明 細 書
ろう材、ろう付け用複合材およびそれらを用いてろう付け接合されたろう付 け構造
技術分野
[0001] 本発明は、ろう材、ろう付け用複合材およびそれらを用いてろう付け接合されたろう 付け構造に関し、特に、ラジェータゃガスクーラなどの熱交^^の流路を構成するろ ぅ材、ろう付け用複合材およびそれらを用いてろう付け接合されたろう付け構造に関 する。
背景技術
[0002] 近年、国際的に環境問題への関心が高まっており、その一環として燃料電池やマ イク口ガスタービンを用いたコージェネレーションシステムが開発され、広く普及して いる。このコージェネレーションシステムを構成する熱交^^の内部には高温のガス が流れており、このガスの温度は発熱効率を向上させる目的から高温化する傾向に ある。このような高温下での厳しい使用環境に耐えることのできる熱交 用材料と して、従来、基材にステンレス鋼を用いるとともに、ろう材にニッケルろう (JIS BNi- 1〜7)を用いた材料が知られている。ニッケルろうは、耐酸化性および耐食性に優れ ている反面、塑性加工し難い材料であるので、一般的に液体急冷凝固法により粉末 の状態で製造される。このため、高価であるという不都合があった。また、粉末状の二 ッケルろうにバインダを混合してペースト状にしたものを熱交^^の製造工程で基材 であるステンレス鋼に塗布するので、ろう付け後に脱バインダの工程が必要であり、 製造工程が複雑になるという不都合があった。
[0003] ところで、従来、上記した液体急冷凝固法を用いることなく圧延接合を用いることに よって Mn— Ni - Cu合金力もなる Mn系金属層と Ni系金属層との積層構造からなる ろう材を製造するとともに、そのろう材を用いてステンレス鋼のろう付け接合を行う技 術が提案されている。このような技術は、たとえば、国際公開番号 WOOOZ18537 号公報に開示されている。この国際公開番号 WOOOZ18537号公報では、 Mn— N i—Cu合金に、 Crや Tiなどを合計量で 5質量%以下となるように含有させることにより
、耐酸ィ匕性を向上させている。
[0004] また、従来、上記した液体急冷凝固法を用いることなく圧延接合により形成されたろ う付け用複合材として、高 、耐食性を有する Tほたは Ti系合金層および Mまたは Ni 系合金層の 2層からなる Ti—Ni系ろう材を用いる技術が知られている。このような技 術は、たとえば、特開 2003— 117678号公報に開示されている。この特開 2003— 1 17678号公報では、 Ni合金として、 Ni— Cr— Fe系耐食耐熱超合金が挙げられてい る。
[0005] し力しながら、上記国際公開番号 WOOOZ18537号公報に開示された従来のろう 材の一部を構成する Mn— Ni— Cu合金は、合金中に耐食性の低い Mnおよび Cuが 含まれているので、ろう付け接合による接合部の耐食性を向上させるのが困難である という問題点がある。
[0006] また、上記特開 2003— 117678号公報に開示された従来の Ti—Ni系ろう材は、 高い耐食性を有する一方、ろう付け接合による接合部の表面に Cr Oの酸化皮膜(
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不働態膜)が生成されないので、高い耐酸ィ匕性を得るのが困難であるという問題点が ある。また、 Ni合金として特開 2003— 117678号公報の中で挙げられている Ni—C r - Fe系耐食耐熱超合金を用いる場合にも、 Ni— Cr— Fe系耐食耐熱超合金の融 点温度が高い(約 1800°C〜約 2000°C)ため、ろう付け時のろう材と Ni— Cr— Fe系 耐食耐熱超合金との反応速度が遅くなる。これにより、 Ni— Cr— Fe系耐食耐熱超合 金からろう付け接合部への Crの拡散速度が遅くなるので、ろう付け接合部に Crが十 分に供給されないという不都合がある。これにより、ろう付け接合による接合部の表面 に十分な量の Cr Oの酸ィ匕皮膜 (不働態膜)が生成されないので、高い耐酸化性を
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得るのが困難であると!、う問題点がある。
発明の開示
[0007] この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、耐酸化性およ び耐食性の両方を向上させることが可能なろう材、ろう付け用複合材およびそれらを 用いてろう付け接合されたろう付け構造を提供することを目的とする。
[0008] 上記目的を達成するために、この発明の第 1の局面によるろう材は、 Ni— Cr合金層 力もなる Ni— Crろう付け層と、 Ti層または Ti合金層力もなる Tiろう付け層と、 Ni— Cr
ろう付け層と、 Tiろう付け層との間に配置される Ni層または Ni合金層力もなる Niろう 付け層との少なくとも 3層構造からなる。
[0009] この第 1の局面によるろう材では、上記のように、 Ni— Crろう付け層と、 Tiろう付け層 と、 Niろう付け層とによりろう材を構成することによって、ろう付け接合による接合部に Ti— Ni-Cr系合金が形成されるので、接合部の表面に容易に Cr Oの酸化皮膜(
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不働態膜)を形成することができる。これにより、ろう付け接合による接合部の耐酸ィ匕 性を向上させることができる。また、 Ni— Crろう付け層と、 Tiろう付け層と、 Niろう付け 層とによりろう材を構成することによって、ろう付け接合による接合部に高い耐食性を 有する Ti、 Niおよび Crが含まれるので、ろう付け接合による接合部の耐食性を向上 させることができる。また、 Niろう付け層を Ni-Crろう付け層と Tiろう付け層との間に 配置することによって、ろう付け接合をする過程において、 Tiろう付け層に含まれる Ti と、 Ni— Cr合金層に含まれる Crとが混ざり合う時間を短くすることができる。これによ り、 Tiろう付け層に含まれる Tiと Ni— Cr合金層に含まれる Crとが反応することにより 脆い TiCrが生成されるのを抑制することができるので、ろう付け接合による接合部が
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脆弱になるのを抑制することができる。また、 Ni— Crろう付け層と、 Tiろう付け層と、 N iろう付け層とによりろう材を構成することによって、ろう材が層状になるので、粉末状 のろう材と異なり、ろう材の製造工程が複雑ィ匕するのを抑制することができる。また、ろ ぅ材が層状になるので、粉末状のろう材を用いる場合に混合するバインダが不要とな る。これにより、層状のろう材を用いてろう付け接合を行った場合には、ろう付け接合 した後に脱バインダを行う必要がな!ヽので、製造工程を簡略ィ匕することができる。
[0010] 上記第 1の局面によるろう材において、好ましくは、 Ni— Cr合金層からなる Ni— Cr ろう付け層の Crの含有率は、 20質量%以上 40質量%以下である。このように構成す れば、 Ni— Cr合金層の Crの含有率を 20質量%以上にすることによって、ろう付け接 合による接合部の表面に十分な厚みの Cr Oからなる酸化皮膜 (不働態膜)を形成
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することができるので、高い耐酸ィ匕性を得ることができる。また、 Ni— Cr合金層の Cr の含有率を 40質量%以下にすることによって、 Ni—Cr合金の延性が低下するのを 抑制することができるので、冷間圧接などによる基板との接合を容易に行うことができ る。
[0011] 上記第 1の局面によるろう材において、好ましくは、 Tiろう付け層中の Ti量と、 Niろう 付け層中の Ni量との合計を 100質量%とした場合に、 Niろう付け層中の Ni量が 21. 5質量%以上 37. 5質量%以下である。このように構成すれば、 Niろう付け層中の Ni 量を 21. 5質量%以上にすることによって、約 1220°C以下の温度で Tiろう付け層中 の Tiと Niろう付け層中の Niとを溶融することができる。これにより、約 1220°C以上の 高温を出力させる特別な炉を用いることなぐ Tiろう付け層中の Tiと Niろう付け層中 の Niとを溶融させることができる。また、 Niろう付け層中の Ni量を 37. 5質量%以下 にすることによって、 Ni量を 37. 5質量%より大きくする場合と異なり、ろう付け接合に よる接合部に Ti N もなる金属間化合物が生成されるのを抑制することができる。
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その結果、脆い Ti Niがろう付け接合部に形成されるのを抑制することができるので、
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ろう付け接合による接合部が脆弱になるのを抑制することができる。
[0012] この場合、好ましくは、 Tiろう付け層中の Ti量と、 Niろう付け層中の Ni量との合計を 100質量%とした場合に、 Niろう付け層中の Ni量が 28. 3質量%近傍の量である。こ のように構成すれば、ろう付け時の初期段階で、共晶組成の Ti—Ni合金を得ること ができるので、 Ti—Ni合金の共晶温度である約 955°Cにおいて、固相の状態である Ti—Ni合金を、液相の状態に変化させることができる。このため、低い温度 (約 955 °C)で、 Ti—Ni合金を溶融させてろう材として機能させることができる。
[0013] 上記第 1の局面によるろう材において、 Tiろう付け層の厚み tlと、 Niろう付け層の厚 み t2との比 t2Ztlは、 1Z8以上 2Z7以下にしてもよい。このように構成すれば、 Ti ろう付け層中の Ti量と、 Niろう付け層中の Ni量との合計を 100質量%とした場合に、 Tiろう付け層中の Ti量に対する Niろう付け層中の Ni量を 21. 5質量%以上 37. 5質 量%以下にすることができる。その結果、 Tiろう付け層と、 Niろう付け層との厚みの比 を 1Z8以上 2Z7以下に設定するだけで、特別な炉を必要としない約 1220°C以下 の温度で Tiろう付け層中の Tiと Niろう付け層中の Niとを溶融させることができ、かつ 、ろう付け接合による接合部に脆い Ti Mからなる金属間化合物が生成されるのを抑
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制することができる Tiと Niとの組成 (質量%)比にすることができる。
[0014] この場合、 Tiろう付け層の厚み tlと、 Niろう付け層の厚み t2との比 t2Ztlを、実質 的に 1Z5にしてもよい。このように構成すれば、 Tiろう付け層中の Ti量と、 Niろう付け
層中の Ni量との合計を 100質量%とした場合に、 Niろう付け層中の Ni量をろう付け 時の初期段階の共晶組成である 28. 3質量%近傍の量にすることができる。その結 果、 Tiろう付け層と、 Niろう付け層との厚みの比を 1Z5に設定するだけで、容易に、 ろう付け時の初期に共晶組成の Ti— Ni合金を得ることができる。
[0015] 上記第 1の局面によるろう材において、 Tiろう付け層は、第 ITi層または第 ITi合金 層からなる第 ITiろう付け層と、第 2Ti層または第 2Ti合金層からなる第 2Tiろう付け 層とを含み、 Niろう付け層は、第 INi層または第 INi合金層からなる第 INiろう付け 層と、第 2Ni層または第 2Ni合金層力もなる第 2Niろう付け層とを含み、 Ni— Crろう 付け層と、第 ITiろう付け層との間に、第 INiろう付け層が配置されるとともに、 Ni-C rろう付け層と、第 2Tiろう付け層との間に、第 2Niろう付け層が配置される 5層構造か らなるようにしてもよい。このように構成すれば、 5層構造力もなるろう材を用いてろう 付け接合する場合に、ろう付けされる部材に接触する部分が第 ITi層 (第 2Ti層)また は第 ITi合金層(第 2Ti合金層)にすることができる。これにより、ろう付け接合する過 程において、 Ni— Cr合金層の外側の層から溶融するので、容易に、ろう付け接合す ることがでさる。
[0016] 上記第 1の局面によるろう材において、好ましくは、 Ni— Crろう付け層と、 Tiろう付 け層と、 Niろう付け層とのうちの少なくともいずれ力 1つの層は、 Moまたは Coのうち の少なくとも一方を含有する。このように構成すれば、ろう付け時に、ろう付け接合に よる接合部で Crと Moまたは Coとが合金を形成し、接合部の表面の Cr濃度を増加す るとともに、接合部の表面に Cr Oの酸ィ匕皮膜をより十分に形成することができるの
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で、ろう付け接合による接合部の耐酸ィ匕性をより向上させることができる。
[0017] 上記 Moまたは Coのうちの少なくとも一方を含有するろう材において、好ましくは、 Ni— Crろう付け層と、 Tiろう付け層と、 Niろう付け層とのうちの少なくともいずれか 1 つの層に含有される全体の Moの含有量は、 2. 0質量%以上 4. 5質量%以下である 。このように構成すれば、接合部の耐酸化性を、十分かつ効果的に向上させることが できる。
[0018] 上記 Moまたは Coのうちの少なくとも一方を含有するろう材において、好ましくは、 Ni— Crろう付け層と、 Tiろう付け層と、 Niろう付け層とのうちの少なくともいずれか 1
