JP2000218557A - 締結装置 - Google Patents

締結装置

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JP2000218557A
JP2000218557A JP11017893A JP1789399A JP2000218557A JP 2000218557 A JP2000218557 A JP 2000218557A JP 11017893 A JP11017893 A JP 11017893A JP 1789399 A JP1789399 A JP 1789399A JP 2000218557 A JP2000218557 A JP 2000218557A
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JP
Japan
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socket
shaft
tool
tool shaft
tightening
Prior art date
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Application number
JP11017893A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Koba
博 木葉
Akinori Shiyutou
彬令 周藤
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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  • Details Of Spanners, Wrenches, And Screw Drivers And Accessories (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インパクトレンチなどの締結装置において、
1つの工具軸10で複数の工具端14,16を切り換え
て使用できるようにするととともに、作業時にその工具
端16の位置がずれないようにする。 【解決手段】 工具軸10を、主軸11と、その前後へ
位置変化可能なソケット12とから構成すると共に、ソ
ケット12の位置を前後に切り換えることにより、ビッ
ト14とソケット口16を使用できるようにする。さら
に、ソケット12の位置を保持するため、主軸11に係
合溝17を形成し、ソケット12に係合溝17と係合す
るボール22を設け、筒体25によって、その係合と解
除の操作を行えるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インパクトレンチ
などの締結装置に関し、特に、サイズの異なるボルトや
ナットに対応して複数サイズの工具端を切り換えて使用
するタイプの締結装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、インパクトレンチなどの締結
装置は、一般に、先端にソケットが形成された工具軸を
ボルトやナットのサイズに合わせて取り付けて締結作業
を行うように構成されている(例えば、特開平6−39
362号公報参照)。
【0003】このインパクトレンチを、例えば自動車の
製造ライン等の生産現場で使用する場合、締め付けるボ
ルトやナットのサイズに合わせて工具軸を交換して作業
するか、あるいは、予めサイズの異なる工具軸を取り付
けた複数のインパクトレンチを生産現場に備え付けてお
き、インパクトレンチを作業者が持ち替えて作業するよ
うにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このように工
具軸を交換したりインパクトレンチを持ち替えたりする
ことは、作業効率が低下する原因となる。これに対し
て、作業効率の低下を防止するために、例えば、インパ
クトレンチの工具軸を、ソケットを可動にしてソケット
のサイズを切り替えるように構成すると、ボルト等の締
め付け作業を行っているときに、軸の回転に伴う振動に
よってソケットの位置がずれ、作業が妨げられることが
考えられる。
【0005】本発明は、このような問題点に鑑みて創案
されたものであり、その目的とするところは、インパク
トレンチなどの締結装置において、1つの工具軸で複数
のサイズの工具端を切り換えて使用できるようにすると
とともに、作業時にその工具端の位置がずれないように
することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、インパクトレ
ンチなどの締結装置の工具軸を、第1工具軸と、その前
後へ位置変化可能な第2工具軸とから構成すると共に、
第2工具軸の位置を前後に切り換えることにより複数の
工具端を使用できるようにし、さらに、第2工具軸の位
置を保持する手段を設けたものである。
【0007】具体的に、本発明が講じた第1の解決手段
は、工具軸を、先端に第1工具端を有するとともに締結
装置本体に連結される第1工具軸と、先端に第2工具端
を有するとともに第1工具軸に装着され、かつ該第2工
具端が第1工具端よりも突出する前進位置と該第1工具
端よりも後退する後退位置とに設定可能に構成された第
2工具軸とから構成したものであり、第1工具軸の外周
の所定位置に形成された係合凹部と、第2工具軸の前進
位置で係合凹部と係合するように第2工具軸に保持され
た係合部材と、第2工具軸に装着された筒体とを備えて
いる。そして、筒体に、第2工具軸の前進位置で係合部
材を係合凹部に押圧して第2工具軸の後退を規制すると
ともに、第2工具軸の後退位置で係合部材を第1工具軸
の外周に押圧して第2工具軸の前進を規制する押圧手段
と、工具端の切り換え時に押圧手段による係合部材の押
圧力を解除する押圧解除手段とを設けている。
【0008】また、本発明が講じた第2の解決手段は、
上記第1の解決手段において、第1工具軸を回転駆動す
る駆動手段と、第1工具端または第2工具端に対応して
駆動手段による第1工具軸の駆動力を変更する駆動力変
更手段とを備えた構成としたものである。
【0009】また、本発明が講じた第3の解決手段は、
上記第1または第2の解決手段において、筒体の後端部
に、径方向外方へ膨出する鍔部を形成したものである。
【0010】また、本発明が講じた第4の解決手段は、
上記第3の解決手段において、鍔部の位置を検出する検
出手段を備えた構成としたものである。
【0011】また、本発明が講じた第5の解決手段は、
上記第1の解決手段において、第1工具端をドライバの
ビットとし、第2工具端をソケットとしたものである。
【0012】また、本発明が講じた第6の解決手段は、
上記第1の解決手段において、第1工具端及び第2工具
端を、ボルトやビスなどの被締め付け部材を磁力により
吸着できるように構成したものである。この場合、例え
ば、各工具端にマグネットを内蔵したり、各工具端自体
を磁石にしたりすることができる。
【0013】−作用−上記第1の解決手段では、第1工
具端を使用するために第2工具軸を後退位置に設定する
と、係合部材が押圧手段によって第1工具軸の外周に押
圧され、その位置が保持される。また、第2工具端を使
用するために第2工具軸を前進位置に設定すると、係合
部材が第1工具軸の係合凹部と係合し、該係合部材は、
押圧手段によって係合凹部に押圧された状態に保持され
る。一方、押圧解除手段を用いれば、係合部材の押圧力
を解除して、第2工具軸の移動が可能となる。
【0014】また、上記第2の解決手段では、第1工具
端または第2工具端が選択されると、選択された工具端
に対応して、駆動手段による第1駆動軸の駆動力が切り
替えられる。つまり、例えば呼び径がM6のボルト用の
工具端が選定された場合にはM6に適した駆動力が設定
され、M10のボルト用の工具端が選定された場合には
M10に適した駆動力が選定される。
【0015】また、上記第4の解決手段では、第3の解
決手段において筒体の後端部に形成した鍔部の位置が検
出手段によって検出される。鍔部の位置は、工具端の種
類やサイズに対応しているので、該鍔部の位置に基づい
て、そのときに選択されている工具端の種類やサイズが
検出されることになる。
【0016】また、上記第5の解決手段では、第1工具
端を選択するとビスの締め付け作業を行うことができ、
第2工具端を選択するとボルトの締め付け作業をするこ
とができる。
【0017】また、上記第6の解決手段では、締め付け
るビスやボルトを工具端に吸着させて保持した状態で、
ネジ穴等の位置へ持っていくことができる。
【0018】
【発明の効果】上記第1の解決手段によれば、第1工具
端を使うときは、係合部材を第1工具軸の外周に押し付
けているので、締め付け作業を行っても第1工具軸の振
動では第2工具軸は前進せず、第2工具端を使うとき
は、係合部材が係合凹部と係合しているので、締め付け
作業を行って第2工具端に力が直接作用しても、第2工
具軸が後退することはない。つまり、いずれの場合も作
業が妨げられることはない。また、押圧解除手段を用い
ると、使用する工具端の切換を簡単に行うことができ
る。
【0019】また、上記第2の解決手段によれば、締め
付けるボルト等に応じた駆動力が選定されるので、例え
ば小さなボルトやビスに対して大きすぎる駆動力が選択
されたり、大きなボルトに対して小さすぎる駆動力が選
択されることを防止できる。
【0020】また、上記第3の解決手段によれば、筒体
の後端部に鍔部を設けているので、作業の際の安全を図
ることができ、第4の解決手段によれば、この鍔部を用
いて工具端の種類を検出できるから、その検出結果に基
づいて、適切な駆動力を設定することが可能となる。
【0021】また、上記第5の解決手段によれば、ボル
トだけでなくビスを締め付けることも可能となり、第6
の解決手段によれば、ボルトやビスを工具端で保持した
ままでネジ孔の位置まで持っていけるため、作業を容易
に行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の実施形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0023】図1は、本発明に係る締結装置の実施形態
1であるインパクトレンチ1の使用状態を示す斜視図で
ある。図示するように、インパクトレンチ1は、本体2
と、工具軸10とから構成され、本体2は、作業者が把
持する把持部3とスイッチノブ4とを備えている。工具
軸10は、本体2に連結される主軸(第1工具軸)11
と、主軸11の外周に軸方向へ移動可能に装着されたソ
ケット(第2工具軸)12とを備えている。主軸11
は、断面が六角形の棒状部材であり、本体2は、この主
軸11を保持して回転駆動するコネクタ5を備えてい
る。
【0024】ソケット12は、工具軸の側面図である図
2(a)に示すように、主軸11に対して前進した前進
位置と、図2(b)に示すように、主軸11に対して後
退した後退位置とに位置設定できるように構成されてい
る。そして、主軸11の先端部には、十字穴付きのビス
13を締め付けるため、ドライバの穂先であるビット
(第1工具端)14が形成され、該ビット14は、ソケ
ット12を後退位置にセットしたときに使用できるよう
に構成されている。また、ソケット12の先端には、所
定サイズのボルト15やナットに対応した六角形のソケ
ット口(第2工具端)16が形成され、該ソケット口1
6は、ソケット12を前進位置にセットしたときに使用
できるように構成されている。
【0025】図3(a)は、ソケット12を前進位置に
セットした状態での断面図、図3(b)はその部分拡大
図、図4は図3(a)の左側面図、図5は図3(a)の
A−A線断面図である。図示するように、主軸11に
は、両端にビット14が形成されている。また、主軸1
1の両端部には、各ビット14の先端から軸の中央側へ
同一寸法の位置に、主軸11の周方向へ連続した係合溝
(係合凹部)17が形成されている。主軸11は、全体
としては断面六角形の軸であるが、この周溝11の部分
は断面円形に形成されている。
【0026】ソケット12は、先端側の大径部18と後
端側の小径部19とが一体に形成された大略筒状の部材
である。小径部19側の内面は主軸11と摺動可能に嵌
合する六角穴20に構成され、大径部18側の内面はボ
ルト15の頭部が嵌合する六角形状の上記ソケット口1
6に構成されている。このソケット口16は、ボルト1
5が該ソケット口16に深く入り込まないように、深さ
寸法が定められている。
【0027】また、ソケット口16の内側面の一部には
マグネット21が埋め込まれていて、その磁力によっ
て、ボルト15をソケット口16に保持できるように構
成されている。なお、図示していないが、ビット14の
先端も、マグネットを埋め込むか、主軸11自体を磁化
することによって、ビス13を吸着保持できるように構
成されている。
【0028】ソケット12の小径部19には、図5に示
すように六角穴20の一つの角部の位置でボール(係合
部材)22を保持するボール保持穴23が形成されてい
る。このボール保持穴23に保持されたボール22は、
ソケット12を前進位置にセットしたときに主軸11の
係合溝17と係合するように構成されている。
【0029】また、図31に示すように、ソケット12
には、小径部19の外周に、筒体24が軸方向へ可動に
装着されている。筒体24の内周面には、径方向内方へ
突出する環状の突部25が形成されている。そして、ソ
ケット12の後端部にストップリング26が装着され、
この突部25とストップリング26との間に、圧縮コイ
ルばね27と、スプリングリテーナ28とが装着されて
いる。
【0030】このため、筒体24は、ソケット12に対
して、図3の位置まで工具の先端側(図3の左方向側)
へ向かって付勢されている。なお、筒体24をこの位置
で停止させるためのストッパーとして、小径部19には
肩部29が設けられている。また、筒体24の外周面に
は、ソケット12に対する前後への移動操作を行いやす
くするために、ローレット加工が施されている(図1及
び図2参照)。
【0031】本実施形態では、ソケット12を、前進位
置と後退位置でボール22によってロックできる一方、
筒体24を操作すれば、ロックを簡単に解除できるよう
に構成されている。このため、具体的には、筒体24の
内周面に形成した環状の突部25を、ボール22の位置
を規制するカム(押圧手段)として構成している。この
