JP2000209772A - 電流制限器 - Google Patents

電流制限器

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JP2000209772A
JP2000209772A JP11002929A JP292999A JP2000209772A JP 2000209772 A JP2000209772 A JP 2000209772A JP 11002929 A JP11002929 A JP 11002929A JP 292999 A JP292999 A JP 292999A JP 2000209772 A JP2000209772 A JP 2000209772A
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resistor
current limiter
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electric resistance
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JP11002929A
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English (en)
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Isao Okutomi
功 奥富
Takanobu Nishimura
隆宣 西村
Atsushi Yamamoto
敦史 山本
Takashi Kusano
貴史 草野
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Toshiba Corp
Shibafu Engineering Corp
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Toshiba Corp
Shibafu Engineering Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな過電流が流れた場合でも電流制限素子
が破断することなく、かつ、高い電流制限比を有する電
流制限器を提供する。 【解決手段】 電流制限器1を、電気抵抗値が正の温度
係数を有する抵抗体R1を配した主回路2と、これに並
列に電気抵抗値が負の温度係数を有する抵抗体R2を配
した副回路3で構成し、副回路3は、スイッチSwを介
して接地される。定常時は大部分の電流が主回路2を通
して負荷4に流れるが、過電流発生時は、大部分の電流
が接地した副回路3に流れるように、両抵抗体R1、R
2の抵抗値の比率が切り替わり、過電流発生時に負荷4
へ電流が流れることを阻止する。これにより、電流制限
素子が破断することなく過電流制限が行なえる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気機器に流れる
過電流を制限して回路を保護する電流制限器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電気設備の大容量化に伴い、短絡
事故などで発生する過電流は、増大する傾向にある。こ
のような場合、短絡容量を十分満足する大形遮断器を用
意することは経済的に大きな負担となっている。最近で
は、従来からの遮断容量が比較的小さなの遮断器を多数
直列に配した構成の電流制限器を接続することによっ
て、電流を制限し、大きな遮断容量を確保することが行
われている。
【0003】従来の電流制限器は、例えばFe、Fe−
Co合金のように常温で比較的低い比抵抗を有し、高温
では高い比抵抗となるような大きな電気抵抗の温度係数
を有する材料を用い、この両端に接続用端子を固着する
と共に絶縁被覆をしたもので、遮断器に直列に接続し、
過電流が流れた場合に発生するジュール熱により発生し
た温度で抵抗を増大させ、過電流を制限させるものであ
る。
