明 細 書
透明複合シート
技術分野
[0001] 本発明は透明複合シートおよびそれを使用した表示素子用基板に関するものであ 背景技術
[0002] 一般に、液晶表示素子や有機 EL表示素子用基板、カラーフィルター基板、太陽電 池基板等として、耐熱性、および透明性が高ぐ低い線膨張係数、光学異方性の小 さいガラス板が広く用いられている。近年、表示デバイスには小型化、薄型化、軽量 化、耐衝撃性、柔軟性が求められているため厚さの薄いガラス板を用いたディスプレ ィが提案されてレ、る。厚さの薄レ、ガラスは柔軟性が従来のガラスと比較し改善されて いるものの、ガラス単体では機械強度が非常に低いためガラス表面に樹脂フィルムを 貝占り付けたり、保護樹脂層を設け耐衝撃性を向上させている。 (特許文献 1)。しかし ながら基板の耐衝撃性、柔軟性の更なる向上が望まれている。
これらのガラス基板の代替品として耐衝撃性や柔軟性を有するプラスチック素材が 検討されている。表示素子用プラスチック基板に用いられている樹脂としては例えば 特許文献 2には脂環式エポキシ樹脂、酸無水物系硬化剤、アルコール、硬化触媒か らなる組成物、特許文献 3には脂環式エポキシ樹脂、アルコールで部分エステル化 した酸無水物系硬化剤、硬化触媒力 なる樹脂組成物が、特許文献 4には脂肪環式 エポキシ樹脂、カルボン酸を有する酸無水物系硬化剤、硬化触媒からなる樹脂組成 物が示されている。
しかしながら特許文献 2から 4に示されたガラス代替プラスチック材料はガラスと比 較し小さ!/、極限曲率径を示し柔軟性ゃ耐衝撃性を有する力 プラスチック材料の線 膨張係数はプラスチック材料上に積層する Siなどの薄膜材料と比較するとかなり大き い。このような線膨張係数のミスマッチは、熱ストレス、歪み、形成した層のクラックや 剥がれを生じさせ、層を形成したプラスチック基板の湾曲を生じる原因となることが知 られている。 (非特許文献 1)
[0003] このような問題を解決するため、特許文献 5にはエステル基を有する脂環式ェポキ シ樹脂、ビスフエノール A型エポキシ樹脂、酸無水物系硬化剤、及び触媒とガラスク ロスからなる透明複合光学シート、特許文献 6にはエステル基を有する脂環式ェポキ シ樹脂とジシクロペンタジェン骨格を有するエポキシ樹脂、酸無水物系硬化剤とガラ スクロスからなる透明複合光学シート、特許文献 7にはビスフエノール A型エポキシ樹 脂、ビスフエノール Aノボラック型エポキシ樹脂、酸無水物系硬化剤及びガラスクロス 力、らなる透明基板が示されている。
特許文献 5から 7に示されているガラスクロス複合体は特許文献 1から 3に示された プラスチック材料と比較すると大幅な線膨張率の低下が見られる力 S、これらのガラスク ロス複合体は耐熱性が不十分である。また、光学異方性が大きいため表示性能を低 下させる可能性がある。
[0004] 液晶用表示素子のような、偏光板と液晶駆動との光シャッター機能を用いた表示素 子は、透明基板を通過する透過光の偏光状態の変化から、素子の表示性能に影響 を受ける。透明基板の光学異方性が大きい場合、偏光板を通過した入射直線偏光 が透明基板内の光学異方性により楕円偏光になり、液晶を駆動した時の出射側偏光 板を通過する透過光の透過と不透過のスイッチング性能が低下することがある。つま り、高コントラストの表示素子を得るためには、光学異方性の小さい透明基板を適用 する必要がある。
[0005] 更に、ガラスクロス複合体は、熱線膨張率の異なる材料を複合化するため、基板作 製時のプロセス温度や熱膨張率差に起因する熱応力が複合材料中で分布を持って 発生する。ガラス繊維と樹脂マトリックス複合材料中の熱応力分布は、複合材料の軸 対称性からガラス繊維径方向、周方向、軸方向の 3つの主応力方向が考えられる(非 特許文献 2)。つまり、樹脂およびガラス繊維は、熱応力によりガラス繊維に沿った光 学異方性やガラス繊維に直行した光学異方性が発現する可能性がある。例えば、ガ ラス繊維を縦と横に織ったガラス織布と樹脂の複合基板では、ガラス繊維軸に沿った 方向および直行方向に局所的な光学異方性が発現するため、偏光子と検光子を偏 向軸が 90° に交差した(クロスニコル状態にした)偏光顕微鏡下で格子状に透過光 のパターンが見える。また、ガラスクロス複合体の光学異方性がガラスクロス繊維軸に
平行な方向と直行する方向に発現することから、格子状の透過光パターンは偏光子 からガラス繊維軸が 45° 傾いた状態で最も明るくなる。つまり、ガラスクロス複合体を 透明基板として用いた表示素子の場合、偏光板と複合体基板のガラスクロス繊維軸 の配置次第では、透過光の偏光状態の乱れにより表示素子のコントラストが低下する 可能性がある。
