JP2000213670A - 繊維補強ホ―ス - Google Patents

繊維補強ホ―ス

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JP2000213670A
JP2000213670A JP11252587A JP25258799A JP2000213670A JP 2000213670 A JP2000213670 A JP 2000213670A JP 11252587 A JP11252587 A JP 11252587A JP 25258799 A JP25258799 A JP 25258799A JP 2000213670 A JP2000213670 A JP 2000213670A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】安価であるが劣化し易いポリエステル補強糸等
を用いたアクリルゴム製繊維補強ホースの耐圧性やシー
ル性を向上させる。 【構成】エポキシ基含有アクリルゴムに加硫系配合物の
一部として所定量以下のチオウレア化合物を配合し、添
加するカーボンブラックの平均粒子径を特定し、カルボ
キシル基含有量の少ないポリエステル補強糸を用いる、
等の対策をバランス良く実施する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内側ゴム層と外側
ゴム層との間に繊維補強層を設けて一体に加硫成形した
繊維補強ホースに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車用のオイル系ホース、エア
系ホース等においては、耐熱性,耐油性,耐圧性,シー
ル性等の各種の性能が要求されることから、例えば実公
平6−47720号公報に見られるように、内側ゴム層
と外側ゴム層との少なくとも一方を耐熱性や耐油性に優
れたアクリルゴム系の材料を以て構成し、かつ、内側ゴ
ム層と外側ゴム層との間に耐熱性,耐薬品性,強度等の
優れたアラミド系補強糸を用いた繊維補強層を設けて、
これらを一体に加硫成形している。
【0003】ところで、アラミド系補強糸は非常に高価
であり、ホース製作時のコストアップを招いてしまうた
め、より安価に利用できる補強糸(その代表的なものが
ポリエステル補強糸やポリアミド補強糸である。)を用
いて繊維補強層を構成したいと言う要求が一般的であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アラミ
ド系補強糸と異なり、ポリエステル補強糸やポリアミド
補強糸は熱,オイルあるいは特定の加硫剤等により劣化
し易い。従って、ポリエステル補強糸やポリアミド補強
糸の繊維補強層を設けるについては、その充分な劣化対
策が必要であり、しかもこの対策が他面においてアクリ
ルゴムの物性やホースの良好な加硫接着を阻害するもの
であってはならない。
【0005】例えば、特開平10−205660号公報
に係る「繊維補強ゴムホース」の発明では、ポリエステ
ル補強糸からなる繊維補強層を設けると共に、内側ゴム
層と外側ゴム層との少なくとも一方をカルボキシル基架
橋席含有アクリルエラストマーで構成し、かつ、これに
加硫剤として多価アミンを配合している。
【0006】しかし、アクリルエラストマーの架橋席と
されたカルボキシル基は、ポリエステル補強糸の耐熱,
耐油劣化等の防止上からは必ずしも好適ではなく、繊維
補強層の劣化に基づくホースの耐圧性不足を招く恐れが
ある。
【0007】一方、特開平9−227749号公報に係
る「エラストマー組成物及びゴムホース」の発明では、
アクリルゴムに優れた押出し加工性や引張り強度を与え
るために、エポキシ基含有アクリルゴムに対してチオウ
レア化合物,イミダゾール化合物,第4級アンモニウム
塩等を配合しているが、繊維補強ホースを対象とせず、
よって補強糸の劣化対策には何ら触れていない。
【0008】そこで本発明は、加硫系配合物やアクリル
ゴムの架橋席等の最適化対策を一体的に実施することに
より、繊維補強層の劣化防止とアクリルゴムの良好な物
性や加硫接着性を同時に実現し、結果的にポリエステル
