JP2000217518A - 蛋白系加熱調理食品の品質改良剤 - Google Patents
蛋白系加熱調理食品の品質改良剤Info
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Abstract
系食品を加熱調理する際の食感、特に肉が持つジューシ
ーでソフトな食感、さらには肉の旨味や風味を引出すこ
とのできる品質改良剤としての糖質を提供すること。 【解決手段】 α−1,6グルコシド結合を1つ以上有
する三糖類分岐オリゴ糖を含有する蛋白系加熱調理食品
の品質改良剤。蛋白系加熱調理食品の原材料中に含まれ
るタンパク質に対する添加量が、α−1,6グルコシド
結合を1つ以上有する三糖類分岐オリゴ糖として2〜2
5%である。蛋白系加熱調理食品のタンパク質源が畜肉
および/または魚肉を主体とする食品である。上記の三
糖類分岐オリゴ糖がパノースを主体とする糖質である。
Description
白質系食品、とりわけ畜肉および/または魚肉を主体と
する加熱調理食品の品質改良剤に関するものである。
加熱調理食品では、加熱調理で生じる肉の縮み、水分や
油分の分離により、肉本来のジューシーでソフトな食感
さらには旨味や風味が損なわれるといった問題が生じ
る。工業的な加熱調理食品の製造においては、肉本来の
ジューシーでソフトな食感さらには旨味や風味を安定し
て保つもしくは向上させることが大きな課題である。
品における肉の縮み、水分や油分の分離といった課題解
決には、メタリン酸塩やポリリン酸塩などの縮合リン酸
塩、大豆や小麦などの植物性たんぱく、あるいは澱粉
が、食肉加工食品の品質改良剤として広く使われてきて
いる(食品と科学社発行「食品と科学」増刊号、118
−129頁、1975年)。
料とする肉製品においては、調味や品質改良を目的とす
るピックル液に肉塊を浸漬したり、ピックル液を肉塊に
注入(インジェクション)することが工業的に行われ
る。このピックル液は、食塩、砂糖などの糖類、発色
剤、あるいは上述の品質改良剤などで構成される。(産
業調査会事典出版センター発行「食品製造・流通データ
集」、862−867頁、1998年)。
して、ホエー蛋白、デキストリン、あるいは乳化剤など
も使用されている。しかし、糖質単独で、食肉の加熱調
理において肉本来のジューシーでソフトな食感さらには
旨味や風味を安定して保つもしくは向上させることがで
きて、かつ工業的にも利用できる品質改良剤は知られて
いなかった。
に、冷凍、凍結乾燥に伴うタンパク質の変性を抑制し、
かつ製造される冷凍食品、凍結乾燥品の味を甘くしすぎ
ないようにする目的で、重合度3〜10のオリゴ糖また
はその還元物を主成分とする糖質を用いることが考案さ
れている(特開平5−103586)。しかし、この考
案が課題としているのは、冷凍、凍結乾燥に伴う食肉加
工食品における品質劣化の抑制であって、食肉の加熱調
理における品質保持または向上を課題とするものではな
い。
/または魚肉を主体とする蛋白質系食品を加熱調理する
際の食感、特に肉が持つジューシーでソフトな食感、さ
らには肉の旨味や風味を引出すことのできる品質改良剤
としての糖質を提供することを目的とする。
題を解決するために鋭意研究を重ねたところ、畜肉およ
び/または魚肉を主体とする蛋白質系食品にα−1,6
グルコシド結合を1つ以上有する三糖類分岐オリゴ糖を
含有する糖質を添加すると、加熱調理した際の食感、特
に肉が持つジューシーでソフトな食感、さらには肉の旨
味や風味を引出すといった品質改良効果の得られること
を見いだし、さらに研究を進めて本発明を完成するに至
った。
分岐オリゴ糖を含有することを特徴とする蛋白系加熱調
理食品の品質改良剤。 2.蛋白系加熱調理食品の原材料中に含まれるタンパク
質に対する添加量が、α−1,6グルコシド結合を1つ
以上有する三糖類分岐オリゴ糖として2〜25%である
上記1記載の蛋白系加熱調理食品の品質改良剤。 3.蛋白系加熱調理食品のタンパク質源が畜肉および/
または魚肉を主体とする食品である上記1または2記載
の蛋白系加熱調理食品の品質改良剤。 4.α−1,6グルコシド結合を1つ以上有する三糖類
分岐オリゴ糖がパノースを主体とする糖質である上記
1、2または3記載の蛋白系加熱調理食品の品質改良
剤。
合を1つ以上有する三糖類分岐オリゴ糖は、具体的に
は、α−1,6グルコシド結合のみで構成されるイソマ
ルトトリオース、α−1,4グルコシド結合とα−1,
