JP2000209087A - 発振器 - Google Patents

発振器

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JP2000209087A
JP2000209087A JP11009386A JP938699A JP2000209087A JP 2000209087 A JP2000209087 A JP 2000209087A JP 11009386 A JP11009386 A JP 11009386A JP 938699 A JP938699 A JP 938699A JP 2000209087 A JP2000209087 A JP 2000209087A
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frequency
temperature
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oscillator
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JP11009386A
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Takeshi Atami
健 熱海
Hideyuki Matsuura
秀行 松浦
Yoshibumi Nakajima
義文 中島
Yoshito Furuyama
義人 古山
Hiroshi Nakamuta
浩志 中牟田
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 発振器に関し、小型かつ廉価であると共に、
常に所要の出力周波数を安定に出力可能なことを課題と
する。 【解決手段】 制御電圧Vc により周波数fout を可変
な電圧制御発振器(VCXO)1と、VCXO1の出力
と基準となる周波数(原子共鳴周波数等)f0 との比較
に基づきその周波数差に応じた信号RESを出力する比
較器2と、信号RESに基づき周波数差を零とする様な
制御電圧Vc を生成するサーボ回路3と、信号RESに
基づきサーボ回路3のロック/アンロック状態を検出す
る検出手段4と、ロック検出時の制御電圧値VC を記憶
する不揮発性のメモリ5と、通常はサーボ回路3の出力
の制御電圧VC をVCXO1に供給すると共に、検出手
段4がアンロック状態を検出している場合はメモリ5の
制御電圧値VC ’をVCXO1に供給する切替手段6と
を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は発振器に関し、更に
詳しくは制御電圧により周波数を可変な電圧制御発振器
と、電圧制御発振器の出力と基準となる周波数との比較
に基づきその周波数差に応じた信号を出力する比較器
と、比較器の出力信号に基づき周波数差を零とする様な
前記制御電圧を生成するサーボ回路とを備える発振器に
関する。
【0002】この種の発振器の一例としてルビジウム原
子等の原子共鳴現象を利用した原子発振器がある。原子
発振器は、長期安定度(ランダム雑音による変動を除い
たドリフト量)及び短期安定度(ランダム雑音による周
波数ゆらぎの標準偏差)に優れ、通信用主発振器,TV
放送用基準周波数源、ディジタル同期網用クロック源等
に用いられる。近年、ルビジウム原子発振器及びこれを
利用するシステムには小型化/低価格化が求められる一
方、通常動作時以外、即ち、アラーム(周波数アンロッ
ク)状態下においての周波数安定度向上も望まれてい
る。
【0003】
【従来の技術】図10〜図12は従来技術を説明する図
(1)〜(3)で、10(A)は従来のルビジウム原子
発振器の基本構成を示している。図において、10はル
ビジウムRb 87の原子共鳴を利用した原子共鳴器(OM
U)、21は制御電圧Vc により発振周波数fout を可
変な電圧制御水晶発振器(VCXO)、70はVCXO
21の周囲(動作)温度を一定に保つための恒温槽、2
2はVCXO21の出力周波数fout を合成(逓倍,変
調等)してRb 87の原子共鳴周波数(f0 =6834.
68MHz)と等しいマイクロ波周波数fを生成する周
波数合成部、23はマイクロ波周波数fを周波数(位
相)変調するための低周波信号fL を発生する低周波発
振器、24は原子共鳴器10の光検出信号PDを増幅す
る増幅器(AMP)、25は光検出信号PDに重畳され
た低周波信号(原子共鳴信号)RESを低周波信号fL
により同期検波する同期検波器、26は同期検波出力D
Tを積分してマイクロ波周波数fと原子共鳴周波数f0
とを一致させるような制御電圧Vc を生成する積分器で
ある。
【0004】原子共鳴器10において、Rb 87ランプ1
1の射出光(スペクトルA,Dを含む)は凹面鏡12で
平行光にされ、ガラス容器(共鳴セル)13に入射す
る。共鳴セル13にはRb 87とRb 85の蒸気が封入され
ており、Rb 87ランプ11のスペクトルA,Dの内の一
方のスペクトルDはRb 85蒸気により吸収され、共鳴セ
ル13内ではスペクトルAが支配的となる。この共鳴セ
ル13に空洞共振器14を介してマイクロ波を照射する
と、マイクロ波周波数fがRb 87の原子共鳴周波数f0
(=6834.68MHz)と一致した時に原子共鳴が
起こり、Rb 87蒸気によるランプ光の吸収が増大する。
そこで、この共鳴セル13の透過光を光検出器15で検
出し、ここに重畳された共鳴信号RESを利用して、常
にマイクロ波周波数fが原子共鳴周波数f0 と一致する
ように、VCXO21の発振周波数をサーボ制御する。
以下、このサーボ制御を説明する。
【0005】図10(B)は従来のルビジウム原子発振
器の基本動作を示している。VCXO21の出力周波数
(例えば10MHz)fout は周波数合成部22でマイ
クロ波周波数f(=6834.68MHz)に合成され
ると共に、低周波信号fL による位相(周波数)変調が
加えられ、バラクタダイオードVDを介して空洞共振器
14に印加される。共鳴セル13内ではマイクロ波周波
数f=f0 の所でスペクトルAの吸収がピークとなり、
これより外れると図示の如く吸収が低下する。以下、こ