【0004】一方、最近の大容量の電流制限において
は、定常時での常温と、短絡時での高温の比抵抗の比率
は、100倍から1000倍といった大きな抵抗変化が
要求される。
【0005】しかしながら従来のFe、Fe−Co合金
を用いた電流制限器では、常温での比抵抗は、それぞれ
10μΩcm、6μΩcm程度でかなり低抵抗値である
が、300℃でのそれは常温の8倍程度に過ぎない。そ
のために十分な電流制限効果が得られなかった。
【0006】大きい抵抗の変化率を得る他の技術として
は、正の電気抵抗の温度係数材料(PTC)として用い
られる代表的なものにSr、Pb、Ceなどの微量添加
物を含有したBaTi03 セラミックスがある。しか
し、これらは常温時の比抵抗が約10Ωcmと高いため
電圧降下が大きくなり大電力用途に用いることは困難で
ある。また、そのPTC現象が粒界層に起因する機構に
依っているため大電流用途に用いることは困難である。
【0007】また、CrやAlを微量含有するV23
セラミックスもPTC抵抗体であることが知られてい
る。しかしながら、同材料は定常電流から過電流に移行
した時、電流の集中化が起こり、集中した部分が急激に
加熱し、破断するという現象が見られる。そのために電
流制限動作終了後に定常状態に復帰させることが出来な
くなるという問題があった。
【0008】以上説明したように、電流制限器として従
来から二、三の技術が開発され、いずれも実用に供せら
れてはいるが、最近の大容量化、信頼性向上要求に対し
改良が必要となっている。すなわち、上記したFe、F
e−Co系電流制限素子では、経済性、作業性、定常時
の低抵抗値など優れた特性のため、現在も多用されてい
るが、一層大きな電流制限比を要求される大電流分野へ
の適用には不向きである。
【0009】また、上記したBaTiO3 系やV23
系などのセラミックスPTC抵抗体は、過電流時に大き
な電流制限比が得られるものの、過電流により破断する
といった致命的な欠陥があり、このままでは大容量用途
の電流制限器としては使用できない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、現在
の高い電流制限比を有するBaTiO3 やV23 など
のセラミックス系PTC抵抗体においては過電流によっ
て素子が破損するという問題がある。そこで本発明の目
的は、大きな過電流が流れた場合でも電流制限素子が破
断することなく、かつ、高い電流制限比を有する電流制
限器を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
に係る電流制限器は、電気抵抗値が正の温度係数を有す
る第1の抵抗体からなる主回路と、電気抵抗値が負の温
度係数を有する第2の抵抗体からなる副回路とを並列に
し、副回路に接地を配することを特徴とする。
【0012】このような構成により、定常時と過電流が
発生したときに並列に配した主回路と副回路の電流密度
の配分が切り替わり、過電流が主回路側に流れないよう
にすることができる。従って、一つの抵抗体素子に大き
な負荷をかけること無く過電流を制限できることから素
子の破壊を防止し、たとえ副回路が破損しても、主回路
は回復できる。
【0013】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記
載の電流制限器において、定常時における第1の抵抗体
の電気抵抗値r1と第2の抵抗体の電気抵抗値r2との
比r1/r2が0.1以下であることを特徴とする。
【0014】請求項3に記載の本発明は、請求項1に記
載の電流制限器において、定常時の3倍以上の電流が流
れた時の前記第1の抵抗体の電気抵抗値r3と前記第2
の抵抗体の電気抵抗値r4との比r3/r4が10以上
であることを特徴とする。
【0015】請求項4に記載の本発明に係る電流制限器
は、電気抵抗値が正の温度係数を有する第1の抵抗体と
発熱用の第3の抵抗体が並列に配された主回路と、電気
抵抗値が負の温度係数を有する第2の抵抗体からなる副
回路とを並列にし、副回路に接地を配することを特徴と