繊維補強層を有する繊維補強ホースの耐熱性,耐油性,
耐圧性,シール性等の各種性能を確保することを、解決
すべき課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】(第1発明の構成)上記
課題を解決するための本願第1発明(請求項1に記載の
発明)の構成は、少なくとも一方がアクリルゴムからな
る内側ゴム層と外側ゴム層との間に、ポリエステル補強
糸又はポリアミド補強糸の繊維補強層を設けて一体に加
硫成形した繊維補強ホースにおいて、前記アクリルゴム
がエポキシ基含有アクリルゴムであり、かつ、これにチ
オウレア化合物を一部に含む加硫系配合物が配合されて
いる、繊維補強ホースである。
【0010】(第2発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第2発明(請求項2に記載の発明)の構成は、
前記第1発明に係る加硫系配合物におけるチオウレア化
合物の配合量が、アクリルゴム100重量部に対して
0.05〜1.5重量部である、繊維補強ホースであ
る。
【0011】(第3発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第3発明(請求項3に記載の発明)の構成は、
前記第1発明又は第2発明に係るチオウレア化合物がト
リメチルチオウレアである、繊維補強ホースである。
【0012】(第4発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第4発明(請求項4に記載の発明)の構成は、
前記第1発明〜第3発明において、加硫系配合物が、前
記チオウレア化合物と、それぞれ適量のイミダゾール化
合物及び4級アンモニウム塩からなる、繊維補強ホース
である。
【0013】(第5発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第5発明(請求項5に記載の発明)の構成は、
前記第1発明〜第4発明において、アクリルゴムのエポ
キシ基含有量が0.7〜2.3重量%である、繊維補強
ホースである。
【0014】(第6発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第6発明(請求項6に記載の発明)の構成は、
前記第1発明〜第5発明において、アクリルゴムが、エ
チルアクリレートが60重量%以上であるモノマー組成
を有する、繊維補強ホースである。
【0015】(第7発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第7発明(請求項7に記載の発明)の構成は、
前記第1発明〜第6発明において、アクリルゴムに配合
するカーボンブラックの平均粒子径が30〜75nmで
ある、繊維補強ホースである。
【0016】(第8発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第8発明(請求項8に記載の発明)の構成は、
前記第1発明〜第7発明に係るポリエステル補強糸の含
有するカルボキシル基末端基の含有量が20当量/トン
以下である、繊維補強ホースである。
【0017】
【発明の作用・効果】(第1発明の作用・効果)第1発
明において、アクリルゴムとしてエポキシ基含有アクリ
ルゴムを用いるので、前記従来技術のようにカルボキシ
ル基架橋席含有アクリルエラストマーを用いる場合に比
較して、ポリエステル補強糸やポリアミド補強糸の劣化
が小さい加硫剤(イミダゾール化合物など)を用いるこ
とができると言う理由から、ポリエステル補強糸の劣化
防止上好適である。
【0018】又、劣化し易いポリエステル(又はポリア
ミド)繊維補強層が不可避的にある程度劣化したとして
も、加硫系配合物の一部にチオウレア化合物を含むの
で、加硫成形されたアクリルゴムが繊維補強層の劣化を
有効にカバーし得る常態物性(特に圧縮永久歪)を示
し、金属製パイプ等との接合部におけるホースのシール
性を確保できる。
【0019】(第2発明の作用・効果)チオウレア化合
物を過剰に(例えば2重量部以上)配合すると、アラミ
ド系等の芳香族ポリアミド補強糸に対しては劣化作用を
