JP2000219589A - ガス発生剤用燃料及びガス発生剤組成物 - Google Patents

ガス発生剤用燃料及びガス発生剤組成物

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JP2000219589A
JP2000219589A JP11017966A JP1796699A JP2000219589A JP 2000219589 A JP2000219589 A JP 2000219589A JP 11017966 A JP11017966 A JP 11017966A JP 1796699 A JP1796699 A JP 1796699A JP 2000219589 A JP2000219589 A JP 2000219589A
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Hiroshi Yamato
洋 大和
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Daicel Chemical Industries Ltd
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    • C06EXPLOSIVES; MATCHES
    • C06DMEANS FOR GENERATING SMOKE OR MIST; GAS-ATTACK COMPOSITIONS; GENERATION OF GAS FOR BLASTING OR PROPULSION (CHEMICAL PART)
    • C06D5/00Generation of pressure gas, e.g. for blasting cartridges, starting cartridges, rockets
    • C06D5/06Generation of pressure gas, e.g. for blasting cartridges, starting cartridges, rockets by reaction of two or more solids

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Abstract

(57)【要約】 【課題】ガス発生器の小型化及び低価格化が達成できる
ガス発生剤組成物を得る。 【解決手段】塩基性高分子化合物と酸性含窒素有機物の
中和塩からなることを特徴とするガス発生剤用燃料を含
有するガス発生剤組成物。塩基性高分子化合物としてポ
リビニルアミン、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミ
ン等;酸性含窒素有機物として5−アミノテトラゾール
等のテトラゾール誘導体、ビテトラゾール等のビテトラ
ゾール誘導体、アゾビステトラゾール等のアゾビステト
ラゾール誘導体、ビテトラゾールアミン等のビテトラゾ
ールアミン誘導体、ジニトロアメリン(DNAM)等を
含む。ガス発生剤用燃料は、燃料とバインダーの2つの
作用をなすため、バインダーを別途添加する必要がな
い。 【効果】本発明のガス発生剤用燃料は、バインダー能を
有しており、このガス発生剤用燃料を用いたガス発生剤
組成物は、成形性が良く、又、発生ガス量も多い。よっ
て、本発明のガス発生剤組成物を用いることにより、ガ
ス発生器の小型化及び低価格化が達成できるようにな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、航空機等
に搭載される人体保護のためのエアバッグシステムやプ
リテンショナーシステムにおいて作動ガスとなるガス発
生剤の燃料及びバインダーとして用いることができるガ
ス発生剤用燃料に関する。また本発明は、前記ガス発生
剤用燃料を用いるガス発生剤組成物に関する。さらに本
発明は、前記ガス発生剤用燃料又はガス発生剤組成物を
用いるインフレータシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、エアバッグシステムに用いられて
いるガス発生剤の成分としては、アジ化ナトリウムが周
知である。アジ化ナトリウムを用いたガス発生剤は、分
解温度が400℃以上と高く耐熱性が優れているし、ま
たその燃焼特性に関して特に問題が無く、広く実用に供
せられている。しかし、アジ化ナトリウムは、例えば、
重金属との反応により爆発性化合物を生成するほか、マ
ウスやラットの経口毒性LD50が27mg/kgであること
等のために、 大量廃棄時に心配される環境汚染問題が
あることが知られている。
【0003】これらの問題を解決する手段として、アジ
