JP2000212413A - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物

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JP2000212413A
JP2000212413A JP1470299A JP1470299A JP2000212413A JP 2000212413 A JP2000212413 A JP 2000212413A JP 1470299 A JP1470299 A JP 1470299A JP 1470299 A JP1470299 A JP 1470299A JP 2000212413 A JP2000212413 A JP 2000212413A
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polyester
resin composition
ppm
acid
ppb
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JP1470299A
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English (en)
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Hirotoshi Sonoda
博俊 園田
Mitsuhiro Harada
光弘 原田
Atsushi Hara
厚 原
Yoshitaka Eto
嘉孝 衛藤
Osamu Kimura
修 木村
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シート成形、ボトル成形等において金型汚れ
が少なく、長時間、多数の成形品を透明性が優れた状態
で容易に成形することができ、そして、透明性のよい、
耐熱寸法安定性が優れ、口栓部の結晶化が適正である中
空成形品を得ることができるポリエステル樹脂組成物を
得る。 【解決手段】 主たる繰り返し単位がエチレンテレフタ
レートであるポリエステルのチップ(A)と該ポリエス
テルのチップ(A)と同一組成のポリエステルのファイ
ン(B)0.1〜300ppm、ポリオレフィン樹脂
(C)0.1ppb〜1000ppm、およびアミド化
合物(D)10ppb〜1×105ppmとからなるこ
とを特徴とするポリエステル樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、飲料用ボトルをは
じめとする中空成形容器、フィルム、シートなどの成形
体の素材として好適に用いられるポリエステル樹脂組成
物に関するものであり、特に、中空成形体成型時の熱処
理金型からの離型性が良好で、長時間連続成形性に優
れ、透明性及び耐熱寸法安定性の優れた中空成形体を与
えるポリエステル樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】主たる繰り返し単位がエチレンテレフタ
レートであるポリエステル(以下PET樹脂と略称する
ことがある)は、その優れた透明性、機械的強度、耐熱
性、ガスバリアー性等の特性により、炭酸飲料、ジュー
ス、ミネラルウォータ等の容器の素材として採用されて
おり、その普及はめざましいものがある。これらの用途
において、ポリエステル製ボトルに高温で殺菌した飲料
を熱充填したり、また飲料を充填後高温で殺菌したりす
るが、通常のポリエステル製ボトルでは、このような熱
充填処理時等に収縮、変形が起こり問題となる。ポリエ
ステル製ボトルの耐熱性を向上させる方法として、ボト
ル口栓部を熱処理して結晶化度を高めたり、また延伸し
たボトルを熱固定させたりする方法が提案されている。
特に口栓部の結晶化が不十分であったり、また結晶化度
のばらつきが大きい場合にはキャップとの密封性が悪く
なり、内容物の漏れが生ずることがある。
【0003】また、ボトル胴部の耐熱性を向上させるた
め、例えば、特公昭59−6216号公報に見られる通
り、延伸ブロー金型の温度を高温にして熱処理する方法
が採られる。しかし、このような方法によって同一金型
を用いて多数のボトル成形を続けると、長時間の運転に
伴って得られるボトルが白化して透明性が低下し、商品
価値のないボトルしか得られなくなる。これは金型表面
にPET樹脂に起因する付着物が付き、その結果金型汚
れとなり、この金型汚れがボトルの表面に転写するため
であることが分かった。特に、近年では、ボトルの小型
化とともに成形速度が高速化されてきており、生産性の
面から金型汚れはより大きな問題となってきている。
