JP2000203826A - 円筒構造を有する有機無機複合体、中空糸状金属酸化物、およびそれらの製造方法 - Google Patents

円筒構造を有する有機無機複合体、中空糸状金属酸化物、およびそれらの製造方法

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JP2000203826A JP11108922A JP10892299A JP2000203826A JP 2000203826 A JP2000203826 A JP 2000203826A JP 11108922 A JP11108922 A JP 11108922A JP 10892299 A JP10892299 A JP 10892299A JP 2000203826 A JP2000203826 A JP 2000203826A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機低分子ゲルを鋳型として、新しい有機無
機複合体および無機材料を得る。 【解決手段】 イオン性部位を有し有機溶媒または有機
溶媒と水との混合溶媒の中でゲルを形成し得る有機低分
子と、金属酸化物の前駆体を含有するゾルゲル反応溶液
とから得られる混合液中で有機低分子のゲルを形成させ
た後、ゲル形成した系を保持して金属酸化物の重合を進
行させることにより、内側が有機分子で、外側が金属酸
化物であるナノメータのオーダーの円筒状構造の有機無
機複合体が得られる。さらに、この有機無機複合体から
有機低分子を除去することにより、中空糸状の金属酸化
物を得ることができる。有機低分子として好ましい例
は、イオン性部位を有しアゾベンゼン部位を含むコレス
テロール誘導体であり、金属酸化物は、例えば、シリカ
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、触媒またはその支
持体、吸着剤、半導体材料およびその他の各種機能性材
料として利用することができる新規な構造の有機無機複
合体および金属酸化物、ならびにそれらの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術とその課題】シリカに代表される無機多孔
材料はその表面積の大きさおよび孔径に起因する分子の
選択性から、触媒やその支持材料または吸着材料、クロ
マトグラフ用材料等として多用され、更なる改良が試み
られている。これらの多孔材料の調製には何らかの鋳型
を用いる方法が使われておりゼオライト等のマイクロポ
ーラス材料の調製には有機低分子化合物、メソポーラス
材料では界面活性剤やブロック共重合体、またマクロポ
ーラス材料ではエマルジョンをそれぞれ用いた例があ
る。また多孔材料のなかでも繊維状もしくは中空状の無
機材料が酒石酸の分子状会合体やカーボンファイバー、
カーボンナノチューブを鋳型として合成されている。一
方、生体物質(Biomaterial)の機能を利用する所謂Bio
mineralizationに関する研究においても生体物質を鋳型
にして様々な形態の無機材料を作り出す試みが試されて
おり、自己組織化した脂質チューブ(self-assembled l
ipid tubules)を用いた円筒状の有機無機複合体(tubu
lar inorganic-organic composites)等も得られてい
る。しかしながら、これまで、有機低分子ゲルを鋳型に
して有機無機複合材料や無機材料を調製した例はない。
多様な形態を示すこれらのゲル構造を反映した材料は特
異な形態に基づく異方性を持った材料として各種の応用
展開が期待される。例えば、繊維状のゲル、すなわち、
直線状またはヘリックス状の細長い糸状のゲルを鋳型と
することにより、新しいタイプの機能性有機ゲルと無機
物質との複合材料や多孔性無機材料が得られるものと期
待されるが、そのような材料を具現化した技術は見当た
らない。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者は、有機溶媒中
でゲルを形成する各種の有機低分子のゲル化特性に関す
る研究を進めるうちに、繊維状の有機低分子ゲルを鋳型
として、これまでに見られないミクロ構造を有する有機
無機複合体および無機材料(金属酸化物)を製造するこ
とができる技術を見出し、本発明を導き出した。
【0004】かくして、本発明は、 (1)イ.イオン性部位を有し、有機溶媒または有機溶
媒と水との混合溶媒の中でゲルを形成し得る有機低分
子、 ロ.金属酸化物の前駆体、該金属酸化物の前駆体からゾ
ルゲル反応により金属酸化物重合体を生成するための触
媒、水、および、必要により該金属酸化物の前駆体、触
媒、水を溶解し得る溶媒から成るゾルゲル反応溶液、な
らびに、 ハ.必要により前記有機低分子と前記ゾルゲル反応溶液
とを溶解し得る有機溶媒、を含有する均一混合液を調製
