JPWO2014188773A1 - 太陽電池の製造方法及び太陽電池 - Google Patents

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Abstract

半導体基板の表面に該半導体基板とは逆の導電型となる拡散層を形成する工程と、上記半導体基板の裏面に該半導体基板と同一の導電型となる拡散層を形成する工程と、上記半導体基板の表面の該半導体基板とは逆の導電型の拡散層の外周縁部にレーザー照射して該拡散層の外周縁部より内側の部分を除去し、半導体基板の表面と裏面とを電気的に分離する接合分離溝を形成する工程とを有する太陽電池の製造方法により、逆バイアス時のリーク電流の少ない高効率の両面受光型の太陽電池を提供する。

Description

本発明は、逆バイアス時のリーク電流を抑制する両面受光型の高効率の太陽電池の製造方法及び太陽電池に関する。
現在、民生用の太陽電池を製造するにあたって、高効率化及び製造コストの低減が重要課題となっており、太陽電池の研究が広く行われている。その中で変換効率を高めるため、両面にそれぞれリン・ボロンの拡散層を形成する太陽電池がある。その詳細は例えば次の通りである。
まず、チョクラルスキー(CZ)法により作製した単結晶シリコンインゴットやキャスト法により作製した多結晶シリコンインゴットをマルチワイヤー法でスライスすることにより得られたn型シリコン基板を用意する。次に、アルカリ溶液で基板表面のスライスによるダメージを取り除いた後、最大高さ10μm程度の微細凹凸(テクスチャ)を表面と裏面との両面に形成する。続いて、基板の両面に異なる導電型のドーパントを熱拡散させる。例えば、表面となる第一主面に基板とは逆導電型となるドーパントガスを用いて気相拡散させて拡散層(エミッタ層)を形成する。他方、裏面となる第二主面には基板と同導電型であるドーパントガスを用いた気相拡散法で拡散させ、拡散層(BSF層)を形成する。次に、表面及び裏面にはTiO2又はSiNxを、例えば、70nm程度の膜厚で堆積させて、反射防止膜を形成する。次に銀を主成分とする裏面電極用ペーストを裏面と表面に櫛型状に印刷し、乾燥させ、焼成することにより電極とオーミックコンタクトを形成し太陽電池が完成する。
このようにして作られた太陽電池は、p型半導体基板を用いた一般的な裏面のアルミニウム電極(以下、アルミ電極)を有する太陽電池に比べて、基板裏面側のアルミ電極領域の表面再結合を抑制することができ、高い光電変換特性を有する。また、前記の両面から拡散させた太陽電池は、p型半導体基板を用いた一般的な裏面アルミ電極を有する太陽電池に比べて、基板の反りが小さく、モジュール化の際の割れが少ない。
一般的に、太陽電池は正極側の電極と負極側の電極が同じ導電型の拡散層によって接続された場合、シャント抵抗が低下し、発電時にキャリアのリークが増大して太陽電池の変換効率が減少する。
例えば、p型半導体基板を用いた一般的な裏面アルミ電極を有する太陽電池では、pn接合を形成するために、リン拡散を受光面(表面)又は基板全面に行う。このとき、基板側端部や裏面側に亘って形成されたリン拡散層を介して、受光面電極と裏面電極とが接続されると、シャント抵抗が低下し、発電する際にキャリアのリークが生じて太陽電池特性が低下する。
このシャント抵抗の低下を防止するために、通常pn接合を分離する工程が含まれる。その方法としては、受光面外周エッジ部(外周縁)、基板側端部、裏面外周縁領域を除去する方法がある。例えば、CF4などのエッチングガスを用いて基板側端部をエッチングするプラズマエッチング技術や、機械研磨による基板エッジ除去技術(特開昭55−003633号公報(特許文献1))、サンドブラストを用いた裏面外周のエッチング(特開2003−298080号公報(特許文献2))、更にアルカリ系の溶剤を用いて基板の裏面外周縁を溶融させて拡散層を除去するエッチバック技術やレーザー照射によって接合分離溝を基板裏面外周縁領域に形成する技術(国際公開第2006/087786号(特許文献3))がある。これらは、いずれにおいても連続したエミッタ層を不連続とすることが可能であり、シャント抵抗の低下を防止して、pn接合分離を達成することが可能である。
また、太陽電池特性の一つに逆バイアス時のリーク電流がある。これは、太陽電池を直列接続したモジュールにおいて、太陽電池の一部が影になった場合に、直列接続した他の太陽電池から逆バイアスがかかる。その際、リーク電流の多い、即ち耐圧が低い太陽電池はリーク電流によって局所的に過熱し、太陽電池やモジュールが破損する場合がある。一般的に、逆バイアスのリーク電流は、異なる導電型の拡散層が接する場合、それぞれのドーパント濃度の積に比例し、印加される逆バイアス電圧に比例して増大し、太陽電池の信頼性において重要なパラメーターである。
p型半導体基板を用いた一般的な裏面アルミ電極を有する太陽電池では、上記接合分離工程を行うことによって、逆バイアスが印加された場合のリーク電流が小さくなる。これは、アルミ電極を焼成した時に形成されるBSF層(p+層)がアルミ電極直下のみに局所的に形成され、リン拡散層(n+層)が基板裏面側に回りこんで形成された場合でも、n+層とp+層が接する領域が裏面アルミ電極近傍に限定されるからである。従って、受光面エッジ部から裏面外周縁領域のリン拡散層を連続的に除去することが可能な上記接合分離方法によって、n+層が不連続になることによってn++領域への逆バイアス印加を防ぐことが可能となる。