つの層に含有される全体の Coの含有量は、 2. 0質量%以上 10. 0質量%以下であ る。このように構成すれば、接合部の耐酸化性を、十分かつ効果的に向上させること ができる。
[0019] この発明の第 2の局面によるろう付け用複合材は、鉄鋼により形成された基板と、基 板の表面に圧延接合され、 Ni— Cr合金層力もなる Ni— Crろう付け層と、 Ti層または Ti合金層力もなる Tiろう付け層と、 Ni— Crろう付け層と Tiろう付け層との間に配置さ れる Ni層または Ni合金層力もなる Niろう付け層との少なくとも 3層構造力もなるろう材 とを備えている。
[0020] この第 2の局面によるろう付け用複合材では、上記のように、 Ni— Crろう付け層と、 Tiろう付け層と、 Niろう付け層とから構成されるろう材を備えることによって、ろう付け 接合による接合部に Ti—Ni— Cr系合金が形成されるので、接合部の表面に容易に Cr Oの酸ィ匕皮膜 (不働態膜)を形成することができる。これにより、ろう付け接合によ
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る接合部の耐酸ィ匕性を向上させることができる。また、 Ni— Crろう付け層と、 Tiろう付 け層と、 Niろう付け層とから構成されるろう材を備えることによって、ろう付け接合によ る接合部に高い耐食性を有する Ti、 Niおよび Crが含まれるので、ろう付け接合によ る接合部の耐食性を向上させることができる。また、 Niろう付け層を Ni-Crろう付け 層と Tiろう付け層との間に配置することによって、ろう付け接合をする過程にお!ヽて、 Tiろう付け層に含まれる Tiと、 Ni— Cr合金層に含まれる Crとが混ざり合う時間を短く することができる。これにより、 Tiろう付け層に含まれる Tiと Ni— Cr合金層に含まれる Crとが反応することにより脆い TiCrが生成されるのを抑制することができるので、ろ
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う付け接合による接合部が脆弱になるのを抑制することができる。また、 Ni— Crろう 付け層と、 Tiろう付け層と、 Niろう付け層との少なくとも 3層構造力もなる層状のろう材 を基板に圧延接合することによりろう付け用複合材を形成することによって、液体急 冷凝固法により形成した粉末状のろう材を用いる場合と異なり、ろう材の製造工程が 複雑ィ匕するのを抑制することができる。これにより、ろう付け用複合材の製造工程が 複雑ィ匕するのを抑制することができる。また、ろう材が層状になるので、粉末状のろう 材を用いる場合に混合するノインダが不要となる。これにより、層状のろう材を用いて ろう付け接合を行った場合には、ろう付け接合した後に脱バインダを行う必要がない
ので、製造工程を簡略ィ匕することができる。
[0021] 上記第 2の局面によるろう付け用複合材において、好ましくは、 Ni— Cr合金層から なる Ni— Crろう付け層の Crの含有率は、 20質量%以上 40質量%以下である。この ように構成すれば、 Ni - Cr合金層の Crの含有率を 20質量%以上にすることによつ て、ろう付け接合による接合部の表面に十分な厚みの Cr O力もなる酸ィ匕皮膜 (不働
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態膜)を形成することができるので、高い耐酸ィ匕性を得ることができる。また、 Ni-Cr 合金層の Crの含有率を 40質量%以下にすることによって、 Ni— Cr合金の延性が低 下するのを抑制することができるので、冷間圧接などによる基板との接合を容易に行 うことができる。
[0022] 上記第 2の局面によるろう付け用複合材において、好ましくは、 Tiろう付け層中の Ti 量と、 Niろう付け層中の Ni量との合計を 100質量%とした場合に、 Niろう付け層中の Ni量が 21. 5質量%以上 37. 5質量%以下である。このように構成すれば、 Niろう付 け層中の Ni量を 21. 5質量%以上にすることによって、約 1220°C以下の温度で Ti ろう付け層中の Tiと Niろう付け層中の Niとを溶融することができる。これにより、約 12 20°C以上の高温を出力させる特別な炉を用いることなぐ Tiろう付け層中の Tiと Niろ う付け層中の Niとを溶融させることができる。また、 Niろう付け層中の Ni量を 37. 5質 量%以下にすることによって、 Ni量を 37. 5質量%より大きくする場合と異なり、ろう付 け接合による接合部に Ti N もなる金属間化合物が生成されるのを抑制することが
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できる。その結果、脆い Ti Niがろう付け接合部に形成されるのを抑制することができ
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る。
[0023] この場合、好ましくは、 Tiろう付け層中の Ti量と、 Niろう付け層中の Ni量との合計を 100質量%とした場合に、 Niろう付け層中の Ni量が 28. 3質量%近傍の量である。こ のように構成すれば、ろう付け時の初期に、共晶組成の Ti— Ni合金を得ることができ るので、 Ti—Ni合金の共晶温度である約 955°Cにおいて、固相の状態である Ti— N i合金を、液相の状態に変化させることができる。このため、低い温度 (約 955°C)で、 Ti—Ni合金を溶融させてろう材として機能させることができる。
[0024] 上記第 2の局面によるろう付け用複合材において、 Tiろう付け層の厚み tlと、 Niろ う付け層の厚み t2との比 t2Ztlは、 1Z8以上 2Z7以下である。このように構成すれ
ば、 Tiろう付け層中の Ti量と、 Niろう付け層中の Ni量との合計を 100質量%とした場 合に、 Tiろう付け層中の Ti量に対する Niろう付け層中の Ni量を 21. 5質量%以上 37 . 5質量%以下にすることができる。その結果、 Tiろう付け層と、 Niろう付け層との厚 みの比を 1Z8以上 2Z7以下に設定するだけで、特別な炉を必要としない約 1220 °C以下の温度で Tiろう付け層中の Tiと Niろう付け層中の Niとを溶融させることができ 、かつ、ろう付け接合による接合部に脆い Ti Niからなる金属間化合物が生成される
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のを抑制することができる Tiと Niとの組成 (質量0 /0)比にすることができる。
[0025] この場合、 Tiろう付け層の厚み tlと、 Niろう付け層の厚み t2との比 t2Ztlを、実質 的に 1Z5にしてもよい。このように構成すれば、 Tiろう付け層中の Ti量と、 Niろう付け 層中の Ni量との合計を 100質量%とした場合に、 Niろう付け層中の Ni量をろう付け 時の初期段階の共晶組成である 28. 3質量%近傍の量にすることができる。その結 果、 Tiろう付け層と、 Niろう付け層との厚みの比を 1Z5に設定するだけで、容易に、 ろう付け時の初期に共晶組成の Ti— Ni合金を得ることができる。
[0026] 上記第 2の局面によるろう付け用複合材において、好ましくは、 Ni— Crろう付け層と 、 Tiろう付け層と、 Niろう付け層とのうちの少なくともいずれ力 1つの層は、 Moまたは Coのうちの少なくとも一方を含有する。このように構成すれば、ろう付け時に、ろう付 け接合による接合部で Crと Moまたは Coとが合金を形成し、接合部の表面の Cr濃度 を増加するとともに、接合部の表面に Cr Oの酸ィ匕皮膜をより十分に形成することが
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できるので、ろう付け接合による接合部の耐酸ィ匕性をより向上させることができる。
[0027] 上記 Moまたは Coのうちの少なくとも一方を含有するろう付け用複合材において、 好ましくは、ろう材は、 2. 0質量%以上 4. 5質量%以下の Moを含有する。このように 構成すれば、接合部の耐酸化性を、十分かつ効果的に向上させることができる。
[0028] 上記 Moまたは Coのうちの少なくとも一方を含有するろう付け用複合材において、 好ましくは、ろう材は、 2. 0質量%以上 10. 0質量%以下の Coを含有する。このよう に構成すれば、接合部の耐酸化性を、十分かつ効果的に向上させることができる。
[0029] この発明の第 3の局面によるろう付け構造は、鉄鋼により形成された基板と、基板の 表面に圧延接合され、 Ni— Cr合金層カゝらなる Ni— Crろう付け層、 Ti層または Ti合 金層力もなる Tiろう付け層、および、 Ni— Crろう付け層と Tiろう付け層との間に配置
される Ni層または Ni合金層力もなる Niろう付け層の少なくとも 3層構造力もなるろう材 とを備えたろう付け用複合材を用いてろう付け接合されることにより形成されるのが好 ましい。
[0030] この第 3の局面によるろう付け構造において、好ましくは、少なくともろう付け接合さ れた部分に Ti— Ni— Cr合金を含む。このように構成すれば、ろう付け接合された部 分の表面に容易に Cr Oの酸ィ匕皮膜 (不働態膜)を形成することができるので、ろう
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付け接合された部分の耐酸ィ匕性を向上させることができる。また、ろう付け接合された 部分に Ti— Ni— Cr合金を含むことによって、ろう付け接合された部分に高い耐食性 を有する Ti、 Niおよび Crが含まれるので、ろう付け接合された部分の耐食性を向上 させることがでさる。
[0031] 上記 Ti— Ni— Cr合金を含むろう付け構造において、好ましくは、 Ti— Ni— Cr合金 中の Ti量と Ni量との合計を 100質量%とした場合に、 Ti Ni— Cr合金中の Ni量が 59. 5質量%以上 70. 0質量%以下である。このように構成すれば、第 3の局面のろ う付け構造を形成する際に、約 1220°C以下の温度で Ti— Ni— Cr合金を溶融するこ とができる。これにより、約 1220°C以上の高温を出力させる特別な炉を用いることなく 、第 3の局面のろう付け構造を形成することができる。
[0032] この場合、好ましくは、 Ti Ni— Cr合金中の Ti量と Ni量との合計を 100質量%とし た場合に、 Ti— Ni— Cr合金中の Ni量が 64. 4質量%近傍の量である。このように構 成すれば、ろう付け後の Ti— Ni— Cr合金中で共晶組成の Ti - Ni合金を得ることが できるので、 Ti— Ni合金の共晶温度である 1110°Cにおいて、液相状態である Ti— Ni— Cr合金中の Tiおよび Niを、固液共存の状態を介さず、固相状態に変化させる ことができる。このため、 Ti— Ni— Cr合金の温度を共晶温度 1110°Cより低下させる ことにより、容易に、固体ィ匕させることができる。また、ろう付け接合する過程において 、固液共存の状態が存在しないので、 Ti— Ni— Cr合金が固液共存状態の場合と異 なり、 Ti— Ni— Cr合金の流動性 (濡れ性)が低下するのを抑制することができる。そ の結果、 Ti— Ni— Cr合金力もなるろう材を、容易に、接合部に流動させることができ る。
[0033] この第 3の局面によるろう付け構造において、好ましくは、 1 ^ 0:合金の0:の
含有率は、 11質量%以上である。このように構成すれば、 Ti— Ni— Cr合金に十分 な量の Crが含まれるので、ろう付け接合された部分の表面に十分な厚みを有する Cr Oの酸ィ匕皮膜 (不働態膜)を生成することができる。これにより、ろう付け接合された
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部分の耐酸ィ匕性をより向上させることができる。
[0034] 上記第 3の局面によるろう付け構造において、好ましくは、ろう付け接合された部分 は、 Moまたは Coのうちの少なくとも一方を含有する。このように構成すれば、接合部 の表面の Cr濃度を増加するとともに、接合部の表面に Cr Oの酸化皮膜をより十分
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に形成することができるので、ろう付け接合による接合部の耐酸化性をより向上させる ことができる。
[0035] 上記ろう付け接合された部分が Moまたは Coのうちの少なくとも一方を含有するろう 付け構造において、好ましくは、ろう付け接合された部分は、 2. 0質量%以上 4. 5質 量%以下の Moを含有する。このように構成すれば、接合部の耐酸化性を、十分かつ 効果的に向上させることができる。
[0036] 上記ろう付け接合された部分が Moまたは Coのうちの少なくとも一方を含有するろう 付け構造において、好ましくは、ろう付け接合された部分は、 2. 0質量%以上 10. 0 質量%以下の Coを含有する。このように構成すれば、接合部の耐酸化性を、十分か つ効果的に向上させることができる。
図面の簡単な説明
[0037] [図 1]本発明の第 1実施形態によるろう材の構成を示した断面図である。
[図 2]図 1に示した第 1実施形態によるろう材を用いて形成された熱交換器を部分的 に示した断面図である。
[図 3]図 2に示した第 1実施形態による熱交換器の接合部を示した拡大断面図である [図 4]Ni—Ti系合金の状態図である。