示さないが、ポリエステル補強糸やポリアミド補強糸に
対してはその劣化を促進することが分かっている。しか
し第2発明では、他の加硫系配合物の併用下に、チオウ
レア化合物の配合量を1.5重量部以下とすることによ
り、かかる不具合を回避できる。
【0020】加硫系配合物におけるチオウレア化合物の
配合量が、アクリルゴム100重量部に対して0.05
重量部未満の場合、アクリルゴムの過大な圧縮永久歪を
防止する上で、必ずしも好ましくない。
【0021】(第3発明の作用・効果)第3発明におい
ては、チオウレア化合物としてトリメチルチオウレアを
用いるので、第1発明又は第2発明におけるチオウレア
化合物の効果を最も好ましく得ることができる。
【0022】(第4発明の作用・効果)本発明の加硫系
配合物として、チオウレア化合物と共に用いる他の加硫
剤,加硫促進剤の種類は余り限定されないが、第4発明
のように加硫剤としてイミダゾール化合物、加硫促進剤
として4級アンモニウム塩をそれぞれ適量(例えば、ア
クリルゴム100重量部に対して前者を0.1〜3重量
部、後者を0.1〜3重量部)用いることにより、結果
的にチオウレア化合物の過剰な使用を回避できると共
に、アクリルゴムに適切な常態物性を与え、圧縮永久歪
を小さくすると言う効果を得ることができる。
【0023】(第5発明の作用・効果)第5発明におい
て、アクリルゴムのエポキシ基含有量を0.7重量%以
上とするので、アクリルゴムに適切な常態物性、圧縮永
久歪を与えることができる。又、アクリルゴムのエポキ
シ基含有量を2.3重量%以下とするので、架橋席の過
剰による押出加工性等の悪化を防止することができる。
【0024】(第6発明の作用・効果)第6発明におい
て、アクリルゴムが、エチルアクリレートが60重量%
以上であるモノマー組成を有するので、エンジンオイル
等の油との接触又は浸漬によるアクリルゴム層の体積変
化が小さく、従ってアクリルゴム中の加硫剤の補強糸層
への移行を低減できるため、補強糸の劣化を低減させる
ことができる。
【0025】(第7発明の作用・効果)第7発明におい
て、アクリルゴムに配合するカーボンブラックの平均粒
子径を30〜75nmとするので、その平均粒子径が過
小(例えば30nm未満)である場合のような加工性の
悪さを回避でき、繊維補強ホースにおける内/外ゴム層
の良好な押出加工性を確保することができる。
【0026】(第8発明の作用・効果)第8発明におい
て、含有するカルボキシル基末端基の含有量が20当量
/トン以下であるポリエステル補強糸を用いて繊維補強
層を構成するので、繊維補強ホースの耐圧性を確保でき
る。その理由は、カルボキシル基末端基の量を低減させ
ることにより、加硫系配合物中のチオウレア化合物によ
る補強糸の劣化を防止できるためと推定される。
【0027】
【発明の実施の形態】次に、第1発明〜第8発明の実施
の形態について説明する。以下において単に「本発明」
と言うときは、第1発明〜第8発明を一括して指してい
る。
【0028】〔繊維補強ホース〕本発明の繊維補強ホー
スは、内側ゴム層と外側ゴム層との間にポリエステル補
強糸あるいはポリアミド補強糸の繊維補強層を設けて一
体に加硫成形され、かつ、前記内側ゴム層と外側ゴム層
の一方又は双方がアクリルゴムからなるものである。
【0029】内側ゴム層が繊維補強ホースの最内層を構
成していても良いし、内側ゴム層の更に内側に他のゴム
等の材料からなる最内層が形成されていても良い。又、
外側ゴム層が繊維補強ホースの最外層を構成していても
良いし、外側ゴム層の更に外側に他の材料からなる最外
層が形成されていても良い。
【0030】繊維補強ホースの用途は限定されないが、
特に耐熱性,耐油性,耐圧性,シール性等の性能が要求
される用途、例えば自動車用のオイル系ホース,ラジエ
ーターホース,自動変速機油の冷却配管用オイルホー
ス,エンジンオイルの冷却配管用オイルホース,エア系
ホース等が好適である。
【0031】〔アクリルゴム〕繊維補強層の内側ゴム層
及び/又は外側ゴム層を構成するアクリルゴムは、架橋
席としてエポキシ基を含有するものであって、エポキシ
基を含有する架橋席モノマーと、これに対して共重合可