する工程、 (2)イ.前記均一混合液から前記有機溶媒を除去する
か、 ロ.前記均一混合液を加熱した後、冷却するか、または ハ.前記均一混合液を冷却する、 ことにより前記有機低分子のゲルを形成させる工程、な
らびに (3)前記ゲル形成した系を保持して、金属酸化物の重
合を進行させる工程、を含むことを特徴とする、繊維状
有機分子の表面に金属酸化物が付着した有機無機複合体
の製造方法を提供する(請求項1)。
【0005】このような本発明の有機無機複合体の製造
方法の好ましい例においては、イオン性部位を有しゲル
を形成する有機低分子としてアゾベンゼン部位を有する
コレステロール誘導体を用い、金属酸化物の前駆体とし
てシリカの前駆体を用いる(請求項2)。さらに、別の
好ましい例においては、上記のごときイオン性部位を有
する有機低分子に加えて、アゾベンゼン部位を含むノニ
オン性のコレステロール誘導体を併存させる(請求項
3)。また別の好ましい1例においては、コレステロー
ル誘導体として、ゾルゲル反応により金属酸化物重合体
を生成するための金属とは別異の金属の金属イオンを包
接することによりイオン性部位を有するものを用いる
(請求項4)。
【0006】本発明は、さらに、以上のような方法によ
り得られた有機無機複合体から有機低分子を除去するこ
とを特徴とする中空糸状金属酸化物の製造方法も提供す
る(請求項5)。本発明に従う中空状金属酸化物の製造
方法の好ましい例においては、焼成により有機低分子を
除去する(請求項6)。
【0007】本発明は、さらに、別の視点として、上記
のような方法(請求項1〜4)により製造される有機無
機複合体であって、内側が有機分子、外側が金属酸化物
から成る直径がナノメータのオーダーの円筒状構造を有
することを特徴とする有機無機複合体を提供する(請求
項7)。本発明の有機無機複合体の特に好ましい例にお
いては、有機分子はアゾベンゼン部位を含むコレステロ
ール誘導体であり、金属酸化物はシリカである(請求項
8)。
【0008】さらに、本発明は、上記のような方法(請
求項5〜6)により製造されることができ、内径がナノ
メータのオーダーの円筒状金属酸化物から成ることを特
徴とする中空糸状金属酸化物(金属酸化物から成る中空
糸)も提供する(請求項9)。このような本発明の円筒
状金属酸化物には、真の円筒状、すなわち、横断面が円
環状を呈しているもののみならず、渦巻状の横断面形状
を有し、該円筒状金属酸化物の内側表面および外側表面
に該金属酸化物を構成する金属とは別異の金属の微粒子
が存在していることを特徴とするものも含まれる(請求
項10)。本発明に従う中空糸状金属酸化物の特に好ま
しい態様においては、金属酸化物がシリカであるもの、
すなわち、中空糸状シリカである(請求項11)。
【0009】
【発明の実施の形態】金属のアルコキシドなどのゾルが
触媒により重合し架橋しながら金属酸化物重合体を生成
してゲル化することはよく知られている。本発明は、こ
のようなゾルゲル反応が特定の有機低分子のゲルを鋳型
として該有機低分子ゲル上で起こり、ゾルゲル反応終了
後も有機低分子ゲルの構造が保持され得るような条件を
見出し、これを利用することにより、新しいタイプの有
機無機複合体および中空糸状金属酸化物の製造を可能に
したものである。
【0010】以下、本発明の有機無機複合体および金属
酸化物の製造方法(調製方法)、それらを構成する各要
素、およびそれらの特性、ならびに、本発明の特に好ま
しい態様としてコレステロール誘導体を用いる例に沿っ
て本発明の特徴を詳述する。
【0011】製造方法(調製方法) 本発明に従い有機無機複合体および中空糸状金属酸化物
を製造するには、先ず、有機低分子とゾルゲル反応溶液
とを混合して、それらを含有する均一な混合液を調製す
る。ここで、本発明において用いる有機低分子の特性に
ついては後述する。一方、ゾルゲル反応溶液は、目的の
ゾルゲル反応系にもよるが、ゾルゲル反応が進行するよ
うな当初のゾルが形成されるように、少なくとも、金属
酸化物(無機材料)の前駆体(金属酸化物の出発原料:
金属アルコキシド、金属クロリド、金属ジケトネート
等)、該金属酸化物の前駆体からゾルゲル反応により金
属酸化物を生成するための触媒(酸、アルカリ、アミン
等)、および水(金属酸化物の前駆体の加水分解に必要
であり、少量でよい)を含まなければならない。但し、
これだけではゾルゲル反応系の溶解性が充分でない場合
には、それらの前駆体、触媒、水を溶解し得るような溶
媒を使用する。さらに、必要により、混合を円滑にする
ため、有機低分子とゾルゲル反応溶液とを溶解し得る有
機溶媒を用いる。
【0012】本発明の方法においては、このようにして
得られた混合液中において有機低分子のゲルを形成させ
る。ここで、本発明に関連して用いるゲルという語は、
一般的には、溶媒を完全に束縛して固まっている状態を
