JP2000206361A - 光ファイバ型多分岐カプラ―及びその製造方法 - Google Patents
光ファイバ型多分岐カプラ―及びその製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 良好な特性を有し、一括して信号光を多分岐
するカプラーを高い歩留りで作製することを目的とす
る。 【解決手段】 クラッドとコアを有する中心ファイバの
周りに、外周ファイバが略等間隔にN本(N>5)配置
された光ファイバ束を形成し、該光ファイバ束の断面
は、光ファイバの間に隙間を有して最密充填構成から若
干外れた配置状態にあり、(イ)中心ファイバの直径D
は、d0 /D0 =sin(π/N) /(1−sin(π/
N) )で規定されるD0 よりも大きく、かつ1.7 ×10
−3<(D−D 0 )/D0 <2.0 ×10−2の範囲に
あるか、もしくは(ロ)外周ファイバの直径dは、上式
で規定されるd0 よりも小さく、かつ1.7 ×10−3<
(d0−d)/d0 <2.0 ×10−2の範囲にあり、該
光ファイバ束を長手方向に少なくとも2カ所をクランプ
で押さえて固定し、クランプ間部分を加熱して各光ファ
イバを融着し、同時に固定クランプを互いに離間させて
融着部に双円錐状テーパ形状をなす光結合部を形成する
ことを特徴とする。
するカプラーを高い歩留りで作製することを目的とす
る。 【解決手段】 クラッドとコアを有する中心ファイバの
周りに、外周ファイバが略等間隔にN本(N>5)配置
された光ファイバ束を形成し、該光ファイバ束の断面
は、光ファイバの間に隙間を有して最密充填構成から若
干外れた配置状態にあり、(イ)中心ファイバの直径D
は、d0 /D0 =sin(π/N) /(1−sin(π/
N) )で規定されるD0 よりも大きく、かつ1.7 ×10
−3<(D−D 0 )/D0 <2.0 ×10−2の範囲に
あるか、もしくは(ロ)外周ファイバの直径dは、上式
で規定されるd0 よりも小さく、かつ1.7 ×10−3<
(d0−d)/d0 <2.0 ×10−2の範囲にあり、該
光ファイバ束を長手方向に少なくとも2カ所をクランプ
で押さえて固定し、クランプ間部分を加熱して各光ファ
イバを融着し、同時に固定クランプを互いに離間させて
融着部に双円錐状テーパ形状をなす光結合部を形成する
ことを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信に用いられ
る光ファイバ型多分岐カプラー及びその製造方法に関す
る。
る光ファイバ型多分岐カプラー及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光ファイバを用いた光通信の発展に伴
い、数多くの光部品に対して高い機能が求められ、なか
でも、1本の光ファイバに伝送されてきた光信号を、複
数の光ファイバに分岐する多分岐カプラーは光通信にと
って必須の部品であり、低い挿入損失、一様な分配比
率、小型でコンパクト、高い信頼性等々の性能が要求さ
れ、この方向に沿って精力的に開発が進められている。
い、数多くの光部品に対して高い機能が求められ、なか
でも、1本の光ファイバに伝送されてきた光信号を、複
数の光ファイバに分岐する多分岐カプラーは光通信にと
って必須の部品であり、低い挿入損失、一様な分配比
率、小型でコンパクト、高い信頼性等々の性能が要求さ
れ、この方向に沿って精力的に開発が進められている。
【0003】1本の光ファイバの信号を複数本の光ファ
イバに一様に分配するもっとも容易な方法は、2つに等
分配する3dBカプラーを用い、2分岐を4分岐に、4
分岐を8分岐に、さらに8分岐を16分岐にとこれを多
段にカスケード状に接続し、分配する方法である。この
方法は、例えば、特開昭63-205616 号公報に詳しく開示
されている。しかしこの方法では、分配器全体が長くな
り、収納ケースに納めても光ファイバの曲げ径に限度が
あり、収納ケースは約100 mm×80mmと大きくなり、
コンパクトに納められないという欠点がある。
イバに一様に分配するもっとも容易な方法は、2つに等
分配する3dBカプラーを用い、2分岐を4分岐に、4
分岐を8分岐に、さらに8分岐を16分岐にとこれを多
段にカスケード状に接続し、分配する方法である。この
方法は、例えば、特開昭63-205616 号公報に詳しく開示
されている。しかしこの方法では、分配器全体が長くな
り、収納ケースに納めても光ファイバの曲げ径に限度が
あり、収納ケースは約100 mm×80mmと大きくなり、
コンパクトに納められないという欠点がある。
【0004】このようなカスケード接続に替えて、一カ
所で複数の光ファイバに一括して分配できれば、コンパ
クトな分配器が得られ、この製造工程も単純化される。
このようなコンパクト性を追求して、光信号を一括して
多分岐できる分配器の開発が進められている。この一つ
の方法として、特開昭62-27707号公報は、複数本の光フ
ァイバを断面構成が軸対称にかつ最密充填となるように
各光ファイバを配置して束ね、この光ファイバ束を加熱
・融着・延伸して、分配器を形成する旨記載している。
所で複数の光ファイバに一括して分配できれば、コンパ
クトな分配器が得られ、この製造工程も単純化される。
このようなコンパクト性を追求して、光信号を一括して
多分岐できる分配器の開発が進められている。この一つ
の方法として、特開昭62-27707号公報は、複数本の光フ
ァイバを断面構成が軸対称にかつ最密充填となるように
各光ファイバを配置して束ね、この光ファイバ束を加熱
・融着・延伸して、分配器を形成する旨記載している。
【0005】最密充填は、光ファイバが配置された状態
で定義されるものであり、最密充填では、すべての隣り
合う光ファイバが互いに接触している。すなわち、直径
D0 の光ファイバを中心ファイバとし、直径d0 の光
ファイバN本を外周ファイバとして中心ファイバの周り
に配置したとき、直径D0 と直径d0 とは次式の関
係にある。なお、光ファイバが加熱・軟化により、隣り
合う光ファイバと融着状態にある場合には最密充填とは
云わない。 d0 /D0 =sin(π/N) /(1−sin(π/N) ) (4)
で定義されるものであり、最密充填では、すべての隣り
合う光ファイバが互いに接触している。すなわち、直径
D0 の光ファイバを中心ファイバとし、直径d0 の光
ファイバN本を外周ファイバとして中心ファイバの周り
に配置したとき、直径D0 と直径d0 とは次式の関
係にある。なお、光ファイバが加熱・軟化により、隣り
合う光ファイバと融着状態にある場合には最密充填とは
云わない。 d0 /D0 =sin(π/N) /(1−sin(π/N) ) (4)
【0006】米国特許第4,682,849 号公報には、この方
法をさらに延長して、中心にガラス管またはガラスロッ
ドを置き、その周りに複数の光ファイバを配置したもの
を加熱・融着・延伸して、複数の光ファイバと中心のガ
ラス管またはガラスロッドを一体化し、さらにこれを別
の円筒状ガラス管に挿入して外部から加熱し、ガラス管
の場合はこれをコラプスさせ、該円筒状ガラス管ごと融
着・延伸して、分配器を作製する方法が開示されてい
る。この円筒状ガラス管に挿入する前の外周ファイバの
配置は、前記特開昭62-27707号公報が主張している最密
充填構成とは異なり、外周ファイバは、すべて中心のガ
ラス管またはガラスロッドに接触しているが、隣り合う
外周ファイバ間に隙間があっても(前記米国特許公報の
図3B参照)、あるいは隣り合う外周ファイバはすべて
互いに接触しているが、外周ファイバの幾つかは中心の
ガラス管またはガラスロッドとの間に隙間(ここでは、
この隙間を逆隙間と定義する。前記米国特許公報の図3
A参照)があっても良いと説明している。その理由は加
熱・融着・延伸の工程で外周ファイバが柔らかくなっ
て、隙間または逆隙間を埋めてしまうためとしている。
法をさらに延長して、中心にガラス管またはガラスロッ
ドを置き、その周りに複数の光ファイバを配置したもの
を加熱・融着・延伸して、複数の光ファイバと中心のガ
ラス管またはガラスロッドを一体化し、さらにこれを別
の円筒状ガラス管に挿入して外部から加熱し、ガラス管
の場合はこれをコラプスさせ、該円筒状ガラス管ごと融
着・延伸して、分配器を作製する方法が開示されてい
る。この円筒状ガラス管に挿入する前の外周ファイバの
配置は、前記特開昭62-27707号公報が主張している最密
充填構成とは異なり、外周ファイバは、すべて中心のガ
ラス管またはガラスロッドに接触しているが、隣り合う
外周ファイバ間に隙間があっても(前記米国特許公報の
図3B参照)、あるいは隣り合う外周ファイバはすべて
互いに接触しているが、外周ファイバの幾つかは中心の
ガラス管またはガラスロッドとの間に隙間(ここでは、
この隙間を逆隙間と定義する。前記米国特許公報の図3
A参照)があっても良いと説明している。その理由は加
熱・融着・延伸の工程で外周ファイバが柔らかくなっ
て、隙間または逆隙間を埋めてしまうためとしている。
【0007】特開昭62-27707号公報における最密充填の
構成は、米国特許第5,408,554 号公報において別の観点
から細かく規定しており、そこでは、中心ファイバの周
りに複数本の外周ファイバを中心ファイバに沿って直線
状に配置して光ファイバ束を形成し、このとき外周ファ