【0004】また、果汁飲料、ウ−ロン茶およびミネラ
ルウオ−タなどのように熱充填を必要とする飲料の場合
には、プリフォームまたは成形されたボトルの口栓部を
熱処理して結晶化する方法(特開昭55−79237号
公報、特開昭58ー110221号公報等に記載の方
法)が一般的である。このような方法、すなわち口栓
部、肩部を熱処理して耐熱性を向上させる方法は、結晶
化処理をする時間・温度が生産性に大きく影響し、低温
でかつ短時間で処理できる、結晶化速度が速いPET樹
脂であることが好ましい。一方、胴部についてはボトル
内容物の色調を悪化させないように、成形時の熱処理を
施しても透明であることが要求されており、口栓部と胴
部では相反する特性が必要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような問題を解決
するために種々の提案がなされている。例えば、ポリエ
チレンテレフタレートにカオリン、タルク等の無機核剤
を添加する方法(特開昭56−2342号公報、特開昭
56−21832号公報)、モンタン酸ワックス塩等の
有機核剤を添加する方法(特開昭57−125246号
公報、特開昭57−207639号公報)があるが、こ
れらの方法は異物やくもりの発生を伴い実用化には問題
がある。また、耐熱性樹脂製ピースを口栓部に挿入する
方法(特開昭61−259946号公報、特開平2−2
69638号公報)が提案されているが、ボトルの生産
性が悪く、また、リサイクル性にも問題がある。
【0006】こうした金型汚れの問題に対して、従来か
ら、金型表面への付着物の主成分である環状3量体をあ
らかじめPET樹脂を固相重合しておいて減少させる方
法が行われているが、この方法では再溶融してパリソン
成形する際に環状3量体が再生するためその効果は不十
分である。また、特公平3−47830号公報では、ポ
リエステル樹脂を90〜110℃の水で処理して触媒の
活性を抑制し、パリソン成形時の環状3量体の生成を制
御する方法が開示されている。しかしながら、この方法
ではその処理のための特別の装置と処理時間か必要とな
り、製造工程が複雑化するという問題がある。また、上
記方法で金型汚れは一応低減されるもののまだ、不十分
であり、場合によっては充分な効果が得られないもので
あった。
【0007】本発明は、上記従来のポリエステル樹脂組
成物の有する問題点を解決し、長時間連続成形性に優
れ、透明性、耐熱寸法安定性の優れた成形品、特に容器
等の中空成形品を得ることができるポリエステル樹脂組
成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のポリエステル樹脂組成物は、主たる繰り返
し単位がエチレンテレフタレートであるポリエステルの
チップ(A)と該ポリエステルのチップ(A)と同一組
成のポリエステルのファイン(B)0.1〜300pp
m、ポリオレフィン樹脂(C)0.1ppb〜1000
ppm、およびアミド化合物(D)10ppb〜1×1
5ppmとからなることを特徴とする。
【0009】上記の構成からなる本発明のポリエステル
樹脂組成物は、溶融成形することにより、容易に透明
性、耐熱寸法安定性の優れた成形品、特に容器等の中空
成形品を得ることができ、ポリエステル樹脂組成物の中
のポリエステルのファイン(B)の量、ポリオレフィン
樹脂(C)の量およびアミド化合物(D)の量を調節す
ることで、口栓部結晶化が速やかに起こり、かつ、口栓
部収縮率が適正な範囲となる結晶化速度を持ち、また金
型を汚すことの少ない長時間連続成形性に優れたポリエ
ステル樹脂組成物を得ることができる。
【0010】この場合において、ポリエステルの密度
が、1.37g/cm3以上、環状3量体の含有量が
0.35重量%以下であることができる。
【0011】この場合において、ポリエステルの極限粘
度が、0.55〜0.90デシリットル/グラムである
ことができる。
【0012】この場合において、290℃の温度で60
分間溶融した時の環状3量体の増加量が0.30重量%
以下であることができる。
【0013】この場合において、ポリオレフィン樹脂
(C)が、ポリエチレン樹脂であることができる。
【0014】この場合において、ポリオレンフィン樹脂
(C)が、ポリプロピレン樹脂であることができる。
【0015】またこの場合において、アミド化合物
(D)が脂肪酸ビスアミドであることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明のポリエステル樹脂
組成物の実施の形態を具体的に説明する。本発明で用い
る、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであ
