JP2000204672A - 異強度材の高力ボルト摩擦接合用スプライスプレ―ト - Google Patents
異強度材の高力ボルト摩擦接合用スプライスプレ―トInfo
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 異強度材を高力ボルト摩擦接合する際のスプ
ライスプレートに関し、安定して高いすべり係数を発現
するスフ゜ライスフ゜レートを供給する。 【解決手段】 スプライスプレートの摩擦接合面の表面
硬さと、異なる強度の被接合鋼材それぞれの表面硬さの
大なるものと小なるものとの比が1.2以上になるよう
表面硬さの異なる鋼材を溶接して一体のスプライスプレ
ートとなし、かつ、表面硬さの大なる側に摩擦接合面の
ボルト孔回りに、好ましくはボルト孔半径の2倍を半径
とする領域に同心円状に転造による凹凸を有し、その半
径方向断面の凹凸形状が連続または断続した山形である
こと。また、該表面凹凸を転造により施すこと、該凸部
の角度が50〜120度、凸部先端の曲率半径が0.1
mm以下、該鋼板の転造前の表面から凸部先端までの高
さが0.2〜1.0mmであること。
ライスプレートに関し、安定して高いすべり係数を発現
するスフ゜ライスフ゜レートを供給する。 【解決手段】 スプライスプレートの摩擦接合面の表面
硬さと、異なる強度の被接合鋼材それぞれの表面硬さの
大なるものと小なるものとの比が1.2以上になるよう
表面硬さの異なる鋼材を溶接して一体のスプライスプレ
ートとなし、かつ、表面硬さの大なる側に摩擦接合面の
ボルト孔回りに、好ましくはボルト孔半径の2倍を半径
とする領域に同心円状に転造による凹凸を有し、その半
径方向断面の凹凸形状が連続または断続した山形である
こと。また、該表面凹凸を転造により施すこと、該凸部
の角度が50〜120度、凸部先端の曲率半径が0.1
mm以下、該鋼板の転造前の表面から凸部先端までの高
さが0.2〜1.0mmであること。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築、橋梁などに
おける鋼構造物の摩擦接合部に利用される高力ボルト摩
擦接合用スプライスプレートに関するもので、特に異強
度材を接合する際のスプライスプレートに関するもので
ある。本発明のスプライスプレートは、安価でしかも安
定して高いすべり係数の摩擦接合面を得ることができ、
これを用いることにより接合効率が向上し、ボルト本数
を低減したり、鋼構造物の安全性を高めることができ
る。
おける鋼構造物の摩擦接合部に利用される高力ボルト摩
擦接合用スプライスプレートに関するもので、特に異強
度材を接合する際のスプライスプレートに関するもので
ある。本発明のスプライスプレートは、安価でしかも安
定して高いすべり係数の摩擦接合面を得ることができ、
これを用いることにより接合効率が向上し、ボルト本数
を低減したり、鋼構造物の安全性を高めることができ
る。
【0002】
【従来の技術】建築、橋梁などの分野で鋼材を直列に接
合する際、被接合鋼材を突き合わせてその両側に鋼製の
添接板を添えてボルトで締め付けて接合する、いわゆ
る、高力ボルト摩擦接合が一般的に採用されている。そ
して、添接板として用いられる鋼材は、スプライスプレ
ートと呼称されている。
合する際、被接合鋼材を突き合わせてその両側に鋼製の
添接板を添えてボルトで締め付けて接合する、いわゆ
る、高力ボルト摩擦接合が一般的に採用されている。そ
して、添接板として用いられる鋼材は、スプライスプレ
ートと呼称されている。
【0003】高力ボルト摩擦接合において、日本建築学
会の設計施工指針では、接合耐力上重要となる摩擦面
は、黒皮除去された良好な赤錆面で、すべり係数が0.
45を上回る処理を施すこと、また、すべり係数はすべ
り耐力試験により確認する必要があるとしている。橋梁
分野においては、道路橋示方書・同解説((社)日本道
路協会)で0.4以上のすべり係数が得られるようにす
べきとの記載がある。
会の設計施工指針では、接合耐力上重要となる摩擦面
は、黒皮除去された良好な赤錆面で、すべり係数が0.
45を上回る処理を施すこと、また、すべり係数はすべ
り耐力試験により確認する必要があるとしている。橋梁
分野においては、道路橋示方書・同解説((社)日本道
路協会)で0.4以上のすべり係数が得られるようにす
べきとの記載がある。
【0004】通常、良好な赤錆状態であれば、すべり係
数は0.45を上回ることが知られており、すべり耐力
試験は省略される場合が多い。しかし、赤錆状態のすべ
り係数は0.6程度の値が得られることもあるが、環境
因子や鋼材組成などにより錆生成状態が異なるため、バ
ラツキが大きい。
数は0.45を上回ることが知られており、すべり耐力
試験は省略される場合が多い。しかし、赤錆状態のすべ
り係数は0.6程度の値が得られることもあるが、環境
因子や鋼材組成などにより錆生成状態が異なるため、バ
ラツキが大きい。
【0005】摩擦接合面のすべり係数は接合耐力上高い
ほど好ましいことは明らかであり、鋼材表面に赤錆を生
成する方法の他に、特開昭51−52628号公報に示
されるように、接合面に施工前にショットブラストなど
により凹凸を付けたり、特開平1−206104号公報
に示されるように、接合面に耐食性金属を溶射する方法
などが提案されている。しかし、従来の方法では、十分
な粗度を形成できないばかりでなく、凹凸の形状のバラ
ツキが大きいなど、得られるすべり係数に限界があり、
ある値以上のすべり係数が得られないなどの問題があっ
た。
ほど好ましいことは明らかであり、鋼材表面に赤錆を生
成する方法の他に、特開昭51−52628号公報に示
されるように、接合面に施工前にショットブラストなど
により凹凸を付けたり、特開平1−206104号公報
に示されるように、接合面に耐食性金属を溶射する方法
などが提案されている。しかし、従来の方法では、十分
な粗度を形成できないばかりでなく、凹凸の形状のバラ
