JP2000219645A - アルコ―ルの製造方法 - Google Patents

アルコ―ルの製造方法

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JP2000219645A JP11290700A JP29070099A JP2000219645A JP 2000219645 A JP2000219645 A JP 2000219645A JP 11290700 A JP11290700 A JP 11290700A JP 29070099 A JP29070099 A JP 29070099A JP 2000219645 A JP2000219645 A JP 2000219645A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2種類のアルコールを製造するにあた
り、副生物であるエステル及び/又はエーテルの生成を
抑制し、工業的に有利に目的物である2種類のアルコー
ルを同時に製造する方法の提供。 【解決手段】 炭素数2から5のアルデヒド及び該アル
デヒドの重縮合物を95:5〜5:95の範囲の重量比
で同一の反応系中に供給して、触媒の存在下、混合水素
添加反応させ、各々のアルデヒドに対応するアルコール
を同時に製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素数2から5の
アルデヒド及び該アルデヒドの重縮合物を混合水素添加
反応して各々のアルデヒドに対応するアルコールを同時
に製造する方法に関するものであり、詳しくは、該2種
類の原料アルデヒドを混合水素添加反応することによ
り、副生物であるエステル化合物及びエーテル化合物の
生成を抑制し、各々のアルデヒドに対応するアルコール
を同時に、効率的に製造することができる、アルコール
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルデヒドを水素添加反応(以下、これ
を「水添」と称することがある)させてアルコールを製
造する方法は、昔から工業的に実用化されている。例え
ば、プロピレンのヒドロホルミル化反応によって生成す
るn−ブチルアルデヒドを水添させ、n−ブチルアルコ
ールを製造する方法、該n−ブチルアルデヒドをアルド
ール縮合反応させた後、生成した2−エチル−2−ヘキ
セナールを水添させて2−エチルヘキサノールを製造す
る方法は広く知られている。
【0003】このような工業的なアルデヒドの水添反応
は、液相、気相のそれぞれにおいて行われているが、い
ずれの反応系においても各種の副反応が起こって多量の
副生物が生成し、反応の選択性を低下させている。気相
水添反応において生成する副生物の一つとして問題にな
るものにエステル化合物がある。例えば、n−ブチルア
ルデヒドの気相水添反応により得られる反応液中には酪
酸ブチルが、また2−エチル−2−ヘキセナールの気相
水添反応により得られる反応液中には2−エチルヘキサ
ン酸−2−エチルヘキシルが副生される。エステル化合
物の生成機構としては、アルデヒドとアルコールからヘ
ミアセタールが生成し、次いでヘミアセタールの脱水素
反応により生成する機構、又は2つのアルデヒド分子か
らTischenko 反応により生成する機構等が知られてい
る。
【0004】これらエステル化合物の副生を抑制するた
めに、従来、例えば、I)還元化酸化銅−酸化亜鉛触媒に
選択性増進剤を加えたものを水添反応触媒として使用す
る方法( 特許2655034号公報) 、II) ニッケル、
酸化アルミニウム、二酸化ジルコニウムを含有する担持
触媒を用いて水添反応する方法( 特公平6−4551号
公報) 、III)銅、酸化亜鉛、酸化アルミニウムを含有す
る触媒を用いて水添反応する方法( 特公平8- 2924
9号公報) 、またはIV) 副生物のエステルを水添分解し
て有効成分に変化させて回収する方法( 特開昭58−4
3930号公報) 等が開示されている。
【0005】しかしながら、上記のI)〜III)の方法
では、ある特別な仕様の触媒が必要になるために触媒製
造のコスト増加につながり、また上記IV) の方法では、
アルデヒドの水添反応器に加えて、さらにエステル分解
のための反応器が必要となることから建設費の増加とな
り、いずれも工業的に効果的ではない。また、特開平6
−1733号公報には、炭素数5以下のアルデヒドを水
素添加反応させてアルコールを製造するに際し、反応系
中に炭素数8の不飽和アルコールである1−オクタ−
2, 7−ジエノールを共存させることが開示されてい
る。
【0006】しかしながら、本発明の方法のように、2
種類のアルデヒド即ち、炭素数2から5のアルデヒド及
び該アルデヒドの重縮合物の混合水添反応により対応す
る2種類のアルコールを同時に工業的に製造することは