イバは、すべて中心ファイバに接触し、さらに外周ファ
イバ間に隙間を有する非最密充填の構成にあるが、この
光ファイバ束をねじって最密充填の構成とし、その後
に、加熱・融着・延伸を行ない、中心ファイバの一端を
入力ポートとし、他端において光信号が多分岐される多
分岐カプラーの製造方法を記載している。
構成は、米国特許第5,408,554 号公報において別の観点
から細かく規定しており、そこでは、中心ファイバの周
りに複数本の外周ファイバを中心ファイバに沿って直線
状に配置して光ファイバ束を形成し、このとき外周ファ
イバは、すべて中心ファイバに接触し、さらに外周ファ
イバ間に隙間を有する非最密充填の構成にあるが、この
光ファイバ束をねじって最密充填の構成とし、その後
に、加熱・融着・延伸を行ない、中心ファイバの一端を
入力ポートとし、他端において光信号が多分岐される多
分岐カプラーの製造方法を記載している。
【0008】ここで、非最密充填の構成がねじりによっ
て最密充填の構成となる理由は、中心ファイバの長手方
向に直角な断面において、外周ファイバの断面は、直線
状配置では真円であるが、光ファイバ束をねじった場
合、ごく微小な量ではあるが若干扁平な楕円となる。こ
のためねじって最密充填とするには、ねじる前の直線状
配置状態が非最密充填の構成となっていなければならな
い。
て最密充填の構成となる理由は、中心ファイバの長手方
向に直角な断面において、外周ファイバの断面は、直線
状配置では真円であるが、光ファイバ束をねじった場
合、ごく微小な量ではあるが若干扁平な楕円となる。こ
のためねじって最密充填とするには、ねじる前の直線状
配置状態が非最密充填の構成となっていなければならな
い。
【0009】ねじることによって外周ファイバの長手方
向に直角な断面は、光ファイバ束の長手方向に対して直
角ではなく若干斜めになるため、ごく微小な量ではある
が若干扁平な楕円となる。このときの楕円の長軸方向へ
の直径の増加量Δdは次式から容易に得られる。 △d=(1/2)・(Nd0 /p)2 ・d0 (5) ここでpは光ファイバ束のねじりのピッチ長、d0 は
外周ファイバの直径である。従って、光ファイバ束をね
じって最密充填とするには、外周ファイバ断面の直径を
d0 +Δdとして計算により求められる。米国特許第
5,408,554 号公報に記載されたこの方法は、最密充填の
構成が光信号の良好な等分配を実現するための好ましい
方法であることを開示している。
向に直角な断面は、光ファイバ束の長手方向に対して直
角ではなく若干斜めになるため、ごく微小な量ではある
が若干扁平な楕円となる。このときの楕円の長軸方向へ
の直径の増加量Δdは次式から容易に得られる。 △d=(1/2)・(Nd0 /p)2 ・d0 (5) ここでpは光ファイバ束のねじりのピッチ長、d0 は
外周ファイバの直径である。従って、光ファイバ束をね
じって最密充填とするには、外周ファイバ断面の直径を
d0 +Δdとして計算により求められる。米国特許第
5,408,554 号公報に記載されたこの方法は、最密充填の
構成が光信号の良好な等分配を実現するための好ましい
方法であることを開示している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、後述す
るように、我々の実験結果では、特開昭62-27707号公報
で指定されるように隙間のない最密充填の構成を採って
も、また、米国特許第5,408,554 号公報で指定されるね
じりを加えた後に最密充填となる構成を採っても、さら
にまた、米国特許第4,682,849 号公報で指定される隙間
または逆隙間を有する最密充填の構成を採っても、何れ
の構成であっても良好な分配特性を実現することはでき
なかった。
るように、我々の実験結果では、特開昭62-27707号公報
で指定されるように隙間のない最密充填の構成を採って
も、また、米国特許第5,408,554 号公報で指定されるね
じりを加えた後に最密充填となる構成を採っても、さら
にまた、米国特許第4,682,849 号公報で指定される隙間
または逆隙間を有する最密充填の構成を採っても、何れ
の構成であっても良好な分配特性を実現することはでき
なかった。
【0011】一括して光信号を多分岐する分配器を作製
する別の方法として、中空ガラス管を準備し、この中に
複数の光ファイバを最密充填構成で挿入して直線状光フ
ァイバ束を形成し、このガラス管を外部から加熱して、
ガラス管ごと中の光ファイバ束を融着・延伸する方法が
ある(電子レター(Electronics Letters),vol.25,No.9,
pp.606〜607,(1989)、応用光学(Applied Optics),vol.3
0,No.6,pp.650 〜659,(1991) 、米国特許第5,175,779
号公報、米国特許第5,373,572 号公報参照)。これらの
公報は、中空ガラス管中に光ファイバ束を挿入すること
で光ファイバの相対的位置関係を厳密に規定し、優れた
分配特性が得られることを詳細な実験データにより実証
している。しかしこの方法は、複数本の光ファイバを所
定の位置に精度よく配置することができれば良好な特性
を有する分配器が得られるが、例えば、直径約125 μm
の細い光ファイバを、しかも複数本、例えば8本を最密
充填構成で内径約1mmの中空管に挿入するのは、かな
り高度な熟練を重ねた器用さを必要とし、この工程での
歩留り低下は避けられない。この他、米国特許第5,175,
782 号公報も一括して光信号を多分岐する方法を開示し
ている。
する別の方法として、中空ガラス管を準備し、この中に
複数の光ファイバを最密充填構成で挿入して直線状光フ
ァイバ束を形成し、このガラス管を外部から加熱して、
ガラス管ごと中の光ファイバ束を融着・延伸する方法が
ある(電子レター(Electronics Letters),vol.25,No.9,
pp.606〜607,(1989)、応用光学(Applied Optics),vol.3
0,No.6,pp.650 〜659,(1991) 、米国特許第5,175,779
号公報、米国特許第5,373,572 号公報参照)。これらの
公報は、中空ガラス管中に光ファイバ束を挿入すること
で光ファイバの相対的位置関係を厳密に規定し、優れた
分配特性が得られることを詳細な実験データにより実証
している。しかしこの方法は、複数本の光ファイバを所
定の位置に精度よく配置することができれば良好な特性
を有する分配器が得られるが、例えば、直径約125 μm
の細い光ファイバを、しかも複数本、例えば8本を最密
充填構成で内径約1mmの中空管に挿入するのは、かな
り高度な熟練を重ねた器用さを必要とし、この工程での
歩留り低下は避けられない。この他、米国特許第5,175,
782 号公報も一括して光信号を多分岐する方法を開示し
ている。
【0012】さらに別の方法は、複数の光ファイバを束
ねるのではなく、並列に並べ、ある一カ所で隣り合う光
ファイバすべてを加熱・融着・延伸して光結合部を形成
する方法であり、これは第5回光電子会議(Fifth Optoe
lectronics Conference)(OEC'94)15B4-6技術ダイジェス
トで報告されている。しかしこの方法では、光結合部に
おいて、入力光ファイバのコアから隣接するコアへ光信
号を順に少しづつ移行させ、さらにその外側に隣接する
コアへ光を移行させ、これを多段に繰り返して多数の光
ファイバに光結合する機構であるため、各段における光
移行の結合長を正確に制御することは困難である。この
ため、優れた分配特性を有する分配器の分岐数にも当然
限界がある。
ねるのではなく、並列に並べ、ある一カ所で隣り合う光
ファイバすべてを加熱・融着・延伸して光結合部を形成
する方法であり、これは第5回光電子会議(Fifth Optoe
lectronics Conference)(OEC'94)15B4-6技術ダイジェス
トで報告されている。しかしこの方法では、光結合部に
おいて、入力光ファイバのコアから隣接するコアへ光信
号を順に少しづつ移行させ、さらにその外側に隣接する
コアへ光を移行させ、これを多段に繰り返して多数の光
ファイバに光結合する機構であるため、各段における光
移行の結合長を正確に制御することは困難である。この
ため、優れた分配特性を有する分配器の分岐数にも当然
限界がある。
【0013】本発明は、上記問題点に鑑み、良好な特性
を有し、一括して光信号を多分岐するカプラーを高い歩
留りで作製することを目的とする。
を有し、一括して光信号を多分岐するカプラーを高い歩
留りで作製することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の光ファイバ型多
分岐カプラーの製造方法は、クラッドとコアを有する中
心ファイバの周りに、外周ファイバが略等間隔にN本
(N>5)配置された光ファイバ束を形成し、該光ファ
イバ束の断面は、光ファイバの間に隙間を有して最密充
填構成から若干外れた配置状態にあり、(イ)中心ファ
イバの直径Dは、最密充填構成での中心ファイバの直径
D0 と外周ファイバの直径d0 との関係式 d0 /D0 =sin(π/N) /(1−sin(π/N) ) (6) で規定されるD0 よりも大きく、かつ 1.7 ×10−3<(D−D0 )/D0 <2.0 ×10−2 (7) の範囲にある、(ロ)外周ファイバの直径dは(6)式