の谷間の部分(即ち、原子共鳴器10が感度を有する部
分)を周波数引込領域とも呼ぶ。またマイクロ波周波数
fには低周波信号fL が重畳されており、この周波数引
込領域内ではマイクロ波周波数f<f0 ,f=f0 ,f
>f0 の各状態に応じて、低周波信号fL と逆相,2倍
周波数2fL 及び低周波信号fLと同相の各共鳴信号R
ESが検出される。因みに、この周波数引込領域外では
共鳴信号RESが検出されない。そこで、共鳴信号RE
SをfL で同期検波し、検波出力を積分することによ
り、VCXO21の出力周波数fout を一定fc に制御
するための制御電圧(S字カーブ)Vc が得られる。
【0006】しかし、この様なルビジウム原子発振器を
その電源投入時,周囲温度変動時,回路特性の経年変化
時等にも安定に稼働させるには、特にスレーブ発振器と
して用いるVCXO21の出力周波数fout を常に周波
数引込領域内に維持しておく必要があり、この為に従来
は、高価な高安定VCXO21及び恒温槽設備を必要と
していた。
【0007】一方、現在では価格や大きさの面等から汎
用のVCXOを用いざるを得ない状況にあり、この汎用
のVCXOは従来の高安定水晶発振器に比べると出力周
波数fout の経時変化量が大きいため、仮にルビジウム
原子発振器の稼働当初は正常に起動できたとしても、そ
の後長時間を経過すると、特性の経時変化等により稼働
当初のデフォルト制御電圧Vc ではVCXOを周波数領
域にバイアス出来なくなり、ルビジウム原子発振器を再
起動できない場合が生じ得る。そこで、従来は、この経
時変化をカバーするため、ルビジウム原子発振器の立上
げ時等における周波数アンロック状態では、VCXO2
1の出力周波数fout (即ち、制御電圧Vc )を連続的
にスイープさせ、マイクロ波周波数f≒f0 となった所
で周波数引込動作させるものが知られている。以下、こ
れを説明する。
【0008】図11は従来の他のルビジウム原子発振器
の構成を示す図で、恒温槽設備を必要とせず、かつ安価
な汎用のVCXO21を使用する場合を示している。図
において、21は汎用のVCXO、27はスイープ信号
を生成するための矩形波信号CKを発生する矩形波発振
器、28はサーボ回路のロック/アンロック状態を検出
するアラーム検出部、29はアラーム検出部28のロッ
ク/アンロックの検出信号ALM=0/1に応じて積分
器26への入力を同期検波信号DT/矩形波信号CKに
切り替えるセレクタ(SEL)である。その他の構成に
ついては上記図10(A)で述べたものと同様で良い。
【0009】図において、アラーム検出部28はOMU
10の出力の共鳴信号RESをモニタしており、共鳴信
号RESの振幅が所定以下になる(即ち、マイクロ波周
波数fが周波数引込領域から外れる)とアラーム信号A
LM=1(アラーム状態/周波数アンロック状態)を出
力し、また共鳴信号RESの振幅が前記所定を超える
(即ち、マイクロ波周波数fが周波数引込領域内に入
る)とアラーム信号ALM=0(非アラーム状態/周波
数ロック状態)を出力する。セレクタ29は、アラーム
状態(本装置の電源投入時,途中のアンロック検出時
等)では矩形波発振器27の矩形波信号CKを積分器2
6に提供して該積分器26の出力のスイープ電圧Vc
よりVCXO21の出力周波数fout を掃引させ、周波
数引込領域の探査を行うと共に、やがて非アラーム状態
(スイープ電圧Vc が周波数引込領域)に入ると同期検
波器25の検波信号DTを積分器26に提供してVCX
O21の出力周波数fout を一定とするようなサーボ制
御を行う。
【0010】図12はこのルビジウム原子発振器の動作
タイミングチャートを示している。マイクロ波周波数f
が周波数引込領域にある時は共鳴信号RESに所要の振
幅が得られており、アラーム信号ALM=0である。し
かし、本装置の電源投入時又は稼働時であっても何らか
の理由によりマイクロ波周波数fが周波数引込領域から
外れると、共鳴信号RESに所要の振幅が得られず、ア
ラーム信号ALM=1となる。すると、図示の場合の制
御電圧Vc は矩形波信号CKにより上側に掃引され、周
波数引込領域か見つからないと次に下側に掃引される。
この例では、下り掃引ではたまたま周波数引込領域か見
つからず、次に上側に掃引されている。そして、周波数
引込領域か見つかると以後は同期検波器25の出力信号
DTに切替えられ、アラーム信号ALM=0(ロック状
態)となる。かくして、大型となる恒温槽を省略し、か
つ安価な汎用のVCXO21を使用しても、このルビジ
ウム原子発振器を周波数ロック状態に引き込める。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の如く周
波数アンロック状態で制御電圧をスイープする方式であ
ると、同時にVCXO21の出力周波数fout もスイー
プしている状態となり、著しく周波数安定度(長期安定
度,短期安定度)が劣化してしまう。この影響をTV放
送機用のルビジウム原子発振器の例で言うと、アラーム
発生時には出力周波数fout が強制的にスイープされる
ため、TV画像にも乱れが生じてしまう問題がある。な
お、この問題は、原子共鳴周波数以外の周波数を基準と
する様な他の一般的な発振器でも生じ得る。
【0012】本発明は上記従来技術の問題点に鑑み成さ
れたもので、その目的とする所は、小型かつ廉価である
と共に、常に所要の出力周波数fout を高精度かつ高安
定に出力可能な発振器を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題は例えば図1
の構成により解決される。即ち、本発明(1)の発振器
は、制御電圧Vc により周波数fout を可変な電圧制御
発振器1と、電圧制御発振器1の出力と基準となる周波
数f0 との比較に基づきその周波数差に応じた信号RE
Sを出力する比較器2と、比較器2の出力信号RESに
基づき周波数差を零とする様な前記制御電圧Vc を生成
するサーボ回路3とを備える発振器において、比較器2
の出力信号に基づきサーボ回路3のロック/アンロック
状態を検出する検出手段4と、検出手段4がロック状態
を検出している時の制御電圧値V C を記憶する不揮発性
のメモリ5と、通常はサーボ回路3の出力の制御電圧V
