JP2000139251A - ウイルスフリーのナス苗の生産方法 - Google Patents

ウイルスフリーのナス苗の生産方法

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JP2000139251A
JP2000139251A JP10312769A JP31276998A JP2000139251A JP 2000139251 A JP2000139251 A JP 2000139251A JP 10312769 A JP10312769 A JP 10312769A JP 31276998 A JP31276998 A JP 31276998A JP 2000139251 A JP2000139251 A JP 2000139251A
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Japan
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growing
shoot
growth point
eggplant
point
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Masanori Sato
正紀 佐藤
Norio Kato
紀夫 加藤
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Japan Tobacco Inc
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Japan Tobacco Inc
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 以下の(1)〜(4)の工程を含むこと
を特徴とするナス苗の生産方法。 (1)台木とするナス科の植物を育成する (2)ナスから成長点を含む組織を摘出し、それを培養
する (3)台木とするナス科の植物の茎を切断し、その切断
面に成長点を含む組織を移植し、成長点からシュートを
伸長させる (4)伸長させたシュートから苗を育成する 【効果】 効率的なナスの成長点培養、また培養増殖が
可能になる。これによって、ウイルスフリーのナス植物
苗生産が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、栄養繁殖によるナ
ス苗の生産方法に関する。この方法によりウイルスフリ
ーのナス苗の生産が可能になる。
【0002】
【従来の技術】従来、栄養繁殖系植物の増殖は挿し芽や
接ぎ木等により行われてきたが、増殖する母株が一度ウ
イルスに感染すると増殖後代へと延々と伝染してしまう
という問題があった。近年、組織培養技術の発達によ
り、成長点培養によるウイルスフリー化及び培養増殖が
可能になり、挿し木や接ぎ木と組み合わせたウイルスフ
リー苗の生産技術がカーネーションやサツマイモ等、一
部の種においては実用化している。この植物苗生産技術
の中で、成長点培養はウイルスフリー化の為には必須な
技術であり、ウイルスの感染が最終生産物の品質及び収
量に大きな影響をもたらす植物にとっては特に重要であ
る。更に成長点培養は、若返りの効果を図ることが出来
る。しかしながら成長点培養によるウイルスフリー化
は、植物種によっては非常に困難な場合がある。
【0003】ナス科植物においては、トマトは既に成長
点培養や培養増殖技術が確立され、栄養増殖苗の生産が
可能であるが、ナス(Solanum melongena L. )において
は成長点培養が困難で、それらに関する報告もなかっ
た。また培養増殖についても確立していなかった。従っ
て、ウイルスフリー苗の生産技術の確立はなされていな
かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、ナスにお
ける成長点培養技術が確立できればウイルスフリー苗の
生産及び苗の若返りを図ることができる。本発明は、こ
のように有用性の高い成長点培養技術をナスにおいて確
立することをその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討を重ねた結果、成長点を含む組
織を一定期間培養した後に茎を切断した台木の切断面に
移植することによりシュートを伸長させ得ることを見出
し、本発明を完成した。
【0006】即ち、本発明は、以下の(1)〜(4)の
工程を含むことを特徴とするナス苗の生産方法である。 (1)台木とするナス科の植物を育成する (2)ナスから成長点を含む組織を摘出し、それを培養