化ナトリウムに替わる化合物が検討されている。例え
ば、特公平6−57629号公報には、テトラゾール、
トリアゾールの遷移金属錯体を含むガス発生剤が開示さ
れ;特開平5−254977号公報には、トリアミノグ
アニジン硝酸塩を含むガス発生剤が開示され;特開平6
−239683号公報には、カルボヒドラジドを含むガ
ス発生剤が開示され;特開平7−61885号公報には
酢酸セルロースと過塩素酸カリウム及び窒素含有非金属
化合物を含むガス発生剤が開示され;USP 5,125,684に
は、15〜30%のニトロセルロース等のセルロ−ス系バイ
ンダーとエネルギー物質 を含有するガス発生剤が開示
され;特表平9−503194号公報には、トリアミノ
グアニジン硝酸塩と相安定化した硝酸アンモニウムを含
むガス発生剤が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記の非アジ
化ナトリウム系ガス発生剤は、それぞれ何らかの問題点
を持っており、さらに改善が求められている。例えば、テ
トラゾール、トリアゾールの遷移金属錯体を含むガス発
生剤は燃焼後フィルターでろ過しがたい低融点の銅や亜
鉛が生成するし、トリ アミノグアニジン硝酸塩は非常に
感度が高く危険なためガス発生剤の製造が困難である。
カルボヒドラジド、トリアミノグアニジン硝酸塩やニト
ロセルロースを含むガス発生剤 は、耐熱性が悪く、長
期にわたる使用において問題があり、酢酸セルロースと
過塩素酸カ リウム及び窒素含有非金属化合物を含むガ
ス発生剤は、燃焼温度が非常に高くガスの冷却が困難で
ある。
【0005】元来、非アジ化ナトリウム系ガス発生剤
は、アジ化ナトリウムの本質的に好ましくない欠点を改
善することが第一目的であった。しかし自動車の安全装
備としてエアバッグの標準化が進行し、現在ではさら
に、エアバッグ用インフレ−タはこれまでに量産され使
用され てきたものに比べて、かなりの小型化及び低価
格化が求められている。従って、アジ化ナ トリウム系ガ
ス発生剤の本質的に好ましくない問題点の改善と共に、
ガス発生器の小型化及び低価格化という要求を合わせて
実現するためには、ガス発生剤は、毒性、耐熱性、ガス
発生効率、燃焼温度、燃焼残渣の濾過性、燃焼残渣量、
燃焼速度、安全性、密度、燃焼後ガス組成等の各項目に
おいて、適切なバランスを保持していなくてはならな
い。
【0006】このような小型化及び低価格化を達成する
手段としては、新たな製造原料の開発や原料コストを低
下させることが考えられる。よって、かかる点を考慮
し、ガス発生剤が通常は燃料、酸化剤、バインダー等か
ら構成されていることを考え合わせると、燃料とバイン
ダーを一つの成分、例えば、高分子化合物のような粘着
性を有する成分により構成する方法が考えられる。しか
し、火薬に使用されている高分子化合物で高い燃焼性を
持ったものとしてはニトロセルロースが知られている
が、ニトロセルロースは耐熱性が悪いため、エアバッグ
等のように長期にわたる厳しい品質保証が要求される場
合には適当ではない。その 他、グリシジルアジドポリ
マー(GAP)も燃焼性の高い高分子化合物である
が、、これは常温で液体であり、一般に可塑剤として使
用されることが多いものである。このような液体成分を
含むガス発生剤は、高温下で液体の気化による重量減少
が見られたり、ガス発生剤成型物同士が粘着したりする
という問題がある。よって、使用は最小量としなければ
ならず、エアバッグ用ガス発生剤に適用するには好まし
い成分とはいえない。
【0007】そこで本発明は、アジ化ナトリウム系ガス
発生剤の問題点を解決し、特にガス発生器の小型化及び
低価格化という要求を満たすため、前記した各特性をバ
ランスよく具備し、ガス発生剤組成物の燃料及びバイン
ダーとして用いることができるガス発生剤用燃料を提供
することを目的とする。
【0008】また、本発明は、前記ガス発生剤用燃料を
用いるガス発生剤組成物を提供することを他の目的とす
る。
【0009】さらに、本発明は、前記ガス発生剤用燃料
又はガス発生剤組成物を用いるエアバッグ用インフレー
タシステムを提供することを他の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討を
重ねた結果、燃料として優れた燃焼性を有し、しかも水
等に可溶で、溶液が粘着性を有しており、これらの性質
がガス発生剤の燃料及びバインダーとして好適である化
合物群を見出し、本研究を完成した。
【0011】即ち本発明は、塩基性高分子化合物と酸性
含窒素有機物の中和塩からなることを特徴とするガス発
生剤用燃料を提供する。
【0012】また本発明は、前記ガス発生剤用燃料と酸
化剤を含有することを特徴とするガス発生剤組成物を提
