JP2000214624A - トナ―画像を有する転写シ―ト及びこれを用いるトナ―画像焼き付け方法 - Google Patents

トナ―画像を有する転写シ―ト及びこれを用いるトナ―画像焼き付け方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子写真複写機において良好な通紙搬送性及
びトナー画像品質が得られ、またトナー画像を転写シー
トから陶磁器などの耐熱性固体表面に転写して焼き付け
た際に、良質の絵柄が得られるトナー画像を有する転写
シートを提供する。 【解決手段】 窯業用転写紙上に電子写真法により焼成
後有色であるトナー画像を形成させたものであって、該
トナーは着色剤、結合剤及び紬薬フリットを主成分とし
ており、また該転写紙は基体上に少なくとも1層の水溶
性層と、その水溶性層の上に少なくとも1層の厚さ1μ
m以上の樹脂フィルム層を形成させてなることを特徴と
する、トナー画像を有する転写シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼成後に有色であ
るトナーにより静電潜像を現像して得られたトナー画像
を有する転写シートに関し、特に、乾式電子写真法など
によって、焼成後に有色であるトナーにより静電潜像を
現像して得られたトナー画像を、陶磁器、硝子、琺瑯、
タイル、石などの耐熱性固体表面に転写して焼き付けす
るのに有用な絵付け用の転写シート、並びにトナー画像
焼き付け方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】窯業製品等の耐熱性固体表面に絵柄を形
成する方法としては、無機顔料および釉薬成分からなる
絵の具を用いて、筆などにより耐熱性固体表面上に絵柄
を直接手書きし、それを通常750℃〜1300℃で焼
き付ける方法が行われている。この方法によれば、焼き
付けにより、絵の具中の灰化する成分が灰化し、絵の具
中の釉薬成分が溶解し、ついで室温まで冷却される際に
無機顔料が釉薬成分により耐熱性固体表面上に固定化さ
れ、耐熱性固体表面上に手書きされた絵柄が形成され
る。この方法による場合には、同一の絵柄を有する複数
の窯業製品を得るために、簡単な絵柄においても、熟練
した技術者が必要になる。
【0003】そこで、同一の絵柄を有する多数の窯業製
品を作製する場合には、スクリーン印刷法により転写紙
上に絵柄を形成した後、その転写紙から絵柄を剥離して
窯業製品表面に貼り付け、それを焼き付ける方法が一般
に行われている。この方法は、例えば、特開昭49−3
5407号公報に開示されているように、基体上に水溶
性の糊層を有する転写紙上にスクリーン印刷法により無
機顔料等を含有するインクで画像を形成し、ついで、こ
のインク画像上にビニル系またはセルロース系の非水溶
性樹脂皮膜を形成した後、この転写紙を水に浸すことに
より転写紙の糊層を溶解させてインク画像を保持した樹
脂皮膜を転写紙から剥離し、インク画像を保持した樹脂
皮膜を窯業製品の表面、例えば皿等の表面に貼り付け、
それを焼き付ける方法である。
【0004】この方法によれば、スクリーン印刷法によ
り同一絵柄のインク画像を有する多数の転写紙を作成
し、そのインク画像を多数の窯業製品表面に貼り付け、
それを焼き付けることにより、同一絵柄を有する多数の
窯業製品を得ることができる。しかしながら、スクリー
ン印刷法による場合には、絵柄用のインク画像を形成す
るための版を作る工程が複数あり、膨大な時間と労力が
必要となり、即時性に欠けるばかりでなく、少ロットで
多品種の製品を作製する場合には製品1個あたりの単価
が高くなるという難点がある。また、印刷の際には有機
溶剤を使用するので、作業環境が悪いなどの不具合もあ
る。
【0005】このようなスクリーン印刷法による問題を
解決する方法として、電子写真法を用いて転写紙上にト
ナー(有機重合体、無機顔料およびガラス成分からなる
複合粉体、結着樹脂および窯業用顔料を含有するトナー