るポリエステルは、好ましくは、エチレンテレフタレー
ト単位を85モル%以上含む線状ポリエステル、さらに
好ましくはポリエチレンテレフタレートからなるポリエ
ステルである。
【0017】前記ポリエステルの共重合に使用されるジ
カルボン酸としては、イソフタル酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、ジフェニールー4,4’−ジカルボン
酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジカル
ボン酸及びその機能的誘導体、p−オキシ安息香酸、オ
キシカプロン酸等のオキシ酸及びその機能的誘導体、ア
ジピン酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸等の脂肪
族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、シクロヘキサン
ジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸及びその機能的誘
導体などが挙げられる。
【0018】前記ポリエステルの共重合に使用されるグ
リコールとしては、ジエチレングリコール、トリメチレ
ングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジ
メタノール等の脂環族グリコール、ビスフェノールA、
ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳
香族グリコールなどが挙げられる。
【0019】さらに、前記ポリエステル中の多官能化合
物からなるその他の共重合成分としては、酸性分とし
て、トリメリット酸、ピロメリット酸等を挙げることが
でき、グリコール成分としてグリセリン、ペンタエリス
リトールを挙げることができる。以上の共重合成分の使
量は、ポリエステル樹脂が実質的に線状を維持する程度
でなければならない。
【0020】前記のポリエステルは、従来から公知の製
造方法によって製造することができる。例えば、テレフ
タール酸とエチレングリコールおよび必要により上記共
重合成分を直接反応させて水を留去しエステル化した
後、減圧下に重縮合を行う直接エステル化法、またはテ
レフタル酸ジメチルとエチレングリコールおよび必要に
より上記共重合成分を反応させてメチルアルコールを留
去しエステル交換させた後、減圧下に重縮合を行うエス
テル交換法により製造される。
【0021】さらにポリエステルの極限粘度を増大さ
せ、アセトアルデヒド含量を低下させるために固相重合
を行ってもよい。このような製造工程の中で、溶融重合
ポリマーをチップ化する工程、固相重合工程、溶融重合
ポリマーチップや固相重合ポリマーチップを輸送する工
程等において、本来造粒時に設定した大きさのチップよ
りかなり小さな粒状体や粉等が発生する。ここでは、こ
のような微細な粒状体や粉等をファインと称する。
【0022】このようなファインは結晶化を促進させる
性質を持っており、多量に存在する場合には、このよう
なポリエステルから成形した成形品、特にボトルの透明
性が非常に悪くなったり、ボトル口栓部結晶化時の収縮
が大きくなってキャップで密栓できなくなる。また、フ
ァイン量を一定値以上にすることで金型汚れを安定して
低減させることができる、との知見を得た。このような
点を種々検討した結果、本発明に到達したのである。
【0023】本発明の、ポリエステルのチップ(A)を
形成するポリエステルの極限粘度は0.55〜0.90
デシリットル/グラムであるのが好ましく、0.58〜
0.87デシリットル/グラムであるのがより好まし
い。ポリエステルのチップ(A)の極限粘度が0.55
デシリットル/グラムより小さい場合は、本発明のポリ
エステル樹脂組成物を溶融成形して得られた成形品の透
明性、耐熱性、機械特性等が充分満足されないことがあ
る。また、極限粘度が0.90デシリットル/グラムよ
り大きくなるに従って成形品のアセトアルデヒド含量が
多くなる傾向にあり、飲料用ボトルには使用するのは向
かなくなる。
【0024】ポリエステルのチップ(A)の形状は、シ
リンダー型、角型、または扁平な板状等の何れでもよ
く、その大きさは、縦、横、高さがそれぞれ通常1.8
〜4mm、好ましくは2〜4mmの範囲である。例えば
シリンダー型の場合は、長さは2〜4mm、径は2〜4
mm程度であるのが実用的である。
【0025】また、本発明において、ポリエステルのフ
ァイン(B)の極限粘度は通常、0.55〜0.90、
好ましくは0.57〜0.88、さらに好ましくは0.
