JP2000214099A - 結晶欠陥計測方法および装置 - Google Patents

結晶欠陥計測方法および装置

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JP2000214099A
JP2000214099A JP11016007A JP1600799A JP2000214099A JP 2000214099 A JP2000214099 A JP 2000214099A JP 11016007 A JP11016007 A JP 11016007A JP 1600799 A JP1600799 A JP 1600799A JP 2000214099 A JP2000214099 A JP 2000214099A
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Muneo Maejima
宗郎 前嶋
Kazuo Takeda
一男 武田
Hitoshi Komuro
仁 小室
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】欠陥の位置又は種類単位での分離表示が容易
で、したがって欠陥評価が容易な結晶欠陥計測方法及び
装置を提供すること。 【解決手段】ウエハ試料からの散乱光を検出することに
よって、図3(a)に示すように、ウエハ試料の欠陥平
面分布が得られる。この分布に対応する欠陥のサイズ対
深さのグラフがまた図3(b)に示すように得ることが
できる。図3(a)では複数の種類(または素性)の欠
陥が全て表示されているため、欠陥の直感的な解析が困
難である。そこで、操作者は図3(b)を見て、マウス
のようなコンピュ−タ入力装置を用いて例えば28の欠
陥群をグラフ上で選択し、その選択された領域の欠陥だ
けの平面分布を図3(a)に代って表示すると、その欠
陥の種類を直感的に判断することができるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は結晶欠陥計測方法お
よび装置、特に半導体ウエハであるシリコンウェハ中の
析出物や積層欠陥などの結晶欠陥計測方法および装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】LSI(大規模集積回路)の集積度が向
上するにつれて、LSIを構成するMOS(Metal
Oxide Semiconductor)トランジ
スタの不良に起因した良品取得率と信頼性の低下が大き
な問題となってきている。MOSトランジスタの不良の
原因としては、ゲート酸化膜の絶縁破壊および接合のリ
ーク電流過多が代表的である。これらのMOSトランジ
スタの不良の多くは、直接もしくは間接的にシリコン基
板中の結晶欠陥に起因している。すなわち、LSI製造
工程において、酸化によりシリコン酸化膜に変換される
シリコン基板の表面領域に結晶欠陥が存在すると、シリ
コン酸化膜に構造欠陥が形成され、LSI動作時に絶縁
破壊が生じる。また、接合の空乏層に結晶欠陥が存在す
ると、リーク電流が多量に発生する。このように、シリ
コン基板内において素子が形成されている表面領域に結
晶欠陥が形成されると、MOSトランジスタの不良が発
生するので好ましくない。
【0003】このように、欠陥計測はシリコン結晶品質
管理において重要である。そして、このような欠陥を計
測する方法ではシリコンウェハ内の全面を測定できるこ
と、欠陥のサイズや欠陥の深さ位置などの計測が必要で
ある。
【0004】従来の計測技術としては、第1の公知例と
して、シリコン基板をへき開し、その断面方向(試料の
表面法線方向と垂直な方向)からSi結晶を透過する赤外
線を照射し、Si結晶中の微小欠陥からの散乱光像をカメ
ラで撮影する方法がある。本方法は赤外散乱トモグラフ
ィー法と呼ばれ、例えば、ジャーナル オブ クリスタ
ル グロース誌 第88巻(1988年)332ページに詳し
い。しかし、本方法では、試料をへき開することが必要
であり、シリコンウェハの全面を測定することは不可能
であり、また深さ分解能は照射光波長程度の約1μmが
限界である。
【0005】また、第2の公知例として、特開平5-2644
68には、赤外線を試料に斜入射し、試料内部からの散乱