記載も示唆もない。本発明において「2種類のアルデヒ
ド即ち、炭素数2から5のアルデヒド及び該アルデヒド
の重縮合物の混合水添反応により対応する2種類のアル
コールを同時に工業的に製造する」とは、炭素数2から
5のアルデヒド及び該アルデヒドの重縮合物を特定の比
率で混合させて水添反応することであって、アルデヒド
の縮合工程で、未反応の原料アルデヒドを含有する程度
の組成、例えば、特公平8−29249号公報に開示さ
れているように、反応原料が2−エチル−2−ヘキセナ
ール91.0%及びn−ブチルアルデヒド1.6%程度
の組成の供給液を用いて水添反応することを意味するも
のではない。
【0007】従来、本発明の方法にある混合水添反応に
より2種類のアルコールを同時に得るという方法が行わ
れてこなかった理由としては、この反応では2種以上の
アルデヒドの共存下で水添反応させると、通常各々のア
ルデヒドを単独で水添反応させたときには生成し得ない
副生物が生成し、精製系において該副生物を分離するた
めに多大な労力を要する等が挙げられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、2種
類のアルコールを製造するにあたり、副生物であるエス
テル及び/又はエーテルの生成を抑制し、工業的に有利
に目的物である2種類のアルコールを同時に製造する方
法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
について鋭意検討を重ねた結果、炭素数2から5のアル
デヒド及び該アルデヒドの重縮合物を同時に特定の混合
比で反応系へ供給して混合水添反応することにより、意
外にも、望ましくない副生物であるエステル化合物の生
成を抑制でき、また同じく副生するエーテル化合物の量
も相当低減でき、更に、アルコールの生成率が向上する
等、工業的に有利に2種類のアルコールを同時に製造す
ることができることを見いだし、本発明に到達した。ま
た、本発明の方法を用いることにより、従来、2種類の
アルデヒドを水添し対応するアルコールを製造する場
合、2系列の水添反応系列が必要であったものが、1系
列に統合でき、結果的に反応系列の削減によって工業的
実施が有利となる。
【0010】すなわち本発明の要旨は、炭素数2から5
のアルデヒド及び該アルデヒドの重縮合物を95:5〜
5:95の範囲の重量比で同一の反応系中に供給して、
触媒の存在下、混合水素添加反応させ、各々のアルデヒ
ドに対応するアルコールを同時に製造することを特徴と
するアルコールの製造方法にある。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の混合水添反応に用いられる原料アルデヒド化合
物としては、炭素数2から5のものとその重縮合体が用
いられる。具体的には、例えば、プロピオンアルデヒド
とその縮合2量体、ブチルアルデヒドとその2量体、バ
レルアルデヒドとその縮合2量体等が挙げられ、好まし
くはブチルアルデヒドとその縮合2量体である。これら
のアルデヒド化合物は通常、炭素数4以下のオレフィン
性化合物をヒドロホルミル化反応することにより得ら
れ、またその重縮合体としては、該アルデヒド化合物の
アルドール縮合体が用いられる。具体的には、例えば、
プロピレンから製造されたブチルアルデヒド及び2−エ
チル−2−ヘキセナールが挙げられる。この場合、ブチ
ルアルデヒドとは、実質的にn−ブチルアルデヒドを意
味するが、少量のi−ブチルアルデヒドを含んでいても
よい。
【0012】ヒドロホルミル化反応に用いられる原料オ
レフィン性化合物は、特別な前処理などすることなく用
いてもよいが、ヒドロホルミル化触媒の被毒物質として
知られる硫黄含有化合物やハロゲン含有化合物、ジエン
類、トリエン類、さらには過酸化物類などを、公知の、
通常用いられる吸着、抽出、蒸留、熱処理、膜分離など
の方法により除去したものを用いることもできる。触媒
としては、通常、有機リン化合物を配位子とする第VIII
族遷移金属錯体触媒が用いられる。第VIII族遷移金属と
しては、通常、ロジウム、コバルト、イリジウム等、好
ましくはロジウムが挙げられる。ロジウム源としては、
ヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)
ロジウム、アセトキシビス(トリフェニルホスフィン)
ロジウム等のロジウム錯体の他にロジウムアセチルアセ
トネート、酢酸ロジウム等の酸化物等も用いられる。
【0013】該有機リン化合物としては、特に限定され
るものではないが、例えば、トリブチルホスフィン、ト
リオクチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィ
ン、ブチルジシクロヘキシルホスフィン等の環状及び/
又は非環状のトリアルキルホスフィン;モノブチルジフ