ツキが大きいなど、得られるすべり係数に限界があり、
ある値以上のすべり係数が得られないなどの問題があっ
た。
【0006】これに対し、特開平8−209809号公
報に示されるように、被接合鋼材とスプライスプレート
の表面硬さ比を規定し、さらに表層への突起加工を施す
ことによりすべり係数を顕著に改善する接合構造が開示
されている。しかし、通常、スプライスプレートは単一
鋼材であり、これを用いる限り、例えば、橋梁分野にお
ける桁フランジなどで少なからず存在する異強度材を接
合するケースでは、スプライスプレートとの表面硬さ比
が異なるため、接合耐力はすべり係数の低い方に制約さ
れてしまうという問題があった。
報に示されるように、被接合鋼材とスプライスプレート
の表面硬さ比を規定し、さらに表層への突起加工を施す
ことによりすべり係数を顕著に改善する接合構造が開示
されている。しかし、通常、スプライスプレートは単一
鋼材であり、これを用いる限り、例えば、橋梁分野にお
ける桁フランジなどで少なからず存在する異強度材を接
合するケースでは、スプライスプレートとの表面硬さ比
が異なるため、接合耐力はすべり係数の低い方に制約さ
れてしまうという問題があった。
【0007】また、表面粗さ(凹凸)付与に関連して、
特開平6−57828号公報では、摩擦接合面にボルト
孔の締付力の影響が及ぶ範囲にわたって3〜10mm、
好ましくは5〜6mm前後の高さの凸部を一体成形し、
その凸部に高さ1〜3mm程度の刃状の突起を形成した
スプライスプレートが開示されている。しかし、3〜1
0mm(好ましくは5〜6mm前後)の高さの凸部を一
体成形することはきわめて困難であり、また、かりにそ
のような凸部および刃状の突起が形成された場合でも、
被接合鋼材(母材)の表面硬さがスプライスプレート側
より硬い場合には、突起が十分に食い込めず、すべりに
対する抵抗とならないという問題があった。
特開平6−57828号公報では、摩擦接合面にボルト
孔の締付力の影響が及ぶ範囲にわたって3〜10mm、
好ましくは5〜6mm前後の高さの凸部を一体成形し、
その凸部に高さ1〜3mm程度の刃状の突起を形成した
スプライスプレートが開示されている。しかし、3〜1
0mm(好ましくは5〜6mm前後)の高さの凸部を一
体成形することはきわめて困難であり、また、かりにそ
のような凸部および刃状の突起が形成された場合でも、
被接合鋼材(母材)の表面硬さがスプライスプレート側
より硬い場合には、突起が十分に食い込めず、すべりに
対する抵抗とならないという問題があった。
【0008】これに対して、本発明者らは、先に出願し
た特開平9−165826号公報に示されるように、ボ
ルト孔周縁にボルト孔を中心とした同心円状にローレッ
ト駒を転圧・転造することにより凹凸模様を付与し、該
凸部の硬さを被接合鋼板より硬いスプライスプレートを
考案し、すべり係数の画期的向上を図った。しかし、凹
凸模様は、同号公報の図1に示されるように、放射状、
回転放射状あるいは綾目状であり、回転加工機を用いた
前記模様の転造では、常に同一軌跡をたどらなければ、
一旦形成された凹凸形状を潰してしまうケースがあっ
た。また、凸部を被接合鋼板に食い込ませすべりに対す
る抵抗を得るためには、凸部先端は鋭い方が好ましいこ
とは前記公報でも指摘したが、放射状、回転放射状ある
いは綾目状の凹凸模様(形状)で凸部先端を鋭くするた
めには、転造加工時に転造駒が正確に同一軌跡をたどる
必要があり、転造駒および加工治具の加工精度を著しく
上げる必要があるとともに、転造加工に要する時間もか
なりの長時間を要し、生産性の面で問題があった。
た特開平9−165826号公報に示されるように、ボ
ルト孔周縁にボルト孔を中心とした同心円状にローレッ
ト駒を転圧・転造することにより凹凸模様を付与し、該
凸部の硬さを被接合鋼板より硬いスプライスプレートを
考案し、すべり係数の画期的向上を図った。しかし、凹
凸模様は、同号公報の図1に示されるように、放射状、
回転放射状あるいは綾目状であり、回転加工機を用いた
前記模様の転造では、常に同一軌跡をたどらなければ、
一旦形成された凹凸形状を潰してしまうケースがあっ
た。また、凸部を被接合鋼板に食い込ませすべりに対す
る抵抗を得るためには、凸部先端は鋭い方が好ましいこ
とは前記公報でも指摘したが、放射状、回転放射状ある
いは綾目状の凹凸模様(形状)で凸部先端を鋭くするた
めには、転造加工時に転造駒が正確に同一軌跡をたどる
必要があり、転造駒および加工治具の加工精度を著しく
上げる必要があるとともに、転造加工に要する時間もか
なりの長時間を要し、生産性の面で問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、異強度材を
高力ボルト摩擦接合する際、それに応じて摩擦接合面の
表面硬さの異なるスプライスプレートを溶接すること
で、摩擦接合面の硬さ比を常に一定以上確保し、さらに
安価に合理的な凹凸を形成することにより、安定した高
いすべり係数を発現するスプライスプレートを提供する
ことを目的とするものである。
高力ボルト摩擦接合する際、それに応じて摩擦接合面の
表面硬さの異なるスプライスプレートを溶接すること
で、摩擦接合面の硬さ比を常に一定以上確保し、さらに
安価に合理的な凹凸を形成することにより、安定した高
いすべり係数を発現するスプライスプレートを提供する
ことを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、スプライスプ
レートの摩擦接合面の表面硬さと被接合鋼材の表面硬さ
の大なるものと小なるものとの比を1.2以上とし、さ
らにボルト孔の回りに表面凹凸を設けることにより、上
記課題を解決し得ることを見出し、本発明をなした。
レートの摩擦接合面の表面硬さと被接合鋼材の表面硬さ
の大なるものと小なるものとの比を1.2以上とし、さ
らにボルト孔の回りに表面凹凸を設けることにより、上
記課題を解決し得ることを見出し、本発明をなした。
【0011】すなわち、本発明の要旨とするところは下
