JP2000220489A - エンジンの制御装置 - Google Patents

エンジンの制御装置

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JP2000220489A
JP2000220489A JP11018623A JP1862399A JP2000220489A JP 2000220489 A JP2000220489 A JP 2000220489A JP 11018623 A JP11018623 A JP 11018623A JP 1862399 A JP1862399 A JP 1862399A JP 2000220489 A JP2000220489 A JP 2000220489A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンの排気管集合部に単一のA/Fセンサ
を配設した多気筒エンジンにおいて、各気筒毎の個別空
燃比を算出(推定)することで、気筒毎に空燃比(燃料
噴射量等の運転パラメータ)等を制御するエンジンの制
御装置を提供する。 【解決手段】 単一の空燃比センサを備えた多気筒エン
ジンの制御装置において、前記制御装置は、前記空燃比
センサの出力信号に基づいて空燃比を算出する手段と、
該空燃比算出手段で算出した値を所定範囲の周波数成分
に分析する手段と、該分析された周波数成分に基づいて
気筒別の空燃比を推定する手段とを備えてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの制御装
置に関し、特に、エンジンの排気管に取り付けられた空
燃比センサの出力から気筒毎の空燃比を推定し、気筒毎
に空燃比(燃料噴射量等の運転パラメータ)等を制御す
るエンジンの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のエンジンにおいては、一般的に、
排気管途中に、該エンジンから排出される排気ガスを浄
化するために三元触媒が設けられている。このようなエ
ンジンでは、前記三元触媒を高い効率で作動させて、排
気ガスを効率よく浄化するために、エンジンから排出さ
れる排気ガスの成分を規制して、前記三元触媒の反応を
高効率浄化範囲に収めるための制御が必要とされてい
る。具体的には、エンジンに供給される空気と燃料の比
率を一定にすること、即ち、空燃比を理論空燃比(1
4.7)に制御することが必要である。従来の酸素濃度
センサは、理論空燃比に対して濃淡のみを検出するO2
センサを用い、該O2センサをエンジンの排気管に取り
付け、該センサの出力に基づいてエンジンの空燃比を理
論空燃比になるよう制御することで、触媒を通る排気ガ
スの成分を、排気浄化の観点から最適に保っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の多気
筒のエンジンにおいては、前記O2センサを、エンジン
の排気集合部に取り付ける方式が一般的であるが、該方
式では、排気集合部の排気ガスの成分が最適となるよう
に、燃料噴射量もしくは空気量を全気筒一律に補正する
ために、各気筒毎の空燃比は、必ずしも理論空燃比に制
御されているとは限らなかった。
【0004】そして、従来システムのエンジンは、燃料
噴射弁の経時変化、気筒間の空気分配偏差、燃料配管内
の圧力偏差等の要因によって、各気筒間の空燃比のばら
つきが拡大すると、排気管集合部での排気ガス成分のサ
イクル内変動が発生して、前記O2センサの振幅が大き
くなり、該振幅が三元触媒の高効率浄化範囲を逸脱する
場合には、排気ガス浄化の悪化の原因となっていた。こ
こでの1サイクルは、4ストロークのエンジンの場合に
は、吸気→圧縮→膨張→排気を1回ずつ行う期間、即ち
エンジンが2回転する期間を指している。エンジンの各
気筒毎にO2センサを取り付けて、個別に空燃比制御を
行うことで、本問題は解決するが、コストの面から現実
的な解決とは云えず、排気管集合部に単一のO2センサ
を取り付ける構成では、サイクル内変動が拡大した場合
の排気ガスの悪化は、避けられなかった。