一方、上記基板両面から拡散させた太陽電池は、p型及びn型の異なる拡散層を形成することが必要であり、ボロンドーパントよりも拡散しやすいリンドーパントがリン拡散面だけでなく、基板側端部やボロン拡散面の外周縁領域に拡散し、高濃度リン拡散層が形成されてしまう。
また、一般的に逆バイアス時のリーク電流はエミッタ層に接するBSF層のドーパント濃度に比例して増大する。
そのため、p型半導体基板を用いた一般的な裏面アルミ電極を有する太陽電池では効果のあった上記接合分離方法では、基板両面から拡散させた太陽電池を完全にpn接合分離することができず、逆バイアス時のリーク電流が少ない高効率の太陽電池を歩留まり良く作製することが困難であった。
また、基板両面に拡散層を形成した太陽電池は、逆バイアス印加時のリーク電流が多くなり、リーク電流発生部において基板温度が上昇することでセル及びモジュールを損傷する可能性が高くなるため、モジュール信頼性を低下させる要因となっていた。
特開昭55−003633号公報 特開2003−298080号公報 国際公開第2006/087786号
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、基板両面から拡散させた太陽電池の表面と裏面とを電気的に分離し、逆バイアス時のリーク電流の少ない高効率の両面受光型の太陽電池の製造方法及び太陽電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究の結果、基板両面から拡散させた太陽電池の接合分離方法として、表面外周縁領域のエミッタ層内に接合分離溝を形成することが高セル特性及び逆バイアス時の低リーク電流に対して最も効果的であるという結論に至り、更に鋭意検討して本発明を成すに至った。
即ち、本発明は、下記の太陽電池の製造方法及び太陽電池を提供する。
〔1〕 半導体基板の表面に該半導体基板とは逆の導電型となる拡散層を形成する工程と、上記半導体基板の裏面に該半導体基板と同一の導電型となる拡散層を形成する工程と、上記半導体基板の表面の該半導体基板とは逆の導電型の拡散層の外周縁部に沿ってレーザー照射して該拡散層の外周縁部より内側の部分を除去し、半導体基板の表面と裏面とを電気的に分離する接合分離部を形成する工程とを有することを特徴とする両面受光型の太陽電池の製造方法。
〔2〕 半導体基板の導電型がn型であることを特徴とする〔1〕記載の太陽電池の製造方法。
〔3〕 半導体基板の導電型がp型であることを特徴とする〔1〕記載の太陽電池の製造方法。
〔4〕 接合分離部は、幅の中心が表面外周縁から0.15mm以上0.60mm以下の距離だけ内側に入った領域内で基板外周縁に沿って表面電極よりも外側に連続的に形成された溝であることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
〔5〕 接合分離部は、溝幅が5μm以上30μm以下であり、溝深さが5μm以上30μm以下の溝であることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
〔6〕 上記接合分離部を形成する工程を半導体基板の表面及び裏面に拡散層を形成する工程の後に実施することを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
〔7〕 表面に第二の導電型拡散層を有し、裏面に第一の導電型拡散層を有する第一の導電型の半導体基板からなる両面受光型の太陽電池であって、上記半導体基板の表面の第二の導電型拡散層の外周縁部より内側の部分にレーザー照射により該拡散層が除去されて形成された半導体基板の表面と裏面とを電気的に分離する接合分離部を有する太陽電池。
〔8〕 半導体基板の導電型がn型であることを特徴とする〔7〕記載の太陽電池。
〔9〕 半導体基板の導電型がp型であることを特徴とする〔7〕記載の太陽電池。
〔10〕 接合分離部は、幅の中心が表面外周縁から0.15mm以上0.60mm以下の距離だけ内側に入った領域内で基板外周縁に沿って表面電極よりも外側に配置される連続的な溝であることを特徴とする〔7〕〜〔9〕のいずれかに記載の太陽電池。
〔11〕 接合分離部は、溝幅が5μm以上30μm以下であり、溝深さが5μm以上30μm以下の溝であることを特徴とする〔7〕〜〔10〕のいずれかに記載の太陽電池。
本発明によれば、半導体基板の表面の外周縁領域でレーザー接合分離を行うことで、逆バイアス時のリーク電流の少ない高効率の太陽電池を歩留まり良く作製することができる。
本発明に係る太陽電池の基本構成を示す正面図であり、(a)は表面の正面図、(b)は裏面の正面図である。 本発明に係る太陽電池の基本構成を示す断面図である。 本発明に係る太陽電池の製造方法の実施形態としての製造工程を示す断面図であり、(a)はテクスチャ形成工程、(b)は拡散層形成工程、(c)は反射防止膜兼パッシベーション膜形成工程、(d)はレーザー接合分離工程、(e)は電極形成工程である。 本発明に係る太陽電池においてn型半導体基板を用いた第1の実施形態を示す断面図である。 図4の太陽電池における接合分離溝の形成例を示す正面図である。 図4の太陽電池における接合分離溝の別の形成例を示す正面図である。 本発明に係る太陽電池においてp型半導体基板を用いた第2の実施形態を示す断面図である。 図7の太陽電池における接合分離溝の形成例を示す正面図である。 図7の太陽電池における接合分離溝の別の形成例を示す正面図である。 比較例1の太陽電池の概略構成を示す断面図である。 比較例2の太陽電池の概略構成を示す断面図である。 比較例3の太陽電池の概略構成を示す断面図である。 比較例4の太陽電池の概略構成を示す断面図である。
以下、本発明に係る太陽電池の製造方法及び太陽電池について説明する。