[図 5]図 1に示した第 1実施形態によるろう材の共晶反応を説明するための模式図で ある。
[図 6]図 1に示した第 1実施形態によるろう材の共晶反応を説明するための模式図で ある。
[図 7]図 1に示した第 1実施形態によるろう材の共晶反応を説明するための模式図で ある。
[図 8]図 2に示した第 1実施形態による熱交換器を形成する際のろう付け接合の工程 を説明するための断面図である。
[図 9]図 2に示した第 1実施形態による熱交換器を形成する際のろう付け接合の工程 を説明するための断面図である。
[図 10]本発明の第 2実施形態によるろう付け用複合材の構成を示した断面図である。
[図 11]図 10に示した第 2実施形態による熱交 を形成する際のろう付け接合のェ 程を説明するための断面図である。
[図 12]図 10に示した第 2実施形態による熱交翻を形成する際のろう付け接合のェ 程を説明するための断面図である。
[図 13]本発明の第 3実施形態によるろう材の構成を示した断面図である。
[図 14]図 13に示した第 3実施形態によるろう材を用いて形成された熱交 を部分 的に示した断面図である。
[図 15]本発明の第 4実施形態によるろう付け用複合材の構成を示した断面図である。
[図 16]本発明の変形例によるろう付け用複合材の構成を示した断面図である。
発明を実施するための最良の形態
[0038] 以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[0039] (第 1実施形態)
まず、図 1を参照して、本発明の第 1実施形態によるろう材 1の構成について説明す る。
[0040] 第 1実施形態によるろう材 1は、図 1に示すように、 Ni— Cr合金層 2と、 Ni— Cr合金 層 2の一方面側に配置される Ti層 3aと、 Ni Cr合金層 2の他方面側に配置される Ti 層 3bと、 Ni— Cr合金層 2と Ti層 3aとの間に配置される Ni層 4aと、 Ni— Cr合金層 2と Ti層 3bとの間に配置される Ni層 4bとを有している。また、 Ni層 4aおよび 4bは、 Ni— Cr合金層 2に圧延接合されている。また、 Ti層 3aおよび 3bは、 Ni— Cr合金層 2に圧 延接合された Ni層 4aおよび 4bに圧延接合されている。また、圧延接合として、たとえ ば、熱間圧接、冷間圧接および真空圧接などを用いることが可能である。なお、 Ni—
Cr合金層 2は、本発明の「Ni— Crろう付け層」の一例である。また、 Ti層 3aは、本発 明の「Tiろう付け層」および「第 ITiろう付け層」の一例であり、 Ti層 3bは、本発明の「 Tiろう付け層」および「第 2Tiろう付け層」の一例である。また、 Ni層 4aは、本発明の「 Niろう付け層」および「第 INiろう付け層」の一例であり、 Ni層 4bは、本発明の「Niろ う付け層」および「第 2Niろう付け層」の一例である。
[0041] また、 Ni—Cr合金層 2は、 Niと Crとのみから構成されている。この Ni—Cr合金層 2 の Crの含有率は、約 20質量%以上約 40質量%以下である。また、 Ti層 3aおよび 3 bは、純 Tiのみ力 構成されている。また、 Ti層 3aおよび 3bは、それぞれ、 tlの厚み を有している。また、 Ni層 4aおよび 4bは、純 Niのみ力も構成されている。また、 Ni層 4aおよび 4bは、それぞれ、 t2の厚みを有している。
[0042] ここで、第 1実施形態では、 Ti層 3a中の Ti量と、 Ni層 4a中の Ni量との合計を 100 質量%とした場合に、 Ni層 4a中の Ni量が 21. 5質量%以上 37. 5質量%以下であり 、好ましくは、ろう付け時の初期段階での Ti Ni合金の共晶組成となる約 28. 3質量 %である。また、 Ti層 3b中の Ti量と、 Ni層 4b中の Ni量との合計を 100質量%とした 場合に、 Ni層 4b中の Ni量が 21. 5質量%以上 37. 5質量%以下であり、好ましくは 、ろう付け時の初期段階での Ti Ni合金の共晶組成となる約 28. 3質量%である。 また、 Ti層 3aおよび 3bの厚み tlと、 Ni層 4aおよび 4bの厚み t2との比 t2Ztlは、 1 Z8以上 2Z7以下であり、好ましくは、約 1Z5である。
[0043] 次に、図 2および図 3を参照して、本発明の第 1実施形態によるろう材 1を用いて形 成された熱交翻 100の構成について説明する。なお、第 1実施形態では、本発明 のろう付け構造を、熱交 lOOに適用した例について説明する。
[0044] 第 1実施形態によるろう材 1を用いて形成された熱交 lOOは、図 2に示すように 、ステンレス鋼により形成された一対のプレート 11と、ステンレス鋼により形成された 6 つの波形状のフィン 12と、ステンレス鋼により形成された 5つのプレート 13とを備えて いる。なお、プレート 13は、本発明の「基板」の一例である。また、ステンレス鋼として 、フェライト系ステンレス鋼である SUS410および SUS430やオーステナイト系ステン レス鋼である SUS304および SUS316などを用いることが可能である。一対のプレ ート 11は、熱交換器 100の外枠を構成している。また、 6つのフィン 12および 5つの
プレート 13は、一対のプレート 11の間に交互に積層するように配置されている。熱交 ^^100の内部は、 5つのプレート 13により 6つの層に分割されており、 6つの層の 中を排ガスと水とがー層おきに交互に流れるように構成されている。また、フィン 12は 、 6つの層の中を流れる排ガスおよび水の流速を遅くするために設けられて 、る。
[0045] ここで、第 1実施形態では、熱交^^ 100は、フィン 12とプレート 13および 11との 間に、後述するろう付け接合により形成された Ti— Ni-Cr合金 laを含んでいる。つ まり、隣り合うフィン 12の間には、プレート 13および一対の Ti— Ni— Cr合金 laが形 成されるとともに、プレート 11とフィン 12との間には、 Ti— Ni— Cr合金 laが形成され ている。この Ti—Ni—Cr合金 laは、図 3に示すように、フィン 12の屈曲部の外周面と 、プレート 13および 11 (図 2参照)とを接合するための機能を有している。なお、 Ti— Ni— Cr合金 laの Crの含有率は、約 11質量%以上である。また、 Ti—Ni—Cr合金 la中の Ti量と Ni量との合計を 100質量%とした場合に、 Ti Ni— Cr合金 la中の Ni 量は、 59. 5%質量%以上 70. 0質量%以下であり、好ましくは、ろう付け後の Ti N i— Cr合金 la中の Ti— Ni合金の共晶組成となる約 64. 4質量%である。また、第 1実 施形態では、熱交換器 100 (図 2参照)の内部を流れる排ガスの温度は約 700°Cで ある。そして、熱交^^ 100の内部に形成された 6つの層の中を一層おきに交互に 流れる排ガスと水と力 プレート 13および一対の Ti— Ni— Cr合金 1 aを介して熱交換 を行うことにより、排ガスの熱が水に伝達されるので、水が暖められて温水になる。
[0046] 図 2〜図 7を参照して、第 1実施形態のろう材 1により熱交換器 100を形成する際に 、利用される共晶反応について説明する。なお、共晶反応とは、 2種類以上の合金を 溶融状態から冷却する場合、または、固体状態から溶融する場合、 2種類以上の固 相が同時に析出凝固、または、溶融する反応である。
[0047] ここで、 Ni— Ti系合金の状態について説明する。ろう付け時の初期段階およびろう 付け後の Ni—Ti系合金の共晶点の温度は、それぞれ、図 4に示すように、約 955°C および約 1110°Cである。また、ろう付けの初期段階の約 955°Cでの Ni—Ti系合金 の共晶組成 elは、約 28. 3質量%Ni 約 71. 7質量%Tiであり、ろう付け後の約 11 10°Cでの Ni— Ti系合金の共晶組成 e2は、約 64. 4質量%Ni 約 35. 6質量%Ti である。また、ろう付けの初期段階において、約 1220°C以下の状態で溶融し、かつ、
Ti Niからなる金属間化合物が生じない組成範囲は、約 21. 5質量%Ni—約 78. 5
2
質量%Ti (bel)〜約 37. 5質量%Ni 約 62. 5質量% (ael)であることが示されて いる。また、ろう付け後において、約 1220°C以下の状態で溶融する組成範囲は、約 59. 5質量0 /oNi—約 40. 5質量0 /0Ti(be2)〜約 70. 0質量0 /0Ni—約 30. 0質量0 /0 ( ae2)であることが示されている。つまり、第 1実施形態では、ろう付けの初期段階での Ti— Ni合金の共晶組成 elを含む bel〜aelの範囲に基づいて、 Tifi3a (3b)中の 1量と?^層4& (41))中の Ni量との合計を 100質量%とした場合の Ni層 4a (4b)中の Ni量を、上記した約 21. 5質量%以上 37. 5質量%としている。また、ろう付け後の Ti — Ni— Cr合金 la (図 2および図 3参照)中の Ti— Ni合金の共晶組成 e2を含む be2 〜ae2の範囲に基づ!/、て、 Ti Ni— Cr合金 1 a中の Ti量と Ti Ni— Cr合金 1 a中の Ni量との合計を 100質量%とした場合の Ti Ni— Cr合金 1 a中の Ni量を、上記した 約 59. 5質量%以上 70. 0質量%以下としている。
[0048] 第 1実施形態によるろう付けの原理としては、図 5に示す Ni— Cr合金層 2と、 Ni— C r合金層 2の一方面側および他方面側にそれぞれ配置された Ni層 4aおよび 4bと、 N i層 4aおよび 4bの外表面にそれぞれ配置された Ti層 3aおよび 3bと力もなるろう材を 、約 1220°C以下に加熱する。これにより、まず、ろう付けの初期段階では、図 5に示 したろう材の表面側に位置する bel〜ael (図 4参照)の組成範囲にある Ti層 3a (3b) と Ni層 4a (4b)とが反応するとともに溶融することによって、図 6に示すような Ti— Ni 液相 lbが形成される。次に、溶融状態である Ti—Ni液相 lbが、 Ni— Cr合金層 2と 反応して、図 7に示すような Ti—Ni— Cr液相 lcが形成される。この際、 Ti—Ni液相 1 bには、 Ni— Cr合金層 2の Niが溶融する。このため、 Ti—Ni液相 lb中の Ni量が増 大するので、ろう付け後の 1 ー?^ 0:液相1じの?^量と1量との組成比が、 be2〜a e2 (図 4参照)の組成範囲となる。その後、溶融状態の Ti—Ni— Cr液相 lcの温度を 1110°Cまで低下させることにより、図 7に示した Ti—Ni— Cr液相 lcが、 Ti— Ni— Cr 合金 la (図 2および図 3参照)に変化する。
[0049] 図 1〜図 9を参照して、本発明の第 1実施形態によるろう材 1を用いて行われるろう 付け接合について説明する。
[0050] まず、プレート 11 (図 2参照)とフィン 12 (図 2参照)との間にろう材 1 (図 1参照)を配
置するとともに、図 8に示すように、フィン 12とプレート 13との間にろう材 1を配置する 。このとき、フィン 12の屈曲部の外周面と、ろう材 1を構成する Ti層 3aとが接触してい るとともに、プレート 13と、ろう材 1を構成する Ti層 3bとが接触している。この状態から 、不活性ガス中または真空中で約 1110°C以上約 1220°C以下の温度で約 10分間 加熱される。
[0051] この際、ろう付けの初期段階では、まず、図 9に示すように、ろう材 1 (図 1および図 5 参照)を構成する 1層 3a (Ti層 3b)と Ni層 4a (Ni層 4b)とが固相状態から液相状態 に変化して Ti—Ni液相 lb (図 6参照)(組成範囲: bel〜ael (図 4参照))が形成され る。この後、液相状態である Ti— Ni液相 lbが、 Ni-Cr合金層 2と反応して、 be2〜a e2 (図 4参照)の組成範囲にある Ti—Ni— Cr液相 lc (図 7参照)を形成する。そして 、ろう付け後に温度が低下することによって、!!ー^ーじ!:液相:^の温度が低下する と、 Ti— Ni— Cr液相 lcが液相状態から固相状態である be2〜ae2 (図 4参照)の組 成範囲にある Ti—Ni— Cr合金 la (図 2および図 3参照)に変化する。その結果、フィ ン 12の屈曲部の外周面とプレート 13および 11と力 Ti—Ni— Cr合金 laによりろう 付け接合されるので、図 2に示した熱交換器 100が形成される。
[0052] 第 1実施形態では、上記のように、 Ni— Cr合金層 2と、 Ti層 3aおよび 3bと、 Ni層 4a および 4bとによりろう材を構成することによって、ろう付け接合による接合部に Ti—Ni — Cr合金 laが形成されるので、接合部の表面に容易に Cr Oの酸化皮膜 (不働態
2 3
膜)を形成することができる。これにより、ろう付け接合による接合部の耐酸化性を向 上させることができる。
[0053] また、第 1実施形態では、 Ni— Cr合金層 2と、 Ti層 3aおよび 3bと、 Ni層 4aおよび 4 bとによりろう材を構成することによって、ろう付け接合による接合部に高い耐食性を 有する Ti、 Niおよび Crが含まれるので、ろう付け接合による接合部の耐食性を向上 させることがでさる。
