JP2000211533A - 電動パワ―ステアリング装置 - Google Patents

電動パワ―ステアリング装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 テレスコ操作時における電動アシスト機構と
他の装置との干渉防止等を図った電動パワーステアリン
グ装置を提供する。 【解決手段】 ステアリングコラム1は、ステアリング
ホイール27側に位置する鋼管製のインナコラム31
と、減速ギヤボックス15から後方に延設されたアウタ
コラム33とからなっている。また、ステアリングアッ
パシャフト11は、ステアリングホイール27側のアウ
タシャフト35と、減速ギヤボックス15側のインナシ
ャフト37とからなっている。インナコラム31がアウ
タコラム33に摺動自在に内嵌する一方、セレーション
を介してアウタシャフト35がインナシャフト37に軸
方向のみ摺動自在に外嵌し、これにより、テレスコピッ
ク機構の伸縮部39が構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動パワーステア
リング装置に係り、詳しくは、テレスコ操作時における
電動アシスト機構と他の装置との干渉防止等を図る技術
に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用の操舵系では、外部動力源を用
いて操舵アシストを行わせる、いわゆるパワーステアリ
ング装置が広く採用されている。従来、パワーステアリ
ング装置用の動力源としては、ベーン方式の油圧ポンプ
が一般に用いられており、この油圧ポンプをエンジンに
より駆動するものが多かった。ところが、この種のパワ
ーステアリング装置は、油圧ポンプを常時駆動すること
によるエンジンの駆動損失が大きい(最大負荷時におい
て、数馬力〜十馬力程度)ため、小排気量の軽自動車等
には採用が難しく、比較的大排気量の自動車でも走行燃
費が無視できないほど低下することが避けられなかっ
た。そこで、これらの問題を解決するものとして、電動
モータを動力源とする電動パワーステアリング装置(以
下、EPSと記す)が近年注目されている。EPSで
は、電動モータの電源に車載バッテリを用いるために直
接的なエンジンの駆動損失が無く、電動モータが操舵ア
シスト時にのみに起動されるために走行燃費の低下(オ
ルタネータに係るエンジンの駆動損失)も抑えられる
他、電子制御が極めて容易に行える等の特長を有してい
る。尚、EPSは、電動モータの装着部位によってコラ
ムアシスト型やラックアシスト型等に分類されるが、現
在は製造コストや設置スペース等に優れたコラムアシス
ト型が主流となっている。
【0003】一方、自動車のステアリング装置は、不特
定多数の運転者により使用(操舵)されるため、個人の
体格や運転姿勢等に対応してステアリングホイールの位
置を調整できることが望ましい。このような要望に答え
るべく、乗用車に限らず貨物車等においても、チルト機
構やテレスコピック機構を採用するものが多くなってい
る。チルト機構は、ステアリングホイールの位置を上下
方向に調整するための機構であり、ステアリングコラム
を揺動自在に支持するチルトピボットと、所望の位置
(揺動角度)でステアリングコラムを固定するチルトレ
バー等からなっている。また、テレスコピック機構は、
ステアリングホイールの位置を前後方向(ステアリング
シャフトの軸方向)に調整するための機構であり、ステ
アリングシャフトの伸縮に供される二重管式等の伸縮部
と、所望の位置(伸縮量)でステアリングシャフトを固
定するテレスコレバー等からなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の油圧式パワース
テアリング装置では、チルト機構とテレスコピック機構
とを成立させるべく、次のような方法が採られていた。
例えば、特開平5−262239号公報や特開平6−4
0342号公報等に記載されたステアリング装置では、
チルト機構とテレスコピック機構とを同一部位に形成
し、単一のレバーをアンロック操作することによりチル
ト操作とテレスコ操作とが可能となるようにしている。
ところが、コラムアシスト型電動パワーステアリング装
置において、このような方法を採用した場合、テレスコ
操作時にステアリングコラムに装着された電動アシスト
機構が軸方向に大きく移動する。そのため、電動アシス
ト機構の移動空間を確保するべく、装置密度の高いイン