図1及び図2に、本発明に係る太陽電池の基本構成を示す。
本発明の太陽電池は、半導体基板の両面に拡散層が形成された両面受光型の太陽電池であり、図1(a)に示すように、半導体基板の表面において集電電極としてフィンガー電極16fと呼ばれる数百〜数十μm幅の電極を多数有し、また太陽電池を連結するための集電電極としてのバスバー電極16bを2本有する。また、図1(b)に示すように、半導体基板の裏面においても集電電極としてのフィンガー電極17fと、太陽電池を連結するための集電電極としてのバスバー電極17bを2本有する。
また、この太陽電池の断面構造として、図2に示すように、n型の半導体基板10nの表面側には基板の導電型と逆の導電型(p型)の拡散層12pが設けられ、この上にフィンガー電極16f及びバスバー電極16bが設けられる(バスバー電極16bは不図示)。なお、拡散層12pのそれ以外の領域には反射防止膜兼パッシベーション膜13が設けられている。また、半導体基板10nの裏面側には基板の導電型と同一の導電型(n型)の拡散層12nが設けられ、この上にフィンガー電極17f及びバスバー電極17bが設けられ(バスバー電極17bは不図示)、それ以外の領域には反射防止膜兼パッシベーション膜14が設けられる。
なお、図2において、p型の半導体基板10pの場合には、基板の表面側には基板の導電型と逆の導電型(n型)の拡散層12nが設けられ、裏面側には基板の導電型と同一の導電型(p型)の拡散層12pが設けられる。それ以外の構成は上記と同じである。
本発明に係る太陽電池の製造方法は、半導体基板の表面に該半導体基板とは逆の導電型となる拡散層を形成する工程と、上記半導体基板の裏面に該半導体基板と同一の導電型となる拡散層を形成する工程と、上記半導体基板の表面の該半導体基板とは逆の導電型の拡散層(エミッタ層となる領域)の外周縁部に沿ってレーザー照射して該拡散層の外周縁部を除去し、半導体基板の表面と裏面とを電気的に分離する接合分離溝を形成する工程とを有することを特徴とする。
以下、図3に基づき、本発明の太陽電池の製造方法を具体的に説明する。
[シリコン基板の準備]
高純度シリコンにリンあるいは砒素、アンチモンのようなV族元素をドープし、比抵抗0.1〜5Ω・cmとしたアズカット単結晶{100}n型シリコン基板表面のスライスダメージを、濃度5〜60質量%の水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのような高濃度のアルカリもしくはふっ酸と硝酸の混酸などを用いてエッチングする。単結晶シリコン基板は、CZ法、FZ法のいずれの方法によって作製されてもよい。基板は必ずしも単結晶シリコンである必要はなく、多結晶シリコンや化合物半導体でも構わない。また、シリコン基板の形状も特に限定されず、矩形、円形のいずれでもよい。ここでは、n型単結晶シリコン基板であるn型半導体基板10n(以下、基板10n)を用いる場合を説明する。
[テクスチャ形成工程]
引き続き、基板10nの両面にテクスチャと呼ばれる微小な凹凸形成を行う(図3では凹凸表示省略)。テクスチャは太陽電池の反射率を低下させるための有効な方法である。テクスチャは、基板10nを加熱した水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ溶液(濃度1〜10質量%、温度60〜100℃)中に10〜30分間程度浸漬することで形成される。上記溶液中に、所定量の2−プロパノールを溶解させ、反応を促進させることが多い。テクスチャ形成は、表面のエッチングを行っていることになるため、前記ダメージエッチングの代用とすることも可能である。
以上の工程の後、塩酸、硫酸、硝酸、ふっ酸等もしくはこれらの混合液の酸性水溶液中で基板10nを洗浄する(ここまで図3(a))。
[拡散層形成工程]
次いで、基板10nの両面に拡散層12p、12nを形成する(図3(b))。
詳しくは、まず基板10nの裏面(第二主面、図3において下向きの面)に基板10nの導電型と同一の導電型(第一の導電型)となる拡散源(P、As、Sb等のドーパント)を含む拡散剤、例えばリンやアンチモン等を含有する材料を塗布し乾燥させることで拡散剤塗布層を形成し、800〜1,000℃で30分〜1時間程度の熱処理を施すことで、第二主面上にn型の拡散層12nを形成する。なお、このとき、基板10nの表面に拡散層の形成を防止するマスクとしてシリコン酸化膜を形成しておくとよい。
次に、基板10nの表面(第一主面、図3において上向きの面)に基板10nの導電型と逆の導電型(第二の導電型)となる拡散源(B、Al、Ga、In等のドーパント)を含む拡散剤、例えば予めホウ酸を純水に溶解しておいた拡散剤を塗布し乾燥させることで、拡散剤塗布層を形成し、950〜1,050℃で10分〜1時間程度の熱処理を施すことで、第一主面上にp型の拡散層12pを形成する。
なお、基板10nの表面(第一主面)に第二の導電型の拡散剤を塗布して拡散剤塗布層を形成した後、拡散熱処理時に雰囲気ガスとして第一の導電型の拡散源を供給するガス、例えばオキシ塩化リンを導入することで、基板10nの第二主面にn型の拡散層12nを同時に形成するようにしてもよい(気相拡散法)。この場合、2枚の基板10nの拡散剤塗布層を形成した第一主面同士を向き合わせて重ね合わせた状態で上記拡散熱処理を施すとよい。
拡散熱処理が終わったら、基板10n表面に形成されたガラスをふっ酸などで除去する。
[反射防止膜兼パッシベーション膜形成工程]
