm含む液をそれぞれ調製、ろ過を行い、原水とろ液の濃度から得られた阻止率を元に、ゴンペルツ関数によって近似曲線を作成し、150kDaを0.01μmと見なし、150kDaのときの阻止性能を推算することによって得ることができる。
なお、濾液を得る方法としては、例えば、平膜の場合は、膜面積11.64cm2の攪拌型ウルトラフォルダー(UHP−43K、容量70mL)を用い、圧力10kPaで分散液を攪拌させながら、ろ過し、ろ過開始後25〜50mLまでの25mLをサンプリングする方法、中空糸膜の場合は、有効長20cm×2本程度のミニモジュールを作製して、見かけの膜面線速度が1〜1.5m/sになるようにして、圧力5kPaで分散液を通水し、中空糸膜の内部の5倍量の水がろ過された時点から、濾液のサンプリングを行う方法が挙げられる。
ところで、固液分離に用いた前処理ユニット4からは、沈降汚泥や洗浄排水が生じる。とくに、前処理が砂ろ過や膜分離の場合は、定期的な逆洗が必要となるため、処理水の2〜10%程度の量の洗浄排水を生じる。そこで、図4に例示するように、この洗浄排水を他の固液分離ユニット17でさらに分離処理して、排水を減容することが好ましい(本発明の第6の実施態様)。このような用途に用いられる固液分離ユニット17としては、やはり、膜分離装置が適しているが、とくに、逆洗排水槽16に直接固液分離ユニット17を浸漬するタイプのものが好適である。これによって、前処理ユニット4から生じる放射性物質を減容することができる。また、固液分離ユニット17で得られたろ過水は、図4に例示するように廃水タンク2に戻すこともできれば、前処理ユニット4の前に戻すことも可能である。さらに、原廃水によっては、揮発性のヨウ素を含有している場合もあるため、あらかじめ放射性物質を含まないもしくは低濃度含有する気体で曝気するなどして、脱気しておくことによって揮発性のヨウ素を除去することも可能である(本発明の第8の実施態様)。揮発性のヨウ素は廃水のpHや温度などによっては半透膜ユニットで除去しにくい場合があり、後段でpH調整する場合を鑑みても添加薬品量も減らすことが出来るため、好ましい態様である。
さらに、第1の半透膜ユニット8の濃縮廃水も減容化することが好ましい。減容化の方法については特に制約はないが、再度半透膜を用いる方法、蒸発法、晶析が特に好ましく採用できる(本発明の第7の実施態様)。図3には、第1の半透膜ユニット8の濃縮廃水を第3の半透膜ユニット25で処理する場合を例示する。この場合、プロセスや運転条件によっては、第1の半透膜ユニット8の透過水よりも水質が悪い第3の半透膜ユニットの透過水26が生成する場合があるが、再利用の用途に応じて使い分けることができる場合は問題なく、また、第1の半透膜ユニット8の上流に還流することも可能である。
ここで、原廃水1に銅やコバルト、マンガンなどが存在すると、還元剤と反応して酸化剤を生成する場合があり、第1の半透膜ユニット8を通って来た濃縮水の還元力が低下し、酸化還元電位が上昇することがあるので、第1の半透膜ユニット8の濃縮廃水に再度還元剤を添加することも好ましい態様である。また、還元剤の添加によって、pHが低下すると、半透膜によるヨウ素の除去性能は低下傾向になるが、第3の半透膜ユニット25でのスケール発生が抑制される条件になる場合は、濃縮を高めることが可能となり、好ましい態様である。具体的には、第3の半透膜ユニット25への供給水のpHを7以下にするとよい。
なお、図3では、第1の半透膜ユニット8の濃縮水ラインと第3の半透膜ユニット25への供給水ラインを直結して中間昇圧ポンプ28で昇圧するようにしているが、第1の半透膜ユニット8の濃縮水を一旦中間タンクなどに貯留した後に改めて昇圧ポンプで第3の半透膜ユニット25に供給することももちろん問題ない。これによって、第1の半透膜ユニット8の濃縮水の圧力エネルギーを回収したとしてもエネルギーロスは避けられないが、薬液添加を開放もしくは低圧で実施できるようになる。
図4には、第2の半透膜ユニット11と第3の半透膜ユニット25を併用する場合の一例を示すが、このようなシステムにすることによって、第1の半透膜ユニット8と第2の半透膜ユニット11の回収率(=透過水/供給水)を調節して、ある程度のレベルで浄化水13の水質が満足するように制御することが可能であり、さらに、生じる水量変動(すなわち、濃縮水貯留槽24に送られる水量)を第3の半透膜ユニット25でコントロールすることが可能となる。
図5には第3の半透膜ユニット25の代わりに、濃縮分離ユニット18を適用した場合の一例、図6は、第3の半透膜ユニット25の透過水26を濃縮分離ユニット18で分離し、濃縮水19を第1の半透膜ユニット8の上流に還流する一例を示す。
本発明においては、上記で説明した本発明の実施態様のいずれかで放射性ハロゲン含有水の浄化を行い透過水を得ることも好ましい実施態様である。