記の通りである。
記の通りである。
【0012】(1) 異強度材を高力ボルト摩擦接合す
る際の添接板として用いられるスプライスプレートにお
いて、単一の鋼材ではなく、その摩擦接合面の表面硬さ
と被接合鋼材の表面硬さの大なるものと小なるものとの
比が1.2以上になるよう表面硬さの異なる鋼材を溶接
してなり、かつ該スプライスプレートもしくは被接合鋼
材のうち、摩擦接合面の表面硬さの大なる側の摩擦接合
面表面のボルト孔回りに、ボルト孔と同心円状に、かつ
その半径方向の断面形状が連続または断続した山形の凹
凸をなすことを特徴とする異強度材の高力ボルト摩擦接
合用スプライスプレート。
る際の添接板として用いられるスプライスプレートにお
いて、単一の鋼材ではなく、その摩擦接合面の表面硬さ
と被接合鋼材の表面硬さの大なるものと小なるものとの
比が1.2以上になるよう表面硬さの異なる鋼材を溶接
してなり、かつ該スプライスプレートもしくは被接合鋼
材のうち、摩擦接合面の表面硬さの大なる側の摩擦接合
面表面のボルト孔回りに、ボルト孔と同心円状に、かつ
その半径方向の断面形状が連続または断続した山形の凹
凸をなすことを特徴とする異強度材の高力ボルト摩擦接
合用スプライスプレート。
【0013】(2) 前記凹凸を転造により施したこと
を特徴とする前項(1)記載の異強度材の高力ボルト摩
擦接合用スプライスプレート。
を特徴とする前項(1)記載の異強度材の高力ボルト摩
擦接合用スプライスプレート。
【0014】(3) 前記凹凸の凸部の角度が50〜1
20度で、かつ凸部先端の曲率半径が0.2mm以下で
あることを特徴とする前項(1)〜(2)のいずれか1
項に記載の異強度材の高力ボルト摩擦接合用スプライス
プレート。
20度で、かつ凸部先端の曲率半径が0.2mm以下で
あることを特徴とする前項(1)〜(2)のいずれか1
項に記載の異強度材の高力ボルト摩擦接合用スプライス
プレート。
【0015】(4) 前記凹凸の凸部高さが半径方向外
側ほど一定の割合で、あるいは段階的に高く、かつ凹凸
を施した領域の最内側と最外側の半径差に対する最内側
と最外側それぞれの鋼板表面からの凸部高さの割合が
0.10以下であることを特徴とする前項(1)〜
(3)のいずれか1項に記載の異強度材の高力ボルト摩
擦接合用スプライスプレート。
側ほど一定の割合で、あるいは段階的に高く、かつ凹凸
を施した領域の最内側と最外側の半径差に対する最内側
と最外側それぞれの鋼板表面からの凸部高さの割合が
0.10以下であることを特徴とする前項(1)〜
(3)のいずれか1項に記載の異強度材の高力ボルト摩
擦接合用スプライスプレート。
【0016】(5) 前記凹凸の凹部の曲率半径が0.
2mm以上であることを特徴とする前項(1)〜(4)
のいずれか1項に記載の異強度材の高力ボルト摩擦接合
用スプライスプレート。
2mm以上であることを特徴とする前項(1)〜(4)
のいずれか1項に記載の異強度材の高力ボルト摩擦接合
用スプライスプレート。
【0017】
【発明の実施の形態】従来、一般的に鋼材のすべり係数
を高めるためには、ショットあるいはグリッドブラスト
などにより、摩擦接合面の表面粗さを増す方法がとられ
ていた。しかし、ブラスト処理などでは、表面粗さ、す
なわち表面凹凸の高低差は、鋼種やショット粒などにも
よるが、高々150μm程度であり、これによるすべり
係数の増加には自ずと限界があった。しかし、本発明者
らの研究によれば、同一の表面粗さですべり係数を高め
るためには、表面粗さの大なる側の摩擦接合面の硬さ
(表面硬さ)を高める必要があることが判明した。これ
は、硬く、粗い表面の凹凸が、相対的に軟らかく、粗度
の小さい摩擦面に食い込むためと考えられる。表面硬さ
が小なる側に粗い凹凸を付与しても、凹凸は潰れ、食い
込みは不十分となる。また、表面硬さが大なる側の表面
粗さが、表面硬さの小なる側の表面粗さより小さい場合
も、食い込みは不十分となって、安定して高いすべり係
数を得ることはできない。
を高めるためには、ショットあるいはグリッドブラスト
などにより、摩擦接合面の表面粗さを増す方法がとられ
ていた。しかし、ブラスト処理などでは、表面粗さ、す
なわち表面凹凸の高低差は、鋼種やショット粒などにも
よるが、高々150μm程度であり、これによるすべり
係数の増加には自ずと限界があった。しかし、本発明者
らの研究によれば、同一の表面粗さですべり係数を高め
るためには、表面粗さの大なる側の摩擦接合面の硬さ
(表面硬さ)を高める必要があることが判明した。これ
は、硬く、粗い表面の凹凸が、相対的に軟らかく、粗度
の小さい摩擦面に食い込むためと考えられる。表面硬さ
が小なる側に粗い凹凸を付与しても、凹凸は潰れ、食い
込みは不十分となる。また、表面硬さが大なる側の表面
粗さが、表面硬さの小なる側の表面粗さより小さい場合
も、食い込みは不十分となって、安定して高いすべり係
数を得ることはできない。
【0018】このため、本願発明では、まず、スプライ
スプレートの摩擦接合面の表面硬さと被接合鋼材の表面
硬さの大なるものと小なるものの比を1.2以上に限定
した。この表面硬さ比は高いほど好ましいことは言うま
でもなく、一方に何らかの表層硬化処理、例えば、焼入
れあるいは特に表層のみを焼入れる目的で高周波焼入れ
などが有効である。しかし、橋梁分野においてはスプラ
イスプレートは非常に大型で、切断やボルト孔穿孔前に
上記硬化処理を施した場合、その後の切断やボルト孔穿
孔が困難となり、また、切断やボルト孔穿孔後に硬化処
理を施す場合でも、歪みが生じたり、特に高周波焼入れ
を行う場合には、設備的にも大規模なものが必要となる
など、現実的には実施することがきわめて困難である。
一方で、橋梁分野の一接合部当たりのボルト締結本数は
数百本にも及び、すべり係数が1〜2割でも安定して改
善できれば、それに応じたボルト締結本数の削減が可能
となる。このようなケースを考慮し、硬さ比は1.2以
上とした。なお、ここで言う表面硬さとは、特に表面硬
