JP2000077395A5 - - Google Patents
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Description
【書類名】 明細書
【発明の名称】 プラズマ処理装置および検出窓
【特許請求の範囲】
【請求項1】 処理容器と、
処理容器内に処理ガスのプラズマを生成するプラズマ生成手段と、
処理容器内に生成したプラズマを検出するための検出窓とを具備するプラズマ処理装置であって、
前記検出窓は、
前記処理容器の壁部に設けられ、透光性を有する第1部材と、
前記第1部材の前記処理容器内部側に配置され、前記処理容器内のプラズマの光を前記第1部材に導くように形成された多数の微細貫通孔を有し、少なくともその表面がプラズマの発光スペクトルに対して不透過性を有する第2部材と、
前記第1部材と第2部材との間に設けられ、前記第1部材よりも耐プラズマ性が高い透光性材料からなる第3部材とを有することを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項2】 さらに、検出窓を透過したプラズマの発光スペクトルを検出する検出器を具備することを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項3】 前記第1部材と前記第2部材とは、離隔して設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプラズマ処理装置。
【請求項4】 前記第3部材は、前記第2部材の表面に密着されていることを特徴とする請求項3に記載のプラズマ処理装置。
【請求項5】 さらに、前記処理容器の側壁の内側に設けられ、処理容器内で生成された反応生成物が処理容器の内壁に付着することを防止するためのシールド部材を有し、前記第2部材はこのシールド部材に取り付けられていることを特徴とする請求項4に記載のプラズマ処理装置。
【請求項6】 前記第3部材は、前記第2部材から離隔して設けられていることを特徴とする請求項3に記載のプラズマ処理装置。
【請求項7】 前記第1部材、第2部材、第3部材は密着されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプラズマ処理装置。
【請求項8】 前記第1部材は石英で構成され、前記第3部材はサファイアで構成されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
【請求項9】 前記第3部材は、0.2〜1mmの厚さを有することを特徴とする請求項8に記載のプラズマ処理装置。
【請求項10】 プラズマ生成手段により処理容器内に処理ガスのプラズマを生成してプラズマ処理を行うプラズマ処理装置において処理容器内のプラズマを検出するための検出窓であって、
前記処理容器の壁部に設けられ、透光性を有する第1部材と、
前記第1部材の前記処理容器内部側に配置され、前記処理容器内のプラズマの光を前記第1部材に導くように形成された多数の微細貫通孔を有し、少なくともその表面がプラズマの発光スペクトルに対して不透過性を有する第2部材と、
前記第1部材と第2部材との間に設けられ、前記第1部材よりも耐プラズマ性が高い透光性材料からなる第3部材とを有することを特徴とする検出窓。
【請求項11】 前記第1部材と前記第2部材とは、離隔して設けられていることを特徴とする請求項10に記載の検出窓。
【請求項12】 前記第3部材は、前記第2部材の表面に密着されていることを特徴とする請求項11に記載の検出窓。
【請求項13】 前記第3部材は、前記第2部材から離隔して設けられていることを特徴とする請求項11に記載の検出窓。
【請求項14】 前記第1部材、第2部材、第3部材は密着されていることを特徴とする請求項10に記載の検出窓。
【請求項15】 前記第1部材は石英で構成され、前記第3部材はサファイアで構成されていることを特徴とする請求項10から請求項14のいずれか1項に記載の検出窓。
【請求項16】 前記第3部材は、0.2〜1mmの厚さを有することを特徴とする請求項15に記載の検出窓。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、処理容器内のプラズマを検出する検出窓を備えたプラズマ処理装置および検出窓に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの製造においては、従来より、ドライエッチングやプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)等のプラズマ処理が多用されている。このようなプラズマ処理を行うプラズマ処理装置としては、気密な処理容器内に、上部電極と下部電極とを対向配置し、下部電極上に被処理体である半導体ウエハを載置した後、処理容器内に所定の処理ガスを導入し、次いで、例えば下部電極に対して所定の高周波電力を印加することにより、処理容器内にプラズマを形成し、そのプラズマにより半導体ウエハに対して所定のプラズマ処理を行うものが一般的に用いられている。
【0003】
このようなプラズマ処理装置において、プラズマ処理、例えばエッチング処理の終点検出は、処理容器内で励起されたプラズマの発光スペクトルの変化に基づいて、次のようにして行われる。すなわち、まず処理容器内の発光スペクトルを発光スペクトルの検出光路中の処理容器側壁に配置された、例えば石英から成るプラズマ光の検出窓を介して処理容器外部の終点検出器の光受容部に伝達する。次いで、伝達された発光スペクトルの変化に基づいて、終点検出器でエッチング処理の終点を検出する。
【0004】
しかし、処理時には、例えば反応生成物などの付着物が処理容器内に生じるため、その付着物が検出窓の処理容器内部側の面に付着し、プラズマ光の透過性が低下して、エッチング処理の終点の検出が次第に困難になるため、検出窓の洗浄または交換を頻繁に行わなければならないという問題が生じる。
【0005】
そこで、従来、このような問題を解決するために、検出窓の処理容器内部側の面に、例えば盲孔を形成して表面積を拡大し、処理時間当たりの反応生成物の付着量を低下させて、検出窓の洗浄または交換時期の延長を図る技術が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した盲孔を有する検出窓は、プラズマ光透過性材料から形成されているため、発光スペクトルが盲孔底面以外からも終点検出器に伝達される。したがって、反応生成物が検出窓の処理容器内部側の面や盲孔内壁面等に付着した場合には、終点検出器に到達する発光スペクトルの光量が、反応生成物の付着量に伴って低下し、高精度の終点検出を行うことが困難である。また、検出窓として石英を用いる場合には、プラズマにより石英がエッチングされやすく、エッチングにより曇りが生じて透過光量が低下してしまう。
