ガスセンサ素子及びその製造方法 技術分野
この発明は、 種々の気体状ガスの存在を検知するガスセンサ素子及びその製造 方法に関する。 背景技術
有機感応膜は気体状ガスとの親和性が高い。 従って、 有機感応膜を用いれば、 高感度に気体状ガスを検出することが可能なガスセンサの製造が可能となる。 こ のようなガスセンサは、 従来、 例えば火災初期時に発生する気体状ガスを検出す るのに用いられている。 この場合には、 煙、 温度等を検出する他のセンサと組み 合わせることで、 火災の発生を確実に判定し、 防災システムの信賴性を向上させ るのに役立っている。
また、 空気環境測定、 食品工業、 各種工程管理、 医療健康用途に好適に適用さ れている例もある。
このような用途に適した有機感応膜型ガスセンサとして、 例えばフタロシア二 ン類等の有機感応膜と、 この有機感応膜の電気特性、 すなわち、 有機感応膜と気 体状ガスとの結合による電気特性の変化を測定するための電極とを具えたガスセ ンサ素子が知られている。 フタロシアニン類は、 耐熱性、 耐候性、 耐薬品性に優 れ、 エレク トロニクス分野や光エレク トロニクス分野で広く利用されている。 具 体的には電子写真感光体、 光電変換素子、 非線形光学素子に使用され、 その安定 性、 信頼性についても保証されている。
しかしながら、 従来のガスセンサ素子では、 有機感応膜を形成する方法として 、 主にディップコーティング法、 スピンコーティング法や真空蒸着法が用いられ ており、 その膜厚は数/ i mとされていた。 このため、 気体状ガスに対する応答が 定常に達するまでに、 すなわち安定した測定にかなりの時間を要していた。 また、 ガスセンサ素子の製造工程において、 有機感応膜を形成するために、 例
えば真空蒸着法を用いた場合には、 その工程の実施に数時間を要していたので、 生産性が低かった。
従って、 この発明の目的とするところは、 有機薄膜を感応膜としたガスセンサ において、 従来のガスセンサ素子に比較して応答速度を著しく向上させたガスセ ンサ素子を提供することにある。 また、 有機感応膜の形成時間を短縮することで 、 生産性を著しく向上させたガスセンサ素子の製造方法を提供することを目的と する。 発明の開示
この目的を達成するために、 本発明者は鋭意検討を重ねた。 その結果、 従来の 有機感応膜型ガスセンサ素子の応答プロセスが、
( 1 ) 気体状ガスの有機感応膜の表面への吸着プロセス、 及び
( 2 ) 有機感応膜の内部への拡散プロセス
からなり、 特に後者のプロセスが律速となって、 ガスセンサの応答に時間を要し ていることを見い出した。
そして、 前者のプロセスのみでも十分な応答量が得られることを見い出し、 こ の発明を完成するに至った。
この発明のガスセンサ素子によれば、 基板上に設けられた電極と、 該電極上に 設けられた有機感応膜とを具え、 有機感応膜が、 ラングミュア -プロジェット法 (以下、 単に L B法とも称する。 ) を用いて形成された単分子膜の 1層又は 2層 以上の累積層であることを特徴とする。
この発明のガスセンサ素子の構成により、 応答速度を著しく向上させることが できる。
L B法とは、 親水性と疎水性を有する、 いわゆる両親媒性の有機分子を水面に 展開し、 水面に単分子膜を形成した後、 この単分子膜を固体基板上に移し取り、 順次、 累積させる方法である。
この L B方法によれば、 分子オーダーの超薄膜を得ることが可能である。 従つ て、 ガスセンサ素子の有機感応膜を単分子膜として、 又はこの単分子膜を数層積 層した超薄膜として、 簡易な工程により形成 (累積) することができる。
単分子膜の積層数については、 この発明の目的を損なわな 、範囲で適宜決定す ることができるが、 応答速度と成膜にかかる時間を考慮して、 好ましくは、 この 単分子膜を 5層まで積層 (累積) するのがよい。
水面上の単分子膜を基板上に移し取る操作を、 例えばただ 1度に限れば、 有機 感応膜、 すなわちガスセンサ素子を形成するための時間が著しく短縮され、 その 生産性をさらに向上させることが可能である。 図面の簡単な説明
第 1図はこの発明のガスセンサ素子の構成を説明するための概略的な平面図及 ぴ I一 I破線により切断した概略的な断面図である。 第 2図は実施例 1のガスセ ンサ素子のトリェチルァミンに対する応答特性を測定した結果を示すグラフであ る。 第 3図は実施例 1のガスセンサ素子のベンズアルデヒドに対する応答特性を 経時的に測定した結果を示すグラフである。 第 4図は実施例 1のガスセンサ素子 の N〇2に対する応答特性を経時的に測定した結果を示すグラフである。 第 5図 は実施例 2のガスセンサ素子のトリェチルァミンに対する応答特性を経時的に測 定した結果を示すダラフである。 第 6図は実施例 2のガスセンサ素子のベンズァ ルデヒドに対する応答特性を経時的に測定した結果を示すグラフである。 第 7図 は実施例 2のガスセンサ素子の N O 2に対する応答特"生を経時的に測定した結果 を示すグラフである。 第 8図は実施例 3のガスセンサ素子のトリエチノレアミンに 対する応答特性を経時的に測定した結果を示すグラフである。 第 9図は実施例 4 のガスセンサ素子のトリェチルァミンに対する応答特性を経時的に測定した結果 を示すグラフである。 発明を実施するための最良の形態