[0054] また、第 1実施形態では、 Ni層 4a (Ni層 4b)を Ni— Cr合金層 2と Ti層 3a (Ti層 3b) との間に配置することによって、ろう付け接合をする過程において、 Ti層 3aおよび 3b に含まれる Tiと、 Ni— Cr合金層 2に含まれる Crとが混ざり合う時間を短くすることが できる。これにより、 Ti層 3aおよび 3bに含まれる Tiと Ni— Cr合金層 2に含まれる Crと
が反応することにより脆い TiCrが生成されるのを抑制することができるので、ろう付
2
け接合による接合部が脆弱になるのを抑制することができる。
[0055] また、第 1実施形態では、 Ti層 3aおよび 3b中の Ti量と、 Ni層 4aおよび 4b中の Ni 量との合計を 100質量%とした場合に、 Ni層 4aおよび 4b中の Ni量を 21. 5質量% 以上にすることによって、約 1220°C以下の温度で Ti層 3aおよび 3bと Ni層 4aおよび 4bとを溶融することができる。これにより、約 1220°C以上の高温を出力させる特別な 炉を用いることなぐ Ti層 3aおよび 3b中の Tiと Ni層 4aおよび 4b中の Niとを溶融させ ることがでさる。
[0056] また、第 1実施形態では、 Ti層 3aおよび 3b中の Ti量と、 Ni層 4aおよび 4b中の Ni 量との合計を 100質量%とした場合に、 Ni層 4aおよび 4b中の Ni量を 37. 5質量% 以下にすることによって、 Ni量を 37. 5質量%より大きくする場合と異なり、ろう付け接 合による接合部に Ti Niからなる金属間化合物が生成されるのを抑制することができ
2
る。その結果、脆い Ti Niがろう付け接合部に形成されるのを抑制することができるの
2
で、ろう付け接合による接合部の強度が低下するのを抑制することができる。
[0057] また、第 1実施形態では、 Ti— Ni— Cr合金 la中の Ti量と Ti— Ni— Cr合金 la中の Ni量との合計を 100質量%とした場合に、 Ti Ni— Cr合金 la中の Ni量を約 64. 4 質量%にすることによって、ろう付け後の Ti— Ni— Cr合金 la中で共晶組成 e2の Ti —Ni合金を得ることができるので、 Ti— Ni合金の共晶温度である約 1110°C (図 4参 照)において、液相状態である Ti— Ni— Cr液相 lc (図 7参照)を、固液共存の状態 を介さず、固相状態の Ti—Ni—Cr合金 la (図 2および図 3参照)に変化させることが できる。このため、 Ti— Ni— Cr液相 lcの温度を共晶温度である約 1110°Cより低下さ せることにより、均一に固体ィ匕させることができる。また、ろう付け接合する過程におい て、 Ti Ni— Cr液相 lcに固液共存の状態が存在しないので、 Ti Ni— Cr液相 lc が固液共存状態の場合と異なり、!!ー^ー 液相 の流動性濡れ性)が低下する のを抑制することができる。その結果、 Ti—Ni—Cr液相 lcからなるろう材 1を、容易 に、接合部に流動させることができる。
[0058] (第 2実施形態)
図 2〜図 4および図 10〜図 12を参照して、この第 2実施形態では、上記第 1実施形
態と異なり、 3層構造力 なるろう材 51が基板 13に圧延接合されたろう付け用複合材 50について説明する。
[0059] 本発明の第 2実施形態によるろう付け用複合材 50は、図 10に示すように、ステンレ ス鋼により形成されたプレート 13と、プレート 13の一方面および他方面に圧延接合さ れた一対のろう材 51とを備えて!/、る。
[0060] ここで、第 2実施形態では、一対のろう材 51は、それぞれ、プレート 13に圧延接合 された Ni— Cr合金層 2と、 Ti層 3と、 Ni— Cr合金層 2と Ti層 3との間に配置される Ni 層 4との 3層構造により構成されている。また、 Ti層 3中の Ti量と、 Ni層 4中の Ni量と の合計を 100質量%とした場合に、 Ni層 4中の Ni量が 21. 5質量%以上 37. 5質量 %以下であり、好ましくは、ろう付け時の初期の Ti—Ni合金の共晶組成となる約 28. 3質量%である。このため、 Ni— Cr合金層 2と、 Ti層 3と、 Ni層 4との 3層構造により構 成されるろう材 51をプレート 13に圧延接合する際に、 Ti層 3と Ni層 4とが約 955°C ( 図 4参照)付近で共晶反応を起こす場合があるので、ろう材 51をプレート 13に圧延 接合する条件が約 955°C未満となる。また、オーステナイト系のステンレス鋼である S US304や SUS316の基板 13にろう材 51を圧延接合する場合には、オーステナイト 系ステンレス鋼にシグマ脆性 (脆ィ匕現象)が生じないように、約 1050°C以上で焼鈍す る必要がある。この場合、 Ti層 3と Ni層 4とが共晶反応を起こさないようにするとともに 、オーステナイト系ステンレス鋼にシグマ脆性が生じな 、ようにすることは困難である ので、この第 2実施形態では、オーステナイト系ステンレス鋼を基板 13として用いるこ とは好ましくない。したがって、この第 2実施形態では、 SUS430や SUS410などの フェライト系ステンレス鋼力もなる基板 13を用いるのが好まし 、。
[0061] そして、第 2実施形態によるろう材 51を用いて熱交 lOO (図 2参照)を形成する には、図 11に示すように、フィン 12の屈曲部に接するようにろう付け用複合材 50を配 置する。そして、上記第 1実施形態で行われたろう付け接合と同様の条件 (不活性ガ ス中または真空中で約 1110°C以上約 1220°C以下の温度で約 10分間加熱)下でろ う付け接合を行う。この際、図 11および図 12に示すように、ろう材 51を構成する Ti層 3と Ni層 4とが固相状態力 液相状態に変化して bel〜ael (図 4参照)の組成範囲 にある Ti Ni液相 51aが形成される。この後、 Ti Ni液相 51aが、 Ni— Cr合金層 2
と反応して、 be2〜ae2 (図 4参照)の組成範囲にある Ti— Ni— Cr合金 la (図 2およ び図 3参照)が形成される。そして、この Ti— Ni— Cr合金 laの温度力 共晶点である 約 1110°C (図 4参照)付近に達すると、 Ti Ni— Cr合金 1 aが溶融状態から固体状 態に変化する。その結果、フィン 12の屈曲部の外周面とプレート 11および 13と力 T i—Ni— Cr合金 laによりろう付け接合されて熱交^^が形成される。
[0062] なお、第 2実施形態の効果は、上記した第 1実施形態と同様である。
[0063] (実施例 1〜9)
次に、上記した本発明の第 1実施形態の効果 (ろう付け接合による接合部の耐酸ィ匕 性向上効果)を確認するために行った比較実験について説明する。この比較実験で は、 Ni— Cr合金層と、 Ni—Cr合金層の一方面および他方面に圧延接合された純 N i層と、純 Ni層に圧延接合された純 Tiとからなる 5層構造のろう材を用いて形成した上 記第 1実施形態に対応する実施例 1〜9によるクラッド材の反応層(ろう付け接合によ る接合部)と、上記実施例 1〜9とは異なる板厚を有するろう材を用いて形成した比較 例 1〜4によるクラッド材の反応層(ろう付け接合による接合部)との組成を比較した。 また、実施例 1〜9および比較例 1〜4によるクラッド材の反応層(ろう付け接合による 接合部)の酸ィヒ増量を算出して比較することにより、実施例 1〜9および比較例 1〜4 によるクラッド材の反応層(ろう付け接合による接合部)の耐酸ィ匕性を評価した。以下 、詳細に説明する。
[0064] [ろう材の作製]
(実施例 1)
ろう材の原料として、 Niを 60質量%と Crを 40質量%とを含む Ni— Cr合金層と、純 Ni層と、純 Ti層とを用いた。そして、 Ni—Cr合金層の一方面および他方面にそれぞ れ純 Ni層を圧延接合した後、アルゴン雰囲気下で 800°Cの温度で 1分間拡散焼鈍 を施した。そして、仕上げ圧延および焼鈍を行って、 Ni— Cr合金層および純 Ni層の 板厚をそれぞれ 25. 0 mおよび 2. 1 m〖こ調整した。さらに、 Ni—Cr合金層の両 面に圧延接合された純 Ni層にそれぞれ純 Ti層を圧延接合した後、アルゴン雰囲気 下で 800°Cの温度で 1分間拡散焼鈍を施した。そして、仕上げ圧延および焼鈍を行 つて、純 Ti層の板厚をそれぞれ 10. 4 m〖こ調整すること〖こより、純 Ti層 Z純 Ni層 Z
Ni— Cr合金層 Z純 Ni層 Z純 Ti層の 5層構造を有する実施例 1によるろう材を作製し た。このようにして、ろう付け前の純 Ti層中の Tiと、純 Ni層中の Niとの合計に対する 純 Ni層中の Niの含有率 (質量%)が共晶組成 el (約 28. 3質量%)になるとともに、 ろう付け後の Ti Ni— Cr合金中の Tiおよび Niの合計に対する Ti Ni— Cr合金中 の Niの含有率 (質量%)が共晶組成 e2 (約 64. 4質量%)になるようにした。
[0065] (実施例 2)
仕上げ圧延および焼鈍を行うことにより、 Ni— Cr合金層、純 Ni層および純 Ti層の それぞれの板厚を、 23. 4 /ζ πι、 1. 6 /z mおよび 11. 7 mに調整したこと以外は、 上記実施例 1と同様にして純 Ti層 Z純 Ni層 /Ni Cr合金層 Z純 Ni層 Z純 Ti層の 5層構造を有する実施例 2によるろう材を作製した。このようにして、ろう付け前の純 Ti 層中の Tiと、純 Ni層中の Niとの合計に対する純 Ni層中の Niの含有率(質量%)が b el (約 21. 5質量0 /0)になるとともに、ろう付け後の Ti— Ni— Cr合金中の Tiおよび Ni の合計に対する Ti— Ni— Cr合金中の Niの含有率(質量%)力 e2 (約 59. 5質量% )になるようにした。
[0066] (実施例 3)
仕上げ圧延および焼鈍を行うことにより、 Ni— Cr合金層、純 Ni層および純 Ti層の それぞれの板厚を、 30. 2 /ζ πι、 1. 2 mおよび 8. 7 mに調整したこと以外は、上 記実施例 1と同様にして純 Ti層 Z純 Ni層 ZNi— Cr合金層 Z純 Ni層 Z純 Ti層の 5 層構造を有する実施例 3によるろう材を作製した。このようにして、ろう付け前の純 Ti 層中の Tiと、純 Ni層中の Niとの合計に対する純 Ni層中の Niの含有率(質量%)が b el (約 21. 5質量0 /0)になるとともに、ろう付け後の Ti— Ni— Cr合金中の Tiおよび Ni の合計に対する Ti Ni— Cr合金中の Niの含有率(質量%)が ae2 (約 70. 0質量% )になるようにした。
[0067] (実施例 4)
仕上げ圧延および焼鈍を行うことにより、 Ni— Cr合金層、純 Ni層および純 Ti層の それぞれの板厚を、 19. 2 /ζ πι、 3. 4 mおよび 12. 0 mに調整したこと以外は、 上記実施例 1と同様にして純 Ti層 Z純 Ni層 ZNi Cr合金層 Z純 Ni層 Z純 Ti層の 5層構造を有する実施例 4によるろう材を作製した。このようにして、ろう付け前の純 Ti
層中の Tiと、純 Ni層中の Niとの合計に対する純 Ni層中の Niの含有率(質量%)が a el (約 37. 5質量0 /0)になるとともに、ろう付け後の Ti— Ni— Cr合金中の Tiおよび Ni の合計に対する Ti— Ni— Cr合金中の Niの含有率(質量%)力 e2 (約 59. 5質量% )になるようにした。
[0068] (実施例 5)
仕上げ圧延および焼鈍を行うことにより、 Ni— Cr合金層、純 Ni層および純 Ti層の それぞれの板厚を、 26. 8 m、 2. 5 mおよび 9. 1 μ mに調整したこと以外は、上 記実施例 1と同様にして純 Ti層 Z純 Ni層 ZNi— Cr合金層 Z純 Ni層 Z純 Ti層の 5 層構造を有する実施例 5によるろう材を作製した。このようにして、ろう付け前の純 Ti 層中の Tiと、純 Ni層中の Niとの合計に対する純 Ni層中の Niの含有率(質量%)が a el (約 37. 5質量0 /0)になるとともに、ろう付け後の Ti— Ni— Cr合金中の Tiおよび Ni の合計に対する Ti Ni— Cr合金中の Niの含有率(質量%)が ae2 (約 70. 0質量% )になるようにした。
[0069] (実施例 6)
ろう材の原料として、 Niを 80質量%と Crを 20質量%とを含む Ni - Cr合金層を用 いるとともに、仕上げ圧延および焼鈍を行うことにより、 Ni-Cr合金層、純 Ni層およ び純 Ti層のそれぞれの板厚を、 21. 6 /ζ πι、 2. 4 mおよび 11. 8 mに調整したこ と以外は、上記実施例 1と同様にして純 Ti層 Z純 Ni層 ZNi— Cr合金層 Z純 Ni層 Z 純 Ti層の 5層構造を有する実施例 6によるろう材を作製した。このようにして、ろう付け 前の純 Ti層中の Tiと、純 Ni層中の Niとの合計に対する純 Ni層中の Niの含有率(質 量%)が共晶組成 el (約 28. 3質量%)になるとともに、ろう付け後の Ti— Ni— Cr合 金中の Tiおよび Niの合計に対する Ti Ni— Cr合金中の Niの含有率(質量%)が共 晶組成 e2 (約 64. 4質量%)になるようにした。
[0070] (実施例 7)
ろう材の原料として、 Niを 80質量%と Crを 20質量%とを含む Ni - Cr合金層を用 いるとともに、仕上げ圧延および焼鈍を行うことにより、 Ni-Cr合金層、純 Ni層およ び純 Ti層のそれぞれの板厚を、 20. 6 /ζ πι、 1. 8 /z mおよび 12. 9 mに調整したこ と以外は、上記実施例 1と同様にして純 Ti層 Z純 Ni層 ZNi— Cr合金層 Z純 Ni層 Z