カムは、突部25の内周面により構成された第1カム面
25aと、第1カム面25aの先端側に連続するテーパ
状の第2カム面25bとから構成されている。また、筒
体24には、突部25の前方側(図3の左側)に、筒体
24をソケット12に対して後退させたときにボール2
2を収めることができるスペースを形成するように、環
状の凹溝(押圧解除手段)30が形成されている。
【0032】図3(a)に示したソケット12の前進位
置では、ボール22は、主軸11の保持凹部17と係合
した状態で上記突部25の第1カム面25aに押さえら
れ、該保持凹部17に押圧された状態となっている。つ
まり、このとき、ボール22は、第1カム面25aが外
周囲にあるために保持凹部17から外れない。このた
め、ソケット口16を使用してボルト15の締め付け作
業を行っても、ソケット12前進位置にしっかりと保持
される。
【0033】一方、図6に示すように、ソケット12に
対して筒体24を少し後退させると、筒体24の突部2
5が、ボール22の位置から外れることになる。このた
め、ボール22は、係合溝17から、第2カム面25b
に沿って筒体24の凹溝30内に下がって、主軸11よ
りも径方向外側へ移動可能となる。このように、主軸1
1に対するボール22の押圧力が解除されるので、ボー
ル22がソケット12の移動を邪魔しなくなり、ソケッ
ト12を後退させてビット14をソケット12から突出
させることが可能となる。
【0034】ソケット12を適当な位置まで後退させて
筒体24から手を離すと、筒体24はスプリング27の
作用によってソケット12に対して前進する。そうする
と、図7に示すように、ボール22が第2カム面25b
に押されて主軸11の外周面(本実施形態では六角の角
部)と圧接する。このため、主軸11とボール22との
間の摩擦力によって、ソケット12の位置が保持される
(後退位置)。ビット14を使ってビス13を締め付け
る際に必要な締め付けトルクは、ボルト15の締め付け
作業を行う場合の締め付けトルクよりも小さくて済むの
で、ソケット12は、主軸11とボール22との摩擦力
だけで、後退位置に十分保持できる。
【0035】一方、このインパクトレンチ1は、ビット
14またはソケット口16のどちらが選択されているか
をソケット12の位置から検出する検出手段を備えてお
り、締め付けるビス13またはボルト15に対応して、
それぞれ適切な締め付けトルクを自動的に選定するよう
に構成された駆動装置と接続されている。
【0036】そこで、図8及び図9を参照して、この駆
動装置40について説明する。なお、以下の説明におい
て、インパクトレンチ1は、車両がタクト搬送される生
産ラインで使用するものとしている。
【0037】駆動装置40は、ホストコンピュータ41
と、タクトタイムカウンタ42と、主制御部43と、ト
ルクコントローラ44と、エアコントローラ45と、モ
ニタ46と、設定部47と、制御部48とを備えてい
る。
【0038】ホストコンピュータ41は、タクトタイム
カウンタ42を介して主制御部43へ車種データ(生産
ラインを流れている車種のデータ)を送信すると共に、
締め付けデータの管理、収集も実行する。タクトタイム
カウンタ42は、各ステーションをタクト搬送される車
両の生産ラインにおいて、各種ワーク(シート、インス
トルメントパネル、ドアなど)を組み付けるタクトタイ
ムを計数する。
【0039】主制御部43は、CPU、ROM、RAM
を有し、工具端検出信号(ソケット口16とビット14
のどちらが選択されているかを示す信号)に基づいてト
ルクコントローラ44及びエアコントローラ45を制御
する。そして、トルクコントローラ44により、使用工
具端に応じた目標締め付けトルク値Toを得て、エアコ
ントローラ45により使用工具端14,16に応じた駆
動トルク値Taを得るように構成している。
【0040】また、主制御部43のRAM(記憶手段)
には、上記車種データにそれぞれ対応して、ワーク毎に
対応する使用工具端14,16の種類と、その工具端1
4,16で使用する駆動トルク値Ta及び目標締め付け
トルク値Toと、ワーク毎に対応して使用されるボルト
15、ナットまたはビス13(被締め付け部材)の本
数、個数とが、読み出し可能に記憶されている。
【0041】トルクコントローラ44(目標締め付けト
ルク値Toを変更する手段と、異常を検出する手段とを
兼ねる)は、CPU、ROM、RAMを有し、工具端検
出信号aに対応して目標締め付けトルク値Toを変更す
る。具体的には、工具端検出信号aが主制御部43のC
PUに入力されると、この主制御部43のRAMから車
種データに対応した使用工具端14,16毎の目標締め
付けトルク値Toが読み出され、この値にて目標締め付
けトルク値Toを変更する。
【0042】また、トルクコントローラ44は、ボルト
15、ナット、またはビス13の実締め付けトルク値T
bと使用工具端14,16毎の目標締め付けトルク値T
oとを比較して、実締め付けトルク値Tbが過少、過大
なときに異常を検出する。なお、トルクコントローラ4
4のCPU、または主制御部43のCPUにブザー、赤
色発光ランプ、緑色発光ランプを接続し、締め付けNG
時にはブザーを駆動すると共に、赤色発光ランプを点灯
し、締め付けOK時には緑色発光ランプを点灯するよう
に構成している。
【0043】エアコントローラ45(駆動力変更手段)
は、CPU、ROM、RAM及び複数の圧力調整弁を含
む空気圧回路を有し、工具端検出信号aに対応して駆動
トルク値Taを変更するように構成されている。具体的
には、工具端検出信号aが主制御部43のCPUに入力
されると、この主制御部43のRAMから車種データに
対応した使用工具端14,16毎の駆動トルク値Taが
読み出され、この駆動トルク値Taになるように内蔵空
気圧回路(図示せず)が切り替えられて、エア圧力が、
ボルト15、ナットまたはビス13に対応して切り換え
制御される。
【0044】モニタ46は、例えばCRT表示装置やL
CD表示装置により構成され、ボルト15、ナットまた
はビス13の締め付け順序及び締め付けトルクを可視表
示するように構成されている。本来、ボルト15、ナッ
ト、ビス13等の締め付け順序は作業者が予め記憶して
おく事項であるが、締め付け順序の忘却時や、同一径の
ボルト、例えば同じM6ボルトでも締め付けトルクが異
なるような場合に、モニタ表示を確認できるので使用上
有効となる。
【0045】設定部47及び制御部48は、ホストコン
ピュータ41からボルト15、ナット、ビス13の締め
付け順序に代えて、作業者が予め作業性を考慮して別の
締め付け順序とする際に用いられる。つまり、設定部4
7はボルト15、ナット等の締め付け順序をキー入力す
るのに用いられ、この設定信号が制御部48に入力され
ると、この制御部48は主制御部43におけるホストコ
ンピュータ41側からの締め付け順序をキャンセルし
て、設定部47側からの締め付け順序に設定更新する。
【0046】ところで、インパクトレンチ1の本体2の
内部には、図9に示すように、目標締め付けトルク値T
oに対応した所定圧の圧縮空気により駆動されるエアモ
ータ(駆動手段)51と、このエアモータ51により駆
動されるオイル式のロータハンマ52と、ボルト15、
ナット、ビス13の実締め付けトルク値Tbを検出する
トルクセンサ53とを備えている。
【0047】また、インパクトレンチ本体2の基端側
(図9の右側)には、ボルト15、ナット、ビス13等
の締め付け完了OK時に点灯して、それ以上の無駄な締
め付けを防止するランプ54,55,56,57と、締
め付け完了時に点灯する表示ランプ58とを備えてい
る。
【0048】ここで、ランプ54はビット14に対応
し、ランプ55はソケット16に対応して点灯するよう
に構成されている。本実施形態1では、ビット14とソ
ケット16という2種類の工具端14,16を切り替え
て使用するように構成しているため、ランプ56,57
は使用しないが、後述する他の実施形態(実施形態9及
び実施形態10)のように4種類の工具端を切り替えて
使用するように構成した場合にも対応できるように、4
つのランプを設けている。また、表示ランプ58はボル
ト15、ナットまたはビス13の締め付け完了時に共通
して点灯するように構成されている。
【0049】次に、本実施形態1のインパクトレンチ1
の使用方法を説明する。
【0050】ホストコンピュータ41からタクトタイム
カウンタ42を介して車種データが主制御部43に送信
入力されると、作業者は締め付け順序に対応して工具端
14,16の切り換え操作を行う。このとき、ソケット
12を前進位置にした場合はボール22が係合溝に係合
し、ソケットを後退位置にした場合はボール22が主軸
11に圧接して、それぞれの位置に保持される。このよ
うにして切り換え操作を行うと、図示しない上記検出手
段によって、その工具端14,16の種類が検出され
て、その工具端検出信号aが主制御部43にフィードバ
ック入力される。
【0051】主制御部43のCPUは、RAMに記憶し
たマップの所定エリアからその工具端14,16に対応
する駆動トルク値Taと目標トルク値Toとを読み出
し、これから両トルク値Ta,Toになるようにトルク
コントローラ44及びエアコントローラ45を制御す
る。
【0052】このため、締め付け工具1は上述の両トル
ク値Ta,Toになるように駆動され、ボルト15、ナ
ットまたはビス13の締め付け完了時には、ランプ54
または55とランプ58とが点灯する。一方、このイン
パクトレンチ1で実際に締め付けられたボルト15、ナ
ットまたはビス13等の実締め付けトルク値Tbはトル
クセンサ53で検出され、この実締め付けトルク値Tb
がトルクコントローラ44のCPUに出力される。そし
て、このトルクコントローラ44のCPUは、実締め付
けトルク値Tbと目標締め付けトルク値Toとを比較し
て、正常か異常かを検出し、正常時には緑色発光ランプ
(図示せず)を点灯する一方、異常時にはブザー(図示
せず)を駆動すると共に、赤色発光ランプ(図示せず)
を点灯する。
【0053】上述のマップには、車種データに対して、
ワーク毎の使用工具端14,16の種類と、その工具端
14,16で使用される目標締め付けトルク値To及び
駆動トルク値Taが全て記憶されている。したがって、
予め設定された締め付け順序に従って順次工具端を切り
替えると、切り替えた工具端14,16に対応して目標
締め付けトルク値Toと駆動トルク値Taを確保するこ
とができる。
【0054】−実施形態1の効果− このように、本実施形態1によれば、1つのインパクト
レンチ1により異なる複数の工具端14,16が得られ
ると共に、各工具端14,16に対応した適切な目標締
め付けトルク値Toと駆動トルク値Taとが確保できる
ので、1つのインパクトレンチ1でボルト、ナット及び
ビス等を良好且つ適切に締め付けることができる。
【0055】また、ビット(第1工具端)14を使うと
きは、ボール22を主軸11の外周面の角部に押し付け
るようにしているので、ビス13の締め付け作業を行っ
ても主軸11の振動ではソケット12は前進せず、ソケ
ット口(第2工具端)16を使うときは、ボール22が
係合溝17と係合しているので、締め付け作業を行って
ソケット12に力が直接作用しても、ソケット12が後
退することはない。
【0056】一方、筒体24をソケット12に対して後
退させてボール22を係合溝17から解放すると、使用
する工具端14,16の切換を簡単且つ迅速に行うこと
ができる。つまり、本実施形態1では切り換え操作を簡
単に行えるので、切り換え操作の際の作業性を高めるこ
とができる。
【0057】また、本実施形態では、ビット14を主軸
11の両端に形成しているので、例えば一方のビット1
4が摩耗しても、主軸11を反転してインパクトレンチ
1の本体2に取り付け直せば、ビット14による締め付
け作業を再度実施することができる。なお、主軸11を
反転する際は、主軸11を本体2から外した後、ソケッ
ト12と筒体24を主軸11から抜き、このソケット1
2と筒体24の向きを反対にして主軸11に装着してか
ら、主軸11を本体2に再度取り付ければよい。
【0058】また、本実施形態1では締め付けるボルト
15やビス13等に応じた駆動トルクが選定されるよう
にしているので、例えば小さなビス13に対して大きす
ぎる駆動トルクが選択されたり、大きなボルト15に対
して小さすぎる駆動トルクが選択されるといった不具合
を防止できる。
【0059】また、主軸11側の工具端をビット14に
して、ソケット16とビット14を切り替えて使用でき
るようにしているので、ボルト15だけでなくビス13
を締め付けることも可能であり、さらに、ボルト15や
ビス13を各工具端14,16に磁力で保持したままで
ネジ孔等の締め付け部位まで持っていけるので、作業を
容易に行うことができる。
【0060】−実施形態1の変形例− 本実施形態1では、ビット14を主軸11の両端に形成
しているが、ビット14は主軸11の片側のみに形成し
てもよいし、両端に形成する場合、両方のビット14の
サイズが異なるようにしてもよい。
【0061】また、本実施形態1では、ソケット12を
後退位置にするときは、ボール22が主軸11の角部に
圧接するようにしているが、ソケット12を後退位置で
より確実にロックするため、主軸11に、後退位置用の
係合溝を設けてもよい。
【0062】また、図8においては、主制御部43に対
して各1つのインパクトレンチ1、エアコントローラ4
5、モニタ46等を接続しているが、主制御部43に対
してそれぞれ複数のインパクトレンチ1、エアコントロ
ーラ45、モニタ46等を接続して、複数作業者により
締め付け作業を同時に実行できるように構成してもよ
い。
【0063】また、駆動装置40の構成は単なる一例で
あり、該駆動装置40はインパクトレンチの使用状況に
合わせて適宜構成すればよい。さらに、本実施形態1の
駆動装置40は、自動車の生産ラインにおいてインパク
トレンチ1で締め付けるボルト15やビス13のトルク
管理をするように構成したものであるが、トルク管理の
不要な製品等で使用する締結装置の場合には、トルクコ
ントローラ44、エアコントローラ45、トルクセンサ
53などの構成要素は不要となる。また、本発明の締結
装置は、インパクトレンチ1に限らず、手動式の工具で
あっても適用可能である。
【0064】
【発明の実施の形態2】本発明の実施形態2は、図10
〜図13に示すように、自動車のエンジン等を車体に組
み付ける際に用いるネジ付き防振材(被締め付け部材)