さの大なる側は、後述するように粗い凹凸を付与する側
でもあり、食い込みの観点から凸部の硬さを意味する。
スプレートの摩擦接合面の表面硬さと被接合鋼材の表面
硬さの大なるものと小なるものの比を1.2以上に限定
した。この表面硬さ比は高いほど好ましいことは言うま
でもなく、一方に何らかの表層硬化処理、例えば、焼入
れあるいは特に表層のみを焼入れる目的で高周波焼入れ
などが有効である。しかし、橋梁分野においてはスプラ
イスプレートは非常に大型で、切断やボルト孔穿孔前に
上記硬化処理を施した場合、その後の切断やボルト孔穿
孔が困難となり、また、切断やボルト孔穿孔後に硬化処
理を施す場合でも、歪みが生じたり、特に高周波焼入れ
を行う場合には、設備的にも大規模なものが必要となる
など、現実的には実施することがきわめて困難である。
一方で、橋梁分野の一接合部当たりのボルト締結本数は
数百本にも及び、すべり係数が1〜2割でも安定して改
善できれば、それに応じたボルト締結本数の削減が可能
となる。このようなケースを考慮し、硬さ比は1.2以
上とした。なお、ここで言う表面硬さとは、特に表面硬
さの大なる側は、後述するように粗い凹凸を付与する側
でもあり、食い込みの観点から凸部の硬さを意味する。
【0019】次に、表面粗さは、上述した理由で、スプ
ライスプレートと被接合鋼材のうち、摩擦接合面の表面
硬さの大なる側を他方より大(粗)としなければならな
い。表面硬さの大なる側の表面粗さは大きいほど(粗い
ほど)好ましいのは言うまでもなく、積極的にすべり係
数を高めるためには、ショットブラスト処理などで容易
に付与し得る表面粗さ以上とすべきであり、0.2mm
以上が好ましい。
ライスプレートと被接合鋼材のうち、摩擦接合面の表面
硬さの大なる側を他方より大(粗)としなければならな
い。表面硬さの大なる側の表面粗さは大きいほど(粗い
ほど)好ましいのは言うまでもなく、積極的にすべり係
数を高めるためには、ショットブラスト処理などで容易
に付与し得る表面粗さ以上とすべきであり、0.2mm
以上が好ましい。
【0020】なお、表面硬さ比や表面粗さの大小が問題
となるのは、摩擦接合面全面である必要はなく、ボルト
の締結力(接触圧)の及ぶ領域を考慮し、少なくともボ
ルト孔の回りにボルト孔半径の2倍までの領域であれば
よい。
となるのは、摩擦接合面全面である必要はなく、ボルト
の締結力(接触圧)の及ぶ領域を考慮し、少なくともボ
ルト孔の回りにボルト孔半径の2倍までの領域であれば
よい。
【0021】このような観点から、表面凹凸はボルト孔
の回りに同心円状に付与する。これは、ボルトの締結力
がボルト孔の回りに同心円状に及ぶことを考慮したため
で、きわめて合理的である。また、同心円状とすること
で、すべりに対する異方性がなく、鋼材に、一軸の引張
りだけでなく、曲げ、剪断成分が加わる場合にも有効と
なる。
の回りに同心円状に付与する。これは、ボルトの締結力
がボルト孔の回りに同心円状に及ぶことを考慮したため
で、きわめて合理的である。また、同心円状とすること
で、すべりに対する異方性がなく、鋼材に、一軸の引張
りだけでなく、曲げ、剪断成分が加わる場合にも有効と
なる。
【0022】さらに、上記ボルト孔回りの同心円状の凹
凸形状は、凸部が被接合鋼材に十分に食い込み、すべり
に対する抵抗となるように、半径方向断面で連続または
断続した山形とする。半径方向断面が山形とは、上面か
ら見た凹凸加工模様がリング状であることを意味し、転
造駒は常に同一軌跡をたどることができる。このため、
転造加工、特に凸部形成がきわめて容易となり、転造時
間の短縮が図ることが可能となった。さらに、凸部の角
度の鋭角化や凸部先端の曲率半径を小さくすることなど
も容易となり、本発明において凹凸形状の細部を構成要
素として規定することが可能となった。これらの面で、
同心円状の半径方向断面山形(上面から見てリング状)
は最も好ましい形状である。
凸形状は、凸部が被接合鋼材に十分に食い込み、すべり
に対する抵抗となるように、半径方向断面で連続または
断続した山形とする。半径方向断面が山形とは、上面か
ら見た凹凸加工模様がリング状であることを意味し、転
造駒は常に同一軌跡をたどることができる。このため、
転造加工、特に凸部形成がきわめて容易となり、転造時
間の短縮が図ることが可能となった。さらに、凸部の角
度の鋭角化や凸部先端の曲率半径を小さくすることなど
も容易となり、本発明において凹凸形状の細部を構成要
素として規定することが可能となった。これらの面で、
同心円状の半径方向断面山形(上面から見てリング状)
は最も好ましい形状である。
【0023】ここで、上記の摩擦接合面の凹凸は必ずし
も全面加工ではないため、単に表面粗さで規定するのは
正確ではなく、凸部をスプライスプレートの表面よりも
高く突き出す必要がある。この凸部の高さは、前述した
ように従来のブラスト処理などよりも十分にその効果を
享受するために、ブラスト処理などで得られる凸部高さ
0.2mmよりも高くすることに意味がある。逆に、
1.0mmを超えると、凹凸加工の容易さ、加工時間な
どの点で加工負荷が増加するわりにはすべり係数の向上
代が小さい。以上のことから、凸部の高さは0.2〜
1.0mmとすることが望ましい。
も全面加工ではないため、単に表面粗さで規定するのは
正確ではなく、凸部をスプライスプレートの表面よりも
高く突き出す必要がある。この凸部の高さは、前述した
ように従来のブラスト処理などよりも十分にその効果を
享受するために、ブラスト処理などで得られる凸部高さ
0.2mmよりも高くすることに意味がある。逆に、
1.0mmを超えると、凹凸加工の容易さ、加工時間な
どの点で加工負荷が増加するわりにはすべり係数の向上
代が小さい。以上のことから、凸部の高さは0.2〜
1.0mmとすることが望ましい。
【0024】また、被接合鋼材に食い込ませるために
は、凸部を高く、鋭くするとともに凸部の硬さを被接合
鋼材の表面硬さより硬くする必要があることは前述した