次いで、基板10nの表裏面に反射防止膜兼パッシベーション膜13、14を形成する(図3(c))。反射防止膜兼パッシベーション膜13、14の形成にはプラズマCVD装置を用いSiNx膜を厚さ約100nmで製膜する。なお、反応ガスとして、モノシラン(SiH4)及びアンモニア(NH3)を混合して用いることが多いが、NH3の代わりに窒素を用いることも可能であり、また、プロセス圧カの調整、反応ガスの希釈、更には基板に多結晶シリコンを用いた場合には基板のバルクパッシベーション効果を促進するため、反応ガスに水素を混合することもある。
ところで、基板10nの両面それぞれに形成される拡散層12p、12nは、拡散熱処理において、所望の面だけに形成されるものではない。例えば、表面側にボロン拡散を行っている際には、裏面側にもボロンオートドープによりボロン拡散層が形成される。また、裏面側にリン拡散を行っている際にも表面側にリンオートドープが起こり、リン拡散層が形成される。その結果、基板側端部及び表面外周縁領域において、ボロンドーパントよりも拡散係数が大きいリンドーパントによってリンドーパントの拡散濃度が高くなってしまい、図3(b)に示すようにこれらの領域のボロン濃度が補償され、基板側端部及び表面(ボロン拡散面)外周縁領域に高濃度リン拡散層(n+層)12nが連続して形成されることになる。これは基板の表面(ボロン拡散面)にマスク用のシリコン酸化膜を形成しておいても発生する。なお、表面(ボロン拡散面)外周縁領域における高濃度リン拡散層12nの幅は、p型基板を用いた抵抗測定により、外周縁から少なくとも0.08mmまで、最大0.12mmまでの領域に亘って形成されていることを確認した。また、表面(ボロン拡散面)外周縁領域における高濃度リン拡散層12nの幅は、上記マスク用のシリコン酸化膜を形成した後に拡散熱処理を施した場合と、2枚の基板10nの拡散剤塗布層を形成した第一主面同士を向き合わせて重ね合わせた状態で上記拡散熱処理を施した場合とで同程度であった。
この高濃度リン拡散層(n+層)12nが高濃度ボロン拡散層(p+層)12pに接している状態(p++接合)で、この領域に逆バイアスが印加されると、p++接合領域に電界がかかり、トンネル効果によってリーク電流が増大してしまう。一般的な太陽電池におけるpn接合分離が発電時(順バイアス時)における正極電極及び負極電極の拡散層を介した導通を阻止するために行われるのに対し、本発明における後述するレーザー接合分離は更に逆バイアス時のリーク電流も低減する効果も併せ持っている。例えば、n型基板を用いて、表面側にボロン拡散層(拡散層12p)、裏面側にリン拡散層(拡散層12n)を形成した太陽電池において、n+層内でn型基板の露出(接合分離)が行われた場合、具体的には、表面最外周のエッジ領域(外周縁)や基板側端部、又は基板裏面外周縁でn型基板を露出させたとしても、表面の拡散層12p側にp++接合領域が存在しており、受光面外周縁領域のp+層に接したn+層にはn型基板を介して電圧がかかるため、p++接合領域に逆バイアスが印加されてリーク電流を発生させてしまう。
ここで、本発明者らはこの問題を解決すべく種々検討したところ、両面に拡散層を有する太陽電池においてp++接合領域に逆バイアスが印加されないようにする方法として、表面拡散層(エミッタ層)の領域内に接合分離の溝を形成し、該拡散層とは逆の導電型の基板を露出させることで電極に接続したエミッタ層からの逆バイアスの電圧印加を防止することが重要であることを見出し、鋭意検討を行い、本発明を成すに至った。
即ち、本発明では下記のレーザー接合分離工程の処理を行う。
[レーザー接合分離工程]
本工程では、基板10nの表面の該基板10nとは逆の導電型の拡散層(拡散層12p)の外周縁部に沿ってレーザー照射して該拡散層12pの外周縁部より内側の部分(及びその部分の反射防止膜兼パッシベーション膜13を含む)を除去し、基板10nの表面と裏面とを電気的に分離する接合分離溝15を形成する(図3(d))。
接合分離溝15の形成は処理タクトが非常に短いレーザー加工技術を用いることで、安定した加工精度が得られ、低コスト化することが可能となる。
即ち、本工程で利用するレーザー加工に関し、レーザー媒体が固体であるものを固体レーザーといい、高ピーク強度パルスが得られることにより、広く工業用加工レーザーとして利用されている。その中で、クロムイオンをサファイア結晶に混入させたルビーレーザーやネオジウムイオンをYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット結晶)に入れたYAGレーザー(正確にはNd:YAGレーザーと記述する)が代表的であり、YAGレーザーは波長が1064nmの光(赤外線)を発するが、非線形光学結晶を用いて高調波を発生させることによって、波長532nmの緑色の光や波長355nmの紫外線なども出すことができるようになっている。波長532nmのグリーンレーザーの光エネルギーはeV=1238.9/λの式より、eV=2.33であるので、シリコンのバンドギャップ1.1eVの2倍以上のエネルギーを持っており、シリコン基板の加工を行うには十分な光エネルギーである。
シリコンはYAGレーザーの基本波(1064nm)ではいくらか光が透過するのに対し、SHG(Second Harmonic Generation:第2高調波発生)−YAGレーザー(波長532nm)の光はほぼ完全に表面で吸収するという特性を持つことから、シリコン基板(基板10n)の表面加工を行うにあたり、SHG−YAGレーザーを用いれば溶融表面での光吸収と蒸発が同時に起こり,内部デバイスに損傷を与えることなく表面スクライビングが可能となる。