【0005】また、本出願人は、先に、空燃比に対して
線形に出力するセンサ(以下、A/Fセンサと云う)を用
いて、該センサから得られる信号を周波数分析すること
で、エンジンの安定性の悪化や排気ガスの悪化の原因と
なる周期的ノイズを検出し、該ノイズと逆位相の補正を
かけることで、空燃比の変動を抑制し、エンジンの安定
性の確保や排気ガスの悪化を防ぐ手段を提案している
(特開平9−203339号公報参照)。しかし、該提
案の技術は、多気筒エンジンの各気筒の個別の空燃比に
対処できるものではなかった。
【0006】本発明は、前記の如き問題に鑑みてなされ
たものであって、その目的とするところは、エンジンの
排気管集合部に単一のA/Fセンサを配設した多気筒エン
ジンにおいて、各気筒毎の個別空燃比を算出(推定)す
ることで、気筒毎に空燃比(燃料噴射量等の運転パラメ
ータ)等を制御するエンジンの制御装置を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明のエンジンの制御装置は、基本的には、単一
の空燃比センサを排気管集合部に備えた多気筒エンジン
に適用するものであって、前記制御装置が、前記空燃比
センサの出力信号に基づいて空燃比を算出する手段と、
該空燃比算出手段で算出した値を所定範囲の周波数成分
に分析する手段と、該分析された周波数成分に基づいて
気筒別の空燃比を推定する手段とを備えたことを特徴し
ている。
【0008】そして、本発明のエンジンの制御装置の具
体的な態様は、該制御装置が、前記推定された気筒別空
燃比に基づいてエンジンの運転パラメータを制御する手
段を備え、前記周波数成分分析手段が、周波数成分から
パワースペクトルと位相スペクロルとを抽出し、前記気
筒別空燃比推定手段が、前記抽出されたパワースペクト
ル及び/又は位相スペクトルに基づいて気筒別の空燃比
を推定し、前記運転パラメータ制御手段が、吸入空気量
制御手段、燃料供給量制御手段、もしくは点火時期制御
手段であり、前記気筒別空燃比推定手段が、エンジンの
気筒別に、パワースペクトルと空燃比との関係に基づい
て気筒別の空燃比を推定することを特徴としている。
【0009】前述の如く構成された、本発明のエンジン
の制御装置は、多気筒エンジンの排気集合部、もしくは
少なくとも各気筒の排気ガスを検出可能な場所に取り付
けられた空燃比センサ(A/Fセンサ)の出力信号から各
気筒毎の空燃比を推定し、該気筒毎に空燃比を補正する
ことで、前記排気集合部におけるサイクル内の変動を抑
制して、排気ガスの悪化を防ぐことができる。
【0010】ここで、前記した本発明のエンジンの制御
装置の基本的な構成を、図1に基づいて説明する。空燃
比算出手段Aは、A/Fセンサの出力信号を入力してエン
ジン全体の空燃比を算出する。スペクトル検出手段(周
波数分析手段)Bでは、前記エンジン全体の空燃比の値
から所定範囲のスペクトルを分析してスペクトルの位相
とパワーとを算出する。気筒別空燃比算出手段Cでは、
前記得られた所定のスペクトルの位相とパワーとから気
筒毎の空燃比を推定する。空燃比補正手段Dと点火時期
補正手段Fでは、前記推定された各気筒毎の空燃比に基
づいて、各気筒毎の空燃比あるいは点火時期を、補正す
る制御を行い、排気ガスの悪化の低減、燃費向上、エン
ジンの安定性向上等を図る。
【0011】本発明は、空燃比に対してリニアな出力特
性を有するA/Fセンサを用い、該A/Fセンサをエンジンの
排気集合部に取り付けたことで、気筒間の空燃比ばらつ
きによって発生するサイクル内変動を検出することが可
能となった。図2は、気筒間に空燃比ばらつきがある場
合の排気集合部のA/Fセンサの出力信号であり、A/Fセン
サによってサイクル内変動が検出されていることが解
る。
【0012】また、本発明は、前記サイクル内変動を、
エンジン2回転を1周期としており、気筒間の空燃比ば
らつきが、集合部の排気ガスに与える変動に、再現性が
あることがわかる。図3は、前記A/Fセンサの出力信号
に対して、周波数分析(フーリエ変換)を行った結果の
パワースペクトルを示しているが、サイクル相当周波数
のパワーが際だって大きくなっていることがわかる。