Cを電圧制御発振器1に供給すると共に、検出手段4が
アンロック状態を検出している場合はメモリ5の制御電
圧値VC ’を電圧制御発振器1に供給する切替手段6と
を備えるものである。
【0014】本発明(1)においては、検出手段4がロ
ック状態を検出している時の制御電圧値VC を不揮発性
のメモリ5に記憶する構成により、電圧制御発振器1の
発振周波数特性にどの様な経時変化があっても電圧制御
発振器1を周波数引込領域内に直接バイアスできる様な
制御電圧値VC をメモリ5に保持できる。また検出手段
4がアンロック状態を検出している場合はメモリ5の制
御電圧値VC ’を電圧制御発振器1に供給する構成によ
り、電圧制御発振器1は、サーボ回路3のロック/アン
ロック状態によらず、常に所要の出力周波数fout を高
精度かつ高安定に出力可能となる。
【0015】好ましくは、本発明(2)においては、上
記本発明(1)において、メモリ5は最初の起動時のサ
ーボ回路3を周波数引込領域内にバイアス可能な制御電
圧値Vr を予め記憶している。従って、不揮発性のメモ
リ5を有効利用できると共に、本器の工場出荷後、最初
に電源投入時のサーボ回路3をその周波数引込領域内に
直接バイアス可能となり、よって電圧制御発振器1は当
初から所要の出力周波数fout を出力可能となる。
【0016】また本発明(3)の発振器は、上記前提と
なる発振器において、発振器の動作温度を検出する温度
検出手段と、比較器の出力信号に基づきサーボ回路のロ
ック/アンロック状態を検出する検出手段と、検出手段
がロック状態を検出している時の検出温度値を同時点の
制御電圧値と対で記憶する不揮発性のメモリと、温度検
出手段による現時点の検出温度とメモリから読み出した
温度値との差温度を求める手段と、前記求めた差温度に
対応する制御電圧値の補正値を生成する手段と、メモリ
から読み出した制御電圧値を前記生成した補正値で補正
する手段と、通常はサーボ回路の出力の制御電圧を電圧
制御発振器に供給すると共に、検出手段がアンロック状
態を検出している場合は前記補正後の制御電圧値を電圧
制御発振器に供給する切替手段とを備えるものである。
【0017】本発明(3)においては、検出手段がロッ
ク状態を検出している時の検出温度値を同時点の制御電
圧値と対で不揮発性のメモリに記憶する構成により、本
器(特に電圧制御発振器)の発振周波数特性にどの様な
温度依存性(特性の経時変化を含む)があっても電圧制
御発振器を周波数引込領域内に直接バイアスできる様な
制御電圧値VC を同時点の動作温度と共にメモリに保持
できる。
【0018】また現時点の検出温度とメモリから読み出
した前時点の温度値との差温度を求め、該求めた差温度
に対応する制御電圧値の補正値を生成すると共に、検出
手段がアンロック状態を検出している場合は、メモリか
ら読み出した前時点の制御電圧値を前記生成した補正値
で補正後に電圧制御発振器に供給する構成により、前時
点から現時点までに動作温度がどの様に急激に変化して
いても、メモリから読み出した前時点の制御電圧値から
差温度に基づき補正された現時点の制御電圧値により現
時点の電圧制御発振器を周波数引込領域内に直接バイア
スできる。
【0019】従って、例えば稼働中の本器において、動
作温度の急激な変化によりサーボ回路がロック状態から
逸脱しても、次の時点ではメモリから読み出した前時点
の制御電圧値に基づき急激な温度変化量に応じた現時点
の制御電圧値が生成される結果、現時点の電圧制御発振
器を周波数引込領域内に直ちにバイアス可能となる。ま
た稼働中の発振器を一旦電源OFFし、その後の任意の
時点に再度電源ONした様な場合でも、メモリから読み
出した前時点の制御電圧値に基づき停止時から再起動時
までの温度変化量に応じた現時点の制御電圧値が正確に
生成される結果、この制御電圧値により現時点の電圧制
御発振器を周波数引込領域に直ちにバイアス可能とな
る。
【0020】好ましくは、本発明(4)においては、上
記本発明(3)において、メモリは所定の温度値と、該
温度におけるサーボ回路を周波数引込領域内にバイアス
可能な制御電圧値とを予め対で記憶している。従って、
本器の工場出荷調整時の動作温度(任意で良い)と、本
器の稼働開始時の動作温度とが異なっていても、稼働開
始時の本器を正確に周波数引込領域内にバイアス可能と
なる。
【0021】また本発明(5)の発振器は、上記前提と
なる発振器において、発振器の動作温度を検出する温度
検出手段と、比較器の出力信号に基づきサーボ回路のロ
ック/アンロック状態を検出する検出手段と、検出手段
がロック状態を検出し、かつ温度検出手段の検出温度が
所定の基準値と等しい時の制御電圧値を記憶する不揮発
性のメモリと、温度検出手段による現時点の検出温度と
所定の基準温度値との差温度を求める手段と、前記求め
た差温度に対応する制御電圧値の補正値を生成する手段
と、メモリから読み出した制御電圧値を前記生成した補
正値で補正する手段と、通常はサーボ回路の出力の制御
電圧を電圧制御発振器に供給すると共に、検出手段がア
ンロック状態を検出している場合は前記補正後の制御電
圧値を電圧制御発振器に供給する切替手段とを備えるも
のである。
【0022】本発明(5)においては、検出手段がロッ
ク状態を検出し、かつ温度検出手段の検出温度が所定の
基準値(例えば常温25°C)と等しい時の制御電圧値
を不揮発性のメモリに記憶する構成により、発振器(特
に電圧制御発振器)の発振周波数特性に温度依存性(経
時変化を含む)があっても、少なくとも動作温度が所定
の基準温度と同一となる度に、該基準温度との関係でそ
の時点における正確な制御電圧値をメモリに保持(更
新)できる。従って、制御電圧値を記憶するだけの少な
いメモリでも様々な温度変化(特性の経時変化を含む)
に柔軟に対応出来る。
【0023】また現時点の検出温度と所定の基準温度値
(例えば常温25°C)との差温度を求め、該求めた差
温度に対応する制御電圧値の補正値を生成すると共に、
検出手段がアンロック状態を検出している場合は、メモ
リから読み出した前時点の制御電圧値を前記生成した補
正値で補正後に電圧制御発振器に供給する構成により、
前時点から現時点までに動作温度がどの様に変化してい