本発明に適用可能な半透膜ユニットとしては、特に制約はないが、取扱いを容易にするため中空糸膜状や平膜状の半透膜を筐体に納めて流体分離素子(エレメント)としたものを耐圧容器に装填したものを用いることが好ましい。流体分離素子は、平膜で形成する場合、例えば、多数の孔を穿設した筒状の中心パイプの周りに、半透膜を流路材(ネット)とともに円筒状に巻回したものが一般的であり、市販製品としては、東レ(株)製逆浸透膜エレメントTM700シリーズやTM800シリーズを挙げることができる。これら、流体分離素子は1本でも、また、複数本を直列あるいは並列に接続して半透膜ユニットを構成することも好ましい。
半透膜素材には酢酸セルロース系ポリマー、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミド、ビニルポリマーなどの高分子素材を使用することができる。またその膜構造は、膜の少なくとも片面に緻密層を持ち、緻密層から膜内部あるいはもう片方の面に向けて徐々に大きな孔径の微細孔を有する非対称膜や、非対称膜の緻密層の上に別の素材で形成された非常に薄い機能層を有する複合膜のどちらでもよい。
半透膜ユニットにおいては、供給水が濃縮されるため、濃縮によるスケール析出を防止したりpH調整のためにそれぞれの半透膜ユニットの供給水に対してスケール防止剤や酸・アルカリを添加したりすることが可能である。なお、スケール防止剤添加は、その添加高価を発揮できるように、pH調整よりも上流側で実施することが好ましい。また、薬品添加の直後にはインラインミキサーを設けたり、添加口を供給水の流れに直接接触するようにするなどして添加口近傍での急激な濃度やpH変化を防止したりすることも好ましい。
スケール防止剤とは、溶液中の金属、金属イオンなどと錯体を形成し、金属あるいは金属塩を可溶化させるもので、有機や無機のイオン性ポリマーあるいはモノマーが使用できる。有機系のポリマーとしてはポリアクリル酸、スルホン化ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリアリルアミンなどの合成ポリマーやカルボキシメチルセルロース、キトサン、アルギン酸などの天然高分子が、モノマーとしてはエチレンジアミン四酢酸などが使用できる。また、無機系のスケール防止剤としてはポリリン酸塩などが使用できる。これらのスケール防止剤の中では入手のしやすさ、溶解性など操作のしやすさ、価格の点から特にポリリン酸塩、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)が好適に用いられる。ポリリン酸塩とはヘキサメタリン酸ナトリウムを代表とする分子内に2個以上のリン原子を有し、アルカリ金属、アルカリ土類金属とリン酸原子などにより結合した重合無機リン酸系物質をいう。代表的なポリリン酸塩としては、ピロリン酸四ナトリウム、ピロリン酸二ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸ナトリウム、ヘプタポリリン酸ナトリウム、デカポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、およびこれらのカリウム塩などがあげられる。
一方、酸やアルカリとしては、硫酸や水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムが一般的に用いられるが、塩酸、シュウ酸、水酸化カリウム、重炭酸ナトリウム、水酸化アンモニウムなどを使用することもできる。但し、海水へのスケール成分の増加を防止するためには、カルシウムやマグネシウムは使用しない方がよい。
ここで、前処理に砂ろ過を用いる場合は、自然に流下する方式の重力式ろ過を適用することもできれば、加圧タンクの中に砂を充填した加圧式ろ過を適用することも可能である。充填する砂も、単一成分の砂を適用することが可能であるが、例えば、アンスラサイト、珪砂、ガーネット、軽石など、を組み合わせて、ろ過効率を高めることが可能である。精密ろ過膜や限外ろ過膜についても、特に制約はなく、平膜、中空糸膜、管状型膜、プリーツ型、その他いかなる形状のものも適宜用いることができる。膜の素材についても、特に限定されるもの、ポリアクリロニトリル、ポリフェニレンスルフォン、ポリフェニレンスルフィドスルフォン、ポリフッ化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリビニルアルコール、酢酸セルロースや、セラミック等の無機素材を用いることができるが、原水性状によっては、劣化しやすいものがあるので注意が必要である。また、ろ過方式にしても供給水を加圧してろ過する加圧ろ過方式や透過側を吸引してろ過する吸引ろ過方式のいずれも適用可能である。
