JP2000077648A - 機能素子 - Google Patents

機能素子

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JP2000077648A
JP2000077648A JP10246077A JP24607798A JP2000077648A JP 2000077648 A JP2000077648 A JP 2000077648A JP 10246077 A JP10246077 A JP 10246077A JP 24607798 A JP24607798 A JP 24607798A JP 2000077648 A JP2000077648 A JP 2000077648A
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Hiroshi Watanabe
辺 浩 志 渡
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オン/オフ時の抵抗比が従来の半導体素子並
みに高いスウィッチング機能を有する機能素子を提案す
ることにより、スピンエレクトロニクスの飛躍的な発展
を実現することを目的とする。 【解決手段】 臨界磁場を印加することにより電子スピ
ンの秩序状態が第1の状態から、前記第1の状態とは異
なる第2の状態に転移する活性領域に磁場を印加するこ
とにより電子スピンに特有な量子的な臨界現象を利用す
ることができ、極めて高いオン/オフ比を有し、しかも
極めてサイズの微小な機能素子を実現することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機能素子に関す
る。より詳細には、本発明は、スピンエレクトロニクス
を応用した高抵抗比、低消費電力且つ素子サイズの微小
なスウィッチング機能を有する機能素子に関する。
【0002】
【従来の技術】トランジスタの発明以来電子産業を支え
て来た半導体装置においては、電子の電荷輸送現象のみ
が利用されており、「スピン」という電子のもう一つの
重要な性質が応用されることはなかった。これは、輸送
距離が長くなると電子スピンが緩和してしまうためであ
る。しかしながら、微細加工技術の進歩に伴い、この輸
送距離が電子スピンの緩和距離と同程度になってくる
と、電子スピンによる量子現象と従来の電荷の輸送現象
とを併用する新しいエレトクロニクスを創造しようとい
う潮流、すなわち「スピンエレクトロニクス」が現れて
きた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これまでに提
案されてきたスピンエレクトロニクスの基礎となる機能
素子(例えば、スピントランジスタ)は、どれも従来の
半導体装置よりON/OFF時の抵抗比が小さいという
問題があった。このため、その応用範囲は半導体記憶装
置の記憶部などの部分に限定されていた。すなわち、制
御回路部分などの主要部は、従来の半導体素子に頼らざ
るを得ない状況にあった。
【0004】本発明は、このような課題の認識に基づい
てなされたものである。すなわち、その目的は、ON/
OFF時の抵抗比が従来の半導体素子並みに高いスウィ
ッチング機能を有する機能素子を提案することにより、
スピンエレクトロニクスの飛躍的な発展を実現すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の機能素子は、活性領域と、前記活性領域に
磁場を印加する磁場発生手段と、を備え、前記磁場発生
手段により発生させる磁場により前記活性領域の電気抵
抗値を変化させる機能素子であって、前記活性領域は、
磁場を印加することにより電子スピンの秩序状態が第1
の状態から、前記第1の状態とは異なる第2の状態に転
移するものとして構成されていることを特徴とする。
【0006】または、本発明の機能素子は、活性領域
と、前記活性領域に磁場を印加する磁場発生手段と、を
備え、前記磁場発生手段により発生させる磁場により前
記活性領域の電気抵抗値を変化させる機能素子であっ
て、前記活性領域は、磁場を印加しない状態において、
スピン数S1 のエネルギー状態とスピン数S2 のエネル