像を赤外線カメラで2次元的に観察することにより散乱
像の各部分の深さをその視野における位置と対応させて
欠陥の深さを求める方法が述べられている。この場合の
深さ分解能は光学系的結像性能(焦点深度)で決まり、
波長と屈折率の積程度であるので高々4μmである。
【0006】第3の公知例として、特開平6-50902に示
される半導体ウェハの表面の欠陥計測の従来方法では、
ウェハ表面に対してレーザ光を照射する。このとき、ウ
ェハを回転して、ウェハ表面からの散乱光をレンズで集
光し検出器で検出する。得られた検出信号を、高周波数
帯域、中間周波数および低周波数帯域に分割する周波数
帯域別分割回路と、分割された各欠陥検出信号をそれぞ
れデジタル化する複数のA/D変換回路、ならびにデジタ
ル化された各欠陥検出信号を、欠陥データとして各欠陥
の検出位置に対するアドレスに記憶する複数のメモリと
を設ける。各欠陥データをデータ処理部により処理し
て、帯域別にプリンタにマップ表示し、各マップ表示の
欠陥データにより、欠陥の種類を区別して評価する。上
記方法は、時間的にパルス状に発生する散乱光検出信号
の周波数帯域をもとに欠陥の形状やサイズなどを区別す
る方法である。この計測を含め表面異物検査を目的とし
た計測では、一般に1つの波長の散乱光強度によって表
面異物のサイズを評価している。この原理を内部欠陥サ
イズに適用すると、同一サイズの欠陥であっても欠陥の
深さ位置によって散乱光強度が減衰するので、欠陥サイ
ズが評価できないという問題がある。
【0007】第4の公知例として、欠陥の深さとサイズ
の測定をシリコンウェハの全面に適用可能な測定技術が
ある。これは武田による ”応用物理”1996年第6
5巻11号1162頁に記載されている。これは固体に
対する侵入深さが3倍以上異なる二波長の光を斜入射光
学系にて照射し、結晶欠陥からの散乱光を垂直方向から
検出する方法である。
【0008】その原理は次のようなものである。第2照
射光の方がよりSiウェハ内への侵入深さが深い(すな
わち波長が長い)ものとする。
【0009】試料物質(ここではSi)の波長λにおけ
る屈折率をn、消衰率をkとすれば、入射光の振幅が表
面における振幅の1/eになる侵入深さは次のように与
えられる。
【0010】 Γ=λ/2πk (1) したがって、空気中より入射角θで物質に入射した照射
光強度は表面から深さZのところでは、シリコン中の屈
折角がarcsin(sinθ/n)であることを考慮すると、exp
((-2Z/Γ)cos(arcsin(sinθ/n))だけ表面より減衰する
ことになる。
【0011】次に空気中より試料表面に光が入射角θで
入射し、その照射光が試料内部の欠陥により試料表面方
向へ散乱された光をある立体角で検出する場合を考え
る。その検出立体角についての欠陥の積分散乱断面積を
σ、照射光強度をI、照射光のウェハ表面入射角での透
過率をTi、欠陥からの散乱光のウェハ内部から大気中
への透過率をTsとしたとき、物質表面より深さZの位
置にある欠陥からの散乱光強度Sは照射光の減衰と散乱
光の減衰の両方を考慮して以下のように表すことができ
る。
【0012】 S=TiTsIσexp[-(2Z/Γ)(1+1/{cos(arcsin(sinθ/n))})] (2) 試料の波長λ1およびλ2に対する屈折率を各々n1、
n2、侵入深さを各々Γ1、Γ2、照射光強度を各々I
1、I2、測定される散乱光強度を各々S1、S2、積
分散乱断面積を各々σ1、σ2、照射光透過率をそれぞ
れTi1、Ti2、散乱光透過率をそれぞれTs1、T
s2とすると以下の式が成り立つ。
【0013】 S1=Ti1Ts1I1σ1exp[-(2Z/Γ1)(1+1/{cos(arcsin(sinθ/n1))})] (3) S2=Ti2Ts2I2σ2exp[-(2Z/Γ2)(1+1/{cos(arcsin(sinθ/n2))})] (4) ただし、Γ1<Γ2とする。(3)式と(4)式より Z=C1ln[C2(S2/S1)(σ1/σ2)] (5) ただし、C1とC2は装置定数と試料の光学定数からなり、
以下の式で定義される 。 C1=1/[(2/Γ1)(1+1/{cos(arcsin(sinθ/n1))})- (2/Γ2)(1+1/{cos(arcsin(sinθ/n2))})] (6) C2=(I1/I2)(Ti1Ts1/Ti2Ts2) (7) C1とC2は装置定数であるので、(S2/S1)(σ1/σ2)が分か