ても、メモリから読み出した前時点の制御電圧値に基づ
き基準温度からの差温度との関係で補正された現時点の
制御電圧値により、現時点の電圧制御発振器を周波数引
込領域内に直接バイアス可能となる。
【0024】従って、上記本発明(3)の場合と同様
に、例えば稼働中の発振器において動作温度の急激な変
化によりサーボ回路が逸脱しても、又は稼働中の発振器
を一旦電源OFFし、その後の任意の時点に再度電源O
Nした場合でも、基準温度からの差温度に基づき補正さ
れた制御電圧値により、現時点の電圧制御発振器を周波
数引込領域に直ちにバイアス可能となる。
【0025】好ましくは、本発明(6)においては、上
記本発明(5)において、メモリは基準温度におけるサ
ーボ回路を周波数引込領域内にバイアス可能な制御電圧
値を予め記憶している。従って、本器の工場出荷調整時
の動作温度(例えば常温25°C)と、本器の稼働開始
時の動作温度とが異なっていても、稼働開始時の本器を
正確に周波数引込領域内にバイアス可能となる。
【0026】また好ましくは、本発明(7)において
は、上記本発明(1),(3)又は(5)において、メ
モリに書き込むべき情報を所定時間遅延させる遅延手段
を更に備える。ところで、稼働中の発振器が何らかの理
由により周波数アンロック状態となった時は、その直前
の制御電圧はアンロック状態に遷移する直前の制御電圧
値である場合が多く、必ずしもその後の電圧制御発振器
を周波数引込領域内にバイアスするのに最適なものとは
言えない。この点、本発明(7)によれば、メモリに書
き込むべき情報(制御電圧値及び又は検出温度値)を所
定時間遅延させる構成により、メモリはアンロック状態
に遷移する直前よりも十分に前の情報を記憶することと
なり、よってより信頼性の高い情報を保持できる。
【0027】また好ましくは、本発明(8)において
は、上記本発明(1),(3)又は(5)において、メ
モリに書き込むべき一連の情報の移動平均値を求める手
段を更に備える。本発明(8)においては、メモリに書
き込むべき一連の情報の移動平均値を求める構成によ
り、メモリはアンロック状態に遷移する直前よりも十分
に前の情報を反映した情報を記憶することになる。また
各実サンプリング情報に含まれる雑音成分を有効に除去
できる。
【0028】また好ましくは、本発明(9)において
は、上記本発明(1)〜(8)において、比較器は電圧
制御発振器の出力より合成されたマイクロ波周波数fと
ルビジウム原子等の原子共鳴周波数f0 との比較に基づ
きその周波数差に応じた信号を出力する原子共鳴器であ
る。従って、高精度,高安定の原子発振器を小型,廉価
に提供できる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に従って本発明に
好適なる複数の実施の形態を詳細に説明する。なお、全
図を通して同一符号は同一又は相当部分を示すものとす
る。
【0030】図2は第1の実施の形態によるルビジウム
原子発振器を説明する図で、図2(A)は第1の実施の
形態によるルビジウム原子発振器の構成を示している。
図において、30は第1の実施の形態における積分器、
40は第1の実施の形態による制御電圧(VC)記憶部
である。なお、これらの構成の詳細については後述す
る。その他の構成については上記図11で述べたものと
同様で良い。
【0031】図2(B)は第1の実施の形態によるルビ
ジウム原子発振器の制御電圧の経時変化の一例を示して
いる。ルビジウム原子発振器の工場出荷時におけるVC
記憶部25には制御電圧の初期値Vr を設定しておく。
この初期値Vr は、当該ルビジウム原子発振器の電源投
入当初より、VCXO21を所要の周波数引込領域内に
バイアスできる制御電圧値であり、これによりルビジウ
ム原子発振器を最初の起動時から直ちに周波数ロック状
態に引き込める。
【0032】ルビジウム原子発振器に電源投入すると、
最初はアラーム信号ALM=1(周波数アンロック状
態)により、積分器30にはVC記憶部40の制御電圧
r が供給され、これによりVCXO21は所要の出力
周波数fout (例えば略10MHz)を出力する。一
方、OMU10の光検出出力PDからは共鳴信号RES
が検出され、これによりアラーム検出部28はアラーム
信号ALM=0(周波数引込状態)を出力する。なお、
本明細書ではこの周波数引込状態をも含めて周波数ロッ
ク状態と呼ぶ。これにより積分器30には同期検波器2
5の出力信号DTが供給され、以後は同期検波器25を
介するサーボ系のループ利得に従ってVCXO21の出
力周波数fout は周波数ロック(10MHz)に引き込
まれる。
【0033】図2(B)において、その後時間が経過す
ると、一般にVCXO21の出力周波数fout を周波数
ロックさせるための制御電圧VC は徐々に変化する。経
過時間が比較的短い場合には初期値Vr でも再引込可能
であるが、経過時間が十分に長くなると、もはや初期値
r では再引込できなくなる。そこで、本実施の形態で
はVC記憶部40の初期値Vr をその後定期的に各時点
の実サンプル制御電圧Vc により更新している。その結
果、VC記憶部40の記憶値Vc ’は実サンプル制御電
圧Vc に追従することとなり、VCXO21が何時アン
ロック状態になっても、VCXO21を周波数引込領域
にバイアス可能となる。
【0034】図3は第1の実施の形態における積分器3
0の構成を示す図で、簡単な回路構成によりフィードバ
ックループを形成するための積分器と基準引込電圧を供
給するための差動増幅器とに切り替えられる場合を示し
ている。図において、入力のアラーム信号ALM=0
(周波数ロック状態)の場合は、FET−QがOFFし
ており、帰還抵抗Rf のルートは開放である。この場合
のオペアンプOPAはバイアス抵抗Rs ,Rf 及び帰還
コンデンサCf と共に差動入力型の積分回路を構成して
おり、出力の制御電圧Vc は、 Vc =−(1/Rs f )∫Vi dt により与えられる。ここで、Vi =DT−Refであり、
DTは同期検波器25の検波出力、Refは基準電圧(例
えばGND)である。なお、抵抗Rp はオペアンプOP
Aの出力保護抵抗である。
【0035】また入力のアラーム信号ALM=1(周波
数アンロック状態)の場合は、FET−QがONしてお