など)による絵柄用の画像を形成し、そのトナー画像を
保持した樹脂皮膜を窯業製品の表面に貼り付け、それを
焼き付ける方法が、例えば、特開平4−135798号
公報、特開平7−199540号公報、特開平7−21
4890号公報、特開平7−228037号公報、特開
平7−300382号公報、特開平8−104050号
公報、特開平8−11496号公報、特開平8−119
668号公報などに開示されている。
【0006】この方法によれば、絵柄用のトナー画像を
容易に形成することができ、スクリーン印刷法に比べ工
程が飛躍的に簡易化され、即時性に優れていると共に少
ロット多品種の製品を容易に作製することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ここで
使用されている窯業用転写シートは、構成上、その一部
に糊剤層が設けられており、このため、電子写真法によ
って転写シート上にトナー画像を形成する際、転写シー
トを電子写真複写機に通紙した時、転写シートの糊剤が
電子写真複写機に触れ、これが画像品質や通紙搬送性に
悪影響を及ぼすといった問題が発生した。そこで、本発
明の課題は、上記のような問題点を解決し、電子写真複
写機により画像を形成しても、電子写真複写機の画像品
質や通紙搬送性に悪影響が生じない転写シート、並び
に、その転写シートを用いるトナー画像焼き付け方法を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、第一
に、窯業用転写紙上に電子写真法により焼成後有色であ
るトナー画像を形成させたものであって、該トナーは着
色剤、結合剤及び紬薬フリットを主成分としており、ま
た該転写紙は基体上に少なくとも1層の水溶性層と、そ
の水溶性層の上に少なくとも1層の厚さ1μm以上の樹
脂フィルム層を形成させてなることを特徴とする、トナ
ー画像を有する転写シートが提供される。
【0009】第二に、前記樹脂フィルム層中に帯電防止
剤が含有されていることを特徴とする上記第一のトナー
画像を有する転写シートが提供される。
【0010】第三に、前記基体上に設けられた層中に顔
料が含有されていることを特徴とする上記第一又は第二
のトナー画像を有する転写シートが提供される。
【0011】第四に、上記第一、第二又は第三の転写シ
ートのトナー画像層及び樹脂皮膜を支持体から剥離し、
樹脂皮膜側を耐熱性固体表面に密着させて樹脂皮膜およ
びトナー画像層を耐熱性固体表面に張り付け、ついでト
ナー画像層および樹脂皮膜を有する耐熱性固体を樹脂皮
膜灰化温度以上に加熱することを特徴とする、耐熱性固
体表面へのトナー画像焼き付け方法が提供される。
【0012】以下に本発明をさらに詳しく説明する。先
に指摘したとおり、従来使用されていた最表層が糊層で
ある転写シート上に、電子写真複写機を用いてトナー画
像を形成していると、画像品質や通紙搬送性が損われる
問題が発生した。この問題について検討を重ねた結果、
最表層の糊が電子写真複写機の画像転写ドラムに付着
し、付着した糊により画像転写ドラム上でのトナー画像
に異常をきたすことが判明した。また、通紙搬送性の異
常についても、従来の転写シートの最表層の糊が電子写
真複写機の各種の搬送ロール等に付着し、ロールに異常
な粘着性を帯びさせたり、ロールに紙粉などの細かな塵
や埃を付着させる結果としてロールの摩擦を低下させた
りするため生じることが明らかになった。
【0013】本発明の転写シートは、糊を電子写真複写
機に直接触れることがないように、糊層の表面を厚さ1
μm以上の樹脂フィルム層で被覆したことにより、転写
シートの水溶性の糊が大気中の水分や取扱者の手指の水
分などを吸収して粘り気を帯び、電子写真複写機に上記
のような悪影響を与えないようにした転写シートであ
る。
【0014】樹脂フィルム層に使用する樹脂としては、
セルロース系樹脂、ブチラール系樹脂、ビニル系樹脂、
フェノール樹脂、ユリヤ樹脂、メラミン樹脂、ポリエス
