明 細 書
皮膚化粧料
技術分野
[0001] 本発明は、水分蒸散抑制能に優れ結合水量を高める皮膚化粧料、皮膚化粧料組 成物、及び皮膚化粧方法に関する。
背景技術
[0002] スフインゴミエリンは、脳組織だけでなく高等動物の臓器にも広く存在し、スフインゴ イド骨格をベースとし、脂肪酸が酸アミド結合をした親水部にアミド結合を保持するス フインゴ脂質の 1つである。
[0003] 従来、スフインゴミエリンは動物(特に牛)などから抽出していた原料であり、一般巿 場への提供はほとんどなぐこれまでは試薬としてでしか販売されていない脂質の 1 つであった。これまで入手可能であったスフインゴミエリンは、高純度のものであれば 試薬レベルでしか存在しなかった。また、その大きな分子間力ならびに価格などの面 から、化粧料への高純度品の高濃度配合は非常に困難であり、その皮膚における機 能も明確ではな力 た。
[0004] 従来の化粧料には、リン脂質の成分の一つとしてスフインゴミエリンが含有されるも のがあるが、これらはレシチンなどを含んだリン脂質全体の特性を利用したものであり 、化粧料の有効成分としてスフインゴミエリンが使用されているものはなレ、。また、この ことに起因して、スフインゴミエリンが化粧料用の組成物として特定の機能を発揮させ るように用いられることはなかった。
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0005] 近年、卵又はミルク由来のスフインゴミエリンが見いだされ、本発明者らは、従来の 牛由来ではなぐこの卵又はミルク由来のスフインゴミエリンを使用することで、スフィ ンゴミエリンの特性を明確にすることができた。具体的には、化粧料の成分として、リ ン脂質の成分の中でも特にスフインゴミエリンが、水分蒸散抑制能や結合水量などが 優れるという知見を得ることができた。
[0006] 本発明の目的としては、卵又はミルク由来のスフインゴミエリンを化粧料に含有させ ることで、皮膚へ塗布した際には高い水分蒸散抑制能を発揮し、角質層中における 水分保持量の指標である結合水量を最適比率に保持し、かつ感触の優れた化粧料 を提供することである。また、牛由来ではなく卵又はミルク由来のスフインゴミエリンを 使用することで、近年の狂牛病問題を解決することである。
[0007] さらに、皮膚化粧料及びメイクアップ化粧料にぉレ、て持続的に高レ、保湿効果を発 揮するためには、ノ^ヤー能のみならず、肌本来が持つ水分量を維持することも必要 となる。そこで、本発明のさらなる目的としては、スフインゴミエリンをリボソーム剤形と して設計することで、より効果的に保湿効果を発揮する化粧料を提供することである。
[0008] また、本発明は、スフインゴミエリンを有効成分として皮膚化粧料に添加するための 皮膚化粧料組成物、ならびに、スフインゴミエリンを有効成分として皮膚に塗布するた めの皮膚化粧方法を提供することを目的とする。
[0009] なお、このような用途のスフインゴミエリンとしては、構成成分中に含まれる主成分と してのスフインゴミエリンが高純度(15%以上)に維持されることが好ましい。
課題を解決するための手段
[0010] 本発明に係る第 1の構成は、スフインゴミエリンを含有し、高い水分蒸散抑制能と高 レ、結合水量を有することを特徴とする皮膚化粧料である。
[0011] 本発明に係る第 2の構成は、上記皮膚化粧料において、リボソーム分散液を含むこ とを特徴とする。
[0012] 本発明に係る第 3の構成は、上記皮膚化粧料において、前記スフインゴミエリンは 卵及びミルクのうちいずれか一方を由来とすることを特徴とする。
[0013] 本発明に係る第 4の構成は、上記皮膚化粧料において、前記スフインゴミエリンが 高純度品であることを特徴とする。
[0014] 本発明に係る第 5の構成は、上記皮膚化粧料において、前記スフインゴミエリンが 0
. 001w/w%以上 10· Ow/w%以下配合されていることを特徴とする。
[0015] 本発明に係る第 6の構成は、上記皮膚化粧料力 Sメイクアップ化粧料であることを特 徴とする。
[0016] 本発明に係る第 7の構成は、スフインゴミエリンを含有し水分蒸散抑制能及び結合
水量を高めることを特徴とする皮膚化粧料組成物である。
[0017] 本発明に係る第 8の構成は、上記皮膚化粧料組成物において、前記スフインゴミエ リンは卵及びミルクのうちいずれか一方を由来とすることを特徴とする。
[0018] 本発明に係る第 9の構成は、上記皮膚化粧料組成物において、前記スフインゴミエ リンが高純度品であることを特徴とする。