また、代表的なNd:YAG固体レーザーは高出力が得られるものの、最大繰り返し周波数が50kHz程度と低く、高速な加工用途には限界がある。これに対してNd:YVO4レーザーは高い繰り返し周波数50〜200kHzが可能で、薄膜のスクライビング、切断、基板の穴あけ等の高速加工用に期待されている。高出力・高ピーク強度でのレーザー加工が幅広い繰り返し周波数で可能になり、高速走査でのレーザー加工が実現できる。
上述のようにレーザーには他にも様々な種類があるが、シリコン表面のスクライビング現象に必要なエネルギーと時間幅に対応するレーザー光をシリコン基板に照射することによって目的とする形状の接合分離溝15を形成することができる。
ここで、図4に示すように、接合分離溝15を基板10nの表面において、溝幅の中心が表面外周縁から好ましくは0.15mm以上0.60mm以下、より好ましくは0.2mm以上0.4mm以下の距離Dだけ内側に入った領域内で基板外周縁に沿って表面電極(即ち、フィンガー電極16f及びバスバー電極16b)よりも外側に連続的に形成するとよい。
また、基板10nの表面における接合分離溝15形成用に照射するレーザー光の走査パターンとしては、図5に示すように、基板10nの表面外周縁から一定距離Dだけ内側に入った位置を一筆書きのようにその外周縁に沿ってレーザーを走査してもよい。あるいは、レーザー光の他の走査パターンとしては、図6に示すように、矩形の基板10nの一辺ごとにその一辺の表面外周縁から一定距離Dだけ内側に入った位置をその辺の端から端まで該外周縁に沿ってレーザーを走査するようにし、これを4辺すべてにおいて行うようにしてもよい。
また、接合分離溝15の溝幅が好ましくは5〜30μm、より好ましくは10〜20μmであり、溝深さが好ましくは5〜30μm、より好ましくは10〜20μmであることが好ましい。接合分離溝15の幅及び深さが上記下限を下回ると電気的な分離が不十分となるおそれがあり、上限を上回ると基板のチッピングが増えたり、基板が割れ易くなる場合がある。
このレーザー接合分離工程は、上記シリコン基板の表面及び裏面に拡散層12p、12nを形成する工程の後、例えば拡散層12p、12n形成工程直後、反射防止膜兼パッシベーション膜13、14形成工程後、電極形成工程後に実施することが好ましい。
[電極形成工程]
次いで、基板10nの表裏面の反射防止膜兼パッシベーション膜13、14上にバスバー電極16b及びフィンガー電極16fからなる表面電極16とバスバー電極17b及びフィンガー電極17fからなる裏面電極17とを(図3ではフィンガー電極16f、17f)は不図示)スクリーン印刷法で形成する(図3(e))。即ち、上記基板10nの表裏面に、Ag粉末とガラスフリットを有機物バインダと混合したAgペーストを印刷して乾燥し、電極印刷の後、熱処理によりSiNx膜の反射防止膜兼パッシベーション膜13、14にAg粉末を貫通させ(ファイヤースルー)、電極16、17とシリコン基板(拡散層12p、12n)とを導通させる。焼成は、通常700〜800℃の温度で5〜30分間処理することで行われる。電極16、17の焼成は一度に行ってもよいし、各面の印刷後それぞれに焼成することも可能である。
以上、導電型がn型のシリコン基板(半導体基板10n)の場合を例にとって説明したが、基板の導電型がp型の場合でも、上記の拡散層に関するp型とn型の条件を入れ替えるようにすれば、本発明の製造方法が適用可能である。即ち、この場合には拡散層形成工程において、半導体基板10pの表面にn型の拡散層12nを形成し、裏面にp型の拡散層12pを形成する。次いで、この工程以降に行われるレーザー接合分離工程において、半導体基板10pの表面の該基板10pとは逆の導電型の拡散層(拡散層12n)の外周縁部に沿ってレーザー照射して該拡散層12nの外周縁部より内側の部分(及びその部分の反射防止膜兼パッシベーション膜13を含む)を除去し、基板10pの表面と裏面とを電気的に分離する接合分離溝15を形成する。この場合のレーザー接合分離の条件は上述したものと同じでよい。
具体的には、図7に示すように、接合分離溝15を基板10pの表面において溝幅の中心が表面外周縁から好ましくは0.15mm以上0.60mm以下、より好ましくは0.2mm以上0.4mm以下の距離Dだけ内側に入った領域内で基板外周縁に沿って表面電極(即ち、フィンガー電極16f及びバスバー電極16b)よりも外側に連続的に形成するとよい。
また、基板10pの表面における接合分離溝15形成用に照射するレーザー光の走査パターンとしては、図8に示すように、基板10pの表面外周縁から一定距離Dだけ内側に入った位置を一筆書きのようにその外周縁に沿ってレーザーを走査してもよい。あるいは、レーザー光の他の走査パターンとしては、図9に示すように、矩形の基板10pの一辺ごとにその一辺の表面外周縁から一定距離Dだけ内側に入った位置をその辺の端から端まで該外周縁に沿ってレーザーを走査するようにし、これを4辺すべてにおいて行うようにしてもよい。
以上のように、レーザー接合分離を行うことにより、逆バイアス時のリーク電流の少ない高効率の両面受光型の太陽電池を歩留まりよく作製することができる。
以下に本発明の実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
<太陽電池の製造>
上記レーザー接合分離を含む本発明の太陽電池の製造方法で、以下のようにn型基板を用いて太陽電池を製造した。