[0006] 微小かつ局所的な偏光状態の乱れは表示素子の性能に強く影響する。例えば、 染料系カラーフィルターより耐熱性、耐光性を優れた顔料分散系カラーフィルタ一は 、顔料の凝集により光散乱に起因する表示コントラストの低下があるため、顔料の分 散安定性を改善する検討が成されている(特許文献 8, 9, 10)。つまり、ガラスクロス 複合体に生じる微小な光学異方性から生じる偏光状態の乱れも、高コントラストな高 精細表示素子を作製する際には無視できない特性となる。
[0007] さらに、特許文献 5〜7のようなガラスクロス複合体やガラスクロスを用いた積層板、 またはプリプレダは異種材料の複合体 (FRP)であるため、圧縮、引張り、曲げ等の外 部から刺激に対する耐性が低く破損しやすいことが知られている。 (特許文献 11) 一般に繊維と樹脂マトリックスとの複合材料において外部要因または内部要因(た とえば繊維と樹脂マトリックスとの線膨張率差)で応力が生じると、さまざまな過程によ り破損が生じる。例えば繊維軸方向に平行に生じた応力(軸方向引張り応力、 σ ) lu により破損が生じる場合、繊維方向に垂直に生じた応力(横方向引張り応力 σ )に
2u より破損が生じる場合、せん断方向に生じた応力( τ )によりに破損が生じる場合
12u
等があげられる。
繊維に平行な、大きな引張り応力により繊維、及びマトリックス樹脂の破壊が生じる 場合においては、破壊方向は繊維に対し垂直方向となり、横方向引張り、及びせん 断モードにおいては強度ははるかに低ぐ複合材料は繊維方向と平行な破壊面で破 壊することが知られている。破壊する場所としては完全にマトリックス内部力、、繊維/マ トリックス界面、又は繊維内部が上げられる。 (非特許文献 3、非特許文献 4)。
以上のように従来の技術においては線膨張率が小さぐ透明性'耐熱性に優れ、光 学異方性が小さぐ平坦性が高いことから表示品位を低下させることなぐさらに衝撃 、引張り、曲げ等の外部から刺激に対する耐性に優れた透明複合シートを提供する
ことが困難であった。
特許文献 1 :特開 2004— 50565号公報
特許文献 2:特開平 6— 337408号公報
特許文献 3:特開 2001— 59015号公報
特許文献 4 :特開 2001— 59014号公報
特許文献 5 :特開 2004— 51960号公報
特許文献 6:特開 2005— 146258号公報
特許文献 7 :特開 2004— 233851号公報
特許文献 8:特開平 8— 94823号公報
特許文献 9 :特開平 8— 259876号公報
特許文献 10 :特開平 8— 295820号公報
特許文献 11:国際公開第 03/018675号
非特許文献 1:月間ディスプレイ 2000年 1月号 p35
非特許文献 2 : H.Pristshky, Physics, 5, [12] (1934) 406-411·
非特許文献 3 :複合材料入門(1984年、培風館)
非特許文献 4 :複合材料入門(1997、裳華房)
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0008] 本発明の目的は、線膨張率が小さぐ透明性 ·耐熱性に優れ、光学異方性が小さく 平坦性が高いことから表示品位を低下させることなぐ衝撃、引張り、曲げ等の外部 力 刺激に対する耐性に優れた透明複合シートおよびそれを使用した表示素子用 基板を提供することにある。
課題を解決するための手段
[0009] 本発明に係る透明複合シートの特徴構成は、下記化学式(1)で示される脂環式ェ ポキシ樹脂及び/又は下記化学式(2)で示される脂環式エポキシ樹脂、カチオン重 合可能な官能基を有する前記脂環式エポキシ樹脂以外の少なくとも 1種の化合物、 及び硬化剤を含む透明樹脂組成物と、ガラスフィラーとを含有してなる複合組成物を 硬化させて得られる点にある。
[化 1]
(式中、 X—は— O—、— S―、— SO—、 - SO - ,— CH2—、— CH(CH3) 、又 は C(CH ) を表す。)
[0010] これらの脂環式エポキシ樹脂は、低温での硬化性が優れており、耐熱性が非常に 高ぐ力、つ硬化後のエポキシ樹脂の線膨張係数が低いため、透明複合シート作製時 においてガラスフィラーと樹脂との界面に生じる歪みを小さくすることにより、残留応 力を小さくできる。この結果、複合シートの光学異方性が低減され、さらに複合シート の平坦性が向上される。
また、これらの脂環式エポキシ樹脂以外のカチオン重合可能な化合物を添加する ことにより、これらの脂環式エポキシ樹脂以外にカチオン重合可能な化合物を添加し ない場合において発生する樹脂の破壊、およびガラスフィラーとマトリックス樹脂との 界面での剥離を抑制することができ、耐衝撃性、柔軟性を向上さることができる。
[0011] また、上述の構成において、前記脂環式エポキシ樹脂と前記カチオン重合可能な 官能基を有する化合物との配合比が 99: 1〜70: 30であると好適である。