ギー状態との間に雰囲気温度の熱エネルギーよりも大き
いエネルギーギャップEGが開いており、且つ前記磁場
発生手段が発生可能な磁界の最大値Hmax [Oe ]と有
効g−因子gと温度T[k]とを用いて、比透磁率が
【0007】
【数2】 より大きい物質で構成されたことを特徴とする。
【0008】本発明の望ましい実施の形態として、ボー
ア磁子βとボルツマン定数kを用いて臨界磁束密度をE
G /gβ(S1 +S2 )と表した場合に、雰囲気温度T
[k]がボルツマン定数kを用いて表される温度EG
kより低いとき、前記磁場発生手段によって前記活性領
域に印加される磁場の磁束密度が前記臨界磁束密度より
も大きいときは、前記活性領域は導電性を有し、前記磁
束密度が前記臨界磁束密度よりも小さいときは、前記活
性領域は電気的に絶縁性を有し、または、反対に、前記
磁束密度が前記臨界磁束密度よりも大きいときは、前記
活性領域は電気的に絶縁性を有し、前記磁束密度が前記
臨界磁束密度よりも小さいときは、前記活性領域は導電
性を有することを特徴とする。
【0009】また、本発明の望ましい実施の形態とし
て、前記活性領域は、結晶格子構造内に梯子状の部分を
有する物質の単結晶からなり、前記梯子の長手方向に前
記導電性が表れるものとして構成され、前記梯子状の部
分を有する前記物質は、V(バナジウム)系酸化物、M
n(マンガン)系酸化物、Ca(カルシウム)系酸化
物、Sr(ストロンチウム)系Cu(銅)−O(酸素)
化合物、及びLa(ランタン)系Cu(銅)−O(酸
素)化合物からなる群から選択されたいずれかからなる
ことを特徴とする。
【0010】また、本発明の望ましい実施の形態とし
て、前記磁場発生手段は、電流を導通する導電領域から
なり、前記導電領域の中心線と前記活性領域との距離を
a、前記導電領域の断面積をλ、前記活性領域を構成す
る物質の透磁率をμ、ボーア磁子をβとして表される臨
界電流密度aEG /λgμβ(S1 +S2 )よりも多く
の電流を流すことが可能であることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】これまでに提案されているスピン
エレクトロニクスを応用したデバイスは、コスト面を度
外視しても集積回路を構成するに際しては、以下の2点
の致命的な問題を有していた。 (1)ONとOFFの抵抗比が小さすぎる。 (2)明瞭なしきい値を持たない。
【0012】現在の半導体産業で最も広く活用されてい
るMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Ef
fect Transistor )では、ゲート電圧がしきい値
(Vt )より大きくなると、半導体基板の表面付近にお
いて電子と正孔の濃度が反転し、電荷を輸送する道(チ
ャネル)が開く。そして、ドレイン電圧によって容易に
電流が流せるようになる。一方、ゲート電圧がVt より
も小さければチャネルが閉じた状態となり、どんなにド
レイン電圧を高くしても電流を流すことが出来ない。こ
のスウィッチング機能は、Vt を境にして基板表面の抵
抗値が9桁程度も変化することによって達成される。こ
こで見方を換えて電子と正孔の濃度比を秩序パラメータ
と見なせば、MOSFETとはVt を臨界点にした相転
移現象を利用したデバイスであるといえる。
【0013】一方、これまでに提案されているスピント
ランジスタには、このような相転移現象を利用したもの
がなく、そのためにON/OFF時の抵抗比は大きくて
も20%程度しか変化しなかった。
【0014】これに対して、本発明では電子スピン同士
の量子的な相互作用によって生まれる秩序状態を、臨界
磁束密度(Bc )よりも大きい磁束密度の磁場を印加す
ることによって壊し、相転移を引き起こすことを利用す
る。
【0015】図1は、本発明の実施の形態にかかる機能
素子を例示する概念図である。すなわち、同図の素子
は、本発明によるスピントランジスタの概略断面図であ
る。同図の素子は、ソース領域Sと、ドレイン領域D
と、これらに挟まれた活性領域Cとを有する。また、図
中A,Bは、紙面に対して垂直方向に伸びた導線であ
り、双方逆向きに電流を流すと活性領域Cに磁場が印加