純 Ti層の 5層構造を有する実施例 7によるろう材を作製した。このようにして、ろう付け 前の純 Ti層中の Tiと、純 Ni層中の Niとの合計に対する純 Ni層中の Niの含有率(質 量0 /0)が bel (約 21. 5質量0 /0)になるとともに、ろう付け後の Ti— Ni— Cr合金中の Ti および Niの合計に対する Ti Ni— Cr合金中の Niの含有率(質量%)が be2 (約 59 . 5質量%)になるようにした。
[0071] (実施例 8)
ろう材の原料として、 Niを 80質量%と Crを 20質量%とを含む Ni - Cr合金層を用 いるとともに、仕上げ圧延および焼鈍を行うことにより、 Ni-Cr合金層、純 Ni層およ び純 Ti層のそれぞれの板厚を、 26. 6 m、 1. 4 mおよび 10. 3 mに調整したこ と以外は、上記実施例 1と同様にして純 Ti層 Z純 Ni層 ZNi— Cr合金層 Z純 Ni層 Z 純 Ti層の 5層構造を有する実施例 8によるろう材を作製した。このようにして、ろう付け 前の純 Ti層中の Tiと、純 Ni層中の Niとの合計に対する純 Ni層中の Niの含有率(質 量0 /0)が bel (約 21. 5質量0 /0)になるとともに、ろう付け後の Ti— Ni— Cr合金中の Ti および Niの合計に対する Ti Ni— Cr合金中の Niの含有率(質量%)が ae2 (約 70 . 0質量%)になるようにした。
[0072] (実施例 9)
ろう材の原料として、 Niを 80質量%と Crを 20質量%とを含む Ni - Cr合金層を用 いるとともに、仕上げ圧延および焼鈍を行うことにより、 Ni-Cr合金層、純 Ni層およ び純 Ti層のそれぞれの板厚を、 23. 2 m、 2. 9 mおよび 10. 5 mに調整したこ と以外は、上記実施例 1と同様にして純 Ti層 Z純 Ni層 ZNi— Cr合金層 Z純 Ni層 Z 純 Ti層の 5層構造を有する実施例 9によるろう材を作製した。このようにして、ろう付け 前の純 Ti層中の Tiと、純 Ni層中の Niとの合計に対する純 Ni層中の Niの含有率(質 量%)が ael (約 37. 5質量%)になるとともに、ろう付け後の Ti— Ni— Cr合金中の Ti および Niの合計に対する Ti Ni— Cr合金中の Niの含有率(質量%)が ae2 (約 70 . 0質量%)になるようにした。
[0073] (比較例 1)
ろう材の原料として、 Niを 80質量%と Crを 20質量%とを含む Ni - Cr合金層を用 いるとともに、仕上げ圧延および焼鈍を行うことにより、 Ni-Cr合金層、 Ni層および T
i層のそれぞれの板厚を、 16. 4 /ζ πι、 3. 7 mおよび 13. 1 mに調整したこと以外 は、上記実施例 1と同様にして純 Ti層 Z純 Ni層 /Ni Cr合金層 Z純 Ni層 Z純 Ti 層の 5層構造を有する比較例 1によるろう材を作製した。このようにして、ろう付け前の 純 Ti層中の Tiと、純 Ni層中の Niとの合計に対する純 Ni層中の Niの含有率(質量% )が ael (約 37. 5質量%)になるとともに、ろう付け後の Ti— Ni— Cr合金中の Tiおよ び Niの合計に対する Ti Ni— Cr合金中の Niの含有率(質量0 /0)力 e2 (約 59. 5質 量%)になるようにした。
[0074] (比較例 2)
ろう材の原料として、 Niを 60質量%と Crを 40質量%とを含む Ni— Cr合金層を用 いるとともに、仕上げ圧延および焼鈍を行うことにより、 Ni-Cr合金層、 Ni層および T i層のそれぞれの板厚を、 27. 4 /ζ πι、 1. および 10. 1 mに調整したこと以外 は、上記実施例 1と同様にして純 Ti層 Z純 Ni層 /Ni Cr合金層 Z純 Ni層 Z純 Ti 層の 5層構造を有する比較例 2によるろう材を作製した。このようにして、ろう付け前の 純 Ti層中の Tiと、純 Ni層中の Niとの合計に対する純 Ni層中の Niの含有率(質量% )が bel (約 21. 5質量%)未満になるとともに、ろう付け後の Ti— Ni— Cr合金中の Ti および Niの合計に対する Ti— Ni— Cr合金中の Niの含有率 (質量%)が共晶組成 e 2 (約 64. 4質量%)になるようにした。
[0075] (比較例 3)
ろう材の原料として、 Niを 60質量%と Crを 40質量%とを含む Ni— Cr合金層を用 いるとともに、仕上げ圧延および焼鈍を行うことにより、 Ni-Cr合金層、 Ni層および T i層のそれぞれの板厚を、 30. 8 /ζ πι、 1. 6 mおよび 8. 0 mに調整したこと以外 は、上記実施例 1と同様にして純 Ti層 Z純 Ni層 /Ni Cr合金層 Z純 Ni層 Z純 Ti 層の 5層構造を有する比較例 3によるろう材を作製した。このようにして、ろう付け前の 純 Ti層中の Tiと、純 Ni層中の Niとの合計に対する純 Ni層中の Niの含有率(質量% )が共晶組成 el (約 28. 3質量%)になるとともに、ろう付け後の Ti— Ni— Cr合金中 の Tiおよび Niの合計に対する Ti—Ni— Cr合金中の Niの含有率(質量%)が ae2 ( 約 70. 0質量%)より大きくなるようにした。
[0076] (比較例 4)
ろう材の原料として、 Niを 60質量%と Crを 40質量%とを含む Ni - Cr合金層を用 いるとともに、仕上げ圧延および焼鈍を行うことにより、 Ni-Cr合金層、 Ni層および T i層のそれぞれの板厚を、 18.8/im、 2. および 13.0 mに調整したこと以外 は、上記実施例 1と同様にして純 Ti層 純 Ni層 ZNi— Cr合金層 純 Ni層 Z純 Ti 層の 5層構造を有する比較例 2によるろう材を作製した。このようにして、ろう付け前の 純 Ti層中の Tiと、純 Ni層中の Niとの合計に対する純 Ni層中の Niの含有率(質量% )が共晶組成 el (約 28. 3質量%)になるとともに、ろう付け後の Ti— Ni— Cr合金中 の Tiおよび Niの合計に対する Ti— Ni— Cr合金中の Niの含有率(質量。 /。)力 ¾e2 ( 約 59. 5質量%)未満になるようにした。
[0077] ここで、上記したろう材の各層の板厚( m)と、ろう材の各層の板厚に基づ ヽて計 算された純 1層と純 Ni層との組成 (質量%)比との対応関係を以下の表 1〜表 3に示 す。なお、表 1に示す実施例 1〜5では、 40%Cr— Ni合金層を用いる一方、表 2に 示す実施例 6〜9では、 20%Cr— Ni合金層を用いた。また、表 3中の比較例 1では、 20%Cr— Ni合金層を用いるとともに、比較例 2〜4では、 40%Cr— Ni合金層を用 いた。
[0078] [表 1] 各層の板厚( m) 純 Ti層と純 Ni層との比 (質量0 /0) 純 Ti層 純 Ni層 40<½Cr-Ni合金層純 Ni層 純 Ti層 純 Ti層 純 Ni層 実施例 1 10.4 2.1 25.0 2.1 10.4 71.7 28.3 実施例 2 11.7 1.6 23.4 1.6 11.7 78.7 21.3 実施例 3 8.7 1.2 30.2 1.2 8.7 78.6 21.4 実施例 4 12.0 3.4 19.2 3.4 12.0 64.1 35.9 実施例 5 9.1 2.5 26.8 2.5 9.1 64.7 35.3
[0079] [表: ] 各層の板厚 ( m) 純 Ti層と純 Ni層との比 (質量%) 純 Ti層 純 Ni層 20%Cr-Ni合金層純 Ni層 純 Ti層 純 Ti層 純 Ni層 実施例 6 11.8 2.4 21.6 2.4 11.8 71.3 28.7 実施例 7 12.9 1.8 20.6 1.8 12.9 78.4 21.6 実施例 8 10.3 1.4 26.6 1.4 10.3 78.8 21.2 実施例 9 10.5 2.9 23.2 2.9 10.5 64.7 35.3
[0080] [表 3]
[0081] [クラッド材の反応層の組成分析]
(実施例 1〜 9および比較例 1〜4に共通)
次に、上記のようにして作製した実施例 1〜9および比較例 1〜4によるろう材を反 応させて得られたクラッド材の反応層の組成を分析した。具体的には、実施例 1〜9 および比較例 1〜4によるろう材を所定の条件 (温度:約 1220°C、時間: 10分)で反 応させた。そして、上記反応により得られたクラッド材の反応層を上記第 1実施形態に よるろう付け接合による接合部と見なし、その反応層の断面を樹脂で埋め込んだ後、 研磨を行った。そして、反応層の断面における Ni、 Crおよび Tiの含有率 (質量%)を 、 EPMA (電子線マイクロアナリシス)を用いて分析した。さらに、実験によって得られ たクラッド材の反応層の Tiと Niとの糸且成 (質量%)比を分析した。その結果を以下の 表 4〜表 6に示す。
[0082] [表 4]
[0083] [表 5]
反応層の組成 (質量 ¾)比 反応層の Tiと N iとの組成 (質量%)比
Ti Cr Ni Ti Ni 実施例 6 31 .3 1 1 .2 57.5 35.3 64.7 実施例 7 35.2 1 1.0 53.8 39.6 60.4 実施例 8 26.5 13.3 60.2 30.5 69.5 実施例 9 27.0 1 1 .7 61 .3 30.5 69.5
[0084] [表 6]
[0085] 表 4を参照して、実施例 1によるろう材を反応させて得られた反応層の組成 (質量% )比は、 Tiが 26. 7質量%、 Crが 25. 0質量%、 Niが 48. 3質量%であった。また、実 施例 1による反応層の Tiと Niとの組成比は、 35. 6質量%: 64. 4質量%であり、共晶 組成 e2 (図 4参照)となった。また、実施例 2によるろう材を反応させて得られた反応 層の組成(質量%)比は、 Tiが 31. 0質量%、 が 24. 3質量%、^が 44. 7質量% であった。また、実施例 2による反応層の Tiと Niとの糸且成比は、 40. 9質量%: 59. 1 質量%であり、ほぼ be2 (図 4参照)の組成となった。また、実施例 3によるろう材を反 応させて得られた反応層の組成 (質量%)比は、 Tiが 21. 4質量%、Crが 29. 1質量 %、 Niが 49. 5質量0 /。であった。また、実施例 3による反応層の Tiと Niとの組成比は 、 30. 2質量%: 69. 8質量%であり、ほぼ ae2 (図 4参照)の組成となった。また、実施 例 4によるろう材を反応させて得られた反応層の組成 (質量%)比は、 Tiが 32. 0質量 %、 Crが 20. 0質量0 /0、 Niが 48. 0質量%であった。また、実施例 4による反応層の Tiと Niとの組成比は、 40. 0質量%: 60. 0質量%であり、ほぼ be2 (図 4参照)の組 成となった。また、実施例 5によるろう材を反応させて得られた反応層の組成 (質量% )比は、 Tiが 22. 6質量0 /0、 Crが 26. 0質量%、 Niが 51. 4質量%であった。また、実 施例 5による反応層の Tiと Niとの組成比は、 30. 6質量%: 69. 4質量%であり、ほぼ ae2 (図 4参照)の糸且成となった。
[0086] また、上記表 5を参照して、実施例 6によるろう材を反応させて得られた反応層の組 成(質量%)比は、 Tiが 31. 3質量%、Crが 11. 2質量%、 Niが 57. 5質量%であつ た。また、実施例 6による反応層の Tiと Niとの糸且成比は、 35. 3質量%: 64. 7質量% であり、ほぼ共晶組成 e2 (図 4参照)となった。また、実施例 7によるろう材を反応させ て得られた反応層の組成(質量%)比は、 Tiが 35. 2質量%、Crが 11. 0質量%、 Ni 力 3. 8質量%であった。また、実施例 7による反応層の Tiと Niとの組成比は、 39. 6 質量0 /0 : 60. 4質量%であり、ほぼ be2 (図 4参照)の組成となった。また、実施例 8に よるろう材を反応させて得られた反応層の組成 (質量%)比は、 Tiが 26. 5質量%、 C rが 13. 3質量%、 Niが 60. 2質量%であった。また、実施例 8による反応層の Tiと Ni との糸且成比は、 30. 5質量0 /0 : 69. 5質量%であり、ほぼ ae2 (図 4参照)の糸且成となつ た。また、実施例 9によるろう材を反応させて得られた反応層の組成 (質量%)比は、 Tiが 27. 0質量%、 Crが 11. 7質量%、 Niが 61. 3質量%であった。また、実施例 9 による反応層の Tiと Niとの組成比は、 30. 5質量0 /0 : 69. 5質量%であり、ほぼ ae2 ( 図 4参照)の組成となった。これにより、実施例 1〜9によるろう材を反応させて得られ た反応層の組成から、反応層は Ti - Ni— Cr合金力もなることが判明した。
[0087] また、上記表 6を参照して、比較例 1によるろう材を反応させて得られた反応層の組 成(質量%)比は、 Tiが 35. 9質量%、Crが 8. 8質量%、 Niが 55. 3質量%であった 。これにより、比較例 1によるろう材を反応させて得られた反応層の組成から、反応層 は Crを 8. 8質量%含む Ti— Ni— Cr合金力もなることが判明した。なお、比較例 1に よる反応層の Tiと Niとの組成比は、 39. 4質量0 /0 : 60. 6質量%であり、ほぼ be2 (図 4参照)の組成となった。また、比較例 2によるろう材を反応させて得られた反応層は、 約 1220°C以下(図 4参照)では、溶融しないことが判明した。また、比較例 3によるろ ぅ材を反応させて得られた反応層は、約 1220°C以下(図 4参照)では、 Ni-Cr合金 層が融け残ることが判明した。また、比較例 4によるろう材を反応させて得られた反応 層には、 Ti N もなる金属間化合物が析出していることが判明した。