70を締め付けるのに用いるソケット(工具軸)80
を、複数サイズの防振材70a,70b(図11及び図
12参照)に対応するように構成したものである。防振
材70は、図10に示すように、短い円柱状の防振ゴム
71と、この防振ゴム71の両端面に接着固定された六
角形の金属板72と、両金属板72から突出するように
該金属板72を貫通して固定されたネジ軸73とから構
成されている。なお、インパクトレンチ本体2は、実施
形態1と同様のものを使用することができる。
【0065】図11,図12は、このソケット80の断
面図、図13は左側面図であり、図11は防振材(小)
70aに対応する状態、図12は防振材(大)70bに
対応する状態を示している。ソケット80は、図10に
示す防振材70や、六角ボルト及び六角ナット等を締め
付けるためのソケット口81を有する大略円筒状のソケ
ット本体82と、このソケット本体82の軸方向にスラ
イドして該ソケット口81に出没可能に構成されたピン
83とから構成されている。
【0066】ソケット80は、インパクトレンチ本体2
のコネクタ4(図1参照)に連結するために、ソケット
口81と反対側の端部から突出する連結部84を有して
いる。この連結部84は、インパクトレンチ本体2の駆
動軸と嵌合する駆動穴85と、駆動軸とソケット80と
を連結するための連結ピン(図示せず)を装着する連結
穴86とを有している。
【0067】ソケット口81は、防振材(大)70bの
金属板72bが嵌合する形状であり、2つの六角穴をソ
ケット80の中心で位相を30°ずらした多角形状に形
成されている。このソケット口81は、防振材70の2
枚の金属板72が両方とも該ソケット口81の中に入っ
て、インパクトレンチ1の駆動力を両金属板72から防
振材70に伝達できる一方、該防振材70がソケット口
81の中に深く入りすぎないように深さが定められてい
る。
【0068】また、ソケット80の中心には、ソケット
口81に防振材70を挿入したときにネジ軸73を受け
入れることができるように、ソケット口81と連通する
貫通穴87が形成されている。この貫通穴87のソケッ
ト口81側の端部には、環状のマグネット88aが埋設
されている。また、図12及び図13に示すように、ソ
ケット口81の底面には、複数のマグネット88bが埋
め込まれている。そして、これらのマグネット88a,
88bにより、防振材70の金属板72を吸着して、ソ
ケット80で保持できるように構成されている。
【0069】ピン83は、貫通穴87の周囲3箇所に1
20°の間隔で配置されている。各ピン83は、大径部
83aと小径部83bとが一体に形成されたものであっ
て、それぞれ、大径部83aがソケット口81の3つの
角部に内接している。そして、小径部83bの周囲に圧
縮コイルばね89を配置して、貫通穴87の周囲3箇所
に形成した収納凹部90に収納するとともに、ピン83
の小径部83bの先端にストップリング91を装着する
ことにより、ピン83の抜け止めを図っている。
【0070】ピン83は、通常は、図11に示すように
大径部83aがソケット口81に突出して、該大径部8
3aの先端面がソケット80の先端面と揃う一方、図1
2に示すように、大径部83aの先端面がソケット口8
1の底面と揃う位置まで、収納凹部90の中に押し込む
ことができるように寸法構成されている。また、ピン8
3は、大径部83aがソケット口81に突出した図11
の状態において、該大径部83aに防振材(小)70a
の金属板72aが内接するように構成されている(図1
3参照)。
【0071】大径部83aをソケット口81に突出させ
ている圧縮コイルばね89の付勢力は、マグネット88
a,88bの吸着力よりも弱く設定されている。このた
め、ソケット口81に防振材(大)70bを挿入する
と、金属板72bがマグネット88a,88bに吸着し
て、圧縮コイルばね89の圧縮状態が維持されるように
なっている。
【0072】本実施形態のソケット80を用いて、防振
材(大)70bの締め付け作業を行う場合、まず、防振
材70bの中心のネジ軸73bをソケット80の中心と
ほぼ合わせてから、ソケット80ないし防振材70bを
回しながら金属板72bの角部をソケット口81の角部
に揃えて、防振材70bをソケット口81に押し込む。
このとき、ピン83は、金属板72bに押されるため、
収納凹部90の中に後退する。
【0073】ソケット口81への挿入側の金属板72b
がソケット口81の底面に達すると、該金属板72bが
マグネット88a,88bに吸着され、その位置に保持
される。そして、ソケット80の先端から突出したネジ
軸83aを車体側のネジ穴に合わせ、インパクトレンチ
1を操作して締め付け作業を行う。作業が終了してイン
パクトレンチ1を引くと、マグネット88が防振材70
bの金属板72bから外れて、防振材70bが車体側の
所定位置に取り付けられた状態で残るとともに、ソケッ
ト80側ではピン83がソケット口81の中に突出す
る。
【0074】このようにして所定個数の防振材70bを
車体側に取り付けると、次にエンジン等の部品の取付穴
をこの防振材70bのネジ軸73bに通し、ナット(図
示せず)を締め付ける作業を行う。このとき、まずナッ
トを上述と同様にしてソケット口81に吸着保持してか
ら、車体側に取り付けた防振材70bのネジ軸73bに
ナットの位置を合わせ、インパクトレンチ1を操作すれ
ば締め付け作業を行うことができる。
【0075】一方、防振材(小)70aを使用する場合
は、図13に仮想線で示すように、金属板72aの3辺
が各ピン83の大径部83aに接するようにして防振材
70aをソケット口81に入れ、金属板72aをマグネ
ット88で吸着して保持する。その後は、上述と同様に
して作業を行えば、インパクトレンチ1の駆動力が3本
のピン83を介して防振材70aに伝達されるので、車
体等への取り付けを行うことができる。また、エンジン
を載せた後、ナットを締め付ける場合にも、同様にして
作業を行える。
【0076】−実施形態2の効果− 本実施形態2によれば、ソケット口81に出没可能なピ
ン83をソケット80に設け、該ピン83を常時ソケッ
ト口81の中に突出するように付勢しているので、ソケ
ット口81に嵌合する大きさの防振材70bやボルト・
ナットに加えて、各ピン83に内接する大きさの防振材
70aやボルト・ナットも締め付けることができ、2種
類のサイズに対応できる。
【0077】また、従来は、各サイズの防振材70a,
70bやボルト・ナットなどの締め付け作業を行うの
に、ソケットを交換したり、インパクトレンチを持ち替
えたりする作業が必要であり、さらに、実施形態1では
ソケットを切り替える作業が必要であるが、本実施形態
によれば、ソケット80の交換や切り替え、あるいはイ
ンパクトレンチ1の持ち替えが必要でなく、作業を極め
て簡単に行うことができる。
【0078】−実施形態2の変形例− 本実施形態2は、ソケット80をインパクトレンチ1の
駆動軸に直接連結して使用するものとして説明したが、
このソケット80に設けたピン83の出没による切り換
え構造は、実施形態1で説明したように主軸11に対し
て前進位置と後退位置とに設定可能なソケット12に適
用することも可能である。そうすれば、主軸11に形成
した第1工具端(ビット)14と、ソケット80に形成
した2サイズの第2工具端(ソケット口)81との、合
計3つの工具端を適宜選択して使用できる。しかも、こ
の場合には、第2工具端81の2つのソケット口は、切
り換え操作を行わずに選択することができる。
【0079】
【発明の実施の形態3】図14〜図19に示す本発明の
実施形態3は、実施形態1の構成を一部変更したもので
ある。このインパクトレンチ1の工具軸100は、図1
4に示すように、主軸(第1工具軸)101と、ソケッ
ト(第2工具軸)102とから構成され、ソケット10
2を、図14(a)に示す前進位置と図14(b)に示
す後退位置にセットできるように構成されている。本実
施形態3では、主軸101の先端の第1工具端103が
第1ソケット口であり、ソケット102の先端の第2ソ
ケット口(第2工具端)104よりも小さなサイズに形
成されている。そして、ソケット102を主軸101に
対して前進位置または後退位置に設定することによっ
て、サイズの異なるボルト105,106に対応して、
2種類のソケット口103,104を切り替えて使用す
ることが可能になっている。
【0080】図15は、ソケット12を前進位置に設定
した状態の断面図、図16はその左側面図、図17は図
15のB−B線断面図である。主軸101は、断面が大
略六角形の棒状部材であり、先端部に第1ソケット口1
03が形成されるとともに、後端部にはインパクトレン
チ1の本体2への連結部107が形成されている。この
連結部107は、主軸101の六角断面の対角寸法より
も直径の大きな円形断面に形成されている。そして、該
連結部107には、インパクトレンチ本体2の駆動軸を
挿入する駆動穴108と、該駆動軸と主軸101とを連
結する連結ピン(図示せず)を装着するための連結穴1
09とが形成されている。なお、駆動穴108は、図示
していないが、インパクトレンチ本体2の駆動軸の形状
に合わせて、断面が大略正方形に形成されている。
【0081】また、主軸101の先端側には、六角の一
つの角部を切り欠いて形成した第1の係合凹部110が
設けられている。実施形態1では、係合凹部17は主軸
11の全周に形成した周溝としたが、本実施形態3で
は、係合凹部110は六角の角部を1箇所のみ切り欠い
たものとしている。また、この主軸101には、後端側
にも第2の係合凹部111が形成されている。
【0082】第1ソケット口103は、比較的サイズの
小さな六角ボルト105や六角ナットの形状に合わせた
六角穴に形成されている。主軸101には、この第1ソ
ケット口103に連通する円形断面のスライダ配設穴1
12が形成されている。このスライダ配設穴112に
は、スプリング113と、スライダ114とが収納さ
れ、先端側にはストップリング115が装着されてい
る。このため、スライダ114は、図の左側へ向かって
付勢されて、ストップリング115と当接している。ま
た、スライダ114は、先端部が第1ソケット口103
に僅かに突出しており、その先端部には、マグネット1
16が内蔵されている。
【0083】ソケット102は、実施形態1のソケット
12とほぼ同様に構成されている。該ソケット102
は、主軸101と摺動可能に嵌合する六角穴117を備
え、この六角穴117は、比較的大径の六角ボルト10
6や六角ナットを締め付けるための第2ソケット口10
4と実質的に同じ断面形状に形成されている。なお、こ
の第1ソケット口104の内側面には、マグネット11
8が内蔵されている。
【0084】本実施形態3のソケット102には、実施
形態1のボール保持穴23と同様の第1ボール保持穴1
19が形成され、該第1ボール保持穴119にはボール
120が収納保持されている。また、このソケット10
2には、第1ボール保持穴119に加えて、該第1ボー
ル保持穴119と径線方向に相対し、かつ僅かにソケッ
ト102の後端側に位置する第2ボール保持穴121が
形成されている。この第2ボール保持穴121には第2
ボール122が収納されている。
【0085】実施形態1と同様、ソケット102には、
筒体123が軸方向へスライド可能に装着され、この筒
体123の内周面には、環状の突部124が形成されて
いる。そして、ソケット102には、この突部124を
利用して筒体123をソケット102の前方へ付勢する
ために、圧縮コイルばね125とストップリング126
が装着されている。圧縮コイルばね125は、最も圧縮
したときに、突部124が第2ボール122に重なる位
置となるように寸法構成されている。
【0086】主軸101には、上記各係合凹部110,
111と対向する六角形の角部を軸方向に連続して切り
欠くように形成したソケット抜け止め溝127が設けら
れている。このソケット抜け止め溝127は、第1ボー
ル120が主軸101の第1係合凹部110と係合した
状態で第2ボール122が該溝127の先端に位置し、
第1ボール120が第2係合凹部111と係合した状態
で第2ボール122が該溝127の後端に位置するよう
に、全長が設定されている。
【0087】本実施形態3では、ソケット102を図1
5の前進位置にセットした状態では、実施形態1と同様
に、第2ソケット口104に対応したサイズの六角ボル
ト106等の締め付け作業を行うことができる。その
際、第1ボール120と第1係合凹部110とが係合し
てソケット102の位置が保持されるので、作業中にソ
ケット102が移動して、作業が阻害されるといった不
具合は生じない。
【0088】ソケット102を後退位置へ移動させるに
は、筒体123をソケット102に対して後退させてか
ら、筒体123とソケット102とを主軸101に対し
て一体的に後退させる。このとき、ソケット102が図
18に示す位置に移動して、突部124が第1ボール1
20から離れるので、第1ボール120は第1係合凹部
110から退避可能となるが、第2ボール122は突部
124によって押さえられて、逆に抜け止め溝127か
ら外れなくなる。このため、ソケット102と筒体12
3は、第2ボール122が抜け止め溝127に沿いなが
ら、主軸101上を図19の後退位置まで移動する。
【0089】第2ボール122が抜け止め溝127の後
端に達すると、ソケット102がそれ以上後退しなくな
り、作業者はソケット102が後退位置に達したことが
分かる。そこで、筒体123から手を離すと、図19に
示すように該筒体123がソケット102に対して少し
前進して突部123が第1ボール120を押さえた状態
となり、該第1ボール120が第2係合凹部111に押
圧されてソケット102の位置がロックされる。したが
って、主軸101の先端に形成された第1ソケット口1
03を使ってボルト等を締め付ける作業を行うことがで
き、且つその作業の際に、ソケット102の位置がずれ
るのを確実に防止できる。
【0090】なお、この第1ソケット口103を使用す
る場合、締め付け作業は、ボルト105やナットをスラ
イダ114のマグネット116に吸着して保持しながら
行うことができる。なお、ボルト105やナット等の締
め付け時には、スライダ114は、該ボルト105やナ
ットの締め付け量に応じて、主軸101内を後退(図の
右方向へ移動)する。
【0091】−実施形態3の効果− 本実施形態3によれば、ソケット102を前進位置また