また、上述の何れかの構成において、前記カチオン重合可能な官能基を有する化 合物が、エポキシ基を有する化合物、ォキセタニル基を有する化合物、及びビュル エーテル基を有する化合物からなる群より選択される 1種又は 2種以上の化合物を含 むと好適である。
また、上述の何れかの構成において、前記カチオン重合可能な官能基を有する化 合物が 1分子中に 1つのカチオン重合可能な官能基を有する化合物であると好適で ある。
また、上述の何れかの構成において、前記カチオン重合可能な化合物が、カチォ ン重合可能な官能基以外の極性基を、 1分子中に少なくとも 1つ有する化合物である
と好適である。
また、上述の何れかの構成において、前記極性基が水酸基であると好適である。 また、上述の何れかの構成において、記硬化剤がカチオン系硬化触媒を含むもの であると好適である。
また、上述の何れかの構成において、前記ガラスフィラーの含有量が透明複合シー トに対し 1〜 90重量%であると好適である。
また、上述の何れかの構成において、前記ガラスフィラーがガラス繊維布であると好 適である。
また、上述の何れかの構成において、前記透明樹脂組成物の硬化後の屈折率とガ ラスフィラーとの屈折率との差が 0. 01以下であると好適である。
また、上述の何れかの構成において、厚みが 40〜200 111であると好適である。 また、上述の何れかの構成において、波長 400nmにおける光線透過率が 80%以 上であると好適である。
また、上述の何れかの構成において、 30°C〜250°Cにおける平均線膨張係数が 2 Oppm以下であると好適である。
また、本発明に係る表示素子用基板は、上述の何れかの構成を有する透明複合シ ートを有して構成される。
発明を実施するための最良の形態
[0012] 以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、下記化学式 (3)、及び/又は (4)で示される脂環式エポキシ樹脂、化学 式(3)または (4)以外のカチオン重合可能な官能基を有する少なくとも 1種以上の化 合物、及び硬化剤を含む透明樹脂組成物と、ガラスフィラーとを含有してなる複合組 成物を硬化させて得られる透明複合シートである。
(式中、 X—は— O—、— S―、 - SO - , - SO - , — CH2—、— CH(CH3) 、又 は C(CH ) を表す。)
[0015] 本発明で用いられる主成分である脂環式エポキシ樹脂は化学式( 3)又は (4)で示 される脂環式エポキシ樹脂であり、単独、若しくは適宜混合して用いることができる。 これらの脂環式エポキシ樹脂は、低温での硬化性が優れており、耐熱性が非常に高 ぐ力、つ硬化後のエポキシ樹脂の線膨張係数が低いため、透明複合シート作製時に おいてガラスフィラーと樹脂との界面に生じる歪みを小さくすることにより、残留応力を 小さくできる力、らである。界面応力を小さくすることは複合シートの光学異方性を低減 し、さらに平坦性を向上する上で重要である。
[0016] 本発明に使用する化学式(3)、又は (4)で示される脂環式エポキシ樹脂以外の力 チオン重合可能な官能基を有する化合物としては、エポキシ基を有する化合物、ォ キセタ二ル基を有する化合物、又はビュルエーテル基を有する化合物であることが 好ましぐ単体で用いても、数種を混合して使用しても良い。
化学式(3)、 (4)で示される脂環式エポキシ樹脂以外のカチオン重合可能な、ェポ キシ基を有する化合物としては、分子中に少なくとも 1つ以上のエポキシ基を含んで いれば良ぐ各種のエポキシ樹脂が使用できる。例えばグリシジル型エポキシ樹脂と してはビスフエノーノレ A型エポキシ樹脂、ビスフエノール F型エポキシ樹脂、ビスフエノ ール S型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂またはこれらの水添化物、ジシク 口ペンタジェン骨格を有するエポキシ樹脂、トリダリシジルイソシァヌレート骨格を有 するエポキシ樹脂、力ルド骨格を有するエポキシ樹脂、ポリシロキサン構造を有する エポキシ樹脂、エポキシ化 αォレフィン、フエニルダリシジルエーテル、脂環式ェポキ シ樹脂としては例えば 3, 4—エポキシシクロへキシノレメチノレ 3 '、 4 ' エポキシシクロ へキサンカルボキシレート、 1 , 2, 8 , 9 ジエポキシリモネン、ジシクロペンタジェン ジォキサイド、シクロオタテンジオキサイド、ァセタールジェポキサイド、 ε一力プロラ タトンオリゴマーの両端にそれぞれ 3, 4—エポキシシクロへキシルメタノールと 3, 4— エポキシシクロへキサンカルボン酸がエステル結合したもの、エポキシ化されたへキ
サヒドロべンジルアルコール等が挙げられる。