2
[0088] [耐酸化性評価試験]
(実施例 1〜 9および比較例 1〜4に共通)
また、上記実施例 1〜9および比較例 1によるろう材を反応させて得られた反応層(
ろう付け接合による接合部)の耐酸ィ匕性を評価するための酸ィ匕試験を行った。具体 的には、実施例 1〜9および比較例 1によるろう材を反応させて得られた反応層を 50 mm X 50mm角に切り出し、酸化試験前の反応層の重量を測定した後、大気中で 7 00°Cの温度で 100時間加熱した。そして、酸化試験後の反応層の重量を測定し、酸 化試験前後における反応層の重量の変化力 反応層の酸ィ匕増量を算出するととも に、反応層の耐酸化性を評価した。また、比較例 5および 6として、上記実施例 1〜9 および比較例 1によるろう材を反応させて得られた反応層に対して行った酸ィヒ試験を SUS316Lおよび SUS304に対しても行った。すなわち、 it較伊 [J5による SUS316L および比較例 6による SUS304を 50mm X 50mm角に切り出し、酸化試験前の重量 を測定した後、大気中で 700°Cの温度で 100時間加熱した。そして、酸化試験後の 重量を測定し、酸化試験前後の重量の変化から酸化増量を算出した。以上の結果を 表 7に示す。なお、比較例 2〜4については、反応層が均一に混ざらな力つたため、 酸ィ匕試験を行っていない。
[0089] [表 7]
[0090] 上記表 7を参照して、実施例 1によるろう材を反応させて得られた Tiを 26. 7質量%
、 Crを 25. 0質量%、 Niを 48. 3質量%の割合で含有する反応層の酸化試験前後 における酸ィ匕増量は、 0. 042mg/cm2であった。また、実施例 2によるろう材を反応 させて得られた Tiを 31. 0質量%、Crを 24. 3質量%、 Niを 44. 7質量%の割合で 含有する反応層の酸ィ匕試験前後における酸ィ匕増量は、 0. 050mgZcm2であった。 また、実施例 3によるろう材を反応させて得られた Tiを 21. 4質量%、 Crを 29. 1質量 %、 Niを 49. 5質量%の割合で含有する反応層の酸化試験前後における酸化増量 は、 0. 031mgZcm2であった。また、実施例 4によるろう材を反応させて得られた Ti を 32. 0質量%、 Crを 20. 0質量%、 Niを 48. 0質量%の割合で含有する反応層の 酸ィ匕試験前後における酸ィ匕増量は、 0. 063mgZcm2であった。また、実施例 5によ るろう材を反応させて得られた Tiを 22. 6質量%、 Crを 26. 0質量%、 Niを 51. 4質 量%の割合で含有する反応層の酸ィ匕試験前後における酸ィ匕増量は、 0. 049mg/ cm あつ 7こ。
[0091] また、実施例 6によるろう材を反応させて得られた Tiを 31. 3質量%、 Crを 11. 2質 量%、 Niを 57. 5質量%の割合で含有する反応層の酸化試験前後における酸化増 量は、 0. 213mgZcm2であった。また、実施例 7によるろう材を反応させて得られた Tiを 35. 2質量%、 Crを 11. 0質量%、 Niを 53. 8質量%の割合で含有する反応層 の酸ィ匕試験前後における酸ィ匕増量は、 0. 228mgZcm2であった。また、実施例 8に よるろう材を反応させて得られた Tiを 26. 5質量%、 Crを 13. 3質量%、 Niを 60. 2 質量%の割合で含有する反応層の酸化試験前後における酸化増量は、 0. 201mg Zcm2であった。また、実施例 9によるろう材を反応させて得られた Tiを 27. 0質量% 、Crを 11. 7質量%、Niを 61. 3質量%の割合で含有する反応層の酸化試験前後 における酸ィ匕増量は、 0. 211mgZcm2であった。
[0092] また、比較例 1によるろう材を反応させて得られた Tiを 35. 9質量%、 Crを 8. 8質量 %、 Niを 55. 3質量%の割合で含有する反応層の酸化試験前後における酸化増量 は、 0. 451mgZcm2であった。また、比較例 5による SUS316Lの酸化試験前後に おける酸化増量は、 0. 139mg/cm2であった。また、比較例 6による SUS304の酸 化試験前後における酸ィ匕増量は、 0. 230mgZcm2であった。
[0093] 以上の結果から、実施例 1〜9および比較例 1によるろう材を反応させて得られた反
応層の酸化増量を比較すると、実施例 1〜9によるろう材を反応させて得られた反応 層の酸ィ匕増量(0. 042mg/cm2, 0. 050mg/cm2, 0. 031mg/cm2, 0. 063m gZcm2、 0. 049mgZcm2、 0. 213mg/cm2, 0. 228mg/cm2, 0. 201mg/c m2および 0. 211mgZcm2)は、比較例 1によるろう材を反応させて得られた反応層 の酸化増量 (0. 451mgZcm2)よりも小さぐ耐酸ィ匕性が高いことが判明した。これは 、比較例 1によるろう材を反応させて得られた反応層には Crが 8. 8質量%しか含有さ れて 、な 、のに対して、実施例 1〜9によるろう材を反応させて得られた反応層には Crが 11. 0質量%以上含有されているので、実施例 1〜9によるろう材を反応させて 得られた反応層の表面に Cr Oの酸ィ匕皮膜が十分に形成されたためであると考えら
2 3
れる。
また、実施例 1〜9によるろう材を反応させて得られた反応層と、比較例 5および 6に よる SUS316Lおよび SUS304との酸化増量を比較すると、 40%Cr—Ni合金層を 含む実施例 1〜5によるろう材を反応させて得られた反応層の酸ィ匕増量 (0. 042mg /cm2, 0. 050mg/cm2、 0. 031mg/cm2、 0. 063mg/cm2および 0. 049mg Zcm2)は、比較例 5および 6による SUS316Lおよび SUS304の酸化増量(0. 319 mgZcm2および 0. 230mgZcm2)よりも小さいことが判明した。これにより、 40%Cr - Ni合金層を含む実施例 1〜 5によるろう材を用 ヽてろう付け接合した接合部は、 S US316Lおよび SUS304などのステンレス鋼よりも高い耐酸化性を有するので、ステ ンレス鋼よりも早く酸ィ匕しないと考えられる。その結果、 40%Cr— Ni合金層を含む実 施例 1〜5によるろう材は、ステンレス鋼などに対するろう材としてより好ましいと考えら れる。これに対して、 20%Cr— Ni合金層を含む実施例 6〜9によるろう材を反応させ て得られた反応層の酸化増量(0. 213mgZcm2、0. 228mg/cm2, 0. 201mg/ cm2および 0. 211mg/cm2)は、比較例 5による SUS316Lの酸化増量(0. 139m gZcm2)よりも大きいことが判明した。これは、実施例 6〜9では、実施例 1〜5に比べ て、 Cr Ni合金層中の Crの含有率が少ないために、反応層中の Crの含有率も少な くなつたためであると考えられる。すなわち、表 4および表 5に示すように、実施例 1〜 5では、ろう付け後の反応層中に Crが 20質量%以上含有されているのに対して、実 施例 6〜9では、ろう付け後の反応層中に Crが 11. 0-13. 3質量%しか含有されて
いないので、耐酸ィ匕性が低下したと考えられる。これにより、 20%Cr— Ni合金層を 含む実施例 6〜9によるろう材を用いてろう付け接合した接合部は、 SUS316Lよりも 低い耐酸化性を有するので、ステンレス鋼 SUS316Lよりも早く酸ィ匕すると考えられる 。その結果、実施例 6〜9によるろう材は、ステンレス鋼 SUS316Lに対するろう材とし てはあまり好ましくないことが判明した。
[0095] その一方、実施例 1〜9によるろう材を反応させて得られた反応層の酸ィ匕増量は、 いずれも、比較例 6による SUS304の酸ィ匕増量よりも小さいことが判明した。これによ り、実施例 1〜9によるろう材を用いてろう付け接合した接合部は、 SUS304よりも高 V、耐酸ィ匕性を有するので、ステンレス鋼 SUS304よりも高 、耐酸ィ匕性を有すると考え られる。その結果、実施例 1〜9によるろう材は、ステンレス鋼 SUS304に対するろう 材として好ま ヽと考えられる。
[0096] (第 3実施形態)
まず、図 13を参照して、この第 3実施形態では、上記第 1実施形態と異なり、ろう材 Idに Moまたは Coを添加する場合について説明する。
[0097] 第 3実施形態によるろう材 Idは、図 13に示すように、 Ni— Cr合金層 2aと、 Ni-Cr 合金層 2aの一方面側に配置される Ti層 3cと、 Ni— Cr合金層 2aの他方面側に配置 される Ti層 3dと、 Ni—Cr合金層 2aと Ti層 3cとの間に配置される Ni層 4cと、 Ni-Cr 合金層 2aと Ti層 3dとの間に配置される Ni層 4dとを有して!/、る。
[0098] ここで、第 3実施形態では、 Ni—Cr合金層 2aと、 Ti層 3cおよび 3dと、 Ni層 4cおよ び 4dとのうちの少なくとも 1つの層には、 Moまたは Coが添カ卩されている。
[0099] また、第 3実施形態では、 Moまたは Coは、ろう材 Idに対する含有率が約 10質量 %以下となるように含有されている。なお、 Ti— Ni— Cr合金 leに Moが含有される場 合には、約 2. 0質量%〜約 4. 5質量%の含有率が好ましぐ!!ー^ー 合金!^に Coが含有される場合には、約 2. 0質量%〜約 10質量%の含有率が好ましい。また 、 Ni層 4cおよび 4dは、 Ni—Cr合金層 2aに圧延接合されている。また、 Ti層 3cおよ び 3dは、 Ni—Cr合金層 2aに圧延接合された Ni層 4cおよび 4dに圧延接合されてい る。また、圧延接合として、たとえば、熱間圧接、冷間圧接および真空圧接などを用 いることが可能である。なお、 Ni—Cr合金層 2aは、本発明の「Ni— Crろう付け層」の
一例である。また、 Ti層 3cは、本発明の「Tiろう付け層」および「第 ITiろう付け層」の 一例であり、 Ti層 3dは、本発明の「Tiろう付け層」および「第 2Tiろう付け層」の一例 である。また、 Ni層 4cは、本発明の「Niろう付け層」および「第 INiろう付け層」の一例 であり、 Ni層 4dは、本発明の「Niろう付け層」および「第 2Niろう付け層」の一例であ る。
[0100] また、 Ni-Cr合金層 2aは、 Niと Crとから構成されている。なお、第 3実施形態では 、 Ni— Cr合金層 2aは、 Moまたは Coが添カ卩されていてもよい。また、 Ni— Cr合金層 2aの Crの含有率は、約 20質量%以上約 40質量%以下である。また、 Ti層 3cおよ び 3dは、 Ti力も構成されている。なお、第 3実施形態では、 Ti層 3cおよび 3dは、 Mo または Coが添加されていてもよい。また、 Ti層 3cおよび 3dは、それぞれ、 t3の厚み を有している。また、 Ni層 4cおよび 4dは、 Mから構成されている。なお、第 3実施形 態では、 Ni層 4cおよび 4dは、 Moまたは Coが添カ卩されていてもよい。また、 Ni層 4c および 4dは、それぞれ、 t4の厚みを有している。
[0101] また、第 3実施形態では、 Ti層 3c中の Ti量と、 Ni層 4c中の Ni量との合計を 100質 量%とした場合に、 Ni層 4c中の Ni量が 21. 5質量%以上 37. 5質量%以下であり、 好ましくは、ろう付け時の初期段階での Ti—Ni合金の共晶組成となる約 28. 3質量 %である。また、 Ti層 3d中の Ti量と、 Ni層 4d中の Ni量との合計を 100質量%とした 場合に、 Ni層 4d中の Ni量が 21. 5質量%以上 37. 5質量%以下であり、好ましくは 、ろう付け時の初期段階での Ti Ni合金の共晶組成となる約 28. 3質量%である。 また、 Ti層 3cおよび 3dの厚み t3と、 Ni層 4cおよび 4dの厚み t4との比 t4Zt3は、 1 Z8以上 2Z7以下であり、好ましくは、約 1Z5である。
[0102] 次に、図 13および図 14を参照して、第 3実施形態によるろう材 Idを用いて形成さ れた熱交^^ 100aの構成について説明する。
[0103] 第 3実施形態によるろう材 Id (図 13参照)を用いて形成された熱交翻 100aは、 図 14に示すように、フィン 12とプレート 13および 11との間に、ろう付け接合により形 成された Ti— Ni— Cr合金 1 eを含んで!/、る。
[0104] 第 3実施形態によるろう材 Idを用いて形成された熱交 l00aのその他の構成 は、上記第 1実施形態によるろう材 1を用いて形成された熱交 100と同様である
[0105] 図 13および図 14を参照して、本発明の第 3実施形態によるろう材 Idを用いて行わ れるろう付け接合にっ ヽて説明する。
[0106] まず、図 14に示すように、プレート 11とフィン 12との間にろう材 Id (図 13参照)を配 置するとともに、フィン 12とプレート 13との間にろう材 Idを配置する。そして、第 3実 施形態では、不活性ガス中または真空中で、上記第 1実施形態と異なり、約 1110°C 以上約 1150°C以下の温度で約 10分間加熱される。第 3実施形態によるろう材 Idを 用いたろう付け接合のその他のプロセスは、上記第 1実施形態によるろう材 1を用い たろう付け接合のプロセスと同様である。