以下、 図を参照してこの発明の実施の形態を説明する。 なお、 図には、 この発 明が理解できる程度に各構成成分の形状、 大きさ及び配置関係が概略的に示され ているに過ぎず、 これによりこの発明が特に限定されるものではない。
この発明のガスセンサ素子の構成について、 第 1図を参照して説明する。 第 1図 (A) はこの発明のガスセンサ素子 1 0の概略的な平面図であり、 (B
) は I一 I破線により切断した断面を示す概略的な断面図である。
この発明のガスセンサ素子 1 0は、 基板 1 1上に検出用の一組の電極を設け、 この電極を気体状ガス感応性の有機感応膜で覆つた構成を有している。
一例として、 基板 1 1上に櫛形電極 1 3を設け、 この櫛形電極 1 3の上に有機 感応膜 1 5を形成した例につき説明する。
基板 1 1上には、 櫛の歯状の複数の分枝をそれぞれ有する第 1電極部 1 3 a及 ぴ第 2電極部 1 3 bとを互いに櫛の歯が向き合うように対向させ、 それぞれの櫛 の歯を、 互いの歯間に接触しないように互い違いに入れ込んで配置した櫛形電極 1 3が設けられている。
このガスセンサ素子 1 0は、 2つの端子を有する + (プラス) 電極と一 (マイ ナス) 電極との間に直流定電圧を印加することで有機感応膜 1 5に電圧を印加し 、 流れる電流を測定して、 電気抵抗を検出することにより、 その機能を発揮する 検出手段、 すなわち電圧供給手段、 電気抵抗検出手段等を含む電気的特性検出 手段については、 従来周知のものを使用することができる。 これら検出手段の具 体的な構成については、 この発明の趣旨ではないので、 その詳細な説明を省略す る。
以下、 この発明のガスセンサ素子の製造例及び適用例を実施例として説明する [実施例 1— 1 ] ガスセンサ素子の製造例
まず、 主平面の大きさが 1 O mm X 1 2 mmであり、 厚さが 1 mmであるガラ ス基板上に、 真空蒸着法により、 材質を金とする電極を形成した。 具体的には、 電極間距離を 2 0 μ πιとし、 櫛の歯の幅を 2 0 μ πιとした、 図 1を用いて既に説 明した形状と同様の撤形電極を形成した。
この櫛形電極上にラングミュア -ブロジェット法 (L B法) を用いて、 下記の 構造式 ( 1 ) の構造を有する銅フタロシアニン誘導体 (tetra-tert- butyl- coppe r-phthalocvanine) の薄膜を形成した。
この LB法による有機感応膜の形成工程につき、 具体的に説明する。
まず、 銅フタロシアニン誘導体をトルエンとクロ口ホルムの混合溶液 (体積比 1 : 1) に lmgZc m3の割合で溶角 し、 これを展開溶液とした。
次に、 櫛形電極を具えたガラス基板を、 水を張った水槽の水面下に浸漬した。 上述の展開溶液を 18.5 °Cに保たれた水面上に滴下した。 そして、 水面に形成 される展開溶液の層に圧力を加えるための板状のパーで、 La n gmu i r一 A d am型 (フロート型) の測定方法による表面圧が 2 OmNZmになるように、 展開溶液の層を圧縮し、 水面に銅フタロシア-ン誘導体の単分子膜を形成した。 次いで、 水面下に浸漬された基板を 1 cmZm i n (分) の速さで垂直方向に 水面より上に引き上げ、 水面に形成されている銅フタロシアニン誘導体の単分子 膜を基板の櫛形電極上に 1層形成 (累積) した。 このときの累積比は約 1.2で あった。
ここで累積比とは、 基板の面積と付着した単分子膜との面積の比を意味する。 累積比の値が 1に近づくほど、 膜の基板への累積が良好であるといえる。
従って、 この例では非常に累積が良好な単分子膜が得られていることが分かる さらに、 同じ基板を 1 cm/m i nの速さで垂直方向に引き下げ、 再ぴ同じ水
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槽の水面下に浸漬した。 この再浸漬によっては、 銅フタロシアニン誘導体の基板 への累積は見られなかった。
次に、 基板を 1 c m/m i nの速さで、 再び垂直方向に水面より上に引き上げ 、 水面に形成された銅フタロシアニン誘導体の単分子膜を 2層目として基板に累 積した。