6グルコシド結合とで構成されるパノースもしくはイソ
パノースのことであり、特にパノースがより好ましい。
これらの三糖類分岐オリゴ糖を比較的多く含む糖質であ
れば、本発明の蛋白系加熱調理食品の品質改良剤として
用いることができる。但し、単糖や二糖が多いと甘味が
強くなり食品の味質に影響が出るので、単糖や二糖の含
有量がなるべく少ない糖質がより好ましい。容易に利用
できる市販の糖組成物としては、「イソマルト900
P」もしくは「パノックスA」(商品名、いずれも昭和
産業製)などを例示することができる。
記糖質の添加量は、蛋白系加熱調理食品の原材料中に含
まれるタンパク質に対し、α−1,6グルコシド結合を
1つ以上有する三糖類分岐オリゴ糖として2〜25%の
範囲が好ましい。具体的な添加量は、添加対象とする蛋
白系加熱調理食品の種類に応じて最適な条件は異なるの
で、適宜選定することがより好ましい。添加量が上記の
範囲より少ないと十分な品質改良効果が得られず、多い
と甘味が突出したり食品が全体にべた付いた状態になる
ので、逆効果である。
は、タンパク質源として畜肉および/または魚肉を主体
に用いる食肉加工食品であり、具体的にはミンチ肉を使
用するハンバーグ、ミートローフ、ミートボール、メン
チカツ、つくね、つみれ、ハンバーガー用のパテ、餃
子、春巻、シュウマイ、ワンタン、中華肉まんやピロシ
キなど、さらには、肉塊から切り出した肉片を使用する
カツレツ、ステーキ、ソテー、唐揚などを例示すること
ができる。さらに、ハムやソーセージなどを例示するこ
とができる。使用方法としては、本発明の糖質を原材料
と一緒に混合する、浸漬またはインジェクションするピ
ックル液に混合する、などの方法により蛋白系加熱調理
食品に所定量を添加する。
とする蛋白系加熱調理食品における品質改良とは、加熱
調理で生じる肉の縮み、あるいは水分や油分の分離によ
り、肉本来のジューシーでソフトな食感さらには旨味や
風味が損なわれるなどの問題を防ぐことである。本発明
の糖質を添加すると、加熱調理による肉の縮み、あるい
は水分や油分の分離がほとんど生じないので、肉本来の
ジューシーでソフトな食感、旨味や風味が引出されて、
工業的に品質のよい蛋白系加熱調理食品を製造すること
ができる。本発明において、「蛋白系加熱調理食品の品
質改良剤」とは、蛋白系加熱調理食品の持つジューシー
でソフトな食感、さらには肉の旨味や風味を引き出す機
能を有する品質改良剤の意味で用いている。
してから冷蔵あるいは冷凍で保存して、電子レンジなど
を用いて再加熱しても加熱調理直後により近い食感、旨
味や風味が保たれる。また、本発明の糖質を添加した加
熱調理前の蛋白系食品を冷蔵あるいは冷凍で保存してか
ら加熱調理すると、好ましい食感、旨味や風味が保たれ
ていて冷蔵あるいは冷凍による品質劣化が殆どない。
糖類分岐オリゴ糖を含有する糖質は、単独で、蛋白系加
熱調理食品の持つジューシーでソフトな食感、さらには
旨味や風味を引き出す機能、より詳しくは畜肉および/
または魚肉を主体とする蛋白質系食品の加熱調理におい
て、本来のジューシーでソフトな食感、さらには旨味や
風味を安定して保つもしくは向上させる機能を有する。
明する。本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。
する分岐オリゴ糖から成る「イソマルト900P」、
「パノックスA」(商品名、いずれも昭和産業製)を用
いた。「イソマルト900P」は粉末状で水分3%、
「パノックスA」は液状で水分24%である。これらの
糖組成を高速液体クロマトグラフィーで定量した結果を
表1《「イソマルト900P」、「パノックスA」の糖
組成(固形分中)》に示す。
D」(商品名、昭和産業製、水分3%)、構成糖がα−
1,4グルコシド結合を有する直鎖オリゴ糖からなる
「フジオリゴ♯450」(商品名、日本食品化工製、水
分26%)、純粋な結晶トレハロースである「トレハオ
ース」(商品名、林原製、水分1%)、マルトース純度
が88%の粉末品「サンマルト緑」(商品名、林原製、
水分5%)、ショ糖として「精製上白糖」(商品名、新
名糖製、水分1%)、ソルビトール液状品「ソルビトー
ルFC」(商品名、日研化学製、水分28%)、「無水
結晶ぶどう糖」(商品名、昭和産業製、水分0%)を用
いた。以上の糖質を添加して、ハンバーグを調製した。
ハンバーグの基本原材料は、合挽き肉39重量部、水2
3重量部、玉ねぎ15重量部、ラード6重量部、大豆た
んぱく4重量部、卵白4重量部、パン粉3重量部、マッ