は後退位置にセットするだけで、ボルト105,106
等のサイズを簡単に切り替えることができる。また、そ
の切り換えた位置のそれぞれで、ボール120が係合凹
部110,111に係合するようにしているので、ソケ
ット102の位置がずれるのを確実に防止できる。この
ため、実施形態1と比較して、後退位置でのソケット1
02のロックをより強固にできる利点がある。
【0092】また、実施形態1の構成では、主軸11の
両端をビット14として使用できるようにしている関係
で、ソケット12への主軸11の差し替えを行いやすく
するために、ソケット12を主軸11から前方へ抜くこ
とが可能となっており、逆に言えば、切り換え作業を素
早く行う場合にはソケット12が主軸11から抜けてし
まうこともあり得るが、本実施形態3のように、抜け止
め溝127と第2ボール122とを係合させるようにす
れば、ソケット102が主軸101に対して移動可能な
範囲が制限されることになり、切り換え作業を素早く行
っても、ソケット102が主軸から101から誤って抜
けてしまうのを防止できる。
【0093】
【発明の実施の形態4】図20〜図24に示す本発明の
実施形態4では、インパクトレンチ1に装着する工具軸
150は、実施形態3と同様に主軸(第1工具軸)15
1とソケット(第2工具軸)152とから構成されてい
る。本実施形態4では、ソケット152を図20(a)
に示す前進位置と図20(b)に示す後退位置にセット
するのに、実施形態1及び実施形態3のボール22,1
20に代えて、キー153(図22,23,24参照)
を使用するように構成したものである。
【0094】図21は主軸の外観形状を示す斜視図であ
り、図22はソケット152を前進位置にセットした状
態の断面図、図23はソケット152を後退位置にセッ
トした状態の断面図、図24は図23のC−C線断面図
である。主軸151は、全体としては大略円形断面の棒
状部材であり、先端部154に第1ソケット口155が
形成され、後端に連結部156が固定されている。この
連結部156には、実施形態3とほぼ同様に、インパク
トレンチ本体2の駆動軸に嵌合する駆動穴157と、該
駆動軸と主軸151とを連結する連結ピン用の連結穴1
58が形成されている。なお、本実施形態4では、連結
穴158は2箇所に配置されている。
【0095】主軸151の先端部154は六角形状であ
り、ソケット152に形成した六角穴159と摺動自在
に嵌合するように構成されている。また、主軸151の
内部には、実施形態3と同様、第1ソケット口155と
連通するスライダ配設穴160が形成されている。そし
て、該スライダ配設穴160に、スライダ161とスプ
リング162とストップリング163とが装着され、ス
ライダ161が工具軸150の前方へ向かって付勢され
ている。また、スライダ161の前面側には、マグネッ
ト164が埋め込まれて固定されている。
【0096】主軸151の外周面には、キー溝165が
形成されている。このキー溝165は、主軸151の軸
方向に真っ直ぐに伸びるスライド166部と、該スライ
ド部166の両端に、スライド部166と連接して形成
されたロック部167a,167bとから構成されてい
る。なお、各ロック部167a,167bは、スライド
部166に対して主軸151の回転方向の後方となる側
に形成されている。
【0097】ソケット152は、第1ソケット口155
で締め付ける六角ボルト168や六角ナットよりもサイ
ズの小さな六角ボルト169や六角ナットに対応した六
角形状で該ソケット152の先端側に形成された第2ソ
ケット口170と、主軸151に対応した円形穴として
ソケット152の後端側に形成されたスライド穴171
と、第2ソケット口170とスライド穴171の間に形
成された上記六角穴159とを備えている。この六角穴
159は、第2ソケット口170と実質的に同じ断面形
状に形成されている。また、第2ソケット口170に
は、上記実施形態1及び実施形態3と同様に、マグネッ
ト172が埋め込まれている。
【0098】ソケット152の後端には、上記キー15
3が、主軸151のキー溝165と嵌合するように保持
されている。キー153は、ソケット152の後端部に
形成されたキー装着穴173に嵌合している。このキー
153の上面側の角部は、ソケット152の外周面にほ
ぼ沿うように形成されている。そして、ソケット152
には、キー153がキー装着穴173から外れないよう
にするために、弾性金属板などをリング状に形成した押
さえリング174が装着されている。
【0099】なお、上記キー溝165は、両端が鉤状に
なるようにロック部167a,167bが形成されてい
る。このため、キー153をスライド部166からロッ
ク部167a,167bに移動させた後、さらにロック
部167a,167b内を反対側のロック部167b,
167aの方へスライドさせることによりキー153を
ロックするように構成されている。
【0100】また、キー溝165の底面には、スライド
部166とロック部167a,167bの間に角部17
5が形成されている(図21及び図24参照)。したが
って、ソケット152を回すと、押さえリング174に
よってキー溝165の底面に押さえ付けられたキー15
3が、該スライド166部とロック部167a,167
bの間で移動する際に、押さえリング174を押し上げ
ながら該角部175を乗り越えるように構成されてい
る。
【0101】本実施形態4では、図22に示すようにソ
ケット152を前進位置にセットした状態では、実施形
態1及び実施形態3と同様に、第2ソケット口170を
用いて、対応したボルト169やナットの締め付け作業
を行うことができる。このとき、インパクトレンチ1の
駆動軸の回転は、連結部156を介して主軸151に伝
達され、さらに主軸151の先端部からソケット152
を介してボルト169等に伝達される。また、ボルト1
69等の締め付け作業を行うとき、キー153が、主軸
151の先端側のロック部167aの後端に押し付けら
れるので、工具軸150が回転してもキー153がスラ
イド部166の方へ動いてしまうことはない。
【0102】一方、第1ソケット口155を使う場合
は、まずソケット152を少し前進させてから回転さ
せ、キー153をスライド部166に移す。その際、キ
ー153は押さえリング174を押し上げながらスライ
ド部166へ移動し、該スライド部166に移ると再度
押さえリング174でキー溝165に押し付けられる。
このため、キー153が不用意にロック部167aに戻
ってしまうことを防止できる。
【0103】キー153をスライド部166に移すと、
次にソケット152を該スライド部166に沿って後退
させる。そして、キー153がスライド部166の後端
に達すると、今度はソケット152を反対方向へ回し
て、キー153を主軸151の後端側のロック部167
bでロックする。このようにしてソケット152を図2
3に示す後退位置にセットすると、第1ソケット口15
5に対応したボルト168やナットの締め付け作業を、
実施形態3と同様にして行うことができる。
【0104】−実施形態4の効果− 本実施形態4によれば、キー溝165の両端を鉤型に形
成し、キー153をロック部167a,167b側で押
さえリング174により保持するように工具軸150を
構成しているので、この工具軸150を備えたインパク
トレンチでボルト168,169やナットの締め付け作
業を行っているときに、キー153が誤ってスライド部
166に移ることを防止できる。そのため、ソケット1
52が勝手に移動して作業の邪魔になるといった問題が
発生するのを阻止できる。
【0105】また、本実施形態4では、実施形態1また
は実施形態3のボール22,120と筒体24、123
に代えて、キー153と押さえリング174を使用する
ようにしているので、突部25,124のようなカム機
構が不要となることから機構を簡素化できる。しかも、
ボール22、120が径方向へ動くスペースなどを設け
る必要がないことから、装置構成をコンパクトにするこ
とが可能となる利点もある。
【0106】
【発明の実施の形態5】本発明の実施形態5では、図2
5に示すように、工具軸200は、主軸(第1工具軸)
201とソケット軸(第2工具軸)202とから構成さ
れている。そして、ソケット軸202を主軸201に対
して前進位置と後退位置にセットすることができると共
に、いずれの位置でも、ソケット軸202の先端のソケ
ット口203(図26及び図27参照)を使用してボル
ト等の締め付け作業を行うようにしている。
【0107】つまり、本実施形態5は、工具軸200の
長さを変えられるように構成したものである。なお、各
部の構造については、実施形態3と共通する部分が多い
ため、以下、簡単に説明する。
【0108】図26は、ソケット軸202を前進位置に
セットして工具軸200を伸長させた状態を示す断面
図、図27は、ソケット軸202を後退位置にセットし
て工具軸200を縮めた状態を示す断面図である。主軸
201は、断面六角形の軸部204の後端に、連結部2
05を一体的に備えており、該連結部205は、インパ
クトレンチ本体2の駆動軸と嵌合する駆動穴206と、
連結ピンを装着する連結穴207とを備えている。
【0109】主軸201の六角軸部204の先端部と後
端部には、第4実施形態と同様に、六角の一つの角部を
切り欠いた第1,第2係合凹部208,209が形成さ
れている。また、軸部204は、この第1,第2係合凹
部208,209と対向する角部の所定範囲が真っ直ぐ
に切り欠かれていて、該切り欠きにより、主軸201の
軸方向に伸びる抜け止め溝210が構成されている。
【0110】ソケット軸202は、第1係合凹部208
及び第2係合凹部209に前進位置及び後退位置でそれ
ぞれ係合する第1ボール211と、抜け止め溝210に
係合する第2ボール212とを、第1,第2ボール保持
穴213,214内に保持している。各ボール211,
212は、第3実施形態と同様の構成でソケット軸20
2の後端部に装着された筒体215によって動きが制御
されるように構成されている。筒体215とスプリング
216等の具体的な構成は実施形態3と同様であるた
め、ここでは説明を省略する。
【0111】ソケット軸202は、後端位置にセットし
た状態でも、先端が主軸201の先端よりも前方に位置
するように、その長さが定められている。そして、後端
位置にセットした状態で主軸201の先端よりも前方に
突出する部分に、ソケット口203とスライダー配設穴
217とが形成されている。なお、ソケット口203、
スライダー配設穴217、及びスライダー218やスプ
リング219などの部品は、実施形態3及び実施形態4
と同様に構成されている。
【0112】−実施形態5の効果− 本実施形態5においても、筒体215で第1,第2ボー
ル211,212の動きを制御することにより、ソケッ
ト軸202が前進位置と後退位置で勝手に動かないよう
にしているので、ボルトやナットの締め付け作業を安定
して行うことができる。
【0113】また、従来のインパクトレンチでは、同じ
ソケットサイズの工具軸でも、例えば狭くて奥行きのあ
る場所で作業するための長い工具軸と、そうでない通常
の場所で作業するための短い工具軸とを付け替えて使用
することがあり、その付け替え作業に時間がかかるの
で、作業効率が低下しやすい問題が生じていたが、本実
施形態では、インパクトレンチ1の工具軸200の長さ
を切り替えて使用できるようにしている。このため、奥
まった箇所でボルト等を締め付けるときはソケット軸2
02を前進させ、そうでない箇所ではソケット軸202
を後退させることにより、作業を容易に行うことができ
る。また、その際の切り替え作業を簡単に行える利点も
ある。
【0114】
【発明の実施の形態6】本発明の実施形態6の工具軸2
50を、図28から図30に示している。この工具軸2
50は、実施形態5の工具軸200と同様に、伸縮可能
に構成されている。図28(a)と図28(b)は、そ
れぞれ、この工具軸250を伸長させた状態と収縮させ
た状態の側面図であり、図29と図30は、それぞれ、
工具軸250を伸長させた状態と収縮させた状態の断面
図である。
【0115】工具軸250は、主軸(第1工具軸)25
1と、該主軸251に嵌合して前進位置と後退位置にセ
ット可能に構成されたソケット軸(第2工具軸)252
とから構成されている。そして、この工具軸250は、
ソケット軸252の前進位置と後退位置の両方で、該ソ
ケット軸252の先端に形成したソケット口253(図
29及び図30参照)を使用するように構成されてい
る。
【0116】本実施形態6では、前進位置と後退位置で
のソケット軸250のロックは、第4実施形態と同様、
ソケット軸252の後端部に装着されたキー254と押
さえリング255とを用いて行うように構成されてい
る。このため、主軸251の軸部256の外周面には、
実施形態4と同様に、スライド部257とロック部25
8とからなるキー溝259が形成され、このキー溝25
9に、上記キー254が嵌合している。
【0117】このキー溝259は、円形断面に形成され
た軸部256上で、180°相対する位置に配置されて
いる。また、図では詳細には示していないが、キー溝2
59の両端は実施形態4と同様に鉤状に形成され(図2
1参照)、且つ、スライド部257とロック部258の
間には、実施形態4と同様の角部260が形成されてい
る(図24の符号175参照)。
【0118】その他の構成は、実施形態5とほぼ同じで
あり、主軸251の後端部には、インパクトレンチ1の
駆動軸が嵌合する駆動穴261と、該駆動軸と主軸25
1とを連結する連結ピンを装着するための連結穴262
とを備えた連結部263が形成されている。
【0119】また、ソケット軸252は、後端位置にセ
ットした状態でも先端が主軸251の先端よりも前方に
突出するように長さが定められており、後端側部分に、
主軸251の軸部256が摺動可能に嵌合する円形断面
のスライド穴264を備えている。そして、このスライ
ド穴264とソケット口253との間に、スライダー配
設穴265が形成されており、該スライダー配設穴26
5の中に、先端にマグネット266を備えたスライダー
267と、スプリング268及びストップリング269
とが装着されている。なお、ソケット軸252の先端部
270は、やや大径の円形断面に形成されている。
【0120】−実施形態6の効果− 本実施形態6では、ソケット軸252を、キー溝259
に嵌合したキー254と押さえリング255とでロック