する (3)台木とするナス科の植物の茎を切断し、その切断
面に成長点を含む組織を移植し、成長点からシュートを
伸長させる (4)伸長させたシュートから苗を育成する
【0007】また、本発明は、以下の(1)〜(7)の
工程を含み、(5)及び(6)の工程を一回以上行うこ
とを特徴とするナス苗の生産方法である。 (1)台木とするナス科の植物を育成する (2)ナスから成長点を含む組織を摘出し、それを培養
する (3)台木とするナス科の植物の茎を切断し、その切断
面に培養した成長点を含む組織を移植し、成長点からシ
ュートを伸長させる (4)伸長させたシュートを生育させた後、分割する (5)分割したシュートを台木とするナス科植物に接ぎ
木する (6)接ぎ木したシュートを生育させた後、分割する (7)分割したシュートから苗を育成する
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、(1)台木とする植物
の育成、(2)成長点の摘出と培養、(3)成長点から
シュートの誘導、(4)シュートから苗の育成、の各工
程を含む。以下、本発明を各工程ごとに説明する。 (1)台木とする植物の育成 台木とする植物は、ナス科に属する植物であれば特に限
定されないが、ソラナム(Solanum )属又はリコペルシ
コン(Lycopersicon)属に属する植物が好ましく、ナス
(Solanum melongena L.)、ヒラナス(Solanum integr
ifolium Poir.)、又はトマト(Lycopersicon esculent
um Mill.)が特に好ましい。最も好ましいのはトマトで
ある。
【0009】台木とする植物は、いわゆる試験管内台木
の育成法に従って育成することができる。即ち、表面殺
菌処理した種子を培地上に播種し、培養容器内で発芽さ
せ、適当な条件で育成する。ここで、使用する培地とし
ては、植物組織培養一般に使用されるものであればどの
ようなものでもよく、例えば、蔗糖や寒天を添加したMS
培地などを使用することができる。培養条件は特に限定
されないが、好ましくは25℃、12時間/日の照明下で行
う。この際に用いる培養容器は特に限定はされないが、
通気性の良い容器が好ましい。
【0010】このように育成された植物の茎を適当な時
期に切断することにより台木とする植物が得られる。茎
を切断する時期は特に限定されないが、播種後2〜3週
間の、本葉が2〜4枚展開した時期が好ましい。また、
茎の切断は、成長点を含む組織を移植する直前に行うの
が好ましい。茎の切断位置は特に限定はされないが、下
胚軸の部分が好ましい。但し、場合によっては上胚軸の
部分の方が好ましいこともある。
【0011】(2)成長点の摘出と培養 成長点を摘出する植物は、ナスに属する植物であればど
のようなものでもよい。成長点を摘出する方法は特に限
定されず、例えば、以下のように行うことができる。栽
培中の植物体から、枝の先端付近の成長点を含むような
茎を採取し、余分な葉を取り除く。これに、表面殺菌の
ために70%エタノールを軽く噴霧する。この殺菌処理は
省略することが可能である。成長点は無菌条件で、実体
顕微鏡下で鋭利なメスを用いて摘出する。ナスの成長点
は腋芽の基部などにあるが毛茸に覆われており見にくい
ので、成長点付近の毛茸を先に取り除くと成長点が摘出
し易い。摘出した成長点を含むその近傍組織の大きさ
は、0.3〜0.5mm程度が適当であるが、これに限定される
ものではない。対象植物がウイルスに感染していないこ
とが確認されていて、単に若返りを図ることのみが目的
の場合には、摘出する成長点を含む近傍組織の大きさを
更に大きくすることもできる。
【0012】摘出した成長点は、培地に置床し培養す
る。ここで用いる培地はMS培地のような公知の植物組織
培養用培地やこれに植物成長調節剤を添加したものでよ
い。培養条件は特に限定されないが、好ましくは25℃、
12時間/日の照明下で行う。培養期間は特に限定されな
いが、置床から1〜2週間程度とするのが好ましい。
【0013】(3)成長点からシュートの誘導 培養の結果、成長点はやや肥大し緑色を帯び始める。用
いた培地によっては、成長点の肥大、緑色化と共に近傍
組織のカルス化が認められる場合もある。この時、肥大
した成長点を含む組織底面をメス等で切断し、その切断
面を試験管内台木の切断面に接着するようにのせる。成
長点の肥大が少なく小さい場合には底面を切断すること
なく、そのまま台木の切断面へのせることも可能であ
る。このようにして、成長点を台木に移植して1〜3週
間後には成長点が伸長し、シュートを形成する。台木自
身のシュートが形成した場合には無菌的に除去する。