結晶面方位(100)、15.6cm角200μm厚、アズスライス比抵抗2Ω・cm(ドーパント濃度7.2×1015cm-3)リンドープn型単結晶シリコン基板を、水酸化ナトリウム水溶液に浸してダメージ層をエッチングで取り除き、水酸化カリウム水溶液にイソプロピルアルコールを加えた水溶液に浸してアルカリエッチングすることでテクスチャ形成を行った。得られたシリコン基板全体を1,000℃、1時間熱処理してシリコン酸化膜を形成した。次に、裏面のシリコン酸化膜をふっ酸等の薬液を用いて除去し、裏面にリンドーパントを含む塗布剤を塗布した後に、950℃、1時間熱処理を行い、n型拡散層を裏面に形成した。熱処理後、基板に付いたガラス成分はふっ酸溶液等により除去後、洗浄した。
再度、シリコン基板全体にシリコン酸化膜を形成し、表面のシリコン酸化膜をふっ酸等の薬液を用いて除去し、表面にボロンドーパントを含む塗布剤を塗布した後に、950℃、1時間熱処理を行い、p型拡散層を表面全体に形成した。
次に、基板に付いたガラス成分を高濃度ふっ酸溶液等により除去後、洗浄した。
引き続き、ダイレクトプラズマCVD装置を用い、シリコン基板の表面及び裏面に反射防止膜兼パッシベーション膜であるシリコン窒化膜を積層した。この膜厚は70nmであった。
ここで、波長532nmのYVO4レーザーを用いて、表面外周縁から内側に0.15mm入った領域の反射防止膜兼パッシベーション膜及びp型拡散層の外周縁部近傍を除去して幅20μm、深さ10μmの接合分離溝を表面外周縁に沿って連続的に形成した。レーザー照射の条件は、繰り返し周波数100kHz、出力10.6W、スキャンスピード1,000mm/secで行った。
表面側及び裏面側にそれぞれ銀ペーストをスクリーン印刷法により電極印刷し、乾燥後800℃で20分間焼成を行い、表面電極及び裏面電極を形成した。この場合、焼成中に銀ペースト中のガラスフリットが反射防止膜兼パッシベーション膜をファイヤースルーすることにより、電極と拡散層との電気的な導通が達成される。
[実施例2]
接合分離溝を表面外周縁から内側に0.30mm入った領域に形成したこと以外は実施例1と同様の工程で太陽電池を作製した。
[実施例3]
接合分離溝を表面外周縁から内側に0.60mm入った領域に形成したこと以外は実施例1と同様の工程で太陽電池を作製した。
[参考例]
参考のため、接合分離溝を表面外周縁から内側に0.80mm入った領域に形成したこと以外は実施例1と同様の工程で太陽電池を作製した。
[比較例1]
比較のため、図10に示すように、接合分離溝を表面外周縁から内側に0.10mm入った領域に形成したこと以外は実施例1と同様の工程で太陽電池を作製した。
[比較例2]
比較のため、図11に示すように、接合分離溝を裏面外周縁から内側に0.20mm入った領域に形成したこと以外は実施例1と同様の工程で太陽電池を作製した。
[比較例3]
比較のため、図12に示すように、表面側及び裏面側のどちらにも接合分離溝を形成しなかった場合の太陽電池を作製した。接合分離以外の他の工程は実施例1と同様の処理を行った。
[比較例4]
更に比較のため、図13に示すように、プラズマエッチングによって基板側端部を接合分離した場合の太陽電池を作製した。具体的には、拡散熱処理により両面に拡散層を形成した基板をプラズマやラジカルが表面や裏面に侵入しないようにスタックし、CF4ガスを用いたプラズマエッチング処理を行って基板の側端部を数μm削った。接合分離以外の他の工程は実施例1と同様の処理を行った。
[実施例4]
<太陽電池の製造>
上記レーザー接合分離を含む本発明の太陽電池の製造方法で、以下のようにp型基板を用いて太陽電池を製造した。
結晶面方位(100)、15.6cm角200μm厚、アズスライス比抵抗2Ω・cm(ドーパント濃度7.2×1015cm-3)ボロンドープp型単結晶シリコン基板を、水酸化ナトリウム水溶液に浸してダメージ層をエッチングで取り除き、水酸化カリウム水溶液にイソプロピルアルコールを加えた水溶液に浸してアルカリエッチングすることでテクスチャ形成を行った。得られたシリコン基板全体を1,000℃、1時間熱処理してシリコン酸化膜を形成した。次に、表面のシリコン酸化膜をふっ酸等の薬液を用いて除去し、表面側にリンドーパントを含む塗布剤を塗布した後に、950℃、1時間熱処理を行い、n型拡散層を表面側に形成した。熱処理後、基板に付いたガラス成分はふっ酸溶液等により除去後、洗浄した。
再度、シリコン基板全体にシリコン酸化膜を形成し、裏面側のシリコン酸化膜をふっ酸等の薬液を用いて除去し、裏面側にボロンドーパントを含む塗布剤を塗布した後に、950℃、1時間熱処理を行い、p型拡散層を裏面側に形成した。
次に、基板に付いたガラス成分を高濃度ふっ酸溶液等により除去後、洗浄した。
引き続き、ダイレクトプラズマCVD装置を用い、シリコン基板の表面及び裏面に反射防止膜兼パッシベーション膜であるシリコン窒化膜を積層した。この膜厚は70nmであった。
ここで、波長532nmのYVO4レーザーを用いて、表面外周縁から0.10mm内側に入った領域の反射防止膜兼パッシベーション膜及びn型拡散層の外周縁部近傍を除去して幅20μm、深さ10μmの接合分離溝を基板の外周縁に沿って連続的に形成した。レーザー照射の条件は、繰り返し周波数50kHz、出力12.5W、スキャンスピード1,000mm/secで行った。
表面側及び裏面側にそれぞれ銀ペーストをスクリーン印刷法により電極印刷し、乾燥後800℃で20分間焼成を行い、表面電極及び裏面電極を形成した。この場合、焼成中に銀ペースト中のガラスフリットが反射防止膜兼パッシベーション膜をファイヤースルーすることにより、電極と拡散層との電気的な導通が達成される。
[実施例5]
接合分離溝を表面外周縁から内側に0.20mm入った領域に形成したこと以外は実施例4と同様の工程で太陽電池を作製した。
[実施例6]