【0013】図4は、気筒間に空燃比ばらつきがない場
合の排気集合部のA/Fセンサの出力信号を示したもので
ある。排気ガスにサイクル内変動が発生しておらず、該
出力信号が、触媒の高効率浄化範囲内に収まっているこ
とが解る。図5は、前記A/Fセンサの出力信号の周波数
分析の結果を示している。図3の如く気筒間の空燃比ば
らつきがある場合のスペクトルでは、サイクル相当周波
数のパワースペクトルが顕著であったのに対して、図5
では、該周波数のパワースペクトルがほとんど現れてい
ないことが解る。このように排気集合部でのサイクル変
動の有無が、特定の周波数のパワースペクトルで検出で
きる。
【0014】次に、このサイクル変動を引き起こしてい
る気筒の特定を行う手段について説明する。図6は、3
気筒で構成されるエンジンの排気集合部に取り付けたA/
Fセンサの出力信号である。3つのグラフのそれぞれ
は、3気筒のうち特定の一気筒のみ空燃比がばらついて
いるケースであり、最上部の○は、各気筒の噴射タイミ
ングを示している。横軸の位相は、3つのグラフとも同
じに合わせてある。3つのグラフから明らかなように、
ばらついている気筒によって、サイクル内変動の位相が
1/3サイクルずつシフトしている。即ち、各気筒の噴
射タイミングの位相差でサイクル変動の移送がシフトし
ていることが解る。
【0015】A/Fセンサの検出には、燃料噴射弁からA/F
センサまでの移送遅れ、センサ自身の遅れがあるため、
噴射タイミングとA/Fセンサの出力までには、遅れ時間
が存在するが、この遅れ時間が予め解っていれば、位相
からどの気筒がばらついているのかを特定することが可
能である。該位相の算出手段は、A/Fセンサの出力信号
を周波数分析し、1サイクル相当周波数成分の位相スペ
クトルを算出することで得ることができる。該算出した
周波数成分の位相スペクトルからばらついている気筒を
推定すると共に、パワースペクトルからばらつきの度合
いを推定することができる。
【0016】実際には、複数の気筒が任意にばらつくこ
とが有り得るが、その場合はサイクル内変動もサイクル
相当周波数だけでなく、N次周波数(N:整数)にも変動
成分が現れるので、サイクル相当周波数の1次成分だけ
でなく、N次成分のパワースペクトルおよび位相スペク
トルを検出することで、任意の気筒の空燃比ばらつきを
推定することが可能となる。また、空燃比のサイクル内
変動を抑制するには、サイクル相当周波数の1次成分か
らばらつきがもっとも大きい気筒を推定、補正し、次に
ばらつきの大きい気筒を推定、補正するといった、逐次
的補正手段で、サイクル変動を抑制することも可能であ
る。
【0017】前記手段で推定された各気筒の空燃比に基
づいて、各気筒毎の空燃比制御が可能となる。即ち、気
筒毎の燃料噴射量を独立に補正し、気筒間の空燃比ばら
つきを吸収する。その結果として三元触媒の高効率浄化
範囲を逸脱するようなサイクル変動が抑制され、排気ガ
スの悪化を防ぐことが可能となる。また、リーン空燃比
で燃焼を行う場合は、特定の気筒のみがリーン限界に達
することがなくなるため、リーン領域の拡大が図れ、燃
費も改善される。さらには気筒間の空燃比ばらつきがな
くなることで、ノック限界が拡大され、点火時期をより
進角側にして燃焼を行うことが可能となり、同様に燃費
の改善が期待できる。
【0018】
【発明の実施形態】以下、図面により本発明のエンジン
の制御装置の一実施形態について説明する。図7は、本
実施形態のエンジンの制御システムの全体構成を示した
ものであり、多気筒エンジンとして4気筒エンジンを例
として説明する。図7において、4気筒で構成されるエ
ンジン1は、外部からの空気を、エアクリーナ9を通過
させ、吸気マニホールド6aと吸気管6を経てシリンダ
1a内の燃焼室1b内に流入させる。
【0019】一方、ガソリン等の燃料は、前記吸気管6
に配設した燃料噴射弁7を介して噴射される。噴射され
た燃料は、吸気マニホールド6aからの空気と混合され
エンジン1の燃焼室1b内に流入して混合気を形成す
る。混合気は、点火プラグ8で発生される火花により爆
発し、その際発生するエネルギーがエンジンの動力源と