り、帰還抵抗Rf のルートは導通である。また低周波領
域ではRf ≪(1/Cf )に選ぶことが可能であるか
ら、この場合のCf の作用は無視でき、オペアンプOP
Aはバイアス抵抗Rs ,Rf 及び帰還抵抗Rf と共に反
転差動増幅回路を構成しており、出力の制御電圧V
c は、 Vc =−(Rf /Rs )Vi により与えられる。ここで、Vi =Vc ’−Refであ
り、Vc ’(又はVr )はVC記憶部40の固定出力、
efは基準電圧である。また、Rf =Rs に選ぶこと
で、Vc =−Vi となる。
【0036】図4は第1の実施の形態におけるVC記憶
部の構成を示す図で、図4(A)は最も簡単な場合のV
C記憶部40の構成を示している。工場出荷時における
EEP−ROM42は制御電圧の初期設定値Vr を記憶
している。ルビジウム原子発振器の最初の電源投入時に
はEEP−ROM42からの初期値Vr がD/A変換器
43によりD/A変換され、積分器30に供給される。
これによりVCXO21は周波数引込領域にバイアスさ
れ、続いてサーボ系により速やかに周波数ロックに引き
込まれる。この状態で、アンドゲート回路A1には定期
的に発生するタイミングパルス信号TPとアラーム信号
ALMとが入力しており、アラーム信号ALM=0(周
波数ロック状態)におけるタイミングパルス信号TPの
入力によりEEP−ROM42の書込パルス信号WPを
出力する。これによりA/D変換器41の出力の実制御
電圧値Vc がEEP−ROM42に書き込まれ、こうし
てEEP−ROM42の内容は周波数ロック時における
最新の実制御電圧値Vc により逐次更新される。
【0037】そして、何らかの理由(電源再投入又はサ
ーボ系の一時的な乱調等)によりVCXO21の再周波
数引込が必要となった場合には、EEP−ROM42か
ら最新(アンロック直前)の制御電圧値Vc ’が読み出
され、D/A変換されて、VCXO21に供給される。
従って、従来の様にVCXO21の制御電圧Vc をスイ
ープさせる必要は無く、周波数の再ロックが容易かつ速
やかに行われる。またこの周波数アンロック状態におけ
るVCXO21の出力周波数fout を所要(略10MH
z)に固定させておくことが可能となる。
【0038】図4(B)はVCXO21がロック状態か
らアンロック状態に切り替わる時の数クロック信号TP
前の実制御電圧値Vc を記憶可能なVC記憶部40の構
成を示している。図において、A/D変換器41の出力
の各サンプリング実制御電圧値Vc はシフトレジスタ4
4に順次入力して所定時間の遅延を受ける。そして、
今、ある時点でアラーム信号ALM=1(周波数アンロ
ック状態)になると、EEP−ROM42にはその直前
のタイミングにシフトレジスタ44の出力Q3に記憶さ
れていた実制御電圧値Vc が書き込まれている。この実
制御電圧値Vc は、実際はVCXO21がロック状態か
らアンロック状態に切り替わる時の4クロックTP前に
実制御電圧Vc として使用されていたもであるから、該
切り替わる時の直前に使用されていた実制御電圧Vc
りもVCXO21を再ロックに引き込む信頼性は十分に
高い。
【0039】なお、シフトレジスタ44による遅延段数
はクロック信号TPの周期や実制御電圧Vc の変化のス
ピード等を考慮して適当に選択される。また、シフトレ
ジスタ44がリセットされた状態におけるQ3の情報
(=0)がEEP−ROM42に書き込まれないよう
に、例えばシフトレジスタ44の最上位ビットLSBを
EEP−ROM42の書込制御ビットとなし、実制御電
圧値Vc と共にシフトインされたLSB=1がQ3に達
した時に、EEP−ROM42は書込付勢モードとな
る。
【0040】図4(C)はVCXO21がロック状態か
らアンロック状態に切り替わる時の過去の複数の実制御
電圧Vc の移動平均値を記憶可能な場合のVC記憶部4
0の構成を示している。図において、シフトレシスタ4
4の4つの出力Q1〜Q3の各実制御電圧値Vc が加算
器45で加算されており、今、アラーム信号ALM=1
(周波数アンロック状態)になった時点では、最新の加
算出力の1/4(下位2ビットを削除)の移動平均値が
EEP−ROM42に記憶されている。この様に移動平
均値を記憶する方式では、各実制御電圧値Vc に含まれ
るランダム成分を除去できると共に、VCXO21がロ
ック状態からアンロック状態に切り替わる直前の実制御
電圧値Vc のみならず、過去に遡る複数の実制御電圧値
c の成分も含まれているため、EEP−ROM42に
記憶した制御電圧値Vc ’の信頼性は高い。
【0041】図5は第2の実施の形態によるルビジウム
原子発振器の構成を示す図で、回路(特にVCXO2
1)が高い温度依存性を有する場合でも適用可能な場合
を示している。図において、50は第2の実施の形態に
よるVC記憶部、60は回路(特にVCXO21)の動
作温度を検出するための温度検出部である。なお、VC
記憶部50についての詳細は後述する。その他の構成に
ついては上記図2で述べたものと同様で良い。
【0042】図6,図7は第2の実施の形態におけるV
C記憶部を説明する図(1),(2)で、図6は第2の
実施の形態におけるVC記憶部50の構成を示してい
る。なお、各実制御電圧値Vc を所定時間遅延させてE
EP−ROM42に記憶する構成については上記図4
(B)で述べたものと同様で良い。ここでは、実制御電
圧値Vc と同時点にサンプリングされた検出温度値Tを
対で記憶する構成が付加されている。即ち、A/D変換
器51によりA/D変換された各サンプリング時点の検
出温度値Tはシフトレジスタ54により制御電圧値と同
相で遅延され、対となる実制御電圧値Vc と同じタイミ
ングにEEP−ROM52に記憶される。
【0043】そして、今、ある時点で周波数引込のため
にVC記憶部50からの制御電圧V c ’が必要になった
とすると、該制御電圧Vc ’は以下の方法により生成さ
れる。即ち、減算器55は現時点の検出温度Tと過去の
記憶温度T’との間の差温度△Tを、△T=T−T’に
より求める。この差温度△TはROM56のアドレス入
力ADDに加えられ、ROM56からは差温度△Tに対
応する補正電圧値△Vが読み出される。なお、この補正