通りである。ただし、硬さを上げるのはスプライスプレ
ート全断面である必要はなく、被接合鋼材への食い込み
の観点から、凸部先端から少なくとも凸部高さの1/2
までが硬ければよい。
は、凸部を高く、鋭くするとともに凸部の硬さを被接合
鋼材の表面硬さより硬くする必要があることは前述した
通りである。ただし、硬さを上げるのはスプライスプレ
ート全断面である必要はなく、被接合鋼材への食い込み
の観点から、凸部先端から少なくとも凸部高さの1/2
までが硬ければよい。
【0025】表面硬さを増す方法は、一般的には焼入処
理が最も簡単であるが、後述するように、凹凸を形成す
る加工を転造法などにより行えば、硬い材料にも容易に
加工が可能なため、焼入処理後の鋼材でも加工可能であ
る。焼入処理は、大きな鋼材の状態で行う方がコスト、
生産性の面で有利である。
理が最も簡単であるが、後述するように、凹凸を形成す
る加工を転造法などにより行えば、硬い材料にも容易に
加工が可能なため、焼入処理後の鋼材でも加工可能であ
る。焼入処理は、大きな鋼材の状態で行う方がコスト、
生産性の面で有利である。
【0026】また、硬い領域が鋼材全断面にわたった場
合、ドリルによるボルト孔穿孔時にドリルの摩耗が大き
くなり、逆に悪影響を及ぼすおそれがあり、鋼材製造段
階で焼入処理を行う場合でも、表層のみ所要硬さを有
し、内層は比較的軟らかいことが望ましい。あるいは、
凹凸加工後に、表層のみを焼入れることが可能な高周波
焼入処理による硬化が望ましい。ただし、レーザー加工
機などによってボルト孔を穿孔する場合にはこの限りで
なく、全断面が硬くてもよい。
合、ドリルによるボルト孔穿孔時にドリルの摩耗が大き
くなり、逆に悪影響を及ぼすおそれがあり、鋼材製造段
階で焼入処理を行う場合でも、表層のみ所要硬さを有
し、内層は比較的軟らかいことが望ましい。あるいは、
凹凸加工後に、表層のみを焼入れることが可能な高周波
焼入処理による硬化が望ましい。ただし、レーザー加工
機などによってボルト孔を穿孔する場合にはこの限りで
なく、全断面が硬くてもよい。
【0027】なお、例えば橋梁分野のように、すべり係
数の向上代が小さくても良い場合は、積極的な表層硬化
処理を特に施す必要はなく、被接合鋼板よりも高強度鋼
(例えば、HT490に対してHT570、HT69
0、HT780など)を用いることもできる。
数の向上代が小さくても良い場合は、積極的な表層硬化
処理を特に施す必要はなく、被接合鋼板よりも高強度鋼
(例えば、HT490に対してHT570、HT69
0、HT780など)を用いることもできる。
【0028】上述したように、スプライスプレートに高
強度鋼を用いた場合はもとより、表面硬化処理を施した
ことで被接合鋼板より強度を高められる場合には、付随
的な効果として、スプライスプレートの板厚を、通常、
被接合鋼板の板厚保の半分といわれる板厚をより薄くす
ることが可能となり、すべり係数の向上によるボルト締
結本数の低減に伴う面積減と併せて、スプライスプレー
トの重量を大幅に低減することが可能となり、現場での
施工性が著しく向上できる。
強度鋼を用いた場合はもとより、表面硬化処理を施した
ことで被接合鋼板より強度を高められる場合には、付随
的な効果として、スプライスプレートの板厚を、通常、
被接合鋼板の板厚保の半分といわれる板厚をより薄くす
ることが可能となり、すべり係数の向上によるボルト締
結本数の低減に伴う面積減と併せて、スプライスプレー
トの重量を大幅に低減することが可能となり、現場での
施工性が著しく向上できる。
【0029】次に、凹凸を形成する加工方法について述
べる。
べる。
【0030】凹凸を形成する加工方法は、転造法で行う
のがよい。機械切削などによる方法では、凸部は加工前
の鋼板表面よりも同じか低くなるため、凸部を鋼板表面
よりも高くするためには、摩擦接合全面を加工しなけれ
ばならず、長時間を要し、かつ高コストとなる。この
点、転造法によれば、押圧により凹凸を形成するので、
凸部は盛り上がり、必ず加工前の鋼板表面よりも凸部が
高くなるため、部分的な加工で所望の凹凸形成ができ
る。また、転造法によると、金属屑や金属粉が出ず、か
つ、工具(転造の場合、転造駒)への負荷が小さいばか
りでなく、硬い材料にも加工可能であることなどの利点
がある。硬い材料にも転造可能であることは、前述した
ように、加工前に既に十分な硬さを有する鋼材への加工
も可能となり、製造コストの点でも非常に有利となる。
これは、機械切削法では、工具の摩耗の点で到底なし得
ないものである。
のがよい。機械切削などによる方法では、凸部は加工前
の鋼板表面よりも同じか低くなるため、凸部を鋼板表面
よりも高くするためには、摩擦接合全面を加工しなけれ
ばならず、長時間を要し、かつ高コストとなる。この
点、転造法によれば、押圧により凹凸を形成するので、
凸部は盛り上がり、必ず加工前の鋼板表面よりも凸部が
高くなるため、部分的な加工で所望の凹凸形成ができ
る。また、転造法によると、金属屑や金属粉が出ず、か
つ、工具(転造の場合、転造駒)への負荷が小さいばか
りでなく、硬い材料にも加工可能であることなどの利点
がある。硬い材料にも転造可能であることは、前述した
ように、加工前に既に十分な硬さを有する鋼材への加工
も可能となり、製造コストの点でも非常に有利となる。
これは、機械切削法では、工具の摩耗の点で到底なし得
ないものである。
【0031】さらに、転造によりボルト孔の回りにボル
ト孔と同心円状に凹凸を形成する加工領域は、ボルト孔
中心から、ボルト孔半径の少なくとも2倍を半径とする
領域をカバーすることが望ましい。転造領域が広いこと
は、すべり係数には悪影響がなく広いほどよいが、ボル
ト締結による面圧は、ボルト孔周縁ほど高く、外側に行
くほど急激に低くなることから、転造加工の生産性、コ
ストなどの観点から、ボルト孔半径の5倍を半径とする
領域内であれば十分である。ただし、実際には、複数の
ボルトで締結することが多いため、隣接するボルト孔お
よびその回りの転造加工と干渉する場合や、スプライス