して勝手に動かないようにしているので、上記各実施形
態と同様に、ボルトやナットの締め付け作業を安定して
行うことができる。また、実施形態5と同様に、作業箇
所に合わせてインパクトレンチの工具軸250の長さを
選定でき、しかも長さを切り替える際の作業を実施形態
5よりもさらに簡単に行うことができる。
【0121】また、工具軸250を全体的に円形断面の
部材にしたことで、工具軸250を伸ばした状態での角
がなく、しかも、キー254を用いたことで、工具軸2
50の外径を小さくできる。このため、工具軸250を
伸ばした状態で、例えば電気部品の間に配線等が接続さ
れた狭い箇所でボルト等の締め付け作業を行う場合で
も、工具軸250の角が電気部品に接触して該電気部品
を損傷したり、配線に引っかかったりすることなく作業
を行うことができる。
【0122】また、本実施形態6では、キー254を2
箇所に設けているので、インパクトレンチ1の駆動力を
ソケット軸252に安定して伝達でき、作業の安定性を
高めることができる。
【0123】
【発明の実施の形態7】図31から図34に示した本発
明の実施形態7は、インパクトレンチ1等の締結装置に
用いる工具軸300を、主軸(第1工具軸)301の内
部で中軸(第2工具軸)302を進退させることによ
り、2種類のサイズ(例えばM10とM8)のボルトや
ナットに対応できるように構成したものである。
【0124】図31は、中軸302を前進させた状態の
断面図、図32は、中軸302を後退させた状態の断面
図、図33(a)は、図31及び32の左側面図であ
る。図示するように、この工具軸300の主軸301
は、断面円筒状に形成された薄肉の中間部303と、こ
の中間部303の先端に連接したソケット部(第1ソケ
ット部)304と、中間部303の後端に連接した基部
305とから構成されている。第1ソケット部304と
基部305は、それぞれ、中間部303よりも大径に形
成されている。
【0125】第1ソケット部304には、異形六角断面
(図33(a)に示すように縦長の六角形)に形成され
た第1ソケット口(例えばM10用ソケット口)306
が所定の深さで形成されている。この第1ソケット口3
06の側面の1箇所には、マグネット307が内蔵され
ている。また、主軸301の連結部305の後端には、
インパクトレンチ本体2の駆動軸が嵌合する駆動穴30
8と、連結ピンを挿入する連結穴309が形成されてい
る。そして、第1ソケット口306から駆動穴308の
手前まで、中軸302が摺動可能に嵌合する中軸スライ
ド穴310が形成されている。
【0126】中軸302は、第1ソケット口306に摺
動可能に嵌合する異形六角断面の第2ソケット部311
と、中軸スライド穴310に摺動可能に嵌合する円形断
面の軸部312とから構成されている。第2ソケット部
311の軸方向長さは、第1ソケット口306の深さよ
りも短く、中軸302が後退したときに主軸301の先
端に所定深さの第1ソケット口306が形成され、中軸
302が前進したときに第1ソケット口306が塞がれ
るようになっている。
【0127】中軸302の第2ソケット部311には、
第1ソケット口306に対応したボルトやナットよりも
サイズが一つ小さなボルトやナットを締め付けるのに使
用する第2ソケット口(例えばM8用ソケット口)31
3が形成されている。また、中軸302には、第2ソケ
ット口313と連通するスライダー配設穴314が形成
され、実施形態3〜6と同様に、先端にマグネット33
0が埋め込まれたスライダー315と、スプリング31
6及びストップリング317とが装着されている。
【0128】中軸302の軸部312の後端側には、第
1係合凹部318と第2係合凹部319が形成されてい
る。両係合凹部318,319はそれぞれ軸部312の
周方向に連続した溝であって、中軸312のストローク
に対応した間隔をあけて形成されている。
【0129】一方、主軸301には、中軸302を前進
位置にしたときの第1係合凹部(後ろ側の周溝)318
に対応した位置に、ボール保持穴320が形成され、該
ボール保持穴320にボール321が収納されている。
そして、このボール321の動きを規制して中軸302
を位置設定するために、主軸301には筒体322が装
着されている。筒体322は、実施形態1,3,5と同
様に、内周面にカムとして作用する突部323を有し、
スプリング324、スプリングリテーナ325、ストッ
プリング326によって、突部323がボール321を
押さえる図示の位置まで、工具軸300の前方へ向かっ
て付勢されている(詳細については実施形態1参照)。
【0130】図34は、工具軸300の後端部分の縦断
面図(図32に対応する後退位置の状態)である。図に
示すように、中軸302にはピン327が固定され、該
ピン327は、主軸301に形成された長孔328を挿
通している。この長孔328は、中軸302を前進位置
と後退位置に設定することができるように長さが定めら
れている。また、主軸301には、操作リング329が
前後方向へスライド可能に装着され、この操作リング3
29にピン327の両端部が固定されている。
【0131】本実施形態7において、中軸302を前進
させた図31の状態では、第1ソケット口306が中軸
302によって塞がれており、第2ソケット口313を
使用することができる。作業を行うときは、まず第2ソ
ケット口313にボルトまたはナットを押し込んで該ボ
ルト等をスライダー315のマグネット330に吸着さ
せ、該ボルトまたはナットを工具軸300で保持する。
【0132】そして、ボルトまたはナットを締め付け箇
所に合わせてから、インパクトレンチ1の駆動軸を回転
させる。このことにより、インパクトレンチ1の駆動軸
の回転が主軸301から中軸302を介してボルト等に
伝達され、該ボルト等の締め付けを行うことができる。
このとき、ボール321が第1係合凹部318に押圧し
ているので、中軸302は後退しない。
【0133】一方、第1ソケット口306を使用する場
合は、まず、筒体322を主軸301に対して後退させ
てボール321を第1係合凹部318から退避させ、中
軸302のロックを解除する。そして、操作リング32
9を後方へ引き、中軸302を後退位置まで、つまりピ
ン327が長孔328の後端に当たるまで下げる。筒体
322は、中軸302が後退を開始すると(より詳細に
は、ボール321が第1係合凹部318から外れると)
手を離してもよい。そして、中軸302が後退位置に達
すると、ボール321が第2係合凹部319に係合し
て、その位置がロックされる。
【0134】中軸302が図32の後退位置にロックさ
れると、主軸301の先端には所定深さの第1ソケット
口306が現れている。このため、この第1ソケット口
306にボルト等を挿入してマグネット307により吸
着してから、締め付け箇所でインパクトレンチを操作す
ると、駆動軸から主軸301を介して回転力をボルト等
に伝達し、該ボルト等を締め付けることができる。この
場合も、ボール321と第2係合凹部319との係合に
より中軸302がロックされているので、ボルト等の締
め付け作業を安定して行うことができる。
【0135】−実施形態7の効果− 本実施形態7においても、中軸302の前進位置と後退
位置のそれぞれで、ボール321と第1,第2係合凹部
318,319とを係合させ、その係合状態を筒体32
2で保持できるようにしているので、ボルト等の締め付
け作業時のソケット口306,313の位置を安定させ
ることができる。また、ソケット口306,313の切
換も、中軸302を前後させるだけで極めて簡単に行う
ことができる。
【0136】また、本実施形態では、締め付ける対象の
ボルトやナットのサイズが1つ違いであまり寸法差のな
いものであるが、中軸302の第2ソケット部311
を、図33(a)に示すように縦長の六角形の断面形状
としたことで、該ソケット部311の肉厚が全体に薄く
なるのを防止している。また、第2ソケット口313
は、第2ソケット部311が第1ソケット部304に囲
まれた状態で使用するようにしている。このため、イン
パクトレンチ1の使用時の衝撃が第2ソケット部311
にかかっても、該第2ソケット部311が損傷するのを
防止できる。
【0137】−実施形態7の変形例− 上記実施形態では、第2ソケット部311は、縦長六角
形の筒体の中に正六角形の第2ソケット口313を形成
したものであり、一部の肉厚が薄くなっているが、この
薄肉の部分は必ずしも設けなくてもよい。つまり、第2
ソケット部311は、図34(b)に示すように、縦長
六角形のハッチングで示した部分が空間になるように、
2本の台形の爪311a,311bが対向し、その間に
第2ソケット口313が形成されるようにしてもよい。
【0138】
【発明の実施の形態8】図35から図39に示す本発明
の実施形態8は、実施形態7の工具軸300構成の一部
を変更したものであり、操作リング329を筒体322
よりも工具軸300の後方側に配置し、該操作リング3
29の後端に鍔部331を形成している。その他の点
は、実施形態7と基本的に同じ構造になっているので、
以下、主に異なる点について説明する。また、符号は、
実施形態7と共通の符号を使用する。
【0139】まず、中軸302に関しては、該中軸30
2を前進位置にセットした状態の断面図である図35、
及び中軸302を後退位置にセットした状態の断面図で
ある図36に示すように、中空軸に形成され、軽量化が
図られている。また、この中軸302は、第1,第2係
合凹部318,319に対するピン327の位置関係が
実施形態7とは逆になっている。つまり、実施形態7で
はピン327が第1,第2係合凹部318,319の前
方側に配置されていたのに対し、本実施形態8では第
1,第2係合凹部318,319の後方側に配置されて
いる。
【0140】これに伴い、主軸301に関しては、ボー
ル保持穴320と長孔328との位置関係が逆になって
いる。つまり、実施形態7では長孔328がボール保持
穴320の前方側に形成されていたのに対し、本実施形
態8では、長孔328がボール保持穴320の後方側で
ピン327をガイドするように形成されている。また、
主軸301の軸部303は、基部305と実質的に同一
外形で、第1ソケット部304よりも少し小径に形成さ
れている。
【0141】本実施形態8では、操作リング329の鍔
部331は、作業の際の安全機構であると共に、中軸3
02の進退に伴って切り替わるソケット口306,31
3のサイズ(M10用であるかM8用であるか)を検出
するための検出金具としても用いられている。図37に
は、本実施形態8の工具軸300をインパクトレンチ1
に適用した場合の概略構成図を示している。図におい
て、実線で表した操作リング329が中軸302を前進
位置にセットした状態を表し、仮想線で表した操作リン
グ329が中軸302を後退位置にセットした状態を表
している。
【0142】図示するように、このインパクトレンチ1
の本体2には、鍔部331に向かって投光・受光を行う
2つの光センサ(検出手段)332が組み込まれてい
る。図示の例では、上側の光センサ332aが中軸30
2の後退位置を検出し、下側の光センサ332bが中軸
302の前進位置を検出するように、以下に説明する駆
動装置350の調整部361によって設定されている。
【0143】図38には、このインパクトレンチ1を駆
動して、ボルト333等を適切な締め付けトルクで締め
付ける駆動装置350の概略構成を示している。この駆
動装置350は、生産情報ホストコンピュータ351
(実施形態1のホストコンピュータ1に相当する)と、
ワークステーション352と、各組み付けステーション
毎に設けられたトルクコントローラ353(実施形態1
のトルクコントローラ44に相当する)と、締付切換制
御部354と、締付制御部355と、エアコントローラ
356(実施形態のエアコントローラ45に相当する)
と、カットバルブ357と、リミットスイッチ358を
有する工具置き台359とを備え、ソケット口306,
313の径変化に対応して、インパクトレンチ1の締め
付けトルクを制御する。
【0144】ホストコンピュータ351には各ステーシ
ョン毎のボルト、ナットの締め付けトルク上限値、締め
付けトルク下限値、上下限値の中間値としてのカット
値、キャル値、タイマ値、締め付け本数等の締め付け情
報bが予め入力設定され、ホストコンピュータ351は
これら締め付け情報bをワークステーション(補助用の
コンピュータ)352に出力する。
【0145】ワークステーション352は各ステーショ
ン毎の締め付け情報bをプールし、トルクコントローラ
353からのリクエスト信号cに応答して返答信号d
(1つのステーション分の締め付け情報)をトルクコン
トローラ353に送信する。締付切換制御部354は例
えば車両の搬送タクトに対応してトルクコントローラ3
53に対してタイミング信号eを送信すると共に、締め
付け異常時にはライン停止信号fを受け取って車両搬送
ラインを停止する。
【0146】締付制御部355はインパクトレンチ1が
工具置き台359から抜き取られたときにオンになるリ
ミットスイッチ358からの工具取出し信号gを受けて
装置を起動させるとともに、光センサ332(図38で
は1箇所のみに示している)からのソケット径検出信号
a(例えばM10かM8かを判別する信号)に基づい
て、トルクコントローラ353から締め付け情報dのう
ちの必要な情報h(M10締め付け時にはM10に相当
する情報)を入手制御する。また、この締付制御部35
5は、トルクコントローラ353に締め付け情報dが入
力されていない場合には締め付け管理不能を回避する目
的で、締め付け情報なし信号iを入手し、エアコントロ
ーラ356によるエア圧の出力を禁止し、必要情報hの
入手時には、エアコントローラ356に対してエア圧切
換信号j(M10締め付け時にはM10に相当するエア
圧に切換指令するコマンド信号)を出力する。さらに、
この締付制御部355は、光センサ332の故障診断機
能を有し、故障であると判定したときには装置ダウンを
実行する。
【0147】トルクコントローラ353はタイミング信
号eを受けて、ワークステーション352にリクエスト
信号cを送信し、ワークステーション352からの当該
ステーション分の締め付け情報d(返答信号)をストッ
クすると共に、インパクトレンチ1内のトルクセンサ5
3(図9参照)で検出された実締め付けトルクTbがカ
ット値に達したとき、カットバルブ357にエア圧送を
停止するカット信号kを出力する。なお、締め付け完了