される。導線A、Bに同じ向きの電流が流れるとき、或
いは、電流が流れていないときは、活性領域Cに磁場は
印加されない。
【0016】以下に、本発明のスピントランジスタの動
作について説明する。
【0017】まず、本発明のスピントランジスタにおい
て利用する量子的相転移の概念をエネルギーバンド図を
用いて説明する。
【0018】図2は、本発明の機能素子において用いる
量子的転移を説明するエネルギーバンドの概念図であ
る。すなわち、ある種の量子的秩序を持つスピン数S1
の量子状態で構成されるエネルギーバンドの上には、有
限のエネルギーギャップ(EG)が開いている。そのエ
ネルギーギャップの上には、別のエネルギーバンドが存
在する。このエネルギーバンドは、異なった量子的秩序
を持つか、或いは、秩序を全くもたないスピン数S2
量子状態で構成されている。なお、スピン数S1の状態
が秩序を持たず、スピン数S2 の状態のみ秩序を持つ場
合を考えても以下の議論は同様である。
【0019】ここで、スピン数S1 の状態とスピン数S
2 の状態では量子的秩序が異なる為、キャリアを注入し
た際の電気抵抗を著しく異なるものとすることができ
る。すなわち、スピン数S1 の状態の抵抗値をR1 、ス
ピン数S2 の状態の抵抗値をR2 とすれば、R1 >>R
2 或いはR1 <<R2 とすることができる。
【0020】このようなエネルギーバンド構造を持つ物
質に磁場→B(ベクトルB)を印加すると、磁場によっ
てエネルギーがシフトする。量子力学の方程式に従え
ば、エネルギーのシフト量は、
【0021】
【数3】 となる。ここで、gは有効g−因子であり、軌道角運動
量のクエンチング(quenching )が完全であれば2であ
る。また、βはボーア磁子、→S(ベクトルS)はスピ
ン演算子、(→B・→S)は演算子→Bと演算子→Sの
内積を表す。こうして、磁場を印加した際のエネルギー
ギャップEG は、 ΔEG =−gβB(S1 +S2 ) (2) だけ変化することが判る。ここで、Bは印加された磁場
の磁束密度である。この式から、磁場の印加によってエ
ネルギーギャップが閉じていくことが分かる。エネルギ
ーギャップが完全に閉じたとき、スピン数S1 のエネル
ギー状態とスピン数S2 のエネルギー状態が入れ替わる
ので、量子的秩序も入れ替わり、量子的相転移が起こ
る。
【0022】図3は、磁場を印加することにより生ずる
量子的相転移を例示する概念図である。すなわち、同図
に示した例においては、その左端に表したように磁場を
印加しない状態において、秩序状態(Ordered )S1
対応するエネルギーバンドと、無秩序状態(Disordere
d)S2 に対応するエネルギーバンドとの間にEG のエ
ネルギーギャップが開いている。
【0023】S1 =Oとしてこの系に磁場を印加する
と、磁束密度の増大につれ無秩序状態(Disordered)の
エネルギーレベルが低下し、秩序状態(Ordered )との
間のエネルギーギャップが閉じていく。そして、臨界磁
束密度Bc においてエネルギーギャップはゼロとなる。
このときの、臨界磁束密度Bc は、 Bc =EG /gβ(S1 +S2 ) (3) で与えられる。すなわち、印加する磁場の磁束密度B<
Bc では系の抵抗値R=R1 (秩序状態の抵抗値)とな
り、反対に、磁束密度B>BC では系の抵抗値R=R2
(無秩序状態の抵抗値)となる。つまり、印加される磁
束密度が低い時は、系の抵抗値はスピン数S1 の状態に
より決定され、印加される磁束密度が臨界磁束密度Bc
よりも高くなると系の抵抗値はスピン数S2 の状態によ
り決定されることとなる。
【0024】スピン数S1 の状態とスピン数S2 の状態
における抵抗値は、種々に制御することができる。例え
ば、図3の下段に示したように、所定の物質に正孔(ho
le)をドーピングすることにより、秩序状態(Ordered
)においては高い導電率を実現し、無秩序状態(Disor
dered)においては極めて高い抵抗値を得ることができ
る。この具体例については、後に詳述する。
【0025】一方、このような相転移を起こすために
は、バンドギャップEG (Δ)が系の雰囲気温度による
温度エネルギーより高くなければならない。すなわち、