この基板の水面下への浸漬と水面より上への弓 Iき上げ操作とを繰り返すことに より、 櫛形電極上に銅フタロシアニン誘導体の単分子膜を 5層累積した。 この累 積膜は基板の引き上げ時にのみ累積される、 いわゆる Z型である。 5層までの基 板の引き上げ時の累積比は 1 . 0〜1 . 2であった。 また、 この累積膜の厚さはそ の電気容量の測定から約 4 n mと見積もられた。
膜厚の換算方法につき説明する。 膜厚の測定には、 この発明のガスセンサ素子 の構造とは異なる系を用いて測定した。 すなわち、 基板上に第 1の電極を設け、 この第 1の電極上に、 この発明の実施例と同様の L B法による成膜方法で形成さ れた有機感応膜を形成する。 この有機感応膜上に第 2の電極を形成して、 有機感 応膜の厚さ方向にその両側から交流電圧を印加することにより、 電気容量を測定 した。 この測定された電気容量に基づいて、 膜厚の換算を行った。 具体的には、 形成された有機感応膜の膜厚は、 下記式;
C = ε S / d
(式中、 Cは電気容量 (F ;ファラッド) であり、 εは有機感応膜の誘電率 (F ノ m) であり、 Sは有機感応膜の面積 (m2) であり、 及び dは有機感応膜の膜 厚 (m) である。 )
により、 測定された電気容量から換算した (以下の実施例においても同様である 0 ) 0
[実施例 1一 2 ] 応用例 1
上述のように製造した実施例 1のガスセンサ素子について、 いわゆる匂い物質 であるトリェチルァミンに対する応答特性を調べた。 この測定方法につき説明す る。
容量 0 . 1 L (リットル) の測定用チャンパ内にガスセンサ素子を固定した。 チャンバ内でガスセンサ素子の電気抵抗が安定するまで静置した。
次いで 1 0 0 p p mの濃度のトリェチ^/アミンのガスを 2 L /m i nでチャン パ内に導入して、 ガスセンサ素子の電気抵抗変化の測定を開始した。
そして、 実施例及び比較例のガスセンサ素子の抵抗値が定常に達した時点で換 気を行つた。 電気抵抗値は、 ガスセンサ素子に 1 0ポルトの直流電圧を印加した ときの、 センサ素子に流れる電流値によって決定した。
結果を第 2図に示す。 第 2図は実施例 1のガスセンサ素子のトリェチルァミン に対する応答特性を経時的に測定した結果を示すグラフである。 縦軸はガスセン サ素子の電気抵抗値 (Ω ) を表し、 横軸は経過時間 (分) を表す (以下に説明す るグラフにおいても同様である。 ) 。
第 2図では、 トリェチルァミンのガスを導入した時点を (a ) として示した。 また、 グラフを説明しやすくするため、 時点 (a ) の 5分前を 0分とした。 ガス センサ素子のトリェチルァミンによる電気抵抗値の変化が定常に達したものと認 められる時点には矢印を付した。 また、 換気を開始した時点を (b ) として示し た。
なお、 比較例として、 従来行われている真空蒸着法で銅フタロシアニンの薄膜 を形成したセンサ素子において、 同様の条件でトリェチルァミンで測定された電 気抵抗の変化も点線により併せて示した。 このとき銅フタロシア-ン薄膜の厚さ は約 2 0 0 n mとした。
第 2図から理解されるように、 1 0 0 p p mの濃度のトリェチルァミンに対し て、 応答速度、 すなわちガスセンサ素子の電気抵抗値が、 定常に達するまでの時 間については、 実施例 1のガスセンサ素子は比較例のガスセンサ素子に比べて著 しく速かった。 具体的には比較例のガスセンサ素子では、 トリェチルァミンのガ スの導入後に、 電気抵抗値が定常に達するまで約 1 0分間を要したのに対し、 実 施例 1のガスセンサ素子では 1分間以内に電気抵抗値が定常に達した。
一方、 電気抵抗値の変化量の大きさ、 すなわち感度については、 比較例のガス センサ素子ではトリェチルァミンのガスの導入後の定常時に、 電気抵抗値が約 1 5倍に増加したのに対し、 実施例 1のセンサ素子では約 1 0倍に増加した。
[実施例 1一 3 ] 応用例 2
実施例 1のガスセンサ素子について、 匂い物質であるべンズアルデヒドに対す る応答特性を調べた。
測定方法としては、 上述と同様に、 測定用チャンパにガスセンサ素子を固定し た。 チャンバ内でガスセンサ素子の電気抵抗値が安定するまで静置した。 次いで 測定用チャンパ内 (容量 0 . 1 L) に 1 0 0 p p mの濃度のベンズアルデヒドの ガスを 2 LZm i nでチャンバ内に導入して、 ガスセンサ素子の電気抵抗変化の 測定を開始した。 そして、 実施例 1のガスセンサ素子の抵抗値が定常に達した時 点で換気を行った。
結果を第 3図に示す。 第 3図は実施例 1のガスセンサ素子のベンズアルデヒド に対する応答特性を経時的に測定した結果を示すグラフである。