58〜0.87である。極限粘度が0.55より小さい
場合は得られた成形品の透明性が悪くなり、口栓部の収
縮が大きくなりすぎる。また、好ましくはPETのチッ
プの極限粘度と同一か、またはPETのチップの極限粘
度より0.03高い極限粘度の範囲であることが好まし
い。なお、ポリエステルのチップ(A)と同一組成とは
ファイン(B)の共重合成分、及び該共重合成分含量
が、ポリエステルのチップ(A)と同一であることを意
味する。
【0026】また、前記ポリエステルのファイン(B)
のポリエステル樹脂組成物中での含有量は0.1〜30
0ppm、好ましくは0.2〜250ppmである。配
合量が0.1ppm未満の場合は、結晶化速度が非常に
おそくなり、中空成形容器の口栓部の結晶化が不十分と
なり、このため口栓部の収縮が不足し、キャッピング不
可能となったり、また耐熱性中空成形容器を成形する延
伸熱固定金型の汚れが激しく、透明な中空成形容器を得
ようとすると頻繁に金型掃除をしなければならない。ま
た300ppmを超える場合は、結晶化速度が早くな
り、中空成形容器の口栓部の結晶化が過大となり、この
ため口栓部の収縮が大きくなって口栓部のキャッピング
不良となり内容物の漏れが生じたり、また中空成形用予
備成形体が白化し、このため正常な延伸が不可能とな
る。
【0027】本発明において、ポリエステルのファイン
の含有量を前記の範囲に調節する方法としては、篩分工
程を通していないファイン含有量の高いPET樹脂のチ
ップと篩分工程及び空気流によるファイン除去工程を通
したファイン含有量の非常に少ないPET樹脂チップを
適当な割合で混合する方法による他、ファイン除去工程
の飾の目開きを変更することにより調節することもで
き、また篩分速度を変更することによるなど任意の方法
を用いることができる。
【0028】本発明においては、ポリエステル樹脂組成
物中にポリオレフィン樹脂(C)を0.1ppb〜10
00ppm含むことが必要である。そのポリオレフィン
樹脂(C)としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレ
ン樹脂、ポリエチレン−ポリプロピレン共重合体樹脂、
ポリメチルペンテン樹脂、アイオノマー樹脂等が挙げら
れる。これらのポリオレフィン樹脂(C)はポリエステ
ルの結晶化促進効果があり、特に耐熱PETボトルの口
栓部の結晶化を促進させるために単独で用いられるが、
単独では金型汚れ防止には殆ど効果がないことが分かっ
ている。しかし、特定量のこれらのポリオレフィン樹脂
(C)と特定量のポリエステルのファイン(B)とが存
在することによって金型汚れに非常に効果があることが
分かった。
【0029】ポリエチレン樹脂としては、高密度ポリエ
チレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレ
ン、中高密度ポリエチレン、公知のランダム共重合ポリ
エチレン、ブロック共重合ポリエチレン等が挙げられ
る。これらの共重合ポリエチレンの共重合成分として
は、プロピレン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ベン
テン、1−オクテン、1−デセン等のα−オレフィンが
挙げられる。
【0030】また、ポリプロピレン樹脂としては、ポリ
プロピレンホモポリマー、公知のランダム共重合ポリプ
ロピレンやブロック共重合ポリプロピレン等が挙げられ
る。これらの共重合ポリプロピレンの共重合成分として
は、エチレン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ベンテ
ン、1−オクテン、1−デセン等のα−オレフィンが挙
げられる。
【0031】ポリオレフィン樹脂(C)のポリエステル
樹脂組成物中での配合割合は0.1ppb〜1000p
pm、好ましくは0.5ppb〜100ppm、さらに
好ましくは1.0ppb〜10ppmである。配合量が
0.1ppb未満の場合は、結晶化速度が非常におそく
なり、中空容器の口栓部の結晶化が不十分となるため、
サイクルタイムを短くすると口栓部の収縮が不足し、キ
ャッピング不可能となったり、また、耐熱性中空成形容
器を成形する延伸熱固定金型の汚れが激しく、透明な中
空成形容器を得ようとすると頻繁に金型掃除をしなけれ
ばならない。また1000ppmを超える場合は、結晶
化速度が早くなり、中空成形容器の口栓部の結晶化が過
大となり、このため口栓部の収縮が大きくなって口栓部
のキャッピング不良となり内容物の漏れが生じたり、ま
た中空成形容器用予備成形体が白化し、このため正常な