能な少なくとも一種のモノマーとを、乳化重合,懸濁重
合,溶液重合,塊状重合等の公知の方法で共重合させた
ものである。
【0032】上記架橋席モノマーとしては、例えばグリ
シジルアクリレート,グリシジルメタクリレート,アリ
ルグリシジルエーテル,メタアリルグリシジルエーテル
等を挙げることができる。そして第5発明の作用・効果
として前記した理由から、アクリルゴムのエポキシ基含
有量が0.7〜2.3重量%となるような比率でこれら
の架橋席モノマーを共重合させることが好ましい。
【0033】架橋席モノマーに対して共重合可能なモノ
マーの主成分としては、メチルアクリレート、エチルア
クリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルア
クリレート、イソブチルアクリレート等の公知の各種ア
クリル酸アルキルエステルや、2−メトキシエチルアク
リレート、2−(n−プロポキシ)エチルアクリレー
ト、2−(n−ブトキシ)エチルアクリレート、3−メ
トキシプロピルアクリレート等の公知の各種アクリル酸
アルコキシアルキルエステルが挙げられる。
【0034】なお、第6発明のように、アクリルゴム
が、エチルアクリレートが60重量%以上であるモノマ
ー組成を有することが、前記したような補強糸の劣化の
低減と言う作用・効果上の理由から好ましい。
【0035】架橋席モノマーに対して共重合可能なその
他の成分としては、1,1−ジヒドロペルフルオロエチ
ル(メタ)アクリレート、1,1−ジヒドロペルフルオ
ロプロピル(メタ)アクリレート、1,1,5−トリヒ
ドロペルフルオロヘキシル(メタ)アクリレート等の公
知の各種含フッ素アクリル酸エステルや、1−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート等の公知の各種水酸記含有アクリル酸エス
テルや、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の公知の
各種第3級アミノ基含有アクリル酸エステルや、メチル
メタクリレート、オクチルメタクリレート等の公知の各
種メタクリレートの他、公知の各種のアルキルビニルケ
トン、ビニルエーテル、アリルエーテル、ビニル芳香族
化合物、ビニルニトリル、エチレン、プロピレン、塩化
ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリ
デン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アルキルフマ
レート等が挙げられる。
【0036】本発明に用いるアクリルゴムの例を商品名
によって例示的に列挙すると、日本メクトロン社製の商
品名ノックスタイト,日本ゼオン社製の商品名ニポール
AR,東亜ペイント社製の商品名トアアクロン,電気化
学工業社製の商品名デンカER,日信化学工業社製の商
品名RVシリーズ,住友化学工業社製の商品名エスプレ
ンEMA,日本合成ゴム社製の商品名JSR−AR及び
AREX等を挙げることができる。
【0037】〔加硫系配合物〕アクリルゴムに適用され
る加硫系配合物は、チオウレア化合物と、これに併用さ
れる他の加硫剤及び/又は加硫促進剤からなる。
【0038】チオウレア化合物としては、例えばトリメ
チルチオウレア、エチレンチオウレア、N,N’−ジフ
ェニルチオウレア,ジオルソトリルチオウレア,ジエチ
ルチオウレア,ジブチルチオウレア,ジラウリルチオウ
レア等の各種のチオウレア化合物を用いることができる
が、特にトリメチルチオウレアがアクリルゴムの圧縮永
久歪を改良する効果が大きい。
【0039】チオウレア化合物の過剰配合を避けつつ充
分な加硫接着性を得るために、加硫系配合物としては、
チオウレア化合物の他に適量の加硫剤及び/又は加硫促
進剤を配合することが好ましい。このような加硫剤や加
硫促進剤の種類は特段に限定されないが、例えば加硫剤
としてイミダゾール化合物を、加硫促進剤として4級ア
ンモニウム塩を用いることが好ましい。その場合におい
て、アクリルゴム100重量部に対して、イミダゾール
化合物は0.2〜3重量部、4級アンモニウム塩は0.