この例では、 ベンズアルデヒドのガスを導入した時点を (a ) として示した。 また、 グラフを説明しやすくするため、 時点 (a ) の 5分前を 0分とした。 ガス センサ素子のベンズアルデヒドによる電気抵抗値の変化が定常に達したものと認 められる時点には矢印を付した。 また、 換気を開始した時点を (b ) として示し た。
第 3図から理解されるように、 応答速度については、 この発明のガスセンサ素 子は比較例のガスセンサ素子に比べて著しく速かつた。
具体的には比較例のガスセンサ素子では、 ベンズアルデヒド導入後の電気抵抗 値が定常に達するまで約 1 5分間を要したのに対し、 実施例 1のガスセンサ素子 では 1分間以内に電気抵抗値が定常に達した。
一方、 感度については、 1 0 0 p p mの濃度のベンズアルデヒドに対して、 比 較例のガスセンサ素子では電気抵抗値が約 1 Z 1 0に減少したのに対し、 実施例
1のガスセンサ素子では約 1ノ 8に減少した。
[実施例 1一 4 ] 応用例 3
さらに、 上述と同様に製造した実施例 1のガスセンサ素子について、 窒素酸ィ匕 物 N 0 2に対する応答特性を調べた。 測定方法としては、 上述と同様に、 測定用 チャンバ内 (容量 0 . 1 L) に、 実施例 1のガスセンサ素子を固定した。 チャン バ内でガスセンサ素子の電気抵抗値が安定するまで静置した。
次いで 2 0 p p mの濃度の N O 2のガスを 2 L/m i nでチャンバ内に導入し て、 ガスセンサ素子の電気抵抗変化の測定を測定した。 結果を第 4図に示す。 第 4図は実施例 1のガスセンサ素子の N 02に対する応答特性を経時的に測定した 結果を示すグラフである。
この例では、 N 02のガスを導入した時点を (a ) として示した。 また、 グラ フを説明しやすくするため、 時点 (a ) の 2 0分前を 0分とした。 ガスセンサ素 子のトリェチルァミンによる電気抵抗値の変化が定常に達したものと認められる 時点には矢印を付した。 また、 換気を開始した時点を (b ) として示した。 第 4図から理解されるように、 2 0 p p mの濃度の N 0 2に対しては、 応答速 度については、 実施例 1のガスセンサ素子は比較例のガスセンサ素子に比べて著 しく速かった。 具体的には比較例のガスセンサ素子では、 気体状ガス導入後の電 気抵抗値が定常に達するまで約 5 0分間を要したのに対し、 実施例 1のガスセン サ素子では 3分間以内に電気抵抗値が定常に達した。
一方、 感度については、 比較例のガスセンサ素子では電気抵抗値が、 気体状ガ ス導入後に、 約 1 Z 5 0 0に減少したのに対し、 実施例 1のガスセンサ素子では 約 1 / 1 0 0に減少した。
以上のように、 気体状ガスであるトリェチルァミン、 ベンズアルデヒド (匂い 物質) 及び窒素酸化物 N O 2に対する実施例 1のガスセンサ素子の応答速度、 す なわちガスセンサ素子の気体状ガス導入後の電気抵抗値が定常に達するまでの時 間については、 実施例 1のセンサ素子は比較例のものに比べて著しく速かった。 一方、 感度、 すなわち電気抵抗変化量は、 気体状ガス、 すなわちトリェチルァ ミン、 ベンズアルデヒド及ぴ窒素酸化物 N O 2を検出するには十分実用的な変化 量であった。
また、 第 2図〜第 4図から明らかなように、 従来のガスセンサ素子 (比較例) では、 導入されたガスの換気開始後に、 吸着した気体状ガスの脱離は、 一応進行 するが、 測定前の状態まで回復することはない。 従って、 ガスセンサ素子の再利 用に際しては 7 0 °C程度での加熱処理が必要である。
—方、 実施例 1のガスセンサ素子では、 導入されたガスの換気開始後に、 吸着 した気体状ガスの脱離は、 極めて短時間で進行して測定前の状態に回復すること
が分かる。 従って、 何ら特別な処理を行うことなく、 ガスセンサ素子の再利用が 可能である。
[実施例 2 ]
実施例 2も、 上述の実施例 1と同様に、 第 1図を用いて既に説明した櫛形電極 を具えている基板を用いた。 そして、 この櫛形電極上にラングミュア-ブロジェ ット法を用いて、 銅フタロシアユン誘導体の薄膜を形成した。 具体的な成膜方法 については上述の実施例 1と同様であるので、 ここではその詳細な説明を省略す る。
この実施例 2では、 展開溶液からの基板の引き上げ、 すなわち成膜工程をただ 1度だけ行い、 銅フタ口シァニン誘導体の単分子膜を櫛形電極上に 1層のみ累積 した。 この累積膜の厚さは、 実施例 1で説明した方法と同様に、 測定された電気 容量から約 0 . 8 n mと見積もられた。
以下の種々の気体状ガスに対する応用例は、 実施例 1と同様な方法で行ったの で、 その詳細な説明は省略する。 また、 比較例のガスセンサ素子とは、 実施例 1 で既に説明した比較例のガスセンサ素子と同一である。
[実施例 2— 1 ] 応用例 1