延伸が不可能となる。
【0032】これらのポリオレフィン樹脂(C)をポリ
エステル樹脂組成物中に添加する時期、添加方法は特に
限定されず、溶融成形前の任意の段階で行うことができ
る。例えば、溶融重縮合終了までの任意の時点で添加す
る方法、高濃度のマスターバッチを作りブレンドする方
法、ポリエステルにタンブラーブレンダー等の混合機で
混合し押出機等を用いて溶融混錬りする方法、等を例示
することができる。
【0033】本発明に用いるアミド系化合物(D)と
は、飽和脂肪酸モノアミド、不飽和脂肪酸モノアミド、
飽和脂肪酸ビスアミド、不飽和脂肪酸ビスアミド等が挙
げられるが、好ましいアミド系化合物は、飽和脂肪酸ビ
スアミド、不飽和脂肪酸ビスアミド等である。飽和脂肪
酸モノアミドの例としては、ラウリン酸アミド、パルミ
チン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド等
が挙げられる。不飽和脂肪酸モノアミドの例としては、
オレイン酸アミド、エルカ酸アミドリシノール酸アミド
等が挙げられる。飽和脂肪酸ビスアミドの例としては、
メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリ
ン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレン
ビスステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミ
ド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメ
チレンビスベヘン酸アミド等が挙げられる。また、不飽
和脂肪酸ビスアミドの例としては、エチレンビスオレイ
ン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド等が
挙げられる。
【0034】このようなアミド化合物(D)の配合量
は、10ppb〜1×105ppm、好ましくは50p
pb〜1×104ppm、更に好ましくは100ppb
〜1×103ppmである。配合量が10ppb未満の
場合は、金型汚れが激しく、一方1×105ppmを超
えると、それ以上の効果は得られず、逆に射出成型時に
射出金型のベント部を詰まらしたり、予備成形体が着色
したり、また中空成形体の特性に悪影響を及ぼし好まし
くない。
【0035】また炭素数8〜33の脂肪族モノカルボン
酸の金属塩化合物、例えばナフテン酸、カプリル酸、カ
プリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸、メリシン酸、
オレイン酸、リノ−ル酸等の飽和及び不飽和脂肪酸のリ
チュウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム
塩、カルシウム塩、及びコバルト塩等を同時に併用する
ことも可能である。
【0036】これらの化合物の配合量は、10ppb〜
300ppm、好ましくは50ppb〜250ppm、
更に好ましくは100ppb〜200ppmである。
【0037】これらのアミド系化合物(D)および炭素
数8〜33の脂肪族モノカルボン酸の金属塩化合物の添
加時期、添加方法は特に限定されず溶融成形前の任意の
段階で行うことができる。例えば、溶融重合終了までの
任意の時点で添加する方法、高濃度のマスターバッチを
作り他のチップとブレンドする方法等を例示することが
できる。
【0038】本発明のポリエステル樹脂組成物は、29
0℃の温度で60分間溶融した時の環状3量体の増加量
が0.30重量%以下、好ましくは0.20重量%以
下、さらに好ましくは0.10重量%以下である。環状
3量体増加量が0.30重量%を超えるポリエステル樹
脂組成物を用いて中空成形を行うと、環状3量体などの
オリゴマー類が金型内面や金型のガスの排気口、排気管
に付着し、透明な中空成形容器を得ようとすると頻繁に
金型掃除をしなけらばならない。
【0039】290℃の温度で60分間溶融した時の環
状3量体の増加量が0.30重量%以下である本発明の
ポリエステル樹脂組成物(C)は、溶融重縮合後や固相
重合後に得られたポリエステルの重縮合触媒を失活処理
することにより製造することができる。ポリエステルの
重縮合触媒を失活処理する方法としては、溶融重縮合後
や固相重合後にポリエステルチップを水や水蒸気または
水蒸気含有気体と接触処理する方法が挙げられる。
【0040】前記の目的を達成するためにポリエステル
チップを水や水蒸気または水蒸気含有気体と接触処理す