ェニルホスフィン、ジプロピルフェニルホスフィン、シ
クロヘキシルフェニルホスフィン等の環状及び/又は非
環状のアルキルアリールホスフィン;トリフェニルホス
フィン、トリトリルホスフィン、フェニル基の水素がス
ルホン基やハロゲン等で置換されたトリフェニルホスフ
ィン等のトリアリールホスフィン;トリオクチルホスフ
ァイト、トリシクロヘキシルホスファイト等の環状及び
/又は非環状のトリアルキルホスファイト;置換基を有
していてもよいトリフェニルホスファイト、トリナフチ
ルホスファイト等のトリアリールホスファイト及びアル
キルアリールホスファイト等が挙げられる。また、米国
特許第3415906号、同4599206号、同43
51759号、同4748261号、同4567306
号、同5235113号及び同5227532号公報等
に開示されている化合物を用いてもよい。
【0014】該有機リン化合物は2種以上を混合配位子
として用いることもできる。また、上記有機リン化合物
とトリフェニルホスフィンオキシド等の5価の有機リン
化合物とを混合して用いることもできる。
【0015】触媒調製方法としては、ロジウム源及び有
機リン化合物配位子を各々独立にヒドロホルミル化反応
器に供給して反応系内で触媒を形成させてもよいが、予
め反応器外で、有機リン化合物配位子とともに、溶媒中
で高い温度・圧力の下で一酸化炭素と水素で処理して、
触媒液を調製しておくこともできる。この触媒調製のた
めの溶媒としては、通常後述する反応溶媒の中から選ば
れるが、反応溶媒と同一でなくてもよい。触媒調製溶液
中のロジウム濃度は、通常1〜100000ppm、有
機リン化合物配位子の添加量は、ロジウムに対するリン
の原子比で、1〜10000モル倍。処理温度は60〜
200℃、圧力は常圧〜200kg/cm2 、処理時間
は0.01〜20時間の範囲で行われる。上記処理に用
いられる容器は回分式でも連続式でもよい。
【0016】ヒドロホルミル化の反応溶媒としては、オ
レフィン自身を溶媒にしても良いし、生成アルデヒドや
反応で副生する高沸点化合物を使用することもできる。
その他、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素、ブタノール、2−
エチルヘキサノール、エチレングリコール、プロピレン
グリコール等のアルコール類、トリグライム等のエーテ
ル類、ジオクチルフタレート等のエステル類又は水等
の、触媒を溶解し、かつ反応に悪影響を与えない各種の
溶媒が使用できる。
【0017】ヒドロホルミル化反応における、水素と一
酸化炭素の混合ガスの圧力としては、通常、0.1〜3
00kg/cm2 、一酸化炭素分圧に対する水素分圧の
比は0.1〜10、温度60〜200℃、反応液中のロ
ジウム濃度は1〜100000ppm、有機リン化合物
配位子の添加量は、ロジウムに対するリンの原子比で、
1〜10000モル倍、反応時間0.01〜20時間の
範囲で行われる。
【0018】上述のごとく実施されるヒドロホルミル化
反応帯域から生成物アルデヒドを取得する方法として
は、特に制約はないが、例えば、特開昭52−1251
03号公報に記載されているようなガスストリッピング
による方法、また特開昭54−89974号公報に記載
されているような蒸留による方法等が挙げられる。何れ
の手段を取るにしても、結果として、大部分の未反応オ
レフィン、溶媒及び高沸点副生物を含む触媒液が除去さ
れるので、上記した方法等により取得されたアルデヒド
中に含有される成分としては、主成分のアルデヒドの他
には、ごく微量の溶解ガス(水素・一酸化炭素・メタン
・二酸化炭素等)、アルデヒドよりも軽質分である少量
の未反応オレフィン及びパラフィン類、水分、主成分の
アルデヒドより1つ炭素数の少ないアルデヒド等の主成
分アルデヒドよりも軽質な留分、少量の溶媒並びに高沸
点副生物等である。
【0019】該ヒドロホルミル化反応帯域から取得した
該アルデヒドは、直鎖体と分岐体を含み、必要に応じ、
直鎖体を分離精製して後工程、即ち、水添反応又は縮合
工程に用いてもよい。分岐体含有量が極めて少ない場合
又は分岐体もしくは分岐体由来の不純物を水添反応後の
分離工程にて十分分離除去できる場合には、該アルデヒ
ドの直鎖体と分岐体を分離しないまま後工程へ持ち込む
場合もある。直鎖体を分離精製する場合、直鎖体と分岐
体を直接分離できるものであれば、分離方式は限定され
ない。例えば、蒸留により分離する場合、蒸留塔の塔頂
圧力は特に制限はないが、減圧にすると塔頂コンデンサ
において、未凝縮によるアルデヒド損失が生じてしまう
ので、大気圧以上とするのが望ましい。また蒸留塔の塔
内温度は、脂肪族アルデヒドの炭素数、塔頂圧力、及び
蒸留塔の種類によって決まる塔底圧力により変化する
が、塔頂部で60〜120℃、塔底部で70〜150℃
であるのが好ましい。