テル樹脂、アルキッド樹脂、ポリエチレンオキサイド樹
脂、メラミン−アルキッド樹脂、マレイン酸樹脂、アク
リル酸エステル系樹脂、メタクリル酸エステル系樹脂な
どや、これらの共重合樹脂などが使用できる。樹脂フィ
ルム層は薄すぎると破れてローラーに絡まりやすかった
り、膜の欠陥などで糊面が剥き出しなるのを防ぐために
1μm以上の厚さがあることが必要であり、10μm以
上の厚みがあることが望ましい。
【0015】また、転写シート表面が樹脂フィルムのま
まであると電子写真複写機の保護にはなるが、転写シー
トの電気抵抗が高すぎて、画像が上手く載らなくなって
しまう問題が生じる場合がある。このような場合には、
帯電防止剤を樹脂フィルム中や樹脂フィルム表面に添加
して転写シートの電気抵抗をコントロールするなどし
て、画像品質の是正をはかることができる。帯電防止剤
としては、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性
剤、ノニオン系界面活性剤、高分子帯電防止剤等が使用
できる。また帯電防止剤は樹脂フィルム中に添加して
も、樹脂フィルム上に塗布してもよく、また、樹脂フィ
ルム以外の層中に添加あるいは層上に塗布してもよい。
【0016】また、転写シートの表面に樹脂フィルムが
あると、その摩擦が普通紙と異なるために電子写真複写
機上で搬送トラブルを生じる場合がある。この場合は、
樹脂フィルム中あるいは樹脂フィルム表面に顔料を添加
して、搬送トラブルを防止することができる。顔料とし
ては、一般のものであれば特に限定なく使用できる。一
般の顔料としては、炭酸カルシウム、二酸化チタン、タ
ルク、カオリンなどが使用できる他、フリットを使用す
ることこできる。
【0017】次に、本発明において用いる焼成後に有色
であるトナーについて説明する。「焼成後に有色である
トナー」とは、450℃以上に加熱したときに灰化しな
い着色剤を含有するトナーである。焼成後に有色である
トナーは、例えば、周期律表の1族のCu、Ag、A
u、2族のCd、4族のTi、5族のV、Sb、6族の
Se、Cr、Mo、W、U、7族のMn、8族のFe、
Co、Ni、Ir、Pt等の元素の酸化物などを単独あ
るいは配合(混合)して使用した窯業用顔料などの着色
剤および熱可塑性樹脂を含有するものである。従来の窯
業用顔料は一般に顔料自身の吸光係数が低くく、着色剤
としてこれら窯業用顔料を含有するトナーを用いて画像
濃度の高いフルカラー画像を形成させるには、トナー付
着量を多くすることが必要である。
【0018】焼成後に有色であるトナーにおける着色剤
としては、特に、上記金属あるいはその酸化物を複数配
合(混合)し、これを1000℃〜1200℃に加熱し
て溶融し、複数金属の合金化処理を施した合金顔料が好
ましい。この合金顔料は吸光係数が高く、着色剤として
この合金顔料を含有するトナーを用いることにより、少
ないトナー付着量で画像濃度の高いフルカラー画像を形
成させることができる。複数金属の合金化により着色度
が高くなる理由としては、単体の金属の時には縮重して
いた金属元素のd軌道が複合金属の影響でスプリットす
ることにより、電子遷移可能な軌道数が増加し、見かけ
上の振動子強度が増加するためであると推定される。
【0019】熱可塑性樹脂としては、従来公知のトナー
に使用されている結着樹脂を用いることができ、例え
ば、ポリエステル系、ポリスチレン系、ポリエチレン
系、ポリアミド系、エポキシ系、エポキシポリオール
系、テルペン系などの樹脂が挙げられ、これらを単独あ
るいは混合して使用することができる。具体的には、例
えばポリスチレン、スチレン−アクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−
n−ブチル共重合体などを挙げることができる。特に、
熱可塑性樹脂としては、前記のように灰化温度280℃
〜360℃のものが好ましい。また、トナー中の熱可塑
性樹脂の含有量としては、10〜40wt%が好まし
い。