カチオン重合可能なォキセタニル基を有する化合物としては例えば、 1, 4 ビス {[ (3—ェチルー 3—ォキセタニル)メトキシ]メチル }ベンゼン(ァロンォキセタン OXT— 121 (XDO) )、ジ [2 (3—ォキセタニノレ)ブチル]エーテル(ァロンォキセタン OXT — 221(DOX))、 1, 4 ビス〔(3 ェチルォキセタン一 3 ィノレ)メトキシ〕ベンゼン( HQOX)、 1, 3—ビス〔(3—ェチルォキセタン一 3—ィル)メトキシ〕ベンゼン(RSOX )、 1, 2 ビス〔(3 ェチルォキセタンー3 ィノレ)メトキシ〕ベンゼン(CTOX)、 4, 4' —ビス〔(3 ェチルォキセタン一 3 ィル)メトキシ〕ビフエニル(4, 4'— BPOX)、 2, 2' ビス〔(3 ェチル 3 ォキセタニノレ)メトキシ〕ビフエニル(2, 2, 一 BPOX)、 3 , 3', 5, 5'—テトラメチル〔4, 4 '—ビス(3—ェチルォキセタンー3—ィル)メトキシ〕 ビフエ二ノレ(TM— BPOX)、 2, 7 ビス〔(3 ェチルォキセタン一 3 ィノレ)メトキシ〕 ナフタレン(2, 7 NpDOX)、 1, 6 ビス〔(3 ェチルォキセタン一 3 ィノレ)メトキ シ〕— 2, 2, 3, 3, 4, 4, 5, 5—オタタフノレォ口へキサン(OFH— DOX)、 3 (4) , 8(9 )—ビス [(1—ェチル 3 ォキセタニル)メトキシメチル]—トリシクロ [5· 2.1.02·6] デカン、 1, 2—ビス [2— {(1ーェチルー 3—ォキセタニル)メトキシ }ェチルチオ]エタ ン、 4, 4' ビス [(1ーェチルー 3—ォキセタニル)メチル]チォジベンゼンチォエー テル、 2, 3 ビス [(3 ェチルォキセタンー3 ィル)メトキシメチル]ノルボルナン(N DMOX)、 2 ェチル 2— [ (3 ェチルォキセタン 3 ィノレ)メトキシメチル] 1 , 3— O ビス [ ( 1—ェチル 3—ォキセタニル)メチル]—プロパン一 1, 3—ジオール (TMPTOX)、2, 2 ジメチルー 1, 3— O ビス [(3 ェチルォキセタン一 3 ィル )メチル] プロパン—1, 3—ジオール(NPGOX)、 2—ブチルー 2—ェチルー 1, 3 O ビス [ (3—ェチルォキセタン 3—ィノレ)メチル] プロパン 1, 3—ジォーノレ 、 1, 4 0—ビス [(3—ェチルォキセタンー3—ィル)メチル] ブタン 1, 4ージォ ール、 2, 4, 6— 0—トリス [(3 ェチルォキセタンー3 ィノレ)メチノレ]シァヌル酸、ビ スフエノーノレ Aと 3—ェチルー 3—クロロメチルォキセタン(OXCと略す)のエーテル化 物(BisAOX)、ビスフエノール Fと OXCのエーテル化物(BisFOX)、フエノーノレノボ ラックと OXCのエーテル化物(PNOX)、クレゾールノポラックと OXCのエーテル化物 (CNOX)、ォキセタニルシルセスキォキサン(OX—SQ)、 3—ェチルー 3—ヒドロキ
シメチルォキセタンのシリコンアルコキサイド(OX— SC) 3 ェチル 3— (2 ェチ チルー 3—(ドデシ口キシメチル)ォキセタン(OXR— 12) , 3-ェチルー 3—(ォクタ デシ口キシメチル)ォキセタン(OXR— 18)、 3 ェチル 3— (フエノキシメチル)ォキ セタン(ァロンォキセタン ΟΧΤ—211 (POX) )、 3—ェチルー 3—ヒドロキシメチルォ キセタン(OXA)、 3—(シクロへキシルォキシ)メチルー 3—ェチルォキセタン(CHO X)等が上げられる。ここで前記の括弧内は東亞合成株式会社の製品名又は略称で ある。
[0018] カチオン重合可能なビュルエーテル基を有する化合物としては特に限定されな!/、 、 2—ヒドロキシェチノレビニノレエーテノレ、ジエチレングリコーノレモノビニノレエーテノレ、 4ーヒドロキシブチノレビニノレエーテノレ、ジエチレングリコーノレものビニノレエーテノレ、トリ エチレングリコーノレジビニノレエーテノレ、シクロへキサンジメタノーノレジビニノレエーテノレ 、シクロへキサンジメタノーノレモノビニノレエーテノレ、 トリシクロデカンビニノレエーテノレ、 シクロへキシノレビニノレエーテノレ、メトキシェチノレビニノレエーテノレ、エトキシェチノレビ二 ルエーテル、ペンタエリスリトール型テトラビュルエーテル等が挙げられる。
[0019] これらの中でも 1分子中に 1つのカチオン重合可能な官能基を有する化合物が好ま しぐより好ましくは 1分子中に 1つのカチオン重合可能な官能基と少なくとも 1つの力 チオン重合可能な官能基以外の極性基を含むものが好ましレ、。これらの成分を添カロ することにより硬化物の架橋密度が下がり、また硬化物の極性が向上する。このため 、化学式(3)、又は (4)以外にカチオン重合可能な化合物を添加しない場合におい て発生する樹脂の破壊、およびガラスフィラーとマトリックス樹脂との界面での剥離を 抑制することができ、耐衝撃性、柔軟性を向上さることができる。