時の締め付け結果データはトルクコントローラ353を
介してワークステーション352またはホストコンピュ
ータ351に送信されて記録される一方、締め付け結果
が締め付けトルクの上下限値の範囲外となった場合に
は、ライン停止信号fが出力される。また、このトルク
コントローラ353は選択されたソケット径を表示する
表示部を備えている。
【0148】エアコントローラ356は、その内部にM
10,M8に相当するエア圧セット用の電磁弁を有し、
エア圧切換信号jを受けてエア送給ライン360を介し
てインパクトレンチ1内のエアモータ51(図9参照)
に圧縮空気を送給制御する。ここで、エアコントローラ
356により、M10に相当するエア圧からM8に相当
するエア圧に切り替えるとき、またはM8に相当するエ
ア圧からM10に相当するエア圧に切り替えるとき、電
磁弁内の残圧処理時間の経過後に電磁弁が切り替えられ
て、残圧の影響を受けないように構成されている。
【0149】なお、仮想線で示したトルクコントローラ
は、別のインパクトレンチ1(図示せず)を接続する場
合に使用するものであり、このようにすると、複数のイ
ンパクトレンチ1,1・・を同時に制御しながら使用す
ることが可能となる。
【0150】このように構成したインパクトレンチ1の
駆動装置350の作用を、図39に示すフローチャート
を参照して、以下に詳述する。
【0151】まず、第1ステップST1で、作業者が工具
置き台359からインパクトレンチ1を取り出すと、リ
ミットスイッチ358がオンとなり、工具取出し信号g
が締付制御部355に出力されて、作業が開始される。
次に、第2ステップST2で、締付切換制御部354から
トルクコントローラ353に対してタイミング信号e
(データ要求信号)が出力される。
【0152】第3ステップST3では、タイミング信号e
を受けたトルクコントローラ353が、ワークステーシ
ョン352に対してリクエスト信号c(締め付け情報要
求信号)を送信する。次に第4ステップST4で、リクエ
スト信号cを受けたワークステーション352は当該ト
ルクコントローラ353が位置するステーションに対応
して、1つのステーション分の締め付け情報d(返答信
号)を返信し、トルクコントローラ353はこの締め付
け情報dをストックする。
【0153】次に第5ステップST5で、作業者がソケッ
ト径を選択する。この実施形態8ではM10とM8とに
選択できるが、インパクトレンチ1を工具置き台359
から取り出した際に、既にM10(第1ソケット口30
6)に選定されていると、M10のボルト、ナットから
の締め付けを行えばよいことになる。そして、第6ステ
ップST6で、光センサ332がソケット径を検出し、ソ
ケット径検出信号aを締付制御部355に出力する。M
10のソケット径が検出されているときは、ソケット径
検出信号aはM10検出信号となる。
【0154】次に第7ステップST7で、締付制御部35
5がトルクコントローラ353にトルクナンバー切換信
号を送って、トルクコントローラ353がストックして
いる締め付け情報d(M10,M8に相当する各情報)
のうちから、当該締め付け時に必要な情報h(M10締
め付け時にはM10に相当する各情報)を入手する。そ
して、第8ステップST8で、トルクコントローラ353
は締め付けトルク上限値、締め付けトルク下限値、カッ
ト値、キャル値、タイマ値、本数をソケット径(M10
選定時にはM10のソケット径)に対応して切り替え
る。
【0155】次に、第9ステップST9で、締付制御部3
55が、ソケット径検出信号aに対応したエア圧切換信
号jをエアコントローラ356に出力する。そして、第
10ステップST10では、エアコントローラ356が内
蔵する電磁弁を制御してエア圧を選定されたソケット径
に対応すべく切り替える。つまり、M10締め付け時に
はM10のボルト、ナットに相当するエア圧となるよう
に電磁弁が切り替えられる。
【0156】次に第11ステップST11で、作業者は選
定されたソケット径のエア圧により駆動されるインパク
トレンチ1により、ボルト333、ナット等の締め付け
作業を実行する。第12ステップでは、インパクトレン
チ1のトルクセンサ53が、実締め付けトルクTbをト
ルクコントローラ353にフィードバック入力する。そ
して、第13ステップST13で、フィードバックされた
実締め付けトルクTbがカット値に達すると、トルクコ
ントローラ353はカットバルブ357にカット信号k
を出力し、次の第14ステップST14で、このカットバ
ルブ357はその切り換えにより圧縮空気の送給を中止
する。
【0157】次に第15ステップST15で、締め付け本
数になるまで第5ステップST5から第14ステップST1
4までの処理を繰り返す。例えばM10のボルトをn
本、M8のボルトをm本締め付ける場合には、M10の
ボルトがn本になるまでステップST5〜14までの処理
が繰り返される。
【0158】M10のボルトのn本締め付け完了後にお
いて、作業者が筒体322と操作リング329を操作し
て中軸302を図35の前進位置に移動させると、工具
軸300がM8締め付け態様となり、この状態が光セン
サ332によって検出される。そして、締め付けトルク
上限値、締め付けトルク下限値、カット値、キャル値、
タイマ値、本数、エア圧が、それぞれM8に対応して切
り替えられるので、上述のステップST5〜14の処理に
より、M8のボルトがm本になるまでその締め付け作業
を行うことができる。
【0159】次に、第16ステップST16で、トルクコ
ントローラ353は締め付け結果データをワークステー
ション352に送信し、ワークステーション352はそ
の締め付け結果データを記録する。そして、第17ステ
ップST17で、作業者がインパクトレンチ1を工具置き
台359に戻すと、リミットスイッチ358がオフとな
って、1つのステーションにおける一連の締め付け処理
が終了する。
【0160】−実施形態8の効果− 本実施形態8によれば、実施形態7と同様に筒体322
と操作リング329を工具軸300の軸方向へ操作する
だけで、2種類のソケット口306,313を切り替え
ることができ、しかも、筒体322の位置の変化を、光
センサ332で検出するようにしている。このため、ソ
ケット口306,313の切り換え操作を容易に行うこ
とができると共に、ソケット口306,313の径変化
の検出構造も簡単となる効果がある。
【0161】具体的には、主軸301の第1ソケット口
306よりも中軸302の第2ソケット口313が後方
に位置する状態でロックすると、大きいソケット径(M
10)を得ることができ、逆に中軸302の第2ソケッ
ト口313を前進させた位置でロックすると、小さいソ
ケット径(M8)を得ることができるから、単一の工具
軸300で複数サイズのボルト333やナットへの対応
ができる。したがって、工具軸の取り替え作業やインパ
クトレンチ1の持ち替え作業が不要となって、締め付け
作業性の大幅な向上を図ることができる効果がある。
【0162】また、中軸302を前進位置及び後退位置
にセットしたときには、筒体322の突部323によ
り、ボール321が中軸302の第1係合凹部318ま
たは第2系号凹部319に押圧されるので、ボルト33
3等の締め付け作業中に、中軸302の位置がずれるこ
ともない。
【0163】また、本実施形態8では、インパクトレン
チ1に設けた光センサ332により、操作リング329
の軸方向への移動の前後位置を検知し、この検知結果に
基づいてソケット径の変化を検出するようにしている。
つまり、位置が固定された光センサ332に対する操作
リング329の前後への離反距離に基づいてソケット径
の変化を検出するようにしているので、ソケット径の変
化を確実に検出することができる効果がある。
【0164】そして、このようにして検出したソケット
径に基づいて適切な締め付けトルクを設定するようにし
ているので、ボルト333等の締め付けを適度な力で行
うことができる。また、ソケット径の検出のための鍔部
331を操作リング329の後端部に設けているので、
ボルト333等の締め付け作業の際の安全を図ることも
できる。
【0165】なお、本実施形態8では、異なるソケット
径として、M10,M8に対応する構成を例示したが、
これはM4,M8や、M8,M12、さらに他の異径の
ソケット径に設定してもよいことはもちろんである。
【0166】−実施形態8の変形例1− 実施形態8の構成において、ソケット口306,313
は図40(便宜上、中軸が主軸よりも突出した状態で表
している)及び図41に示すように構成することができ
る。図は、構成を簡略化して表しているが、主軸301
の先端部304は、実施形態2で説明したものと同様
に、第1ソケット口306の中にピン371が出没可能
に設けられている。第1ソケット口306は、六角穴に
より形成されていて、ピン371は該六角穴306の3
箇所の角部に内接するように配置されている。したがっ
て、この第1ソケット口306を使用する場合、六角穴
に嵌合する大きさのボルトやナットと、ピン371に内
接する大きさのボルトやナットの締め付け作業を行うこ
とができる。
【0167】第1ソケット口306の奥には六角穴37
2が形成され、中軸302の先端部(第2ソケット部)
311は、この六角穴372に嵌合するように六角形状
に形成されている。そして、この先端部311に、第2
ソケット口313が形成されている。なお、中軸302
には、マグネット330を内蔵したスライダ315が実
施形態8と同様に装着されていて、第2ソケット口31
3に挿入したボルト等を保持できるように構成されてい
る(図では簡略化して表している)。
【0168】このように構成すれば、第1ソケット口3
06を用いて2種類のサイズのボルト等を締め付けるこ
とができ、第2ソケット口313を用いてさらに別のサ
イズのボルト等を締め付けることができるので、合計3
種類のサイズのボルト等の締め付け作業を行うことが可
能となる。
【0169】また、中軸302を主軸301に対してロ
ックするための構成は、上記実施形態8と同一であり、
中軸302を前進位置と後退位置のそれぞれで確実にロ
ックできるので、ボルト等の締め付け作業を安定して実
施できる。
【0170】−実施形態8の変形例2− 図42は、変形例2に係る工具置き台381の概略構成
を示す図であり、インパクトレンチ1を保持した状態を
示している。この工具置き台381には、インパクトレ
ンチ1を上下に抜き差しする差込口382の下方に、イ
ンパクトレンチ1の工具軸の長さの違いから工具端のサ
イズを検出するためのセンサ383,384が配置され
ている。なお、実施形態8の工具軸300と実施形態
2,7の工具軸80,300では、ソケット径を切り替
えても長さは変化しないので、この構成は、実施形態1
及び実施形態3から6の工具軸10,100,150,
200,250(図では、代表的に符号10のみを示し
ている)に、ソケット径の切り換えに伴って位置が変化
する鍔部331を設けたものに適用するとよい。
【0171】このようにすると、インパクトレンチ1側
のセンサ332a,332bと、工具置き台381側の
センサ383,384の両方から、ソケット径を検出す
ることができる。このため、両センサ332a,332
b,383,384による検出結果を照合し、一致して
いなければ、何らかの異常が発生していると判断でき
る。
【0172】−実施形態8の変形例3− 図43は、工具軸300を後方から見た図であり、上記
鍔部331の背面を表している。この鍔部331には、
所定の範囲(図では45°)毎に異なるパターンの模様
331aが表示されている。この模様331aは、工具
軸300の回転数が変化すると、柄が変化するようなパ
ターンに構成されている。
【0173】このため、作業者は、作業をある程度行っ
ていると、ボルト等のサイズに対応した柄を記憶するこ
とになる。したがって、例えば、実際にはM8のボルト
の締め付け作業を行っているのにM10のボルト用の駆
動力が出力されていると、作業者に柄の違いを感知させ
て、適切な作業が行われていないことを認識させること
ができる。
【0174】
【発明の実施の形態9】図44〜図50に示す本発明の
実施形態9は、工具軸400を、開閉式のレバー40
1,402の先端部でボルトやナットをつかんで締め付
けるように構成した例で、該レバー401,402の先
端内側にソケット口403を形成するとともに、レバー
401,402の開閉状態を変化させて、複数のサイズ
のボルトやナットに対応できるようにしたものである。
【0175】レバーは、開状態の断面図である図44、
閉状態の断面図である図45、平面図である図46、図
44及び図45の左端面図である図47(a)及び図4
7(b)に示すように、第1レバー401と第2レバー
402とからなり、両レバー401,402が、ピン4
04によって開閉可能に連結されている。各レバー40
1,402は、例えばプライヤやペンチなどの開閉式の
手動工具と同様の構造で構成されている。具体的には、
互いに重なる連結部401a,402aと、各連結部4
01a,402aに連接して先端側に延びる把持アーム
401b,402bと、連結部401a,402aに連
接して後端側に延びる開閉制御アーム401c,402
cとから構成されている。
【0176】各レバー401,402の把持アーム40
1b,402bは、互いに向かい合った先端部が、図4
7(a),(b)に示すように所定の円弧形状に湾曲
し、その内面が、ボルトやナットの六角形状に嵌合する
ように、複数の角405を持った形状に形成されてい
る。そして、両レバー401,402は、図45のD−
D線断面図である図48に示すように、上記ピン404
を保持した保持金具406に連結されている。なお、両
レバー401,402の間には、把持アーム401b,
402bを開く方向へ付勢するように、ねじりコイルば
ね407が装着されている。
【0177】保持金具406は、図50の斜視図に示す
ように先端が二股になった金具であり、後端部がインパ
クトレンチとの連結部408として構成されている。こ
の連結部408には、図44及び図45に示すように、
インパクトレンチの駆動軸と嵌合する駆動穴409と、
連結ピンを装着するための連結穴410とが形成されて
いる。そして、この連結部408の前端に、上記各レバ
ー401,402を保持するように二股になった保持部
411が形成されている。
【0178】保持部411は、円形断面の軸の先端側を
二股にしたもので、基端側には4本の周溝(第1〜第4