指称するが、系を傾け軽い衝撃を与えると流動する程度
に有機低分子が互いに結合して繊維を形成している状態
も含むものとする。このゲル形成の工程は以下のように
して行う。
【0013】有機低分子のゲル形成の生じる温度が室温
またはそれ以上である場合には、混合を円滑に行うため
に有機分子とゾルゲル反応溶液との両者を溶解する有機
溶媒を添加して調製した均一混合液から、溶解するため
に加えた有機溶媒を除去することによりゲルを形成させ
る。この有機溶媒の除去は、一般に、減圧乾燥により行
う。また、有機低分子が加熱に耐えられる場合は、上記
の均一混合液を加熱した後、室温に冷却してゲルを形成
する。さらに、ゲル形成温度が室温以下の場合には、有
機分子とゾルゲル反応溶液とを室温で混合し、系を冷却
することによりゲルを形成する。この工程中に、一般に
繊維状構造の有機低分子のゲルが先行して形成され、金
属酸化物のゾルゲル反応が一部進行する。
【0014】本発明に従い有機無機複合体を製造するに
は、次に、上記のようにゲルが形成した系を、該ゲルが
壊れないような条件下に保持しながら、金属酸化物の重
合を更に進行させる。すなわち、室温でゲル形成が生じ
たような系は室温下に、また、冷却によってゲルが形成
したような系は、その冷却温度に、適当時間(一般に、
数日間以上)保持すれば、金属酸化物のゾルゲル反応に
より加水分解、重縮合が進行し、金属酸化物の重合度が
上がり溶液中に溶解し得なくなった金属酸化物が繊維状
構造の有機分子表面に付着、析出する。ここで、後述す
るように、表面への付着を静電力によって効果的に進め
るために有機低分子はイオン性を有する必要がある。
【0015】但し、本発明者は、ゲル形成剤(ゲル化
剤)として、イオン性部位を有する有機低分子に加え
て、ノニオン性(非イオン性)の有機低分子を併存させ
ても本発明に従う有機無機複合体が得られることも見出
している。そのようなノニオン性有機低分子から成るゲ
ル形成剤は、イオン性有機低分子と相溶性がある(一般
的には、非イオン性部位を除けばイオン性部位を有する
有機低分子と骨格構造が同じかまたは類似である)もの
を用いる。この場合は、有機無機複合体の基本構造とな
る繊維構造(ファイバー構造)はノニオン性有機低分子
によって構成され、その表面にイオン性部位を有する有
機低分子が付着し、その上でゾルゲル反応が進行するも
のと推測される。
【0016】次いで、これを適当な条件で乾燥、余分な
溶媒を除去し、ゲル構造の有機分子を残せば有機無機複
合体が得られ、さらに、有機分子を除去すれば中空糸状
金属酸化物となる。この有機分子の除去は、溶媒を用い
て溶出させることにより可能な場合もあるが、一般に、
本発明の複合体における有機分子は金属酸化物の外壁に
より強く保護され耐溶剤性を有するので、焼成により行
うのが好ましい。
【0017】有機低分子(鋳型分子) 有機溶媒および/または水の中でゲル形成することがで
き、さらに、ゾルゲル反応溶液をゲル化することができ
るような有機低分子は、これまでも幾つか知られてい
る。しかしながら、本発明者は、有機低分子が、金属酸
化物のゾルゲル反応の鋳型として機能するようなゲル構
造を形成しゾルゲル反応後も該ゲル構造を維持するに
は、これだけでは不充分であることを見出している。す
なわち、本発明において使用される有機低分子は、ゲル
を形成し得るとともに、イオン性部位を含むような分子
構造を有することが必要である。
【0018】イオン性部位を含む分子構造の好ましい例
としては、第四級アンモニウム塩、イオン性の原子や分
子を包接した包接化合物、さらには、脂肪酸など有機酸
の金属塩等が挙げられる。また、アミノ基、カルボキシ
ル基等の解離性の官能基を有する化合物をこれらがイオ
ン化する適当なpHで用いることによってもイオン性部
位を有する有機低分子として使用できる。本発明におい
て用いられる有機分子としては、上記のようなイオン性
部位を含むとともに、イオン性部位以外の構造として、
例えば、コレステロール誘導体、ソルビトール、グルコ
ース等の糖誘導体、ヒドロキシ脂肪酸誘導体、アミノ酸
誘導体、ステロイド誘導体、シクロヘキサン誘導体、ア
ントラセン誘導体、フェノール誘導体、環状ペプチド誘
導体、アルキルアミド誘導体、グルタミン酸誘導体等の
分子構造を有する有機低分子が挙げられるが、上記のよ
うなゲル形成能とイオン性が備わっていれば、これらに
制限されるものではない。
【0019】ゲル形成剤として包接化合物を用いイオン
性の原子を包接することによりイオン性部位が付与され
る場合、イオン性の原子としては一般的には金属イオン
(ゾルゲル反応により金属酸化物重合体を生成するため
の金属とは別異の金属の金属イオン)が用いられるが、
酸性溶媒中、すなわち、プロトン(水素イオン)が包接
されることによっても本発明の有機無機複合体を調製す
ることもできる。なお、コレステロール誘導体を用いる