【0014】(4)シュートから苗の育成 シュートから植物体の誘導は常法に従う。例えば、得ら
れたシュートを基部より切断し、植物組織培養用培地へ
移植し培養を続けることにより、発根を促し植物体を得
る。得られた植物体は一定の条件下で順化処理後、温室
等で通常の栽培が可能になる。なおシュートの切断、及
び新たな培地への移植なしに台木にて伸長したシュート
を、台木ごと順化に移すことも可能である。
【0015】成長点を台木に置床して得られたシュート
を切断し、新たな培地へ移植して発根植物体を誘導した
後、その上部は更に生育を続ける。生育させた発根植物
体は、通常の節切り増殖が可能であるが、その生育速度
は極めて遅い。そこで、得られたシュートを節毎に切断
し、上記と同様に作製した台木に接ぎ木することによ
り、シュートの増殖効率を著しく向上させることができ
る。この接ぎ木の場合には、活着し易いように穂木と台
木を固定する補助器具を使用するのが望ましい。このよ
うにして増殖されたシュートは発根培地へ移植して発根
を促した後か、もしくは接ぎ木苗の状態で順化し、ナス
のウイルスフリー植物体を得ることが出来る。また、増
殖させたシュートを再度台木に接ぎ木し、再増殖を図る
ことも可能である。この際、台木に耐病性などの優れた
植物を用いておけばその後の栽培管理が非常に効率的に
なる。
【0016】
【実施例】〔実施例1〕 ナス科植物の試験管内台木の
育成 ナス品種「台太郎」(タキイ種苗(株))、トマト品種
「強力米寿」(タキイ種苗(株))及び「新メイト」
((株)サカタのタネ)の種子を、有効塩素濃度1%のア
ンチホルミンにて15分間処理し表面殺菌後、滅菌水で3
回洗浄した。この種子を、オートクレーブ滅菌した、各
種栄養素を含む植物組織培養用の固体培地に1容器あた
り2粒を無菌的に播種した。ここで用いた培地は3%蔗糖
を含むMS培地を用い、pHを5.8に調整後0.8%の寒天を加
えたものを用いた。培養容器はアグリポット(キリンビ
ール(株))を用い、1容器あたり50mlの培地を分注し
た。無菌播種後、25℃、12時間/日照明下の培養室で生
育させた。培養開始から約3週間後には試験管内台木と
して利用可能な生育ステージになった。この植物体は、
実施例2に示す、成長点を含む微小組織片を移植する直
前に胚軸を鋭利なメスで切断し、試験管内台木として用
いた。
【0017】〔実施例2〕 ナスの成長点の摘出 栄養繁殖に供試するために温室で栽培中のナス材料母株
から旺盛に生育している枝を選び、枝先から5〜20cm程
度の長さの成長点を含む枝を採取した。成長点が摘出し
やすいように、余分な葉を除き3〜5cmの長さに調整し、
70%エタノールを噴霧した。以下の操作はクリーンベン
チ内で無菌的に行った。実体顕微鏡下で、0.2〜0.5mm程
度の大きさの成長点を含む微小組織片を、鋭利なメスを
用いて摘出した。成長点は腋芽の基部に存在し、まわり
が多量の毛茸に覆われて成長点を確認しにくいので、付
近の毛茸を取り除いた後に成長点を摘出した。
【0018】 〔実施例3〕 成長点よりシュートの誘導実施例2で摘
出した成長点を含む微小組織片を培地へ置床し、一定期
間培養した。用いた培地は表1に示す通りである。培養
は25℃、12時間/日照明下の培養室で行った。
【0019】
【表1】
【0020】培地への置床から1〜2週間後、成長点は、
緑色になり、やや肥大を始めた。植物成長調節剤を添加
した場合、培地によっては、成長点の肥大、緑色化と共
に近傍組織のカルス化が認められた。このように成長点
が肉眼でもはっきり確認できるようになったとき、試験
管内台木への移植を行った。成長点の底面の肥大した組
織の部分をメスで切断し、この切断面と実施例1で述べ
た方法で準備した試験管内台木の切断面が互いに接触す
るようにして置床することにより成長点の移植を行っ
た。成長点の肥大が少なく底面の切断が困難な場合に
は、切断することなく試験管内台木の切断面に置床し
た。また、肥大やカルス化の激しい場合には余分な部分
を切断除去した後、試験管内台木へ移植した。
【0021】成長点の移植から2週間後にはシュートが
伸長した。トマトを試験管内台木に用いた場合、特に旺
盛にシュートが伸長した。子葉より上部の胚軸を切断し
た場合には子葉基部からトマト自身の成長点よりシュー
トが伸長してきたので除去したが、子葉より下部の下胚
軸で切断した場合には、トマト自身の成長点は伸長せ
ず、除去する必要もなかった。ナスを試験管内台木に用
いた場合には、胚軸の切断面より台木自身の不定芽が出
現するために、不定芽を全て除去する必要があった。
【0022】〔実施例4〕 シュートからの植物苗の誘