で規定されるd0 よりも小さく、かつ 1.7 ×10−3<(d0 −d)/d0 <2.0 ×10−2 (8) の範囲にある、上記(イ)、(ロ)の何れかを満たし、
該光ファイバ束を長手方向に少なくとも2カ所をクラン
プで押さえて固定し、クランプ間部分を加熱して各光フ
ァイバを融着し、同時に固定クランプを互いに離間させ
て融着部に双円錐状テーパ形状をなす光結合部を形成す
ることを特徴としている。
分岐カプラーの製造方法は、クラッドとコアを有する中
心ファイバの周りに、外周ファイバが略等間隔にN本
(N>5)配置された光ファイバ束を形成し、該光ファ
イバ束の断面は、光ファイバの間に隙間を有して最密充
填構成から若干外れた配置状態にあり、(イ)中心ファ
イバの直径Dは、最密充填構成での中心ファイバの直径
D0 と外周ファイバの直径d0 との関係式 d0 /D0 =sin(π/N) /(1−sin(π/N) ) (6) で規定されるD0 よりも大きく、かつ 1.7 ×10−3<(D−D0 )/D0 <2.0 ×10−2 (7) の範囲にある、(ロ)外周ファイバの直径dは(6)式
で規定されるd0 よりも小さく、かつ 1.7 ×10−3<(d0 −d)/d0 <2.0 ×10−2 (8) の範囲にある、上記(イ)、(ロ)の何れかを満たし、
該光ファイバ束を長手方向に少なくとも2カ所をクラン
プで押さえて固定し、クランプ間部分を加熱して各光フ
ァイバを融着し、同時に固定クランプを互いに離間させ
て融着部に双円錐状テーパ形状をなす光結合部を形成す
ることを特徴としている。
【0015】前記光ファイバ束のクランプ間部分の融着
には、光ファイバ束にねじりを施して加熱・融着・延伸
前の光ファイバ束の長手方向に直角な断面形状を、適切
な大きさの隙間を有する非最密充填構成としてから融着
し、光結合部を形成するとよく、この光結合部では、中
心ファイバと外周ファイバとは未融着部分を有さず、す
べての光ファイバは一体的に融着される。
には、光ファイバ束にねじりを施して加熱・融着・延伸
前の光ファイバ束の長手方向に直角な断面形状を、適切
な大きさの隙間を有する非最密充填構成としてから融着
し、光結合部を形成するとよく、この光結合部では、中
心ファイバと外周ファイバとは未融着部分を有さず、す
べての光ファイバは一体的に融着される。
【0016】本発明の光ファイバ型多分岐カプラーはこ
のようにして製造され、光ファイバ束の一端から中心フ
ァイバに入射した光信号は、光結合部において外周ファ
イバに結合され、1本の中心ファイバとN本の外周ファ
イバの1+N本に略等分岐することができる。また、中
心ファイバからの光出力を略ゼロとし、N本の外周ファ
イバに略等分岐することもできる。使用する中心ファイ
バと外周ファイバは、コア同士及びクラッド同士の屈折
率を略同一とし、かつ中心ファイバのコア部分及びその
近傍の屈折率分布は外周ファイバのコア部分及びその近
傍の屈折率分布と相似した分布形状とするのが好まし
い。また、中心ファイバと外周ファイバとの伝搬定数、
カットオフ波長、又はモードフィールド径は略同一とさ
れる。中心ファイバと外周ファイバをシングルモード光
ファイバとし、また、クラッド表層部をチタニア(TiO
2)でドープした光ファイバを用いることもできる。
のようにして製造され、光ファイバ束の一端から中心フ
ァイバに入射した光信号は、光結合部において外周ファ
イバに結合され、1本の中心ファイバとN本の外周ファ
イバの1+N本に略等分岐することができる。また、中
心ファイバからの光出力を略ゼロとし、N本の外周ファ
イバに略等分岐することもできる。使用する中心ファイ
バと外周ファイバは、コア同士及びクラッド同士の屈折
率を略同一とし、かつ中心ファイバのコア部分及びその
近傍の屈折率分布は外周ファイバのコア部分及びその近
傍の屈折率分布と相似した分布形状とするのが好まし
い。また、中心ファイバと外周ファイバとの伝搬定数、
カットオフ波長、又はモードフィールド径は略同一とさ
れる。中心ファイバと外周ファイバをシングルモード光
ファイバとし、また、クラッド表層部をチタニア(TiO
2)でドープした光ファイバを用いることもできる。
【0017】さらに、本発明の光ファイバ型多分岐カプ
ラーは、光入力側の一端において、外周ファイバN本を
切断してその切断面に無反射終端処理を施した後、無反
射終端処理部分をカプラー収納体に納めてカプラーと一
体型としてもよい。また、光出力側の一端において、中
心ファイバを切断してその切断面に無反射終端処理を施
した後、無反射終端処理部分をカプラー収納体に納めて
カプラーと一体型としてもよい。さらに、本発明の光フ
ァイバ型多分岐カプラーは、中心ファイバの光信号入出
力端において、中心ファイバを外周ファイバと同じ光フ
ァイバに融着接合した後、融着接続部をカプラー収納体
に納めて多分岐カプラーと一体型とすることもできる。
ラーは、光入力側の一端において、外周ファイバN本を
切断してその切断面に無反射終端処理を施した後、無反
射終端処理部分をカプラー収納体に納めてカプラーと一
体型としてもよい。また、光出力側の一端において、中
心ファイバを切断してその切断面に無反射終端処理を施
した後、無反射終端処理部分をカプラー収納体に納めて
カプラーと一体型としてもよい。さらに、本発明の光フ
ァイバ型多分岐カプラーは、中心ファイバの光信号入出
力端において、中心ファイバを外周ファイバと同じ光フ
ァイバに融着接合した後、融着接続部をカプラー収納体
に納めて多分岐カプラーと一体型とすることもできる。
【0018】
【発明の実施の態様】中心ファイバの周りに複数の外周
ファイバを配置した分配器の光結合について、図1を用
いて説明する。中心に配置されたシングルモード光ファ
イバの一端から入力される信号は、LP01モード(コア
部に光強度ピークを有する軸対称のモード)で光結合部
に近づき光ファイバのコアが小さくなるにつれ、その光
強度分布はコア部の外側へと漏れ広がり、光結合部で伝
搬可能なLP02モード(コア中心部で凹みを持つリング
状光強度を有するモード)にエバネッセント的に結合
し、さらに軸対称に配置された外周ファイバに結合し
て、それぞれの外周ファイバではLP01モードとして伝
搬される。このような条件下での光強度分布は、SPIE v
ol.2997,p.318 〜325,Feb.12〜14,(1997) に詳細な計算
がなされており、光伝搬時のモード変換による光結合の
理解を容易にするため、この計算結果を図1に加えた。
ファイバを配置した分配器の光結合について、図1を用
いて説明する。中心に配置されたシングルモード光ファ
イバの一端から入力される信号は、LP01モード(コア
部に光強度ピークを有する軸対称のモード)で光結合部
に近づき光ファイバのコアが小さくなるにつれ、その光
強度分布はコア部の外側へと漏れ広がり、光結合部で伝
搬可能なLP02モード(コア中心部で凹みを持つリング
状光強度を有するモード)にエバネッセント的に結合
し、さらに軸対称に配置された外周ファイバに結合し
て、それぞれの外周ファイバではLP01モードとして伝
搬される。このような条件下での光強度分布は、SPIE v
ol.2997,p.318 〜325,Feb.12〜14,(1997) に詳細な計算
がなされており、光伝搬時のモード変換による光結合の
理解を容易にするため、この計算結果を図1に加えた。
【0019】図1のように、光信号を光結合させ均一な
等分配を行うためには、入力光ファイバを中心として外
周ファイバを軸対称に配置する必要がある。すなわち、
図2に示すように、光結合部(105 )において中心ファ
イバのコア(101 )と外周ファイバのコア(102 )との
間の距離c(104 )は、すべての外周ファイバのコアに
対して同じであり、かつ、隣り合う外周ファイバ間の距
離b(103 )もすべて同じとされる(コアは●印で示さ
れている)。仮に、外周ファイバのコアがひとつでも中
心ファイバのコアから離れていると、その外周ファイバ
への光移行量は他の外周ファイバへの移行量よりも小さ
く、その結果、出力ポートで一様な出力が得られず等分
配とならない。
等分配を行うためには、入力光ファイバを中心として外
周ファイバを軸対称に配置する必要がある。すなわち、
図2に示すように、光結合部(105 )において中心ファ
イバのコア(101 )と外周ファイバのコア(102 )との
間の距離c(104 )は、すべての外周ファイバのコアに
対して同じであり、かつ、隣り合う外周ファイバ間の距
離b(103 )もすべて同じとされる(コアは●印で示さ
れている)。仮に、外周ファイバのコアがひとつでも中
心ファイバのコアから離れていると、その外周ファイバ
への光移行量は他の外周ファイバへの移行量よりも小さ
く、その結果、出力ポートで一様な出力が得られず等分
配とならない。
【0020】また、光結合は中心ファイバのコアと外周
ファイバのコアとの間だけではなく、隣り合う外周ファ
イバのコア間でも行なわれるため、一様な等分配とする
ためには、隣接する光ファイバ間の距離bもすべて同じ
とすることが必要である。さらに、光結合部では光信号
はコアから漏れ広がり隣接するコアへ移るため、その間
のクラッドは図2のように均一であることが必要で、後
述する図5(E)に示すようなボイド(114 )や図5
(G)に示すような隙間(118 )があると、これらは光
移行にとって障壁となり、良好な光結合が得られない。