系についても後に詳述するように、金属イオンを包接す
る包接化合物をゲル形成剤として用いると、該金属の微
粒子が円筒状金属酸化物の表面に分散して存在する中空
糸状金属酸化物が得られるという利点がある。
【0020】金属酸化物(無機材料) ゾルゲル反応の進行過程における金属酸化物の表面電荷
は金属の種類と溶液のpHによって変化するので、有機
分子表面に静電的に付着しやすいように金属の種類とp
Hを選ぶ必要があるが、本発明において用いられ得る金
属酸化物の種類に基本的に制限はない。例えば、シリ
カ、アルミナ、ボレイトの他、チタニア、ジルコニア、
ヘマタイト等の遷移金属酸化物が挙げられる。金属酸化
物を与えるゾルゲル反応の前駆体(出発物質)としては
これらの金属のアルコキシドおよびクロリド、ジケトネ
ート等が挙げられる。具体的にはシリカでは、テトラエ
トキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラクロ
ロシラン、アルミナではアルミニウムトリ−sec−ブ
トキシド、アルミニウム(III)2,4−ペンタンジオ
ネート、ボレイトではトリメトキシボラン、チタニアで
はチタンエトキサイド、ジルコニアではジルコニウムテ
トラ−n−ブトキサイド等である。
【0021】ゾルゲル反応溶液 ゲル状態の繊維状有機分子表面への金属酸化物の付着を
効率的に進めるために、溶液の組成は金属酸化物重合体
が低重合度のうちに析出する組成が望ましい。すなわ
ち、アルコールやTHF等の金属酸化物に対する溶解度
の大きな有機溶媒を多く含まない組成でなければならな
い。
【0022】また金属酸化物の表面電荷はその金属の電
気陰性度と溶液のpHによって決まるので、鋳型分子を
効率的に付着する符号になるpHを金属の種類に応じて
変化する必要がある。後記の実施例では、鋳型である有
機低分子のゲルがカチオン、酢酸主体のゾルゲル溶液中
(pH≒5)でのシリカ表面はアニオンと考えられる。
この場合には鋳型分子であるゲルの繊維構造表面に金属
酸化物が静電引力的に付着し成長したと考えられる。
【0023】金属酸化物の含有量が有機分子に比べ多す
ぎると乾燥時の金属酸化物の収縮によって有機分子が圧
縮され中空状構造をとりにくくなるし、金属酸化物同士
の融合が生じ独立した繊維状構造にならないので望まし
くなく、また少なすぎると金属酸化物の中空状構造が脆
弱になる。従って最終的に得られる有機無機複合体に対
し金属酸化物の量は重量比で20〜90%であることが
望ましい。(後記の実施例では重量比で有機低分子1に
対しシリカ源であるTEOS(テトラエトキシシラン)
が9となっている。しかし、TEOSは完全に加水分
解、重縮合が進むとその重量は元の29%に減少するの
で、この例では最終的に得られた有機無機複合体に対し
金属酸化物の量は72%である)
【0024】有機無機複合体と中空糸金属酸化物の特性 本発明の有機無機複合体は、繊維状有機分子(ゲル)の
表面に金属酸化物が付着した構造、すなわち、内側が有
機分子であり、外側が金属酸化物である円筒状構造から
成る。該円筒の直径(最外径)はナノメータのオーダ
ー、すなわち、一般的には数nmから数百nm(後記の
実施例に示す有機無機複合体の場合、約30〜150n
m)である。なお、ここで円筒状構造とは、真の円筒
状、すなわち、横断面が円環状を呈しているもののみな
らず、シートがクルクルと連続的に丸まったような形
状、すなわち、渦巻状の横断面を形成するものも指称す
る。
【0025】このような有機無機複合体から既述のよう
に有機分子(有機低分子ゲル構造)を除去すると、有機
低分子ゲル構造の大きさに対応する内径を有する円筒状
構造(上記から理解されるように、渦巻状の横断面形状
を有するものを含む)、すなわち、内径がナノメータの
オーダー(後記の実施例の場合、約10〜100nm)
の中空糸状金属酸化物が得られる。
【0026】このように本発明に従う有機無機複合体
は、中空糸状金属酸化物の前駆体として有用であるが、
それ自身も各種の用途への適用が期待される。すなわ
ち、金属酸化物だけからなる中空糸もかなり力学的強度
は高いが、中空糸の芯の部分に有機物が残っていると更
に力学強度が上昇し、取扱いの過程で破壊される中空糸
の割合が減少する。金属酸化物からなる中空糸表面は微
細な粒子状の構造が見られ、この表面を触媒あるいはそ
の支持体として、また吸着剤として利用する場合には、
有機無機複合体である方が有利である。
【0027】また、芯となる有機分子の機能や性質に応
じた用途も可能である。例えば、後記の実施例に示すよ
うに有機低分子としてアゾベンゼンを持つコレステロー
ル誘導体を用いる場合は、アゾベンゼン部分のトランス
−シスの構造変化によりフォトクロミックな性質が発現
される。このとき、中空糸状の構造をとるこの有機無機
複合体では芯の部分のコレステロール誘導体を外壁の金