【0007】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、反応生成物等の付着物が検出窓の表面に付着し難く、かつプラズマにより検出窓表面がエッチングされにくく、長期間に亘ってプラズマ状態を高精度で検出することが可能なプラズマ処理装置およびそのような検出窓を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明によれば、処理容器と、
処理容器内に処理ガスのプラズマを生成するプラズマ生成手段と、
処理容器内に生成したプラズマを検出するための検出窓とを具備するプラズマ処理装置であって、
前記検出窓は、
前記処理容器の壁部に設けられ、透光性を有する第1部材と、
前記第1部材の前記処理容器内部側に配置され、前記処理容器内のプラズマの光を前記第1部材に導くように形成された多数の微細貫通孔を有し、少なくともその表面がプラズマの発光スペクトルに対して不透過性を有する第2部材と、
前記第1部材と第2部材との間に設けられ、前記第1部材よりも耐プラズマ性が高い透光性材料からなる第3部材とを有することを特徴とするプラズマ処理装置が提供される。
【0009】
また、本発明によれば、プラズマ生成手段により処理容器内に処理ガスのプラズマを生成してプラズマ処理を行うプラズマ処理装置において処理容器内のプラズマを検出するための検出窓であって、
前記処理容器の壁部に設けられ、透光性を有する第1部材と、
前記第1部材の前記処理容器内部側に配置され、前記処理容器内のプラズマの光を前記第1部材に導くように形成された多数の微細貫通孔を有し、少なくともその表面がプラズマの発光スペクトルに対して不透過性を有する第2部材と、
前記第1部材と第2部材との間に設けられ、前記第1部材よりも耐プラズマ性が高い透光性材料からなる第3部材とを有することを特徴とする検出窓が提供される。
【0010】
このような構成を有する本発明によれば、検出窓の第1部材が透光性を有し、第2部材に微細貫通孔が形成されており、かつ第1部材と第2部材との間に、第1部材よりも耐プラズマ性が高い透光性材料からなる第3部材を設けたので、第2部材の微細貫通孔の存在により、光を透過しつつ反応生成物等の侵入を妨げることができ、しかも第3部材によりプラズマによるエッチングを抑制することができる。したがって、反応生成物の付着やプラズマによるエッチングによって生じる透光性低下を生じ難くすることができる。一方、第2部材の少なくとも表面がプラズマの発光スペクトルに対して不透過性を有するので、第2部材の微細貫通孔内を通過した発光スペクトルのみが第3部材および第1部材を通過し、そのため反応生成物がたとえ第2部材の表面に付着した場合でも、検出される発光スペクトルの光量が低下しない。以上のようなことから、本発明によれば、長期間に亘ってプラズマ状態を高精度で検出することが可能となる。また、光透過性部分として第1部材の処理容器側部分に第3部材を設けたので、プラズマにより透光性が低下したとしても、第3部材のみを交換すればよいので、第1部材の交換頻度を著しく少なくすることができる。
【0011】
このような構成において、前記第1部材と前記第2部材とを離隔して設けることにより、第1部材への反応生成物の付着を効果的に防止することができるとともに、第2部材の交換が容易となる。そしてこの場合に、第3部材を第2部材の表面に密着するように設けることにより、第2部材と第3部材とを一体的に交換することができ、交換作業を一層容易にすることができる。
【0012】
このように第2部材および第3部材を第1部材から離隔して設ける場合には、処理容器の側壁の内側に設けられ、処理容器内で生成された反応生成物が処理容器の内壁に付着することを防止するためのシールド部材に、第2部材を取り付け、第3部材を第2部材に密着させれば、第2部材および第3部材の交換の際にはシールド部材を外せばよいので、これらの交換作業をさらに一層容易にすることができる。
【0013】
また、このように第1部材と第2部材とを離隔して設ける際に、第3部材と第1部材とを離隔させることにより、第2部材の貫通孔から反応生成物が侵入した場合でも、第3部材への反応生成物等の付着を少なくすることができる。
【0014】
さらに、第1部材、第2部材、第3部材を密着して構成することができ、この場合にも、長期間に亘ってプラズマ状態を高精度で検出することが可能となるという本発明の基本効果を得ることができる。
【0015】
本発明において、前記第1部材は石英で構成され、前記第3部材はサファイアで構成されていることが好ましい。すなわち、第1部材として従来検出窓用材料として一般的に用いられている石英を用い、第3部材として、石英に近い透光性を有し、石英よりも高いプラズマ耐性を有するサファイア、特に単結晶サファイアを用いることにより、コストを上昇させずに、上記効果を得ることができる。この場合に、サファイア製の第3部材は、0.2〜1mmの厚さを有することが好ましい。その厚さが1mmを超えると透光量が低下し、0.2mm未満であると取り扱いが困難となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について具体的に説明する。図1は本発明のプラズマ処理装置をエッチング装置に適用した一実施形態に係る概略断面図、図2は図1の要部を拡大して示す断面図である。
【0017】
エッチング装置100は、アルミニウム等の導電性材料からなり内部が円筒状をなし、内部を真空保持することが可能な処理容器1を備えている。この処理容器1は、天壁1aと、側壁1bと、底壁1cとで構成され、天壁1aが取り外し可能となっている。処理容器1内底部には絶縁支持板2を介して下部電極を構成する略円筒形状のサセプタ3が配置されている。また、処理容器1の天壁には上部電極を構成する中空円盤状をなすシャワーヘッド4がサセプタ3に対向するように設けられている。
【0018】
サセプタ3は、アルミニウム等の導電性材料からなり、その上面に被処理体である半導体ウエハWが載置される。サセプタ3内には、温度調整機構(図示せず)が設けられており、これによりサセプタ3上に載置された半導体ウエハWを所望の温度に制御可能となっている。サセプタ3の半導体ウエハWの載置面には、静電チャック(図示せず)が配置されており、これにより半導体ウエハWが静電吸着され、サセプタ3上に所望の状態で保持される。さらに、サセプタ3のウエハ載置面の外縁部には、絶縁性材料からなる略環状のフォーカスリング(図示せず)が設けられている。フォーカスリングはプラズマを半導体ウエハWに集中させる機能を有しており、これによりウエハWに対して均一なプラズマ処理を施すことができる。