ればZが求まる。ここで、(S2/S1)は信号強度の比であ
り、測定量から求まる。
【0014】さらに、欠陥サイズ(d)が照射波長より
十分に小さくレーリー散乱領域(目安として粒径0.2μm
以下)であるとすると、各波長についてσ((d^6)(λ^
-4)の関係が成り立ち、σ1/σ2=(λ2/λ1)^4の関係が
得られる。この条件を数5に代入して次式が得られる。
【0015】 Z=C3ln(S2/S1)+C4 (8) ただし、C3とC4も欠陥によらない装置定数である。以上
の結果より、S1とS2からZが求められる。
【0016】次に、吸収係数の大きい方の波長λ1で検
出される欠陥について、S2を用いて欠陥の粒径が次式か
ら求められる。
【0017】 ln(d)=(1/6)ln(S2)+C5 (9) ただし、このためには波長λ1とλ2の侵入深さについ
て、Γ1<<Γ2の条件が必要である。数9はこの条件下で
以下のように導出される。
【0018】Z<Γ1<<Γ2を満足する欠陥について、
(4)式でZ/Γ2(0とおけるのでS2=C6σ2となる。しか
もレーリー散乱領域では、σ2(d^6が成り立つので、数
9が得られる。
【0019】なお、以上において、^はべき乗を表す。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】第1、第2の公知例の
ように赤外線を使用して試料(Siウェハ)内部の結晶欠
陥を測定する方法は、深さ分解能が数マイクロメートル
であるという問題がある。なぜなら、LSIにおけるデ
バイスはシリコン表面から0.5μm以内の領域に形成さ
れることが多い。この領域に欠陥が形成されるとデバイ
ス不良率が高くなるが、これより深い領域に欠陥が発生
しても、デバイス不良とは無関係なことが多い。したが
って、欠陥計測の深さ分解能としては0.5μm以下であ
ることが必要である。
【0021】また、欠陥のサイズによってデバイスに対
する影響が異なるからサイズ評価が可能でなければなら
ない。上記第3の公知例に示す従来の面盤欠陥検査装置
のようにウェハに吸収される一つの波長の光を照射し、
欠陥からの散乱光を検出する場合は、散乱光強度は欠陥
の深さ位置と欠陥サイズによって変化するのでサイズも
深さも得られないという欠点がある。
【0022】第4の公知例に示した方法は、侵入深さの
短い第1照射光の波長として532nmを選択しておりウェ
ハ表面から深さ約0.5μmまで波長の光をの結晶欠陥の
深さと欠陥サイズを2つの波長の散乱光強度から算出す
ることができる。この技術によって、これまで不可能で
あった結晶欠陥のウェハ全面の測定が可能となり、また
ウェハ全面の結晶欠陥の深さや欠陥サイズに関する知見
が得られるようになり、ウェハ内部に存在するGrown-in
欠陥や水素アニール、イオン打ち込みなど、デバイスプ
ロセスに起因して誘起される欠陥群やウェハ表面の研磨
きず、付着異物のウェハ内の面内位置、深さ、欠陥サイ
ズなどの評価が可能になってきた。しかし、この方法で
は、上記の検出された各種の散乱体は平面内分布におい
て重畳して表示され、例えば表面の研磨きずや異物の影
響を除いて内部の欠陥のみの深さや欠陥サイズの評価を
行うことはできない。同様に平面内分布において特定の
領域にのみ存在する散乱体群の深さや欠陥サイズの評価
を行うこともできない。
【0023】また欠陥の深さや欠陥のサイズにおいて新
たに特徴的な分布、すなわちあらたな素性の結晶欠陥群
が見出された場合に、それらがいかなる平面内分布をも
つのかを評価することができない。
【0024】本発明は、上記の問題を克服するためにな
されたものであって、欠陥の位置又は種類単位での分離
表示が容易で、したがって欠陥評価が容易な結晶欠陥計
測方法および装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明は、一つの観点に
よれは、結晶試料に照射光を照射し、その試料及び照射
光の一方を他方に対して走査して前記試料の個々の散乱
体からの散乱光を検出することにより前記試料の結晶欠
陥を計測する結晶欠陥計測方法において、前記散乱光強