電圧値△Vは、予めあらゆる差温度△Tに対して実測又
はシミュレーション等によりルビジウム原子発振器毎に
直接又は製造ロット毎に統計的(平均化等)に求めら
れ、ROM56に記憶されている。そして、加算器57
はEEP−ROM42から読み出した制御電圧値VC
補正電圧値△Vを加算して補正後の制御電圧値Vc ’=
C +△Vを出力する。以下、タイミングチャートに従
って一例の動作を具体的に説明する。
【0044】図7は上記図6のVC記憶部50の動作タ
イミングチャートを示している。工場出荷当初のEEP
−ROM42は制御電圧の初期値Vr を記憶し、またE
EP−ROM52は前記初期値Vr をサンプリングした
時のVCXO21の動作温度Tr (例えば28°C)を
記憶している。従って、このVCXO21がもし28°
Cで起動される場合には、初期値Vr のままでVCXO
21を周波数引込領域にバイアスできる。しかし、この
例では起動時t0 における動作温度Tが28°Cよりも
低い。これにより、起動時における差温度△T0 =T−
r が生成され、ROM56からは差温度△T0 に対応
する補正電圧値△V0 が読み出され、補正後の制御電圧
値Vr ’=Vr +△V0 が生成される。この制御電圧値
r ’は起動時の検出温度TにおけるVCXO21をそ
の周波数引込領域R0 の略中央にバイアスするのに十分
なものである。従って、VCXO21はその後速やかに
周波数ロック状態(ALM=0)に引き込まれる。
【0045】続く周波数ロック状態(ALM=0)の区
間では、制御電圧Vc は専ら同期検波器25を介するサ
ーボ系により生成され、この例では比較的ゆっくりと上
昇する動作温度Tに対応して比較的ゆっくりと下降する
様な実制御電圧Vc が生成されている。この動作温度値
T及び実制御電圧値Vc が所定時間遅れでEEP−RO
M54,44に逐次記憶される。
【0046】更に、この例ではt1 のタイミングで何ら
かの理由により動作温度Tに急激な変化(上昇)が生じ
ており、この為にサーボ系が応答しきれず、VCXO2
1は周波数アンロック状態(ALM=1)に逸脱してし
まった。しかし、係る状況でも本実施の形態によるVC
記憶部50は温度上昇後のVCXO21をその周波数引
込領域R1 ’内にバイアスするための制御電圧VC ’を
瞬時に生成できる構成により、VCXO21は速やかに
周波数ロック状態に再度引き込まれる。
【0047】具体的に言うと、ALM=1により、セレ
クタ29ではVC記憶部50の制御電圧VC ’が選択さ
れる。この時までにVC記憶部50では、差温度△T1
=T−T1 ’が生成され、これによりROM56から対
応する補正電圧値△V1 が読み出され、これにより補正
後の制御電圧Vc ’=VC1’+△V1 が生成される。こ
の制御電圧Vc ’は急激な温度変化後におけるVCXO
21をその周波数引込領域R1 ’の略中央にバイアスす
るのに十分なものである。従って、VCXO21はその
後速やかに周波数ロック状態(ALM=0)に引き込ま
れる。
【0048】またこの例では、その後のt2 のタイミン
グにルビジウム原子発振器の電源をOFFにし、かつそ
の後のt3 のタイミングに電源を再度ONにしている。
その際には、ALM=1によりVC記憶部50の制御電
圧Vc ’が選択され、この時VC記憶部50では、差温
度△T3 =T−T3 ’が生成され、ROM56から対応
する補正電圧値△V3 が読み出され、これにより補正後
の制御電圧Vc ’=V C3’+△V3 が生成される。この
制御電圧Vc ’はルビジウム原子発振器の再起動時にお
けるVCXO21をその周波数引込領域R3 の略中央に
バイアスするのに十分なものである。従って、VCXO
21はその後速やかに周波数ロック状態(ALM=0)
に引き込まれる。以下、同様である。
【0049】なお、本実施の形態では実制御電圧値Vc
と同時点の検出温度値Tとを対で記憶する構成により、
回路(特にVCXO21)の様々な特性変化(構成素子
の経年変化等を含む)にも適正に対処できる。即ち、本
器の製造当初は所定温度Tr(=28°C)における制
御電圧はVr であったが、長時間の稼働後は例えば所定
温度Tr (=28°C)における制御電圧はVr でない
かも知れない。しかし、本実施の形態によれば所定温度
r と共に当初とは異なる制御電圧値Vr を対で記憶す
る構成により、ルビジウム原子発振器(VCXO21
等)の様々な特性変化を吸収できる。
【0050】図8,図9は第2の実施の形態における他
のVC記憶部を説明する図(3),(4)で、図8は第
2の実施の形態における他のVC記憶部50の構成を示
している。ここでは検出温度値Tの記憶回路(シフトレ
ジスタ54,EEP−ROM52)が省略されており、
上記図6のものよりもシンプルな構成となっている。ま
た実制御電圧値Vc の遅延回路(シフトレジスタ44)
も省略されている。本実施の形態では温度Tの基準とな
るものが固定温度値Tr (例えば常温25°C)であ
り、また制御電圧Vc の基準となるものが半固定の制御
電圧値Vr (常温25°Cにおける制御電圧値)であ
る。
【0051】今、ある時点で周波数引込のためにVC記
憶部50の制御電圧値Vr ’が必要になったとすると、
該制御電圧値Vr ’は以下の方法により生成される。即
ち、減算器55は現時点の検出温度値Tと基準温度値T
r (=25°C)との間の差温度△Tを、△T=T−T
r により求める。この差温度△TはROM56のアドレ
ス入力ADDに加えられ、ROM56からは差温度△T
に対応する補正電圧値△Vが読み出される。そして、加
算器57はEEP−ROM42から読み出した制御電圧
r に補正電圧値△Vを加算して補正後の制御電圧値V
r ’=Vr +△Vを出力する。
【0052】一方、デコーダ58は差温度△T≒0(即
ち、T≒Tr )か否かを検出しており、T≒Tr (略同
一又は厳密に同一)であるとEEP−ROM42の書込
付勢信号を出力する。これにより、本器の製造当初は常
温Tr における制御電圧設定値はVr であったものが、
長時間の稼働により常温Tr における実制御電圧値がV
r とは異なっていても、この異なる制御電圧値Vr を実
質常温Tr と対で記憶したことになり、こうしてVCX