【0019】
シャワーヘッド4はカーボン、シリコン等の導電性材料からなり、その内部には空問部4aが形成されており、その下面には空間部4aから連続するガス吐出孔4bが多数形成されている。さらに、空問部4aの上部略中央には、ガス導入管5が接続されており、このガス導入管5はガス供給源6に接続されている。したがって、処理時には、ガス供給源6から所定の処理ガスが、ガス導入管5、シャワーヘッド4の空問部4aおよびガス吐出孔4bを介して、サセプタ3上の半導体ウエハWの表面に向けて均一に吐出される。
【0020】
処理容器1の底壁1cには、排気管7が接続されており、この排気管7は排気機構8に接続されている。したがって、排気機構8を作動させることにより、処理容器1内が排気され、その中が所定の減圧雰囲気に維持可能となっている。
【0021】
サセプタ3には、マッチング回路9を介して高周波電源10が接続されている。一方、上部電極であるシャワーヘッド4は接地されている。そして、処埋時には、所定の高周波電力が高周波電源10からマッチング回路9を介してサセプタ3に印加され、その結果、処理容器1内に導入された処理ガスが解離してプラズマ化し、このプラズマにより半導体ウエハに対して所定のエッチング処理が施される。
【0022】
処理容器1の内側には、処理容器1よりも若干小径の円筒からなるシールド部材11が取り付けられている。このシールド部材11は、処理容器1の天壁1aを外すことにより取り外し可能となっている。このシールド部材11は、処理ガスのプラズマによるエッチング反応によって生じた反応生成物が処理容器1の壁部に付着することを防止する機能を有している。
【0023】
また、本実施形態のエッチング装置においては、処理容器1の側壁1bおよびシールド部材11のプラズマ生成領域に対応する部分には、処理容器1内部に生成しているプラズマの状態を検出するための検出窓12が設けられている。そして、処理容器1の外部の検出窓12に対応する位置には終点検出器13が設けられている。
【0024】
終点検出器13は受光素子を有し、上記検出窓12を透過してきた処理容器1内のプラズマの発光スペクトルを検出し、それに基づいてエッチング処理の終点を把握するようになっている。
【0025】
検出窓12は、図2に示すように、処理容器1の側壁1bにはめ込まれた石英からなる第1部材21と、シールド部材11壁部の第1部材21に対応する部分にはめ込まれ、表面がアルマイト処理(陽極酸化処理)されたアルミニウムからなる第2部材22と、第2部材22の第1部材21側の面に密着された単結晶サファイアからなる第3部材23とで構成されている。
【0026】
第1部材21は、厚さが例えば8mmであり、処理容器1の側壁1bに形成されたはめ込み穴20にはめ込まれ、押さえ枠31により側壁1bに取り付けられている。そして、第1部材21と側壁1bとの間はOリング24で真空封止され、押さえ枠31は、ねじ32により側壁1bにねじ止めされる。
【0027】
第2部材22は、図3にも示すように、シールド部材11の第1部材21に対応する部分に形成されたはめ込み穴30にはめ込まれており、処理容器1内のプラズマの光を第1部材21に導くように水平に形成された多数の貫通孔22aを有している。この貫通孔22aは、例えば、直径が0.8mmであり、27mm×14mmの部分に220個存在している。この第2部材22は、張り出し部22bを有し、その部分においてねじ33によりシールド部材11にねじ止めされている。
【0028】
第3部材23は、例えば0.5mm程度と薄く形成され、粘着テープ等の適宜の手段により第2部材22の表面に密着され、第2部材22と一体化されている。
【0029】
上記第1部材21および第3部材23を構成する石英およびサファイアは光透過性を有しており、プラズマ光を透過する。一方、第2部材22を構成するアルミニウムは、プラズマ光に対して不透過性である。
【0030】
このように構成されるエッチング装置においては、まず、処理容器1内のサセプタ3上に半導体ウエハWを載置し、処理容器1内を排気装置8により所定の圧力まで減圧する。次いで、ガス供給源6から配管を通って処理ガス導入口5から所定の処理ガスをシャワーヘッド4のガス吐出孔4bから半導体ウエハWに向けて吐出させる。それと同時に高周波電源10からマッチング回路9および給電棒7を通って所定の周波数および電圧の高周波をサセプタ3に印加する。これにより、処理容器1内のサセプタ3とシャワーヘッド4との間の空間には処理ガスのプラズマが生成され、半導体ウエハWに対して所定のプラズマ処理が施される。
【0031】
この際に、半導体ウエハWのエッチングの進行に従ってプラズマの発光スペクトルが変化する。この時、プラズマの発光スペクトルは、検出窓12の第2部材22に形成された多数の貫通孔22aを通過し、さらに第3部材23および第1部材21を透過して終点検出器13に導かれる。そして、この終点検出器13において、検出された発光スペクトルの変化に基づいてエッチング処理の終点を把握し、エッチング処理を終了する。
【0032】
本実施形態においては、以上のように、多数の微細貫通孔22aが形成された第2部材22を設けたので、この微細貫通孔22aの存在により、光を透過しつつ反応生成物等の侵入を妨げることができ、また、第2部材22はプラズマの発光スペクトルに対して不透過性のアルミニウムで構成されているので、微細貫通孔22a内を通過した発光スペクトルのみが第3部材23および第1部材21を透過し、そのため反応生成物がたとえ第2部材22の表面に付着した場合でも、検出される発光スペクトルの光量が低下しない。
【0033】
一方、第3部材23を構成する単結晶サファイアは、厚さ0.5mmの場合の光透過率のデータである図4に示すように、石英に近い光透過性を有しており、しかもアルゴンイオンビームによるエッチングにおけるエッチングレートを示す図5から明らかなように、石英の3倍以上の耐エッチング性(耐プラズマ性)を有している。したがって、第3部材23を第2部材22の表面に設けることにより、光透過部分のプラズマによるエッチングを抑制することができる。
【0034】
ただし、図4から理解されるように、サファイアは石英よりも光透過性が低いため、あまり厚くすると必要な透光性が得られない。したがって、良好な透光性を維持する観点からは第3部材23の厚さは1mm以下が適当である。また、薄すぎても取り扱いが困難であるため、0.2mm以上であることが好ましい。
【0035】
なお、第1部材21には大気圧と真空圧との差圧がかかるので、所定の強度が必要であり、そのため8mm程度の厚さが必要である。したがって、第3部材を省き、第1部材21をサファイアで形成すると光の透過率が大幅に低下してしまう。