第 5図は、 1 0 0 p p mの濃度のトリェチルァミンに対する実施例 2のガスセ ンサ素子の電気抵抗変化を示すグラフである。
この例では、 トリェチルァミンのガスを導入した時点を (a ) として示した。 また、 グラフを説明しやすくするため、 時点 (a ) の 5分前を 0分とした。 ガス センサ素子のトリェチルァミンによる電気抵抗値の変化が定常に達したものと認 められる時点には矢印を付した。 また、 換気を開始した時点を (b ) として示し た。
応答速度については、 実施例 2のガスセンサ素子は、 比較例のガスセンサ素子 に比べて著しく速かった。 具体的には比較例のガスセンサ素子では、 気体状ガス の導入後に、 電気抵抗値が定常に達するまで約 1 0分間を要したのに対し、 実施 例のセンサ素子では 1分間以内に電気抵抗値が定常に達した。
一方、 感度については、 比較例のガスセンサ素子では、 気体状ガスの導入後に 、 電気抵抗値が約 1 5倍に増加したのに対し、 実施例 2のガスセンサ素子では、
気体状ガスの導入後に、 電気抵抗値が約 5倍に増加した。
[実施例 2— 2 ] 応用例 2
第 6図は、 1 0 0 p p mの濃度のベンズアルデヒドに対する、 実施例 2のガス センサ素子の電気抵抗変化を示すグラフである。
この例では、 ベンズアルデヒドのガスを導入した時点を ( a ) として示した。 また、 グラフを説明しやすくするため、 時点 (a ) の 5分前を 0分とした。 ガス センサ素子のベンズアルデヒドによる電気抵抗値の変化が定常に達したものと認 められる時点には矢印を付した。 また、 換気を開始した時点を (b ) として示し た。
応答速度については、 実施例 2のガスセンサ素子は、 比較例のガスセンサ素子 に比べて著しく速かった。 具体的には比較例のガスセンサ素子では、 気体状ガス の導入後に、 電気抵抗値が定常に達するまで約 1 5分間を要したのに対し、 実施 例 2のガスセンサ素子では、 1分間以内に電気抵抗値が定常に達した。
一方、 感度については、 比較例のガスセンサ素子では、 導入されたガスの導入 後に、 電気抵抗値が約 \ / \ 0に減少したのに対し、 実施例 2のガスセンサ素子 では約 1ノ 5に減少した。
[実施例 2— 3 ] 応用例 3
第 7図は、 2 0 p p mの濃度の N 02に対する実施例 2のガスセンサ素子の電 気抵抗変化を示すグラフである。
この例では、 N O 2のガスを導入した時点を (a ) として示した。 また、 グラ フを説明しやすくするため、 時点 (a ) の 2 0分前を 0分とした。 ガスセンサ素 子のトリエチルァミンによる電気抵抗値の変化が定常に達したものと認められる 時点に矢印を付した。 また、 換気を開始した時点を (b ) として示した。
応答速度については、 実施例 2のガスセンサ素子は比較例のガスセンサ素子に 比べて著しく速かった。 比較例のガスセンサ素子では、 気体状ガスの導入後に、 電気抵抗値が定常に達するまで約 5 0分間を要したのに対し、 実施例 2のガスセ ンサ素子では 1分間以内に電気抵抗値が定常に達した。
一方、 比較例のセンサ素子では、 気体状ガスの導入後に、 電気抵抗値が約 1 Z 5 0 0に減少したのに対し、 実施例 2のセンサ素子では電気抵抗値が約 1 / 2 0
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12
に減少した。
以上のように、 実施例 2のガスセンサ素子の種々の気体状ガス導入後における 、 応答速度、 すなわち電気抵抗値が定常に達するまでの時間については、 実施例 2のガスセンサ素子は比較例のガスセンサ素子に比べて著しく速かつた。
一方、 気体状ガス、 すなわちトリェチルァミン、 ベンズアルデヒド及び窒素酸 化物 N O 2に対する実施例 2のセンサ素子の気体状ガス導入後の電気抵抗変化量 は、 これらを検出するには十分実用的な変化量であった。
また、 第 5図〜第 7図より明らかなように、 従来のガスセンサ素子 (比較例) では、 導入されたガスの換気開始後に、 吸着した気体状ガスの脱離は一応進行す るが、 測定前の状態まで回復することはない。 従って、 ガスセンサ素子の再利用 に際しては 7 0 °C程度での加熱処理が必要である。
一方、 実施例 2のガスセンサ素子では、 導入されたガスの換気開始後に、 吸着 した気体状ガスの脱離は極めて短時間で進行して測定前の状態に回復することが 分かる。 従って、 何ら特別な処理を行うことなく、 ガスセンサ素子の再利用が可 能である。