ストルメントパネル近傍に大きなスペースを設ける必要
が生じ、他の装置の設計自由度が減少する等の不具合が
あった。
【0005】また、実開平6−78155号公報等に記
載されたステアリング装置では、テレスコピック機構の
上部に首振りチルト式のチルト機構を設け、チルト操作
とテレスコ操作とをチルトレバーとテレスコレバーとに
よりそれぞれ行うようにしている。ところが、コラムア
シスト型電動パワーステアリング装置において、このよ
うな方法を採用した場合、テレスコ操作時に電動アシス
ト機構が軸方向に大きく移動することに起因する上述し
た不具合の他、電動アシスト機構が介装されることも相
俟って、ステアリング装置の全長が甚だ長くなり、自動
車への搭載自体が困難になる等の問題もあった。本発明
は、上記状況に鑑みなされたもので、テレスコ操作時に
おける電動アシスト機構と他の装置との干渉防止等を図
った電動パワーステアリング装置を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するべ
く、請求項1の発明では、上端部にステアリングホイー
ルが装着されるステアリングシャフトと、このステアリ
ングシャフトを回動自在に支持するステアリングコラム
と、このステアリングコラムに取り付けられ、前記ステ
アリングホイールの操舵力補助に供される電動アシスト
機構と、前記ステアリングシャフトおよび前記ステアリ
ングコラムを上方部分と下方部分とに分割すると共に、
当該上方部分の揺動支点となるチルトピボットと前記ス
テアリングシャフトの上方部分に形成され、当該ステア
リングシャフトの上方部分の伸縮に供される伸縮部とを
備えた電動パワーステアリング装置において、前記伸縮
部が、前記電動アシスト機構の上方に設けられたものを
提案する。本発明では、伸縮部が電動アシスト機構の上
方に設けられているため、テレスコ操作時における電動
アシスト機構と周辺装置との干渉が生じなくなる。
【0007】また、請求項2の発明では、請求項1の電
動パワーステアリング装置において、単一のロックレバ
ーをアンロック操作することにより、前記チルトピボッ
トを揺動支点とするチルト操作と、前記伸縮部を伸縮さ
せるテレスコ操作とが同時に可能となるものを提案す
る。本発明では、一本のロックレバーでチルト操作とテ
レスコ操作とが行えると共に、ステアリング装置の全長
も比較的短くなる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係
る電動パワーステアリング装置の車室側部分を示す側面
図であり、同図中の符号1はステアリングコラムを示し
ている。ステアリングコラム1は、チルトブラケット3
とピボットピン5とを介して、車体構造部材たるクロス
メンバ7,9に固定されている。ステアリングコラム1
には、その内部にステアリングアッパシャフト11が回
動自在に支持されると共に、先端部に電動モータ13や
減速ギヤボックス15,アウトプットシャフト17等か
らなる電動アシスト機構19が一体化されている。本実
施形態の場合、減速ギヤボックス15は、アルミ合金を
素材とする鋳造品であり、その前端面に固着されたピボ
ットブラケット21にはピボットピン5が回動自在に嵌
挿されている。図1中、23はステアリングインタミシ
ャフトであり、ユニバーサルジョイント25を介してア
ウトプットシャフト17の先端に連結されている。
【0009】ステアリングアッパシャフト11の後端に
はステアリングホイール27が取り付けられており、運
転者がステアリングホイール27を回動させると、その
回転力が電動アシスト機構19により増大された後、ア
ウトプットシャフト17を介してステアリングインタミ
シャフト23に伝達され、更に図示しないステアリング
ロアシャフトを介して車体下部のステアリングギヤに伝
達される。
【0010】第1実施形態では、図2に示したように、
ステアリングコラム1が、ステアリングホイール27側
に位置する鋼管製のインナコラム31と、減速ギヤボッ
クス15から後方に延設されたアウタコラム33とから
なっている。また、ステアリングアッパシャフト11
は、ステアリングホイール27側のアウタシャフト35
と、減速ギヤボックス15側のインナシャフト37とか
らなっている。第1実施形態の場合、インナコラム31
がアウタコラム33に摺動自在に内嵌する一方、セレー
ションを介してアウタシャフト35がインナシャフト3
7に軸方向のみ摺動自在に外嵌し、これにより、テレス