【0020】さらに、本発明において用いる焼成後に有
色であるトナーには、着色剤および熱可塑性樹脂と共に
釉薬フリットを用いることが好ましい。トナー中に釉薬
フリットを含有させる方法としては、例えば、着色剤と
釉薬フリットとの混合物を用いる方法、着色剤と釉薬フ
リットとの混合物を加熱溶融した後冷却し、それを粉砕
して着色剤として用いる方法などがある。
【0021】特に、複数金属の合金化処理した合金顔料
と釉薬フリットとを所定量で混合し、それを例えば65
0〜800℃で加熱溶融した後冷却し、それを粉砕し着
色剤として用いることが好ましい。この様な着色剤を含
有するトナーを用いることにより、少ないトナー付着量
で画像濃度が高く鮮明なフルカラー画像を転写シート上
に形成することができ、そのトナー画像を窯業製品など
の耐熱固体表面上に転写し、それを焼き付けることによ
り、耐熱性固体表面上に画像濃度が高く鮮明な焼き付け
絵柄を形成することができる。
【0022】トナー中における釉薬フリットの含有量と
しては、着色剤と釉薬フリットとの重量割合で2/8〜
6/4が好ましく、特に3/7〜5/5が好ましい。2
/8よりも釉薬フリット成分を増やすとトナーの着色度
が低くなり、6/4よりも釉薬フリットを減らすとトナ
ー画像を耐熱性固体表面上に焼き付けた際に、焼き付け
絵柄が耐熱性固体表面から脱離する場合が生じるように
なる。
【0023】釉薬フリットは、耐熱固体表面上に転写さ
れたトナー画像を焼き付ける際に、耐熱性固体表面にト
ナー中の着色剤を焼結する役割を果たすものであり、焼
き付け時に溶解あるいは半溶解状態となり、室温に冷却
されると完全に固化し、着色剤を耐熱固体表面上に焼結
させるものである。
【0024】釉薬フリットとしては、水酸化リチウム等
のアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸リ
チウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の炭酸塩、
アルカリ金属やアルカリ土類金属の塩化物、塩化アルミ
ニウム、ほう酸、およびアルカリ金属やアルカリ土類金
属の塩化物のほう酸塩、アルカリ金属やアルカリ土類金
属の塩化物のメタほう酸塩、アルカリ金属やアルカリ土
類金属のりん酸塩、アルカリ金属やアルカリ土類金属の
ピロりん酸塩、アルカリ金属やアルカリ土類金属の珪酸
塩、アルカリ金属やアルカリ土類金属のメタ珪酸塩、珪
酸ジルコニウム、骨灰、棚砂、メタバナジン酸アンモニ
ウム、酸化タングステンや五酸化バナジウム、酸化ス
ズ、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化モリブデン
等の金属酸化物、フッ化カルシウムやフッ化アルミニウ
ム等の金属フッ化物、ガラスレットなどを基本材料とし
て、これらの単独または複数混合したものが挙げられ
る。
【0025】釉薬フリットの結合を強める方法として、
石灰長石やカリ長石、ソーダ長石、ベタライト(リチウ
ム長石)等の長石類、カオリン、珪石、アルミナ、シリ
カ、石英、酸化チタン、酸化鉛、シャモット、土灰類、
石灰石、マグネサイト、タルク、ドロマイト等の天然鉱
物や炭酸バリウム、酸化亜鉛、炭酸ストロンチウムなど
を基本材料として、これら予め混合した後溶解させ、そ
れをトナーに含有させてもよい。
【0026】さらに、本発明において用いる焼成後に有
色であるトナーには、必要に応じて帯電制御剤を含有さ
せてもよい。この様な帯電制御剤としては従来公知の物
が全て使用可能であり、例えばニグロシン系染料、四級
アンモニウム塩、Cr含金染料、Zn含金染料、Fe含
金染料、モリブデン酸キレート染料、フッ素変成4級ア
ンモニウム塩等が帯電極性に応じて適宜選択して用いら
れる。
【0027】帯電制御剤の使用量は、熱可塑性樹脂の種
類、必要に応じて使用される添加剤の有無、およびトナ
ー中の分散方法を含めたトナー製造方法により異なる