O21の様々な特性変化(経時変化)も吸収できる。以
下、タイミングチャートに従って一例の動作を具体的に
説明する。
【0053】図9は第2の実施の形態における他のVC
記憶部50の動作タイミングチャートを示している。工
場出荷当初のEEP−ROM42は例えば常温Tr にお
ける制御電圧の初期設定値Vr を記憶している。従っ
て、もしVCXO21が常温T r で起動される場合に
は、この初期値Vr のままでVCXO21を周波数引込
領域にバイアスできる。しかし、この例では起動時t0
における動作温度Tが常温Tr よりも低い。これによ
り、起動時の差温度△T0 =T−Tr が生成され、RO
M56から対応する補正電圧値△V0 が読み出され、補
正後の制御電圧値Vr’=Vr +△V0 が生成される。
この制御電圧値Vr ’は起動時の検出温度TにおけるV
CXO21をその周波数引込領域R0 の略中央にバイア
スするのに十分なものである。従って、VCXO21は
その後速やかに周波数ロック状態(ALM=0)に引き
込まれる。その後は、検出温度T=Tr となる度に、そ
の時点の実制御電圧値Vc がEEP−ROM42に書き
込まれる。但し、図の例では経過時間が短いため、最初
の検出温度T=Tr における実制御電圧値Vc =V
r (デフォルト設定値)である。
【0054】更に、この例ではt1 のタイミングに何ら
かの理由により動作温度Tに急激な変化(上昇)が生じ
ており、この為にサーボ系のループ制御が間に合わず、
VCXO21は周波数アンロック状態(ALM=1)に
離脱してしまった。しかし、本実施の形態によれば、A
LM=1により、セレクタ29ではVC記憶部50の制
御電圧値Vr ’が選択され、この時のVC記憶部50で
は、差温度△T1 =T−Tr が生成され、ROM56か
ら対応する補正電圧値△V1 が読み出され、補正後の制
御電圧値Vr ’=Vr1’+△V1 が生成される。ここ
で、Vr1’は前回のT=Tr (=25°C)のタイミン
グに更新されたEEP−ROM42の制御電圧値であ
る。そして、得られた制御電圧値Vr ’は急激な温度変
化後におけるVCXO21をその周波数引込領域R1
の略中央にバイアスするのに十分なものである。従っ
て、VCXO21はその後速やかに周波数ロック状態
(ALM=0)に引き込まれる。
【0055】またこの例では、t2 のタイミングにルビ
ジウム原子発振器の電源をOFFにし、かつt3 のタイ
ミングに電源を再度ONにしている。その際にはALM
=1によりVC記憶部50の制御電圧値Vr ’が選択さ
れ、この時のVC記憶部50では、差温度△T3 =T−
r が生成され、ROM56から対応する補正電圧値△
3 が読み出され、補正後の制御電圧値Vr ’=Vr3
+△V3 が生成される。この制御電圧値Vr ’はルビジ
ウム原子発振器の再起動時におけるVCXO21をその
周波数引込領域R3 の略中央にバイアスするのに十分な
ものである。従って、VCXO21はその後速やかに周
波数ロック状態(ALM=0)に引き込まれる。以下、
同様である。
【0056】本実施の形態では検出温度T=Tr (常温
25°C)における実制御電圧VcをEEP−ROM4
2に記憶する構成により、回路(VCXO21等)の様
々な特性変化(構成素子の経年変化等を含む)にも適正
に対処できる。即ち、本器の製造当初は常温Tr におけ
る制御電圧はVr であったが、長時間の稼働後は例えば
常温Tr における制御電圧はVr でないかも知れない。
しかし、本実施の形態によれば常温Tr における新たな
制御電圧値Vr ’を記憶する構成により、VCXO21
等における様々な特性変化を吸収できる。
【0057】なお、上記各実施の形態では具体的な数値
例を伴って説明をしたが、本発明はこれらの数値例に限
定されないことは言うまでも無い。
【0058】また、上記各実施の形態ではルビジウム原
子発振器への適用例を述べたが、本発明は他の種類の原
子(セシウム等)による原子発振器にも適用できること
は明らかである。
【0059】また、上記各実施の形態では、ルビジウム
原子の共鳴周波数を基準とする場合を述べたが、本発明
は他の様々な手段(受信クロック信号等)による周波数
を基準とするような発振器にも適用できることは言うま
でも無い。
【0060】また、上記本発明に好適なる複数の実施の
形態を述べたが、本発明思想を逸脱しない範囲内で各部
の構成、制御、及びこれらの組合せの様々な変更が行え
ることは言うまでも無い。
【0061】
【発明の効果】以上述べた如く本発明によれば、常に所
要の出力周波数を高精度かつ高安定に出力可能な発振器
を小型かつ廉価に提供でき、この種の発振器の普及に寄
与する所が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明する図である。
【図2】第1の実施の形態によるルビジウム原子発振器
を説明する図である。
【図3】第1の実施の形態における積分器30の構成を
示す図である。
【図4】第1の実施の形態におけるVC記憶部の構成を
示す図である。
【図5】第2の実施の形態によるルビジウム原子発振器
の構成を示す図である。
【図6】第2の実施の形態におけるVC記憶部を説明す
る図(1)である。
【図7】第2の実施の形態におけるVC記憶部を説明す
る図(2)である。
【図8】第2の実施の形態におけるVC記憶部を説明す
る図(3)である。
【図9】第2の実施の形態におけるVC記憶部を説明す
る図(4)である。
【図10】従来技術を説明する図(1)である。
【図11】従来技術を説明する図(2)である。
【図12】従来技術を説明する図(3)である。
【符号の説明】
10 原子共鳴器(OMU) 21 電圧制御水晶発振器(VCXO) 22 周波数合成部 23 低周波発振器 24 増幅器(AMP) 25 同期検波器 26 積分器 30 積分器 40 制御電圧(VC)記憶部 50 VC記憶部 60 温度検出部 70 恒温槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松浦 秀行 宮城県仙台市青葉区一番町1丁目2番25号 富士通東北ディジタル・テクノロジ株式 会社内 (72)発明者 中島 義文 宮城県仙台市青葉区一番町1丁目2番25号 富士通東北ディジタル・テクノロジ株式 会社内 (72)発明者 古山 義人 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 中牟田 浩志 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 5J106 AA01 BB01 CC09 CC34 DD08 DD33 EE02 EE10 GG01 HH01 HH10 JJ01 KK05 KK08 KK13 KK15 LL04