次式が満足される必要がある。 EG >kT (4) ここで、kはボルツマン定数、Tは温度である。素子動
作の条件としてBc より大きい磁場を印加する必要があ
るので、印加磁場の最大磁束密度(Bmax )は、 Bmax >kT/gβ(S1 +S2 ) (5) を満たさなければならない。LSI(Large Scale Inte
grated circuit)の中で実現できる磁界の最大値(H
max 、ただし、Hmax =Bmax /μ)を磁束密度に換算
して上式に代入すれば、比透磁率(γ)の満たすべき式
として:
【0026】
【数4】 が得られる。ここで、A=k/βμo 〜1.49×10
4 [Oe /K]、μo は真空の透磁率、μは透磁率であ
る。一例として、Hmax =100[Oe ]、g=2、S
1 =2、S2 =3、T=300[K]とすると、γ>4
500を得る。
【0027】このような物質を用いて、図1に例示した
スピントランジスタの活性領域Cを形成する。そして、
導線A、Bに電流を供給して活性領域Cに磁場を印加す
ることにより、量子的転移を生じさせスウィッチング動
作させることができる。ここで、導線を2本設けたの
は、活性領域Cに印加される磁場を強くするためであ
る。従って、導線が1本でも(5)式を満たすのに十分
な強い磁場が得られるならば、導線はAのみ、或いは、
Bのみでも構わない。また、活性領域Cに磁場を印加す
るための磁場発生手段は、図示したような導線には限定
されない。その他当業者が適宜選択しうる手段を同様に
用いて同様の効果を得ることができる。
【0028】図4は、本実施形態のスピントランジスタ
のドレイン電流密度と磁場との関係を例示したグラフ図
である。すなわち、同図は、R2 <<R1 の場合につい
て、スピントランジスタに印加する磁場(B)とドレイ
ン電流密度(Jsd)との関係を例示したものである。本
発明によれば、このように明瞭なしきい値を有し、高い
抵抗比のスウィッチング特性を実現することができる。
【0029】また、図5は、本実施形態のスピントラン
ジスタのドレイン電流密度(Jsd)とドレイン電圧(V
d )との関係を示すグラフ図である。すなわち、磁束密
度B<Bcの場合にはドレイン電流は殆ど流れず、反対
に磁束密度B>Bcの場合には活性領域の導電率は高く
なりドレイン電流が流れる。後に詳述するように、本発
明によれば、動作時のドレイン電圧を極めて低くするこ
とができる。その結果として、極めて消費電力の小さい
スピントランジスタを実現することができる。
【0030】一方、図示しないが、R2>>R1の場合
には、スピントランジスタの特性は、図4においてその
横軸を1/Bとしたものにより表すことができる。
【0031】図1に例示したスピントランジスタの活性
領域Cを構成する具体的な材料としては、例えば、結晶
格子構造に梯子状格子を含むスピンラダー(spin ladde
r )系の物質を挙げることができる。図6は、スピンラ
ダー系の結晶格子構造の一部を例示する概念図である。
すなわち、スピンラダー系においては、スピン1/2、
電荷−e(eは素電荷)を持つ電子が、梯子状格子の格
子点にある1価の陽イオンに局在している。さらに、ス
ピン間交換相互作用によって鎖間の電子スピンはスピン
数0のシングレットペアを形成している。同図に例示し
たスピンラダー系は、Bc より小さい磁場の下では、こ
のようなシングレットペアが長手方向に無限に配列され
た秩序を持っているので、この秩序状態の総スピン数は
0である。スピンラダー系のもう1つの特徴は、このス
ピン数0の量子的基底状態の上にエネルギーギャップが
開いており、さらにその上に、スピン数1の上記秩序の
ない状態が存在することである。すなわち、S1 =0、
2 =1である。
【0032】スピン数0の秩序状態(S1 )では、電子
が梯子状格子点の陽イオンに局在しているため電気伝導
は起こらないが、この秩序下で正孔をドープしてやると
シングレットペアをなす鎖間の2つの電子が正孔に置き
換わり、ホールシングレット(スピン0、電荷2e)と
いうキャリアになり変わる。このキャリアは、梯子の長
手方向(図6の左右方向)にのみ輸送可能であり、その
ため一軸方向のみの電気伝導を有する。