度のうち、予め定められた値よりも大きい散乱光の強度
とその生成位置を記憶すること、その記憶された散乱光
強度を与える散乱体の平面分布と前記照射光の散乱光強
度に関連した値を軸とする、前記記憶された散乱光強度
にもとづくグラフとのうちの一方を表示して、その一方
の表示からその一方の特定の領域を選択すること、その
選択された領域またはその領域以外の領域に対応する、
前記平面分布およびグラフのうちの他方の領域を特定し
て表示することのステップを含む。
【0026】本発明は、もう一つの観点によれば、結晶
試料に照射光を照射する照射系と、前記試料及び照射光
の一方を他方に対して走査して前記試料の個々の散乱体
からの散乱光を検出する手段とを含み、それによって前
記試料の結晶欠陥を計測する結晶欠陥計測装置におい
て、前記散乱光強度のうち、予め定められた値よりも大
きい散乱光の強度とその生成位置を記憶する手段と、そ
の記憶された散乱光強度を与える散乱体の平面分布と前
記照射光の散乱光強度に関連した値を軸とする、前記記
憶された散乱光強度にもとづくグラフとを表示する手段
とを含み、前記平面分布及びグラフのうちの一方の表示
からその一方の特定の領域を選択し、その選択された領
域またはその領域以外の領域に対応する、前記平面分布
およびグラフのうちの他方の領域を特定して表示するよ
うにしたことを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】図1は本発明もとづく結晶欠陥計
測装置の照射および検出光学系の一実施例を示す。第1
の照射系4では、第1照射光1として波長532nmの
YAGレーザの第二次高調光を偏光子によって試料(シ
リコンウェハ)11表面に対する偏光方向をp偏光に調
整する。この偏光した光を第1折り返しミラー2で折り
返し、第1集光レンズ3で集光し、入射光の光軸がシリ
コンのブリュースター角(約75度)となる方向からシ
リコンウェハに照射する。ブリュースター角でのp偏光
方向による照射は、s偏光よりもシリコン表面での反射
率が低いことに着目して内部欠陥への照射光強度の損失
を少なくするためのものである。必ずしもこの条件であ
る必要はないがこの条件であることが望ましい。
【0028】同様に、第2の照射系8では、第2照射光
5は波長810nmの半導体レーザを使用し、第2折り
返しミラー6で折り返し、第2集光レンズ7で集光し、
入射光の光軸がシリコンのブリュースター角(約75
度)となる方向からシリコンウェハにブリュースター角
で照射する。波長の選択に関しては、固体に対する侵入
深さが3倍以上異なる2波長を選択する。侵入深さが3
倍以上異なると、短波長が侵入できる深さ範囲において
長波長の減衰が約50%となり、レーリー散乱理論よ
り、長波長の散乱光信号から散乱体の粒径を算出する際
の誤差が10%以内と見積もられるためである。
【0029】上記の第1、第2照射系4、8によって照
射された光は内部欠陥によって散乱される。散乱された
光のうち前方散乱はウェハ外部へ再び戻ることはない。
後方散乱のうち、シリコンと空気の界面による臨界角
(約14.5度)より大きい角度の散乱光はシリコンウ
ェハ内で全反射し、ウェハ外部には到達しない。臨界角
より小さい散乱光のみがシリコンウェハと空気の界面を
通過し、ウェハ外部に到達する。このウェハ外部に到達
した散乱光は対物レンズ9によって捕捉され、散乱光1
0として検知器に向かう。
【0030】シリコンウエハに対する照射光の全面走査
は、回転移動と中心が並進移動しているシリコンウエハ
に照射することによって、スパイラル状に走査する。走
査に関しては回転の角速度をωとし、測定位置の回転中
心からの距離をrとしたときにr×ωが常に一定となる
ように、すなわち線速度が一定となるように制御して行
う。照射領域を散乱体が通過した瞬間に、パルス的な散
乱光が発生する。散乱体としては試料(シリコンウェ
ハ)11内に含まれる酸素析出物(SiO2粒子)や転
移等の結晶欠陥、その他にウエハ表面に付着した異物な
どがある。
【0031】図2は本発明にもとづく結晶欠陥計測装置
の一実施例の全体構成を示す。
【0032】試料11における欠陥からの散乱光10を
対物レンズ9を用いて集光し、ダイクロイックミラー1
2にて分岐し、波長532nmおよび810nmの光を