1〜3重量部配合することが好ましい。
【0040】上記イミダゾール化合物としては、イミダ
ゾール骨格における各置換位置に任意の原子又は原子団
が置換したものを任意に使用することができ、例示すれ
ば、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダ
ゾール、1−ベンジル−2−エチルイミダゾール、1−
ベンジル−2−フェニルイミダゾール・トリメリット酸
塩、1−アミノエチル−2−メチルイミダゾール、1−
シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール及
びそのトリメリット酸塩、2,4−ジアミノ−6−
〔2’−メチルイミダゾリル−(1)’〕エチル−s−
トリアジン・イソシアヌール酸付加物、N,N’−ビス
(2−メチルイミダゾリル−1−エチル)尿素、N,
N’−〔2−メチルイミダゾリル−(1)−エチル〕ア
ジポイルジアミド、1−ドデシル−2−メチル−3−ベ
ンジルイミダゾリウムクロライド等が挙げられる。
【0041】上記4級アンモニウム塩としても任意のも
のを使用することができ、例示すれば、テトラエチルア
ンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロ
ライド、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、n
−ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、セチル
ピリジウムクロライド、1,8−ジアザ−ビシクロ
(5,4,0)ウンデセン−7−ベンジルアンモニウム
クロライド、セチルピリジウムアイオダイド等が挙げら
れる。
【0042】〔カーボンブラック〕アクリルゴムにはカ
ーボンブラックを配合することも好ましい。但し、平均
粒子径(電顕法で測定される長さ平均粒子径で表示され
る値)が30nm未満のカーボンブラックはゴムの押出
加工性の悪化と言う不具合を伴う場合があるため、30
nm以上の平均粒子径のものが好ましい。又、平均粒子
径が75nmを超えると、常態物性の悪化、押出加工性
の悪化の点で好ましくない場合がある。
【0043】好ましいカーボンブラックを商品名で表記
すると、東海カーボン社製のシースト116,シースト
SO,シーストS等を挙げることができる。これらのカ
ーボンブラックの配合量は特段に限定されないが、アク
リルゴム100重量部に対し、30〜100重量部が好
ましい。
【0044】〔繊維補強層〕繊維補強層はポリエステル
補強糸あるいはポリアミド補強糸からなるものを用い
る。ポリエステル補強糸あるいはポリアミド補強糸の種
類やデニール数等は限定されない。又、繊維補強層はこ
れらの補強糸をブレード巻きしたものでも、スパイラル
巻きしたものでも良く、スパイラル巻きの場合において
一重あるいは二重の逆方向のスパイラル巻き又はその二
重のスパイラル巻きの間に中間ゴム層を介在させたもの
等の実施形態を任意に採用することができる。
【0045】ポリエステル補強糸としては、含有するカ
ルボキシル基末端基の含有量が20当量/トン以下であ
るポリエステルを用いたものが、前記第8発明の作用・
効果の欄で説明した理由から、好ましい。
【0046】
【実施例】〔第1実施例〕 (アクリルゴム組成物の調製)末尾の表1(表中の「n
−BA」とはn−ブチルアクリレート、「EA」とはエ
チルアクリレートであり、表中の数値の単位は重量%で
ある)に示すモノマー組成のアクリル系エラストマーA
〜F100重量部に対して、それぞれ末尾の表2におけ
る実施例1−1〜1−7、末尾の表3における比較例1
−1〜1−6の各例に示すように配合物を添加(表中の
数値の単位はいずれも重量部である)して混練し、各例
に係るアクリルゴム組成物を得た。
【0047】なお、表2,3において、「シースト11
6」〜「シースト6」はいずれも東海カーボン社製のカ
ーボッブラックであって、その平均粒子径は、シースト
116が38nm,シーストSOが43nm,シースト