ファイバのコアとの間だけではなく、隣り合う外周ファ
イバのコア間でも行なわれるため、一様な等分配とする
ためには、隣接する光ファイバ間の距離bもすべて同じ
とすることが必要である。さらに、光結合部では光信号
はコアから漏れ広がり隣接するコアへ移るため、その間
のクラッドは図2のように均一であることが必要で、後
述する図5(E)に示すようなボイド(114 )や図5
(G)に示すような隙間(118 )があると、これらは光
移行にとって障壁となり、良好な光結合が得られない。
【0021】複数の光ファイバを束ねるとき、光ファイ
バを寄せ集めて直線的に配置しただけでは、光ファイバ
束は加熱時に熱変形して散らばり、束にならずカプラー
を形成することは困難である。各光ファイバは外力によ
って固定されているか、あるいは光ファイバ束が加熱さ
れて融着されるときに、外周ファイバがいずれも中心フ
ァイバへ押しつけられていることが必要である。前者の
外力によって固定する最も良い例は、電子レター(Elect
ronics Letters),vol.25,No.9,pp.606〜607,(1989)、応
用光学(Applied Optics),vol.30,No.6,pp.650 〜659,
(1991) 、米国特許第5,175,779 号公報、米国特許第5,3
73,572 号公報、米国特許第5,175,782 号公報に示され
ているように、中空のガラス管の中に光ファイバ束を挿
入する方法である。ただし、この場合、光ファイバ束と
中空ガラス管の内壁との間に隙間ができないようにする
か、あるいはこの隙間を限りなく小さくすることが必要
である。後者の好ましい例として、光ファイバ束にねじ
りを加えて光ファイバ束に張力を印加する方法が挙げら
れる。
バを寄せ集めて直線的に配置しただけでは、光ファイバ
束は加熱時に熱変形して散らばり、束にならずカプラー
を形成することは困難である。各光ファイバは外力によ
って固定されているか、あるいは光ファイバ束が加熱さ
れて融着されるときに、外周ファイバがいずれも中心フ
ァイバへ押しつけられていることが必要である。前者の
外力によって固定する最も良い例は、電子レター(Elect
ronics Letters),vol.25,No.9,pp.606〜607,(1989)、応
用光学(Applied Optics),vol.30,No.6,pp.650 〜659,
(1991) 、米国特許第5,175,779 号公報、米国特許第5,3
73,572 号公報、米国特許第5,175,782 号公報に示され
ているように、中空のガラス管の中に光ファイバ束を挿
入する方法である。ただし、この場合、光ファイバ束と
中空ガラス管の内壁との間に隙間ができないようにする
か、あるいはこの隙間を限りなく小さくすることが必要
である。後者の好ましい例として、光ファイバ束にねじ
りを加えて光ファイバ束に張力を印加する方法が挙げら
れる。
【0022】すなわち、図3(A)に示すように、光フ
ァイバ束にねじりを加えてその両端を引っ張り長手方向
に張力を加えると、外周ファイバ(111 )に対する張力
は中心ファイバ(110 )へ向かう力に変換される。カプ
ラーを作製する工程では必ず延伸を伴うため、延伸によ
って長手方向に張力が常に加えられている。従って、こ
の張力は外周ファイバを中心ファイバに常に押し付ける
ように作用する。このねじる方法は、もっとも簡便で容
易かつ確実に光ファイバ束を形成する方法でもある。
ァイバ束にねじりを加えてその両端を引っ張り長手方向
に張力を加えると、外周ファイバ(111 )に対する張力
は中心ファイバ(110 )へ向かう力に変換される。カプ
ラーを作製する工程では必ず延伸を伴うため、延伸によ
って長手方向に張力が常に加えられている。従って、こ
の張力は外周ファイバを中心ファイバに常に押し付ける
ように作用する。このねじる方法は、もっとも簡便で容
易かつ確実に光ファイバ束を形成する方法でもある。
【0023】本発明者等は、図3に示すように複数本の
光ファイバを軸対称に配置して光ファイバ束を作り、こ
れにねじりを加え(図3(A))、両端をクランプ(図
示を省略)で固定し、両クランプに互いに離間する力を
多少加えて光ファイバ束に張力を加え、この光ファイバ
束を外部からトーチ火炎で加熱し、光ファイバ束が柔ら
かくなった後も加熱を継続して光ファイバ束を融着さ
せ、同時に両クランプをさらに離間させて光ファイバ束
を延伸し、図3(B)に示す多分岐カプラーの双円錐状
テーパ部(116 )を形成した(なお、図3は理解を容易
にするため、光ファイバ束の半径方向のみを大きく拡大
してある)。このとき光ファイバ束の左端から中心ファ
イバに光信号を入射させ、右端において中心ファイバと
外周ファイバからの出力光をモニターし、中心ファイバ
と外周ファイバの光信号の強度が同じになるように、加
熱・融着・延伸を行った。図3(C)〜(G)は、矢印
に対応した図3(B)の位置での断面図であり、詳細に
ついては実施例1において後述する。
光ファイバを軸対称に配置して光ファイバ束を作り、こ
れにねじりを加え(図3(A))、両端をクランプ(図
示を省略)で固定し、両クランプに互いに離間する力を
多少加えて光ファイバ束に張力を加え、この光ファイバ
束を外部からトーチ火炎で加熱し、光ファイバ束が柔ら
かくなった後も加熱を継続して光ファイバ束を融着さ
せ、同時に両クランプをさらに離間させて光ファイバ束
を延伸し、図3(B)に示す多分岐カプラーの双円錐状
テーパ部(116 )を形成した(なお、図3は理解を容易
にするため、光ファイバ束の半径方向のみを大きく拡大
してある)。このとき光ファイバ束の左端から中心ファ
イバに光信号を入射させ、右端において中心ファイバと
外周ファイバからの出力光をモニターし、中心ファイバ
と外周ファイバの光信号の強度が同じになるように、加
熱・融着・延伸を行った。図3(C)〜(G)は、矢印
に対応した図3(B)の位置での断面図であり、詳細に
ついては実施例1において後述する。
【0024】本発明者等が行った一連の実験結果によれ
ば、中心ファイバと外周ファイバの直径をある範囲内の
数値に正確に合わせることが必要である。図2に示す理
想的なコア配置を実現し分配器の良好な特性を得るに
は、特開昭62-27707号公報に記載の最密充填構成や米国
特許第5,408,554 号公報に記載の最密充填構成では困難
であり、外周ファイバの間に適切な値の隙間を持たせ、
非最密充填構成の光ファイバ束を用いなければならな
い。
ば、中心ファイバと外周ファイバの直径をある範囲内の
数値に正確に合わせることが必要である。図2に示す理
想的なコア配置を実現し分配器の良好な特性を得るに
は、特開昭62-27707号公報に記載の最密充填構成や米国
特許第5,408,554 号公報に記載の最密充填構成では困難
であり、外周ファイバの間に適切な値の隙間を持たせ、
非最密充填構成の光ファイバ束を用いなければならな
い。
【0025】この理由を図4、図5を用いて以下に説明
する。図4(A)は光ファイバ束の最密充填構成の断面
図、(B)は外周ファイバ間に隙間を有する非最密充填
構成を示す断面図であり、(C)は(B)の断面配置に
おいて、加熱により外周ファイバ断面の形状が扁平に変
形していく変形過程での断面図であり、(D)は(B)
の断面配置において外周ファイバ間の隙間が適切な場合
に、加熱・融着・延伸後に得られる良好な断面図であ
る。図5(A)〜(D)は、加熱・融着・延伸を行なう
前の光ファイバ束の断面を示し、(E)〜(G)は加熱
・融着・延伸を行なった後の光結合部の断面を示してい
る。
する。図4(A)は光ファイバ束の最密充填構成の断面
図、(B)は外周ファイバ間に隙間を有する非最密充填
構成を示す断面図であり、(C)は(B)の断面配置に
おいて、加熱により外周ファイバ断面の形状が扁平に変
形していく変形過程での断面図であり、(D)は(B)
の断面配置において外周ファイバ間の隙間が適切な場合
に、加熱・融着・延伸後に得られる良好な断面図であ
る。図5(A)〜(D)は、加熱・融着・延伸を行なう
前の光ファイバ束の断面を示し、(E)〜(G)は加熱
・融着・延伸を行なった後の光結合部の断面を示してい
る。
【0026】光ファイバ束を加熱すると、まず外周ファ
イバが加熱され、次いで、中心ファイバは、外周ファイ
バに囲まれているためトーチ火炎で直接加熱されるので
はなく加熱された外周ファイバからの伝熱によって加熱
される。従って、外周ファイバが中心ファイバよりも先
に柔らかくなり、光ファイバ束に加えられている張力に
よって外周ファイバを光ファイバ束の中心に向かって押
し付ける力が働く。この断面形状は、図4(C)のよう
に扁平(111-b )に変形する(なお、図は理解を容易に
するため、扁平さを誇張してある)。光ファイバ束を加
熱する前の段階で、図4(A)のように、すべての光フ
ァイバが互いに接触した最密充填の構成にあると、加熱
によって扁平に変形したすべての外周ファイバを取り込
む隙間がないため、融着するとそのうちの一つがはじき
出された形となり、外周ファイバのコア間隔は円周方向
に等間隔とならず、図5(E)のようになり、図2のよ
うなコア配置は得られない。従って、光ファイバの配置
は、加熱・融着・延伸前に、例えば、図4(B)や図5
(C)に示すように、外周ファイバの間に適切な隙間
(113 )を有する非最密充填構成とするべきであり、融
着・延伸後の断面は、図5(F)に示すような良好な状