【0033】一方、スピン数1の状態(S2 )では、こ
のような秩序がないため、ホールをドープしても前述の
ようなキャリアが発生せず、電気抵抗は高いままであ
る。
【0034】そして、このようなスピンラダー系は、図
3に例示したように臨界磁束密度Bc より大きな磁場を
印加することにより、スピン数0の状態(S1 )からス
ピン数1の状態(S2 )に転移する。
【0035】以上説明したように、図6に例示したスピ
ンラダー系の材料においては、ホールをドーピングする
ことにより、低抵抗の秩序状態(S1 )と、高抵抗の無
秩序状態(S2 )とが得られ、磁場を印加することによ
り、秩序状態(S1 )から無秩序状態(S2 )に遷移さ
せることができる。
【0036】従って、図1のソース領域Sとドレイン領
域Dにこの長手方向を合わせるようにして、活性領域C
にこのスピンラダー系の物質の単結晶を設ければON/
OFF抵抗比の高いスピントランジスタを実現すること
ができる。
【0037】スピンラダー系の一例としては、Sr(ス
トロンチウム)系Cu(銅)−O(酸素)化合物、或い
はLa(ランタン)系Cu(銅)−O(酸素)化合物を
挙げることができる。Sr2 Cu4 6 では、梯子の長
手方向の格子定数が4オングストローム弱であり、結晶
の表面における結晶の乱れなどの影響は格子定数の5倍
(20オングストローム弱)程度しか届かないので上記
シングレットペアが100個程度直列した構造を採用す
れば十分である。つまり、ゲート長40nmのスピント
ランジスタを実現することができる。
【0038】一方、別のスピンラダー系であるLa2
2 5 では、梯子の長手方向の格子定数が2オングス
トローム弱なので、ゲート長を20nm程度まで短縮す
ることが可能となり、微細且つ超高速な機能素子を実現
することができる。
【0039】また、これらのスピンラダー系の材料に対
するホール(正孔)のドーピングは、例えば、以下のよ
うにして行うことができる。すなわち、スピンラダーの
単結晶薄膜の部分が露出された状態の集積回路製造途中
の基板を、SrCO3 、La2 3 、CuOの混合ガス
中で高温・高圧処理するとLa(ランタン)の一部がS
r(ストロンチウム)に置換され、スピンラダーの単結
晶薄膜に正孔をドープしたLa1-x Srx CuO2.5
結晶に変わる。ここで、xはホール濃度であり、前述の
混合ガスの割合により調節できる。ホール濃度をx=0
からx=0.20まで変化させたとき、抵抗値は106
[Ωcm]から10-4[Ωcm]まで低下する。つま
り、キャリア(ホールシングレット)の発生によって抵
抗を10桁ほど低下させることができる。すなわち、こ
の実施例は、前述したR1<<R2の場合に対応する。
従って、B<Bc のとき抵抗が低く、B>Bc のとき抵
抗が高くなる。
【0040】また、このスピンラダー系の材料は、ON
時の抵抗が通常のシリコン基板(不純物濃度1017[c
-3]のとき10-1[Ωcm])より約3桁も低いの
で、シリコンデバイスと同程度の駆動電流を得るための
駆動電圧は3.3[mV]程度と極めて低い。これだけ
電圧を低くしてしまうとバイアスの効果が室温の熱エネ
ルギーより小さくなるので、実際には0.03[V]程
度以上の電圧で動作させることが望ましい。すなわち、
本発明によれば、室温動作で駆動電圧を熱統計的下限ま
で低下させることが可能となり、消費電力を極限まで下
げた機能素子を実現することができる。
【0041】次に、図1に示した導線A、Bに流れる電
流(Ia ,Ib )とソース・ドレイン間に流れる電流の
密度(Jsd)との関係について説明する。ここでは、R
1 >>R2 の場合を例に挙げる。また、簡単のために、
図1に示した導線A、Bの断面形状は円形とし、その円
の中心から活性領域Cまでの距離を等しくaとおく。
【0042】図7は、図1のP−Q線断面図である。ま
ず、図7においてIa =Ib のとき、活性領域Cには磁
場は印加されないので、R=R1 である。また、Ia
−Ib ≠0のとき、印加される磁場は直流電流2Ia
よって印加される磁場と同じだから、
【0043】
【数5】 である。ここで式(3)を使って、臨界電流Ic2
【0044】
【数6】 を得る。導線の断面積を4F2 とすると、臨界電流密度