なり、爆発後の排気ガスは、排気マニホールド10を経
て三元触媒11に送り込まれ、該三元触媒11で、排気
ガスは、浄化され、外部へと排出される。
【0020】前記エンジン1に流入する空気の流入空気
量は、スロットル3の開度によって主に調節されるが、
エンジンのアイドル時には、バイパス用空気通路4に設
けられたISCバルブ5によって調節され、該調節によっ
てアイドル時のエンジン回転数が制御される。前記エア
クリーナ9の下流に配置されたエアフロセンサ2では、
流入空気量が検出され、クランク角センサ14では、ク
ランク軸の回転角1度毎に信号が出力され、水温センサ
13では、エンジン1の冷却水温度を検出する。
【0021】エアフロセンサ2、スロットル3に取り付
けられた開度センサ16、クランク角センサ14、水温
センサ13のそれぞれの信号は、コントロールユニット
15に送られると共に、前記排気マニホールド10の装
着されているA/Fセンサ12の出力信号もコントロール
ユニット15に入力されている。前記A/Fセンサ12
は、前記排気マニホールド10の排気管集合部に取り付
けられており、排気中に含まれる酸素濃度に対して線形
の出力特性を持っている。排気中の酸素濃度と空燃比の
関係は、ほぼ線形になっているので、酸素濃度を検出す
るA/Fセンサ12により空燃比を求めることが可能とな
る。
【0022】前記コントロールユニット15は、前記各
種のセンサからの信号を入力して、該各信号に基づいて
エンジンの運転状態を算出し、燃料の基本噴射量、点火
時期の主要な操作量等を演算する。コントロールユニッ
ト15内で演算された燃料噴射量は、前記燃料噴射弁7
の開弁パルス信号に変換され、燃料噴射弁7に送られる
と共に、前記コントロールユニット15で演算された点
火時期も、出力信号として点火プラグ8に送られる。
【0023】また、前記コントロールユニット15で
は、前記A/Fセンサ12の信号から空燃比を算出し、空
燃比に従いエンジン1の燃焼室1b内の混合気の空燃比
が目標空燃比となるよう前述の基本噴射量に逐次補正す
るF/B制御を行う。図8は、4気筒エンジンのエンジン
システムとコントロールユニット内での空燃比制御の制
御ブロック図である。図8に基づいてエンジン制御装置
における気筒別の空燃比推定とその空燃比補正について
説明する。
【0024】図8において、エアフロセンサ2は、空気
量を検出し、スロットル3は、空気量を調節し、クラン
ク角センサ14は、クランク角の回転角度1度毎の信号
を出力し、流入空気は、吸気マニホールド6aを経てコ
レクタ6bに滞留し、その後、各気筒の各燃料噴射弁
7、7・・・から噴射される燃料と混合され、各気筒の各
エンジンシリンダ1aの燃焼室内1bで燃焼することで
トルクを発生する。燃焼後の排気ガスは、各気筒毎に排
気マニホールド10に排出され、排気集合部を経て、触
媒11で浄化された後、外部へと放出される。排気集合
部には、前述のA/Fセンサ12が取り付けられており、
排気ガス中の酸素濃度を検出する。
【0025】コントロールユニット(制御装置)15の
内部では、エアフロセンサ2の出力値をA/D変換し、そ
の値から空気量演算手段57で空気量が演算され、クラ
ンク角センサ14の信号も同様にA/D変換され、回転数
演算手段56で回転数が演算される。該空気量と回転数
とから基本燃料噴射量演算手段58で基本燃料噴射量が
演算される。また、A/Fセンサ12の出力も適宜A/D変換
されて空燃比算出手段51で空燃比RABFが演算されると
共に、F/B制御手段55で、目標空燃比との対比に基
づいてF/B制御補正項が演算され、前記基本燃料噴射量
演算手段58で求めた基本燃料噴射量に反映される。
【0026】本実施形態においては、エンジンの気筒別
の空燃比推定値は、前記演算した空燃比RABFに対して周
波数分析(FFT)処理を行うことで、2回転相当周波数
およびそのN(整数)次成分のパワースペクトルおよび
位相スペクトルから気筒毎のばらつきを推定するもので
あって、前記空燃比演算手段51で演算した空燃比RA
BFを、周波数分析手段52で分析し、気筒別空燃比推
定手段53で前記分析に基づいて各気筒別の空燃比を推