態が得られる。
イバが加熱され、次いで、中心ファイバは、外周ファイ
バに囲まれているためトーチ火炎で直接加熱されるので
はなく加熱された外周ファイバからの伝熱によって加熱
される。従って、外周ファイバが中心ファイバよりも先
に柔らかくなり、光ファイバ束に加えられている張力に
よって外周ファイバを光ファイバ束の中心に向かって押
し付ける力が働く。この断面形状は、図4(C)のよう
に扁平(111-b )に変形する(なお、図は理解を容易に
するため、扁平さを誇張してある)。光ファイバ束を加
熱する前の段階で、図4(A)のように、すべての光フ
ァイバが互いに接触した最密充填の構成にあると、加熱
によって扁平に変形したすべての外周ファイバを取り込
む隙間がないため、融着するとそのうちの一つがはじき
出された形となり、外周ファイバのコア間隔は円周方向
に等間隔とならず、図5(E)のようになり、図2のよ
うなコア配置は得られない。従って、光ファイバの配置
は、加熱・融着・延伸前に、例えば、図4(B)や図5
(C)に示すように、外周ファイバの間に適切な隙間
(113 )を有する非最密充填構成とするべきであり、融
着・延伸後の断面は、図5(F)に示すような良好な状
態が得られる。
【0027】さらに、光ファイバ束が、図5(A)のよ
うに逆隙間(117 )を有する非最密充填構成、図5
(B)のように最密充填状態にある構成、図5(C)の
隙間(113 )が小さすぎるときは、加熱・融着・延伸
後、図5(E)のように、ボイド(114 )を生じる。ま
た、この隙間(113 )が図5(D)のように大きすぎる
場合は、加熱によって断面が扁平になった光ファイバで
も円周方向にすべての隙間を埋めることができず、融着
・延伸後の断面には、図5(G)に示すような大きく割
れた隙間(118 )が現われ、図2のような断面は得られ
ない。従って、加熱・融着・延伸前の光ファイバの配置
は、非最密充填の構成で、しかも適切な大きさの隙間が
必要である。米国特許第5,408,554 号公報ではねじる前
を非最密充填構成とし、ねじった後は最密充填構成であ
ることが記載され、加熱開始の前に最密充填構成となっ
ているため、同様の理由で図5(E)のような断面とな
り、図2のコア配置は得られない。
うに逆隙間(117 )を有する非最密充填構成、図5
(B)のように最密充填状態にある構成、図5(C)の
隙間(113 )が小さすぎるときは、加熱・融着・延伸
後、図5(E)のように、ボイド(114 )を生じる。ま
た、この隙間(113 )が図5(D)のように大きすぎる
場合は、加熱によって断面が扁平になった光ファイバで
も円周方向にすべての隙間を埋めることができず、融着
・延伸後の断面には、図5(G)に示すような大きく割
れた隙間(118 )が現われ、図2のような断面は得られ
ない。従って、加熱・融着・延伸前の光ファイバの配置
は、非最密充填の構成で、しかも適切な大きさの隙間が
必要である。米国特許第5,408,554 号公報ではねじる前
を非最密充填構成とし、ねじった後は最密充填構成であ
ることが記載され、加熱開始の前に最密充填構成となっ
ているため、同様の理由で図5(E)のような断面とな
り、図2のコア配置は得られない。
【0028】従って、ねじったあとの光ファイバ束の断
面には適切な隙間を有する非最密充填の構成が必要とな
る。このためには、中心ファイバの直径Dを最密充填と
なる直径D0 より少し大きくするか、あるいは外周フ
ァイバの直径dを最密充填となる直径d0 よりも少し
小さくすることが必要である。これら二つの方法は幾何
学的相対関係にあり、両者は等価である。隙間の最適な
大きさは、加熱・融着・延伸の各工程の詳細条件によっ
て異なるが、本発明者等の実験では、中心ファイバの直
径DをD0 よりも大きくとる後者の場合、後述の実施
例1では、1.7 ×10−3<(D−D0 )/D0 <2.
0×10−2を満足するときに良好なユニフォーミティー
が得られた。
面には適切な隙間を有する非最密充填の構成が必要とな
る。このためには、中心ファイバの直径Dを最密充填と
なる直径D0 より少し大きくするか、あるいは外周フ
ァイバの直径dを最密充填となる直径d0 よりも少し
小さくすることが必要である。これら二つの方法は幾何
学的相対関係にあり、両者は等価である。隙間の最適な
大きさは、加熱・融着・延伸の各工程の詳細条件によっ
て異なるが、本発明者等の実験では、中心ファイバの直
径DをD0 よりも大きくとる後者の場合、後述の実施
例1では、1.7 ×10−3<(D−D0 )/D0 <2.
0×10−2を満足するときに良好なユニフォーミティー
が得られた。
【0029】1本の中心ファイバとN本の外周ファイバ
の合計1+N本に等分配するには、光ファイバ束の一端
の中心ファイバに光信号を入力し、加熱・融着・延伸の
工程で、光ファイバ束の多端で中心ファイバと1本の外
周ファイバとの出力信号を比較し、両信号が等しくなる
ように加熱・融着・延伸を停止すれば良い。モニター信
号である中心ファイバの出力がゼロまたはもっとも小さ
くなるように加熱・融着・延伸を停止すればN分岐カプ
ラーが得られる。
の合計1+N本に等分配するには、光ファイバ束の一端
の中心ファイバに光信号を入力し、加熱・融着・延伸の
工程で、光ファイバ束の多端で中心ファイバと1本の外
周ファイバとの出力信号を比較し、両信号が等しくなる
ように加熱・融着・延伸を停止すれば良い。モニター信
号である中心ファイバの出力がゼロまたはもっとも小さ
くなるように加熱・融着・延伸を停止すればN分岐カプ
ラーが得られる。
【0030】隣り合う2本の光ファイバの間での光結合
の効率を高めるには、両光ファイバ中を進行する光信号
の伝搬速度が略等しいことが好ましい。すなわち伝搬定
数βが略同一であれば良好な光結合が得られ、これは本
発明の多分岐カプラーにおいても有効である。同様に、
カットオフ波長あるいはモードフィールド径を両光ファ
イバで略同一とすることも有効である。また、光結合効
率を高めるには隣り合う光ファイバのコア同士とクラッ
ド同士の屈折率をほぼ同じとし、かつコアの半径方向の
屈折率分布が相似的に同じであるように調整した光ファ
イバを用いることが、本発明の多分岐カプラーの作製に
おいても有効である。
の効率を高めるには、両光ファイバ中を進行する光信号
の伝搬速度が略等しいことが好ましい。すなわち伝搬定
数βが略同一であれば良好な光結合が得られ、これは本
発明の多分岐カプラーにおいても有効である。同様に、
カットオフ波長あるいはモードフィールド径を両光ファ
イバで略同一とすることも有効である。また、光結合効
率を高めるには隣り合う光ファイバのコア同士とクラッ
ド同士の屈折率をほぼ同じとし、かつコアの半径方向の
屈折率分布が相似的に同じであるように調整した光ファ
イバを用いることが、本発明の多分岐カプラーの作製に
おいても有効である。
【0031】光結合部におけるコア間の光信号の移行は
コア径が大きいほど容易である。クラッド径125 μm、
コア径が40〜50μmのマルチモード光ファイバでは容易
であるが、後述の実施例で示すように、コア径が 5〜10
μmのシングルモード光ファイバにおいても、本発明の
製造条件を満足すれば多分岐カプラーの製造は可能であ
る。
コア径が大きいほど容易である。クラッド径125 μm、
コア径が40〜50μmのマルチモード光ファイバでは容易
であるが、後述の実施例で示すように、コア径が 5〜10
μmのシングルモード光ファイバにおいても、本発明の
製造条件を満足すれば多分岐カプラーの製造は可能であ
る。
【0032】このようにして作製した多分岐カプラーで
光信号の分配を行なうとき、入力端において中心ファイ
バだけに信号を供給するため、外周ファイバは切断して
これに無反射終端処理を施しておくことが好ましい。こ
れは光ファイバ切断点における光信号の再反射を極力抑
えるためである。同様に、出力端において中心ファイバ
からの光信号を略ゼロとする多分岐カプラーでは、出力
端で中心ファイバを切断しこれに無反射終端処理を施す
ことが好ましい。
光信号の分配を行なうとき、入力端において中心ファイ
バだけに信号を供給するため、外周ファイバは切断して
これに無反射終端処理を施しておくことが好ましい。こ
れは光ファイバ切断点における光信号の再反射を極力抑
えるためである。同様に、出力端において中心ファイバ
からの光信号を略ゼロとする多分岐カプラーでは、出力
端で中心ファイバを切断しこれに無反射終端処理を施す
ことが好ましい。
【0033】本発明の多分岐カプラーを光通信機等の種
々の用途に用いる場合、このデバイスの入出力光ファイ
バが同一とされるときがある。このため入出力端におい
て光ファイバの直径が異なる場合、同じ直径を有する他
の光ファイバに融着接続し、融着接続部分も多分岐カプ
ラーの中に組み込んでおくことが好ましい。
々の用途に用いる場合、このデバイスの入出力光ファイ
バが同一とされるときがある。このため入出力端におい
て光ファイバの直径が異なる場合、同じ直径を有する他
の光ファイバに融着接続し、融着接続部分も多分岐カプ
ラーの中に組み込んでおくことが好ましい。
【0034】本発明の光ファイバ型多分岐カプラーは、
光ファイバの直径を中心ファイバと外周ファイバで異な
った値の径を持たせることで良好な分岐比を持たせるこ
とができる。光ファイバの外径を適切な値に調節するに