[0019] 本発明に係る第 10の構成は、スフインゴミエリンを含有する皮膚化粧料を皮膚に塗 布し、皮膚に対する水分蒸散抑制能及び結合水量を高めることを特徴とする皮膚化 粧方法。
[0020] 本発明に係る第 11の構成は、上記皮膚化粧方法において、前記スフインゴミエリン は卵及びミルクのうちいずれか一方を由来とすることを特徴とする。
[0021] 本発明に係る第 12の構成は、上記皮膚化粧方法において、前記スフインゴミエリン が高純度品であることを特徴とする。
発明の効果
[0022] 本発明によれば、スフインゴミエリンを含有し、高い水分蒸散抑制能と高い結合水 量を有する皮膚化粧料を提供することができる。このような皮膚化粧料によれば、従 来のレシチンなどのリン脂質を使用した化粧料に比べて、スフインゴミエリン特有の機 能を発揮させ、水分蒸散抑制能と結合水量が優れた化粧料を提供することができる
[0023] また、本発明によれば、上記皮膚化粧料において、リボソーム分散液を含むことで 、スフインゴミエリンをリボソーム剤形とすることができ、皮膚本来の水分量を維持し持 続的に高い保湿効果を発揮することができる。
[0024] また、本発明によれば、上記皮膚化粧料において、スフインゴミエリンは卵及びミノレ クのうちいずれか一方を由来とすることで、このスフインゴミエリンを化粧料へ効果的 かつ高濃度に配合することが可能となり、バリヤ一能および皮膚の水分保持力をより 高めることが可能となり、肌に高い保水力をもたらす、高機能保湿化粧料を提供する こと力 Sできる。また、従来の牛由来の試薬品では困難であった力 卵又はミルク由来 のスフインゴミエリンを使用することで、化粧料におけるスフインゴミエリン特有の機能 を明確にすることができた。さらに、卵又はミルク由来のスフインゴミエリンが使用され
ることで、牛由来原料による近年の狂牛病問題を解決することができる。
[0025] また、本発明によれば、上記皮膚化粧料において、スフインゴミエリンが高純度品で あることで、高純度のスフインゴミエリンを高濃度に配合することが可能となる。
[0026] また、本発明によれば、上記皮膚化粧料において、スフインゴミエリンが 0. OOlw/ w%以上 10. OwZw%以下配合されていることで、スフインゴミエリンを有効成分とし て化粧料に含有させ、皮膚に対してスフインゴミエリンの機能を効果的に発揮するこ とができる。
[0027] また、本発明によれば、上記皮膚化粧料カ イクアップィ匕粧料であることで、メイクァ ップ化粧料の用途に適した、スフインゴミエリンに起因する水分蒸散抑制能及び結合 水量の機能を効果的に発揮させることができる。
[0028] また、本発明によれば、スフインゴミエリンを含有し水分蒸散抑制能及び結合水量 を高める化粧料組成物を提供することができる。このような化粧料組成物によれば、 皮膚化粧料にスフインゴミエリンを有効成分として含有させ、この皮膚化粧料の水分 蒸散抑制能及び結合水量を高めることができる。
[0029] また、本発明によれば、スフインゴミエリンを含有する皮膚化粧料を皮膚に塗布し、 皮膚に対する水分蒸散抑制能及び結合水量を高める皮膚化粧方法を提供すること ができる。このような皮膚化粧方法によれば、皮膚化粧料の有効成分としてスフインゴ ミエリンを皮膚に塗布することができ、皮膚に対する水分蒸散抑制能及び結合水量 を高めることができる。
発明を実施するための最良の形態
[0030] 以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態における例示 が本発明を限定することはない。
[0031] 本発明に係る皮膚化粧料は、スフインゴミエリンを含有し、高い水分蒸散抑制能を 有し、高い結合水量を肌に対し付与する。本発明に係る一実施の形態の皮膚化粧 料は、卵又はミルク由来のスフインゴミエリンと皮膚化粧料に常用される成分とを配合 し、調製したものである。
[0032] 本実施の形態で使用するスフインゴミエリンは、卵又はミルク由来のものであり、試 薬品グレードではなく化粧品原料として作り出されたものである。このスフインゴミエリ
ンを化粧品剤形に配合することで、一般的に皮膚親和性が高くバリヤ一能ならびに 肌への水分保持力もあるといわれているレシチンを用いて作製されたリボソーム単独 化粧料に比べ、分子内のアミド結合により高レ、バリヤ一能および水分保持力(結合水 量)を有する化粧料剤形を調製することが可能となり、特に角質層中の水分蒸散を抑 制するバリヤ一能が高いことに起因する、水分保持能力に優れた高機能保湿化粧料 の作製が可能となり、これにより、乾燥肌に起因するシヮ、肌のターンオーバーの調 節、さらには抗炎症効果も期待できる。
[0033] なお、上述のスフインゴミエリンを用いることで、スフインゴミエリンを含有し、水分蒸 散抑制能及び結合水量を高める皮膚化粧料組成物を製造することができる。