属酸化物が外界から遮断するため、耐溶剤性、耐熱性に
優れたフォトクロミック材料を与える。実際、このコレ
ステロール誘導体の良溶媒であるクロロホルム中に複合
体を2ヶ月浸漬していてもコレステロールの溶解はほと
んど見られない。
【0028】他方、本発明の中空糸状金属酸化物は、中
空糸の外表面、内表面のいずれをも利用して触媒、吸着
剤等への応用が可能である。さらに、この中空糸状金属
酸化物は、繊維状態であるため嵩高く、これに加えて中
空構造のため断熱効果が高く、金属酸化物の耐熱性が高
いことから断熱材としても優れている。また、ゲル形成
剤として金属イオンを包接した包接化合物を用いること
により、該金属の微粒子がシリカのような中空糸状金属
酸化物の表面に存在する構造体が得られるが、これは金
属微粒子により高性能の触媒として、あるいは、金属超
微粒子が半導体微粒子であれば量子効果(発光の波長変
化)を有する半導体材料等としての用途が期待される。
【0029】コレステロール誘導体 本発明において用いる有機低分子として好ましい例は、
次の式(1)で示されるコレステリル基を含むコレステ
ロール誘導体である。
【0030】
【化1】
【0031】このような有機低分子は、既述したような
ゲル形成能とイオン性を有するとともに、それ自身が何
らかの機能性を発揮するような官能基や分子団を含むよ
うな分子構造から成ることが好ましい。例えば、本発明
において用いるのに特に好ましい有機低分子として下記
の式(2)で表わされるアゾベンゼン部位を含みフォト
クロミックな性質を発現し得るコレステロール誘導体が
挙げられる。
【0032】
【化2】
【0033】さらに、本発明において用いられるのに好
適な有機低分子の別の例として、アゾベンゼン部位を含
むとともに、一端にイオン性原子や分子(代表的には金
属カチオン)を包接することのできるクラウン環(クラ
ウンエーテル)を有する下記の式(3)、(4)、
(5)および(6)で表わされるようなコレステロール
誘導体が挙げられる。これらのコレステロール誘導体
は、例えば図1に示すような反応スキームに従って簡単
に合成することができる。
【0034】
【化3】
【0035】
【化4】
【0036】
【化5】
【0037】
【化6】
【0038】本発明者は、式(2)において末端の第四
級アミンを有しないコレステロール誘導体は、それ自身
が各種の有機溶媒中でゲル化し得るとともに、TEOS
(テトラエトキシシラン)のようなシリカ前駆体をゲル
化させてシリカを形成させることはできるが、最終的に
得られるシリカにはコレステロール誘導体のゲル構造が
保持されていないことを確認している。これに対して、
本発明に従い式(2)のコレステロール誘導体を用いて
TEOSを含むゾルゲル反応を行わせると、後記のシリ
カが付着された有機無機複合体が得られる(図2参照)
とともに、その繊維状部分を除去することにより中空糸
状(円筒状)のシリカが得られる(図3参照)。
【0039】さらに本発明者は、式(2)で示されるよ
うなイオン性(カチオン性)部位を有するコレステロー
ル誘導体に、下記の式(7)で示されるようなノニオン
性コレステロール誘導体を併存させて同様のゾルゲル反
応を行うことによっても、コレステロールに由来する繊
維状構造にシリカが付着された有機無機複合体が得ら
れ、その繊維状部分を除去することによって中空糸状
(円筒状)のシリカが得られることも見出している。得
られるシリカはヘリックス状の中空糸状シリカとなり、
内径も10nm前後の比較的と小さく、均一であること
が特徴である(実施例3参照)。
【0040】
【化7】
【0041】また、式(3)、(4)および(5)のよ
うなクラウン環を有するコレステロール誘導体を用いる
と、該クラウン環を介して十分量の金属カチオン等を包
接してイオン性部位を供する場合には、コレステロール
に由来する繊維状構造(有機低分子のゲル)の周りにシ
リカが円筒状に付着した有機無機複合体が得られ、した
がってその繊維状構造を除去することにより円筒状(中
空糸状)のシリカを得ることができる。これに対して、
そのようなクラウン環を有しないコレステロール誘導体
を用いた場合、あるいはクラウン環によるイオン性原子
や分子の包接が十分でない場合には、上記のような有機
無機複合体や円筒状構造のシリカを得ることができない
ことも確認している(実施例5参照)。
【0042】特に、式(4)および(5)で表わされる
ようなアザクラウン環を有するコレステロール誘導体を
用いると、円筒状金属酸化物が渦巻状の横断面形状を有
し、該円筒状金属酸化物の内側表面および外側表面に該
金属酸化物の金属とは別異の金属(アザクラウン環に包
接された金属イオンに由来する金属)の微粒子が存在し
ているという特異な構造の中空糸状金属酸化物が得られ
る(実施例6参照)。
【0043】
【実施例】以下に本発明に特徴をさらに明かにするため