【0036】
このように、本実施形態により、光透過部分への反応生成物の侵入や、光透過部分のエッチングを抑制することができることから、これらによって生じる透光性低下を小さくすることができる。また、上述したように第2部材22はプラズマの発光スペクトルに対して不透過性であるため、第2部材22に反応生成物等が付着しても検出される発光スペクトルの光量が低下しない。したがって、長期間に亘ってプラズマ状態を高精度で検出することが可能となり、高精度でエッチングの終点を把握することができる。
【0037】
また、光透過性部分として第1部材21の内側部分に第3部材23を設けたので、プラズマにより透光性が低下したとしても、第3部材23のみを交換すればよいので、第1部材21の交換頻度を著しく少なくすることができる。
【0038】
さらに、第2部材22が、取り外し可能なシールド部材11に設けられており、第3部材23が第2部材22に密着されているので、シールド部材11を取り外すことにより、第2部材22および第3部材23を同時に交換することができ、これらの交換作業が極めて容易である。
【0039】
次に、検出窓の他の例について、図6を参照しながら説明する。
ここでは、第2部材22をシールド部材11ではなく、処理容器1の側壁1bに設けて検出窓42を構成した例をを示す。図6に示すように、第2部材22の外側の面に第3部材23が密着され、第3部材23の外側の面に第1部材21が密着され、第1部材21は押さえ枠43により側壁1bに押しつけられ、押さえ枠43および第2部材の張り出し部22bが側壁1bにねじ44によりねじ止めされている。なお、第2部材22の張り出し部22bと側壁1bとの間はOリング24で真空封止される。
【0040】
このように第1部材21、第2部材22、第3部材23を密着して検出窓42を構成した場合にも、光透過部分への反応生成物の侵入や、光透過部分のエッチングを抑制することができることから、これらによって生じる透光性低下を小さくすることができる。また、上述したように第2部材22はプラズマの発光スペクトルに対して不透過性であるため、第2部材22に反応生成物等が付着しても検出される発光スペクトルの光量が低下しない。したがって、長期間に亘ってプラズマ状態を高精度で検出することが可能となり、高精度でエッチングの終点を把握することができる。
【0041】
次に、検出窓のさらに他の例について、図7を参照しながら説明する。
ここでは、第3部材23との間に空間51を形成するように外側に突出部を有する張り出し部22b’が形成された第2部材22’を用い、図6の場合と同様に第2部材を処理容器1の側壁1bに設けて検出窓52を構成した例を示す。図7に示すように、張り出し部22b’により第3部材23が第2部材22’の貫通孔22a’形成部分から離隔した状態とされ、第3部材23の外側の面に第1部材21が密着され、第1部材21は押さえ枠53により側壁1bに押しつけられ、押さえ枠53および第2部材の張り出し部22b’が側壁1bにねじ54によりねじ止めされている。なお、第2部材22’の張り出し部22b’と側壁1bとの間はOリング24で真空封止される。
【0042】
このように第2部材22’と第3部材23とを離隔して検出窓52を構成した場合には、第2部材22’の貫通孔22a’から反応生成物が侵入した場合でも、第3部材23への反応生成物等の付着を少なくすることができる。
【0043】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく種々変形可能である。例えば、上記実施形態においては、第2部材としてアルミニウムを用いたが、これに限らず、少なくとも表面がプラズマの発光スペクトルに対して不透過性のものであればよく、光透過性部材の表面に不透過性部材をコーティングしたものであってもよい。また、第1部材および第3部材を構成する透光性部材としては、上記石英およびサファイアに限定されるものではない。
【0044】
さらに、上記実施形態では、検出窓をプラズマの終点を検出するために用いたが、これに限らず、他の目的でプラズマ状態を検出する場合に適用することもできる。さらにまた、検出窓の位置もプラズマ状態を検出することができる限り、上記位置に限定されるものではないし、その個数も1個に限らず複数設けてもよい。
【0045】
上記実施形態ではプラズマ処理としてエッチング処理を行う場合について示したが、これに限らずプラズマCVDに成膜処理等、他のプラズマ処理にも適用することが可能である。また、被処理体として半導体ウエハを用いた例について示したが、これに限らず液晶表示装置用ガラス基板等、他の被処理体を処理する場合であってもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、検出窓の第1部材が透光性を有し、第2部材に微細貫通孔が形成されており、かつ第1部材と第2部材との間に、第1部材よりも耐プラズマ性が高い透光性材料からなる第3部材を設けたので、第2部材の微細貫通孔の存在により、光を透過しつつ反応生成物等の侵入を妨げることができ、しかも第3部材によりプラズマによるエッチングを抑制することができる。したがって、反応生成物の付着やプラズマによるエッチングによって生じる透光性低下を生じ難くすることができる。一方、第2部材の少なくとも表面がプラズマの発光スペクトルに対して不透過性を有するので、第2部材の微細貫通孔内を通過した発光スペクトルのみが第3部材および第1部材を通過し、そのため反応生成物がたとえ第2部材の表面に付着した場合でも、検出される発光スペクトルの光量が低下しない。以上のようなことから、本発明によれば、長期間に亘ってプラズマ状態を高精度で検出することが可能となる。また、光透過性部分として第1部材の処理容器側部分に第3部材を設けたので、プラズマにより透光性が低下したとしても、第3部材のみを交換すればよいので、第1部材の交換頻度を著しく少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明のプラズマ処理装置をエッチング装置に適用した一実施形態に係る概略断面図。
【図2】
図1の要部を拡大して示す断面図。
【図3】
図1の装置に用いる検出窓の第2部材および第3部材を示す正面図。
【図4】
石英およびサファイアの光透過率を示すグラフ。
【図5】
石英とサファイアの耐エッチング性(耐プラズマ性)を比較して示すグラフ。
【図6】
検出窓の他の例を示す断面図。
【図7】
検出窓のさらに他の例を示す断面図。
【符号の説明】
1;処理容器
1b;側壁
3;サセプタ
4;シャワーヘッド
6;ガス供給源
8;排気装置
10;高周波電源
11;シールド部材
12;検出窓
21;第1部材
22,22’;第2部材