定し、補正項演算手段54で、前記推定した各気筒別の
空燃比に基づいて目標空燃比との対比で補正項を演算す
る、即ち、気筒毎のばらつきから前記周波数のパワース
ペクトルが小さくなるように、つまり排気集合部のサイ
クル内変動を抑制するように各気筒毎に補正項を演算
し、前記別途演算された基本燃料噴射量演算手段58で
演算した基本燃料噴射量に反映する。
【0027】次に、本実施形態のエンジンの制御装置の
前記気筒別空燃比の推定、補正項の演算、及び燃料噴射
量の演算の詳細について説明する。図9は、A/Fセンサ
12のA/D変換周期を示したものである。気筒別空燃比
の推定は、2回転周波数およびそのN次成分を検出する
ので、精度を考慮してA/D変換周期は、エンジン1が2
回転する間に8回(エンジンの1/4回転毎)行うこと
とする。
【0028】図10と図11は、A/D変換の制御フロー
チャートを示している。ANGCNTは、1/4回転毎にイン
クリメントされるカウンタで2回転毎に1にリセットさ
れる。ステップ101〜103の処理がそれに該当す
る。ステップ104,105の処理は、1サイクル間に
8ポイントのサンプリング終了したことを表すフラグFC
MPADの初期化を行っている。
【0029】次に、A/D変換を許可する条件としては、
運転状態が比較的安定している領域、2回転成分のS/N
比が良い領域、A/Fセンサ12の応答性が十分に確保で
きる領域等を条件として選択している。具体的には、ス
テップ106で空気量の変化率、ステップ107で回転
数の変化率、ステップ108で空気量、ステップ109
で回転数、ステップ110で水温の条件を判定してい
る。図11のステップ111では、前記A/D変換の許可
条件がすべて成立すれば、A/D変換許可フラグFADABF=1
とする。ステップ112では、前記許可条件が、ひとつ
でも成立していなければ、A/D変換許可フラグFADABF=0
としてA/D変換処理を行わず、本タスクを終了する。
【0030】図11のステップ111で、A/D変換許可
フラグをFADABF=1としたときは、A/Fセンサ12の出力
のA/D変換を許可するが、8ポイントのサンプリングは
同一のサイクル内で行う必要があるため、ステップ11
3〜118の処理を用意している。具体的には、A/D変
換許可フラグFADABF=1が8回、すなわち1サイクル間連
続して成立したときのみステップ113〜115で、順
次、A/D変換を行う。1サイクル間にA/D変換された8つ
のA/Fセンサ出力値は、それぞれ時系列順にRABF(1)、RA
BF(2)・・・RABF(8)としてメモリーに記憶する。
【0031】ステップ116で、8つのサンプリングが
終了したかを判定し、ステップ117で、次に行うFFT
処理のためのバッファに8つの値を格納し、ステップ1
18でサンプリング完了を意味するフラグFCMPAD=1とす
る。次に、前記8ポイントでサンプリングされたRABF
(n)に対してサイクル周波数相当成分の抽出、及び燃料
噴射量の補正係数の演算を行う処理について説明する。
図12と図13は、前記周波数相当成分を抽出する処理
の制御フローチャートを示している。演算周期は、1サ
イクル毎とする。ただしA/Fセンサ12の出力の8ポイ
ントのサンプリングが完了している時、即ち、FCMPAD=1
のとき本処理は行うものとし、この処理をステップ12
1で行う。
【0032】ステップ122では、サンプリングされた
RABF(1)、RABF(2)・・・RABF(8)からFFT(Fast Fourier
Transform)を用いて、1サイクル周波数相当成分の演算
行う。ステップ123では、前記ステップ122で得ら
れるパワースペクトル、位相スペクトルを、それぞれPO
WER1、PHASE1とする。次にRABF(1)、RABF(2)・・・RABF
(8)を用いて1サイクル相当周波数2次成分を演算し、
得られるパワースペクトル、位相スペクトルをそれぞれ
POWER2、PHASE2とする。ここで位相スペクトルMPHA1、M
PHA2は-180〜180あるいは0〜360の範囲で値をとる。
【0033】ステップ124では、POWER1、PHASE1のそ