分離し、レンズ13、14でそれぞれ集光し、光検出器
15、16で波長別に検出する。それぞれの検出信号
は、それぞれアンプ17、18によって増幅し、A/D
コンバータ19、20でデジタル化してコンピュータ2
1に取り込む。
【0033】ここで波長532nmの検知器15による
散乱光強度信号がある設定したしきい値を越えた場合に
のみ波長532nmの検知器15および波長810nm
の検知器16の散乱光強度値をデジタル化してコンピュ
−タ21のメモリに取り込むようにする。シリコンウエ
ハの面内位置で散乱光が発生した位置も、散乱光強度と
一緒に記録する。
【0034】両者ともにそれぞれ設定したしきい値以上
の散乱光信号を検知した場合にのみ検知器15、16散
乱光強度をデジタル化してコンピュ−タ21のメモリに
取り込んでもよい。
【0035】一方、コンピュ−タ21よりドライバ2
2、23を用いて回転ステ−ジ24および並進ステージ
25を回転方向(θ方向)及び半径方向(R方向)に走
査しながらウエハ固定治具26に取り付けた回転エンコ
ーダ及び並進エンコーダの座標(R,θ)をモニターし
ながら散乱光計測を行い、欠陥から散乱光が発生した瞬
間の座標(R,θ)を散乱光強度信号とともにコンピュ
ータ21に取り込む。
【0036】散乱体の粒径を誤差10%以内で算出する
ために、侵入深さが3倍以上異なる2波長を使用する
が、ここで第1照射光(532nm)および第2照射光
(810nm)による散乱光の強度をそれぞれS1,S
2とおくと、数8および数9によって、欠陥の深さおよ
び粒径を求めることができる。
【0037】欠陥の深さの校正((8)式および(9)
式の定数の決定)は標準試料の測定にて行うことができ
る。すなわち、粒径の標準試料としては粒径が既知のポ
リスチレンラテックスビーズを表面に塗布したウェハが
適当であり、深さの標準試料として、エピタキシャル層
の厚さが既知のエピタキシャルウェハが適当である。エ
ピタキシャル層の厚さが既知のエピタキシャルウェハが
標準試料になる理由は、エピタキシャル層内の欠陥密度
がエピタキシャル層下の基板内欠陥密度に比べて非常に
小さいため欠陥の深さ分布の標準試料として利用できる
ことである。
【0038】図2の構成によって、上記のようにしてあ
らかじめ設定したしきい値をこえた照射波長532nm
のパルス状の散乱光の信号強度、このときの照射波長8
10nmの散乱光強度、およびそのしきい値を越えたパ
ルス信号が検出されたウェハ上の座標(r、θ)を記憶ま
たは記録が可能である。
【0039】図3(a)は、このようにして検出された
パルス信号を与える散乱体の座標分布(平面分布)を、
平面分布表示機能によって、図2のコンピュ−タ21に
接続された表示装置27にモデル的に表示した例であ
る。外周の円が測定領域または試料であるシリコンウェ
ハの外周を表す。図中の黒い丸の部分がしきい値を超え
る信号が検出された散乱体を表す。実際は1個の散乱体
は画面またはプリンタなどの出力の解像度以上のドット
または四角形、三角形などの記号で表示するがここでは
以下の実施例の説明を助けるため、以下の2種類のもの
に関して黒い丸で表記していない。(1)複数の直線が
密集しているように表示している部分としては実際は上
記の画面またはプリンタなどの出力の解像度以上のドッ
トまたは四角形、三角形などの記号が直線状に連続して
分布したものが表示され、直線と直線として認識される
ものであるがここでは簡便のため直線で標記している。
また(2)網掛けが施してあるように表示してあるの
は、非常に非常に多数の散乱体が密集している状態を示
しており、本来は上記の画面またはプリンタなどの出力
の解像度以上のドットまたは四角形、三角形などの記号
が密集して分布表示されるべきものである。
【0040】図3(a)では複数の種類(または素性)
の散乱体が全て表示されているため、欠陥の直感的な解
析が困難である。
【0041】図3(b)は図3(a)の散乱体の平面分
布に対応するグラフを図2の表示装置27に表示した例
を示すもので、横軸は(9)式によって導出した粒径、
縦軸は(8)式によって導出した深さを表す。本装置で
は2波長を照射して各々の散乱光を検出しているため1
波長を照射してその散乱光を検出する方法では分離でき
なかった散乱体の素性による相違が2次元(図3(b)