る方法を次に述べる。熱水処理方法としては、水中に浸
ける方法やシャワーでチップ上に水をかける方法等が挙
げられる。処理時間としては5分〜2日間、好ましくは
10分〜1日間、さらに好ましくは30分〜10時間
で、水の温度としては20〜180℃、好ましくは40
〜150℃、さらに好ましくは50〜120℃である。
【0041】以下に水処理を工業的に行う方法を例示す
るが、これに限定するものではない。また処理方法は連
続方式、バッチ方式のいずれであっても差し支えない
が、工業的に行うためには連続方式の方が好ましい。
【0042】ポリエステルのチップをバッチ方式で水処
理する場合は、サイロタイプの処理槽が挙げられる。す
なわちバッチ方式でポリエステルのチップをサイロへ受
け入れ水処理を行う。あるいは回転筒型の処理槽にポリ
エステルのチップを受け入れ、回転させながら水処理を
行い水との接触をさらに効率的にすることもできる。
【0043】ポリエステルのチップを連続方式で水処理
する場合は、塔型の処理槽に継続的又は間欠的にポリエ
ステルのチップを上部より受け入れ、水処理させること
ができる。ポリエステルのチップと水蒸気または水蒸気
含有ガスとを接触させて処理する場合は、50〜150
℃、好ましくは50〜110℃の温度の水蒸気または水
蒸気含有ガスあるいは水蒸気含有空気を好ましくは粒状
ポリエチレンテレフタレート1kg当り、水蒸気として
0.5g以上の量で供給させるか、または存在させて粒
状ポリエチレンテレフタレートと水蒸気とを接触させ
る。この、ポリエステルのチップと水蒸気との接触は、
通常10分間〜2日間、好ましくは20分間〜10時間
行われる。
【0044】以下に粒状ポリエチレンテレフタレートと
水蒸気または水蒸気含有ガスとの接触処理を工業的に行
なう方法を例示するが、これに限定されるものではな
い。また処理方法は連続方式、バッチ方式のいずれであ
っても差し支えない。
【0045】ポリエステルのチップをバッチ方式で水蒸
気と接触処理をする場合は、サイロタイプの処理装置が
挙げられる。すなわちポリエステルのチップをサイロへ
受け入れ、バッチ方式で、水蒸気または水蒸気含有ガス
を供給し接触処理を行なう。あるいは回転筒型の接触処
理装置に粒状ポリエチレンテレフタレートを受け入れ、
回転させながら接触処理を行ない接触をさらに効率的に
することもできる。
【0046】ポリエステルのチップを連続で水蒸気と接
触処理する場合は塔型の処理装置に連続で粒状ポリエチ
レンテレフタレートを上部より受け入れ、並流あるいは
向流で水蒸気を連続供給し水蒸気と接触処理させること
ができる。
【0047】上記の如く、水又は水蒸気で処理した場合
は粒状ポリエチレンテレフタレートを必要に応じて振動
篩機、シモンカーターなどの水切り装置で水切りし、次
の乾燥工程へ移送する。水又は水蒸気と接触処理したポ
リエステルのチップの乾燥は通常用いられるポリエステ
ルの乾燥処理を用いることができる。連続的に乾燥する
方法としては、上部よりポリエステルのチップを供給
し、下部より乾燥ガスを通気するホッパー型の通気乾燥
機が通常使用される。乾燥ガス量を減らし、効率的に乾
燥する方法としては回転ディスク型加熱方式の連続乾燥
機が用いられ、少量の乾燥ガスを通気しながら、回転デ
ィスクや外部ジャケットに加熱蒸気、加熱媒体などを供
給しポリエステルのチップを間接的に加熱乾燥すること
ができる。
【0048】バッチ方式で乾燥する乾燥機としてはダブ
ルコーン型回転乾燥機が用いられ、真空下であるいは真
空下少量の乾燥ガスを通気しながら乾燥することができ
る。あるいは大気圧下で乾燥ガスを通気しながら乾燥し
てもよい。
【0049】乾燥ガスとしては大気空気でも差し支えな
いが、ポリエステルの加水分解や熱酸化分解による分子
量低下を防止する点からは乾燥窒素、除湿空気が好まし
い。上記のようにポリエステルに水又は水蒸気処理を施
すことによって、該ポリエチレンテレフタレートを29
0℃の温度に加熱溶融した後のオリゴマー増加量を抑制
することができる。
【0050】また、本発明のポリエステル樹脂組成物
は、環状3量体を含むが、その含有量は0.35重量%
以下、好ましくは0.33重量%以下、さらに好ましく
は0.30重量%以下である。本発明のポリエステルか
ら耐熱性の中空成形品を成形する場合は加熱金型内で熱
処理を行うが、環状3量体の含有量が0.35重量%以
上含有する場合には、加熱金型表面へのオリゴマー付着
が急激に増加し、得られた中空成形品の透明性が非常に
悪化する。本発明のポリエステル樹脂組成物は、公知の
ホットパリソン法、またはコールドパリソン法等の方法