実施例を示すが、本発明はこの実施例に限定されるもの
ではない。実施例1:コレステロール誘導体の合成 図1に示す反応スキームに従って、式(2)のコレステ
ロール誘導体を合成した。すなわち、(A)をKOHの
存在下にエタノール溶媒中で1,4−ジブロモブタンと
還流条件下に反応させ、収率15%で(B)を得た(工
程i)。次に、この(B)を、トリフェニルホスフィ
ン、およびアゾジカルボン酸ジエチルエステルの存在下
に、THF溶媒中でコレステロールと20℃において反
応させ、収率18%で(C)を得た(工程ii)。この
(C)をTHF中でトリメチルアミンと20℃において
反応させ、収率69%でコレステロール誘導体(2)を
得た(工程iii)。コレステロール誘導体(2)の同
定:質量分析(SIMS、ポジティブ)M+724;1H
NMR(CDCl3) δ0.7022(s, 3H, Me), 0.8547(d, 6H, M
e),0.8767(d, 3H, Me), 3.4762(s, 9H, Me), 3.8401(t,
2H, CH2), 4.1659(t, 2H,CH2), 5.2807(m, 1H), 5.334
6(m, 1H), 7.0102(d, 2H), 7.9164(q, 4H), 8.1138(d,
2H)。
【0044】実施例2:有機無機複合体および円筒状金
属酸化物の調製 始めに、実施例1で合成したコレステロール誘導体を塩
化メチレンに溶解し、次いで、酢酸、TEOS,水をこ
の順番に加え攪拌し橙色透明溶液を得た。重量組成は、
コレステロール誘導体/酢酸/TEOS/水=1/64
/9/3.2(重量比)であり、塩化メチレンは酢酸と
同量加えた。このゾルゲル溶液(TEOS/酢酸/水)
においては、酢酸(触媒)自身が高い溶解性を有するの
で、特に追加の溶媒は用いていない。
【0045】その後、得られた混合液を室温で減圧乾燥
し、最も蒸発速度の早い塩化メチレンを主体に除去し、
全重量が塩化メチレン相当量だけ減少した時点で取り出
すと系は白濁した状態でゲル化していた。これを密封
し、室温で10日間保存する。対照サンプルとして、コ
レステロール誘導体(2)を加えなかった以外全て上記
と同様な条件で調製したサンプルはシリケートのゾルゲ
ル反応により3日後白濁固化するので、上記の10日間
保存したサンプルにおいてもシリケートのゾルゲル反応
が進み、系中のTEOSは充分反応したと考えられる。
【0046】次いで、これを室温で開放した条件で2日
間乾燥後、真空下60℃で5時間乾燥し二重円筒状構造
の有機無機複合体を得た。図2に、この複合体のSEM
(走査電子顕微鏡)写真を示す。この写真から円筒状構
造の外径は30〜150nmであることが分かる。更
に、窒素気流下200℃で6時間乾燥し、次いで500
℃で2時間、最後に空気気流下で500℃、4時間焼成
し中空糸状金属酸化物(シリカ)を得た。図3に、この
シリカのTEM(透過電子顕微鏡)写真を示す。この写
真から分かるように、得られたシリカは、内径が約10
〜100nmの円筒状を呈し、この内径は図2に示され
るコレステロール誘導体ゲルに起因する繊維状構造に対
応するものと解される。
【0047】実施例3:イオン性/ノニオン性ゲル化剤
混合物を用いる円筒状金属酸化物の調製 ゲル化剤として、上記の式(2)のカチオン部位を有す
るコレステロール誘導体と、上記の式(7)のノニオン
性コレステロール誘導体の混合物を用いて実施例2と同
様のゾルゲル反応を行わせた。ゾルゲル溶液の組成は、
コレステロール誘導体混合物/酢酸/水/TEOS/塩
化メチレン=2.48×10−6mol/128.0/
6.2/18.0/120.0(mg)とした。コレス
テロール誘導体混合物中のカチオン性およびノニオン性
コレステロール誘導体の比率は、カチオン性コレステロ
ール誘導体が75、50、25、10、5、2、0.2
mol%と変化させた。
【0048】ゾルゲル反応後、実施例2と同様に乾燥お
よび焼成を行い、焼成体の顕微鏡観察を行った。図4お
よび図5に、それぞれ、SEM写真およびTEM写真の
1例(カチオン性コレステロール誘導体10mol%の
場合)の1例を示す。これらの写真にも示されるよう
に、イオン性(カチオン性)ゲル化剤が2〜10mol
%の場合にヘリックス状シリカとなり、内径も実施例2
のようにカチオン性コレステロール誘導体のみを用いる
場合に比べて10nm前後と小さく、比較的揃っている
ことが認められた。
【0049】実施例4:クラウン環を有するコレステロ
ール誘導体の合成 上記の式(3)で表わされるコレステロール誘導体、す
なわち、4−((4−(((コレステリルオキシ)カル
ボニル)メトキシ)フェニル)アゾ)ベンゼン−18−
クラウン−6(以下、4Cr6と略称する)を以下のよ
うに合成した:4−(((カルボメトキシ)フェニル)
アゾ)ベンゾ−18−クラウン−6(0.82g、1.