プレートをはみ出す場合には、自ずとその範囲内で凹凸
を形成することとなる。
ト孔と同心円状に凹凸を形成する加工領域は、ボルト孔
中心から、ボルト孔半径の少なくとも2倍を半径とする
領域をカバーすることが望ましい。転造領域が広いこと
は、すべり係数には悪影響がなく広いほどよいが、ボル
ト締結による面圧は、ボルト孔周縁ほど高く、外側に行
くほど急激に低くなることから、転造加工の生産性、コ
ストなどの観点から、ボルト孔半径の5倍を半径とする
領域内であれば十分である。ただし、実際には、複数の
ボルトで締結することが多いため、隣接するボルト孔お
よびその回りの転造加工と干渉する場合や、スプライス
プレートをはみ出す場合には、自ずとその範囲内で凹凸
を形成することとなる。
【0032】なお、凹凸加工は必ずしも前記領域内全面
に施す必要はなく、一部でもよい。一部とは、半径方向
の断面形状が連続した山形(これを全面加工と呼ぶ)で
なく、断続した山形を意味し、連続した山形からいくつ
かを間引いたもので、転造の際の押圧力が小さくて済む
ため、加工効率上有利となるばかりでなく、現地での加
工が可能な可搬式など小型の装置でも加工が可能とな
る。もちろん、全面加工に比べ、すべり係数は若干劣る
ものの、用途、目標とするすべり係数によっては、まっ
たく問題とならないため、目的に応じ、加工効率などを
勘案しながら決定すればよい。
に施す必要はなく、一部でもよい。一部とは、半径方向
の断面形状が連続した山形(これを全面加工と呼ぶ)で
なく、断続した山形を意味し、連続した山形からいくつ
かを間引いたもので、転造の際の押圧力が小さくて済む
ため、加工効率上有利となるばかりでなく、現地での加
工が可能な可搬式など小型の装置でも加工が可能とな
る。もちろん、全面加工に比べ、すべり係数は若干劣る
ものの、用途、目標とするすべり係数によっては、まっ
たく問題とならないため、目的に応じ、加工効率などを
勘案しながら決定すればよい。
【0033】図1は、本発明のスプライスプレートにつ
いて、ボルト孔回りのローレット転造加工部の1例を示
す切断斜視図を示す。図1(a)は、スプライスプレー
ト2のボルト孔回りの半径方向の凸部1の断面形状が連
続した山形の凹凸形状をなす例であって、図1(b)
は、ボルト孔回りの半径方向凸部1の断面形状が断続し
た山形の凹凸形状をなす例を示している。
いて、ボルト孔回りのローレット転造加工部の1例を示
す切断斜視図を示す。図1(a)は、スプライスプレー
ト2のボルト孔回りの半径方向の凸部1の断面形状が連
続した山形の凹凸形状をなす例であって、図1(b)
は、ボルト孔回りの半径方向凸部1の断面形状が断続し
た山形の凹凸形状をなす例を示している。
【0034】また、凸部が被接合鋼板に十分に食い込
み、すべりに対する抵抗となるように、凸部角度は50
〜120度とし、かつ凸部先端の曲率半径は0.2mm
以下とすることが望ましい。その理由は、凸部角度が1
20度より大きくなると、被接合鋼板への食い込みが不
足するためであり、一方、凸部角度が50度より小さく
なると、転造が困難となるばかりでなく、凸部が折損し
やすくなるためである。凸部先端は鋭いほど被接合鋼板
への食い込みの点から好ましいのは明らかである。ここ
で、凸部先端の曲率半径を0.2mm以下とした根拠
は、本発明者らのすべり試験の実績によるものである。
み、すべりに対する抵抗となるように、凸部角度は50
〜120度とし、かつ凸部先端の曲率半径は0.2mm
以下とすることが望ましい。その理由は、凸部角度が1
20度より大きくなると、被接合鋼板への食い込みが不
足するためであり、一方、凸部角度が50度より小さく
なると、転造が困難となるばかりでなく、凸部が折損し
やすくなるためである。凸部先端は鋭いほど被接合鋼板
への食い込みの点から好ましいのは明らかである。ここ
で、凸部先端の曲率半径を0.2mm以下とした根拠
は、本発明者らのすべり試験の実績によるものである。
【0035】なお、凹凸は加工領域全面で同一高さが必
ずしも良いわけではない。図2(a)は、凸部1の高さ
を外周部ほど一定の割合で、あるいは段階的に高くした
ものである。これは、ボルト締結によるボルト孔回りの
面圧分布を考慮したものである。図2(b)において、
ボルト孔中心線3からの最外側と最内側の半径差(R−
r)に対する凸部高さ差(H−h)との割合(H−h)
/(R−r)が0.10以下とすることで、面圧の低い
外側でも、十分な被接合鋼板への食い込みを確保し、す
べり係数を向上させることができる。(H−h)/(R
−r)が0.10を超えると、凸部が被接合鋼板に全面
接触することができなくなり、凹凸付与の効果が享受で
きなくなるため、上限を0.10とした。
ずしも良いわけではない。図2(a)は、凸部1の高さ
を外周部ほど一定の割合で、あるいは段階的に高くした
ものである。これは、ボルト締結によるボルト孔回りの
面圧分布を考慮したものである。図2(b)において、
ボルト孔中心線3からの最外側と最内側の半径差(R−
r)に対する凸部高さ差(H−h)との割合(H−h)
/(R−r)が0.10以下とすることで、面圧の低い
外側でも、十分な被接合鋼板への食い込みを確保し、す
べり係数を向上させることができる。(H−h)/(R
−r)が0.10を超えると、凸部が被接合鋼板に全面
接触することができなくなり、凹凸付与の効果が享受で
きなくなるため、上限を0.10とした。
【0036】凹凸の凹部は、すべり係数向上には寄与し
ないが、スプライスプレートの疲労特性、破壊靭性の観
点から、凹部底の曲率半径を0.2mm以上とすること
が望ましい。転造による凹部加工は圧縮を受けるため、
疲労に対しては多少有利ではあるが、曲率半径の小さな
凹部は鋭い切り欠きを有するのと同等であり、使用状態
によっては問題となるおそれがある。
ないが、スプライスプレートの疲労特性、破壊靭性の観
点から、凹部底の曲率半径を0.2mm以上とすること
が望ましい。転造による凹部加工は圧縮を受けるため、