シュポテト3重量部、調味料3重量部として、各糖質を
固形分として3重量部となるように添加した。この時、
各糖質に由来する水分量に応じて、原材料の水の量を減
らして調整した。上記原材料100g中のタンパク質含
有量は10.0g(四訂日本食品標準成分表に基づいて
算出)であり、一方、α−1,6グルコシド結合を1つ
以上有する三糖類分岐オリゴ糖含有量は「パノックス
A」添加区で1.1g、「イソマルト900P」添加区
で0.8gである。原材料を十分に混合し、1個当たり
重量40gの円形に成形し、加熱した鉄板上で片面につ
き1分ずつ焼き目を付け、さらに85℃の蒸気中で6分
間蒸した。食感食味をパネラー6名による官能検査に供
し、ソフト感、ジューシー感、食味について糖質無添加
のものを3点として、優れている5点、やや優れている
4点、やや劣る2点、劣る1点で評価した。点数は、パ
ネラー6名の平均点を小数点第一位で四捨五入した整数
値で表した。結果を表2《ハンバーグの官能評価》に示
す。
シー感)と食味が優れていたのは、「パノックスA」と
「イソマルト900P」であり、両者の中では「パノッ
クスA」が総合的にやや優れていた。さらに、調製した
ハンバーグを放冷して、−30℃で凍結保存して1週間
後に電子レンジ加熱して上記と同様の官能検査に供した
ところ、糖質無添加においては食感食味ともに劣化が著
しかったが、糖質添加したものは総じて劣化が少なく、
特に「パノックスA」と「イソマルト900P」を添加
したものでは殆ど劣化が見られなかった。
ックスA」を添加したもの、「ぶどう糖」を添加したも
のについて、成形時を100%として、焼き後、蒸し後
の重量を測定して歩留まりを比較した。結果を表3《ハ
ンバーグの重量歩留まり》に示す。
量歩留まりが高いことから、「パノックスA」によって
もたらされる食感食味の改良効果には、ドリップの抑制
が寄与していると考えられる。
餃子を調製した。餃子の具の基本原材料は、キャベツ4
1.4重量部、豚挽き肉17.2重量部、玉ねぎ10.
3重量部、鶏肉6.9重量部、豚脂6.9重量部、パン
粉3.4重量部、にら3.4重量部、粒状大豆たんぱく
(昭和ミーテックスK−13)2.7重量部、醤油2.
0重量部、ごま油1.7重量部、酒1.7重量部、食塩
0.8重量部、にんにく0.7重量部、旨味調味料0.
4重量部、白胡椒0.3重量部、砂糖0.2重量部であ
る。「パノックスA」はこれらの基本原材料に4.4重
量部上乗せした。原材料を混合して餃子の皮で包み、1
80℃の鉄板で焼き色が着くまで熱し、その後水を加え
て蒸し焼きにして、実施例1と同様の官能検査に供し
た。なお、餃子を調製する過程で、具材のまとまり感に
ついても評価した。上記原材料100g中のタンパク質
含有量は6.2g(四訂日本食品標準成分表に基づいて
算出)であり、一方、「パノックスA」添加区のα−
1,6グルコシド結合を1つ以上有する三糖類分岐オリ
ゴ糖含有量は1.2gである。結果を表4《餃子の官能
評価》に示す。
ジューシー感)と食味は、対照区に比べて「パノックス
A」添加区の方が優れていた。さらに、具材のまとまり
感も「パノックスA」添加区の方が優れており、ハンド
リングが改良されることも示された。
バッター、パン粉を着け油ちょうしてトンカツにして官
能検査で評価した。対照区のピックル液は粉飴「K−S
PD」(商品名、昭和産業製、水分3%)10.0重量
部、食塩3.0重量部、リン酸塩1.5重量部、グルタ
ミン酸ソーダ0.7重量部、ホエー分解剤0.1重量
部、氷水84.7重量部を混合して調製した。「パノッ
クスA」添加区は、対照区の粉飴を「パノックスA」1
3.3重量部に置き換え、氷水を81.4重量部として
調製した。上記のピックル液を豚ロースのロイン部の肉
塊重量に対して20%重量インジェクションして、−3
0℃で凍結保存した。1週間後に自然解凍して、肉塊か
ら肉片を切り出し、打ち粉、バッター付け、パン粉付
け、油ちょうしてトンカツを調製した。上記原材料10
0g中のタンパク質含有量は20.0g(四訂日本食品
標準成分表に基づいて算出)であり、一方、「パノック
スA」添加区のα−1,6グルコシド結合を1つ以上有
する三糖類分岐オリゴ糖含有量は0.7gである。トン
カツの官能検査の結果を表5《インジェクション肉のト
ンカツの官能評価》に示す。
感、ジューシー感)と食味は、対照区に比べて「パノッ
クスA」添加区の方が優れていた。なお、表には示して