c2は、
【0045】
【数7】 である。ここで、Fは最小加工寸法長である。Ia >I
c2のときB>Bc が実現されるので、R=R2 となる。
【0046】図8は、JsdとJa の関係を表すグラフ図
である。ここで、Ja は導線Aに流れる電流の電流密度
とする。Ia >0、Ib =0のときの臨界電流密度Jc3
は、
【0047】
【数8】 となり、Jc2の2倍となる。Ia =0,Ib ≠0の場合
も同様である。このときのJsd−Ja 特性は図8に示し
た通りである。
【0048】次に、円電流による場合について説明す
る。図9は、図1のP−Q線断面図である。すなわち、
この例においては、導線は、活性領域Cの周囲に円環状
に設けられる。このような円環状の導線に流れる円電流
(Ia )によって引き起こされる磁場は、
【0049】
【数9】 であるので、臨界電流密度Jc1は、
【0050】
【数10】 となる。このときの、Jsd−Ja 特性も図8に併せて示
す。
【0051】また、図10は、これらの具体例に対応す
るソース・ドレイン間の抵抗(Rsd)とJa との関係を
表すグラフ図である。
【0052】上述した関係式からわかるように、臨界電
流密度を低くするには、活性領域Cとの距離が最短であ
るような導線の部分が出来る限り長くなるような構造が
望ましい。一例として、g=2、γ=5000、S1
2、S2 =3、EG =0.05[eV]、a=100
[nm]、F=0.25[μm]として、臨界電流密度
c1を簡単に見積もると、Jc1〜1.1×106 [A/
cm2 ]になる。従って、この具体例において、実際に
活性領域に量子的相転移を起こさせる為には、1×10
4 [A/cm2 ]程度の電流を流してもエレクトロマイ
グレーションを起こさない導線があれば十分である。
【0053】スピンラダー系のエネルギーギャップはス
ピン間交換相互作用程度のエネルギー値であり、スピン
間交換相互作用は、同じスピンラダー系であっても構成
元素、組成、格子定数、不純物の種類及び濃度などによ
って異なるので、臨界磁束密度Bc には材料と不純物の
依存性が現れる。さらに、有効g−因子及びS1 、S2
にも材料と不純物依存性が現れる。従って、種々のスピ
ンラダー系物質を適宜選択して、高性能の機能素子を実
現することができる。このようなスピンラダー系物質と
しては、前述したものの他に、バナジウム(V)系、カ
ルシウム(Ca)系などの種々の材料を挙げることがで
きる。
【0054】具体的には、(VO)2 2 7 ,NaV
2 5 ,(La,Sr,Ca)14Cu2441などを挙げ
ることができる。
【0055】さらに、スピンラダー系の材料以外にも、
前述した(4)式及び(6)式を満たす材料と不純物の
組み合わせを図1中の活性領域に用いれば、前述したも
のと同様に高いオン/オフ比を有する機能素子を実現す
ることができる。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、電子スピンに特有な量
子的な臨界現象を利用することによって、極めて高いオ
ン/オフ比を有し、しかも極めてサイズの微小な機能素
子を実現することができる。具体的には、磁場を印加す
ることによりオン/オフの抵抗値を10桁程度変化させ
ることが可能で、ゲート長も20nm程度の新しいスピ
ントランジスタを実現出来る。
【0057】さらに、本発明によれば、オン状態の動作
電圧を極めて低くすることができる。その結果として、
室温動作での消費電力を熱統計学的な下限まで低減する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる機能素子を例示す
る概念図である。
【図2】本発明の機能素子において用いる量子的転移を
説明するエネルギーバンドの概念図である。
【図3】磁場を印加することによって生ずる量子的相転
移を例示する概念図である。
【図4】本発明の実施形態のスピントランジスタのソー
ス・ドレイン電流密度と磁場との関係を例示したグラフ
図である。
【図5】本発明の実施形態のスピントランジスタのソー
ス・ドレイン電流密度(Jsd)とドレイン電圧(Vd
との関係を示すグラフ図である。