する。
【0016】このような構成により、定常時と過電流が
発生したときに並列に配した主回路と副回路の電流密度
の配分が切り替わり、過電流が主回路側に流れないよう
にすることができる。従って、一つの抵抗体素子に大き
な負荷をかけること無く過電流を制限できることから素
子の破壊を防止し、たとえ副回路が破損しても、主回路
は回復できる。
【0017】請求項5に記載の本発明は、請求項4に記
載の電流制限器において、定常時における第1の抵抗体
の電気抵抗値r1と、第2の抵抗体の電気抵抗値r2
と、第3の抵抗体の電気抵抗値r5との比r1:r2:
r5が、1:10以上:5以上であることを特徴とす
る。
【0018】請求項6に記載の本発明は、請求項4に記
載の電流制限器において、定常時の3倍以上の電流が流
れたときの第1の抵抗体の電気抵抗値r3と、第2の抵
抗体の電気抵抗値r4と、第3の抵抗体の電気抵抗値r
6との比r3:r4:r6が、1:0.1以下:0.5
以下であることを特徴とする。
【0019】請求項7に記載の本発明に係る電流制限器
は、電気抵抗値が正の温度係数を有する第1の抵抗体と
発熱用の第3の抵抗体とを並列に配することを特徴とす
る。このような構成により、過電流制限動作の迅速性を
向上させることができる。
【0020】請求項8に記載の本発明は、請求項1また
は請求項4または請求項7に記載の電流制限器におい
て、各抵抗体が絶縁体を介して近接し、さらにこれらの
抵抗体を束ねた外周が断熱材で覆われていることを特徴
とする。
【0021】請求項9に記載の本発明は、請求項1また
は請求項4または請求項7に記載の電流制限器におい
て、第1の抵抗体は、室温(例えば、−30℃〜+30
℃)での固有抵抗が40μΩcm以上、10Ωcm以下
であり、室温から800℃までの温度上昇に伴う電気抵
抗の増大率が5倍以上の抵抗体であることを特徴とす
る。
【0022】請求項10に記載の本発明は、請求項9に
記載の電流制限器において、第1の抵抗体が、鉄、N
i、Co、B、Fe−Co合金、またはFe−Ni合金
であることを特徴とする。
【0023】請求項11に記載の本発明は、請求項9に
記載の記載の電流制限器において、第1の抵抗体が、B
aTiO3 系酸化物、またはV23 系酸化物であるこ
とを特徴とする。
【0024】請求項12に記載の本発明は、請求項9に
記載の電流制限器において、第1の抵抗体が、ポリマー
樹脂と導電粒子の複合材であることを特徴とする。請求
項13に記載の本発明は、請求項1または請求項4に記
載の電流制限器において、第2の抵抗体は、室温(例え
ば、−30℃〜+30℃)での固有抵抗が0.4Ωcm
以上106 Ωcm以下であり、室温から200℃までの
温度上昇に伴う電気抵抗低下率が10分の1以下である
ことを特徴とする。
【0025】請求項14に記載の本発明は、請求項13
に記載の電流制限器において、第2の抵抗体が、VO2
系酸化物であることを特徴とする。請求項15に記載の
本発明は、請求項13に記載の電流制限器において、第
2の抵抗体が、LiCo系酸化物、Se系金属間化合
物、またはSb系金属間化合物であることを特徴とす
る。
【0026】請求項16に記載の本発明は、請求項13
に記載の電流制限器において、第2の抵抗体が、Ag2
S系硫化物であることを特徴とする。請求項17に記載
の本発明は、請求項13に記載の電流制限器において、
第2の抵抗体が、ボロンであることを特徴とする。
【0027】請求項18に記載の本発明は、請求項4ま
たは請求項7に記載の電流制限器において、第3の抵抗
体は、室温付近での固有抵抗値が0.2Ωcm以上、5
00Ωcm以下であり、定常時および過電流時の温度で
第1の抵抗体の電気抵抗値と第2の抵抗体の電気抵抗値
との間の電気抵抗値であることを特徴とする。
【0028】請求項19に記載の本発明は、請求項18
に記載の電流制限器において、第3の抵抗体が、Ni−
Cr系合金、Ba−Ti系酸化物、またはSiCである
ことを特徴とする。
【0029】請求項20に記載の本発明は、請求項6に
記載の本発明は、請求項1または請求項4に記載の電流