係合凹部)412〜415が形成されるとともに、図の
上下2箇所に、各周溝412〜415を分断するように
キー溝状の凹陥部416が形成されている。そして、こ
の保持部411の先端部分に、上記ピン404を固定す
るためのピン取付穴417が形成されている。
【0179】この保持金具406の保持部411には、
筒体418が前後方向へ位置変化可能に装着されてい
る。筒体418は、保持部411の外周面と嵌合する筒
状の本体部419と、該本体部419の後端に形成され
た鍔部420と、鍔部420の前面側に形成された位置
決め部421と、上記凹陥部416と摺動可能に嵌合す
るように本体部419の内周面に形成されたキー状の凸
部422とから構成されている。この凸部422が上記
凹陥部416と嵌合しているため、筒体418は保持金
具406に対して回転せずに、軸方向へのみ移動可能で
ある。
【0180】位置決め部421には、図44のE−E線
断面図である図49に示すように、4個のスプリングプ
ランジャ423からなる位置決め機構が設けられてい
る。各スプリングプランジャ423は、ボール424
と、該ボール424を径方向内方へ付勢するスプリング
425と、止めネジ426とから構成されている。した
がって、筒体418は、各ボール424が4本の周溝4
12〜415の何れか一つに係合した位置で保持するこ
とができる一方、スプリング425を圧縮させ得るだけ
の力をかければ軸方向へ変位させることができる。ただ
し、レバー401,402の開閉動作からは筒体418
を軸方向へ移動させる力は殆ど生じないので、ソケット
口403の使用時に、筒体418が移動するのは阻止で
きる。
【0181】筒体418の凸部422は、筒体418を
各位置でロックしたときに、レバー402の開閉制御ア
ーム401c,402cと接触し、レバー401,40
2の開閉角度を変化させてソケット口403を異なるサ
イズのボルト等に対応させるように構成されている。具
体的に、各レバー401,402と筒体418は、図4
4に示す位置でソケット口403がM10サイズのボル
ト等に対応し、筒体418をその位置よりも1段階ずつ
進める毎に、それぞれM8,M6,M5のサイズに対応
するように構成されている。M5に対応した状態を、図
45に示している。
【0182】−実施形態9の効果− 本実施形態9によれば、ソケット口403のサイズの切
り換えは、筒体418を軸方向へスライドさせれば、レ
バー401,402の開閉状態が変化するので、簡単に
行うことができるうえに、4種類のサイズに対応するこ
とができる。これに対して、2種類のサイズのみを切り
替えるタイプでは、他のサイズのボルト等の締め付け作
業を行う場合は工具軸の取り替えが必要であるが、本実
施形態1の工具軸400を用いれば取り替え頻度が少な
くて済み、作業性を高めることが可能となる。
【0183】また、ソケット口403のサイズは、筒体
418をスプリングプランジャ423でロックすること
によって確実に保持できるので、ボルト等の締め付け作
業を行っているときにレバー401,402が動いてし
まうことを防止できる。つまり、作業性が損なわれるの
を防止できる。
【0184】また、筒体418の後端部に鍔部420を
設けているので、実施形態8で説明した駆動装置350
を利用して、ボルト等のサイズに応じて駆動力を自動的
に切り替えることができる。さらに、本実施形態9では
4種類のソケットサイズに対応しているので、実施形態
1において図9を参照して説明した表示ランプ63〜6
6全てを、各ボルトのサイズに対応したランプとして使
用することができる。
【0185】
【発明の実施の形態10】図51から図63に示した本
発明の実施形態10は、径の異なる4本の中空軸45
1,452,453,454を軸方向へ相互にスライド
可能に組み合わせて工具軸450を構成し、各中空軸4
51,452,453,454の位置設定に応じて、サ
イズの異なるソケット口455,456,457,45
8を使用できるようにしたものである。
【0186】まず、概略構造を説明する。この工具軸4
50は、最も径の大きな第1軸451(図56)と、次
に径の大きな第2軸452(図57)と、3番目に径の
大きな第3軸453(図58)と、最も径の小さな第4
軸454(図59)とから構成され、これらの軸45
1,452,453,454が互いに摺動可能に嵌合し
ている。
【0187】そして、図51に示すように、第1軸45
1に対して他の3本の軸452,453,454を全て
後退させると、第1軸451の先端内側に第1ソケット
口455(本実施形態ではM10サイズ)が構成され、
図52に示すように、その状態から第2軸452だけを
前進させると、該第2軸452の先端内側に第2ソケッ
ト口456(本実施形態ではM8サイズ)が形成され
る。
【0188】また、図53に示すように、第1軸451
に対して第2軸452と第3軸453を前進させ、第3
軸453に対して第4軸454を後退させると、第3軸
453の先端内側に第3ソケット口457(本実施形態
ではM6サイズ)が形成され、図54に示すように、そ
の状態から第4軸454も前進させると、第4軸454
の先端内側に第4ソケット口458(本実施形態ではM
5サイズ)が形成される。各軸451,452,45
3,454の位置は、第1操作環459と第2操作環4
60を用いて調整できるように構成されている。
【0189】次に、詳細構造を説明する。第1軸451
は、中空で後端部が細くなった段付きの軸である。そし
て、この後端部がインパクトレンチ1の駆動軸との連結
部461として構成され、この連結部461の前方の部
分が第2〜第4軸452,453,454を保持する保
持部462として構成されている。連結部461には、
上記各実施形態と同様に、インパクトレンチ1の駆動軸
と嵌合する駆動穴463と、連結ピンを装着するための
連結穴464とが形成されている。
【0190】第1軸451の保持部462には、第2軸
452と第3軸453を摺動可能に保持する角穴465
が形成されている。この角穴465は、M10サイズの
六角形状において、一対の対角部465aのみが僅かに
径方向外方へ突出した断面形状であり、第1軸451の
先端から連結部461の手前まで、同一断面形状で連続
して形成されている。また、この保持部462の外周面
には、合計4本の周溝(係合凹部)466,467,4
68,469が、先端側と後端側に2本ずつ、互いに分
離して配置されている。さらに、この第1軸451に
は、第2軸452から第4軸454に連結されたピン4
70をスライドさせて各軸452〜454の位置を制御
するためのカム溝(第1カム溝)471が形成されてい
る。
【0191】第1カム溝471は、第1軸451の外周
面上、径方向に相対する2箇所に同一形状で形成されて
おり、それぞれ、図60の拡大展開図に示すように、第
1軸451の周方向に沿って形成された回転調整溝47
2と、該回転調整溝472の所定位置から軸心方向に沿
って形成された4本の軸動調整溝473a〜473dと
から構成されている。
【0192】軸動調整溝は、4種類のソケットサイズを
選択するために、473aがM10サイズへの調整用、
473bがM8サイズへの調整用、473cがM6サイ
ズへの調整用、そして473dがM5サイズへの調整用
として形成され、それぞれ、ピン470を回転調整溝4
71側から軸動調整溝473a〜473dの端部までス
ライドさせると、後述の第2カム溝487、第3カム溝
492、及び第4カム溝499との共同作用によって、
ソケット口455〜458が対応したサイズに切り替え
られるように構成されている。
【0193】なお、本実施形態10では、軸動調整溝4
73a〜473dは、M10調整用とM8調整用とが軸
心に対して40°の間隔で形成され、M8調整用とM6
調整用、及びM6調整用とM5調整用は、それぞれ30
°の間隔で形成されているが、展開図においては、各軸
動調整溝473a〜473dの間隔はこれらの角度に正
確には対応していない(以下、図62から図64の第2
〜第4カム溝の展開図についても同様)。また、第1カ
ム溝471は、M8ソケット選定用の軸動調整溝473
bが、図において六角穴465の上下端に位置する角部
に沿うように配置されている。
【0194】一方、第1操作環459は、第1軸451
の外周面に嵌合し、該外周面を摺動して位置変化し得る
ように構成されている。この第1操作環459は、先端
側に直径のやや大きな大径部474が設けられ、後端に
は鍔部材475が取り付けられている。なお、この鍔部
材475は、仮想線で示すように、鍔部材475よりも
小径のリング材476に代えることも可能である。ま
た、大径部474の先端側は外周がテーパ状であり、上
記周溝466〜469と係合してボール477を保持す
るボール保持穴478が、該大径部474の先端部1箇
所に形成されている。
【0195】この第1操作環459の外周には、第2操
作環460が嵌合している。該第2操作環460は、第
1操作環459の大径部474の外周面に摺動可能に嵌
合する円筒部479と、該円筒部479の先端側に連接
するテーパ状の位置決め部480とを有している。位置
決め部480は内周面が第1操作環459のテーパ面と
接するように形成されている。また、第1操作環459
と第2操作環460の間にはストップリング481とス
プリング482が装着されており、該スプリング482
によって第2操作環460が後方側(図の右側)へ付勢
されている。
【0196】第2操作環460には、上記ピン470を
挿入して保持するピン保持穴483が形成されており、
第1操作環459には、該ピン470が貫通するピン貫
通穴484が形成されている。このピン貫通穴484
は、工具軸450の軸方向に沿って形成された短い長孔
であり、第2操作環460を回すとピン470と第1操
作環459が一緒に回転し、第2操作環460を図51
〜図54の状態から前進させると、両操作環459,4
60の間にボール477が各係合溝466〜469から
退避する隙間ができるように形成されている。両操作環
459,460は、ピン470が長孔484の端部を越
えて工具軸450の軸方向へ移動する場合は、一体的に
移動することになる。
【0197】第2軸452は、図57の斜視図に示すよ
うに、後端部485が比較的薄肉の六角筒状に形成され
ている。そして、第1軸451の角穴465の対角部4
65aに対応する一対の対角部分486のみが厚肉に形
成され、その厚肉の対角部分486は、後端部485よ
りも前方へ延びた形状となっている。この対角部分48
6は、内面の対辺寸法がM8サイズの六角寸法に対応し
た大きさに形成されている。
【0198】この第2軸452には、2本の第2カム溝
487が形成されている。第2カム溝487は、図61
の展開図に示すように、第1カム溝471と同様、回転
調整溝488と軸動調整溝489c,489dとから形
成されている。軸動調整溝は、489cがM6用、48
9dがM5用で、M6用の軸動調整溝489cが第1カ
ム溝471の軸動調整溝473cと重なり、M5用の軸
動調整溝489dが第1カム溝471の軸動調整溝47
3dと重なるように配置されている。
【0199】第3軸453は、図58の斜視図に示すよ
うに、大略六角形の筒状部材で、第2軸452と嵌合す
る部分490のみが比較的薄肉で、他の部分491が比
較的厚肉に形成されている。また、この第3軸453の
内側面は、M6サイズの六角寸法に対応した大きさに形
成されている。
【0200】この第3軸453には、2本の第3カム溝
492が形成されている。第3カム溝492は、図62
の展開図に示すように、回転調整溝493と軸動調整溝
494a,494b,494cとからなり、494aが
M10用、494bがM8用、494cがM6用として
構成されている。そして、第3カム溝492は、M8用
の軸動調整溝494bが、第3軸453の上下の角部に
沿って形成され、他の軸動調整溝494a,494c
は、このM8用の軸動調整溝494bに対して上述の所
定角度で配置されている。つまり、各軸動調整溝494
a,494b,494cは、第1カム溝472の各軸動
調整溝473a,473b,473cと同じ位相となる
ように配置されている。
【0201】第4軸454は、図59の斜視図に示すよ
うに、大略六角形の筒状部材で、先端側に、M5サイズ
の六角形状に対応した六角穴(第4ソケット口)458
が形成されている。また、内部には、この六角穴458
に連通して、スライダー配設穴495が形成されてい
る。そして、先端にマグネット496が内蔵されたスラ
イダー497が、スプリング498によって前方に付勢
された状態で、該配設穴495に装着されている。
【0202】この第4軸454には、第3カム溝499
が形成されている。第4カム溝499は、図63の展開
図に示すように、回転調整溝500と軸動調整溝501
a,501b,501cとからなり、501aがM10
用、501bがM8用、501cがM6用として構成さ
れている。そして、第2カム溝487、第3カム溝49
2と同様に、この第4カム溝499も、各軸動調整溝5
01a,501b,501cが、第1カム溝471の対
応する軸動調整溝473a,473b,473cと同じ
位相となるように配置されている。
【0203】なお、本実施形態10において、第1,第
2操作環459,460を第1軸451に対して移動さ
せるときは、それに伴ってボール477も移動するが、
ボール477は、その際に第1カム溝471にはまらな
いような位置に配置されている。
【0204】次に、この工具軸450の操作について説
明する。まず、図51に示すM10対応の状態では、上
述したように、第2軸452から第4軸454は、全て
第1軸451の角穴465の中で後退し、この角穴46
5の先端部に、第1ソケット口455が構成されてい
る。したがって、この第1ソケット口455を使ってM
10のボルトやナットの作業を行うことができる。な
お、第1ソケット口455の内周面には、マグネット5
02が埋め込まれているので、ボルト等を吸着して保持
することができる。
【0205】また、第1ソケット口455を使用してボ
ルト等の締め付けを行っても、ボール477が第1係合
凹部466と係合した状態で第1,第2操作環459,
460によって保持されているので、第2軸452から
第4軸454の位置が勝手に変化してボルト等が第1ソ
ケット口455から外れるような不具合は生じない。し
たがって、安定した作業を行うことが可能である。
【0206】このM10対応の状態では、ピン470