【0020】該ヒドロホルミル化反応で生成したアルデ
ヒドをアルドール縮合する反応は、液相でも気相でも実
施できるが、液相で実施する場合には、通常、苛性ソー
ダ水溶液等のアルカリ性水溶液中で実施され、温度は8
0〜120℃、圧力は設定された温度での液の飽和圧力
以上であればよく、例えば常圧〜10kg/cm2 の範
囲内が好ましい。
【0021】ヒドロホルミル化反応により得られたアル
デヒドとそのアルドール縮合による重縮合アルデヒド、
例えばプロピレンのヒドロホルミル化反応により得られ
たブチルアルデヒドとそのアルドール縮合体である2-
エチル- 2- ヘキセナールとを混合水添反応させるにあ
たり、水添触媒および反応条件はそれ自体既知の通常用
いられる方法から任意に選択できる。水添触媒として
は、アルデヒドの水素化反応を進行させるものであれば
特に限定されないが、例えば、ニッケル、パラジウムも
しくは白金等のVIII族金属含有触媒、酸化銅と酸化亜鉛
還元混合物を含有する固体触媒、銅- クロム系触媒又は
銅- クロム- マンガン- バリウム触媒等が挙げられる。
また、例えば、特許第2655034 号公報記載の、改良され
た、酸化銅−酸化亜鉛混合触媒を用いてもよい。
【0022】本発明において、水添反応系へ同時に供給
する原料アルデヒドの混合割合としては、炭素数2〜5
のアルデヒド:該アルデヒドの重縮合物が重量比で9
5:5〜5:95、好ましくは10:1〜1:10、さ
らに好ましくは10:3〜3:10の範囲である。炭素
数2〜5のアルデヒドの混合割合が下限未満では、2分
子以上のアルデヒドの重縮合物が結合したエステル及び
エーテルの生成を抑制する効果が著しく小さくなり、ま
た、アルデヒドの重縮合物の混合割合が下限未満では、
2分子以上の炭素数2〜5のアルデヒドが結合したエス
テル及びエーテルの生成を抑制する効果が著しく小さく
なるので、好ましくない。
【0023】上記原料アルデヒドの混合水添反応は、液
相でも気相でも実施できるが、気相による実施は、液相
での混合水添に比べ、エーテル系副生物の生成が抑制さ
れるため、好ましい。水添反応条件としては、特に限定
されるものではないが、通常、反応温度が50〜300
℃、好ましくは100〜250℃、更に好ましくは15
0〜200℃、水素圧力は常圧〜200kg/cm2
好ましくは常圧〜100kg/cm2 、更に好ましくは
常圧〜10kg/cm2 の範囲内で行われる。反応形式
としては、回分式、連続式のいずれを用いてもよい。
【0024】上記混合水添反応により生成した反応生成
液は、それ自体既知の通常用いられる方法、例えば蒸留
等により、個々のアルコールに分離精製できる。生成物
のアルコールは、一方が単量体、他方が重縮合物である
ことから、沸点の差が大きく、従って容易に分離でき
る。例えば、n- ブチルアルコールの沸点は117.7
℃であるのに対して、2−エチルヘキサノールは18
3.5℃である。
【0025】本発明の方法により得られたアルコール
は、カルボン酸又はカルボン酸無水物とエステル化反応
させることによって、エステル化合物を製造でき、該エ
ステル化合物を樹脂用可塑剤として使用することができ
る。エステル化反応に用いられるカルボン酸又はカルボ
ン酸無水物としては、例えば、フタル酸、フタル酸無水
物、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、トリメリ
ット酸、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸又はピ
ロメリット酸無水物等が挙げられ、これらの中でフタル
酸又はフタル酸無水物が好ましい。エステル化反応は、
それ自体既知の通常用いられる方法を用いればよく、例
えば、アルコールとカルボン酸を、触媒の存在下、反応
させればよい(「可塑剤−その理論と応用−」村井孝一
編著、幸書房、第415〜426頁、昭和48年3月1
日発行)。かくして得られたエステル化合物は、ポリ塩
化ビニル等の樹脂に添加して可塑剤として用いることが
できる(「可塑剤−その理論と応用−」村井孝一編著、
幸書房、第481〜536頁、昭和48年3月1日発
行)。
【0026】
【実施例】実施例により本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例によ
り何ら限定されるものではない。 実施例1 5mmφ×5mmの円柱状Cu−Cr系水添触媒(日揮
化学社製品,商品名:N202E)を10cc充填した
1inchφ×60cmのSUS製単管反応器に、蒸気
化した2−エチル−2−ヘキセナール(以下、「EP
A」と称することがある)68.35mmmol/H
r、n−ブチルアルデヒド(以下、「NBD」と称する
ことがある)45.74mmol/Hr及び水素240
0mmol/Hrを供給して、反応圧力4.6kg/c