れぞれの移動平均MPOW1、MPHA1を演算する。これは推定
精度をあげるために複数のサイクルの結果を用いるため
である。同様に、ステップ125では、POWER2、PHASE
2のそれぞれの移動平均MPOW2、MPHA2を演算する。ステ
ップ126では、移動平均演算を行った回数NCALの演算
行う。ステップ127では、NCAL≧NCALMAXの判定を行
い、真であるならば、ステップ128へと進み、MPOW1
≧THMP1の判定を行う。これは、排気集合部のサイクル
内変動が、排気悪化の原因となりうる程度であるか否か
を判定しており、THMP1は、エンジン1及び触媒11の
性能に合わせて、経験的に決定するのが好ましい。
【0034】ステップ128の条件判定が真の場合に
は、図13のステップ131に進み、1サイクル相当周
波数成分の位相スペクトルMPHA1から、1サイクル相当
周波数の変動の要因となっている気筒HOSCYL1の特定を
行う。気筒HOSCYL1の具体的な演算手段については、後
述(図14等)する。気筒HOSCYL1を演算後、又はステ
ップ128の条件判定がNOの場合、ステップ132で、
1サイクル相当周波数2次成分の位相スペクトルMPHA2
から、1サイクル相当2次周波数の変動の要因となって
いる気筒HOSCYL2の特定を行う。該気筒HOSCYL2の具体的
な演算手段は後述(図15等)する。
【0035】ステップ133では、1サイクル相当周波
数の変動を抑制するために補正すべき気筒を示すHOSCYL
1と、該周波数のパワースペクトルMPOW1から各気筒の燃
料噴射量の補正係数INJHOSA1、INJHOSA2、INJHOSA3、IN
JHOSA4とを演算する。更に、ステップ134では、1サ
イクル相当2次周波数の変動を抑制するために補正すべ
き気筒を示すHOSCYL2と、該周波数のパワースペクトルM
POW2から気筒毎の燃料噴射量補正係数INJHOSB1、INJHOS
B2、INJHOSB3、INJHOSB4とを演算する。
【0036】図14の制御フローチャートは、1サイク
ル相当周波数の変動の要因となっている気筒HOSCYL1の
具体的な演算手段を示している。位相スペクトルMPHA1
がRPHA1〜RPHA4で区切られる4つの領域のどこに含まれ
るかでHOSCYL1を特定する。位相の範囲から気筒を特定
する原理の詳細は“課題を解決する手段”の項で既述し
ているのでここでは省く。HOSCYL1の値は、補正すべき
気筒番号を示しており、領域を区切るRPHA1〜RPHA4の値
は、排気の移送遅れ、センサの遅れによって決まる値で
経験的に決定される。
【0037】図15の制御フローチャートは、1サイク
ル相当2次周波数の変動を抑制するために補正すべき気
筒を示すHOSCYL2の具体的な演算手段を示しており、1
サイクル相当周波数の変動の要因となっている気筒HOSC
YL1と同様に、MPHA2の値がRPHB1〜RPHB4で区切られる4
つの領域のどこに含まれるかで、SCYL2の値が決まる。R
PHB1〜RPHB4の値もエンジンの特性から経験的に決定す
るのが好ましい。
【0038】図16の制御フローチャートは、1サイク
ル相当周波数の変動を抑制するための気筒毎の燃料噴射
量補正係数INJHOSA1〜INJHOSA4の具体的な演算手段を
示している。ステップ161では、燃料噴射量補正係数
INJHOSA1〜INJHOSA4と周波数のパワースペクトルMPOW1
との関係を示す係数GHOSA1〜GHOSA4の初期化を行ってい
る。ステップ162〜168までの処理は、補正すべき
気筒番号を示すHOSCYLの値から前記係数GHOSAnの値を演
算しており、例えばHOSCYL=1のときは、係数GHOSA1=GIN
JA1とし、それ以外のGHOSA2〜GHOSA4の値は0である。
気筒毎に係数GHOSAnの値が異なるのは、排気管の形状、
A/Fセンサ12の取り付け位置によって該センサ12で
検出される気筒毎の空燃比の感度が異なるためである。
演算された係数GHOSAnとMPOW1からステップ169で
は、気筒毎の燃料噴射量補正係数INJHOSA1〜INJHOSA4を