は、(1)光ファイバの母材であるプリフォームを製造
する工程に置いてクラッド部の厚さを調整する、(2)
光ファイバのクラッド外径を化学的エッチングによって
調整する、(3)光ファイバを加熱・延伸して調整す
る、あるいは(4)上記(1)、(2)、(3)を組み
合わせて調整する、等の方法を適宜採用すればよい。
光ファイバの直径を中心ファイバと外周ファイバで異な
った値の径を持たせることで良好な分岐比を持たせるこ
とができる。光ファイバの外径を適切な値に調節するに
は、(1)光ファイバの母材であるプリフォームを製造
する工程に置いてクラッド部の厚さを調整する、(2)
光ファイバのクラッド外径を化学的エッチングによって
調整する、(3)光ファイバを加熱・延伸して調整す
る、あるいは(4)上記(1)、(2)、(3)を組み
合わせて調整する、等の方法を適宜採用すればよい。
【0035】本発明の光ファイバ型多分岐カプラーを作
製する最初の工程は、光ファイバが高分子樹脂で被覆さ
れているため、この被覆樹脂を除去する工程であり、こ
の工程では光ファイバの表面に傷が付くことがあり、カ
プラー作製の歩留り低下の原因となることがある。この
対策として、使用する光ファイバのクラッド表層部にチ
タニア(TiO2)をドープした光ファイバを用いれば傷
が付きにくく、歩留りを向上させることができる。次に
本発明の実施例を説明する。
製する最初の工程は、光ファイバが高分子樹脂で被覆さ
れているため、この被覆樹脂を除去する工程であり、こ
の工程では光ファイバの表面に傷が付くことがあり、カ
プラー作製の歩留り低下の原因となることがある。この
対策として、使用する光ファイバのクラッド表層部にチ
タニア(TiO2)をドープした光ファイバを用いれば傷
が付きにくく、歩留りを向上させることができる。次に
本発明の実施例を説明する。
【0036】
【実施例】(実施例1)8分岐カプラーを例に図3〜図
8を用いて本実施例を説明する。外周ファイバ(111 )
には、クラッド外径124.1 μmの標準のシングルモード
光ファイバを用いた。中心ファイバ(110 )には外周フ
ァイバとクラッドの外径のみが異なる光ファイバを数多
く準備した。中心ファイバと外周ファイバのコア部の直
径は約9μmで、コア部及びその近傍の屈折率分布はほ
ぼ同じである。この中心ファイバ(110 )の周りに、外
周ファイバ(111 )を7本配置して8本の光ファイバか
らなる光ファイバ束を作り、図3(A)のようにねじり
を加えた。光ファイバ束の左端から中心ファイバに波長
1550nmの光信号を入射し、右端で中心ファイバと外周
ファイバからの出力光をモニターしながら加熱・融着・
延伸を行ない、両光信号が同じになるように、加熱・融
着・延伸を停止させ、図3(B)に示す双円錐状テーパ
部(116 )を有する8分岐カプラーを作製した。
8を用いて本実施例を説明する。外周ファイバ(111 )
には、クラッド外径124.1 μmの標準のシングルモード
光ファイバを用いた。中心ファイバ(110 )には外周フ
ァイバとクラッドの外径のみが異なる光ファイバを数多
く準備した。中心ファイバと外周ファイバのコア部の直
径は約9μmで、コア部及びその近傍の屈折率分布はほ
ぼ同じである。この中心ファイバ(110 )の周りに、外
周ファイバ(111 )を7本配置して8本の光ファイバか
らなる光ファイバ束を作り、図3(A)のようにねじり
を加えた。光ファイバ束の左端から中心ファイバに波長
1550nmの光信号を入射し、右端で中心ファイバと外周
ファイバからの出力光をモニターしながら加熱・融着・
延伸を行ない、両光信号が同じになるように、加熱・融
着・延伸を停止させ、図3(B)に示す双円錐状テーパ
部(116 )を有する8分岐カプラーを作製した。
【0037】この8分岐カプラーの特性を測定し評価し
た後、数カ所で切断してその断面の顕微鏡観察を行なっ
た。光ファイバの直径を最適化して得られた良好な8分
岐カプラーの断面の例を図3(C)、(D)、(E)、
(F)、(G)に示す。各断面図の切断位置は図3
(B)と矢印で対応箇所が示されている。中心ファイバ
のコアと外周ファイバのコアとの間での光結合は左右の
テーパ部の中央の図3(E)の近傍においてのみ行なわ
れる。中心ファイバと外周ファイバが融着されていない
(C)と融着されている(E)との間の(D)では、当
然ながらボイド(114 )が認められる。この(D)での
光結合は微弱または皆無と解釈されるため、カプラー特
性に影響することはないが、光結合部の(E)でこのよ
うなボイドがあれば、光の移行過程で障壁となり良好な
光結合は得られない。
た後、数カ所で切断してその断面の顕微鏡観察を行なっ
た。光ファイバの直径を最適化して得られた良好な8分
岐カプラーの断面の例を図3(C)、(D)、(E)、
(F)、(G)に示す。各断面図の切断位置は図3
(B)と矢印で対応箇所が示されている。中心ファイバ
のコアと外周ファイバのコアとの間での光結合は左右の
テーパ部の中央の図3(E)の近傍においてのみ行なわ
れる。中心ファイバと外周ファイバが融着されていない
(C)と融着されている(E)との間の(D)では、当
然ながらボイド(114 )が認められる。この(D)での
光結合は微弱または皆無と解釈されるため、カプラー特
性に影響することはないが、光結合部の(E)でこのよ
うなボイドがあれば、光の移行過程で障壁となり良好な
光結合は得られない。
【0038】等分配の性能の評価は、出力光信号のユニ
フォーミティーがもっとも適切なパラメーターであり、
これは複数の出力信号のうち、その最大値と最小値の差
で定義され、通常、dB単位で表される。ユニフォーミ
ティーの値が小さいほど異なる出力ポート間の信号は均
一となる。
フォーミティーがもっとも適切なパラメーターであり、
これは複数の出力信号のうち、その最大値と最小値の差
で定義され、通常、dB単位で表される。ユニフォーミ
ティーの値が小さいほど異なる出力ポート間の信号は均
一となる。
【0039】外周ファイバの直径は固定し、中心ファイ
バの直径を変えたときの実施例を図6に示す。図の縦軸
は挿入損失のユニフォーミティーで、横軸は中心ファイ
バDの直径であり、図中に●印でプロットされている。
図6は図5に対応しており、中心ファイバの直径DがD
<161.92μm(図6の123 )では加熱・融着・延伸前の
光ファイバ配置の段階では図5(A)の断面を有し、D
=161.92μm(図6の121 )では図5(B)の最密充填
構成の断面を有し、161.92μm<D<162.7 μm(図6
の124 )では図5(C)の断面を有し、162.7 μm≦D
≦164.2 μm(図6の125 )でも図5(C)の断面を有
し、そして、164.2 <D(図6の126 )では図5(D)
の断面を有している。D<162.7 μm(図6の121 、12
2 、123、124 )のとき、光結合部では図5(E)に示
す断面形状が得られた。162.7 μm≦D≦164.2 μm
(図6の125 )のとき、光結合部では図5(F)に示す
断面形状が得られ、さらに、164.2 μm<D(図6の12
6 )のとき、図5(G)の断面形状が得られた。
バの直径を変えたときの実施例を図6に示す。図の縦軸
は挿入損失のユニフォーミティーで、横軸は中心ファイ
バDの直径であり、図中に●印でプロットされている。
図6は図5に対応しており、中心ファイバの直径DがD
<161.92μm(図6の123 )では加熱・融着・延伸前の
光ファイバ配置の段階では図5(A)の断面を有し、D
=161.92μm(図6の121 )では図5(B)の最密充填
構成の断面を有し、161.92μm<D<162.7 μm(図6
の124 )では図5(C)の断面を有し、162.7 μm≦D
≦164.2 μm(図6の125 )でも図5(C)の断面を有
し、そして、164.2 <D(図6の126 )では図5(D)
の断面を有している。D<162.7 μm(図6の121 、12
2 、123、124 )のとき、光結合部では図5(E)に示
す断面形状が得られた。162.7 μm≦D≦164.2 μm
(図6の125 )のとき、光結合部では図5(F)に示す
断面形状が得られ、さらに、164.2 μm<D(図6の12
6 )のとき、図5(G)の断面形状が得られた。
【0040】図6から明らかなように、良好な等分配特
性を得るには、中心ファイバの直径はある範囲にあるこ
とが必要で、本実施例の場合は、図中矢印(125 )で示
すように中心ファイバの直径が162.7 μmと164.2 μm
の間においてのみ良好な分配特性が得られた。中心ファ
イバの直径がこの範囲から、小さい方へはずれても、大
きい方へはずれても、ユニフォーミティーの値は大きく
一様性に劣った数値となった。光ファイバ束の断面が最
密充填となるには、外周ファイバの直径が124.1 μmの
とき、中心ファイバの直径は最密充填の上記式(6)か
ら161.92μmとなる(図6の121 )。しかし、この直径
では図6から明らかなように良好なユニフォーミティー
は得られなかった。D<161.92μmの場合、加熱・融着
・延伸前の光ファイバ配置の段階では図5(A)のよう
に逆隙間を有し、この構成では良好な8分岐カプラーは
得られなかった。
性を得るには、中心ファイバの直径はある範囲にあるこ
とが必要で、本実施例の場合は、図中矢印(125 )で示
すように中心ファイバの直径が162.7 μmと164.2 μm