[0020] 化学式(3)、又は (4)で示される脂環式エポキシ樹脂と、化学式(3)、又は (4)で示 される脂環式エポキシ樹脂以外の、カチオン重合可能な官能基を有する化合物との 配合における重量比率は 99: 1〜70: 30であることが好まし!/、。
[0021] 本発明で用いられる樹脂組成物の硬化剤は特に限定されないが、酸無水物や脂 肪族ァミン等の架橋剤、またはカチオン系硬化触媒若しくはァニオン系硬化触媒等 の硬化剤を用いることができる。
[0022] しかしながら、ガラスフィラーと樹脂との界面に生じる歪みを抑制し、残留応力をで きるだけ小さくするには、カチオン系硬化触媒を用いて硬化できる樹脂が好ましい。 なぜならば前記脂環式エポキシ樹脂の硬化をカチオン系硬化触媒で用いて行うと、 樹脂材料を低温で硬化させることができるからである。酸無水物等の硬化剤を用いて 硬化させた場合は、本発明の目的は達成し得るものの、カチオン重合系と比較して、 低温での硬化は困難であり、線膨張係数もカチオン重合系と比較し大きくなるためガ ラスフィラーと樹脂との界面応力が大きくなる。
[0023] また、前記カチオン系硬化触媒を用いて前記樹脂組成物を硬化すると、硬化物の 耐熱性 (例えばガラス転移温度)が、他の硬化剤(例えば酸無水物)を用いて硬化し た硬化物のそれよりも高くなるからである。カチオン系硬化触媒を用いた硬化物の耐 熱性が、他の触媒を用いたものよりも高くなる理由は、前記カチオン系硬化触媒を用 V、て前記樹脂組成物を硬化した硬化物の架橋密度力 他の硬化剤(例えば酸無水 物)を用いて硬化した硬化物の架橋密度と比較して高くなるためと考えられる。
従って、上述のように、硬化剤としては、酸無水物等も適用可能であるが、カチオン 系硬化触媒の方がより好ましレ、。
[0024] 前記カチオン系硬化触媒としては、例えば加熱によりカチオン重合を開始させる物 質を放出するもの、例えばォニゥム塩系カチオン硬化触媒、またはアルミニウムキレ ート系カチオン硬化触媒)や、活性エネルギー線によってカチオン重合を開始させる 物質を放出させるもの(例えばォニゥム塩系カチオン系硬化触媒等)が挙げられる。 これらの中でも、熱カチオン系硬化触媒が好ましい。これにより、より耐熱性に優れる 硬ィ匕物を得ること力 Sできる。
[0025] 前記熱カチオン系硬化触媒としては、例えば芳香族スルホユウム塩、芳香族ョード ユウム塩、アンモニゥム塩、アルミニウムキレート、三フッ化ホウ素アミン錯体等が挙げ られる。具体的には、芳香族スルホニゥム塩として三新化学工業製の SI_60L、 SI-8 OL、 SI_100L、旭電化工業製の SP-66や SP-77等のへキサフルォロアンチモネ一 ト塩挙げられ、アルミニウムキレートとしてはェチルァセトアセテートアルミニウムジイソ プロピレート、アルミニウムトリス(ェチルァセトアセテート)等が挙げられ、三フッ化ホウ 素アミン錯体としては、三フッ化ホウ素モノェチルアミン錯体、三フッ化ホウ素イミダゾ
ール錯体、三フッ化ホウ素ピペリジン錯体等が挙げられる。
前記光力チオン系硬化触媒としては旭電化工業製の SP170等が上げられる。
[0026] 前記カチオン系触媒の含有量は、特に限定されないが、例えば前記化学式(1)で 示されるエポキシ樹脂を使用する場合は、該エポキシ樹脂 100重量部に対して 0. 1
〜5重量部が好ましぐ特に 0. 5〜3重量部が好ましい
[0027] 光硬化する場合は必要に応じて硬化反応を促進させるため増感剤、酸増殖剤等も あわせて用いることが可能である。
[0028] 本発明の透明複合シートにおける透明樹脂組成物の硬化後の屈折率とガラスフィ ラーとの屈折率との差は、優れた透明性を維持するため 0. 01以下であることが好ま しぐ 0. 005以下であることがより好ましい。
[0029] 本発明に用いるガラスフィラーの屈折率は、 1 · 4〜; ! · 6力 S好ましく、特に 1 · 5〜; ! ·
55が好ましい。屈折率が前記範囲内であると、繊維材料のアッベ数に近い透明樹脂 を選択することができ、透明樹脂のアッベ数とガラスのアッベ数が近いほど広い波長 領域で屈折率が一致し、広範囲で高レ、光線透過率が得られるからである。
[0030] 本発明で用いるガラスフイラ一としては、クロスゃ不織布などの繊維布などがあげら れ、中でも線膨張係数の低減効果が高いことからガラスクロス、ガラス不織布が好まし く、さらにガラスクロスが好ましい。
[0031] ガラスの種類としては Eガラス、 Cガラス、 Aガラス、 Sガラス、 Tガラス、 Dガラス、 NE ガラス、クォーツ、低誘電率ガラス、高誘電率ガラスなどが上げられ、中でもアルカリ 金属などのイオン性不純物が少なく入手の容易な Eガラス、 Sガラス、 Tガラス NEガラ スが好ましい。