22a,22a’;微細貫通孔
23;第3部材
【発明の名称】 プラズマ処理装置および検出窓
【特許請求の範囲】
【請求項1】 処理容器と、
処理容器内に処理ガスのプラズマを生成するプラズマ生成手段と、
処理容器内に生成したプラズマを検出するための検出窓とを具備するプラズマ処理装置であって、
前記検出窓は、
前記処理容器の壁部に設けられ、透光性を有する第1部材と、
前記第1部材の前記処理容器内部側に配置され、前記処理容器内のプラズマの光を前記第1部材に導くように形成された多数の微細貫通孔を有し、少なくともその表面がプラズマの発光スペクトルに対して不透過性を有する第2部材と、
前記第1部材と第2部材との間に設けられ、前記第1部材よりも耐プラズマ性が高い透光性材料からなる第3部材とを有することを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項2】 さらに、検出窓を透過したプラズマの発光スペクトルを検出する検出器を具備することを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項3】 前記第1部材と前記第2部材とは、離隔して設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプラズマ処理装置。
【請求項4】 前記第3部材は、前記第2部材の表面に密着されていることを特徴とする請求項3に記載のプラズマ処理装置。
【請求項5】 さらに、前記処理容器の側壁の内側に設けられ、処理容器内で生成された反応生成物が処理容器の内壁に付着することを防止するためのシールド部材を有し、前記第2部材はこのシールド部材に取り付けられていることを特徴とする請求項4に記載のプラズマ処理装置。
【請求項6】 前記第3部材は、前記第2部材から離隔して設けられていることを特徴とする請求項3に記載のプラズマ処理装置。
【請求項7】 前記第1部材、第2部材、第3部材は密着されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプラズマ処理装置。
【請求項8】 前記第1部材は石英で構成され、前記第3部材はサファイアで構成されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
【請求項9】 前記第3部材は、0.2〜1mmの厚さを有することを特徴とする請求項8に記載のプラズマ処理装置。
【請求項10】 プラズマ生成手段により処理容器内に処理ガスのプラズマを生成してプラズマ処理を行うプラズマ処理装置において処理容器内のプラズマを検出するための検出窓であって、
前記処理容器の壁部に設けられ、透光性を有する第1部材と、
前記第1部材の前記処理容器内部側に配置され、前記処理容器内のプラズマの光を前記第1部材に導くように形成された多数の微細貫通孔を有し、少なくともその表面がプラズマの発光スペクトルに対して不透過性を有する第2部材と、
前記第1部材と第2部材との間に設けられ、前記第1部材よりも耐プラズマ性が高い透光性材料からなる第3部材とを有することを特徴とする検出窓。
【請求項11】 前記第1部材と前記第2部材とは、離隔して設けられていることを特徴とする請求項10に記載の検出窓。
【請求項12】 前記第3部材は、前記第2部材の表面に密着されていることを特徴とする請求項11に記載の検出窓。
【請求項13】 前記第3部材は、前記第2部材から離隔して設けられていることを特徴とする請求項11に記載の検出窓。
【請求項14】 前記第1部材、第2部材、第3部材は密着されていることを特徴とする請求項10に記載の検出窓。
【請求項15】 前記第1部材は石英で構成され、前記第3部材はサファイアで構成されていることを特徴とする請求項10から請求項14のいずれか1項に記載の検出窓。
【請求項16】 前記第3部材は、0.2〜1mmの厚さを有することを特徴とする請求項15に記載の検出窓。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、処理容器内のプラズマを検出する検出窓を備えたプラズマ処理装置および検出窓に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの製造においては、従来より、ドライエッチングやプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)等のプラズマ処理が多用されている。このようなプラズマ処理を行うプラズマ処理装置としては、気密な処理容器内に、上部電極と下部電極とを対向配置し、下部電極上に被処理体である半導体ウエハを載置した後、処理容器内に所定の処理ガスを導入し、次いで、例えば下部電極に対して所定の高周波電力を印加することにより、処理容器内にプラズマを形成し、そのプラズマにより半導体ウエハに対して所定のプラズマ処理を行うものが一般的に用いられている。
【0003】
このようなプラズマ処理装置において、プラズマ処理、例えばエッチング処理の終点検出は、処理容器内で励起されたプラズマの発光スペクトルの変化に基づいて、次のようにして行われる。すなわち、まず処理容器内の発光スペクトルを発光スペクトルの検出光路中の処理容器側壁に配置された、例えば石英から成るプラズマ光の検出窓を介して処理容器外部の終点検出器の光受容部に伝達する。次いで、伝達された発光スペクトルの変化に基づいて、終点検出器でエッチング処理の終点を検出する。
【0004】
しかし、処理時には、例えば反応生成物などの付着物が処理容器内に生じるため、その付着物が検出窓の処理容器内部側の面に付着し、プラズマ光の透過性が低下して、エッチング処理の終点の検出が次第に困難になるため、検出窓の洗浄または交換を頻繁に行わなければならないという問題が生じる。
【0005】
そこで、従来、このような問題を解決するために、検出窓の処理容器内部側の面に、例えば盲孔を形成して表面積を拡大し、処理時間当たりの反応生成物の付着量を低下させて、検出窓の洗浄または交換時期の延長を図る技術が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した盲孔を有する検出窓は、プラズマ光透過性材料から形成されているため、発光スペクトルが盲孔底面以外からも終点検出器に伝達される。したがって、反応生成物が検出窓の処理容器内部側の面や盲孔内壁面等に付着した場合には、終点検出器に到達する発光スペクトルの光量が、反応生成物の付着量に伴って低下し、高精度の終点検出を行うことが困難である。また、検出窓として石英を用いる場合には、プラズマにより石英がエッチングされやすく、エッチングにより曇りが生じて透過光量が低下してしまう。