の間においてのみ良好な分配特性が得られた。中心ファ
イバの直径がこの範囲から、小さい方へはずれても、大
きい方へはずれても、ユニフォーミティーの値は大きく
一様性に劣った数値となった。光ファイバ束の断面が最
密充填となるには、外周ファイバの直径が124.1 μmの
とき、中心ファイバの直径は最密充填の上記式(6)か
ら161.92μmとなる(図6の121 )。しかし、この直径
では図6から明らかなように良好なユニフォーミティー
は得られなかった。D<161.92μmの場合、加熱・融着
・延伸前の光ファイバ配置の段階では図5(A)のよう
に逆隙間を有し、この構成では良好な8分岐カプラーは
得られなかった。
【0041】また、米国特許第5,408,554 号公報が主張
するねじった後の最密充填では、中心ファイバの直径は
微小量だけ大きくなり、このときの中心ファイバの直径
は162.13μm(図6の122 )であり、この場合も、その
結果は良好な分配特性を得ることができなかった。光結
合部分の断面を観察したところ、D<162.7 μmでは図
5(E)に示すようにボイド(114 )が2個認められ
た。これは明らかに1本の外周ファイバがはじき出され
ているためである。また、中心ファイバの直径がD>16
4.2 μmでは、2本の外周ファイバ間に図5(G)に示
すように大きく割れた隙間(118 )が認められた。これ
は明らかに加熱・融着・延伸前の光ファイバ配置の段階
で隙間が大きすぎたためである。中心ファイバの直径が
162.7 μm≦D≦164.2 μmの範囲にあるときのみ、光
結合部の断面は図5(F)に示すように、理想的な図2
の断面形状を得ることができ、ユニフォーミティーの値
も小さく良好に等分配された8分岐カプラーを作製する
ことができた。
するねじった後の最密充填では、中心ファイバの直径は
微小量だけ大きくなり、このときの中心ファイバの直径
は162.13μm(図6の122 )であり、この場合も、その
結果は良好な分配特性を得ることができなかった。光結
合部分の断面を観察したところ、D<162.7 μmでは図
5(E)に示すようにボイド(114 )が2個認められ
た。これは明らかに1本の外周ファイバがはじき出され
ているためである。また、中心ファイバの直径がD>16
4.2 μmでは、2本の外周ファイバ間に図5(G)に示
すように大きく割れた隙間(118 )が認められた。これ
は明らかに加熱・融着・延伸前の光ファイバ配置の段階
で隙間が大きすぎたためである。中心ファイバの直径が
162.7 μm≦D≦164.2 μmの範囲にあるときのみ、光
結合部の断面は図5(F)に示すように、理想的な図2
の断面形状を得ることができ、ユニフォーミティーの値
も小さく良好に等分配された8分岐カプラーを作製する
ことができた。
【0042】図7は、このユニフォーミティーの結果を
中心ファイバの直径(縦軸)と外周ファイバの直径(横
軸)との関係でまとめてプロットしたものであり、良好
な8分岐カプラーが得られるパラメーター領域(132 )
を示している。外周ファイバの直径は124.1 μmに固定
し、中心ファイバの直径のみを変化させた。図中、○印
は良好な分岐特性が得られたデータ点で、x印は良好な
分岐特性が得られなかったデータ点である。図中に特開
昭62-27707号公報の主張する最密充填構成に対応する関
係(式(4)で求められる)を直線130 で示す。米国特
許第5,408,554 号公報が主張するねじった後での最密充
填構成に対応する関係を直線131 で示す。
中心ファイバの直径(縦軸)と外周ファイバの直径(横
軸)との関係でまとめてプロットしたものであり、良好
な8分岐カプラーが得られるパラメーター領域(132 )
を示している。外周ファイバの直径は124.1 μmに固定
し、中心ファイバの直径のみを変化させた。図中、○印
は良好な分岐特性が得られたデータ点で、x印は良好な
分岐特性が得られなかったデータ点である。図中に特開
昭62-27707号公報の主張する最密充填構成に対応する関
係(式(4)で求められる)を直線130 で示す。米国特
許第5,408,554 号公報が主張するねじった後での最密充
填構成に対応する関係を直線131 で示す。
【0043】中心ファイバの直径が163.5 μmのときの
8個の出力端(出力ポート)での挿入損失を図8に示し
た。挿入損失とは出力信号強度を入力信号強度で除した
値で、通常dB単位で表され、理想的には過剰損失がな
ければ9.03dBであり、これに近い良好な値がこの実験
で得られた。この挿入損失のバラツキの最大値と最小値
の差がユニフォーミティーで、これは1.15dBとこれも
良好な値が得られた。このように良好なユニフォーミテ
ィーが得られる条件は、多くの製造パラメーターに依存
するが、中でもトーチの火炎強度によって、最適な光フ
ァイバの直径は異なっていた。その結果を表1に示す。
ここでトーチの火炎強度は、プロパンと酸素のガス流量
で調節した。
8個の出力端(出力ポート)での挿入損失を図8に示し
た。挿入損失とは出力信号強度を入力信号強度で除した
値で、通常dB単位で表され、理想的には過剰損失がな
ければ9.03dBであり、これに近い良好な値がこの実験
で得られた。この挿入損失のバラツキの最大値と最小値
の差がユニフォーミティーで、これは1.15dBとこれも
良好な値が得られた。このように良好なユニフォーミテ
ィーが得られる条件は、多くの製造パラメーターに依存
するが、中でもトーチの火炎強度によって、最適な光フ
ァイバの直径は異なっていた。その結果を表1に示す。
ここでトーチの火炎強度は、プロパンと酸素のガス流量
で調節した。
【0044】
【表1】
【0045】表1から明らかなように、最適な中心ファ
イバの直径Dはトーチの火炎強度によって少し異なって
いた。光ファイバ束がトーチ火炎の熱で加熱されると
き、前述のように中心ファイバよりも外周ファイバが先
に加熱され、その結果、外周ファイバの断面は扁平にな
るが、このときトーチによる加熱が強ければ早く扁平に
なるため、その分だけ中心ファイバの直径が少し大きい
方が適しているからである。従って、最適な中心ファイ
バの直径は、加熱条件等に複雑に依存しているが、本発
明者等による一連の実験では上記式(6)で規定される
直径D0 を用いて、中心ファイバの直径Dが1.7 ×10
−3<(D−D0 )/D0 <2.0 ×10 −2を満足す
る直径Dにおいて良好な分岐特性が得られた。図6〜8
で説明した結果は、表1でのトーチ火炎の強度が中の場
合である。
イバの直径Dはトーチの火炎強度によって少し異なって
いた。光ファイバ束がトーチ火炎の熱で加熱されると
き、前述のように中心ファイバよりも外周ファイバが先
に加熱され、その結果、外周ファイバの断面は扁平にな
るが、このときトーチによる加熱が強ければ早く扁平に
なるため、その分だけ中心ファイバの直径が少し大きい
方が適しているからである。従って、最適な中心ファイ
バの直径は、加熱条件等に複雑に依存しているが、本発
明者等による一連の実験では上記式(6)で規定される
直径D0 を用いて、中心ファイバの直径Dが1.7 ×10
−3<(D−D0 )/D0 <2.0 ×10 −2を満足す
る直径Dにおいて良好な分岐特性が得られた。図6〜8
で説明した結果は、表1でのトーチ火炎の強度が中の場
合である。
【0046】この実施例で用いた外周ファイバの外径は
公称125.0 μmのものであるが、本発明者等が測定した
測定値は124.1 ±0.4 μmであった。なお、本発明が規
定する中心ファイバの直径と外周ファイバの直径は、い
ずれも絶対値ではなく上記(6)〜(8)式にもとづく
相対値を規定するものである。
公称125.0 μmのものであるが、本発明者等が測定した
測定値は124.1 ±0.4 μmであった。なお、本発明が規
定する中心ファイバの直径と外周ファイバの直径は、い
ずれも絶対値ではなく上記(6)〜(8)式にもとづく
相対値を規定するものである。
【0047】
【発明の効果】上記構成としたことにより、本発明の光
ファイバ型多分岐カプラーは良好な分岐特性を有し、光
ファイバ束の一端から中心ファイバに入射した光信号
は、光結合部において外周ファイバに結合され、1本の
中心ファイバとN本の外周ファイバの1+N本に略等分
岐される。また、中心ファイバからの光出力を略ゼロと
し、N本の外周ファイバに略等分岐する構成とすること
もできる。さらに、光信号の出力端での挿入損失も理想
的な損失値に近い良好なものであり、ユニフォーミティ
ーも小さいものであった。
ファイバ型多分岐カプラーは良好な分岐特性を有し、光
ファイバ束の一端から中心ファイバに入射した光信号
は、光結合部において外周ファイバに結合され、1本の
中心ファイバとN本の外周ファイバの1+N本に略等分
岐される。また、中心ファイバからの光出力を略ゼロと
し、N本の外周ファイバに略等分岐する構成とすること
もできる。さらに、光信号の出力端での挿入損失も理想
的な損失値に近い良好なものであり、ユニフォーミティ
ーも小さいものであった。
【図1】 多分岐カプラーにおける光結合の様子と伝搬
モードを説明する図である。
モードを説明する図である。
【図2】 多分岐カプラーの光結合部の断面を示した図
である。
である。
【図3】 (A)はねじりが加えられた光ファイバ束の
斜視図、(B)はこれを加熱・融着・延伸して双円錐テ
ーパ状とした多分岐カプラーの斜視図であり、(C)〜