は、第1カム溝471のM10用軸動調整溝473aの
後端に位置している。この状態からM8用の第2ソケッ
ト口456に切り替えるときは、まず第2操作環460
を前進させて、周溝(第1係合凹部)466へのボール
477の押し付け力を解除してから、両操作環459,
460を、ピン470が第1カム溝471の回転調整溝
472の位置で停止するまで前進させる。第2カム溝4
88にM8サイズへの調整用の軸動調整溝を設けていな
いため、このとき、ピン470と第2軸452との相対
的な位置関係は変化しない。したがって、第2軸452
はピン470の移動量と同じだけ前進する。一方、第3
軸453と第4軸454に関しては、ピン470との相
対的な位置関係が変化するから、第1軸451との位置
関係が変わることになる。
【0207】次に、両操作環459,460を回し、ピ
ン470を第1カム溝471内でM8用の軸動調整溝4
73bに対応した位置まで移動させ、さらに該軸動調整
溝473bに沿って後退させる操作を行う。このように
することによって、第2軸452は第1軸451と先端
が揃った位置へ移動し、第3軸453及び第4軸454
はM10対応のときと同じ位置に戻る(図52参照)。
【0208】このため、第2軸452の対角部分486
の内面で構成した第2ソケット口456を使用すること
が可能となり、M8サイズのボルト等の締め付け作業を
行うことができる。なお、このときにM8サイズのボル
トを第2ソケット口456に吸着保持するように、該第
2ソケット口456の内周面にはマグネット503が埋
め込まれている。また、ボール477が第2係合溝46
7と係合するので、作業は安定して実施できる。
【0209】次に、この状態からM6サイズのソケット
口457に切り替えるときは、第2操作環460を前進
させてから両操作環459,460をピン470が第1
カム溝471の回転調整溝472に入る位置まで前進さ
せ、さらにピン470がM6用の軸動調整溝473cに
入るように両操作環459,460を回転させてから該
軸動調整溝473cに沿って前進させる。このようにす
ることにより、ピン470と第2,第3,第4軸452
〜454との位置関係も変化し、図53の状態にセット
される。このとき、ボール477は第3係合溝468と
係合した状態に保持される。
【0210】また、この状態からM5サイズのソケット
口458に切り替えるときは、第2操作環460を第1
操作環459に対して前進させてから、両操作環45
9,460をピン470が第1カム溝471の回転調整
溝472に入る位置まで一旦後退させ、さらにピン47
0がM5用の軸動調整溝473dに入るように両操作環
459,460を回転させてから該軸動調整溝473d
に沿って前進させる。このようにすることにより、ピン
470と第2,第3,第4軸452〜454との位置関
係も変化して、図54の状態にセットされ、その状態
が、ボール477と第4係合溝469との係合によって
保持されることになる。
【0211】以上説明したのは、ソケット口455〜4
58のサイズを、M10からM8、M8からM6、M6
からM5へ切り替える際の操作であるが、ソケット口4
55〜458の切り換えは任意のサイズ間で可能であ
り、要するに、第2操作環460を第1操作環459か
ら少し離してから、両操作環459,460をピン47
0が第1カム溝471の回転調整溝472に入る位置
(基準位置)まで前後何れかの方向に移動させた後、両
操作環459,460を所定角度回して軸動調整溝47
3a〜473dの一本に沿って再度前後何れかの方向へ
移動させれば、ソケット口455〜458の切り換えを
行うことができる。
【0212】−実施形態10の効果− このように、本実施形態では、4種類のソケット口45
5〜458のサイズは、両操作環459,460を一旦
基準位置に戻してから、ピン470を所望の軸動調整溝
473a〜473dの位置に合わせるように両操作環4
59,460を回転させ、さらに両操作環459,46
0を軸方向へ前進または後退させるだけで切り替えるこ
とができる。このため、操作が簡単であり、しかも切り
替えた各状態でボール477が各係合凹部466〜46
9と係合するので、そのソケット口455〜458のサ
イズを確実に保持することができる。
【0213】また、第1操作環459に鍔部材475を
設けているので、実施形態8,9と同様に、インパクト
レンチ1で鍔部材475の位置を検出することが容易に
可能となり、その検出結果を利用して、インパクトレン
チ1の駆動力を適切な値に制御することが可能となる。
【0214】−実施形態10の変形例− 本実施形態10において、各カム溝471,487,4
92,499を構成している回転調整溝472,48
8,493,500と軸動調整溝473,489,49
4,501は、各軸451〜454の構成に応じて適宜
変更することが可能である。したがって、例えば、上記
第1カム溝471について、M10用とM8用の軸動調
整溝473a,473bが回転調整溝472から後方に
延びており、M6用とM5用の軸動調整溝473c,4
73dが回転調整溝472から前方に延びているといっ
た関係や、各軸動調整溝473a〜473dの間隔や長
さ、さらには第2から第4カム溝487,492,49
9についての具体的な構成なども、単なる一例であって
適宜変更可能であり、要は各軸451〜455を所定位
置でセットしてソケット口455〜458を構成できる
ようになっていればよい。
【0215】また、各カム溝471,487,492,
499は、必ずしも周方向の回転調整溝472,48
8,493,500と、軸方向の軸動調整溝473,4
89,494,501から構成しなくてもよく、例え
ば、螺旋方向へ延びる溝を利用して、各軸451〜45
5を所定位置でセットできるように構成することも可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施形態1に係るインパクト
レンチの使用状態を示す斜視図である。
【図2】図1のインパクトレンチの工具軸を示す側面図
であり、(a)はソケットを前進位置にセットした状
態、(b)はソケットを後退位置にセットした状態を示
している。
【図3】(a)は図2の工具軸においてソケットを前進
位置にセットした状態での工具軸の断面図、(b)はそ
の部分拡大図である。
【図4】図3(a)の左側面図である。
【図5】図3(a)のA−A線断面図である。
【図6】図2の工具軸でソケットを前進位置から後退位
置へ切り替える途中の状態を示す断面図である。
【図7】図2の工具軸でソケットを後退位置にセットし
た状態を示す断面図である。
【図8】図1のインパクトレンチの駆動装置を示すブロ
ック図である。
【図9】図1のインパクトレンチの概略内部構成図であ
る。
【図10】本発明の実施形態2に係るインパクトレンチ
の工具軸での被締め付け部材である防振材の斜視図であ
る。
【図11】実施形態2の工具軸の第1の使用状態を示す
断面図である。
【図12】図11の工具軸の第2の使用状態を示す断面
図である。
【図13】図11の工具軸の左側面図である。
【図14】本発明の実施形態3に係るインパクトレンチ
の工具軸の側面図であり、(a)はソケットを前進位置
にセットした状態、(b)はソケットを後退位置にセッ
トした状態を示している。
【図15】図14の工具軸でソケットを前進位置にセッ
トした状態の断面図である。
【図16】図14の左側面図である。
【図17】図15のB−B線断面図である。
【図18】図14の工具軸でソケットを前進位置から後
退位置へ切り替える途中の状態を示す断面図である。
【図19】図14の工具軸でソケットを後退位置にセッ
トした状態を示す断面図である。
【図20】本発明の実施形態4に係るインパクトレンチ
の工具軸の側面図であり、(a)はソケットを前進位置
にセットした状態、(b)はソケットを後退位置にセッ
トした状態を示している。
【図21】図20の工具軸の主軸の外観形状を示す斜視
図である。
【図22】図20の工具軸でソケットを前進位置にセッ
トした状態の断面図である。
【図23】図20の工具軸でソケットを後退位置にセッ
トした状態の断面図である。
【図24】図23のC−C線断面図である。
【図25】本発明の実施形態5に係るインパクトレンチ
の工具軸の側面図であり、(a)はソケットを前進位置
にセットして工具軸を伸ばした状態、(b)はソケット
を後退位置にセットして工具軸を縮めた状態を示してい
る。
【図26】図25の工具軸でソケットを前進位置にセッ
トした状態の断面図である。
【図27】図25の工具軸でソケットを後退位置にセッ
トした状態の断面図である。
【図28】本発明の実施形態6に係るインパクトレンチ
の工具軸の側面図であり、(a)はソケットを前進位置
にセットして工具軸を伸ばした状態、(b)はソケット
を後退位置にセットして工具軸を縮めた状態を示してい
る。
【図29】図28の工具軸でソケットを前進位置にセッ
トした状態の断面図である。
【図30】図28の工具軸でソケットを後退位置にセッ
トした状態の断面図である。
【図31】本発明の実施形態7に係るインパクトレンチ
の工具軸の断面図であり、中軸を前進位置にセットした
状態を示している。
【図32】図31の工具軸で中軸を後退位置にセットし
た状態の断面図である。
【図33】(a)図は図31の左側面図であり、(b)
図は(a)図の変形例を示す図である。
【図34】図31の工具軸の部分縦断面図である。
【図35】本発明の実施形態8に係るインパクトレンチ
の工具軸の断面図であり、中軸を前進位置にセットした
状態を示している。
【図36】図35の工具軸で中軸を後退位置にセットし
た状態の断面図である。
【図37】図35の工具軸を装着したインパクトレンチ
の外観図である。
【図38】図37のインパクトレンチの駆動装置を示す
ブロック図である。
【図39】図38のインパクトレンチの駆動装置による
動作を示すフローチャートである。
【図40】実施形態8の変形例1に係るソケット口を示
す部分断面図である。
【図41】図40のソケット口の側面図である。
【図42】実施形態8の変形例2に係る工具置き台の概
略構成を示す断面図である。
【図43】実施形態8の変形例3に係る工具軸の鍔部の
背面図である。
【図44】本発明の実施形態9に係るインパクトレンチ
の工具軸の断面図であり、レバーを開いた状態を示して
いる。
【図45】図44の工具軸のレバーを閉じた状態の断面
図である。
【図46】図44の工具軸の平面図である。
【図47】(a)は図44の左断面図であり、(b)は
図45の左断面図である
【図48】図44のD−D線断面図である。
【図49】図44のE−E線断面図である。
【図50】図44の工具軸の保持金具を示す斜視図であ
る。
【図51】本発明の実施形態10に係る締結装置の工具
軸の断面図であり、第1のセット位置を示している。
【図52】図51の工具軸の第2のセット位置を示す断
面図である。
【図53】図51の工具軸の第3のセット位置を示す断
面図である。
【図54】図51の工具軸の第4のセット位置を示す断
面図である。
【図55】図51の左側面図である。
【図56】図51の工具軸の第1軸を示す斜視図であ
る。
【図57】図51の工具軸の第2軸を示す斜視図であ
る。
【図58】図51の工具軸の第3軸を示す斜視図であ
る。
【図59】図51の工具軸の第4軸を示す斜視図であ
る。
【図60】図56の第1軸に形成された第1カム溝を示
す展開図である。
【図61】図57の第2軸に形成された第2カム溝を示
す展開図である。
【図62】図58の第3軸に形成された第3カム溝を示
す展開図である。
【図63】図59の第4軸に形成された第4カム溝を示
す展開図である。
【符号の説明】
1 インパクトレンチ 2 本体 3 把持部 4 スイッチノブ 5 コネクタ 10 工具軸 11 主軸(第1工具軸) 12 ソケット(第2工具軸) 13 ビス 14 ビット(第2工具端) 15 ボルト 16 ソケット口(第1工具端) 17 係合溝(係合凹部) 18 大径部 19 小径部 20 六角穴 21 マグネット 22 ボール(係合部材) 23 ボール保持穴 24 筒体 25 突部(押圧手段) 25a 第1カム面 25b 第2カム面 26 ストップリング 27 圧縮コイルばね 28 スプリングリテーナ 29 肩部 30 凹溝(押圧解除手段)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 締結装置本体と該締結装置本体に連結さ
    れる工具軸とを備えた締結装置であって、 上記工具軸が、先端に第1工具端を有するとともに上記
    締結装置本体に連結される第1工具軸と、先端に第2工
    具端を有するとともに第1工具軸に装着され、かつ該第
    2工具端が第1工具端よりも突出する前進位置と該第1
    工具端よりも後退する後退位置とに設定可能に構成され
    た第2工具軸とを備え、 第1工具軸の外周の所定位置に形成された係合凹部と、
    第2工具軸の前進位置で該係合凹部と係合するように第
    2工具軸に保持された係合部材と、第2工具軸に装着さ
    れた筒体とを備え、 上記筒体が、第2工具軸の前進位置で上記係合部材を係
    合凹部に押圧して該第2工具軸の後退を規制するととも
    に、第2工具軸の後退位置で係合部材を第1工具軸の外
    周に押圧して該第2工具軸の前進を規制する押圧手段
    と、工具端の切り換え時に押圧手段による係合部材の押
    圧力を解除する押圧解除手段とを備えている締結装置。
  2. 【請求項2】 第1工具軸を回転駆動する駆動手段と、
    第1工具端または第2工具端に対応して駆動手段による
    第1工具軸の駆動力を変更する駆動力変更手段とを備え
    ている請求項1記載の締結装置。
  3. 【請求項3】 筒体の後端部に、径方向外方へ膨出する
    鍔部が形成されている請求項1または2記載の締結装
    置。
  4. 【請求項4】 鍔部の位置を検出する検出手段を備えて
    いる請求項3記載の締結装置。
  5. 【請求項5】 第1工具端がドライバのビットであり、
    第2工具端がソケットである請求項1記載の締結装置。
  6. 【請求項6】 第1工具端及び第2工具端が、被締め付
    け部材を磁力により吸着可能に構成されている請求項1
    記載の締結装置。
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