【0007】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、反応生成物等の付着物が検出窓の表面に付着し難く、かつプラズマにより検出窓表面がエッチングされにくく、長期間に亘ってプラズマ状態を高精度で検出することが可能なプラズマ処理装置およびそのような検出窓を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明によれば、処理容器と、
処理容器内に処理ガスのプラズマを生成するプラズマ生成手段と、
処理容器内に生成したプラズマを検出するための検出窓とを具備するプラズマ処理装置であって、
前記検出窓は、
前記処理容器の壁部に設けられ、透光性を有する第1部材と、
前記第1部材の前記処理容器内部側に配置され、前記処理容器内のプラズマの光を前記第1部材に導くように形成された多数の微細貫通孔を有し、少なくともその表面がプラズマの発光スペクトルに対して不透過性を有する第2部材と、
前記第1部材と第2部材との間に設けられ、前記第1部材よりも耐プラズマ性が高い透光性材料からなる第3部材とを有することを特徴とするプラズマ処理装置が提供される。
【0009】
また、本発明によれば、プラズマ生成手段により処理容器内に処理ガスのプラズマを生成してプラズマ処理を行うプラズマ処理装置において処理容器内のプラズマを検出するための検出窓であって、
前記処理容器の壁部に設けられ、透光性を有する第1部材と、
前記第1部材の前記処理容器内部側に配置され、前記処理容器内のプラズマの光を前記第1部材に導くように形成された多数の微細貫通孔を有し、少なくともその表面がプラズマの発光スペクトルに対して不透過性を有する第2部材と、
前記第1部材と第2部材との間に設けられ、前記第1部材よりも耐プラズマ性が高い透光性材料からなる第3部材とを有することを特徴とする検出窓が提供される。
【0010】
このような構成を有する本発明によれば、検出窓の第1部材が透光性を有し、第2部材に微細貫通孔が形成されており、かつ第1部材と第2部材との間に、第1部材よりも耐プラズマ性が高い透光性材料からなる第3部材を設けたので、第2部材の微細貫通孔の存在により、光を透過しつつ反応生成物等の侵入を妨げることができ、しかも第3部材によりプラズマによるエッチングを抑制することができる。したがって、反応生成物の付着やプラズマによるエッチングによって生じる透光性低下を生じ難くすることができる。一方、第2部材の少なくとも表面がプラズマの発光スペクトルに対して不透過性を有するので、第2部材の微細貫通孔内を通過した発光スペクトルのみが第3部材および第1部材を通過し、そのため反応生成物がたとえ第2部材の表面に付着した場合でも、検出される発光スペクトルの光量が低下しない。以上のようなことから、本発明によれば、長期間に亘ってプラズマ状態を高精度で検出することが可能となる。また、光透過性部分として第1部材の処理容器側部分に第3部材を設けたので、プラズマにより透光性が低下したとしても、第3部材のみを交換すればよいので、第1部材の交換頻度を著しく少なくすることができる。
【0011】
このような構成において、前記第1部材と前記第2部材とを離隔して設けることにより、第1部材への反応生成物の付着を効果的に防止することができるとともに、第2部材の交換が容易となる。そしてこの場合に、第3部材を第2部材の表面に密着するように設けることにより、第2部材と第3部材とを一体的に交換することができ、交換作業を一層容易にすることができる。
【0012】
このように第2部材および第3部材を第1部材から離隔して設ける場合には、処理容器の側壁の内側に設けられ、処理容器内で生成された反応生成物が処理容器の内壁に付着することを防止するためのシールド部材に、第2部材を取り付け、第3部材を第2部材に密着させれば、第2部材および第3部材の交換の際にはシールド部材を外せばよいので、これらの交換作業をさらに一層容易にすることができる。
【0013】
また、このように第1部材と第2部材とを離隔して設ける際に、第3部材と第1部材とを離隔させることにより、第2部材の貫通孔から反応生成物が侵入した場合でも、第3部材への反応生成物等の付着を少なくすることができる。
【0014】
さらに、第1部材、第2部材、第3部材を密着して構成することができ、この場合にも、長期間に亘ってプラズマ状態を高精度で検出することが可能となるという本発明の基本効果を得ることができる。
【0015】
本発明において、前記第1部材は石英で構成され、前記第3部材はサファイアで構成されていることが好ましい。すなわち、第1部材として従来検出窓用材料として一般的に用いられている石英を用い、第3部材として、石英に近い透光性を有し、石英よりも高いプラズマ耐性を有するサファイア、特に単結晶サファイアを用いることにより、コストを上昇させずに、上記効果を得ることができる。この場合に、サファイア製の第3部材は、0.2〜1mmの厚さを有することが好ましい。その厚さが1mmを超えると透光量が低下し、0.2mm未満であると取り扱いが困難となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について具体的に説明する。図1は本発明のプラズマ処理装置をエッチング装置に適用した一実施形態に係る概略断面図、図2は図1の要部を拡大して示す断面図である。
【0017】
エッチング装置100は、アルミニウム等の導電性材料からなり内部が円筒状をなし、内部を真空保持することが可能な処理容器1を備えている。この処理容器1は、天壁1aと、側壁1bと、底壁1cとで構成され、天壁1aが取り外し可能となっている。処理容器1内底部には絶縁支持板2を介して下部電極を構成する略円筒形状のサセプタ3が配置されている。また、処理容器1の天壁には上部電極を構成する中空円盤状をなすシャワーヘッド4がサセプタ3に対向するように設けられている。
【0018】
サセプタ3は、アルミニウム等の導電性材料からなり、その上面に被処理体である半導体ウエハWが載置される。サセプタ3内には、温度調整機構(図示せず)が設けられており、これによりサセプタ3上に載置された半導体ウエハWを所望の温度に制御可能となっている。サセプタ3の半導体ウエハWの載置面には、静電チャック(図示せず)が配置されており、これにより半導体ウエハWが静電吸着され、サセプタ3上に所望の状態で保持される。さらに、サセプタ3のウエハ載置面の外縁部には、絶縁性材料からなる略環状のフォーカスリング(図示せず)が設けられている。フォーカスリングはプラズマを半導体ウエハWに集中させる機能を有しており、これによりウエハWに対して均一なプラズマ処理を施すことができる。
【0019】