コピック機構の伸縮部39が構成されている。図2中、
符号41,43で示した部材は、インナコラム31とア
ウタシャフト35との間に介装された転がり軸受であ
る。
【0011】図2,図3(図2中のA−A拡大断面図)
に示したように、アウタコラム33の後部下端には略円
筒状のロックブロック51が左右一対保持されている。
これらロックブロック51は、その内側にインナコラム
31の外周面に対峙する傾斜面53を有すると共に、そ
の外端面がアウタコラム33の側面から所定量突出して
いる。また、ロックブロック51の軸心には貫通孔54
が穿設される一方、チルトブラケット3にはピボットピ
ン5を中心とする円弧状の長孔55が形成されており、
これら貫通孔54と長孔55とにロックボルト57が嵌
挿されている。ロックボルト57はロックレバー59と
一体化されたナット61に螺合している。図中、符号6
3で示した部材は、ロックレバー59とナット61とを
締結するボルトである。
【0012】以下、第1実施形態の作用を述べる。運転
者の交代等によってステアリングホイール27の位置が
不適切となった場合、第1実施形態の電動パワーステア
リング装置では、運転者が先ずロックレバー59をアン
ロック側に回動させて、ロックボルト57に対してナッ
ト61を緩める。すると、チルトブラケット3やロック
ブロック51に作用していたロックボルト57の軸力が
消滅し、ステアリングコラム1がピボットピン5を軸に
所定量揺動可能になると同時に、インナコラム31とア
ウタシャフト35とがアウタコラム33やインナシャフ
ト37に対して所定量摺動可能になる。これにより、運
転者は、ステアリングコラム1をチルトあるいはテレス
コ操作させ、ステアリングホイール27を所望の位置に
調整することができる。
【0013】この際、テレスコピック機構の伸縮部39
が電動アシスト機構19の上方に設けられているため、
テレスコ操作による電動アシスト機構19の移動が生じ
ない。また、電動アシスト機構19がピボットピン5の
直上部に位置しているため、チルト操作による電動アシ
スト機構19の移動量もごく小さく抑えられた。したが
って、前述した従来装置とは異なり、ステアリングコラ
ム1の近傍に電動アシスト機構19用の大きな移動空間
を確保する必要がなくなり、インストルメントパネル近
傍における装置の設計自由度を高めることができた。
【0014】ステアリングホイール27の位置調整を終
えると、運転者は、最前とは逆にロックレバー59をロ
ック側に回動させ、ロックボルト57に対してナット6
1を締め付ける。すると、チルトブラケット3がロック
ボルト57とナット61とに挟圧されて弾性変形し、ロ
ックブロック51を内側に押し込むことになる。これに
より、チルトブラケット3の内側面にロックブロック5
1の外端面が圧接する一方で、ロックブロック51の傾
斜面53がインナコラム31の外周面に圧接する。その
結果、ステアリングコラム1は、チルトブラケット3と
ロックブロック51との間の摩擦力によりチルト方向に
固定されると同時に、ロックブロック51とインナコラ
ム31との間の摩擦力によりテレスコ方向に固定され
る。
【0015】このように、第1実施形態では、単一のロ
ックレバー59を操作することによりチルト操作とテレ
スコ操作とが同時に行えるため、ステアリングホイール
27の位置調整が極めて容易となると共に、ステアリン
グコラム1の全長も短くすることができた。
【0016】図4には、本発明の第2実施形態に係るス
テアリングコラム1を要部縦断面により示してある。第
2実施形態は、上述した第1実施形態に対してインナコ
ラム31とアウタコラム33との嵌合部のみを変更した
ものであり、他の構成や作用は同一であるため、重複す
る説明は省略する。
【0017】図4に示したように、第2実施形態におい
ては、インナコラム31の外周部先端に鋼管製のスリー
ブ71が外嵌・固着(溶接接合)されており、アウタコ
ラム33とスリーブ71とが摺動する構成が採られてい
る。これにより、アウタコラム33によるインナコラム
31の支持剛性が向上すると共に、運転者がステアリン
グホイール27に体重を掛けたような場合にもインナコ
ラム31が変形する虞が少なくなる。尚、スリーブ71
の内周面には、転がり軸受43に不要な押圧力等が作用
しないように、転がり軸受43に対応した位置に環状溝
73が形成されている。
【0018】以上で具体的実施形態の説明を終えるが、