供する。
【0013】さらに本発明は、前記ガス発生剤用燃料又
はガス発生剤組成物を用いることを特徴とするエアバッ
グ用インフレータシステム及びプリテンショナーシステ
ムを提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のガス発生剤用燃料は、燃
料としての作用をなすと共に、水や有機溶媒に可溶性
で、溶液が粘着性を有するためにバインダーとしての作
用もなすものである。
【0015】ガス発生剤用燃料は、塩基性高分子化合物
と酸性含窒素有機物の中和塩からなるものである。
【0016】塩基性高分子化合物としては、ポリビニル
アミン、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン等のア
ミノ基を有したものを挙げることができる。
【0017】また、酸性含窒素有機物としては、5−ア
ミノテトラゾール等のテトラゾール誘導体、ビテトラゾ
ール等のビテトラゾール誘導体、アゾビステトラゾール
等のアゾビステトラゾール誘導体、ビテトラゾールアミ
ン等のビテトラゾールアミン誘導体、ジニトロアメリン
(DNAM)等を挙げることができる。
【0018】本発明のガス発生剤組成物は、上記のガス
発生剤用燃料、酸化剤及び必要に応じてその他の成分を
含有しているものである。
【0019】ガス発生剤用燃料としては上記のものを用
いるが、本発明の目的を損なわない範囲で、さらに一般
にガス発生剤の燃料として用いられている他の含窒素化
合物を配合することができる。ただし、ガス発生剤組成
物に含まれる燃料全体としては、本発明のガス発生剤用
燃料の含有量が、25〜100重量%であることが好ま
しく、50〜100重量%であることが特に好ましい。
【0020】この含窒素化合物としては、トリアゾール
誘導体、ジシアンジアミド、ニトログアニジ ン、硝酸
グアニジン等のグアニジン誘導体、オキサミド、シュウ
酸アンモニウム、アゾジカルボンアミド、ヒドラゾジカ
ルボンアミド等を挙げることができる。
【0021】ガス発生剤組成物中におけるガス発生剤用
燃料の含有量(他の含窒素化合物を配合した場合にはそ
れも含む量)は、好ましくは10〜100重量%であ
り、特に好ましくは12〜100重量%である。
【0022】酸化剤としては、酸素酸塩、金属酸化物及
び金属複酸化物から選ばれる1種以上を挙げることがで
きる。
【0023】酸素酸塩としては、アンモニウム、アルカ
リ金属及びアルカリ土類金属から選ばれるカチオンと、
硝酸、亜硝酸、塩素酸又は過塩素酸から選ばれる水素を
含まないアニオンとからなるものを挙げることができ
る。
【0024】このような酸素酸塩としては、例えば、硝
酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸
マグネシウム、硝酸ストロンチウム等の硝酸のアンモニ
ウム塩、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩;亜硝
酸アンモニウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、
亜硝酸マグネシウム、亜硝酸ストロンチウム等の亜硝酸
のアンモニウム塩、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金
属塩;塩素酸アンモニウム、塩素酸ナトリウム、塩素酸
カリウム、塩素酸マグネシウム、塩素酸バリウム等の塩
素酸のアンモニウム塩、アルカリ金属塩又はアルカリ土
類金属塩;過塩素酸アンモニウム、過塩素酸ナトリウ
ム、過塩素酸カリウム、過塩素酸マグネシウム、過塩素
酸バリウム等の過塩素酸のアンモニウム塩、アルカリ金
属塩又はアルカリ土類金属塩を挙げることができる。
【0025】金属酸化物及び金属複酸化物としては、
銅、コバルト、鉄、マンガン、ニッケル、亜鉛、モリブ
デン及びビスマスの酸化物又は複酸化物を挙げることが
できる。
【0026】このような金属酸化物及び金属複酸化物と
しては、例えば、CuO、Cu2O、Co2O3、Co
O、Co3O4、Fe2O3、FeO、Fe3O4、M
nO2、Mn2O3、Mn3O4、NiO、ZnO、M
oO3、CoMoO4、Bi2MoO6又はBi2O3
を挙げることができる。
【0027】また、酸化剤は、ガス発生剤組成物に付与
しようとする特性に応じて、適宜選択して用いることが
できる。例えば、燃焼残渣の濾過が容易で、燃焼速度が
速いことを主目的とする場合は、硝酸ストロンチウムを
中心とした組成が非常に優れており;燃焼温度が低く、
燃焼速度が速いことを主目的とする場合は、硝酸ナトリ
ウム、硝酸カリウムを中心とした組成が非常に優れてお
り;ガス発生効率が非常に高く、燃焼温度が低く、燃焼