シャワーヘッド4はカーボン、シリコン等の導電性材料からなり、その内部には空問部4aが形成されており、その下面には空間部4aから連続するガス吐出孔4bが多数形成されている。さらに、空問部4aの上部略中央には、ガス導入管5が接続されており、このガス導入管5はガス供給源6に接続されている。したがって、処理時には、ガス供給源6から所定の処理ガスが、ガス導入管5、シャワーヘッド4の空問部4aおよびガス吐出孔4bを介して、サセプタ3上の半導体ウエハWの表面に向けて均一に吐出される。
【0020】
処理容器1の底壁1cには、排気管7が接続されており、この排気管7は排気機構8に接続されている。したがって、排気機構8を作動させることにより、処理容器1内が排気され、その中が所定の減圧雰囲気に維持可能となっている。
【0021】
サセプタ3には、マッチング回路9を介して高周波電源10が接続されている。一方、上部電極であるシャワーヘッド4は接地されている。そして、処埋時には、所定の高周波電力が高周波電源10からマッチング回路9を介してサセプタ3に印加され、その結果、処理容器1内に導入された処理ガスが解離してプラズマ化し、このプラズマにより半導体ウエハに対して所定のエッチング処理が施される。
【0022】
処理容器1の内側には、処理容器1よりも若干小径の円筒からなるシールド部材11が取り付けられている。このシールド部材11は、処理容器1の天壁1aを外すことにより取り外し可能となっている。このシールド部材11は、処理ガスのプラズマによるエッチング反応によって生じた反応生成物が処理容器1の壁部に付着することを防止する機能を有している。
【0023】
また、本実施形態のエッチング装置においては、処理容器1の側壁1bおよびシールド部材11のプラズマ生成領域に対応する部分には、処理容器1内部に生成しているプラズマの状態を検出するための検出窓12が設けられている。そして、処理容器1の外部の検出窓12に対応する位置には終点検出器13が設けられている。
【0024】
終点検出器13は受光素子を有し、上記検出窓12を透過してきた処理容器1内のプラズマの発光スペクトルを検出し、それに基づいてエッチング処理の終点を把握するようになっている。
【0025】
検出窓12は、図2に示すように、処理容器1の側壁1bにはめ込まれた石英からなる第1部材21と、シールド部材11壁部の第1部材21に対応する部分にはめ込まれ、表面がアルマイト処理(陽極酸化処理)されたアルミニウムからなる第2部材22と、第2部材22の第1部材21側の面に密着された単結晶サファイアからなる第3部材23とで構成されている。
【0026】
第1部材21は、厚さが例えば8mmであり、処理容器1の側壁1bに形成されたはめ込み穴20にはめ込まれ、押さえ枠31により側壁1bに取り付けられている。そして、第1部材21と側壁1bとの間はOリング24で真空封止され、押さえ枠31は、ねじ32により側壁1bにねじ止めされる。
【0027】
第2部材22は、図3にも示すように、シールド部材11の第1部材21に対応する部分に形成されたはめ込み穴30にはめ込まれており、処理容器1内のプラズマの光を第1部材21に導くように水平に形成された多数の貫通孔22aを有している。この貫通孔22aは、例えば、直径が0.8mmであり、27mm×14mmの部分に220個存在している。この第2部材22は、張り出し部22bを有し、その部分においてねじ33によりシールド部材11にねじ止めされている。
【0028】
第3部材23は、例えば0.5mm程度と薄く形成され、粘着テープ等の適宜の手段により第2部材22の表面に密着され、第2部材22と一体化されている。
【0029】
上記第1部材21および第3部材23を構成する石英およびサファイアは光透過性を有しており、プラズマ光を透過する。一方、第2部材22を構成するアルミニウムは、プラズマ光に対して不透過性である。
【0030】
このように構成されるエッチング装置においては、まず、処理容器1内のサセプタ3上に半導体ウエハWを載置し、処理容器1内を排気装置8により所定の圧力まで減圧する。次いで、ガス供給源6から配管を通って処理ガス導入口5から所定の処理ガスをシャワーヘッド4のガス吐出孔4bから半導体ウエハWに向けて吐出させる。それと同時に高周波電源10からマッチング回路9および給電棒7を通って所定の周波数および電圧の高周波をサセプタ3に印加する。これにより、処理容器1内のサセプタ3とシャワーヘッド4との間の空間には処理ガスのプラズマが生成され、半導体ウエハWに対して所定のプラズマ処理が施される。
【0031】
この際に、半導体ウエハWのエッチングの進行に従ってプラズマの発光スペクトルが変化する。この時、プラズマの発光スペクトルは、検出窓12の第2部材22に形成された多数の貫通孔22aを通過し、さらに第3部材23および第1部材21を透過して終点検出器13に導かれる。そして、この終点検出器13において、検出された発光スペクトルの変化に基づいてエッチング処理の終点を把握し、エッチング処理を終了する。
【0032】
本実施形態においては、以上のように、多数の微細貫通孔22aが形成された第2部材22を設けたので、この微細貫通孔22aの存在により、光を透過しつつ反応生成物等の侵入を妨げることができ、また、第2部材22はプラズマの発光スペクトルに対して不透過性のアルミニウムで構成されているので、微細貫通孔22a内を通過した発光スペクトルのみが第3部材23および第1部材21を透過し、そのため反応生成物がたとえ第2部材22の表面に付着した場合でも、検出される発光スペクトルの光量が低下しない。
【0033】
一方、第3部材23を構成する単結晶サファイアは、厚さ0.5mmの場合の光透過率のデータである図4に示すように、石英に近い光透過性を有しており、しかもアルゴンイオンビームによるエッチングにおけるエッチングレートを示す図5から明らかなように、石英の3倍以上の耐エッチング性(耐プラズマ性)を有している。したがって、第3部材23を第2部材22の表面に設けることにより、光透過部分のプラズマによるエッチングを抑制することができる。
【0034】
ただし、図4から理解されるように、サファイアは石英よりも光透過性が低いため、あまり厚くすると必要な透光性が得られない。したがって、良好な透光性を維持する観点からは第3部材23の厚さは1mm以下が適当である。また、薄すぎても取り扱いが困難であるため、0.2mm以上であることが好ましい。
【0035】
なお、第1部材21には大気圧と真空圧との差圧がかかるので、所定の強度が必要であり、そのため8mm程度の厚さが必要である。したがって、第3部材を省き、第1部材21をサファイアで形成すると光の透過率が大幅に低下してしまう。
【0036】