67mmol)と脱水ピリジン(0.16g、1.9m
mol)を50mlの脱水ベンゼンに溶解した。この溶
液に塩化チオニル(0.4g、3.3mmol)を滴下
し、環流下で4時間攪拌した。溶媒を減圧留去した後、
得られた酸クロリドを40mlの脱水ベンゼンに溶解さ
せた。この溶液を10mlの脱水ベンゼンとコレステロ
ール(0.65g、1.67mmol)と脱水ピリジン
(0.16g、1.9mmol)から成る溶液内に滴下
させた。環流下で9時間攪拌した後、溶媒を減圧留去
し、シリカゲルのカラムクロマトグラフで分離・精製を
行い誘導体4Cr6(収率63%)を得た。
【0050】融点130〜137℃(DSC);1H‐NM
R(CDDl3) δ0.60-2.40(m, 43H, コレステロール)、3.6
0-4.36(m, 20H, クラウン環)、4.50-4.83(m, 3H, 3-Hと
OCH2CO)、5.32-5.50(m, 1H, コレステロール6-H)、6.60
-7.14(m, 3H, ArH)、7.40-7.96(m, 4H, Ar-H);IR (Nuj
ol) 1755 (νC=0)cm-1 ;元素分析計算値(C51H74O9N 2
として):C, 71.30 ; H, 8.68 ; N, 3.26、実測値:C,
71.20 ; H, 8.68 ; N,3.13。
【0051】実施例5:円筒状金属酸化物の調製 (1)4Cr6への金属カチオン包接 実施例1で合成した4Cr6を表1に示すようにKCl
の濃度を変え、一晩攪拌し透明液とした後、室温で
乾燥し溶媒を除去することによりKイオンを包接する
ようにした。K0試料の調製にこの工程はないが組成の
み記す。
【0052】
【表1】
【0053】(2)ゲル化およびシリケートのゾルゲル
反応 上記試料のうちK8〜K2は各々次のゾルゲル反応出発
溶液と加熱混合した後、室温に静置した:1−ブタノー
ル/TEOS/HO/ベンジルアミン=95.0/1
5.0/5.7/5.6(mg) 室温に冷却するとともにいずれも不透明化するがK8お
よびK4はゲル化し、K2はかなり柔らかいがゲル化し
た。Kイオンを包接していない4Cr6が上記溶液を
ゲル化しないことからK0は次の溶液と加熱混合し、室
温に静置し透明なゲルを得た:アニリン/TEOS/H
O/ベンジルアミン=95.0/10.0/5.7/
5.6(mg)
【0054】また、クラウンエーテルを持たない以外分
子構造のほぼ同じの下記の式(8)で表わされるコレス
テロール誘導体を用い、次の組成で上記工程1)、2)
を経てシリカを調製した。この組成ではコレステロール
誘導体(4)が十分溶解せず相分離した形でシリカによ
る固化が起きる。これをK(1)とする:KClO
(4)/1−ブタノール/TEOS/HO/ベンジル
アミン=1.2/5.0/95.0/15.0/5.7
/5.6(mg)
【0055】
【化8】
【0056】更に、ゲル化剤(コレステロール誘導体)
を含まない次の組成の試料を調製した(S0とする)。
シリカによる半透明ゲルが生成した:KClO/1−
ブタノール/TEOS/HO/ベンジルアミン=0.
8/95.0/15.0/5.7/5.6(mg)
【0057】(3)焼成 上記の各試料を、窒素流通下200℃において1時間過
熱後、窒素流通(1リットル/分)下500℃において
2時間加熱し、さらに、空気流通(1リットル/分)下
500℃のおいて4時間加熱することにより焼成し、S
EM(走査型電子顕微鏡)およびTEM(透過型電子顕
微鏡)による観察を行った。
【0058】(4)結果 SEMおよびTEMによる観察結果より、K8およびK
4には円筒状シリカが生成し、K2、K0、K(1)、
S0には微粒子状のシリカが生成した。K8から得られ
た円筒状シリカは外径50nm、内径10nmであり、
その繊維同士は束状に凝集している。一方、K4から得
られた円筒状シリカは外径100nm〜200nm、内
径50nmであり、繊維の凝集状態はK8と異なり無配
向に絡み合った形態を示した。これは4級アミン化した
アゾ化コレステロールを用いて生成した実施例2の円筒
状シリカと大変似た形態である。
【0059】以上の結果よりKイオンを一定量以上包
接した4Cr6を含む試料には円筒状(中空糸状)シリ
カが生成し(K8およびK4)、その包接量が少ない試
料(K2)、または包接させなかった試料(K0および
K(1))には生成しないことがわかる。すなわち、K
イオンを十分包接した4Cr6がシリカアニオンを静
電引力によって吸着しゲルの繊維構造の周囲にシリカの
壁を形成したと考えられる。
【0060】4Cr6におけるKイオンの包接量はシ
リケートアニオンとの相互作用に影響を与えるほかに溶
液のゲル化挙動(有機低分子ゲル)にも影響を与えるも
のと考えられる。事実、K8とK4とでは前者の方がゲ
ル化(有機ゲル)速度が速く、生成するゲルも前者の量
が多くゲル表面に浮いた溶液量(ゲルが保持できない余
分な溶液と考えられる)も少ない。これは、有機低分子
ゲルにおいてはゲル繊維と溶媒との表面張力によって溶
媒を保持していると考えられていることから、K8中に
大きな表面積を有するゲル繊維が生成し、K4、K2は
それより少なく、K0にはほとんど生成しなかったため
と考えてよいと思われる。したがってK8から繊維径の
細い円筒状シリカが得られ、K4からそれより太い円筒
状シリカが得られたのは、K8に繊維径の細い有機ゲル
繊維が大量に生成し、K4に繊維径の太い有機ゲル繊維
が生成したためと考えられる。
【0061】実施例6:アザクラウン環を有するコレス
テロール誘導体を用いる円筒状金属酸化物の調製 ゲル化剤として上記の式(4)または(5)で示される
アザクラウン環を有するコレステロール誘導体を用い、
それらのコレステロール誘導体が金属イオン(Ag
を包接するようにして、前記の実施例と同様に、ゾルゲ