2 G(圧力ゲージ指示圧)、反応温度180℃で、気
相水添反応を行い、反応液(反応器出口からの凝縮液)
をガスクロマトグラフィーで分析した。原料仕込み時の
EPA:NBDの重量比は72:28であった。結果を
表1に示した。なお、反応器内の触媒はあらかじめ、窒
素を希釈剤として含有する希薄な水素流で温度200℃
で還元しておいた。
【0027】比較例1 実施例1において、原料アルデヒドとしてEPA10
3.8mmmol/Hrのみを供給したこと以外は実施
例1と同様に操作した。結果を表1に示した。 比較例2 実施例1において、原料アルデヒドとしてNBD10
7.6mmol/Hrのみを供給したこと以外は実施例
1と同様に操作した。結果を表1に示した。
【0028】
【表1】 実施例1 比較例1 比較例2 NBD:EPA EPA 72 100 0 重量比 NBD 28 0 100 転化率[%] EPA 100 100 - NBD 99.90 - 99.95 生成率[%] 2EH 99.83 99.40 - NBA 99.90 - 97.05 Ester1 0.212 0.384 - Ester2 0.0219 - 0.525 副生物 0.0 0.22 2.42
【0029】表中の語 2EH:2−エチルヘキサノール EPA:2−エチル−2−ヘキセナール Ester1:2−エチルヘキサン酸−2−エチルヘキ
シル Ester2:酪酸ブチル NBA:n−ブチルアルコール NBD:n−ブチルアルデヒド 副生物:その他の副生物
【0030】実施例2 5mmφ×5mmの円柱状Cu−Cr系水添触媒(日揮
化学社製品,商品名:N202E)を16〜24メッシ
ュに粉砕した。その触媒を7.4cc充填した8mmφ
×60cmのSUS製単管反応器に、蒸気化したEPA
90mmol/Hr,NBD105mmol/Hr及び
水素13300mmol/Hrを、反応温度180℃,
反応圧力4kg/cm2 G(圧力ゲージ指示圧)で供給
した。原料仕込み時のEPA:NBDの重量比は60:
40であった。反応器内の触媒はあらかじめ窒素を希釈
剤として含有する希薄な水素流で温度200℃程度で還
元しておいた。反応器出口からの凝縮液をガスクロマト
グラフィーで分析した。結果を表2に示した。
【0031】実施例3 実施例2において、原料アルデヒドの供給量をEPA7
4mmol/Hr及びNBD130mmol/Hrとし
た以外は実施例2と同様に操作した。原料仕込み時のE
PA:NBDの重量比は50:50であった。結果を表
2に示した。 実施例4 実施例2において、原料アルデヒドの供給量をEPA1
75mmol/Hr及びNBD34mmol/Hrとし
た以外は実施例2と同様に操作した。原料仕込み時のE
PA:NBDの重量比は90:10であった。結果を表
2に示した。
【0032】比較例3 5mmφ×5mmの円柱状Cu−Cr系水添触媒(日揮
化学社製品,商品名:N202E)を16〜24メッシ
ュに粉砕した。その触媒を7cc充填した8mmφ×6
0cmのSUS製単管反応器に、蒸気化したNBD23
3mmol/Hr及び水素13000mmol/Hr
を、反応温度170℃,反応圧力4kg/cm2 G(圧
力ゲージ指示圧)で供給した。反応器内の触媒はあらか
じめ窒素を希釈剤として含有する希薄な水素流で温度2
00℃程度で還元しておいた。反応器出口からの凝縮液
をガスクロマトグラフィーで分析した。結果を表2に示
した。
【0033】
【表2】 実施例2 実施例3 実施例4 比較例3 EPA:NBD EPA 60 50 90 0重量比 NBD 40 50 10 100 転化率[%] EPA 99.99 100.00 99.98 NBD 99.92 99.90 99.95 99.88 生成率[%] Ester1 0.01 0.01 0.03 Ester2 0.01 0.02 0.01 0.48 副生物 0.0 0.0 0.0 0.11
【0034】表中の語 EPA:2−エチル−2−ヘキセナール Ester1:2−エチルヘキサン酸−2−エチルヘキ
シル Ester2:酪酸ブチル NBD:n−ブチルアルデヒド 副生物:その他の副生物
【0035】
【発明の効果】本発明の方法に従い、炭素数2から5の
アルデヒドと該アルデヒドの重縮合物を特定の混合割合
で同一の反応系中に供給して、混合水素添加反応させる
ことにより、従来の単独水添反応に比べて、エステル及
び/又はエーテル副生物の生成を抑制することができ、
また、原料アルデヒドに対応するアルコールの生成率も
向上させることができる。更に、従来は各々のアルデヒ
ドについて合計2系列必要であった反応器を1系列に削
減できることから、本発明の工業的な利用価値は極めて
大きい。