また、 製造工程においては、 比較例のガスセンサ素子では銅フタロシアユンを 真空蒸着法により成膜する工程において、 チャンバ内をポンプで真空に引く時間 、 銅フタロシアニンを約 5 0 0 °Cまで昇温する時間、 及び成膜後室温まで冷却す る時間を含めて約 3時間を要した。 一方、 この発明の実施例 2のガスセンサ素子 の製造工程では、 銅フタロシアニン誘導体を L B法により 1層成膜するまでに、 水面上の銅フタ口シァ二ン誘導体を展開する時間、 所定の表面圧になるまで圧縮 する時間、 基板を引き上げる時間を含めて約 3 0分間で完了し、 比較例のセンサ 素子の製造工程に比較して著しく時間を短縮することができた。
[実施例 3 - 1 ] ガスセンサ素子の製造例
この実施例 3も、 上述の実施例と同様に、 基板上に、 第 1図を用いて既に説明 した櫛形電極を形成した。 この櫛形電極上にラングミュア -ブロジェット法を用 いて、 下記の構造式 (2 ) のモノマーが重合したポリア二リンの薄膜を形成した
(式中、 nは 2以上の正数である。 )
まず、 このポリア二リンとステアリン酸の混合物 (重量比 1 : 1) をクロロホ ルムに溶かし (0. 5mg/cm3) 展開溶液とした。
櫛形電極を具えた基板を、 水を満たした水槽の水面下に浸漬した。 上述の展開 溶液を 20°Cに保たれた水面に滴下した後、 パーで表面圧 25 mNZmになるよ うに圧縮し、 水面上にポリア二リンとステアリン酸の混合物の単分子膜を形成し た。
次に、 基板を 0. 5 cm/m i nの速さで垂直方向に水面より上に引き上げ、 水面に形成された単分子膜を櫛形電極上に 1層累積した。 このときの累積比は約 1. 1であった。 この累積膜の厚さは、 上述の実施例 1で既に説明した方法と同 様に測定され、 その電気容量値から約 2. 5 nmと見積もられた。
以下の種々の気体状ガスに対する応用例は、 実施例 1と同様な方法で行ったの で、 その詳細な説明は省略する。 なお、 比較例として、 従来行われている電界重 合法でポリァニリンの薄膜を形成したガスセンサ素子の特性も併せて測定した。 この比較例のポリアニリン薄膜の厚さは約 1 μ mとした。
[実施例 3— 2] 応用例 1
上述のように作製された実施例 3のガスセンサ素子について、 匂い物質である トリェチルァミンに対する応答特^"生を調べた。 結果を第 8図に示す。 第 8図は実 施例 3のガスセンサ素子のトリェチルァミンに対する応答特性を経時的に測定し た結果を示すグラフである。
この例では、 トリェチルァミンのガスを導入した時点を (a) として示した。 また、 グラフを説明しやすくするため、 時点 (a) の 5分前を 0分とした。 ガス センサ素子のトリェチルァミンによる電気抵抗値の変化が定常に達したものと認 められる時点には矢印を付した。 また、 換気を開始した時点を (b) として示し た。
第 8図から理解されるように、 100 p pmの濃度のトリェチルァミンに対し
ては、 応答速度については、 実施例 3のガスセンサ素子は比較例のガスセンサ素 子に比べて著しく速かった。 具体的には比較例のガスセンサ素子では、 気体状ガ スの導入後に、 電気抵抗値が定常に達するまで約 1 5分間を要したのに対し、 実 施例 3のガスセンサ素子では 1分間以内で電気抵抗値が定常に達した。
一方、 感度については、 比較例のガスセンサ素子では電気抵抗値が約 1 1倍に 増加したのに対し、 実施例 3のガスセンサ素子では約 4倍に増加した。
[実施例 3— 3 ] 応用例 2
以下、 実施例 3の応用例の結果については、 上述実施例 1及ぴ 2で既に示した 対応する同一種類の気体状ガスのグラフとその傾向はほぼ一致するので、 その図 示を省略し、 数値のみを説明する。
1 0 0 p p mの濃度のベンズアルデヒドに対しては、 応答速度、 すなわちガス センサ素子の電気抵抗値が定常に達するまでの時間については、 実施例 3のガス センサ素子は比較例のセンサ素子に比べて著しく速かった。 具体的には比較例の ガスセンサ素子では、 気体状ガスの導入後に、 電気抵抗値が定常に達するまで約 2 0分を要したのに対し、 実施例 3のガスセンサ素子では 1分以内に電気抵抗値 が定常に達した。
一方、 感度については、 気体状ガスの導入後に、 比較例のガスセンサ素子では 電気抵抗値が約 1 / 7に減少したのに対し、 実施例 3のガスセンサ素子では電気 抵抗値が約 1 / 2に減少した。
[実施例 3— 4 ] 応用例 3
また、 2 0 p p mの濃度の N 02に対しては、 応答速度については、 実施例 3 のガスセンサ素子は比較例のガスセンサ素子に比べて著しく速かった。 具体的に は比較例のガスセンサ素子では、 気体状ガスの導入後に、 電気抵抗値が定常に達 するまで約 6 0分間を要したのに対し、 実施例 3のガスセンサ素子では 1分間以 内に電気抵抗値が定常に達した。