が、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.1〜10重
量部の範囲が適当であり、特に2〜6重量部が好まし
い。0.1重量部未満では、トナーの帯電量が不足し、
トナー飛散、地肌汚れ等の不具合が発生する。10重量
部を越える場合には、キャリアとの静電的付着力が強く
なるため現像剤の流動性が低下したり、現像量が少なく
なる等の不具合の原因となる。
【0028】この他、トナーの流動性を向上させるため
に必要に応じて、疎水性シリカ、ステアリン酸亜鉛、ス
テアリン酸アルミニウム、酸化チタンなどの従来公知の
添加剤を添加してもよい。
【0029】本発明において、焼成後に有色であるトナ
ーは、トナー単独の現像剤として静電潜像を顕像化す
る、いわゆる一成分現像剤として用いることができ、ま
たトナーとキャリアを混合してなる二成分現像剤として
用いることができる。二成分現像剤として用いる場合の
キャリアとしては、鉄粉、フェライト、ガラスビーズな
ど従来公知のキャリアを用いることができ、キャリアは
ポリフッ化炭素、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、フェノール樹脂、ポリビニルアセタール、シリコン
樹脂等で被覆されたものでもよい。トナーとキャリアの
混合割合は、キャリア100重量部に対してトナー1〜
30重量部程度が適当であり、8〜16重量部が好まし
い。
【0030】本発明の転写シートを用いて陶磁器製品な
どの耐熱性固体表面に絵付けするには、例えば、基体上
に水溶性層、さらにその上に樹脂(アクリル樹脂、ポリ
スチレン樹脂等)フィルム層を形成した転写シートの樹
脂フィルム層上にトナー画像を形成した後、この転写シ
ートを水に浸すことにより転写シートの水溶性層を溶解
させてトナー画像を保持した樹脂皮膜を転写シートから
剥離し、トナー画像を保持した樹脂皮膜を耐熱性固体表
面に貼り付け、それを焼き付ければよい。この樹脂皮膜
の灰化温度は330℃〜350℃が好ましい。
【0031】耐熱性固体表面への焼き付け方法は、耐熱
性固体の表面近傍に焼き付けるか、表面からより深く焼
き付けるかによって適宜選定されるが、いずれの場合も
電気炉あるいはガス炉を用いて行うことができる。耐熱
性固体表面の表面近傍に焼き付けを行う場合は、例えば
室温から200℃/1時間程度の昇温条件で徐々に温度
を上げ、750℃〜850℃で約30分〜1時間この温
度に保ち、その後室温まで温度を下げて電気炉あるいは
ガス炉から取り出すことにより行われ、これによりトナ
ー中の着色剤が釉薬フリットで耐熱性固体表面に焼結さ
れ、絵付けされた耐熱性固体製品が得られる。
【0032】また、耐熱性固体表面の奥深くに焼き付け
を行いたい場合には、室温から200℃/1時間程度の
昇温条件で徐々に温度を上げ1100℃〜1300℃で
30分〜1時間保ち、その後室温まで温度を下げる方法
が採用される。この時、昇温開始温度は室温に限定され
るものではないが、昇温時および冷却時において急激な
温度変化を与えると、耐熱性固体によっては、耐熱性固
体の厚さや材質により若干の差はあるものの、割れ、形
状変化が発生する場合があるので、焼き付けを行う場合
の温度変化は50℃/1時間〜500℃/1時間が好ま
しい。50℃/1時間より昇温時あるいは冷却時の温度
変化を遅くすると焼き付け時間が遅くなり効率が悪くな
る。500℃/1時間より昇温時あるいは冷却時の温度
変化を早くすると焼きムラの発生や耐熱性固体の形状変
化が発生する場合がある。昇温時あるいは冷却時の温度
変化の条件としては、100℃/1時間〜300℃/1
時間が特に好ましい。
【0033】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。
【0034】実施例1 まず、下記のようにして製造した釉薬フリットを用い、
各色着色剤を製造し、それぞれの各色着色剤を用いて、
下記のようにして焼成後に有色であるトナーを含有する