制限器において、副回路の接地を切り離すことが可能な
手段を設けることにより、主回路のみが負荷と電源との
間に直列に挿入された回路に切替え可能とすることを特
徴とする電流制限器。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について詳細に説明する。なお、以下の図におい
て、同符号は同一部分または対応部分を示す。
【0031】(第1の実施形態)まず、本発明の第1の
実施形態に係る電流制限器の構成を、図1を用いて説明
する。
【0032】図1において、電流制限器1は、抵抗体R
1を配した主回路2と、これに並列に抵抗体R2を配し
た副回路3で構成された抵抗器であり、主回路2は電気
製品などの負荷4に接続されており、一方の副回路3
は、スイッチSwを介して接地されている。
【0033】定常時は大部分の電流が主回路2を通して
負荷4に流れるが、過電流発生時は、大部分の電流が接
地した副回路3に流れるように、主回路2の抵抗体R1
と副回路3の抵抗体R2の抵抗値の比率が切り替わるよ
うな動作をするもので構成されている。
【0034】その結果、過電流発生時に負荷4へ電流が
流れることを阻止するものである。上記の電流制限器1
において主回路2と副回路3への電流の配分が切り替わ
る動作を、図2を用いて説明する。
【0035】まず、主回路2の抵抗体R1は、定常時は
比較的常温に近い温度域で低い抵抗値r1を有する。過
電流の発生により抵抗体R1はジュール熱により自己発
熱し、温度が定常時の温度T1から過電流発生時の温度
T2に上昇する。この抵抗体R1は温度上昇により抵抗
値が増大する材料で構成されている。いわば、抵抗体R
1はその電気抵抗値が正の温度係数を有するPTC素子
である。
【0036】一方、副回路3の抵抗体R2は定常時の温
度T1では高い抵抗値r2であるが、過電流発生時にR
1からの熱伝達により温度T2になると急激に抵抗値が
r4まで低下するような負の温度係数を有する抵抗体材
料で構成されている。いわば、NTC素子およびCTC
(急変抵抗体)素子である。
【0037】上記の抵抗値r1ないしr4までの抵抗値
は、電流制限器1の用途に応じて適正レベルが設定され
る。抵抗値r1は、定常時に電圧ロスなしであることが
理想であり、十分に低い値が要求される。一方、抵抗値
r2は抵抗体R2には電流がほとんど流れないことが理
想であり、r1/r2の比率が十分に小さいことが必要
である。過電流発生時は、抵抗体1と抵抗体R2は逆転
し、抵抗値r3が高く、r4が十分に低いことが理想で
ある。つまり、r3/r4比が十分に大きいことが良
い。r3の抵抗側には電流が流れなくなると抵抗体R1
のジュール熱は発生しなくなるので、電流制限器1全体
の温度は低下し、やがて抵抗値が定常時の状態に復帰す
るとともに主回路2と副回路3の電流の配分も復帰す
る。
【0038】ここで、抵抗体R1は、例えば、室温での
固有抵抗が40μΩcm以上、10Ωcm以下であり、
室温から800℃までの温度上昇に伴う電気抵抗の増大
率が5倍以上の抵抗体を用いる。また、抵抗体R2は、
例えば、室温での固有抵抗が0.4Ωcm以上106 Ω
cm以下であり、室温から200℃までの温度上昇に伴
う電気抵抗低下率が10分の1以下の抵抗体を用いる。
【0039】従来のPTC抵抗体のみを用いるタイプの
電流制限器の場合、大電流で急激に昇温するとPTC素
子にクラックが発生して破壊し、復帰できないといった
問題があったが、大電流はCTC(NTC)素子に流れ
るため破壊しない。
【0040】たとえ、副回路3の抵抗体R2が損なわれ
ても、主回路2は通電可能であり、復帰時の負荷4の停
電による大きな損害を回避できる。また、従来のPTC
素子の代表的な材料であるBaTiO3 は、そのPTC
現象が粒界の電位障壁に基づいているため電圧依存性が
あり、電力用のような大電流には使用できなかったが、
この電流制限器1の構成での抵抗体R1には、大電流が
制限されるので使用が可能となる。
【0041】図2の定常時の温度T1は室温(例えば、