演算する。
【0039】図17は、1サイクル相当2次周波数の変
動を抑制するための気筒毎の燃料噴射量補正係数INJHOS
B1〜INJHOSB4の具体的演算手段を示しており、ステップ
172〜178では、前記気筒毎の燃料噴射量補正係数
INJHOSA1〜INJHOSA4の演算手段と同様に、HOSCYL2からG
HOSBnを演算し、ステップ179で、MPOW2に乗じること
でINJHOSB1〜INJHOB4を得る。
【0040】図18は、以上のようにして得られた気筒
毎の燃料噴射量補正係数を基本燃料噴射量に反映処理す
るための制御フローチャートであり、処理周期は、噴射
周期と同じREF(1/2回転)毎とする。ステップ18
1において、基本噴射パルス幅TIn(nは、気筒番号を示
し、TInは、n番気筒の噴射量を示す)は、エアフロセン
サ17で検出される空気量に比例し、クランク角センサ
28の出力信号から演算されるエンジン回転数に反比例
するように演算されるものである。気筒毎の最終噴射パ
ルス幅TIFnは、基本噴射パルス幅TInに、それぞれに気
筒毎の燃料噴射量補正係数INJHOSAn,INJHOSBnを加える
ことで得られる。
【0041】以上の処理を反復して行うことで、排気集
合部における空燃比のサイクル内変動を抑制することが
可能となる。また、前記MPOW1、MPOW2、HOSCYL1、HOSCY
L2の値から気筒毎の点火時期を制御することで、エンジ
ン1の安定性、あるいは燃費を向上を図ることも可能で
ある。以上、本発明の一実施形態について詳述したが、
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、特
許請求の範囲に記載された発明の精神を逸脱することな
しに、設計において種々の変更ができるものである。
【0042】
【発明の効果】以上に記載から理解されるように、本発
明のエンジンの制御装置は、排気集合部でのA/Fセンサ
等の空燃比検出手段の信号を利用して、気筒別の空燃比
を推定し、気筒毎に空燃比を制御するので、気筒間の空
燃比のばらつきにより発生する触媒の高効率浄化範囲を
逸脱する空燃比のサイクル内変動を抑制し、排気ガスの
浄化性能の向上を確実に得ることができる。また、気筒
間の空燃比ばらつきが無くなることで、リーン限界およ
びノック限界の拡大が図れるので、燃費の向上も確実に
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多気筒エンジンの制御装置の基本的な
制御ブロック図。
【図2】エンジンの排気管集合部に配置されたA/Fセン
サの出力信号の一例を示す図(気筒間の空燃比ばらつき
がある場合)。
【図3】図2のA/Fセンサの出力信号を周波数分析した
状態を示す図。
【図4】エンジンの排気管集合部に配置されたA/Fセン
サの出力信号の他の例を示す図(気筒間の空燃比ばらつ
きがない場合)。
【図5】図4のA/Fセンサの出力信号を周波数分析した
状態を示す図。
【図6】三気筒エンジンの排気集合部でのサイクル内変
動の位相とばらついている気筒との関係を示した図。
【図7】本発明のエンジンの制御装置の一実施形態のエ
ンジンシステムの全体構成図。
【図8】図7のエンジンの制御装置(コントロールユニ
ット)内の処理を示す制御ブロック図。
【図9】図8のエンジンの制御装置のA/Fセンサ出力値
をA/D変換するタイミングを示す図。
【図10】図8のエンジンの制御装置のA/Fセンサの出
力信号をA/D変換処理する制御フローチャート(前
半)。
【図11】図8のエンジンの制御装置のA/Fセンサの出
力信号をA/D変換処理する制御フローチャート(後
半)。
【図12】図8のエンジンの制御装置のA/Fセンサの出
力信号を周波数分析処理する制御フローチャート(前
半)。
【図13】図8のエンジンの制御装置のA/Fセンサの出
力信号を周波数分析処理する制御フローチャート(後
半)。
【図14】図8のエンジンの制御装置の1サイクル相当
周波数の位相スペクトルから空燃比の補正を行う気筒を
特定する制御フローチャート。
【図15】図8のエンジンの制御装置の1サイクル相当