本発明の態様は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、上記各実施形態では、ステアリングコラムのチ
ルト方向およびテレスコ方向の固定をロックブロックを
用いて行うようにしたが、公知となっている種々の固定
方法が採用可能である。また、電動アシスト機構を始
め、チルト機構やテレスコピック機構の具体的構成等に
ついても、本発明の主旨を逸脱しない範囲であれば、適
宜変更可能である。
【0019】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係る電動パ
ワーステアリング装置によれば、上端部にステアリング
ホイールが装着されるステアリングシャフトと、このス
テアリングシャフトを回動自在に支持するステアリング
コラムと、このステアリングコラムに取り付けられ、前
記ステアリングホイールの操舵力補助に供される電動ア
シスト機構と、前記ステアリングシャフトおよび前記ス
テアリングコラムを上方部分と下方部分とに分割すると
共に、当該上方部分の揺動支点となるチルトピボットと
前記ステアリングシャフトの上方部分に形成され、当該
ステアリングシャフトの上方部分の伸縮に供される伸縮
部とを備えた電動パワーステアリング装置において、前
記伸縮部を前記電動アシスト機構の上方に設けるように
したため、テレスコ操作時における電動アシスト機構と
周辺装置との干渉が生じなくなり、ステアリングコラム
の近傍に電動アシスト機構用の大きな移動空間を確保す
る必要がなくなる。
【0020】また、単一のロックレバーをアンロック操
作することにより、前記チルトピボットを揺動支点とす
るチルト操作と、前記伸縮部を伸縮させるテレスコ操作
とが同時に可能となるものにあっては、一本のロックレ
バーでチルト操作とテレスコ操作とが行えるために、運
転者の交代時等におけるステアリングホイールの位置調
整が容易になる他、ステアリング装置の全長も比較的短
くなり、ステアリング装置の設計自由度が増大すると共
に自動車への設置も容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るステアリング装置の車室側におけ
る構造を示す説明図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るステアリングコラ
ムの要部断面側面図である。
【図3】図2中のA−A拡大断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るステアリングコラ
ムの要部縦断面である。
【符号の説明】
1‥‥ステアリングコラム 3‥‥チルトブラケット 5‥‥ピボットピン 11‥‥ステアリングアッパシャフト 27‥‥ステアリングホイール 31‥‥インナコラム 33‥‥アウタコラム 35‥‥アウタシャフト 37‥‥インナシャフト 51‥‥ロックブロック 57‥‥ロックボルト 59‥‥ロックレバー 61‥‥ナット 71‥‥スリーブ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上端部にステアリングホイールが装着され
    るステアリングシャフトと、 このステアリングシャフトを回動自在に支持するステア
    リングコラムと、 このステアリングコラムに取り付けられ、前記ステアリ
    ングホイールの操舵力補助に供される電動アシスト機構
    と、 前記ステアリングシャフトおよび前記ステアリングコラ
    ムを上方部分と下方部分とに分割すると共に、当該上方
    部分の揺動支点となるチルトピボットと、 前記ステアリングシャフトの上方部分に形成され、当該
    ステアリングシャフトの上方部分の伸縮に供される伸縮
    部とを備えた電動パワーステアリング装置において、 前記伸縮部が、前記電動アシスト機構の上方に設けられ
    たことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 【請求項2】単一のロックレバーをアンロック操作する
    ことにより、前記チルトピボットを揺動支点とするチル
    ト操作と、前記伸縮部を伸縮させるテレスコ操作とが同
    時に可能となることを特徴とする、請求項1記載の電動
    パワーステアリング装置。
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