疲労に対しては多少有利ではあるが、曲率半径の小さな
凹部は鋭い切り欠きを有するのと同等であり、使用状態
によっては問題となるおそれがある。
【0037】さらに、本発明が特に対象とする異強度材
のボルト接合においては、単一鋼材のスプライスプレー
トでは、特に表面硬さ比の確保が困難となるケースがあ
る。このため、強度の異なる被接合鋼材それぞれに対応
した表面硬さ比を十分確保し得る鋼材を溶接接合し、一
枚のスプライスプレートとすることとした。接合耐力
は、すべり係数を通して表面硬さ比の小さい方に制約さ
れるため、表面硬さ比の大きい側はそのメリットを10
0%享受することができない。逆に、異強度の被接合鋼
板それぞれの摩擦接合面で所定の表面硬さ比を確保する
ためには、スプライスプレート全面にわたって過度な硬
化処理を施さざるを得ないケースも生じる。
のボルト接合においては、単一鋼材のスプライスプレー
トでは、特に表面硬さ比の確保が困難となるケースがあ
る。このため、強度の異なる被接合鋼材それぞれに対応
した表面硬さ比を十分確保し得る鋼材を溶接接合し、一
枚のスプライスプレートとすることとした。接合耐力
は、すべり係数を通して表面硬さ比の小さい方に制約さ
れるため、表面硬さ比の大きい側はそのメリットを10
0%享受することができない。逆に、異強度の被接合鋼
板それぞれの摩擦接合面で所定の表面硬さ比を確保する
ためには、スプライスプレート全面にわたって過度な硬
化処理を施さざるを得ないケースも生じる。
【0038】これに対して、本発明によるスプライスプ
レートは、接合される異強度材それぞれに適切な表面硬
さ比を有する鋼材を溶接してなるため、従来の単一鋼材
からなるスプライスプレートで想定される問題点が回避
できる。
レートは、接合される異強度材それぞれに適切な表面硬
さ比を有する鋼材を溶接してなるため、従来の単一鋼材
からなるスプライスプレートで想定される問題点が回避
できる。
【0039】
【実施例】本発明の有用性を例示するために、本発明に
従ってスプライスプレートの表面凹凸および凸部硬度を
付与し、図3に示すような試験体を用いてすべり係数を
測定した。図3に示すように、被接合鋼材はSM490
A鋼4とSM570Q鋼5の異強度材を用い、ボルトは
F10T高力ボルト6を用いた。表面硬さの異なる鋼材
を溶接線7で溶接されているスプライスプレート3が本
発明によるものである。
従ってスプライスプレートの表面凹凸および凸部硬度を
付与し、図3に示すような試験体を用いてすべり係数を
測定した。図3に示すように、被接合鋼材はSM490
A鋼4とSM570Q鋼5の異強度材を用い、ボルトは
F10T高力ボルト6を用いた。表面硬さの異なる鋼材
を溶接線7で溶接されているスプライスプレート3が本
発明によるものである。
【0040】表1は本発明例を、表2は比較例を示した
ものである。表面硬さは、ローレット転造加工材の場
合、同一ロットで製作した予備試験体から切り出された
断面において3山分の凸部頂点の0.1mm下から厚さ
(深さ)方向に0.1mmピッチで3点測定した硬さの
平均値、また、ショットブラスト材の場合は、同一ロッ
ト材の断面3ヶ所の摩擦接合面表面0.1mm下から厚
さ方向に0.1mmピッチで3点測定した硬さの平均値
である。実施例1〜4は、いずれも本発明に基づく適切
な摩擦接合面の凹凸、硬さ比などを有するため、0.7
以上の高いすべり係数を発現している。
ものである。表面硬さは、ローレット転造加工材の場
合、同一ロットで製作した予備試験体から切り出された
断面において3山分の凸部頂点の0.1mm下から厚さ
(深さ)方向に0.1mmピッチで3点測定した硬さの
平均値、また、ショットブラスト材の場合は、同一ロッ
ト材の断面3ヶ所の摩擦接合面表面0.1mm下から厚
さ方向に0.1mmピッチで3点測定した硬さの平均値
である。実施例1〜4は、いずれも本発明に基づく適切
な摩擦接合面の凹凸、硬さ比などを有するため、0.7
以上の高いすべり係数を発現している。
【0041】これに対して比較例5〜8では、本発明の
構成要素のいずれか一つあるいは複数が本発明の範囲を
外れているため、すべり係数が概して低い。すなわち、
比較例5はスプライスプレートが単一鋼板(本比較例で
は、被接合鋼板(1)と同一鋼板)のため、被接合鋼板
(1)に対して硬さ比が不足しているため、すべり係数
が低い。また、比較例6は、表面凹凸がローレット転造
ではなくショットブラストで、かつ相対的に硬い側の摩
擦接合面の表面粗度が他方より小さいためにすべり係数
が低い。また、比較例7は凹凸加工が機械切削にため、
凸部が鋼板表面より低い(凸部先端が鋼板表面から突出
していない)ためすべり係数が低い。さらに、比較例8
はローレット転造された凸部先端の曲率半径が大きいた
め、被接合鋼材への食い込みが不十分となってすべり係
数が低い。
構成要素のいずれか一つあるいは複数が本発明の範囲を
外れているため、すべり係数が概して低い。すなわち、
比較例5はスプライスプレートが単一鋼板(本比較例で
は、被接合鋼板(1)と同一鋼板)のため、被接合鋼板
(1)に対して硬さ比が不足しているため、すべり係数
が低い。また、比較例6は、表面凹凸がローレット転造
ではなくショットブラストで、かつ相対的に硬い側の摩
擦接合面の表面粗度が他方より小さいためにすべり係数
が低い。また、比較例7は凹凸加工が機械切削にため、
凸部が鋼板表面より低い(凸部先端が鋼板表面から突出
していない)ためすべり係数が低い。さらに、比較例8
はローレット転造された凸部先端の曲率半径が大きいた
め、被接合鋼材への食い込みが不十分となってすべり係
数が低い。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】本発明により、安定して高いすべり係数
を容易に得ることが可能になった。その結果、建築、橋
梁分野などにおいて、高力ボルト摩擦接合部の信頼性を
高める構造部材として提供することができ、その工業的
価値は高いものである。