周波数の位相スペクトルから空燃比の補正を行う気筒を
特定する制御フローチャート。
【図16】図8のエンジンの制御装置の1サイクル相当
周波数の変動を抑制する気筒毎の燃料噴射量補正係数IN
JHOSAnの演算処理を行う制御フローチャート。
【図17】図8のエンジンの制御装置の1サイクル相当
の2次周波数の変動を抑制する気筒毎の燃料噴射量補正
係数INJHOSAnの演算処理を行う制御フローチャート。
【図18】図8のエンジンの制御装置の気筒毎の最終噴
射パルス幅の演算処理を行う制御フローチャート。
【符号の説明】
1 エンジン 2 エアフロセンサ 3 スロットル 4 ISC用バイパスバルブ 5 ISCバルブ 6 吸気マニホールド 7 燃料噴射弁 8 点火プラグ 9 エアクリーナ 10 吸気バルブ 11 触媒 12 A/Fセンサ 13 水温センサ 14 エンジン回転数 15 コントロールユニット 16 スロットル開度センサ 51 空燃比算出手段 52 周波数分析手段 53 気筒別空燃比推定手段 54 補正項演算手段 55 F/B制御手段 56 回転数演算手段 57 空気量演算手段 58 基本燃料噴射量演算手段 59 気筒別燃料噴射量演算手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高久 豊 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内 (72)発明者 大須賀 稔 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 Fターム(参考) 3G084 AA03 BA05 BA06 BA09 BA13 BA17 DA23 DA25 EA00 EB11 FA07 FA10 FA20 FA29 FA33 FA38 3G301 HA01 HA06 JA02 JA05 LA00 LA01 LA04 MA01 MA12 NB02 ND01 PA01Z PA11Z PD04A PD04Z PE01Z PE03Z PE08Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単一の空燃比センサを備えた多気筒エン
    ジンの制御装置において、 前記制御装置は、前記空燃比センサの出力信号に基づい
    て空燃比を算出する手段と、該空燃比算出手段で算出し
    た値を所定範囲の周波数成分に分析する手段と、該分析
    した周波数成分に基づいて気筒別の空燃比を推定する手
    段とを備えたことを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制御装置は、前記推定された気筒別
    空燃比に基づいてエンジンの運転パラメータを制御する
    手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載のエ
    ンジンの制御装置。
  3. 【請求項3】 前記周波数成分分析手段は、周波数成分
    からパワースペクトルと位相スペクロルとを抽出し、前
    記気筒別空燃比推定手段は、前記抽出されたパワースペ
    クトル及び/又はと位相スペクトルに基づいて気筒別の
    空燃比を推定することを特徴とする請求項1又は2に記
    載のエンジンの制御装置。
  4. 【請求項4】 前記運転パラメータ制御手段は、吸入空
    気量制御手段、燃料供給量制御手段、もしくは点火時期
    制御手段であることを特徴する請求項2又は3に記載の
    エンジンの制御装置。
  5. 【請求項5】 前記気筒別空燃比推定手段は、エンジン
    の気筒別に、パワースペクトルと空燃比との関係に基づ
    いて気筒別の空燃比を推定することを特徴とする請求項
    1乃至4のいずれか一項に記載のエンジンの制御装置。
  6. 【請求項6】 前記請求項1乃至5のいずれか一項に記
    載のエンジンの制御装置を備えたことを特徴とする自動
    車。
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