現像剤を製造した。
【0035】〈釉薬フリットの製造〉Al23(80
g)、SiO2(370g)、Na2O(50g)及びP
bO(500g)を配合しスタンプミルで粉砕したの
ち、ヘンシェルミキサーで混合し、それを1200℃で
焼成し、粉砕して釉薬フリットを製造した。
【0036】〈ブラック着色剤の製造〉Cr23(11
0g)、MnO(270g)、Fe23(112g)お
よびCo23(508g)を配合しスタンプミルで粉砕
したのち、ヘンシェルミキサーで混合し、それを110
0℃で焼成して粉砕した。その300gと上記釉薬フリ
ット500gをヘンシェルミキサーで混合した後、75
0℃で焼成し、粉砕して合金顔料を含有するブラック着
色剤(A)を製造した。
【0037】〈イエロー着色剤の製造〉CuO(10
g)、ZnO(190g)及びSb23(800g)を
配合しスタンプミルで粉砕したのち、ヘンシェルミキサ
ーで混合し、それを1100℃で焼成して粉砕した。そ
の300gと上記釉薬フリット500gをヘンシェルミ
キサーで混合した後、750℃で焼成し、粉砕して合金
顔料を含有するイエロー着色剤を製造した。
【0038】〈マゼンタ着色剤の製造〉Fe23(16
0g)、NiO(40g)、CuO(40g)およびA
2O(760g)を配合しスタンプミルで粉砕したの
ち、ヘンシェルミキサーで混合し、それを1100℃で
焼成して粉砕した。その300gと上記釉薬フリット5
00gをヘンシェルミキサーで混合した後、750℃で
焼成し、粉砕して合金顔料を含有するマゼンタ着色剤を
製造した。
【0039】〈シアン着色剤の製造〉Cr23(170
g)、Fe23(10g)、Co23(690g)およ
びZnO(130g)を配合しスタンプミルで粉砕した
のち、ヘンシェルミキサーで混合し、それを1100℃
で焼成して粉砕した。その300gと上記釉薬フリット
500gをヘンシェルミキサーで混合した後、750℃
で焼成し、粉砕して合金顔料を含有するシアン着色剤を
製造した。
【0040】上記の着色剤を用いて、下記のようにして
焼成後に有色であるトナーを含有する現像剤を製造し
た。 〈焼成後に有色であるブラックトナーを含有するブラッ
ク現像剤(A)の製造〉スチレン−アクリル酸メチル共
重合体樹脂(Tg=54℃)100重量部とサリチル酸
亜鉛誘導体(ボントロンE84、オリエント化学社製)
4重量部および前記ブラック着色剤(A)230重量部
をミキサーで混合したのち、2本ロールで溶融混練し
た。混練物を圧延冷却した後、粉砕分級を行い、体積平
均粒子径9.3μmのブラックトナー(A)を製造し
た。さらに、疎水性シリカ(R972、日本アエロジェ
ル社製)をブラックトナー(A)に0.5wt%添加
し、ミキサーで攪拌した。
【0041】一方、シリコン樹脂溶液(KR50、信越
化学社製)100重量部、カーボンブラック(BP20
00、キャボット社製)3重量部およびトルエン100
重量部をホモミキサーで30分間分散させ被覆層形成溶
液を調製し、この被覆層形成液および平均粒子径70μ
mの球状フェライトキャリア1000重量部を用い、流
動床型塗布装置により、球状フェライトキャリア表面に
被覆層を形成したキャリアを製造した。
【0042】次に、上記トナー90gおよびキャリア9
10gをボールミルに入れ30分間攪拌してブラック現
像剤(A)を製造した。
【0043】〈焼成後に有色であるイエロートナーを含
有するイエロー現像剤の製造〉上記ブラック現像剤
(A)の製造におけるブラック着色剤(A)の代わりに
前記イエロー着色剤を用いて体積平均粒子径9.3μm
のイエロートナーを製造し、そのイエロートナーを用い
た以外は、上記ブラック現像剤(A)の製造と同様にし
てイエロー現像剤を製造した。
【0044】〈焼成後に有色であるマゼンタトナーを含
有するマゼンタ現像剤の製造〉上記ブラック現像剤
(A)の製造におけるブラック着色剤(A)の代わりに
前記マゼンタ着色剤を用いて体積平均粒子径9.1μm