接合分離溝を表面外周縁から内側に0.30mm入った領域に形成したこと以外は実施例4と同様の工程で太陽電池を作製した。
[比較例5]
比較のため、接合分離溝を裏面外周縁から内側に0.10mm入った領域に形成したこと以外は実施例4と同様の工程で太陽電池を作製した。
[比較例6]
比較のため、接合分離溝を裏面外周縁から内側に0.20mm入った領域に形成したこと以外は実施例4と同様の工程で太陽電池を作製した。
[比較例7]
比較のため、接合分離溝を裏面外周縁から内側に0.30mm入った領域に形成したこと以外は実施例4と同様の工程で太陽電池を作製した。
[比較例8]
比較のため、表面側及び裏面側のどちらにも接合分離溝を形成しなかった場合の太陽電池を作製した。接合分離以外の他の工程は実施例4と同様の処理を行った。
[比較例9]
更に比較のため、プラズマエッチングによって基板側端部を接合分離した場合の太陽電池を作製した。具体的には、拡散熱処理により両面に拡散層を形成した基板をプラズマやラジカルが表面や裏面に侵入しないようにスタックし、CF4ガスを用いたプラズマエッチング処理を行って基板の側端部を数μm削った。接合分離以外の他の工程は実施例4と同様の処理を行った。
以上の実施例、参考例及び比較例の接合分離条件を表1に示す。
Figure 2014188773
また、実施例、参考例及び比較例で得られた太陽電池を、25℃の雰囲気の中、ソーラーシミュレータ(光強度:1kW/m2,スペクトル:AM1.5グローバル)の下で電流電圧特性を測定した。更に、12Vの逆バイアスを印加した際のリーク電流も測定した。接合分離に要する処理タクトを含めた結果を表2に示す。なお、表中の数字は実施例、参考例及び比較例で試作したセル100枚の平均値である。
Figure 2014188773
上記表2の結果より、n型基板に両面拡散層を有する太陽電池において、実施例1〜3で行われたレーザー接合分離は、比較例4のプラズマエッチング接合分離に対して、変換効率を維持しながらリーク電流を低減させることができた。比較例1及び2で行われたレーザー接合分離では、リーク電流が高かった。特に、比較例2は、接合分離溝を形成していない比較例3と同等の高いリーク電流値であった。n型基板に両面拡散層を有する太陽電池では、裏面に接合分離溝を形成しても、逆バイアス時のリーク電流を低減させる効果はない。
更に、参考例の表面外周から0.80mmでレーザー接合分離した条件では、逆バイアス時のリーク電流は低かったが、変換効率が低下した。主に、有効な受光面積が減少したことによって、短絡電流が減少したことによる。n型基板に両面拡散層を有する太陽電池における表面外周縁の接合分離溝は外周縁から内側に0.15mm以上0.60mm以下の距離だけ入った領域に形成することが好適であることを示唆している。
また、p型基板に両面拡散層を有する太陽電池において、実施例4〜6で行われたレーザー接合分離は、比較例9のプラズマエッチング接合分離に対して、変換効率を維持しながらリーク電流を低減させることができた。表面側には均一なエミッタ層(n+層)が形成されているため、任意の加工位置で接合分離溝を形成することができる。比較例5〜7で行われたレーザー接合分離では、リーク電流が高かった。特に、比較例6及び7は、接合分離溝を形成していない比較例8と同等の高いリーク電流値であった。p型基板に両面拡散層を有する太陽電池では、裏面に接合分離溝を形成しても、逆バイアス時のリーク電流を低減させる効果はないか、又は小さい。
これらの結果から、半導体基板を用いて両面に拡散層を形成した太陽電池の作製に対して、表面外周縁領域のエミッタ層内におけるレーザーを用いた接合分離溝の形成が高変換効率維持とリーク電流低減に有効であり、高いスループットと共に低コスト化を実現することが可能となることを示唆している。
更に、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、如何なるものであっても本発明の技術範囲に包含される。
10n n型半導体基板
10p p型半導体基板
12n n型拡散層(n+拡散層)
12p p型拡散層(p+拡散層)
13、14 反射防止膜兼パッシベーション膜
15 接合分離溝
16 表面電極
16b 表面バスバー電極(バスバー電極)
16f 表面フィンガー電極(フィンガー電極)
17 裏面電極
17b 裏面バスバー電極(バスバー電極)
17f 裏面フィンガー電極(フィンガー電極)
即ち、本発明は、下記の太陽電池の製造方法及び太陽電池を提供する。
〔1〕 n型半導体基板の裏面n型拡散層を形成する処理と、上記n型半導体基板の表面p型拡散層を形成する処理とをこの順番で又は同時に行って、基板の裏面、基板側端部及び表面の外周縁領域にn型拡散層が連続して形成され、表面の外周縁領域のn型拡散層よりも内側で該n型拡散層に接するp型拡散層が形成されたn型半導体基板を得る工程と、上記n型半導体基板の表面のp型拡散層の外周縁部に沿ってレーザー照射して該p型拡散層の外周縁部より内側の部分を除去し、n型半導体基板の表面と裏面とを電気的に分離する接合分離部を形成する工程とを有することを特徴とする両面受光型の太陽電池の製造方法。
〔2〕 p型半導体基板の表面にn型拡散層を形成する処理と、上記p型半導体基板の裏面にp型拡散層を形成する処理とをこの順番で又は同時に行って、基板の表面、基板側端部及び裏面の外周縁領域にn型拡散層が連続して形成され、裏面の外周縁領域のn型拡散層よりも内側で該n型拡散層に接するp型拡散層が形成されたp型半導体基板を得る工程と、上記p型半導体基板の表面のn型拡散層の外周縁部に沿ってレーザー照射して該n型拡散層の外周縁部より内側の部分を除去し、p型半導体基板の表面と裏面とを電気的に分離する接合分離部を形成する工程とを有することを特徴とする両面受光型の太陽電池の製造方法。