フロントページの続き (72)発明者 江本 浩樹 岡山県倉敷市潮通三丁目10番地 三菱化学 株式会社水島事業所内 (72)発明者 安達 淳浩 岡山県倉敷市潮通三丁目10番地 三菱化学 株式会社水島事業所内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数2から5のアルデヒド及び該アル
    デヒドの重縮合物を95:5〜5:95の範囲の重量比
    で同一の反応系中に供給して、触媒の存在下、混合水素
    添加反応させ、各々のアルデヒドに対応するアルコール
    を同時に製造することを特徴とするアルコールの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 炭素数2から5のアルデヒドと該アルデ
    ヒドの重縮合物との重量比が10:1〜1:10の範囲
    である請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 炭素数2から5のアルデヒドと該アルデ
    ヒドの重縮合物との重量比が10:3〜3:10の範囲
    である請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 混合水素添加反応が気相で実施される請
    求項1から3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 アルデヒドの重縮合物がアルドール縮合
    による2量体である請求項1から4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 アルデヒドが炭素数4である請求項1か
    ら5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 アルデヒドがオレフィンのヒドロホルミ
    ル化により製造されたものである請求項1から6に記載
    の方法。
  8. 【請求項8】 2−エチル−2−ヘキセナールを触媒の
    存在下で気相水素添加反応させて2−エチルヘキサノー
    ルを製造するに際し、2−エチル−2−ヘキセナールと
    ブチルアルデヒドを95:5〜5:95の範囲の重量比
    で同時に反応系中に供給して混合気相水素添加反応をさ
    せ、2−エチルヘキサノールとブチルアルコールを同時
    に製造することを特徴とするアルコールの製造方法。
  9. 【請求項9】 2−エチル−2−ヘキセナールとブチル
    アルデヒドとの重量比が10:1〜1:10の範囲であ
    る請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 2−エチル−2−ヘキセナールとブチ
    ルアルデヒドとの重量比が10:3〜3:10の範囲で
    ある請求項8に記載の方法。
  11. 【請求項11】 ブチルアルデヒドがプロピレンのヒド
    ロホルミル化により製造されたものである請求項8から
    10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 炭素数4以下のオレフィンを触媒の存
    在下、水素及び一酸化炭素によりヒドロホルミル化して
    アルデヒドを取得し、該アルデヒドの一部をアルドール
    縮合により2量体とし、該アルデヒド及びアルドール縮
    合2量体を95:5〜5:95の範囲の重量比で同一の
    反応系中に供給して、触媒の存在下、混合気相水素添加
    反応させ、各々のアルデヒドに対応するアルコールを同
    時に製造し、分離装置により各々のアルコールを単離す
    ることを特徴とするアルコールの製造方法。
  13. 【請求項13】 アルデヒドとそのアルドール縮合2量
    体との重量比が10:1〜1:10の範囲である請求項
    12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 アルデヒドとそのアルドール縮合2量
    体との重量比が10:3〜3:10の範囲である請求項
    12に記載の方法。
  15. 【請求項15】 オレフィンがプロピレンであり、アル
    ドール縮合2量体が2−エチル−2−ヘキセナールであ
    る請求項12から14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 請求項12から15記載のいずれかの
    方法により製造されたアルコールとフタル酸又はフタル
    酸無水物とを反応させることを特徴とするフタル酸エス
    テルの製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項16記載の方法により得られた
    フタル酸エステルを含んでなる可塑剤。
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