残渣がほとんど発生しないことを主目的とする場合は、
硝酸アンモニウムを中心とした組成が非常に優れてい
る。
【0028】さらに、酸化剤としては、硝酸カリウムで
相安定化された硝酸アンモニウム又は過塩素酸カリウム
で相安定化された硝酸アンモニウムを用いることができ
る。ここで、相安定化の方法としては、硝酸カリウムや
過塩素酸カリウムを硝酸アンモニウムに加え、これらを
水に溶解させ、乾燥させる方法を適用することができる
(例えば、WO 95/04710 の10頁10〜17
行目、USP5,545,272の5頁42〜47行目
参照)。硝酸アンモニウムを酸化剤として用いた場合は
燃焼残渣量を極小化できるために好ましいが、一方で、
多くの相転移点を持っているため温度サイクルをかける
と容易に成型物が崩壊するという性質を有している。そ
こで、上記のように相安定化をなすことにより、成型物
の崩壊を防止できる。
【0029】ガス発生剤組成物中における酸化剤の含有
量は、好ましくは2〜90重量%であり、特に好ましく
は3〜88重量%である。
【0030】本発明のガス発生剤組成物には、さらに塩
素中和剤を配合することができる。この塩素中和剤を配
合することにより、酸化剤として過塩素酸アンモニウム
を用いた場合において、燃焼時に塩化水素ガスや塩素ガ
ス等が発生した時にそれらを中和して人体に対する悪影
響を防止することができる。
【0031】塩素中和剤としては、アルカリ金属及びア
ルカリ土類金属から選ばれる1種以上のカチオンを含む
化合物を挙げることができる。このような化合物として
は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の炭酸塩、ケイ
酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、過酸化物又は酸化物、例え
ば、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、硝酸ナトリ
ウム、シュウ酸ナトリウム、過酸化ストロンチウム、過
酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウ
ム、酸化カルシウムを挙げることができる。
【0032】ガス発生剤組成物中における塩素中和剤の
含有量は、好ましくは5〜50重量%であり、特に好ま
しくは10〜40重量%である。
【0033】本発明のガス発生剤組成物には、さらにス
ラグ形成剤を配合することができる。このスラグ形成剤
としては、酸性白土、タルク、ベントナイト、ケイソウ
土、カオリン、シリカ、アルミナ、ケイ酸ナトリウム、
窒化ケイ素、炭化ケイ素、ヒドロタルサイト及びこれら
の混合物から選ばれる1種以上を挙げることができる。
【0034】ガス発生剤組成物中におけるスラグ形成剤
の含有量は、好ましくは1〜15重量%であ り、特に
好ましくは3〜12重量%である。
【0035】本発明のガス発生剤組成物においては、ガ
ス発生剤用燃料自体がバインダーとしての作用をなすた
め、通常のガス発生剤組成物のように成型用としてのバ
インダーの配合は不要である。しかし、必要に応じて、
公知のバインダー成分を配合することを排除するもので
はない。公知のバインダー成分としては、カルボキシル
メチルセルロースのナトリウム塩、デンプン、グアガ
ム、ポリビニルアルコール、微結晶性セルロース、ポリ
アクリルアミ ド、ステアリン酸カルシウム等の有機結
合剤、二硫化モリブデン、酸性白土、タルク、ベントナ
イト、ケイソウ土、カオリン、シリカ、アルミナ、ケイ
酸ナトリウム等の無機結合剤を挙げることができる。
【0036】本発明のガス発生剤組成物は、ガス発生剤
用燃料、酸化剤等を粉末状で混合する乾式法又は水や有
機溶剤等の存在下で混合する湿式法により製造すること
ができるが、ガス発生剤用燃料自体がバインダー能を有
しているので、水や有機溶剤等の存在下、湿式法で行う
ことが好ましい。
【0037】また、本発明のガス発生剤組成物は、所望
の形状に成型することもできる。例えば、打錠機を用い
て圧縮成型してペレットにしたり、ディスク成型機を用
いて圧縮成型してディスクにしたり、ペレットやディス
クを粉砕するか又はグラニュレータを用いて顆粒にした
り、圧伸機(押出成形機)を用いて押出成型して圧伸
薬(無孔、単孔、多孔)にしたりすることができるが、
ガス発生剤用燃料のバインダー能を活用する観点から
は、前記の押出成型法を適用するほか、圧延してフィル
ム状又は板状に成型することが好ましい。
【0038】これらの成型方法は、ガス発生剤組成物の
成型品に対して付与しようとする性質等に応じて適宜選
択することができる。例えば、押出成型法を適用した場