[0032] ガラスフィラーの含有量は、透明複合シートに対し 1〜90重量%であることが好まし く、より好ましくは 10〜80重量%、さらに好ましくは 30〜70重量%である。ガラスフィ ラーの含有量がこの範囲であれば成形が容易で、複合化による線膨張の低下効果 が認められる。またガラスフィラー量が多ければ、単位体積あたりの樹脂量の均一性 が向上し、応力の均一性は透明複合基板の平坦性を向上させるからである。
[0033] 本発明の透明複合シートには必要に応じて透明性、耐溶剤性、低熱性、光学特性 、平坦性等の特性を損なわない範囲で、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂のオリゴ
マーやモノマー、またはカップリング剤などを併用してもよい。これらのオリゴマーゃモ ノマーを使用する場合は全体の屈折率がガラスフィラーの屈折率に合うように組成比 を調整する必要がある。また、本発明の複合体組成物には必要に応じて、透明性、 耐溶剤性、耐熱性などの特性を損なわない範囲で、少量の酸化防止剤、紫外線吸 収剤、染顔料、他の無機フィラーを含んでいてもよい。
[0034] 本発明の透明複合シートの生産方法には制限はなぐ例えば未硬化の樹脂組成 物とガラスフィラーとを直接混合し、必要な方に注型した後に架橋させてシートとする 方法、未硬化の樹脂組成物を溶剤に溶解しガラスフィラーを分散させてキャストした 後、架橋させてシートとする方法、未硬化の樹脂組成物または樹脂組成物を溶剤に 溶解させたワニスをガラスクロスやガラス不織布に含浸させた後架橋させてシートなど とする方法等が挙げられる。
[0035] 本発明の透明複合シートを、液晶表示素子用プラスチック基板、カラーフィルター 用基板、有機 EL表示素子用プラスチック基板、電子ペーパー用基板、太陽電池用 基板、タツチパネル等の光学用途として用いる場合、厚さは好ましくは 40〜200 m であり、より好ましくは 50〜; 100 μ mである。
[0036] また、この透明複合シートを光学用途として用いる場合、 30°C〜250°Cにおける平 均線膨張係数が 40ppm以下であることが好ましぐより好ましくは 20ppm以下、最も 好ましくは lOppm以下であり、ガラス転移温度は好ましくは 200°C以上であり、より好 ましくは 250°C以上である、
[0037] 本発明の透明複合シートを表示用プラスチック基板として用いる場合、波長 400η mにおける全光線透過率は 80%以上が必要であり、更に好ましくは 85%以上であり 、さらに好ましくは 88%以上である。
[0038] 本発明の透明複合シートを表示素子用プラスチック基板として用いる場合、平滑性 を向上させるため基板の両側に樹脂のコート層を設けても良い。用いる樹脂としては 優れた耐熱性、透明性、耐薬品性を有していることが好ましぐ具体的には前記ェポ キシ樹脂が好ましい。コート層の厚みは 0. 1〃111〜30〃111カ好ましくょり好ましくは0 実施例
[0039] 以下、本発明の内容を実施例により詳細に説明するが、本発明はその要旨を超え なレ、限り以下の例に限定されるものではなレ、。
[0040] (実施例 1)
Tガラス系ガラスクロス(厚さ 95 m、屈折率 1 · 526、 日東紡製)に化学式(1)の構 造を有する水添ビフヱ二ル型脂環式エポキシ樹脂 (ダイセル化学工業製、 E— BP) 7 5重量部、 3—ェチル 3—ヒドロキシメチルォキセタン(東亞合成製、 OXT—101) 20 重量部、ビスフエノール S型エポキシ樹脂(大日本インキ化学製、 ΕΧΑ—1514) 5重 量部、芳香族スルホ二ゥム系熱カチオン触媒(三新化学製 SI— 100L) 1重量部を混 合した樹脂組成物を含浸させ脱泡した。このガラスクロスを離型処理したガラス板に 挟み込み、 80°Cで 2時間加熱後、 250°Cで更に 2時間加熱し、厚み 97 mの透明 複合シートを得た。
[0041] (実施例 2)
Tガラス系ガラスクロス(厚さ 95 m、屈折率 1 · 526、 日東紡製)に化学式(1)の構 造を有する水添ビフヱ二ル型脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業製、 E— BP、 T g : 〉250°C) 75重量部、 3— (シクロへキシロキシ)メチル 3 ェチルォキセタン(東 亞合成製、 0 丁 213) 20重量部、ビスフエノール S型エポキシ樹脂(大日本インキ 化学製、 EXA— 1514) 5重量部、芳香族スルホユウム系熱カチオン触媒(三新化学 製 SI— 100L) 1重量部を混合した樹脂組成物を含浸させ脱泡した。このガラスクロス を離型処理したガラス板に挟み込み、 80°Cで 2時間加熱後、 250°Cで更に 2時間加 熱し、厚み 97 mの透明複合シートを得た。