[0034] 本実施の形態の化粧料において、卵又はミルク由来のスフインゴミエリンは、粉末あ るいは固形状態のものを 0. 001〜10. Ow/w%配合するのが好ましレ、。配合量が 0 . 001wZw%未満であるとスフインゴミエリン特有の高レ、バリヤ一能ならびに結合水 量が効果的に発揮されず高い保湿効果が得られにくくなり、配合量が 10. Ow/w% を越えると、分離、変色、あるいは変臭などの安定性、さらには皮膚化粧料としての官 能に悪影響を及ぼす可能性があり、好ましくない。なお、本実施の形態に用いられる スフインゴミエリンの構成成分中に含まれる主成分としてのスフインゴミエリンの純度は
15%以上とすることが望ましい。
[0035] 皮膚化粧料としては、特に限定されず、例えば、乳液、クリーム、化粧水、パック、洗 顔料、マッサージ料、リキッドファンデーションやパウダーファンデーションなどを含む メイクアップ化粧料などの化粧品、ならびにボディ用化粧料や医薬部外品などとする こと力 Sできる。
[0036] また、メイクアップ化粧料としては、上術のリキッドファンデーションやパウダーファン デーシヨンの他、 口紅、リップクリーム、ほほ紅、アイシャドウ、おしろい、コンシ一ラー などとすることができる。
[0037] 上記した必須成分の他に、通常の化粧料に配合される成分、例えば、油剤、粉体、 界面活性剤、精製水、低級アルコール、高分子化合物、ゲル化剤、紫外線吸収剤、 紫外線散乱剤、酸化防止剤、色素、防腐剤、香料、美容成分などを本発明の効果を 損なわなレ、範囲で適宜選択して用いることができる。
[0038] リボソームの膜形成基材としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノール ァミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロー ノレ、ホスファチジン酸、リゾホスファチジルコリン、スフインゴミエリン、卵黄レシチン、大 豆レシチンなどの天然もしくは合成のリン脂質または水素添加リン脂質、コレステロ一 ノレ類、例えばコレステロール、コレステロールのアルキルエステル、フィトステロール、 フィトステロールのアルキルエステル、グリセ口糖脂質、セチルガラクトサイドの如きァ シノレグノレコシド、ジアルキル型合成界面活性剤、 N—ァシル—スフインゴシン又はそ の硫酸エステル、 N _ァシルスフインゴ糖脂質、 N_高級ァシルグルタチオンの一種 または二種以上の混合物があげられる。この他、リボソームの安定化もしくは相転移 温度の改善のために多価アルコール、高級アルコール、高級脂肪酸などを必要に応 じて酉 S合でさる。
[0039] 配合基準としては、 50〜99w/w%であり、好ましくは 50〜90wZw%である。
[0040] 油脂類としては、ホホバ油、ヒマシ油、ォリーブ油、大豆油、ヤシ油、パーム油、力力 ォ油、ミンク油、タートノレ油などが挙げられる。
[0041] 炭化水素類としては、流動パラフィン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、スクワラ ンなどが挙げられる。
[0042] ロウ類としては、ミツロウ、ラノリン、カルナバロウ、キャンデリラロウなどが挙げられる
[0043] 脂肪酸としては、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ォレイン酸、イソステアリ ン酸、ラウリン酸などが挙げられる。
[0044] 合成エステル類としては、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ォレ イン酸ブチル、ミリスチン酸ミリスチノレ、ミリスチン酸オタチルドデシル、モノステアリン 酸プロピレングリコール、乳酸ミリスチル、リンゴ酸イソステアリル、モノステアリン酸ダリ セリン、塩化ジステアリルジメチルアンモニゥムなどが挙げられる。
[0045] 油脂類、炭化水素、ロウ類、脂肪酸、合成エステル類は、通常あわせて 0〜30w/ w%の割合で配合される。
[0046] アルコール類としては、エタノール、 1, 3—ブチレングリコール、プロピレングリコー ノレ、ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、ォレイルアルコールなど
が挙げられる。
[0047] アルコール類は、通常 0〜25w/w%の割合で配合される。