【図6】スピンラダー系の結晶格子構造の一部を例示す
る概念図である。
【図7】図1のP−Q線断面図である。
【図8】JsdとJa の関係を表すグラフ図である。
【図9】図1のP−Q線断面図である。
【図10】本発明の具体例に対応するソース・ドレイン
間の抵抗(Rsd)とJa との関係を表すグラフ図であ
る。
【符号の説明】
S ソース領域 C 活性領域 D ドレイン領域 A、B 導線

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】活性領域と、 前記活性領域に磁場を印加する磁場発生手段と、 を備え、前記磁場発生手段により発生させる磁場により
    前記活性領域の電気抵抗値を変化させる機能素子であっ
    て、 前記活性領域は、磁場を印加することにより電子スピン
    の秩序状態が第1の状態から、前記第1の状態とは異な
    る第2の状態に転移するものとして構成されていること
    を特徴とする機能素子。
  2. 【請求項2】活性領域と、 前記活性領域に磁場を印加する磁場発生手段と、 を備え、前記磁場発生手段により発生させる磁場により
    前記活性領域の電気抵抗値を変化させる機能素子であっ
    て、 前記活性領域は、 磁場を印加しない状態において、スピン数S1 のエネル
    ギー状態とスピン数S2 のエネルギー状態との間に雰囲
    気温度の熱エネルギーよりも大きいエネルギーギャップ
    G が開いており、且つ前記磁場発生手段が発生可能な
    磁界の最大値Hmax [Oe ]と有効g−因子gと雰囲気
    温度T[k]とを用いて、比透磁率が 【数1】 より大きい物質で構成されたことを特徴とする機能素
    子。
  3. 【請求項3】ボーア磁子βを用いて臨界磁束密度をEG
    /gβ(S1 +S2 )と表した場合に、雰囲気温度T
    [k]がボルツマン定数kを用いて表される温度EG
    kより低いとき、 前記磁場発生手段によって前記活性領域に印加される磁
    場の磁束密度が前記臨界磁束密度よりも大きいときは、
    前記活性領域は導電性を有し、前記磁束密度が前記臨界
    磁束密度よりも小さいときは、前記活性領域は電気的に
    絶縁性を有し、 または、反対に、前記磁束密度が前記臨界磁束密度より
    も大きいときは、前記活性領域は電気的に絶縁性を有
    し、前記磁束密度が前記臨界磁束密度よりも小さいとき
    は、前記活性領域は導電性を有することを特徴とする請
    求項2記載の機能素子。
  4. 【請求項4】前記活性領域は、結晶格子構造内に梯子状
    の部分を有する物質の単結晶からなり、前記梯子の長手
    方向に前記導電性が表れるものとして構成され、 前記梯子状の部分を有する前記物質は、V(バナジウ
    ム)系酸化物、Ca(カルシウム)系酸化物、Sr(ス
    トロンチウム)系Cu(銅)−O(酸素)化合物、及び
    La(ランタン)系Cu(銅)−O(酸素)化合物から
    なる群から選択されたいずれかからなることを特徴とす
    る請求項2または3に記載の機能素子。
  5. 【請求項5】前記磁場発生手段は、電流を導通する導電
    領域からなり、前記導電領域の中心線と前記活性領域と
    の距離をa、前記導電領域の断面積をλ、前記活性領域
    を構成する物質の透磁率をμ、ボーア磁子をβとして表
    される臨界電流密度2aEG/λgμβ(S1 +S2
    よりも多くの電流を流すことが可能であることを特徴と
    する請求項2〜4のいずれか1つに記載の機能素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013012554A (ja) * 2011-06-28 2013-01-17 Handotai Rikougaku Kenkyu Center:Kk 半導体装置
JP2021178767A (ja) * 2020-05-15 2021-11-18 国立大学法人東北大学 ナノシートおよびナノシートの製造方法

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