[0107] 第 3実施形態では、上記のように、ろう材 Idに Moまたは Coを添加することによって 、ろう付け時に、ろう付け接合による接合部で Crと Moまたは Coとが合金を形成し、 接合部の表面の Cr濃度を増加するとともに、接合部の表面に Cr 2 O 3の酸化皮膜をよ り十分に形成することができるので、ろう付け接合による接合部の耐酸化性をより向 上させることができる。また、ろう材 Idに Moまたは Coを添加することによって、ろう材 Idの融点を約 1150°Cよりも低くすることができる。この場合、約 1150°C以下の温度 でろう付けを行うことができるので、ろう付け時の熱〖こより SUS304および SUS316な ど力もなるプレート 11および 13やフィン 12の結晶が粗大化するのを抑制することが できる。これにより、プレート 11および 13やフィン 12の強度を向上させることができる ので、プレート 11および 13やフィン 12の厚みを小さくすることができる。その結果、熱 交翻 100aを軽量ィ匕することができるとともに、熱交翻 100aの中を流れる排ガス の熱を水に伝達させやすくして熱交 iooaの熱交換効率を向上させることができ る。
[0108] 第 3実施形態のその他の効果は、上記第 1実施形態と同様である。
[0109] (第 4実施形態)
図 14および図 15を参照して、この第 4実施形態では、上記第 3実施形態と異なり、
3層構造力もなるろう材 51aが基板 13に圧延接合されたろう付け用複合材 50aにつ いて説明する。
[0110] 本発明の第 4実施形態によるろう付け用複合材 50aは、図 15に示すように、ステン
レス鋼により形成されたプレート 13と、プレート 13の一方面および他方面に圧延接合 された一対のろう材 5 laとを備えている。
[0111] ここで、第 4実施形態では、一対のろう材 51aは、それぞれ、プレート 13に圧延接合 された Ni— Cr合金層 2aと、 Ti層 3eと、 Ni—Cr合金層 2aと Ti層 3eとの間に配置され る Ni層 4eとの 3層構造により構成されている。また、 Ti層 3e中の Ti量と、 Ni層 4e中の Ni量との合計を 100質量%とした場合に、 Ni層 4e中の Ni量が 21. 5質量%以上 37 . 5質量%以下であり、好ましくは、ろう付け時の初期の Ti Ni合金の共晶組成とな る約 28. 3質量%である。また、第 4実施形態では、 Ni— Cr合金層 2aと、 Ti層 3eと、 Ni層 4eとのうちの少なくとも 1つの層には、 Moまたは Coが添加されている。また、第 4実施形態では、 Moまたは Coは、ろう材 51aに対する含有率が約 10質量%以下と なるように含有されている。なお、ろう材 5 laに Moが含有される場合には、約 2. 0質 量%〜約 4. 5質量%の含有率が好ましぐろう材 51aに Coが含有される場合には、 約 2. 0質量%〜約 10質量%の含有率が好ましい。
[0112] そして、第 4実施形態によるろう材 51aを用いて熱交 l00aを形成するには、図 14に示すように、フィン 12の屈曲部に接するようにろう付け用複合材 50a (図 15参照 )を配置する。そして、上記第 3実施形態で行われたろう付け接合と同様の条件 (不 活性ガス中または真空中で約 1110°C以上約 1150°C以下の温度で約 10分間加熱 )下でろう付け接合を行う。
[0113] なお、上記第 4実施形態によるろう付け用複合材 50aの構成、および、それを用い たろう付け接合のその他のプロセスは、上記第 2および第 3実施形態と同様である。
[0114] また、第 4実施形態の効果は、上記した第 3実施形態と同様である。
[0115] (実施例 1、 10〜15)
次に、上記した本発明の第 3実施形態の効果 (ろう付け接合による接合部の耐酸ィ匕 性向上効果)を確認するために行った比較実験について説明する。この比較実験で は、 Moまたは Coの 、ずれも含有しな!、ろう材を用いて形成した上記第 1実施形態に 対応する実施例 1によるクラッド材の反応層(ろう付け接合による接合部)と、 Moまた は Coの 、ずれかを含有するろう材を用 V、て形成した実施例 10〜 15によるクラッド材 の反応層(ろう付け接合による接合部)との組成を比較した。また、実施例 1および 10
〜15によるクラッド材の反応層(ろう付け接合による接合部)の酸ィ匕増量を算出して 比較することにより、実施例 1および 10〜15によるクラッド材の反応層(ろう付け接合 による接合部)の耐酸ィ匕性を評価した。以下、詳細に説明する。
[0116] [ろう材の作製]
(実施例 1)
上記した第 1実施形態の効果を確認するために行った比較実験と同様にして、実 施例 1によるろう材を作製した。
[0117] (実施例 10)
ろう材の原料として、 Niを 60質量%と Crを 40質量%とを含む Ni— Cr合金層と、 M oが 5質量%添加された Ni層と、純 Ti層とを用いた。そして、 Ni— Cr合金層の一方面 および他方面にそれぞれ Ni層を圧延接合した後、アルゴン雰囲気下で 800°Cの温 度で 1分間拡散焼鈍を施した。そして、仕上げ圧延および焼鈍を行って、 Ni— Cr合 金層および Ni層の板厚をそれぞれ 24. 2 111ぉょび1. 9 mに調整した。さらに、 N i Cr合金層の両面に圧延接合された Ni層にそれぞれ純 Ti層を圧延接合した後、 アルゴン雰囲気下で 800°Cの温度で 1分間拡散焼鈍を施した。そして、仕上げ圧延 および焼鈍を行って、純 Ti層の板厚をそれぞれ 11. 0 mに調整することにより、純 Ti層 ZNi層 ZNi— Cr合金層 ZNi層 Z純 Ti層の 5層構造を有する実施例 10による ろう材を作製した。このようにして、ろう付け前の純 Ti層中の Tiと、 Ni層中の Niとの合 計に対する Ni層中の Niの含有率 (質量%)が 24. 5質量%になるようにした。
[0118] (実施例 11)
ろう材の原料として、 Niを 60質量%と Crを 40質量%とを含む Ni— Cr合金層と、 M oが 10質量%添加された Ni層と、純 Ti層とを用いた。そして、仕上げ圧延および焼 鈍を行うことにより、 Ni— Cr合金層、 Ni層および純 Ti層のそれぞれの板厚を、 23. 6 m、 2. O /z mおよび 11. 2 mに調整したこと以外は、上記実施例 1と同様にして 純 Ti層 ZNi層 ZNi— Cr合金層 ZNi層 Z純 Ti層の 5層構造を有する実施例 11によ るろう材を作製した。このようにして、ろう付け前の純 Ti層中の Tiと、 Ni層中の Niとの 合計に対する Ni層中の Niの含有率 (質量%)が 24. 1質量%になるようにした。
[0119] (実施例 12)
ろう材の原料として、 Niを 60質量%と Crを 40質量%とを含む Ni— Cr合金層と、 M oが 20質量%添加された Ni層と、純 Ti層とを用いた。そして、仕上げ圧延および焼 鈍を行うことにより、 Ni— Cr合金層、 Ni層および純 Ti層のそれぞれの板厚を、 24. 2 m、 2. 0 mおよび 10. 9 mに調整したこと以外は、上記実施例 1と同様にして 純 Ti層 ZNi層 ZNi— Cr合金層 ZNi層 Z純 Ti層の 5層構造を有する実施例 12によ るろう材を作製した。このようにして、ろう付け前の純 Ti層中の Tiと、 Ni層中の Niとの 合計に対する Ni層中の Niの含有率 (質量%)が 22. 5質量%になるようにした。
[0120] (実施例 13)
ろう材の原料として、 Niを 60質量%と Crを 40質量%とを含む Ni— Cr合金層と、 M oが 35質量%添加された Ni層と、純 Ti層とを用いた。そして、仕上げ圧延および焼 鈍を行うことにより、 Ni— Cr合金層、 Ni層および純 Ti層のそれぞれの板厚を、 24. 4 ^ m, 2. および 10. 4 mに調整したこと以外は、上記実施例 1と同様にして 純 Ti層 ZNi層 ZNi— Cr合金層 ZNi層 Z純 Ti層の 5層構造を有する実施例 13によ るろう材を作製した。このようにして、ろう付け前の純 Ti層中の Tiと、 Ni層中の Niとの 合計に対する Ni層中の Niの含有率 (質量%)が 22. 9質量%になるようにした。
[0121] (実施例 14)
ろう材の原料として、 Niを 60質量%と Crを 40質量%とを含むとともに、 Moが 5質量 %添加された Ni— Cr合金層と、 Moが 35質量%添加された Ni層と、純 Ti層とを用い た。そして、仕上げ圧延および焼鈍を行うことにより、 Ni— Cr合金層、 Ni層および純 Ti層のそれぞれの板厚を、 24. 8 m、 2. 5 mおよび 10. 1 μ mに調整したこと以 外は、上記実施例 1と同様にして純 Ti層 ZNi層 ZNi— Cr合金層 ZNi層 Z純 Ti層 の 5層構造を有する実施例 14によるろう材を作製した。このようにして、ろう付け前の 純 Ti層中の Tiと、 Ni層中の Niとの合計に対する Ni層中の Niの含有率(質量%)が 2 4. 1質量%になるようにした。
[0122] (実施例 15)
ろう材の原料として、 Niを 60質量%と Crを 40質量%とを含む Ni— Cr合金層と、 Co が 12質量%添加された Ni層と、純 Ti層とを用いた。そして、仕上げ圧延および焼鈍 を行うことにより、 Ni— Cr合金層、 Ni層および純 Ti層のそれぞれの板厚を、 23. 6 μ
m、 2. l /z mおよび 11. 1 mに調整したこと以外は、上記実施例 1と同様にして純 T i層 ZNi層 ZNi— Cr合金層 ZNi層 Z純 Ti層の 5層構造を有する実施例 15によるろ ぅ材を作製した。このようにして、ろう付け前の純 Ti層中の Tiと、 Ni層中の Niとの合計 に対する Ni層中の Niの含有率 (質量%)が 24. 8質量%になるようにした。
[0123] なお、ろう材の原料として、 Niを 60質量%と Crを 40質量%とを含む Ni— Cr合金層 と、 40質量%以上の Moが添加された Ni層と、純 Ti層とを用いると、圧延時に、ろう 材にひび割れが発生するので、この実験では、 Moの Ni層への添加量を 35質量% までとして実験を行った。
[0124] ここで、上記したろう材の各層の板厚 m)と、ろう材の各層の板厚に基づいて計 算された純 Ti層と Ni層との組成 (質量%)比との対応関係を以下の表 8に示す。
[0125] [表 8]
[0126] [クラッド材の反応層の組成分析]
(実施例 1および 10〜15に共通)
次に、上記のようにして作製した実施例 1および 10〜15によるろう材を反応させて 得られたクラッド材の反応層の組成を分析した。具体的には、実施例 1および 10〜1 5によるろう材を所定の条件 (温度:約 1150°C、時間: 10分)で反応させた。そして、 上記反応により得られたクラッド材の反応層を上記第 3実施形態によるろう付け接合 による接合部と見なし、その反応層の断面を榭脂で埋め込んだ後、研磨を行った。そ して、反応層の断面における Ti、 Cr、 Ni、 Moおよび Coの含有率(質量%)を、 EPM Aを用いて分析した。さらに、実験によって得られたクラッド材の反応層の Tiと Niとの 組成 (質量%)比を分析した。その結果を以下の表 9に示す。
[0127] [表 9]
[0128] 表 9を参照して、実施例 1によるろう材を反応させて得られた反応層の組成 (質量% )比は、 Tiが 26. 7質量%、 Crが 25. 0質量%、 Niが 48. 3質量%、 Moおよび Coが 0質量%であった。また、実施例 1による反応層の Tiと Niとの糸且成比は、 35. 6質量 %:64. 4質量%であり、共晶組成 e2 (図 4参照)となった。また、実施例 10によるろう 材を反応させて得られた反応層の組成 (質量%)比は、 Tiが 28. 6質量%、 Crが 24. 6質量%、 Niが 46. 2質量%、 Moが 0. 5質量%、 Coが 0質量%であった。また、実 施例 10による反応層の Tiと Niとの組成比は、 38. 2質量%: 61. 8質量%となった。 また、実施例 11によるろう材を反応させて得られた反応層の組成 (質量%)比は、 Ti 力 3質量%、 Crが 24. 1質量%、 Niが 45. 5質量%、 Moが 1. 0質量%、 Coが 0 質量%であった。また、実施例 11による反応層の Tiと Niとの糸且成比は、 39. 2質量 %:60. 8質量%となった。また、実施例 12によるろう材を反応させて得られた反応層 の組成(質量%)比は、 Tiが 28. 3質量%、Crが 24. 6質量%、 Niが 45. 1質量0 /0、 Moが 2. 1質量%、 Coが 0質量%であった。また、実施例 12による反応層の Tiと Niと の組成比は、 38. 6質量%: 61. 4質量%となった。また、実施例 13によるろう材を反 応させて得られた反応層の組成 (質量%)比は、 Tiが 26. 7質量%、Crが 24. 5質量 %、 Niが 44. 6質量%、 Moが 4. 3質量%、 Coが 0質量%であった。また、実施例 13 による反応層の Tiと Niとの糸且成比は、 37. 4質量%: 62. 6質量%となった。また、実 施例 14によるろう材を反応させて得られた反応層の組成 (質量%)比は、 Tiが 25. 7 質量%、 Crが 24. 7質量%、 Niが 42. 1質量%、 Moが 7. 5質量%、 Coが 0質量% であった。また、実施例 14による反応層の Tiと Niとの糸且成比は、 37. 9質量0 /0 : 62.