Sが66nm,シースト6が22nmである。又、「ア
サヒサーマル」は旭カーボン社製のカーボッブラックで
あって、その平均粒子径は80nmである。
【0048】又、表2,3に示すように、各例におい
て、イミダゾール化合物(1,2ジメチルイミダゾー
ル)を0.5重量部、4級アンモニウム塩(オクタデシ
ルトリメチルアンモニウムブロマイド)を0.5重量部
配合し、かつ、比較例1−1を除いては、チオウレア化
合物(トリメチルチオウレア)をそれぞれ表に記載の通
りの重量部ずつ配合している。
【0049】(押出加工性)アクリルゴム組成物の押出
加工性の評価を、ASTM D2230に準拠して、未
加硫ゴムに40°C×72時間後の熱老化を施した後の
ガーベイダイ評価によって行った。表2,3における
「エッジ」の表記はガーベイダイによる押出成形物のエ
ッジ部分の外観(鋭利性と連続性)を表し、「エッジ」
欄の数値は、1(劣)から10(優)までの10段階評
価の値を表す。又、表2,3における「表面肌」の表記
は表面肌の平滑性を表し、「表面肌」欄の「A〜E」の
文字はそれぞれA(優)からE(劣)までの5段階評価
の記号を表す。
【0050】(物性)各例に係るアクリルゴム組成物を
用いて、6インチミキシングロールにより厚さ2mmの
未加硫ゴムシートを作製し、これに160°C×60分
のプレス加硫の後、150°C×8時間のオーブン加硫
を施して、常態物性評価用のゴム試験片を得た。
【0051】これらのゴム試験片につき、JIS K6
301に準拠して、常態物性としての引張り強さ(MP
a),伸び(%),硬さ(JIS−A)と、150°C
×72時間の条件による圧縮永久歪とを評価した。その
結果を表2,3に示す。
【0052】(耐油性)上記各例に係るゴム試験片を、
市販の自動変速機油に150°C×72時間の条件で浸
漬した場合の体積変化率(%)を、JIS K6301
に準拠して測定した。その結果を表2,3に示す。
【0053】(ポリエステル繊維劣化性−1)カルボキ
シル基末端基の量が35当量/トンのポリエステル繊維
からなり、1500デニールで、引張り強度が115N
/本である長さ30mmのポリエステル補強糸(ポリエ
ステル繊維−1)を、上記と同様の手段で作製した厚さ
2mmの各例に係る未加硫ゴムシート2枚の間にサンド
イッチ状に挟み、これらの積層体に160°C×60分
のプレス加硫の後、150°C×8時間のオーブン加硫
を施して、次の測定を行った。
【0054】a)未処理:上記オーブン加硫後の積層体
からポリエステル繊維−1を取り出し、JIS L10
17に準拠してその引張り強度を測定した。その測定結
果は、表2,3の「ポリエステル繊維−1 劣化性」中
の「未処理」の欄に、元の強度(115N)に対する強
度低下率(負のパーセンテージ)として表記した。
【0055】b)空気老化後:上記オーブン加硫後の積
層体を150°C×240時間の条件で空気老化させた
後、上記a)と同様にして、ポリエステル繊維−1の引
張り強度を測定し、かつ測定結果を表2,3の「空気老
化」の欄に表記した。
【0056】c)油中浸せき後:上記オーブン加硫後の
積層体を市販の自動変速機油に150°C×240時間
の条件で浸せきした後、上記a)と同様にして、ポリエ
ステル繊維−1の引張り強度を測定し、かつ測定結果を
表2,3の「油中浸せき」の欄に表記した。
【0057】(ポリエステル繊維劣化性−2)カルボキ
シル基末端基の量が15当量/トンのポリエステル繊維
からなり、1500デニールで、引張り強度が130N
/本である長さ30mmのポリエステル補強糸(ポリエ
ステル繊維−2)を用い、上記の「ポリエステル繊維劣
化性−1」と同様に積層体を形成して加硫を行った後、
上記と同じa)〜c)の測定を行い、それらの測定結果
を表2,3の「ポリエステル繊維−2 劣化性」中の各
該当欄に表記した。
【0058】(ポリアミド繊維劣化性)ポリアミド繊維
からなり、1260デニールで、引張り強度が116N
/本である長さ30mmのポリアミド補強糸を用い、上