を容易に得ることが可能になった。その結果、建築、橋
梁分野などにおいて、高力ボルト摩擦接合部の信頼性を
高める構造部材として提供することができ、その工業的
価値は高いものである。
【図1】本発明の特にローレット転造加工部の一実施例
を示す切断斜視図であり、(a)は半径方向の断面形状
が連続した山形、(b)は半径方向の断面形状が断続し
た山形なすケースを示した図である。
を示す切断斜視図であり、(a)は半径方向の断面形状
が連続した山形、(b)は半径方向の断面形状が断続し
た山形なすケースを示した図である。
【図2】本発明の請求項4に係る発明のスプライスプレ
ートを示す図であり、(a)は切断斜視図、(b)は
(a)の断面図である。
ートを示す図であり、(a)は切断斜視図、(b)は
(a)の断面図である。
【図3】摩擦係数の測定に用いた試験体の形状を示す図
である。
である。
1 凸部 2 スプライスプレート 3 ボルト孔中心線 4 被接合鋼材(本願実施例では、SM490A鋼) 5 強度の異なる被接合鋼材(本願実施例では、SM5
70Q鋼) 6 高力ボルト 7 溶接線 r 最内側半径 R 最外側半径 h 最内側凸部高さ H 最外側凸部高さ
70Q鋼) 6 高力ボルト 7 溶接線 r 最内側半径 R 最外側半径 h 最内側凸部高さ H 最外側凸部高さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宇野 暢芳 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内 (72)発明者 吉江 淳彦 君津市君津1番地 新日本製鐵株式会社君 津製鐵所内 Fターム(参考) 2E125 AA01 AB12 AC15 AG03 AG12 BB01 BB09 BB22 BB33 BC01 BD01 BD07 BE05 BF01 CA05 CA06 CA14 CA72 CA94 DA01 DA03
Claims (5)
- 【請求項1】 異強度材を高力ボルト摩擦接合する際の
添接板として用いられるスプライスプレートにおいて、
単一の鋼材ではなく、その摩擦接合面の表面硬さと被接
合鋼材の表面硬さの大なるものと小なるものとの比が
1.2以上になるよう表面硬さの異なる鋼材を溶接して
なり、かつ該スプライスプレートもしくは被接合鋼材の
うち、摩擦接合面の表面硬さの大なる側の摩擦接合面表
面のボルト孔回りに、ボルト孔と同心円状に、かつその
半径方向の断面形状が連続または断続した山形の凹凸を
なすことを特徴とする異強度材の高力ボルト摩擦接合用
スプライスプレート。 - 【請求項2】 前記凹凸を転造により施したことを特徴
とする請求項1記載の異強度材の高力ボルト摩擦接合用
スプライスプレート。 - 【請求項3】 前記凹凸の凸部の角度が50〜120度
で、かつ凸部先端の曲率半径が0.2mm以下であるこ
とを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載の異
強度材の高力ボルト摩擦接合用スプライスプレート。 - 【請求項4】 前記凹凸の凸部高さが半径方向外側ほど
一定の割合で、あるいは段階的に高く、かつ凹凸を施し
た領域の最内側と最外側の半径差に対する最内側と最外
側それぞれの鋼板表面からの凸部高さの割合が0.10
以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1
項に記載の異強度材の高力ボルト摩擦接合用スプライス
プレート。 - 【請求項5】 前記凹凸の凹部の曲率半径が0.2mm
以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1
項に記載の異強度材の高力ボルト摩擦接合用スプライス
プレート。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11006331A JP2000204672A (ja) | 1999-01-13 | 1999-01-13 | 異強度材の高力ボルト摩擦接合用スプライスプレ―ト |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11006331A JP2000204672A (ja) | 1999-01-13 | 1999-01-13 | 異強度材の高力ボルト摩擦接合用スプライスプレ―ト |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000204672A true JP2000204672A (ja) | 2000-07-25 |
Family
ID=11635392
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11006331A Withdrawn JP2000204672A (ja) | 1999-01-13 | 1999-01-13 | 異強度材の高力ボルト摩擦接合用スプライスプレ―ト |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000204672A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2015194232A (ja) * | 2014-03-31 | 2015-11-05 | 阪神高速道路株式会社 | 締結構造体及び締結方法 |
-
1999
- 1999-01-13 JP JP11006331A patent/JP2000204672A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2015194232A (ja) * | 2014-03-31 | 2015-11-05 | 阪神高速道路株式会社 | 締結構造体及び締結方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060404 |