では粒径対深さ)に分離できる可能性が高い。
【0042】操作者はこの図3(b)を見て、例えば2
8の欠陥群をグラフ上で選択する。選択方法はマウス、
トラックボール、ジョイスティック、キ−ボ−ドなどの
コンピュータの入力装置によって図中で指示する。入力
装置による領域選択方法としては、グラフ内で任意の多
角形を選択できるようにする。または、領域の選択方法
を矩形の対角線をグラフ内で指定したり、楕円形の領域
を指定できるようにしてもよい。そして複数の領域を選
択可能とする。領域を選択した後、選択した領域のみを
平面分布に反映させるかまたは選択した領域を除いた部
分を平面分布に反映させるのかを選択する。この選択し
た部分のみを平面分布に反映させるか、選択した領域を
除いた部分を平面分布に反映させるのかの選択は領域を
選択する前に行ってもよい。
【0043】散乱体の平面分布及びグラフについては、
その一方を消去したところに他方を表示する(更新表
示)ようにしてもよいし、あるいは両方を独立に表示す
る(独立表示)ようにしてもよい。
【0044】図4(a)及び(b)は図3中の選択され
た特定の領域の散乱体の平面分布及びグラフを示す。図
4(b)の領域28は深さゼロ位置すなわち表面近傍に
広い粒径範囲にわたって分布している散乱体群である。
このような分布をもつものはデバイス形成の歩留まりに
影響するほどのウェハの研磨不良等の可能性が高い。図
4(a)はそのウェハ表面近傍の広い粒径に分布する散
乱体群を選択的に表示し、その空間分布を明らかにして
いる。
【0045】なお、選択した特定の領域のみが表示され
ているが、このように既に領域を選択または除外した図
に対してもさらなる領域の選択は可能である。
【0046】図5(a)及び(b)は図3中の選択領域
28を除いた領域中の散乱体の平面分布及びグラフを示
す。つまり、図4中の領域を除いた領域における散乱体
の平面分布及びグラフを示す。
【0047】図5(a)の平面分布を確認した後、再度
この平面分布表示のグラフを表示すると図5(b)を得
る。図5(b)から同様の手順で領域31および32を
除いた領域における散乱体の平面分布を表示したものが
図6である。領域31はウェハ表面のマイクロラフネス
に起因するヘイズであり、領域32は極微小な研磨きず
等の可能性が高い。図5(b)の領域29および領域3
0をそれぞれ平面分布表示したものが図7および図8で
ある。領域29のように表面近傍に特定の粒径で現れる
散乱体群はウェハ表面のCOPである可能性があること
がわかっている。また領域30のようにウエハ内部に特
定の粒径で出現する散乱体群はウェハの引き上げ時に発
生するGrown−in欠陥である可能性が高い。図7
と図8を図6から類推することは極めて困難であり、本
発明によって散乱体群の素性の相違による分離ができた
といえる。素性により平面分布上での分離ができること
はデバイス形成上の結晶欠陥と歩留まりの管理に有用で
ある。分離した結果の特定種類の欠陥の平面分布が、歩
留まりに影響を与えるか否かを判断する指針となるから
である。
【0048】さらに平面分布内での領域を選択し、選択
した領域のみのグラフ表示または選択した領域を除いた
領域のグラフ表示を可能とする。選択方法は上記と同様
に、マウス等の入力装置による多角形、矩形、楕円形の
選択ウエハ中心を原点とするrθ座標系においてrとθ
の範囲を制限した形状により行う。例えば図3(a)に
示す散乱体群32’を多角形によって選択する(図9
(a))。もしこの欠陥群の素性がよくわかっていない
ものであれば、選択した領域のみをグラフ表示する。こ
の場合は図9(b)を得ることになる。図9(a)は微
少な研磨きずである可能性があるが、このような平面分
布をもつ散乱体群がグラフ中で図9(b)のように分布
することが分かり、それが以降の分析に大きく寄与す
る。
【0049】または領域28’が研磨きずもしくは何ら
かの原因で表面に付着した異物であることがわかってお
り、その影響を除外したグラフによって残りの散乱体群
に関する評価を行いたいような場合は領域28’を選択
した後、これを除いた領域のグラフを表示させると図5
(b)を得ることとなり、これがさらなるウェハの結晶
欠陥の解析に大きく貢献する。
【0050】ここではグラフの例として図3(b)のよ