−30℃〜+30℃)が一般的であるが、使用条件によ
り設定された温度で考えても良い。この温度T1での各
抵抗値の比r1:r2としては、1:10以上、好まし
くは1:50以上である。
【0042】また、過電流発生時の温度T2も使用条件
により設定が決まる。例えば、定常時の3倍以上の電流
が流れた時の温度T2での各抵抗値の比r3:r4は1
0以上:1であり、好ましくは50以上:1である。
【0043】副回路3の抵抗体R2の材料としては、お
よそ60℃付近から数百℃の範囲での臨界温度で急激に
電気抵抗が低下するCTC抵抗体であることが望まし
い。このようなCTC抵抗体としては、VO2 系とAg
2 S系がある。
【0044】VO2 系はV25 にCaO、SrO、B
aO、PbOなどの塩基性酸化物とP25 、SiO
2 、B23 などの酸性酸化物を混合して溶解し、適当
な弱還元性雰囲気で熱処理した後急冷することによって
得られる。
【0045】これで得られたVO2 を昇温すると約70
℃付近で半導体と金属の転移を起こし、電気抵抗が急激
に低下する。この実施形態における抵抗体R2として
は、V6040系酸化物を用いた。室温付近の電気抵抗は
3×104 Ωであり、70℃付近で急激に降下し、10
0℃で約0.7Ωまで低下する。
【0046】この抵抗体がVO2 単結晶の場合は上記の
転移で結晶が崩壊してしまうが、この実施形態のような
複合酸化物の場合はVO2 微細結晶の間隙に半ガラス状
の酸化物が存在する構造であるため、転移でも崩壊しな
い特徴がある。
【0047】VO2 −B系酸化物と同様に、CTC抵抗
体にはVO2 −P系酸化物(V8411Ca5 −O、V74
21Ba5 −Oなど)、VO2 −Si系酸化物やAg2
S系硫化物も適用できる。また、CTCではないが、電
気抵抗値が負の温度係数であるNTCにおいて抵抗値低
下率が大きな材料も実施可能である。Li8 Co92酸化
物、Li8 Co46Ni46酸化物などの遷移金属酸化物、
あるいはWSe、ReSe2 などのセレン化合物やMg
3 Sb2 といった金属間化合物が使用できる。金属材料
としてはB(ボロン)も有効なNTC特性を有する。
【0048】一方、主回路2の抵抗体R1の材料として
は、室温付近の定常時の抵抗が低く、数百℃に温度上昇
するに伴い電気抵抗が増大するPTC抵抗体である。こ
の実施形態における抵抗体R2のVO2 −B系酸化物C
TCが100℃以上で1オーム以下であるため、抵抗体
R1の電気抵抗値は100オーム以上であれば主回路に
配分される電流密度は約1%となる。
【0049】常温では10Ωcm以下としては、鉄、N
i、Co、B、Fe−Co合金、Fe−Ni合金等の金
属材料があり、酸化物系材料としては、V23 系やB
aTiO3 系がある。
【0050】V23 系ではVの一部をCrで置換した
(V0.997 Cr0.00323 があり、BaTiO3
ではBaの一部をPbで置換した(Ba50Pb50)Ti
3がある。
【0051】ポリマー系では、ポリエチレン樹脂、シリ
コン樹脂等のポリマー樹脂に導電粒子を複合化した材料
も顕著なPTC特性を示す。導電粒子としては、Cu、
Ag、C、Ni、Alがある。ポリエチレン樹脂に導電
粒子としてカーボンを50wt%分散させた複合材は室
温での0.4Ωcmから約130℃の温度での400Ω
cmまで抵抗値が増大する。
【0052】以上説明した抵抗体R1および抵抗体R2
用の材料を用いて、電流制限器1を構成するには過電流
発生時に短時間で抵抗体R1に発生した熱を抵抗体R2
に伝達する必要がある。そのために抵抗体R1と抵抗体
R2は絶縁体を介して近接させ、それらの周囲を断熱材
で覆って熱発散を防ぐ構造とする。つまり、抵抗体同士
はエナメル膜のような絶縁薄膜でコーティングされて重
ね合わせてあり、それらを束ねた外周はセラミックス繊
維などの断熱材で被覆されている。
【0053】以上のような構成の電流制限器は、事故発
生時に事故点への電流供給を抑制するために副回路3を
通して電流が接地に流れ、大きな電圧降下となる。それ
が、システム全体としては問題である場合にもこの実施