合、ウェブが薄いものを成型することが圧縮成型法より
も容易であるので、燃焼速度の遅い組成でも成型品を得
ることができる。さらに、押出成型法は成型が比較的短
時間ですむため大量生産に向いている。また、燃焼速度
が速い組成の場合は成型品のサイズを大きくできるため
に、より製造効率を上げることができる。そのほか、押
出成型法を適用した場合には、無孔、単孔、多孔等の複
雑な形状の成型品を製造できるため、種々の燃焼特性を
付与することができる。
【0039】本発明のガス発生剤組成物は、自動車、航
空機等に搭載される人体保護のために供せられるエアー
バッグシステムのインフレータシステム用のガス発生剤
として有用である。
【0040】本発明のインフレータシステムは、上記し
たガス発生剤組成物を含有するものである。インフレー
タシステムにはガスの供給がガス発生剤からだけである
パイロタイプと、アルゴン等の圧縮ガスとガス発生剤の
両方であるハイブリッドタイプがあるが、どちらのタイ
プであってもよい。
【0041】また、本発明のインフレータシステムは、
雷管やスクイブのエネルギーをガス発生剤に伝えるため
のエンハンサ剤(又はブースター)等と呼ばれる着火剤
として、上記したガス発生剤組成物を用いることもでき
る。エンハンサ剤として用いる場合も、上記したような
粉体、顆粒、ペレット、無孔圧伸薬、単孔圧伸薬、多孔
圧伸薬等の適当な形状に成型したものを用いることがで
きる。
【0042】さらに、本発明のガス発生剤組成物は、自
動車、航空機等に搭載される人体保護のために供せられ
るプリテンショナーシステム用のガス発生剤としても有
用である。プリテンショナーとはシートベルトの巻き取
りを行うシートベルト巻き取り装置に取付けられた緊急
引き込み装置であり、このプリテンショナーによりシー
トベルトを瞬時に引き込み、乗員の体を拘束するもので
ある。つまり、衝突時のショックから運転者を保護する
ためのシートベルトの機能を高める装置である。このよ
うなプリテンショナーでは、瞬間的にシートベルトを引
き込む必要があるため、動力として火薬の燃焼ガスが利
用されている。すなわ ち、ガス発生剤の燃焼ガスによ
り、シリンダ内のピストンを瞬間的に移動させ、このピ
ストンに一端を連結されるケーブルの移動により、プリ
テンショナーに動力を供給する。
【0043】本発明のガス発生剤組成物は、ガス発生能
を必要とするいかなる装置にも使用することができ、上
記したエアーバッグシステムのインフレータシステムの
ほかにも、発射薬等にも用いることができる。
【0044】
【実施例】以下、実施例及び比較例をあげて本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定
されるものではない。
【0045】
【実施例1】(ガス発生剤用燃料の製造)ポリビニルア
ミンと5−アミノテトラゾールの中和塩の製造を行っ
た。
【0046】ポリビニルアミン(三菱化学(株)製)の
12重量%水溶液50gを500mlビーカーに入れ
た。ポリビニルアミン水溶液は、黄色、高粘性(粘度約
10000cP)でpH>11であった。別に、5−ア
ミノテトラゾール(増田化学工業(株)製)11.9g
と水200mlを500mlビーカーに入れ、80℃で
15分間加熱して溶かした。pHは約4であった。
【0047】そして、攪拌しながら、5−アミノテトラ
ゾール水溶液をポリビニルアミン水溶液に徐々に加え
た。反応中は発熱し、約30分間攪拌すると、最終的に
pH約7の粘性のある黄色透明溶液となった。約一週間
放置して水分をある程度まで蒸発させた後、シリカゲル
入りの減圧デシケータ中で約50時間乾燥した。得られた
ポリビニルアミンと5−アミノテトラゾールの中和塩は
14gで、収率は78%であった。
【0048】
【実施例2】(ガス発生剤用燃料の製造)実施例1とは
別の方法で、ポリビニルアミンと5−アミノテトラゾー
ルの中和塩の製造を行った。
【0049】ポリビニルアミンの12重量%水溶液50
gを500mlビーカーに入れた。次に、5−アミノテ
トラゾール11.9gを直接ポリビニルアミン水溶液に
加えた。これでは粘性が高く、攪拌しにくいし、又、反
応が進みにくいので約50℃で加熱した。しばらく攪拌
しつづけると完全に5−アミノテトラゾールは反応し、
溶解した。この水溶液はpH約7の粘性のある黄色透明
溶液であった。これを、シリカゲル入りの減圧デシケー
タ中で約50時間乾燥した。得られたポリビニルアミンと
5−アミノテトラゾールの中和塩は15gで、収率は8
4%であった。
【0050】
【実施例3〜11】表1に示す組成のガス発生剤組成物
を製造した。これらのポリビニルアミンと5−アミノテ
トラゾールの中和塩(PVAM・5-ATと略す)及びポリビニ