(G)は矢印に対応した(B)の位置での断面図であ
る。
斜視図、(B)はこれを加熱・融着・延伸して双円錐テ
ーパ状とした多分岐カプラーの斜視図であり、(C)〜
(G)は矢印に対応した(B)の位置での断面図であ
る。
【図4】 (A)は光ファイバ束の最密充填構成の断面
図、(B)は外周ファイバ間に隙間を有する非最密充填
構成を示す断面図であり、(C)は(B)の断面配置に
おいて、加熱により外周ファイバ断面の形状が扁平に変
形して行く過程での断面図であり、(D)は(B)の断
面配置のように外周ファイバ間の隙間が適切な場合に、
加熱・融着・延伸後に得られる良好な断面図である。
図、(B)は外周ファイバ間に隙間を有する非最密充填
構成を示す断面図であり、(C)は(B)の断面配置に
おいて、加熱により外周ファイバ断面の形状が扁平に変
形して行く過程での断面図であり、(D)は(B)の断
面配置のように外周ファイバ間の隙間が適切な場合に、
加熱・融着・延伸後に得られる良好な断面図である。
【図5】 (A)〜(D)は加熱・融着・延伸を行なう
前の光ファイバ束の断面図であり、(E)〜(G)は加
熱・融着・延伸後の光結合部の断面図である。
前の光ファイバ束の断面図であり、(E)〜(G)は加
熱・融着・延伸後の光結合部の断面図である。
【図6】 ユニフォーミティーを中心ファイバの直径D
に対してプロットした図である。
に対してプロットした図である。
【図7】 中心ファイバの直径Dと外周ファイバの直径
dとの関係において、良好なユニフォーミティーが得ら
れた領域(132 )を示す図である。
dとの関係において、良好なユニフォーミティーが得ら
れた領域(132 )を示す図である。
【図8】 光信号の挿入損失を、各出力ポートに対して
プロットした図である。
プロットした図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 常雄 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社精密機能材料研究所内 (72)発明者 阿部 淳 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社精密機能材料研究所内 (72)発明者 牧川 新二 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社精密機能材料研究所内
Claims (14)
- 【請求項1】 クラッドとコアを有する中心ファイバの
周りに、外周ファイバが略等間隔にN本(N>5)配置
された光ファイバ束を形成し、該光ファイバ束の断面
は、光ファイバの間に隙間を有して最密充填構成から若
干外れた配置状態にあり、(イ)中心ファイバの直径D
は、最密充填構成での中心ファイバの直径D0 と外周
ファイバの直径d0 との関係式 d0 /D0 =sin(π/N) /(1−sin(π/N) ) (1) で規定されるD0 よりも大きく、かつ 1.7 ×10−3<(D−D0 )/D0 <2.0 ×10−2 (2) の範囲にある、(ロ)外周ファイバの直径dは(1)式
で規定されるd0 よりも小さく、かつ 1.7 ×10−3<(d0 −d)/d0 <2.0 ×10−2 (3) の範囲にある、 上記(イ)、(ロ)の何れかを満たし、該光ファイバ束
を長手方向に少なくとも2カ所をクランプで押さえて固
定し、クランプ間部分を加熱して各光ファイバを融着
し、同時に固定クランプを互いに離間させて融着部に双
円錐状テーパ形状をなす光結合部を形成することを特徴
とする光ファイバ型多分岐カプラーの製造方法。 - 【請求項2】 光ファイバ束のクランプ間部分を加熱し
て融着するに際し、光ファイバ束にねじりを施してから
融着し、光結合部を形成する請求項1に記載の光ファイ
バ型多分岐カプラーの製造方法。 - 【請求項3】 加熱・融着・延伸前の光ファイバ束の長
手方向に直角な断面形状を、適切な大きさの隙間を有す
る非最密充填構成とする請求項1又は2に記載の光ファ
イバ型多分岐カプラーの製造方法。 - 【請求項4】 双円錐状テーパ形状をなす光結合部にお
いて、中心ファイバと外周ファイバとは未融着部分を有
さず、すべての光ファイバが一体的に融着されている請
求項1乃至3に記載の光ファイバ型多分岐カプラーの製
造方法。 - 【請求項5】 請求項1乃至4に記載の製造方法により
得られたものであることを特徴とする光ファイバ型多分
岐カプラー。 - 【請求項6】 光ファイバ束の一端から中心ファイバに
入射した光信号が、光結合部において外周ファイバに結
合され、1本の中心ファイバとN本の外周ファイバの1
+N本に略等分岐される請求項5に記載の光ファイバ型
多分岐カプラー。 - 【請求項7】 光ファイバ束の一端から中心ファイバに
入射した光信号が、光結合部において外周ファイバに結
合され、中心ファイバからの光出力を略ゼロとし、N本
の外周ファイバに略等分岐される請求項5に記載の光フ
ァイバ型多分岐カプラー。 - 【請求項8】 中心ファイバと外周ファイバとは、コア
同士及びクラッド同士の屈折率が略同一であり、かつ中
心ファイバのコア部分及びその近傍の屈折率分布が外周
ファイバのコア部分及びその近傍の屈折率分布と分布形
状が相似している請求項5乃至7に記載の光ファイバ型
多分岐カプラー。 - 【請求項9】 中心ファイバと外周ファイバとの伝搬定
数、カットオフ波長、又はモードフィールド径が略同一
である請求項5乃至8に記載の光ファイバ型多分岐カプ
ラー。 - 【請求項10】 中心ファイバと外周ファイバが、シン
グルモード光ファイバである請求項5乃至9に記載の光
ファイバ型多分岐カプラー。 - 【請求項11】 光ファイバが、チタニア(TiO2)で
ドープされたクラッド表層部を有する請求項5乃至10
に記載の多分岐光ファイバカプラー。 - 【請求項12】 光入力側の一端において、外周ファイ
バN本を切断してその切断面に無反射終端処理を施した
後、無反射終端処理部分をカプラー収納体に納めてカプ
ラーと一体型にしてなる請求項5乃至11に記載の多分
岐光ファイバカプラー。 - 【請求項13】 光出力側の一端において、中心ファイ
バを切断してその切断面に無反射終端処理を施した後、
無反射終端処理部分をカプラー収納体に納めてカプラー
と一体型にしてなる請求項5及び請求項7乃至12に記
載の多分岐光ファイバカプラー。 - 【請求項14】 中心ファイバの光信号入出力端におい
て、中心ファイバを外周ファイバと同じ光ファイバに融
着接合した後、融着接続部をカプラー収納体に納めて多
分岐カプラーと一体型にしてなる請求項5乃至13に記
載の多分岐光ファイバカプラー。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP616699A JP2000206361A (ja) | 1999-01-13 | 1999-01-13 | 光ファイバ型多分岐カプラ―及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP616699A JP2000206361A (ja) | 1999-01-13 | 1999-01-13 | 光ファイバ型多分岐カプラ―及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000206361A true JP2000206361A (ja) | 2000-07-28 |
Family
ID=11630961
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP616699A Pending JP2000206361A (ja) | 1999-01-13 | 1999-01-13 | 光ファイバ型多分岐カプラ―及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000206361A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN109061801A (zh) * | 2018-10-12 | 2018-12-21 | 广东国志激光技术有限公司 | 一种高功率信号合束器及其制作方法 |
| CN117666030A (zh) * | 2023-12-20 | 2024-03-08 | 中国人民解放军国防科技大学 | 光纤端面泵浦-信号耦合器、制备方法及应用 |
-
1999
- 1999-01-13 JP JP616699A patent/JP2000206361A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN109061801A (zh) * | 2018-10-12 | 2018-12-21 | 广东国志激光技术有限公司 | 一种高功率信号合束器及其制作方法 |
| CN109061801B (zh) * | 2018-10-12 | 2024-02-20 | 广东国志激光技术有限公司 | 一种高功率信号合束器及其制作方法 |
| CN117666030A (zh) * | 2023-12-20 | 2024-03-08 | 中国人民解放军国防科技大学 | 光纤端面泵浦-信号耦合器、制备方法及应用 |
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