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御電圧により周波数を可変な電圧制御
    発振器と、電圧制御発振器の出力と基準となる周波数と
    の比較に基づきその周波数差に応じた信号を出力する比
    較器と、比較器の出力信号に基づき周波数差を零とする
    様な前記制御電圧を生成するサーボ回路とを備える発振
    器において、 比較器の出力信号に基づきサーボ回路のロック/アンロ
    ック状態を検出する検出手段と、 検出手段がロック状態を検出している時の制御電圧値を
    記憶する不揮発性のメモリと、 通常はサーボ回路の出力の制御電圧を電圧制御発振器に
    供給すると共に、検出手段がアンロック状態を検出して
    いる場合はメモリの制御電圧値を電圧制御発振器に供給
    する切替手段とを備えることを特徴とする発振器。
  2. 【請求項2】 メモリは最初の起動時のサーボ回路を周
    波数引込領域内にバイアス可能な制御電圧値を予め記憶
    していることを特徴とする請求項1に記載の発振器。
  3. 【請求項3】 制御電圧により周波数を可変な電圧制御
    発振器と、電圧制御発振器の出力と基準となる周波数と
    の比較に基づきその周波数差に応じた信号を出力する比
    較器と、比較器の出力信号に基づき周波数差を零とする
    様な前記制御電圧を生成するサーボ回路とを備える発振
    器において、 発振器の動作温度を検出する温度検出手段と、 比較器の出力信号に基づきサーボ回路のロック/アンロ
    ック状態を検出する検出手段と、 検出手段がロック状態を検出している時の検出温度値を
    同時点の制御電圧値と対で記憶する不揮発性のメモリ
    と、 温度検出手段による現時点の検出温度とメモリから読み
    出した温度値との差温度を求める手段と、 前記求めた差温度に対応する制御電圧値の補正値を生成
    する手段と、 メモリから読み出した制御電圧値を前記生成した補正値
    で補正する手段と、 通常はサーボ回路の出力の制御電圧を電圧制御発振器に
    供給すると共に、検出手段がアンロック状態を検出して
    いる場合は前記補正後の制御電圧値を電圧制御発振器に
    供給する切替手段とを備えることを特徴とする発振器。
  4. 【請求項4】 メモリは所定の温度値と、該温度におけ
    るサーボ回路を周波数引込領域内にバイアス可能な制御
    電圧値とを予め対で記憶していることを特徴とする請求
    項3に記載の発振器。
  5. 【請求項5】 制御電圧により周波数を可変な電圧制御
    発振器と、電圧制御発振器の出力と基準となる周波数と
    の比較に基づきその周波数差に応じた信号を出力する比
    較器と、比較器の出力信号に基づき周波数差を零とする
    様な前記制御電圧を生成するサーボ回路とを備える発振
    器において、 発振器の動作温度を検出する温度検出手段と、 比較器の出力信号に基づきサーボ回路のロック/アンロ
    ック状態を検出する検出手段と、 検出手段がロック状態を検出し、かつ温度検出手段の検
    出温度が所定の基準値と等しい時の制御電圧値を記憶す
    る不揮発性のメモリと、 温度検出手段による現時点の検出温度と所定の基準温度
    値との差温度を求める手段と、 前記求めた差温度に対応する制御電圧値の補正値を生成
    する手段と、 メモリから読み出した制御電圧値を前記生成した補正値
    で補正する手段と、 通常はサーボ回路の出力の制御電圧を電圧制御発振器に
    供給すると共に、検出手段がアンロック状態を検出して
    いる場合は前記補正後の制御電圧値を電圧制御発振器に
    供給する切替手段とを備えることを特徴とする発振器。
  6. 【請求項6】 メモリは基準温度におけるサーボ回路を
    周波数引込領域内にバイアス可能な制御電圧値を予め記
    憶していることを特徴とする請求項5に記載の発振器。
  7. 【請求項7】 メモリに書き込むべき情報を所定時間遅
    延させる遅延手段を更に備えることを特徴とする請求項
    1,3又は5に記載の発振器。
  8. 【請求項8】 メモリに書き込むべき一連の情報の移動
    平均値を求める手段を更に備えることを特徴とする請求
    項1,3又は5に記載の発振器。
  9. 【請求項9】 比較器は電圧制御発振器の出力より合成
    されたマイクロ波周波数とルビジウム原子等の原子共鳴
    周波数との比較に基づきその周波数差に応じた信号を出
    力する原子共鳴器であることを特徴とする請求項1乃至
    8の何れか1つに記載の発振器。
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Cited By (4)

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JP2002271197A (ja) * 2001-03-08 2002-09-20 Fujitsu Ltd ルビジウム原子発振器
KR100795478B1 (ko) 2006-04-11 2008-01-16 엘아이지넥스원 주식회사 전압제어발진기
JP2009246744A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Fujitsu Ltd クロック発生機能付き装置、基準周波数等設定方法、および基準周波数等調整方法
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