形態の電流制限器の接続ができるようにするには、図1
に示すように、副回路3の接地を切り離すスイッチSw
を設けておけば良い。
【0054】(第2の実施形態)次に、本発明の第2の
実施形態に係る電流制限器の構成を、図3を用いて説明
する。
【0055】図3においては、図1に示す第1の実施形
態における電流制限器1の主回路2に、抵抗体R1と並
列に抵抗体R3が配列されている。この抵抗体R3は発
熱回路5である。この発熱回路5の抵抗体R3を加える
ことにより、過電流が主回路2に流れる時、抵抗体R1
と抵抗体R2の温度を急速に上昇させることができる。
【0056】ここで、抵抗体R1と抵抗体R2は、例え
ば、第1の実施形態における抵抗体R1と抵抗体R2に
適用できる抵抗体を用いることとし、第3の抵抗体は、
例えば、室温付近での固有抵抗値が0.2Ωcm以上、
500Ωcm以下であり、定常時および過電流時の温度
で抵抗体R1の電気抵抗値と抵抗体R2の電気抵抗値と
の間の電気抵抗値のものを用いる。
【0057】この構成における各抵抗体R1、R2、R
3の抵抗値の比率の変化を図4を用いて説明する。図4
において、定常時の温度T1で、発熱回路5の抵抗体R
3の抵抗値r5は主回路2の抵抗体R1の抵抗値r1に
比べて高いものであり、発熱しない。過電流が流れると
抵抗体R3が発熱して温度T2になる。温度T2では抵
抗体R3の抵抗値r6は、抵抗体R2の抵抗値r4に比
べて十分に高い値であり、流れる電流密度は小さくなる
ので発熱は少なくなっていき、やがて定常温度T1に復
帰する。
【0058】定常時の温度T1での抵抗値r1:r2:
r5の比は、1:10以上:5以上であり、好ましくは
1:100以上:50以上である。さらに過電流時、例
えば、定常時の3倍以上の電流が流れた時の温度T2で
は抵抗値r3:r4:r6の比は、1:0.1以下:
0.5以下であり、好ましくは1:0.01以下:0.
05以下である。
【0059】この実施形態は、過電流発生時に抵抗体R
1のジュール熱よりも短時間に発熱できる抵抗体R3を
採用したものであるが、抵抗体R3の材料としては、発
熱効率の良好なNiCr合金が経済的である。
【0060】その他、抵抗値が比較的高いPTC抵抗体
を用いることで発熱と共に抵抗が大きくなり、瞬時に抵
抗体R1および抵抗体R2を加熱でき、事故の拡大を防
止できる。そのような抵抗材料としては、BaTiO3
系サーミスタやSiCがある。
【0061】図4において、抵抗体R3の抵抗値は、定
常時の温度T1と過電流発生時の温度T2のいずれにお
いても抵抗体R1と抵抗体R2の間であることが必要で
ある。温度T1では、抵抗値r5を抵抗値r1に対して
5倍以上に大きくすることで発熱を抑える。また、抵抗
値r5を抵抗値r2よりも小さくすることで、主回路2
の抵抗を小さくして、発熱損失と抵抗値r2の抵抗体R
2へのロスを防ぐ。
【0062】温度T2では抵抗値r6を抵抗値r4より
大きくすることで主回路2への電流を回避する。また、
抵抗値r6を抵抗値r3より小さくすることで発熱分の
電流を確保する。
【0063】なお、この第2の実施形態においても、第
1の実施形態と同様に、抵抗体R1、抵抗体R2、及び
抵抗体R3は絶縁体を介して近接させ、それらを束ねた
外周をセラミックス繊維などの断熱材で被覆する。
【0064】また、この第2の実施形態においても、過
電流発生時にシステム全体への電圧降下を防止する必要
がある場合に対処できるように副回路3の接地を切り離
すスイッチSwを設ける。
【0065】以上説明したように第1及び第2の実施形
態の電流制限器は、定常時と過電流が発生したときに並
列に配した主回路と副回路の電流密度の配分が切り替わ
り、過電流が主回路側に流れないようにすることを実現
するものであり、一つの抵抗体素子に大きな負荷をかけ
ること無くできることから素子の破壊を防止し、たとえ
副回路が破損しても、主回路は回復できるという信頼性
の高い電流制限器を得ることができる。
【0066】(第3の実施形態)次に、本発明の第3の
実施形態に係る電流制限器の構成を、図5を用いて説明