のマゼンタトナーを製造し、そのマゼンタトナーを用い
た以外は、上記ブラック現像剤(A)の製造と同様にし
てマゼンタ現像剤を製造した。
【0045】〈焼成後に有色であるシアントナーを含有
するシアン現像剤の製造〉上記ブラック現像剤(A)の
製造におけるブラック着色剤(A)の代わりに前記シア
ン着色剤を用いて体積平均粒子径9.0μmのシアント
ナーを製造し、そのシアントナーを用いた以外は、上記
ブラック現像剤(A)の製造と同様にしてシアン現像剤
を製造した。
【0046】次に、坪量90g/m2の片艶紙上にデキ
ストリン水溶液を、乾燥後のデキストリン層の厚みが2
0μmとなるように塗布した。さらに、この上に、トル
エン−エチルアルコール溶媒に溶解したニチルセルロー
ス樹脂(ハーキュレス社製、N−22)を、乾燥後のニ
チルセルロース樹脂の厚みが15μmになるように塗布
し、実施例1の転写シートを得た。
【0047】つぎに、上記のようにして製造したブラッ
ク現像剤(A)、イエロー現像剤、マゼンタ現像剤およ
びシアン現像剤のそれぞれ450gを電子写真カラー複
写機(プリテール650、リコー社製)に装着し、以下
の複写条件により転写シート上にフルカラー画像を形成
させてトナー画像を有する転写シートを得た。なお、こ
のときの環境条件を温度30℃、相対湿度85%とし、
電子写真カラー複写機の手差し部より1枚ずつ、全10
枚のコピー操作を行なった。このコピー操作において、
10枚の転写シート通紙トラブルは発生せず、また、転
写シート上の画像は良好な画像であった。
【0048】[複写条件] プロセススピード:180mm/sec 帯電電位:−650V 露光電位:−100〜−500V 現像バイアス:−500V ベルト転写バイアス:1400〜1700V 転写シート転写バイアス:900〜1500V 定着ローラー温度:180℃
【0049】上記のようにして得られたトナー画像を有
する転写シートを水槽に入れ、エチルセルロース樹脂皮
膜に保持されたトナー画像を転写シートから剥離して、
タイル( RS252/1001、INAX社製)側に
樹脂皮膜が密着するように貼付し、100℃/1時間の
昇温速度で800℃まで昇温した後、800℃で30分
間保ち、自然冷却させ、タイル上に絵柄を焼結させた。
得られたタイル上の焼結画像は良好が画像であった。
【0050】実施例2 実施例1で使用したエチルセルロースの厚みを2μmに
した以外は実施例1と同様の方法で転写シートを作成
し、トナー画像を形成させた。トナー画像形成時、10
枚の転写シートの通紙トラブルは発生せず、転写シート
上の画像も良好であった。また、トナー画像形成後、実
施例1と同様にタイル上に絵柄を焼結させたが、得られ
たタイル上の焼結画像は良好な画像であった。
【0051】実施例3 実施例1で使用したエチルセルロース樹脂の代わりにブ
チラール樹脂を使用し、厚みを15μmにした以外は実
施例1と同様の方法で転写シートを作成し、トナー画像
を形成させた。トナー画像形成時10枚の転写シートに
通紙トラブルは発生せず、転写シート上の画像も良好で
あった。また、トナー画像形成後、実施例1と同様にタ
イルに絵柄を焼結させたが、得られたタイル上の焼結画
像は良好な画像であった。
【0052】実施例4 実施例1で使用したエチルセルロース樹脂の溶解液中に
樹脂重量に対して20重量%の導電剤(三洋化成社製、
ケミスタット2500)を添加し、電子写真カラー複写
機によるコピー操作を行なう環境を10℃×20%RH
に変えた以外は実施例1と同様に転写シートを作成し、
その上にトナー画像を形成させた。このとき、10枚の
転写シートの内3枚に給紙不良が発生したが、転写シー
ト上の画像は良好であった。また、実施例1と同様の方
法でタイルに絵柄を焼結させたが、得られたタイル上の
焼結画像は良好な画像であった。
【0053】実施例5 実施例4で使用したエチルセルロース樹脂の溶解液中に
樹脂重量に対して40重量%のフリットを添加した以外
は実施例4と同様に転写シートを作成し、実施例4と同