[0048] 界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、 ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル 類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ポ リオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラウリル硫酸ナトリウム、ピログルタミン酸イソステアリ ン酸ポリオキシエチレングリセリル、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキ シエチレンステアリルエーテル、ジアルキルスルホコハク酸、臭化セチルピリジニゥム
、塩化一 n—ォクタデシルトリメチルアンモニゥム、モノアルキルリン酸、 N—ァシルス ノレタミン酸、 N—ァシルグルタミン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビ タンモノステアレート、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシ エチレン還元ラノリンなどが挙げられる。
[0049] 界面活性剤は、通常 0〜: 10w/w%の割合で配合される。
[0050] 増粘剤としては、カルボキシビ二ルポリマー、メチルポリシロキサン、デキストラン、力 ノレボキシメチルセルロース、カラギーンナン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど が挙げられる。
[0051] 増粘剤は、通常 0〜5w/w%の割合で配合される。
[0052] 保湿剤としては、グリセリン、プロピレングリコール、 1, 3—ブチレングリコール、ピロ グルタミン酸、ァセチルグルタミン酸、ヒアルロン酸、プロシア二ジン、 L—アルギニン などが挙げられる。
[0053] 保湿剤は、通常 0〜25w/w%の割合で配合される。
[0054] 防腐剤としては、安息香酸、サリチル酸、デヒドロ酢酸あるいはそれらの塩類、パラ ォキシ安息香酸エステル類のフヱノール類、トリクロサンハロカルバンなどが挙げられ る。
[0055] 防腐剤は、通常 0〜0. 3w/w%の割合で配合される。
[0056] 香料は、通常化粧料に使用するものであればどのような香料を用いてもよい。
[0057] 顔料としては、酸化鉄、二酸化チタン、酸化亜鉛、カオリン、タルクなどが挙げられ る。
[0058] 顔料は、通常 0〜5w/w%の割合で配合される。
[0059] 薬剤としては、小麦胚芽油、ビタミン A、ビタミン B2、ビタミン E、 ァスコルビン酸 2 リン酸マグネシウムあるいはナトリウム、 D—パントテールアルコール、グリチルリチ ン酸ジカリウム、グノレタチオン、 UV吸収剤、キレート剤、植物抽出物、微生物代謝物 /抽出物などが挙げられる。
[0060] 薬剤は、通常 0〜5w/w%の割合で配合される。
[0061] 水としては、水道水、ミネラルウォーター、かん水、海水、海洋深層水、超純水、極 地氷由来水、含鉱水、精製水などが挙げられる。
[0062] 水は任意の割合で配合される。
[0063] また、本発明の海洋深層水とは、表面海水が沈降していて層を形成しているもので 低温、清浄で栄養塩に富む固有水であり、その取水海域は 1000〜4000m、好まし くは 2000〜3000mであり、取水深度は 250〜500m、好ましくは 300〜400mであ る。
[0064] 海洋深層水は、多くのミネラルを含有してレ、ること力ら、保湿性に優れ、また、浸透 感に優れてレ、ることから、化粧料に配合させてレ、る有効成分の皮膚内への浸透を促 すと考えられる。
[0065] 化粧料の剤形は任意であり、例えば、可溶化系乳化剤形あるいは分散型の剤形を とることが可能である。
[0066] 本実施の形態の化粧料を使用した化粧料製品としては、化粧水、乳液、美容液、ク リーム、洗顔料、パック、ジエルなどのスキンケア製品や、乳化ファンデーションなどの 製品が挙げられる。
[0067] また、本実施の形態の化粧料を皮膚に塗布することで、皮膚に対する水分蒸散抑 制能及び結合水量を高める化粧方法を提供することができる。
実施例
[0068] 以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明が実施例によって限定され るものではない。
[0069] (実施例 1)
(スフインゴミエリンの水分蒸散抑制能への効果試験)
実施例 1としてミルク由来のスフインゴミエリンを含有する水溶液、比較例 1として植 物由来のスフインゴ糖脂質のコーンスフインゴ糖脂質を含有したリボソーム水溶液、 比較例 2としてリン脂質(大豆レシチン)を用いたリボソーム水溶液、比較例 3としてリ ン脂質 (卵黄レシチン)を用いたリボソーム水溶液を調製し、各原料による水分蒸散 抑制能 (バリヤ一能)について検討を行った。