ル重合、反応を行わせた後、焼成を行うことにより円筒
状金属酸化物を調製した。
【0062】具体的には、先ず、THF(1g)に式
(4)または(5)のコレステロール誘導体(5.8×
10−6mol)とAgNO(AgNO/(4)ま
たは(5)のモル比は、1/1)を溶解させ、この溶液
を蒸発乾固し、得られた固体化合物を次の組成のゾルゲ
ル重合溶液に溶解した:1−ブタノール(98mg)/
TEOS(16mg)/水(5.7mg)/ベンジルア
ミン(5.6mg)。
【0063】ゾルゲル反応後、実施例5と同様に焼成を
行い、焼成後の顕微鏡観察を行った。図6および図7
に、それぞれ、SEM写真およびTEM写真の1例(式
(4)の場合)を示す。図6のSEM写真からも理解さ
れるように、アザクラウン環を有するコレステロール誘
導体を用いることにより、単純な円筒状ではなく、あた
かもシートが渦巻状に巻かれたような横断面形状を呈
し、内径が200nm位までで厚みが20〜30nm程
度の円筒状(中空糸)シリカが得られる。そして、図7
のTEM写真に示すように、このシリカの内側表面およ
び外側表面に4〜20nm程度の大きさのAgの微粒子
が存在している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において用いられる有機低分子として好
適なコレステロール誘導体を合成するための反応スキー
ムを示す。
【図2】本発明の有機無機複合体の1例の結晶構造を示
す走査電子顕微鏡写真である。
【図3】本発明の中空糸状金属酸化物の1例の結晶構造
を示す透過電子顕微鏡写真である。
【図4】本発明の金属酸化物の1例の結晶構造を示す走
査電子顕微鏡写真である。
【図5】本発明の金属酸化物の1例の結晶構造を示す透
過電子顕微鏡写真である。
【図6】本発明の金属酸化物の1例の結晶構造を示す走
査電子顕微鏡写真である。
【図7】本発明の金属酸化物の1例の結晶構造を示す透
過電子顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D01D 5/24 D01D 5/24 (72)発明者 新海 征治 福岡県福岡市東区三苫2丁目13番17号

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)イ.イオン性部位を有し、有機溶媒
    または有機溶媒と水との混合溶媒の中でゲルを形成し得
    る有機低分子、 ロ.金属酸化物の前駆体、該金属酸化物の前駆体からゾ
    ルゲル反応により金属酸化物重合体を生成するための触
    媒、水、および、必要により該金属酸化物の前駆体、触
    媒、水を溶解し得る溶媒から成るゾルゲル反応溶液、な
    らびに、 ハ.必要により前記有機低分子と前記ゾルゲル反応溶液
    とを溶解し得る有機溶媒、を含有する均一混合液を調製
    する工程、 (2)イ.前記均一混合液から前記有機溶媒を除去する
    か、 ロ.前記均一混合液を加熱した後、冷却するか、または ハ.前記均一混合液を冷却する、 ことにより前記有機低分子のゲルを形成させる工程、な
    らびに(3)前記ゲル形成した系を保持して、金属酸化
    物の重合を進行させる工程、を含むことを特徴とする、
    繊維状有機分子の表面に金属酸化物が付着した有機無機
    複合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 イオン性部位を有しゲルを形成する有機
    低分子としてアゾベンゼン部位を有するコレステロール
    誘導体を用い、金属酸化物の前駆体としてシリカの前駆
    体を用いることを特徴とする請求項1の有機無機複合体
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 アゾベンゼン部位を含みノニオン性のコ
    レステロール誘導体を併存させることを特徴とする請求
    項2の有機無機複合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 コレステロール誘導体として、ゾルゲル
    反応により金属酸化物重合体を生成するための金属とは
    別異の金属の金属イオンを包接することによりイオン性
    部位を有するものを用いることを特徴とする請求項2の
    有機無機複合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれかの方法に
    より得られた有機無機複合体から有機低分子を除去する
    ことを特徴とする中空糸状金属酸化物の製造方法。
  6. 【請求項6】 焼成により有機低分子を除去することを
    特徴とする請求項5の中空状金属酸化物の製造方法。
  7. 【請求項7】 内側が有機分子、外側が金属酸化物から
    成る直径がナノメータのオーダーの円筒構造を有するこ
    とを特徴とする有機無機複合体。
  8. 【請求項8】 有機分子がアゾベンゼン部位を含むコレ
    ステロール誘導体であり、金属酸化物がシリカであるこ
    とを特徴とする請求項7の有機無機複合体。
  9. 【請求項9】 内径がナノメータのオーダーの円筒状金
    属酸化物から成ることを特徴とする中空糸状金属酸化
    物。
  10. 【請求項10】 円筒状金属酸化物が渦巻状の横断面形
    状を有し、該円筒状金属酸化物の内側表面および外側表
    面に該金属酸化物の金属とは別異の金属の微粒子が存在
    していることを特徴とする請求項9の中空糸状金属酸化
    物。
  11. 【請求項11】 金属酸化物がシリカであることを特徴
    とする請求項9または請求項10の中空糸状金属酸化
    物。
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