する。
【0067】図5に示すように、この第3の実施形態の
電流制限器1は、主回路2の抵抗体R1と、発熱回路5
としての抵抗体R3だけを並列に接合した電流制限器で
ある。
【0068】この構成における各抵抗体R1、R3の抵
抗値の比率の変化を図6を用いて説明する。図6に示す
ように、定常時の温度T1での抵抗値r1:r5の比
は、例えば1:100以上であるため、抵抗体R3には
微少電流しか流れないが、過電流発生時には、抵抗体R
3のジュール熱により急速に温度T2に到達する。これ
により、抵抗体R1のジュール熱による抵抗値の増大速
度を増幅する。この結果、異常時の抵抗値は、r3*r
5/(r3+r5)となる。
【0069】即ち、この第3の実施形態の電流制限器
は、反応の迅速性を向上させることに特徴がある。な
お、これらの各抵抗体R1、R3に使用される材料は、
前述の各実施形態における各抵抗体R1、R3に適用で
きる材料を用いることができる。
【0070】また、この第3の実施形態においても、前
述の各実施形態と同様に、抵抗体R1、及び抵抗体R3
は絶縁体を介して近接させ、それらを束ねた外周をセラ
ミックス繊維などの断熱材で被覆する。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る主回
路と副回路からなる電流制限器を電源と負荷の間に直列
に挿入することにより、事故で過電流が発生した時、主
回路の抵抗体のジュール熱により、接地した副回路の抵
抗体の電気抵抗が主回路の抵抗体よりも低下することに
より、過電流を負荷に流れることを防止できる。この
際、従来のPTC型抵抗体のみの直列配列では、加熱に
より抵抗体が崩壊する問題があったが、CTCあるいは
NTC抵抗体への電流の配分により、抵抗体の崩壊を防
止できる。また、副回路の接地への接続を切替えできる
ようにすることで、全体システムヘの電圧降下による損
害を防止することも可能にできる。また、本発明に係る
過電流を制限する抵抗体に発熱用の抵抗体を並列に配し
た電流制限器によれば、過電流制限動作の迅速性を向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る電流制限器の第1の実施形態の
回路構成図。
【図2】 本発明の第1の実施形態における抵抗体の抵
抗値−温度の関係を示す図。
【図3】 本発明に係る電流制限器の第2の実施形態の
回路構成図。
【図4】 本発明の第2の実施形態における抵抗体の抵
抗値−温度の関係を示す図。
【図5】 本発明に係る電流制限器の第3の実施形態の
回路構成図。
【図6】 本発明の第3の実施形態における抵抗体の抵
抗値−温度の関係を示す図。
【符号の説明】
1…電流制限器 2…主回路 3…副回路 4…負荷 5…発熱回路 Sw…スイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 隆宣 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 山本 敦史 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 草野 貴史 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 Fターム(参考) 5G013 AA01 AA02 AA04 AA09 BA01 CA02

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気抵抗値が正の温度係数を有する第1の
    抵抗体からなる主回路と、電気抵抗値が負の温度係数を
    有する第2の抵抗体からなる副回路とを並列にし、前記
    副回路に接地を配することを特徴とする電流制限器。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の電流制限器において、定
    常時における前記第1の抵抗体の電気抵抗値r1と前記
    第2の抵抗体の電気抵抗値r2との比r1/r2が0.