[0070] (試験例 1)
各種原料の濃度が lw/w%となるように配合した水溶液をリボソーム水溶液調製 における定法であるバンガム法により作成し、この溶液を人工モデル皮膚に一定量 塗布した後、室温下にて十分に乾かし、その後水を入れたカップの上部にこの人工 皮膚をのせ、 24時間 37°C湿度 40%の一定条件下に放置した後、カップ内における 水分蒸散率を測定した。このように測定した水分蒸散率を水分蒸散抑制能とする。そ の結果を表 1に示す。
[0071] [表 1]
[0072] この結果、実施例 1のミルク由来のスフインゴミエリンは、一般に高い水分蒸散抑制 能を持つといわれるリン脂質 (比較例 2、 3)、またコーンスフインゴ糖脂質 (比較例 1) に比べて、さらに高い水分蒸散抑制能を有することがわかった。また、実施例 1では、 ミルク由来のスフインゴミエリンを配合することで、水分蒸散を 50%以上抑えることが 可能な脂質膜を有するリボソーム水溶液が得られることがわかった。
[0073] (実施例 2)
(スフインゴミエリンの結合水への効果試験)
実施例 2としてミルク由来のスフインゴミエリンを含有した水溶液、比較例 4として米 由来スフインゴ糖脂質水溶液、比較例 5としてリン脂質 (大豆レシチン)水溶液、比較 例 6としてリン脂質 (卵黄レシチン)水溶液を用レ、、各原料による結合水量について検 討を行った。
[0074] (試験例 2)
各種原料を濃度が異なるように精製水中に含有させ調製し、その後、アニーリング をおこなうことで均一分散した水溶液を作製した。この溶液を用いて DSC (示差走査 熱分析)により定法に従い、各水溶液の結合水の測定を行った。その結果を表 2に示 す。
[0075] [表 2]
[0076] この結果、実施例 2のミルク由来のスフインゴミエリンは、一般に高い結合水量を有 するといわれるリン脂質(比較例 5、 6)に比べて、さらに高い結合水量を有し、また、 その構造中に糖が付随していることから高い結合水量が期待される米由来のスフイン ゴ糖脂質 (比較例 4)に比べても、さらに高い結合水量を有することがわかった。
[0077] (実施例 3)
(クリームによる皮膚のノくリヤー能への効果試験)
ミルク由来のスフインゴミエリンを含有するクリームを人工モデル皮膚に一定量塗布 し、このモデル皮膚を用いることで、実際に化粧品へ配合した際、どれだけ水分の蒸 散が防げるかを検討した。
[0078] (処方例 1)
、w w%)
海洋深層水(逆浸透膜濾過済み) 50. 0
ホホバ油 10. 0
リン脂質 1. 5
コレステロ一ノレ 0. 7
グリセリン脂肪酸エステル 2. 0
高級アルコール 3. 0
多価アルコール脂肪酸エステル 0. 5
カノレボキシビ二/レポリマー 0. 05
グリセリン 7· 0
1 , 3—ブチレングリコール 7· 0
L—ァノレギニン 0. 1
保湿剤 0. 5
防腐剤 0. 5
精製水 全量を 100に調製
[0079] 上記の基本処方に、実施例 3ではスフインゴミエリン lwZw%、比較例 7ではコーン スフインゴ糖脂質 lw/wo/0、比較例 8ではリン脂質 (大豆レシチン) lw/Wo/0、をそ れぞれ配合した 3種類のクリーム、さらに比較例 9として脂質未配合のクリームを作製 した。製造方法は、定法に従い調製し、クリームとした。なお、ここで用いた海洋深層 水(逆浸透膜濾過済み)とは、海洋深層水原水を逆浸透膜濾過によって処理された 水である。
[0080] (試験例 3)
定法に従い作成した各種化粧料バノレクを人工モデル皮膚に一定量塗布した後、 室温下にて十分に乾かし、その後水を入れたカップの上部にこの人工皮膚をのせ、
24時間 37°C湿度 40%の一定条件下に放置した後、カップ内における水分蒸散率 を測定した。このように測定した水分蒸散率を水分蒸散抑制能とする。その結果を表
3に示す。
[0081] [表 3]
[0082] この結果、実施例 3のミルク由来スフインゴミエリンを lw/w%配合したクリームは、 コーンスフインゴ糖脂質 (比較例 7)、 リン脂質 (比較例 8)を配合したもの、及び脂質 未配合 (比較例 9)のものに比べて、さらに高い水分蒸散抑制能を有することがわか
つた。
このように、スフインゴミエリンを実際にクリームに配合した場合にも、従来のリン脂質 及びスフインゴ糖脂質に比べて、高い水分蒸散抑制能を示すことから、スフインゴミエ リンを化粧料として用レ、ることにより、高機能保湿クリームを可能とすることができた。