記の「ポリエステル繊維劣化性−1」と同様に積層体を
形成して加硫を行った後、上記と同じa)〜c)の測定
を行い、それらの測定結果を表2,3の「ポリアミド繊
維 劣化性」中の各該当欄に表記した。
【0059】(第1実施例に係る各例の評価結果)第1
実施例に係る各例において、実施例1−1〜1−7は、
いずれの評価項目においても、満足できる結果であっ
た。
【0060】これに対して、アクリルゴム組成物にチオ
ウレア化合物が配合されていない比較例1−1は、圧縮
永久歪が劣っていた。チオウレア化合物の配合量が多過
ぎる比較例1−2は、押出加工性とポリエステル繊維劣
化性及びポリアミド繊維劣化性が劣っていた。カーボン
ブラックの平均粒子径が小さ過ぎる比較例1−3は、押
出加工性が悪く(組成物のゲル化による粘度の増大が原
因と思われる)、かつ圧縮永久歪が劣っていた。カーボ
ンブラックの平均粒子径が大き過ぎる比較例1−4は、
押出加工性が悪く、かつゴム試験片の引張り強さが不十
分であった。アクリルゴムのエポキシ基含有量が少なす
ぎる比較例1−5は、圧縮永久歪が劣っていた。アクリ
ルゴムのエポキシ基含有量が多すぎる比較例1−6は、
押出加工性が劣っていた。
【0061】又、第1実施例に係る各例において、ポリ
エステル繊維−1に比較して、ポリエステル繊維−2
は、前記の「b)空気老化後」及び「c)油中浸せき
後」のいずれの評価においても、強度低下が小さかっ
た。
【0062】〔第2実施例〕 (繊維補強ホースの作製)ホースの最内層である内側ゴ
ム層(内面ゴム)と、ホースの最外層である外側ゴム層
(外面ゴム)との間に、ポリエステル補強糸(前記ポリ
エステル繊維−1又はポリエステル繊維−2)の繊維補
強層を設けて一体に加硫成形された繊維補強ホースを作
製した。
【0063】その際、末尾の表4に示す実施例2−1〜
2−4、比較例2−1〜2−3の各例につき、それぞれ
表4に示す材料を用いた内面ゴムを、押出機によって
2.0mmの厚さに押出し、次いで表4に示すポリエス
テル補強糸を編組して繊維補強層を構成し、更にその上
に表4に示す外面ゴムを1.5mmの厚さに押出した。
これらの各例に係る未加硫の繊維補強ホースは、いずれ
も内径が7.0mm、外径が14.5mmであった。
【0064】そして各例に係る未加硫ホースを、鉄製マ
ンドレルに挿入した後、スチーム加硫缶にて160°C
×60分のスチーム加硫を行い、更にマンドレルから抜
取った後、ギヤー式オーブンにて150°C×8時間の
熱風加硫を行って、各例に係る繊維補強ホースとした。
【0065】(押出加工性)各例に係る加硫後の繊維補
強ホースの外側ゴム層表面を観察し、表面が平滑である
ものを「○」、表面が荒れているものを「×」と評価し
て、表4の「押出肌」の欄に表記した。
【0066】(ホースの破裂圧)図1に示すように、各
例に係る繊維補強ホース1の一端を、閉止したパイプ2
等のメクラ栓により密閉し、他端は水圧ポンプ3に接続
して、繊維補強ホース1のこれら両端をクランプ治具4
で緊密に締付けたもとで、昇圧速度0.98〜1.96
MPa/min.で水圧ポンプを作用させることによ
り、初期の破裂試験を行った。又、市販のATF(トヨ
タキャッスルオートフルードDII)を各例に係る繊維
補強ホース内に封入し、オーブン中にて150°C×2
40時間の熱老化をさせた後に同上の破裂試験(老化後
の破裂試験)を行った。
【0067】評価結果を表4中の「破裂圧」の欄に示す
が、実用上、老化後の破裂試験における破裂圧が6MP
a以上であることが、望ましい目標値と考えられる。
【0068】(ホースのシール性)各例に係る繊維補強
ホースの一端に、Sn−Znメッキを表面に施した鋼管パイ
プを挿入し、クランプ治具を用いて締付け固定した後、
水圧ポンプによって他端より0.6MPa/min.の
速度で昇圧することにより初期のシール圧を測定した。
又、上記の破裂圧試験の場合と同様に市販ATFを封入
してオーブン中にて熱老化をさせ、その後に同上のシー
ル圧測定(老化後のシール性)を行った。
【0069】評価結果を表4中の「シール性」の欄に示