一方、供給水に溶解性の有機物が多く含まれている場合は、加圧浮上や活性炭ろ過を適用するのも好ましい。また、溶解性の無機物が多く含まれている場合は、有機系高分子電解質やヘキサメタ燐酸ソーダなどのキレート剤を添加したり、イオン交換樹脂などを用いて溶解性イオンと交換したりするとよい。また、鉄やマンガンが可溶な状態で存在しているときは、曝気酸化ろ過法や接触酸化ろ過法などを用いることも好ましい。
あらかじめ特定イオンや高分子などを除去し、本発明の放射性ハロゲン含有水の浄化装置を高効率で運転することを目的として、前処理にナノろ過膜を用いることも可能である。
本発明は、放射性ハロゲンを含有する海水、河川水、地下水、排水処理水などから放射性ハロゲン、特に放射性ヨウ素を除去する放射性ハロゲン含有水の浄化方法および装置に関するものであり、水中に微量に含まれる放射性ヨウ素を効率的に除去することができる。
1:原廃水
2:廃水タンク
3:供給ポンプ
4:前処理ユニット
5:前処理水槽
6:還元剤注入ユニット
7:第1の昇圧ポンプ
8:第1の半透膜ユニット
9:中間水槽
10:第2の昇圧ポンプ
11:第2の半透膜ユニット
12:吸着ユニット
13:浄化水
14:バルブ
15:逆洗水槽
16:逆洗排水槽
17:固液分離ユニット
18:濃縮分離ユニット
19:濃縮水
20:脱気ユニット
21:凝縮ユニット
22:回収蒸気
23:エネルギー回収ユニット
24:濃縮水貯留槽
25:第3の半透膜ユニット
26:第3の半透膜ユニットの透過水
27:第3の半透膜ユニットの濃縮水
28:中間昇圧ポンプ
29:アルカリ添加ユニット
2:廃水タンク
3:供給ポンプ
4:前処理ユニット
5:前処理水槽
6:還元剤注入ユニット
7:第1の昇圧ポンプ
8:第1の半透膜ユニット
9:中間水槽
10:第2の昇圧ポンプ
11:第2の半透膜ユニット
12:吸着ユニット
13:浄化水
14:バルブ
15:逆洗水槽
16:逆洗排水槽
17:固液分離ユニット
18:濃縮分離ユニット
19:濃縮水
20:脱気ユニット
21:凝縮ユニット
22:回収蒸気
23:エネルギー回収ユニット
24:濃縮水貯留槽
25:第3の半透膜ユニット
26:第3の半透膜ユニットの透過水
27:第3の半透膜ユニットの濃縮水
28:中間昇圧ポンプ
29:アルカリ添加ユニット
Claims (11)
- 放射性ハロゲン含有水の酸化還元電位を800mV以下にして固液分離し、次いで、得られた前処理水の酸化還元電位を500mV以下にして半透膜ユニットで処理して濃縮廃水と透過水に分離する放射性ハロゲン含有水の浄化方法。
- 固液分離で0.45μm以上の微粒子を99%以上除去することを特徴とする請求項1に記載の放射性ハロゲン含有水の浄化方法。
- 半透膜ユニット処理後の透過水を吸着ユニットで処理することを特徴とする請求項1または2に記載の放射性ハロゲン含有水の浄化方法。
- 吸着ユニットがアニオン交換体からなることを特徴とする請求項3に記載の放射性ハロゲン含有水の浄化方法。
- 半透膜ユニット処理後の透過水のpHを8以上にして、さらに半透膜ユニットで処理することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の放射性ハロゲン含有水の浄化方法。
- 固液分離の洗浄排水を別の固液分離装置で処理することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の放射性ハロゲン含有水の浄化方法。
- 半透膜ユニット処理後の濃縮廃水をさらに半透膜ユニット、晶析または蒸発処理して浄化水を得ることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の放射性ハロゲン含有水の浄化方法。
- 半透膜ユニットで処理する前に脱気を行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の放射性ハロゲン含有水の浄化方法。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の放射性ハロゲン含有水の浄化方法を行うことで透過水を得る透過水の製造方法。
- 放射性ハロゲン含有水を固液分離して前処理水を得る固液分離ユニットと、固液分離ユニット処理前の酸化還元電位を測定する第1の酸化還元電位計と、前処理水に還元剤を添加する還元剤添加ユニットと、還元剤が添加された前処理水を濃縮廃水と透過水に分離する半透膜ユニットと、半透膜ユニット処理前の酸化還元電位を測定する第2の酸化還元電位計を備えた放射性ハロゲン含有水の浄化装置。
- 半透膜ユニットの透過水を処理する吸着ユニットを備えたことを特徴とする請求項10に記載の水の浄化装置。
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