ルアミンとビテトラゾールの中 和塩(PVAM・BTと略す)
を含むガス発生剤の理論発生ガス量を求めた。
【0051】
【0052】
【実施例12】表2に、ポリビニルアミンと5−アミノ
テトラゾールの中和塩を含むガス発生剤組成物10gを常
圧下で燃焼し、観察した結果を示した。ガス発生剤組成
物10gは乳鉢に入れ、ニクロム線に通電して着火させ
た。これらのガス発生剤組成物は完全に燃焼し、スラグ
性が高く、ろ過しやすい燃焼残渣を形成した。
【0053】
【0054】
【実施例13】実施例7〜9のガス発生剤組成物を押出
成形機(丸七鉄工所(株)製の油圧成型機、型式MT
V)を用いて、単孔の圧伸薬(外径3mm×内径0.8mm×
長さ4mm)に成型した。成 形性は公知のバインダーを
用いた場合と同様に良好であった。
【0055】
【発明の効果】本発明のガス発生剤用燃料は、バインダ
ー能を有しており、このガス発生剤用燃料を用いたガス
発生剤組成物は、成形性が良く、又、発生ガス量も多
い。よって、本発明のガス発生剤組成物を用いることに
より、ガス発生器の小型化及び低価格化が達成できるよ
うになる。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩基性高分子化合物と酸性含窒素有機物の
    中和塩からなることを特徴とするガス発生剤用燃料。
  2. 【請求項2】塩基性高分子化合物がポリビニルアミン、
    ポリエチレンイミン、ポリアリルアミンのいずれかであ
    ることを特徴とする請求項1記載のガス発生剤用燃料。
  3. 【請求項3】酸性含窒素有機物が5−アミノテトラゾー
    ル等のテトラゾール誘導体、ビテトラゾール等のビテト
    ラゾール誘導体、アゾビステトラゾール等のアゾビステ
    トラゾール誘導体、ビテトラゾールアミン等のビテトラ
    ゾールアミン誘導体、ジニトロアメリン(DNAM)の
    いずれかであることを特徴とする請求項1〜2記載のガ
    ス発生剤用燃料。
  4. 【請求項4】請求項1〜3記載のガス発生剤用燃料と酸
    化剤を含有することを特徴とするガス発生剤組成物。
  5. 【請求項5】酸化剤が、酸素酸塩、金属酸化物及び金属
    複酸化物から選ばれる1種以上である請求項4記載のガ
    ス発生剤組成物。
  6. 【請求項6】酸素酸塩が、アンモニウム、アルカリ金属
    及びアルカリ土類金属から選ばれるカチオン と、硝
    酸、亜硝酸、塩素酸又は過塩素酸から選ばれる水素を含
    まないアニオンとからなるものである請求項5記載のガ
    ス発生剤組成物。
  7. 【請求項7】金属酸化物及び金属複酸化物が、銅、コバ
    ルト、鉄、マンガン、ニッケル、亜鉛、モリブデン及び
    ビスマスの酸化物又は複酸化物である請求項5記載のガ
    ス発生剤組成物。
  8. 【請求項8】酸化剤が、硝酸ストロンチウム、硝酸ナト
    リウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム、過塩素酸カ
    リウム又は過塩素酸ナトリウムである請求項4〜6のい
    ずれか1記載のガス発生剤組成物。
  9. 【請求項9】酸化剤が、硝酸カリウムで相安定化された
    硝酸アンモニウム又は過塩素酸カリウムで相安定化され
    た硝酸アンモニウムである請求項4〜6のいずれか1記
    載のガス発生剤組成物。
  10. 【請求項10】酸化剤が、過塩素酸アンモニウムで、さ
    らに塩素中和剤を含有する請求項4〜6のいずれか1記
    載のガス発生剤組成物。
  11. 【請求項11】さらにスラグ形成剤を含有する請求項4
    〜8のいずれか1記載のガス発生剤組成物。
  12. 【請求項12】請求項4〜11のいずれか1に記載され
    たガス発生剤組成物を用いることを特徴とするエアバッ
    グ用インフレータシステム。
  13. 【請求項13】請求項4〜11のいずれか1に記載され
    たガス発生剤組成物をエンハンサ剤として用いることを
    特徴とするエアバッグ用インフレータシステム。
  14. 【請求項14】請求項4〜11のいずれか1に記載され
    たガス発生剤組成物を用いることを特徴とするプリテン
    ショナーシステム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007500124A (ja) * 2003-07-25 2007-01-11 オートリブ エーエスピー,インコーポレイティド 過塩素酸アンモニウム含有ガス発生剤

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