すが、実用上、老化後のシール圧測定値が2MPa以上
であることが、望ましい目標値と考えられる。
【0070】(第2実施例に係る各例の評価結果)第2
実施例に係る各例において、実施例2−1〜2−4は、
破裂圧,シール性のいずれの目標値も満足した。その中
でも、ポリエステル繊維−2を用いた実施例2−2は、
ポリエステル繊維−1を用いた実施例2−1に比較し
て、老化後の破裂圧の低下が殆ど認められない。
【0071】これに対して、圧縮永久歪の悪い比較例1
−1材を用いた比較例2−1は、押出加工性と破裂圧に
おいて満足できるが、老化後のシール性が劣っていた。
押出加工性の悪い比較例1−2材を用いた比較例2−2
は押出加工性が劣ると共に、ポリエステル繊維−1を用
いた繊維補強層の劣化のために老化後の破裂圧が劣り、
かつ繊維補強層の劣化のために老化後のシール性もやや
劣っていた。押出加工性と圧縮永久歪が悪い比較例1−
3材を用いた比較例2−3は、押出加工性が劣ると共
に、老化後のシール性も劣っていた。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る破裂試験の実施要領を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 繊維補強ホース 3 水圧ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/3445 C08K 5/3445 5/405 5/405 C08L 33/14 C08L 33/14

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方がアクリルゴムからなる
    内側ゴム層と外側ゴム層との間に、ポリエステル補強糸
    又はポリアミド補強糸の繊維補強層を設けて一体に加硫
    成形した繊維補強ホースにおいて、 前記アクリルゴムがエポキシ基含有アクリルゴムであ
    り、かつ、これにチオウレア化合物を一部に含む加硫系
    配合物が配合されていることを特徴とする繊維補強ホー
    ス。
  2. 【請求項2】 前記加硫系配合物におけるチオウレア化
    合物の配合量が、アクリルゴム100重量部に対して
    0.05〜1.5重量部であることを特徴とする請求項
    1に記載の繊維補強ホース。
  3. 【請求項3】 前記チオウレア化合物がトリメチルチオ
    ウレアであることを特徴とする請求項1又は請求項2の
    いずれかに記載の繊維補強ホース。
  4. 【請求項4】 前記加硫系配合物が、前記チオウレア化
    合物と、それぞれ適量のイミダゾール化合物及び4級ア
    ンモニウム塩からなることを特徴とする請求項1〜請求
    項3のいずれかに記載の繊維補強ホース。
  5. 【請求項5】 前記アクリルゴムのエポキシ基含有量が
    0.7〜2.3重量%であることを特徴とする請求項1
    〜請求項4のいずれかに記載の繊維補強ホース。
  6. 【請求項6】 前記アクリルゴムが、エチルアクリレー
    トが60重量%以上であるモノマー組成を有することを
    特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の繊維
    補強ホース。
  7. 【請求項7】 前記アクリルゴムに配合するカーボンブ
    ラックの平均粒子径が30〜75nmであることを特徴
    とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の繊維補強
    ホース。
  8. 【請求項8】 前記ポリエステル補強糸の含有するカル
    ボキシル基末端基の含有量が20当量/トン以下である
    ことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載
    の繊維補強ホース。
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