によって透明性な、耐熱性に優れた中空成形品を製造す
ることができる。また、フィルム、シートなどの成形品
や多層中空成形品を製造することも好ましい。
【0051】本発明のポリエステル樹脂組成物には、必
要に応じて公知の紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、核剤、
安定剤、帯電防止剤、顔料などの各種の添加剤を配合し
てもよい。なお、本発明における、主な特性値の測定法
を以下に説明する。
【0052】(1)ポリエステルの極限粘度(IV) 1,1,2,2−テトラクロルエタン/フェノール
(2:3重量比)混合溶媒中30℃での溶液粘度から求
めた。
【0053】(2)ポリエステルの環状3量体の含量 試料をヘキサフルオロイソプロパノール/クロロフォル
ム混合液に溶解し、さらにクロロフォルムを加えて希釈
する。これにメタノールを加えてポリマーを沈殿させた
後、濾過する。濾液を蒸発乾固し、ジメチルフォルムア
ミドで定容とし、液体クロマトグラフ法よりエチレンテ
レフタレート単位から構成される環状3量体を定量し
た。
【0054】(3)ポリエステルの溶融時の環状3量体
増加量(△CT) 乾燥したポリエステルチップ3gをガラス製試験管に入
れ、窒素雰囲気下で290℃のオイルバスに60分浸漬
させ溶融させる。溶融時の環状3量体増加量は、次式に
より求める。 溶融時の環状3量体増加量(重量%)=溶融後の環状3
量体含有量(重量%)−溶融前の環状3量体含有量(重
量%)
【0055】(4)ファインの含量測定 JIS−Z8801による10.5メッシュの標準篩い
を用い、1000kgのサンプルを篩い分け、篩を通過
したファインの量を秤量し含量を求める。
【0056】(5)ポリエステルチップの密度 四塩化炭素/n−ヘプタン混合溶媒の密度勾配管で25
℃で測定する。
【0057】(6)ヘイズ(霞度%) 中空成形容器の胴部(肉厚約0.4mm)より試料を切
り取り、東洋製作所製ヘイズメーターで測定。
【0058】(7)成形体の口栓部収縮率測定(%) 成形体の口栓部結晶化前の口栓部高さと口栓部結晶化後
の口栓部の高さを測定して下式より求める。 口栓部収縮率(%)=(H1−H2)/H1×100 口栓部高さとは、口栓部天面から口栓部サポートリング
下端部までの距離とする。また、上式のH1とH2は H1:結晶化前の口栓部高さ(mm) H2:結晶化後の口栓部高さ(mm) とする。
【0059】(8)金型汚れの評価 (二軸延伸成形容器による評価)ポリエステル樹脂組成
物を脱湿空気を用いた乾燥機で乾燥し、各機製作所製M
−100射出成型機により樹脂温度290℃でプリフォ
ームを成形した。このプリフォームの口栓部を自家製の
口栓部結晶化装置で加熱結晶化させた後、コーポプラス
ト社製LB−01延伸ブロー成型機を用いて二軸延伸ブ
ロー成形し、引き続き約155℃に設定した金型内で1
0秒間熱固定し、500ccの中空成形容器を得た。同
様の条件で連続的に延伸ブロー成形し、目視で判断して
容器の透明性が損なわれるまでの成形回数で金型汚れを
評価した。また、ヘイズ測定用試料としては、5000
回連続成形後の容器の胴部を供した。
【0060】(9)処理槽の処理水中の微粉量(pp
m) 処理槽の処理水中の排出口からJIS規格20メッシュ
のフィルターを通過した処理水を1000cc採取し、
岩城硝子社製1G1ガラスフィルターで濾過後、100
℃で2時間乾燥し室温下で冷却後、重量を測定して算出
する。
【0061】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0062】(実施例1〜3)250℃に加熱したビス
(2−ヒドロキシエチ−ル)テレフタレ−ト1.4kg
を貯蔵したエステル化反応槽に、テレフタル酸42kg
とエチレングリコ−ル18.8kgのスラリ−を添加し
てエステル化反応を進行させた。この半量を重縮合反応
槽に移し、PET樹脂に対して二酸化ゲルマニウムが1
00ppmになる量、燐酸が30ppmになる量、及び
表1に示す量のポリエチレン(三菱化学製「UE32
0」)を仕込み、275℃、減圧下に重縮合反応を実施
した。反応終了後、重合槽よりストランド状で取り出
し、水冷後チップ状にカットした。この溶融重縮合PE
T樹脂を結晶化後、205℃で窒素気流下に固相重合し
た。固相重合後篩分工程および微粉除去工程で処理速度
を変更して処理して得たファイン含有量の異なるPET
樹脂組成物にエチレンビスステアリン酸アミドを表1に
示す量になるように、予め作成したマスタ−バッチとし
て添加して本発明のPET樹脂組成物を得た。この組成