いないが、対照区では肉にバサツキ感があったのに対し
て、「パノックスA」添加区では感じられなかった。さ
らに、油ちょう後のトンカツを−30℃で凍結保存して
電子レンジ加熱したもの、油ちょう前のトンカツを−3
0℃で凍結保存して油ちょうしたものいずれにおいて
も、「パノックスA」添加区は対照区に比べて食感食味
ともに優れていることも示された。
つみれを調製した。つみれの基本原材料は、まいわしの
すり身100重量部、食塩3.5重量部、澱粉15重量
部、グルタミン酸ソーダ1重量部、小麦粉3重量部であ
る。「パノックスA」は、これらの基本原材料に8重量
部上乗せした。原材料を捏ねて十分に混合して適当な大
きさの偏平円形に成形して、沸騰水中で10分間加熱し
て、実施例1と同様の官能検査に供した。上記原材料1
00g中のタンパク質含有量は14.7g(四訂日本食
品標準成分表に基づいて算出)であり、一方、「パノッ
クスA」添加区のα−1,6グルコシド結合を1つ以上
有する三糖類分岐オリゴ糖含有量は1.7gである。結
果を表6《つみれの官能評価》に示す。
感、ジューシー感)と食味は、糖無添加区に比べて「パ
ノックスA」添加区の方が優れていた。
糖質を提供することができる。オリゴ糖は、食品原材料
としての安全性において全く問題がないものであるばか
りでなく、むしろ人体にとっての有用性のある機能性食
品素材として期待されており、畜肉および/または魚肉
を主体とする蛋白質系食品を加熱調理する際の食感、特
に肉が持つジューシーでソフトな食感、さらには肉の旨
味や風味を引出すことのできるという食感・食味への効
果と合わせて、食品原材料としての積極的な利用が可能
となる。
Claims (4)
- 【請求項1】 α−1,6グルコシド結合を1つ以上有
する三糖類分岐オリゴ糖を含有する蛋白系加熱調理食品
の品質改良剤。 - 【請求項2】 蛋白系加熱調理食品の原材料中に含まれ
るタンパク質に対する添加量が、α−1,6グルコシド
結合を1つ以上有する三糖類分岐オリゴ糖として2〜2
5%である請求項1の品質改良剤。 - 【請求項3】 蛋白系加熱調理食品のタンパク質源が畜
肉および/または魚肉を主体とする食品である請求項1
または2の品質改良剤。 - 【請求項4】 上記の三糖類分岐オリゴ糖がパノースを
主体とする糖質である請求項1、2または3の品質改良
剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP02171699A JP4115026B2 (ja) | 1999-01-29 | 1999-01-29 | 蛋白系加熱調理食品の品質改良剤 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP02171699A JP4115026B2 (ja) | 1999-01-29 | 1999-01-29 | 蛋白系加熱調理食品の品質改良剤 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000217518A true JP2000217518A (ja) | 2000-08-08 |
| JP4115026B2 JP4115026B2 (ja) | 2008-07-09 |
Family
ID=12062810
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP02171699A Expired - Lifetime JP4115026B2 (ja) | 1999-01-29 | 1999-01-29 | 蛋白系加熱調理食品の品質改良剤 |
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| JP2006280309A (ja) * | 2005-04-01 | 2006-10-19 | Showa Sangyo Co Ltd | 分岐構造を有する3〜4糖類を含有する糖組成物の使用、並びに飲食物、冷凍耐性向上方法、冷凍飲食物の製造方法 |
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-
1999
- 1999-01-29 JP JP02171699A patent/JP4115026B2/ja not_active Expired - Lifetime
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