1質量%となった。また、実施例 15によるろう材を反応させて得られた反応層の組成( 質量%)比は、 Tiが 29. 0質量%、 Crが 24. 1質量%、 Niが 45. 7質量%、 Moが 0 質量%、 Coが 1. 3質量%であった。また、実施例 15による反応層の Tiと Niとの組成 比は、 38. 8質量0 /0 : 61. 2質量0 /0となった。これにより、実施例 1および 10〜15によ るろう材を反応させて得られた反応層の組成から、反応層は Ti—Ni— Cr合金力ゝらな ることが判明した。
[0129] [耐酸化性評価試験]
(実施例 1および 10〜15に共通)
また、上記実施例 1および 10〜15によるろう材を反応させて得られた反応層(ろう 付け接合による接合部)の耐酸ィ匕性を評価するための酸ィ匕試験を行った。具体的に は、実施例 1および 10〜15によるろう材を反応させて得られた反応層を 50mm X 50 mm角に切り出し、酸化試験前の反応層の重量を測定した後、大気中で 700°Cの温 度で 100時間加熱した。そして、酸ィ匕試験後の反応層の重量を測定し、酸化試験前 後における反応層の重量の変化力 反応層の酸ィ匕増量を算出するとともに、反応層 の耐酸ィ匕性を評価した。その結果を表 10に示す。
[0130] [表 10]
[0131] 上記表 10を参照して、実施例 1によるろう材を反応させて得られた Tiを 26. 7質量 %、 Crを 25. 0質量%、 Niを 48. 3質量%、 Moおよび Coを 0質量%の割合で含有 する反応層の酸ィ匕試験前後における酸ィ匕増量は、 0. 042mgZcm2であった。また 、実施例 10によるろう材を反応させて得られた Tiを 28. 6質量%、 Crを 24. 6質量% 、 Niを 46. 2質量%、 Moを 0. 5質量%、 Coを 0質量%の割合で含有する反応層の
酸ィ匕試験前後における酸ィ匕増量は、 0. 026mg/cm2であった。また、実施例 11に よるろう材を反応させて得られた Tiを 29. 3質量%、 Crを 24. 1質量%、 Niを 45. 5 質量%、 Moを 1. 0質量%、 Coを 0質量%の割合で含有する反応層の酸化試験前 後における酸ィ匕増量は、 0. 015mg/cm2であった。また、実施例 12によるろう材を 反応させて得られた Tiを 28. 3質量%、 Crを 24. 6質量%、 Niを 45. 1質量%、 Mo を 2. 1質量%、 Coを 0質量%の割合で含有する反応層の酸化試験前後における酸 化増量は、 0. 004mg/cm2であった。また、実施例 13によるろう材を反応させて得 られた Tiを 26. 7質量%、 Crを 24. 5質量%、 Niを 44. 6質量%、 Moを 4. 3質量% 、 Coを 0質量%の割合で含有する反応層の酸ィ匕試験前後における酸ィ匕増量は、 0. 003mgZcm2であった。また、実施例 14によるろう材を反応させて得られた Tiを 25. 7質量%、 Crを 24. 7質量%、 Niを 42. 1質量%、 Moを 7. 5質量%、 Coを 0質量% の割合で含有する反応層の酸化試験前後における酸化増量は、 0. 002mg/cm2 であった。また、実施例 15によるろう材を反応させて得られた Tiを 29. 0質量%、 Cr を 24. 1質量%、Niを 45. 7質量%、 Moを 0質量%、 Coを 1. 3質量%の割合で含有 する反応層の酸ィ匕試験前後における酸ィ匕増量は、 0. 022mgZcm2であった。
[0132] 以上の結果から、実施例 1および 10〜15によるろう材を反応させて得られた反応 層の酸化増量を比較すると、実施例 10〜 15によるろう材を反応させて得られた反応 層の酸ィ匕増量(0. 026mg/cm2, 0. 015mg/cm2, 0. 004mg/cm2, 0. 003m g/cm2、 0. 002mg/cm2および 0. 022mg/cm2)は、実施例 1によるろう材を反 応させて得られた反応層の酸化増量 (0. 042mgZcm2)よりも小さぐ耐酸ィ匕性が高 いことが判明した。これは、実施例 1によるろう材を反応させて得られた反応層には M oまたは Coが添加されて ヽな 、のに対して、実施例 10〜 15によるろう材を反応させ て得られた反応層には Moまたは Coが 0. 5質量%以上添加されているので、 Crと M oまたは Coとが合金を形成することにより反応層の表面に、 Cr Oの酸化皮膜がより
2 3
十分に形成されたためであると考えられる。
[0133] また、実施例 10〜14によるろう材を反応させて得られた反応層の酸化増量を比較 すると、反応層への Moの添加量を増加させるにしたがって、反応層の酸化増量が減 少することが判明した。すなわち、反応層への Moの添加量を増加させるにしたがつ
て、反応層の耐酸ィ匕性を向上させることが可能であることが判明した。
[0134] また、実施例 1および 10〜14によるろう材を反応させて得られた反応層の酸化増 量を比較すると、反応層への Moの添加量が約 2. 0質量%以上(実施例 12〜14)に なると、反応層に Moを添加しない場合に比べて、酸ィ匕増量が約 1Z10以下になるこ とが判明した。また、反応層への Moの添加量が約 2. 0質量%以上約 4. 5質量%以 下では、反応層の酸ィ匕増量が効果的に減少するとともに、反応層への Moの添加量 が約 7. 5質量%では、 Moの添加量が約 2. 0質量%以上約 4. 5質量%以下の場合 と比べて、 Moの添加量が増加する割りには反応層の酸ィ匕増量が効果的に減少しな いことが判明した。すなわち、約 2. 0質量%以上約 4. 5質量%以下の Moを反応層 に添加することによって、耐酸ィ匕性を十分かつ効果的に向上させることが可能である
[0135] なお、上記実験とは別に行った実験では、反応層への Coの添加量が約 2. 0質量 %以上になると、反応層に Coを添加しない場合に比べて、酸化増量を十分減少する ことが可能であるとともに、反応層への Coの添加量が約 10. 0質量%以上になると、 反応層の耐酸ィ匕性の改善効率が小さくなることが判明した。すなわち、反応層に Co を添加する場合は、約 2. 0質量%以上約 10. 0質量%以下の Coを反応層に添加す れば耐酸ィ匕性を十分かつ効果的に向上させることが可能である。
[0136] なお、今回開示された実施形態および実施例は、すべての点で例示であって制限 的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態およ び実施例の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意 味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
[0137] たとえば、上記実施形態では、本発明のろう付け構造を熱交換器に適用する例に ついて説明したが、本発明はこれに限らず、本発明のろう付け構造を高温の排ガス が流れることにより高い耐酸ィ匕性が求められる熱交 以外のろう付け構造物にも 適用可能である。
[0138] また、上記第 2実施形態では、ろう付け用複合材を構成するプレートとしてステンレ ス鋼を用いる例を示したが、本発明はこれに限らず、ろう付け用複合材を構成するプ レートとして、ステンレス鋼以外のハステロィ (登録商標)やインコネル (登録商標)な
どの Ni基耐熱合金を含む鉄鋼を用いてもょ ヽ。
[0139] また、上記第 1および第 2実施形態では、ろう材として純 Tiのみカゝらなる Ti層を用い る例を示した力 本発明はこれに限らず、ろう材として純 Tiを 85%以上の割合で含有 する Ti合金層を用いてもよい。このような純 Tiを主成分とする Ti合金として、たとえば 、 Ti- 5A1- 2. 5Snなどの a相(最密六方相)を有する α合金や、 Ti— 6A1—4Vな どの ex相(最密六方相)および β相(体心立方相)を有する α + j8合金が挙げられる
[0140] また、上記第 2実施形態では、図 1に示したように、 Ni層 4aおよび 4bが Ni— Cr合 金層 2の表面に圧延接合されるとともに、 Ni層 4aおよび 4bにそれぞれ Ti層 3aおよび 3bが圧延接合される状態の 5層構造のろう材 1がプレート 13に圧延接合されたろう付 け用複合材を用いてろう付け接合を行う例を示したが、本発明はこれに限らず、図 1 6に示すように、プレート 13の一方面に Ni - Cr合金層 20aを圧延接合したクラッド材 と、プレート 13の他方面に Ni—Cr合金層 20bを圧延接合したクラッド材と、 Ti層 30を 挟み込むように配置される一対の Ni層 40aおよび 40bとを個別に用意するようにして もよい。このように構成した場合にも、ろう付け接合部に Ti— Ni— Cr合金層を形成す ることができる。この場合、 Ni—Cr合金層 20aの厚みを大きくすることによって、プレ ート 13に含有される Feがろう付け接合部に拡散するのを抑制することができる。
[0141] また、上記実施形態では、 Ti層に Al、 V、 Siおよび Zrなどの酸化物を形成しやす ヽ 元素を添加しないでろう材を形成した例について説明した力 本発明はこれに限ら ず、 Ti層に Al、 V、 Siおよび Zrなどの酸化物を形成しやすい元素を添カ卩したろう材を 用いてもよい。このように Ti層に Al、 V、 Siおよび Zrなどの酸化物を形成しやすい元 素を添加すれば、反応層の表面に形成される酸化層の密着性が向上するので、酸 化層が剥離するのを抑制することができる。これにより、酸化反応が進行するのを抑 制することができるので、反応層の酸化増量を減少することができる。なお、酸ィ匕層 が剥離すると、反応層の露出した部分が新たに酸化されるので、反応層の酸化増量 が増加する。
[0142] また、上記実施形態では、ろう材を Ti層 ZNi層 ZNi—Cr合金層 ZNi層 ZTi層に より構成した例について示した力 本発明はこれに限らず、ろう材を Ni— Cr合金層 Z
Ni層 ZT環 ZNi層 ZNi— Cr合金層により構成した場合にも、同様の効果を得るこ とがでさる。