[0042] (実施例 3)
Tガラス系ガラスクロス(厚さ 95 m、屈折率 1 · 526、 日東紡製)に化学式(1)の構 造を有する水添ビフヱ二ル型脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業製、 E— BP、 T g : 〉250°C) 85重量部、グリシドール (東京化成製) 15重量部、芳香族スルホニゥム 系熱カチオン触媒 (三新化学製 SI— 100U 1重量部を混合した樹脂組成物を含浸さ せ脱泡した。このガラスクロスを離型処理したガラス板に挟み込み、 80°Cで 2時間加 熱後、 250°Cで更に 2時間加熱し、厚み 97 mの透明複合シートを得た。
[0043] (実施例 4)
Tガラス系ガラスクロス(厚さ 95 m、屈折率 1 · 526、 日東紡製)に化学式(1)の構 造を有する水添ビフヱ二ル型脂環式エポキシ樹脂 (ダイセル化学工業製、 Ε— BP) 7 5重量部、 3—ェチル 3—ヒドロキシメチルォキセタン(東亞合成製、 OXT—101) 20 重量部、力ルド骨格を有するエポキシ樹脂 (オンファイン株式会社製、 ΕΧ- 1040) 5 重量部、芳香族スルホ二ゥム系熱カチオン触媒(三新化学製 SI— 100L) 1重量部を 混合した樹脂組成物を含浸させ脱泡した。このガラスクロスを離型処理したガラス板 に挟み込み、 80°Cで 2時間加熱後、 250°Cで更に 2時間加熱し、厚み 97 mの透 明複合シートを得た。
[0044] (実施例 5)
Tガラス系ガラスクロス(厚さ 95 m、屈折率 1 · 526、 日東紡製)に化学式(1)の構 造を有する水添ビフヱ二ル型脂環式エポキシ樹脂 (ダイセル化学工業製、 E— BP) 7 5重量部、 3—ェチル 3—ヒドロキシメチルォキセタン(東亞合成製、 OXT—101) 20 重量部、力ルド骨格を有するエポキシ樹脂 (オンファイン株式会社製、 ΕΧ— 1011) 5 重量部、芳香族スルホ二ゥム系熱カチオン触媒(三新化学製 SI— 100L) 1重量部を 混合した樹脂組成物を含浸させ脱泡した。このガラスクロスを離型処理したガラス板 に挟み込み、 80°Cで 2時間加熱後、 250°Cで更に 2時間加熱し、厚み 97 mの透 明複合シートを得た。
[0045] (比較例 1)
Tガラス系ガラスクロス(厚さ 95 m、屈折率 1 · 526、 日東紡製)に化学式(1)の構 造を有する水添ビフヱ二ル型脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業製、 E— BP、 T g :〉250°C) 100重量部、芳香族スルホ二ゥム系熱カチオン触媒(三新化学製 SI— 100L) 1重量部を混合した樹脂組成物を含浸させ脱泡した。このガラスクロスを離型 処理したガラス板に挟み込み、 80°Cで 2時間加熱後、 250°Cで更に 2時間加熱し、 厚み 97 11 mの透明複合シートを得た。
[0046] (バリア付基板の作成)
上記、実施例、及び比較例で得られた基板を RFスパッタリング装置の真空チャン バー内へセットした。 5 X 10— 4Paの真空度に達したところで Arガスを 0. lPa導入し、 透明複合シートと原材料の SiOターゲットとの間に 0. 3kWの RF電力を投入し、放
電を開始した。放電が安定したところで透明複合シートと原材料の間に具備されたシ ャッターを開き、透明複合シート上へ SiOxからなる無機物質層の堆積を開始した。 無機物質層が l OOnm堆積したところでシャッターを閉じて堆積を終了し、真空チャン バーを大気開放し、バリア付基板を作成した。
[0047] 実施例、比較例の透明複合シートの配合及び特性の評価結果を表 1に、バリア付 基板の評価結果を表 2に示す。
評価方法は以下の通りである。
[0048] (a)極限曲率径(折り曲げ特性)
図 1に示すように、 10mm幅に切断した透明複合シート 1 1を、種々の直径を有する 円柱状の金属棒 12に巻きつけ、 500gのおもり 13をつるして透明複合シートにクラッ クの生じる金属棒の直径を極限曲率径とした。
[0049] (b)うねりの評価
所定の計測面積(S )における基板表面をレーザー変位計をスキャンさせて、計測 した基板表面積(S )の計測面積に対する増分率(S -S ) /Sをうねり特性値として
2 2 1 1
算出し、下記のような基準でうねり特性値を判定した。
良好〇:うねり特性値 1. 5 X 10— 6以下
劣悪 X:うねり特性値 1. 5 X 10— 6を超える値
測定方法の詳細は以下の通りである。図 2-aは表面形状計測装置を示す。計測装 置は固定されたレーザー変位計 3 (キーエンス社製; LT-9030M)と X—Yオートステ ージ 2 (コムス社製)で構成されている。オートステージ上に基板 1を設置し、計測範 囲 4 [X X Y ]を設定する。オートステージ X方向に移動させることによりレーザー変