物について二軸延伸成型ボトルによる評価を実施した。
結果を表1に示す。5000回以上の連続延伸ブロー成
形を実施したが、金型汚れは認められず、またボトルの
透明性も良好であった。また、この容器に90℃の温湯
を充填し、キャッピング機によりキャッピングをした後
ボトルを倒し放置後、口栓部の変形、及び内容物の漏洩
を調べたが、問題はなかった。
【0063】(比較例1)実施例1と同一条件で、ポリ
オレフィン樹脂を添加せずにPET樹脂を製造し、篩分
工程およびファイン除去工程の能力を上げてファイン含
有量が0.05ppmのPET樹脂組成物を得た。これ
を評価したところ、表1に示す通り金型汚れはひどく得
られたボトルの透明性は非常に悪かった。
【0064】(比較例2)ポリエチレンの添加量を変更
する以外は、実施例1と同様にしてPET樹脂組成物を
得た。このPETチップを篩分工程およびファイン除去
工程で処理速度および篩分工程の篩の目開きを変更して
処理し、比較例1よりファイン含有量の非常に多いPE
T組成物を得た。表1に示す通り、不透明なボトルしか
得られなかった
【0065】
【表1】
【0066】
【発明の効果】本発明のポリエステル樹脂組成物によれ
ば、ポリエステルのファイン(B)が0.1〜300p
pm、ポリオレフィン樹脂(C)が0.1ppb〜10
00ppm、およびアミド化合物(D)10ppb〜1
×105ppmの範囲で含まれていることによりシート
成形、ボトル成形等において金型汚れが少なくなり、長
時間、多数の成形品を透明性が優れた状態で容易に成形
することができる。そして、透明性のよい、耐熱寸法安
定性が優れ、口栓部の結晶化が適正である中空成形品を
得ることができる。これは、延伸時や熱固定時にポリエ
ステルのファイン、ポリオレフィン樹脂、およびアミド
化合物が存在することにより成形品表面の結晶化の程度
が成形品内部の結晶化の程度より高くなり、このため環
状3量体等オリゴマーが表面に至らず表面近くの内部に
とじこめられるため金型汚れが少なくなるのではないか
と推測される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 衛藤 嘉孝 滋賀県滋賀郡志賀町高城248番20号 (72)発明者 木村 修 滋賀県大津市赤尾町26番21号 Fターム(参考) 4J002 BB033 BB053 BB123 BB143 BB153 BP023 BP033 CF061 CF062 EP016 EP026 FD176 GG01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主たる繰り返し単位がエチレンテレフタ
    レートであるポリエステルのチップ(A)と該ポリエス
    テルのチップ(A)と同一組成のポリエステルのファイ
    ン(B)0.1〜300ppm、ポリオレフィン樹脂
    (C)0.1ppb〜1000ppm、およびアミド化
    合物(D)10ppb〜1×105ppmとからなるこ
    とを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリエステルの密度が1.37g/cm
    3以上であることを特徴とする請求項1記載のポリエス
    テル樹脂組成物
  3. 【請求項3】 ポリエステルの極限粘度が0.55〜
    0.90dl/g、環状3量体の含有量が0.35重量
    %以下であることを特徴とする請求項1または2に記載
    のポリエステル樹脂組成物
  4. 【請求項4】 290℃の温度で60分間溶融した時の
    環状3量体増加量が0.30重量%以下であることを特
    徴とする請求項1、2または3記載のポリエステル組成
    物。
  5. 【請求項5】 ポリオレフィン樹脂(C)が、ポリエチ
    レン樹脂であることを特徴とする請求項1、2、3また
    は4記載のポリエステル樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 ポリオレフィン樹脂(C)が、ポリプロ
    ピレン樹脂であることを特徴とする請求項1、2、3ま
    たは4記載のポリエステル樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 アミド化合物(D)が、脂肪酸ビスアミ
    ドであることを特徴とする請求項1、2、3,4,5ま
    たは6に記載のポリエステル樹脂組成物。
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