〔3〕 更に、基板の表裏面に反射防止膜兼パッシベーション膜を形成する工程を有することを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載の太陽電池の製造方法。
〔4〕 更に、基板の表裏面の反射防止膜兼パッシベーション膜上に電極を形成する工程を有することを特徴とする〔3〕記載の太陽電池の製造方法。
〕 接合分離部は、幅の中心が表面外周縁から0.15mm以上0.60mm以下の距離だけ内側に入った領域内で基板外周縁に沿って表面電極よりも外側に連続的に形成された溝であることを特徴とする〔1〕〜〔〕のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
〕 接合分離部は、溝幅が5μm以上30μm以下であり、溝深さが5μm以上30μm以下の溝であることを特徴とする〔1〕〜〔〕のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
〔7〕 表面に型拡散層を有し、裏面に型拡散層を有するn型半導体基板からなる両面受光型の太陽電池であって、上記n型半導体基板は、基板の裏面、基板側端部及び表面の外周縁領域にn型拡散層が連続して形成され、表面の外周縁領域のn型拡散層よりも内側で該n型拡散層に接するp型拡散層が形成されており、上記n型半導体基板の表面の型拡散層の外周縁部より内側の部分にレーザー照射により該拡散層が除去されて形成された半導体基板の表面と裏面とを電気的に分離する接合分離部を有する太陽電池。
〔8〕 表面に型拡散層を有し、裏面に型拡散層を有する型半導体基板からなる両面受光型の太陽電池であって、上記p型半導体基板は、基板の表面、基板側端部及び裏面の外周縁領域にn型拡散層が連続して形成され、裏面の外周縁領域のn型拡散層よりも内側で該n型拡散層に接するp型拡散層が形成されており、上記p型半導体基板の表面の型拡散層の外周縁部より内側の部分にレーザー照射により該拡散層が除去されて形成された半導体基板の表面と裏面とを電気的に分離する接合分離部を有する太陽電池。
〕 接合分離部は、幅の中心が表面外周縁から0.15mm以上0.60mm以下の距離だけ内側に入った領域内で基板外周縁に沿って表面電極よりも外側に配置される連続的な溝であることを特徴とする〔7〕又は8〕記載の太陽電池。
10〕 接合分離部は、溝幅が5μm以上30μm以下であり、溝深さが5μm以上30μm以下の溝であることを特徴とする〔7〕〜〔〕のいずれかに記載の太陽電池。

Claims (11)

  1. 半導体基板の表面に該半導体基板とは逆の導電型となる拡散層を形成する工程と、上記半導体基板の裏面に該半導体基板と同一の導電型となる拡散層を形成する工程と、上記半導体基板の表面の該半導体基板とは逆の導電型の拡散層の外周縁部に沿ってレーザー照射して該拡散層の外周縁部より内側の部分を除去し、半導体基板の表面と裏面とを電気的に分離する接合分離部を形成する工程とを有することを特徴とする両面受光型の太陽電池の製造方法。
  2. 半導体基板の導電型がn型であることを特徴とする請求項1記載の太陽電池の製造方法。
  3. 半導体基板の導電型がp型であることを特徴とする請求項1記載の太陽電池の製造方法。
  4. 接合分離部は、幅の中心が表面外周縁から0.15mm以上0.60mm以下の距離だけ内側に入った領域内で基板外周縁に沿って表面電極よりも外側に連続的に形成された溝であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の太陽電池の製造方法。
  5. 接合分離部は、溝幅が5μm以上30μm以下であり、溝深さが5μm以上30μm以下の溝であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の太陽電池の製造方法。
  6. 上記接合分離部を形成する工程を半導体基板の表面及び裏面に拡散層を形成する工程の後に実施することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の太陽電池の製造方法。
  7. 表面に第二の導電型拡散層を有し、裏面に第一の導電型拡散層を有する第一の導電型の半導体基板からなる両面受光型の太陽電池であって、上記半導体基板の表面の第二の導電型拡散層の外周縁部より内側の部分にレーザー照射により該拡散層が除去されて形成された半導体基板の表面と裏面とを電気的に分離する接合分離部を有する太陽電池。
  8. 半導体基板の導電型がn型であることを特徴とする請求項7記載の太陽電池。
  9. 半導体基板の導電型がp型であることを特徴とする請求項7記載の太陽電池。
  10. 接合分離部は、幅の中心が表面外周縁から0.15mm以上0.60mm以下の距離だけ内側に入った領域内で基板外周縁に沿って表面電極よりも外側に配置される連続的な溝であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項記載の太陽電池。
  11. 接合分離部は、溝幅が5μm以上30μm以下であり、溝深さが5μm以上30μm以下の溝であることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項記載の太陽電池。
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