うに粒径と深さを軸としたグラフを示した。他にグラフ
として、2波長からの散乱光強度から演算によって得ら
れる別の量を選択してもよい。選択する軸の例として、
照射光532nmまたは810nmからの散乱光強度、
これらの対数、散乱光強度を6分の1した量(粒径に比
例する量)などがある。また、各波長における上記の軸
として選択可能な量(もちろん粒径、深さも含む)の度
数分布グラフを作成し、これから軸として選択可能な量
の範囲を選択するようにしてもよい。
【0051】以上の操作の流れを図10のフローチャー
トによって説明する。
【0052】画面に平面内分布またはグラフが表示され
ている状態33において、領域を選択するかしないかの
判断34を行う。領域を選択する場合は領域を実際に選
択35する。選択した後、選択した領域内のデータを表
示するのか、選択した領域を覗いた領域を表示するのか
を選択36する。領域内を選択する場合は装置のコンピ
ュータは領域内のデータを選択37し、選択した領域を
除いた部分を表示する場合は、除いた部分のデータをコ
ンピュータが選択38する。コンピュータがデータを選
択後に表示を更新39する。続いて、現在、平面分布を
表示しているのであればグラフに、グラフを表示してい
るのであれば平面分布に表示を切り換えるか否かを選択
40する。表示を切り換える場合は表示を切り換えて更
新する41。選択しない場合は処理を終了42する。
【0053】領域を選択するかしないかの判断34を行
った際に、領域を選択しない場合でも、続いて、現在平
面分布を表示しているのであればグラフに、グラフを表
示しているのであれば平面分布に表示を切り換えるか否
かを選択40することが可能である。36の選択した領
域内のデータを表示するのか、選択した領域を除いたデ
ータを表示するのかの選択は、領域を選択35する前に
行い、選択肢を記憶し、表示を更新39させてもよい。
【0054】本発明の実施例によれば、シリコンウェハ
結晶欠陥計測装置において散乱体の平面内分布または散
乱体の性質を表すグラフ上の任意の領域のデータ選択し
て散乱体の性質を表すグラフまたは平面内分布に表示す
ることで、散乱体の位置や種類による分離表示が容易と
なり、したがって定性的なウェハの評価や管理が容易と
なる。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、欠陥の位置又は種類単
位での分離表示が容易で、したがって欠陥評価が容易な
結晶欠陥計測方法および装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明もとづく一実施例を示す結晶欠陥計測装
置の照射および検出光学系図。
【図2】本発明にもとづく結晶欠陥計測装置の一実施例
の全体構成図。
【図3】散乱体の平面分布及びグラフ。
【図4】図3中の選択された特定の領域における散乱体
の平面分布及びグラフを示す図。
【図5】図4中の選択された特定の領域以外の領域にお
ける散乱体の平面分布およびグラフを示す図。
【図6】図5中の選択された特定の領域以外の領域にお
ける散乱体の平面分布を示す図。
【図7】図5中の選択された特定の領域における散乱体
の平面分布を示す図。
【図8】図5中の選択された別の特定の領域における散
乱体の平面分布を示す図。
【図9】図3中の選択された別の特定の領域における散
乱体の平面分布及びグラフを示す図。
【図10】本発明にもとづく操作の流れの一例を表すフ
ローチャートを示す図。
【符号の説明】
1:第1照射光、2:第1折り返しミラー、3:第1集
光レンズ、4:第1照射系、5:第2照射光、6:第2
折り返しミラー、7:第2集光レンズ、8:第2照射
系、9:対物レンズ、10:散乱光、11:試料(シリ
コンウェハ)、12:ダイクロイックミラー、13:レ
ンズ1、14:レンズ2、15:光検出器1、16:光
検出器2、17:アンプ1、18:アンプ2、19:A
/Dコンバータ1、20:A/Dコンバータ2、21:
コンピュータ、22:回転ステージドライバ、23:並
進ステージドライバ、24:回転ステージ、25:並進
ステージ、26:ウェハ固定治具、27:表示装置、2