一方、 感度については、 比較例のガスセンサ素子では、 気体状ガス導入後の電 気抵抗値が約 1 / 1 0 0に減少したのに対し、 実施例 3のセンサ素子では電気抵 抗値が約 1 Z 1 0に減少した。
以上のように、 実施例 3のガスセンサ素子の応答速度、 すなわちガスセンサ素
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子の気体状ガス導入後の電気抵抗値が定常に達するまでの時間については、 実施 例 3のガスセンサ素子は比較例のガスセンサ素子に比べて著しく速かった。
一方、 匂い物質、 窒素酸ィヒ物 N O 2を含む気体状ガスに対する実施例 3のガス センサ素子の電気抵抗変化量は、 気体状ガスを検出するには十分実用的な変化量 であった。
さらに、 比較例のガスセンサ素子の製造工程ではポリア二リンを電界重合法に より成膜するのに約 1時間を要した。 一方、 実施例 3のガスセンサ素子の製造ェ 程ではポリア二リンを L B法により 1層成膜するまでに約 3 0分間で完了した。 すなわち比較例のガスセンサ素子に比較して、 その製造に要する時間を著しく短 縮することができた。
また、 第 8図より明らかなように、 従来のガスセンサ素子 (比較例) は、 導入 されたガスの換気開始後に、 吸着した気体状ガスの脱離は一応進行するが、 測定 前の状態まで回復することはない。 従って、 ガスセンサ素子の再利用に際しては 加熱処理が必要である。
一方、 実施例 3のガスセンサ素子では、 導入されたガスの換気開始後に、 吸着 した気体状ガスの脱離は、 極めて短時間で進行して測定前の状態に回復すること が分かる。 従って、 何ら特別な処理を行うことなく、 ガスセンサ素子の再利用が 可能である。
[実施例 4 _ 1 ] ガスセンサ素子の製造例
実施例 4も、 上述の実施例 1 〜 3と同様に、 第 1図を用いて既に説明した櫛形 電極を基板上に形成した。 この櫛形電極上にラングミュア -プロジェット法を用 いて、 下記の構造式 (3 ) の構造を有するテトラシァノキノジメタン (T C N Q ) 誘導体の薄膜を形成した。
(3)
この薄膜の製造工程にっき説明する。
まず、 上記構造式 ( 3 ) T C N Q誘導体と構造式 (4 )
の構造を有するピリジン誘導体との混合物 (重量比 1 : 1 ) をクロ口ホルムに溶 かし (0.5mgZcm3) 展開溶液とした。
櫛形電極を具えた基板を、 水を満たした水槽内の水面下に浸漬した。 展開溶液 を 20°Cに保たれた水面に滴下した後、 パーで表面圧 25 mN/mになるように 圧縮し、 水面上に T C N Q誘導体とピリジン誘導体の混合物の単分子膜を形成し た。
次に、 この基板を、 0.5 cmZm i nの速さで、 垂直方向に水面より上に引 き上げ、 水面に形成された単分子膜を櫛形電極上に 1層累積した。 このときの累 積比は約 1. 3であった。 この累積膜の厚さは、 実施例 1で説明した方法と同様 に測定され、 その電気容量の測定値から約 3 n mと見積もられた。
[実施例 4一 2] 応用例 1
以上のように製造された実施例 4のガスセンサ素子について、 句い物質である トリェチルァミンに対する応答特性を調べた。
以下の種々の気体状ガスに対する応用例は、 実施例 1と同様の方法で行ったの で、 その詳細な説明は省略する。 なお、 比較例として、 従来の CVD (chemical vapor deposition) 法で T C NQの薄膜を形成したガスセンサ素子の特性も併 せて示した。 この T C N Q薄膜の厚さは約 1 μ mとした。
結果を第 9図に示す。 第 9図は実施例 4のガスセンサ素子のトリエチルァミン に対する応答特性を経時的に測定した結果を示すグラフである。
この例では、 トリェチルァミンのガスを導入した時点を (a) として示した。 また、 グラフを説明しやすくするため、 時点 (a) の 5分前を 0分とした。 ガス センサ素子のトリェチルァミンによる電気抵抗値の変化が定常に達したものと認 められる時点には矢印を付した。 また、 換気を開始した時点を (b) として示し た。
第 9図から理解されるように、 100 p pmの濃度のトリェチルァミンに対し ては、 応答速度については、 実施例 4のガスセンサ素子は比較例のガスセンサ素
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子に比べて著しく速かった。 具体的には比較例のガスセンサ素子では、 気体状ガ スの導入後に、 電気抵抗値が定常に達するまで約 1 5分間を要したのに対し、 実 施例 4のガスセンサ素子では 1分間以内に電気抵抗値が定常に達した。
一方、 感度については、 比較例のガスセンサ素子では、 気体状ガスの導入後に 、 電気抵抗値が約 9倍に増加したのに対し、 実施例 4のガスセンサ素子では約 3 倍に増加した。