このように、本実施形態により、光透過部分への反応生成物の侵入や、光透過部分のエッチングを抑制することができることから、これらによって生じる透光性低下を小さくすることができる。また、上述したように第2部材22はプラズマの発光スペクトルに対して不透過性であるため、第2部材22に反応生成物等が付着しても検出される発光スペクトルの光量が低下しない。したがって、長期間に亘ってプラズマ状態を高精度で検出することが可能となり、高精度でエッチングの終点を把握することができる。
【0037】
また、光透過性部分として第1部材21の内側部分に第3部材23を設けたので、プラズマにより透光性が低下したとしても、第3部材23のみを交換すればよいので、第1部材21の交換頻度を著しく少なくすることができる。
【0038】
さらに、第2部材22が、取り外し可能なシールド部材11に設けられており、第3部材23が第2部材22に密着されているので、シールド部材11を取り外すことにより、第2部材22および第3部材23を同時に交換することができ、これらの交換作業が極めて容易である。
【0039】
次に、検出窓の他の例について、図6を参照しながら説明する。
ここでは、第2部材22をシールド部材11ではなく、処理容器1の側壁1bに設けて検出窓42を構成した例をを示す。図6に示すように、第2部材22の外側の面に第3部材23が密着され、第3部材23の外側の面に第1部材21が密着され、第1部材21は押さえ枠43により側壁1bに押しつけられ、押さえ枠43および第2部材の張り出し部22bが側壁1bにねじ44によりねじ止めされている。なお、第2部材22の張り出し部22bと側壁1bとの間はOリング24で真空封止される。
【0040】
このように第1部材21、第2部材22、第3部材23を密着して検出窓42を構成した場合にも、光透過部分への反応生成物の侵入や、光透過部分のエッチングを抑制することができることから、これらによって生じる透光性低下を小さくすることができる。また、上述したように第2部材22はプラズマの発光スペクトルに対して不透過性であるため、第2部材22に反応生成物等が付着しても検出される発光スペクトルの光量が低下しない。したがって、長期間に亘ってプラズマ状態を高精度で検出することが可能となり、高精度でエッチングの終点を把握することができる。
【0041】
次に、検出窓のさらに他の例について、図7を参照しながら説明する。
ここでは、第3部材23との間に空間51を形成するように外側に突出部を有する張り出し部22b’が形成された第2部材22’を用い、図6の場合と同様に第2部材を処理容器1の側壁1bに設けて検出窓52を構成した例を示す。図7に示すように、張り出し部22b’により第3部材23が第2部材22’の貫通孔22a’形成部分から離隔した状態とされ、第3部材23の外側の面に第1部材21が密着され、第1部材21は押さえ枠53により側壁1bに押しつけられ、押さえ枠53および第2部材の張り出し部22b’が側壁1bにねじ54によりねじ止めされている。なお、第2部材22’の張り出し部22b’と側壁1bとの間はOリング24で真空封止される。
【0042】
このように第2部材22’と第3部材23とを離隔して検出窓52を構成した場合には、第2部材22’の貫通孔22a’から反応生成物が侵入した場合でも、第3部材23への反応生成物等の付着を少なくすることができる。
【0043】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく種々変形可能である。例えば、上記実施形態においては、第2部材としてアルミニウムを用いたが、これに限らず、少なくとも表面がプラズマの発光スペクトルに対して不透過性のものであればよく、光透過性部材の表面に不透過性部材をコーティングしたものであってもよい。また、第1部材および第3部材を構成する透光性部材としては、上記石英およびサファイアに限定されるものではない。
【0044】
さらに、上記実施形態では、検出窓をプラズマの終点を検出するために用いたが、これに限らず、他の目的でプラズマ状態を検出する場合に適用することもできる。さらにまた、検出窓の位置もプラズマ状態を検出することができる限り、上記位置に限定されるものではないし、その個数も1個に限らず複数設けてもよい。
【0045】
上記実施形態ではプラズマ処理としてエッチング処理を行う場合について示したが、これに限らずプラズマCVDに成膜処理等、他のプラズマ処理にも適用することが可能である。また、被処理体として半導体ウエハを用いた例について示したが、これに限らず液晶表示装置用ガラス基板等、他の被処理体を処理する場合であってもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、検出窓の第1部材が透光性を有し、第2部材に微細貫通孔が形成されており、かつ第1部材と第2部材との間に、第1部材よりも耐プラズマ性が高い透光性材料からなる第3部材を設けたので、第2部材の微細貫通孔の存在により、光を透過しつつ反応生成物等の侵入を妨げることができ、しかも第3部材によりプラズマによるエッチングを抑制することができる。したがって、反応生成物の付着やプラズマによるエッチングによって生じる透光性低下を生じ難くすることができる。一方、第2部材の少なくとも表面がプラズマの発光スペクトルに対して不透過性を有するので、第2部材の微細貫通孔内を通過した発光スペクトルのみが第3部材および第1部材を通過し、そのため反応生成物がたとえ第2部材の表面に付着した場合でも、検出される発光スペクトルの光量が低下しない。以上のようなことから、本発明によれば、長期間に亘ってプラズマ状態を高精度で検出することが可能となる。また、光透過性部分として第1部材の処理容器側部分に第3部材を設けたので、プラズマにより透光性が低下したとしても、第3部材のみを交換すればよいので、第1部材の交換頻度を著しく少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明のプラズマ処理装置をエッチング装置に適用した一実施形態に係る概略断面図。
【図2】
図1の要部を拡大して示す断面図。
【図3】
図1の装置に用いる検出窓の第2部材および第3部材を示す正面図。
【図4】
石英およびサファイアの光透過率を示すグラフ。
【図5】
石英とサファイアの耐エッチング性(耐プラズマ性)を比較して示すグラフ。
【図6】
検出窓の他の例を示す断面図。
【図7】
検出窓のさらに他の例を示す断面図。
【符号の説明】
1;処理容器
1b;側壁
3;サセプタ
4;シャワーヘッド
6;ガス供給源
8;排気装置
10;高周波電源
11;シールド部材
12;検出窓
21;第1部材
22,22’;第2部材
22a,22a’;微細貫通孔
23;第3部材
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