8〜32:欠陥群。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小室 仁 茨城県ひたちなか市大字市毛882番地 株 式会社日立製作所計測器事業部内 Fターム(参考) 2G051 AA51 AB01 AB02 AB06 AB07 AC21 BA01 BA06 BA08 CB05 CD05 DA06 DA08 EA11 EA12 EA14 FA02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶試料に照射光を照射し、その試料及び
    照射光の一方を他方に対して走査して前記試料の個々の
    散乱体からの散乱光を検出することにより前記試料の結
    晶欠陥を計測する結晶欠陥計測方法において、前記散乱
    光強度のうち、予め定められた値よりも大きい散乱光の
    強度とその生成位置を記憶すること、その記憶された散
    乱光強度を与える散乱体の平面分布と前記照射光の散乱
    光強度に関連した値を軸とする、前記記憶された散乱光
    強度にもとづくグラフとのうちの一方を表示して、その
    一方の表示からその一方の特定の領域を選択すること、
    その選択された領域またはその領域以外の領域に対応す
    る、前記平面分布およびグラフのうちの他方の領域を特
    定して表示することのステップを含む結晶欠陥計測方
    法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記グラフはその一方
    の軸を前記散乱体のサイズに関連した量とし、他方の軸
    を前記試料の深さに関連した量としたことを特徴とする
    結晶欠陥計測方法。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記グラフは前記照射
    光の散乱光強度に関連した量の頻度を軸とするグラフで
    あることを特徴とする結晶欠陥計測方法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかにおいて、前記照
    射光は前記試料に対して斜方入射され、前記照射光は互
    いに異なる第1および第2の波長の光を含み、その第1
    及び第2の波長光のうちの一方は他方よりも前記試料に
    対する侵入深さが3倍以上であることを特徴とする結晶
    欠陥計測方法。
  5. 【請求項5】結晶試料に照射光を照射する照射系と、前
    記試料及び照射光の一方を他方に対して走査して前記試
    料の個々の散乱体からの散乱光を検出する手段とを含
    み、それによって前記試料の結晶欠陥を計測する結晶欠
    陥計測装置において、前記散乱光強度のうち、予め定め
    られた値よりも大きい散乱光の強度とその生成位置を記
    憶する手段と、その記憶された散乱光強度を与える散乱
    体の平面分布と前記照射光の散乱光強度に関連した値を
    軸とする、前記記憶された散乱光強度にもとづくグラフ
    とを表示する手段とを含み、前記平面分布及びグラフの
    うちの一方の表示からその一方の特定の領域を選択し、
    その選択された領域またはその領域以外の領域に対応す
    る、前記平面分布およびグラフのうちの他方の領域を特
    定して表示するようにしたことを特徴とする結晶欠陥計
    測装置。
  6. 【請求項6】請求項5において、前記グラフはその一方
    の軸を前記散乱体のサイズに関連した量とし、他方の軸
    を前記試料の深さに関連した量としたことを特徴とする
    結晶欠陥計測装置。
  7. 【請求項7】請求項5において、前記グラフは前記照射
    光の散乱光強度に関連した量の頻度を軸とするグラフで
    あることを特徴とする結晶欠陥計測装置。
  8. 【請求項8】請求項5〜7のいずれかにおいて、前記照
    射系は前記照射光を前記試料に対して斜方入射するよう
    に構成され、前記照射光は互いに異なる第1および第2
    の波長の光を含み、その第1及び第2の波長光のうちの
    一方は他方よりも前記試料に対する侵入深さが3倍以上
    であることを特徴とする結晶欠陥計測装置。
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