[実施例 4一 3 ] 応用例 2
以下、 実施例 4の応用例の結果については、 上述実施例 1及ぴ 2で既に示した 対応する同一種類の気体状ガスのグラフとその傾向はほぼ一致するので、 その図 示を省略し、 数値のみを説明する。
1 0 0 p p mの濃度のベンズアルデヒドに対しては、 応答速度、 すなわちガス センサ素子の気体状ガス導入後の電気抵抗値が定常に達するまでの時間について は、 実施例 4のガスセンサ素子は比較例のガスセンサ素子に比べて著しく速かつ た。 具体的には比較例のガスセンサ素子では、 気体状ガスの導入後に、 電気抵抗 値が定常に達するまで約 2 0分間を要したのに対し、 実施例 4のガスセンサ素子 では 1分間以内に電気抵抗値が定常に達した。
一方、 感度については、 比較例のガスセンサ素子では、 気体状ガスの導入後に 、 電気抵抗値が約 1 Z 6に減少したのに対し、 実施例 4のガスセンサ素子では電 気抵抗値が約 1 / 2に減少した。
[実施例 4一 4 ] 応用例 3
さらに 2 0 p p mの濃度の N 02に対しては、 応答速度については、 実施例 4 のガスセンサ素子は比較例のガスセンサ素子に比べて著しく速かった。 具体的に は比較例のガスセンサ素子では、 気体状ガスの導入後に、 電気抵抗が定常に達す るまで約 6 0分間を要したのに対し、 実施例 4のガスセンサ素子では 1分間以内 に電気抵抗が定常に達した。
一方、 感度については、 比較例のガスセンサ素子では、 気体状ガスの導入後に 、 電気抵抗値が約 1 1 0 0に減少したのに対し、 実施例 4のガスセンサ素子で は電気抵抗値が約 1 Z 8に減少した。
以上のように、 実施例 4のガスセンサ素子は、 応答速度、 すなわちガスセンサ
素子の、 気体状ガスの導入後の電気抵抗値が定常に達するまでの時間については 、 比較例のガスセンサ素子に比べて著しく速かった。
一方、 実施例 4のガスセンサ素子の気体状ガス、 すなわちトリェチルァミン、 ベンズアルデヒド及び窒素酸化物 NO 2に対する、 気体状ガスの導入後の電気抵 抗変化量、 すなわち感度は、 これらの気体状ガスの検出には十分実用的な変化量 であつ 7こ 0
さらに、 比較例のガスセンサ素子では TCNQを CVD法により成膜するのに 、 チャンバ内をポンプで真空に引く時間、 TCNQを累積する時間を含めて約 2 時間を要した。 一方、 実施例 4のガスセンサ素子では TCNQを LB法により 1 層成膜するまでに約 30分間で完了し、 比較例のガスセンサ素子に比較して著し く時間を短縮することができた。
また、 第 9図からも明らかなように、 従来のガスセンサ素子 (比較例) は、 導 入された気体状ガスの換気開始後に、 吸着した気体状ガスの脱離は一応進行する 力 測定前の状態まで回復することはない。 従って、 ガスセンサ素子の再利用に 際しては加熱処理が必要である。
一方、 実施例 4のガスセンサ素子では、 導入された気体状ガスの換気開始後に 、 吸着した気体状ガスの脱離は、 短時間で進行して測定前の状態に回復すること が分かる。 従って、 何ら特別な処理を行うことなく、 ガスセンサ素子の再利用が 可能である。
このように、 この発明のガスセンサ素子の構成によれば、 従来のガスセンサ素 子に比較して、 応答速度を著しく向上させることができる。
また、 有機感応膜、 すなわちガスセンサ素子の製造に要する時間を著しく短縮 し、 生産性を向上させることが可能である。
なお、 上述の実施例では、 ガスセンサ素子の有機感応膜の材料として、 フタ口 シァニン類、 ポリア-リン類、 及ぴテトラシァノキノジメタン (TCNQ) 類を 用いた場合について説明したが、 この発明の目的を損なわない範囲でこれらに限 定されるものではない。 他の導電十生有機物質、 例えばメロシアニン類、 ビォロゲ ン類、 ピレン類、 トリフエニルメタン類、 ポリピロール類、 ポリチォフェン類、 ポリアセチレン類、 テトラチアフルバレン (TTF) 類、 TCNQ - TTF電荷
移動錯体を使用して、 ガスセンサ素子の有機感応膜を形成することもできる。 適用される基板は、 好ましくはガラス等の絶縁性の基板とするのがよい。 また、 櫛形電極は、 好ましくは、 例えば金 (A u ) 、 銅、 アルミユウム等によ り形成するのがよい。
この発明のセンサ素子は、 例えば電圧を印加する電極と、 電流を測定する電極 とを別々にした構成により、 いわゆる四端子法で測定する方法に適用することが できる。
また、 センサ素子に交流電圧を印加することにより、 電気容量を測定すること で、 気体状ガスを検出することもできる。 産業上の利用可能性
この発明のガスセンサ素子は、 防災システム、 空気環境測定、 食品工業、 各種 工程管理、 及び医療健康用途に適用して好適である。