導 成長点を育成台木の胚軸切断面上に移植して得られたシ
ュートが2〜3cmの長さに伸長した時点で、シュート基部
より切断し、発根培地へ移植し培養を続け、発根を促し
植物体を得た。得られた植物体は温室で順化処理を行っ
た。根に付いた培地の寒天を洗い取り、培養土を詰めた
ポットに移し、最初の1週間は遮光条件下のミスト室へ
置き、2週目は遮光条件のみにし、3週目には通常の温室
栽培した。シュートの切断、発根培地への移植なしに試
験管内台木にて伸長したしたシュートを台木毎順化に移
すことも可能であった。順化条件は上述の方法で行っ
た。
【0023】〔実施例5〕 成長点培養により得られた
植物苗のウイルスフリー化の確認 実施例4で得られた植物体64個体は、ELISA 法によりウ
イルスフリー化を検定した。TMV-L 、TMV-OM、TMV-P 、
CMV-O 、BBWVの5ウイルスについて検定した結果、56個
体は全てのウイルスに対して陰性の反応であった(ウイ
ルスフリー化率87.5%)。
【0024】〔実施例6〕 シュートの試験管内での増
殖 成長点をトマトの試験管内台木に移植して得られたシュ
ートは、そのまま培養を続けると、移植から4週後には
シュートの分割増殖が可能なまでに生育した。このシュ
ートを切断分割し、再度トマト試験管内台木に接ぎ木移
植した。この場合にはシュートの切断面と台木の切断面
を水平に対して概ね45度の角度で切断し切断面が互いに
接着するようにし、固定補助具(スーパーウィズ、スー
パーアイドル(ナスニックス株))を用いて固定した。こ
の方法により、1ケ月で2倍以上の増殖率で増殖が可能だ
った。増殖されたシュートから実施例4と同様の方法で
ナス苗を得た。
【0025】
【発明の効果】本発明により、効率的なナスの成長点培
養、また培養増殖が可能になる。これによって、ウイル
スフリーのナス植物苗生産が可能になる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(1)〜(4)の工程を含むこと
    を特徴とするナス苗の生産方法。 (1)台木とするナス科の植物を育成する (2)ナスから成長点を含む組織を摘出し、それを培養
    する (3)台木とするナス科の植物の茎を切断し、その切断
    面に成長点を含む組織を移植し、成長点からシュートを
    伸長させる (4)伸長させたシュートから苗を育成する
  2. 【請求項2】 成長点を含む組織の培養期間が1〜2週
    間であることを特徴とする請求項1記載のナス苗の生産
    方法。
  3. 【請求項3】 台木とするナス科の植物が、ソラナム属
    又はリコペルシコン属に属することを特徴とする請求項
    1又は2記載のナス苗の生産方法。
  4. 【請求項4】 台木とするナス科の植物が、ナス、ヒラ
    ナス、又はトマトであることを特徴とする請求項1又は
    2記載のナス苗の生産方法。
  5. 【請求項5】 成長点から伸長させたシュートを生育さ
    せた後、分割し、各シュートから苗を育成することを特
    徴とする請求項1〜4記載のナス苗の生産方法。
  6. 【請求項6】 以下の(1)〜(7)の工程を含み、
    (5)及び(6)の工程を一回以上行うことを特徴とす
    るナス苗の生産方法。 (1)台木とするナス科の植物を育成する (2)ナスから成長点を含む組織を摘出し、それを培養
    する (3)台木とするナス科の植物の茎を切断し、その切断
    面に培養した成長点を含む組織を移植し、成長点からシ
    ュートを伸長させる (4)伸長させたシュートを生育させた後、分割する (5)分割したシュートを台木とするナス科植物に接ぎ
    木する (6)接ぎ木したシュートを生育させた後、分割する (7)分割したシュートから苗を育成する
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103109744A (zh) * 2013-03-10 2013-05-22 通化师范学院 一种葡萄试管内集成脱毒方法
CN103477840A (zh) * 2013-09-22 2014-01-01 江苏希旺农业科技有限公司 一种袖珍茄子的种植方法
CN113115655A (zh) * 2021-06-02 2021-07-16 新疆绿丰农业产业科技开发有限公司 茄子二次嫁接技术
CN116018945A (zh) * 2022-11-30 2023-04-28 云南农业大学 一种优质高抗人参果种苗繁育方法

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