L L
位計を走査させ、計測ピッチ Xで基板表面の高さを計測する。この走査をピッチ Y
P P
毎に実施することにより、 X 、 Y (図 2-b)間隔での基板表面形状データを得る。今回
P P
の計測では Xおよび Yを 50mm、 Xおよび Yを 0. 5mmに設定し計測を実施した
L L P P
〇
図 3-aは所定の範囲で計測された基板表面 5を示して!/、る。計測した基板形状の表 面積を算出するため、隣り合う計測ポイント 4点から構成される要素の面積を求める。 計測表面の局所部分 6を拡大したものを図 3-bに示す。隣り合う 4点で構成される要
素 7において、基準点 7aを設定し、 X側の点 7bと基準点の高さ差 Zの算出により基
P X
準点に対する 7bのベクトル (X 0 Z )、Y側の点 7cと基準点の高さ差 Z の算出に
P X P Y
より基準点に対する 7cのベクトル(0 Y Ζ )を得る。この両ベクトルのなす平面の面
Ρ Υ
積を要素 7の面積と近似し、外積の大きさを求めることにより面積を得る。計測表面を 構成している各要素に対して同様の手法で面積を求め、これらの総和を算出するこ とで計測した基板の表面積(S )を得る。計測された表面形状がフラットであるほど得
2
られた表面積は計測面積 X Χ Υに近づくことから、算出された表面積(S )より計測
L L 2 面積 )を引き、凹凸に伴う表面積増加量を算出する。表面積増加量 (s -s )を計
1 2 1 測面積(S )で割ることで正規化した値をうねり特性値とした。
[0050] (c)平均線膨張係数
SEIKO電子(株)製 TMA/SS6000型熱応力歪み測定装置を用いて、窒素雰囲 気下、 1分間に 5°Cの割合で昇温させ、荷重を 5gにして引っ張りモードで測定を行い
、所定温度範囲における平均線膨張係数を算出した。
[0051] (d)耐熱性
SEIKO電子(株)製 DNS210型動的粘弾性測定装置を用いて、 1Hzでの tan δの 最大値をガラス転移温度 (Tg)とした。
[0052] (e)光線透過率
分光光度計 U3200 (島津製作所製)で 400nmにおける全光線透過率を測定した
[0053] (f)光学異方性
偏光顕微鏡を用いクロスニコル状態にした後、透明基板をステージ上で回転させな がら、最も光の透過度が強くなる位置で評価を行った。各符号は、以下の通りである
〇:良好 (光の透過が若干観測されるが、実用上問題ない)
X:不良(光の透過が多く観測され、実用上問題あり)
[0054] (g)シール密着強度
東芝シリコーン製シール材 TSE— 3337の主剤及び硬化剤をそれぞれ 50重量部 、スぺーサ一として触媒化成製 EPOSTAR— GP— H80 (8 m φ ) 2重量部を容器
に取り、スリーワンモーターで予備混合し、三本ロールによりさらに十分混練脱泡し、 シール材を得た。このシール材を実施例および比較例で得られた基板にバリア膜を つけたバリア付基板上にスクリーン印刷により塗布し、 40°Cで 14分間予備硬化を行 つた。次にもう一枚の基板を載せ、実効圧として 0. 015MPaの圧力をかけ、シール 材の幅が 1 X 30mmになるように基板に貼り合わせ、圧力を掛けたまま 70°Cで 30分 、 120°Cで 30分硬化させ評価用サンプルを得た。得られた基板を 8mm幅の短冊状 に切り取り、シール材部の剥離強度(90° ピール強度)をテンシロンで測定した。シ ール密着強度、及び剥離時のシール部周辺のクラック発生状況を表 2に示す。
[表 1]
ピール強度(N/8mm) シール部周辺状態
実施例 1のバリア付基板 1.6~4 変化なし
実施例 2のバリア付基板 1.6-4 変化なし
実施例 3のバリア付基板 1.6〜4 変化なし
実施例 4のバリア付基板 1.6-4 変化なし
実施例 5のバリア付基板 1.6~4 変化なし
比較例 1のバリア付基板 1.6〜3 クラック発生 産業上の利用可能性
[0057] 本発明の透明複合シートは、例えば透明板、光学レンズ、液晶表示素子用プラス チック基板、カラーフィルター用基板、有機 EL表示素子用プラスチック基板、太陽電 池基板、タツチパネル、導光板、光学素子、光導波路、 LED封止材等に好適に利用 できる。
図面の簡単な説明
[0058] [図 1]透明複合シートの耐折り曲げ特性の試験方法を示す概略図
[図 2]表面形状計測装置の概略及び計測ピッチを示す図
[図 3]計測された基板表面及び局所部分の拡大を示す図
符号の説明
1 基板
2 X— Yオートステージ
3 レーザー変位計
4 計測範囲
5 計測された基板表面
6 計測表面の局所部分
7 隣り合う 4点で構成される要素
11 透明複合シート
12 金属棒
13 錘