様の環境でトナー画像を形成させた。実施例4で発生し
た給紙不良は10枚の転写シートで発生しなかった。ま
た、転写シート上の画像は良好であった。さらに実施例
1と同様の方法でタイルに絵柄を焼結させたが、得られ
たタイル上の焼結画像は良好な画像であった。
【0054】比較例1 実施例1で作成したデキストリン層を片艶紙上に形成さ
せただけの転写紙に、実施例1と同じ条件で電子写真カ
ラー複写機にてトナー画像を形成させた。このとき、1
0枚の全てにデキストリン層の糊によるシート相互の接
着が発生し、複写機のロールに対して粘着し、ジャムや
不送りなどの通紙不良を生じた。ただし、形成されたト
ナー画像には顕著な異常はなかった。このように得られ
た転写シートのトナー画像上面にブチラール樹脂液を塗
布し、乾燥させて樹脂皮膜を形成した後、その転写紙シ
ートを水槽に入れ、ブチラール樹脂皮膜に保持されたト
ナー画像を転写シートから剥離して、タイル側に樹脂皮
膜が密着するように貼付し、以下実施例1に同様にタイ
ル上に絵柄を焼結させた。得られたタイル上の焼結画像
には問題はなかった。
【0055】比較例2 実施例1で使用したエチルセルロース樹脂膜の厚みを
0.5μmにした以外は実施例1と同様の方法で転写シ
ートを作成し、トナー画像を形成させた。トナー画像形
成時、通紙には問題を生じなかったが、樹脂膜にシワや
亀裂などが生じてしまい、トナー画像としては問題が発
生した。また、タイルへの転写時に、樹脂膜が破れてし
まい、タイル上の焼結画像を得ることができなかった。
【0056】比較例3 実施例4で導電剤を添加しない以外はすべて実施例4と
同様に転写シートを作成し、実施例4と同様の環境でト
ナー画像を形成させた。このとき、10枚中4枚に給紙
不良を生じた。また、転写シート上の画像には濃度低下
が見られた。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、電子写真複写機の画像
品質や通紙搬送性に悪影響が生じることのない窯業用転
写シートを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/08 368 Fターム(参考) 2H005 AA06 AA21 AA25 AA29 CB07 CB10 FC00 3B005 EA02 EB01 EC30 FA03 FB04 FB07 FB40

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窯業用転写紙上に電子写真法により焼成
    後有色であるトナー画像を形成させたものであって、該
    トナーは着色剤、結合剤及び紬薬フリットを主成分とし
    ており、また該転写紙は基体上に少なくとも1層の水溶
    性層と、その水溶性層の上に少なくとも1層の厚さ1μ
    m以上の樹脂フィルム層を形成させてなることを特徴と
    する、トナー画像を有する転写シート。
  2. 【請求項2】 前記樹脂フィルム層中に帯電防止剤が含
    有されていることを特徴とする請求項1記載のトナー画
    像を有する転写シート。
  3. 【請求項3】 前記基体上に設けられた層中に顔料が含
    有されていることを特徴とする請求項1又は2記載のト
    ナー画像を有する転写シート。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3記載の転写シート
    のトナー画像層及び樹脂皮膜を支持体から剥離し、樹脂
    皮膜側を耐熱性固体表面に密着させて樹脂皮膜およびト
    ナー画像層を耐熱性固体表面に張り付け、ついでトナー
    画像層および樹脂皮膜を有する耐熱性固体を樹脂皮膜灰
    化温度以上に加熱することを特徴とする、耐熱性固体表
    面へのトナー画像焼き付け方法。
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