    1以下であることを特徴とする電流制限器。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の電流制限器において、定
    常時の3倍以上の電流が流れた時の前記第1の抵抗体の
    電気抵抗値r3と前記第2の抵抗体の電気抵抗値r4と
    の比r3/r4が10以上であることを特徴とする電流
    制限器。
  4. 【請求項4】電気抵抗値が正の温度係数を有する第1の
    抵抗体と発熱用の第3の抵抗体が並列に配された主回路
    と、電気抵抗値が負の温度係数を有する第2の抵抗体か
    らなる副回路とを並列にし、前記副回路に接地を配する
    ことを特徴とする電流制限器。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の電流制限器において、定
    常時における前記第1の抵抗体の電気抵抗値r1と、前
    記第2の抵抗体の電気抵抗値r2と、前記第3の抵抗体
    の電気抵抗値r5との比r1:r2:r5が、1:10
    以上:5以上であることを特徴とする電流制限器。
  6. 【請求項6】請求項4に記載の電流制限器において、定
    常時の3倍以上の電流が流れたときの前記第1の抵抗体
    の電気抵抗値r3と、前記第2の抵抗体の電気抵抗値r
    4と、前記第3の抵抗体の電気抵抗値r6との比r3:
    r4:r6が、1:0.1以下:0.5以下であること
    を特徴とする電流制限器。
  7. 【請求項7】電気抵抗値が正の温度係数を有する第1の
    抵抗体と発熱用の第3の抵抗体とを並列に配することを
    特徴とする電流制限器。
  8. 【請求項8】請求項1または請求項4または請求項7に
    記載の電流制限器において、前記各抵抗体が絶縁体を介
    して近接し、さらにこれらの抵抗体を束ねた外周が断熱
    材で覆われていることを特徴とする電流制限器。
  9. 【請求項9】請求項1または請求項4または請求項7に
    記載の電流制限器において、前記第1の抵抗体は、室温
    での固有抵抗が40μΩcm以上、10Ωcm以下であ
    り、室温から800℃までの温度上昇に伴う電気抵抗の
    増大率が5倍以上の抵抗体であることを特徴とする電流
    制限器。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の電流制限器において、
    前記第1の抵抗体が、鉄、Ni、Co、B、Fe−Co
    合金、またはFe−Ni合金であることを特徴とする電
    流制限器。
  11. 【請求項11】請求項9に記載の記載の電流制限器にお
    いて、前記第1の抵抗体が、BaTiO3 系酸化物、ま
    たはV23 系酸化物であることを特徴とする電流制限
    器。
  12. 【請求項12】請求項9に記載の電流制限器において、
    前記第1の抵抗体が、ポリマー樹脂と導電粒子の複合材
    であることを特徴とする電流制限器。
  13. 【請求項13】請求項1または請求項4に記載の電流制
    限器において、前記第2の抵抗体は、室温での固有抵抗
    が0.4Ωcm以上106 Ωcm以下であり、室温から
    200℃までの温度上昇に伴う電気抵抗低下率が10分
    の1以下であることを特徴とする電流制限器。
  14. 【請求項14】請求項13に記載の電流制限器におい
    て、前記第2の抵抗体が、VO2 系酸化物であることを
    特徴とする電流制限器。
  15. 【請求項15】請求項13に記載の電流制限器におい
    て、前記第2の抵抗体が、LiCo系酸化物、Se系金
    属間化合物、またはSb系金属間化合物であることを特
    徴とする電流制限器。
  16. 【請求項16】請求項13に記載の電流制限器におい
    て、前記第2の抵抗体が、Ag2 S系硫化物であること
    を特徴とする電流制限器。
  17. 【請求項17】請求項13に記載の電流制限器におい
    て、前記第2の抵抗体が、ボロンであることを特徴とす
    る電流制限器。
  18. 【請求項18】請求項4または請求項7に記載の電流制
    限器において、前記第3の抵抗体は、室温付近での固有
    抵抗値が0.2Ωcm以上、500Ωcm以下であり、
    定常時および過電流時の温度で前記第1の抵抗体の電気
    抵抗値と前記第2の抵抗体の電気抵抗値との間の電気抵
    抗値であることを特徴とする電流制限器。
  19. 【請求項19】請求項18に記載の電流制限器におい
    て、前記第3の抵抗体が、Ni−Cr系合金、Ba−T
    i系酸化物、またはSiCであることを特徴とする電流
    制限器。
  20. 【請求項20】請求項1または請求項4に記載の電流制
    限器において、前記副回路の接地を切り離すことが可能
    な手段を設けることにより、前記主回路のみが負荷と電
    源との間に直列に挿入された回路に切替え可能とするこ
    とを特徴とする電流制限器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018008524A1 (ja) * 2016-07-04 2018-01-11 株式会社デンソー 半導体チップおよび半導体装置

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