JP2000224820A - 永久磁石式発電機を持ったディスケット - Google Patents

永久磁石式発電機を持ったディスケット

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JP2000224820A
JP2000224820A JP11202409A JP20240999A JP2000224820A JP 2000224820 A JP2000224820 A JP 2000224820A JP 11202409 A JP11202409 A JP 11202409A JP 20240999 A JP20240999 A JP 20240999A JP 2000224820 A JP2000224820 A JP 2000224820A
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permanent magnet
diskette
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rotor
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Masahiro Masuzawa
正宏 増澤
Fumio Kimura
文雄 木村
Toshiko Takahashi
俊子 高橋
Masahiro Mita
正裕 三田
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Proterial Ltd
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Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 永久磁石式発電機とメモリーカードを挿入す
るためのスペースとを隣り合って持っている3.5″フ
ロッピーディスク型などのディスケットで、発電機永久
磁石から外部への磁束漏洩を実質的になくす。 【解決手段】 回転子永久磁石を持った発電機2とメモ
リーカードを挿入するためのスペースとを隣り合って有
しているディスケット1であって、ディスケットケース
の発電機側の裏板12に回転子が位置するような開孔1
21をその中央に開けている。回転子永久磁石212の
上側端面には永久磁石の外径と実質的に同じであるか、
またはそれよりも大きくした磁気シールドリング板24
1を貼り付け、この磁気シールドリング板241と裏板
12の高さを殆ど同じにしている。この構造とすること
で、発電機とディスケットケースの間に余分なスペース
をなくして薄くできると共に外部への磁束漏洩を実質的
になくすことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は永久磁石式発電機に
関し、特にフロッピーディスクドライブに挿入取り付け
られるディスケットに組み込むことができるとともに、
そのディスケットにICカードなどメモリーを組み込ん
だときに、そのメモリーの入出力電源とすることのでき
る永久磁石式発電機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】個人の健康診断結果などの情報をICカ
ードに蓄積しておき、そのICカードを持って医療機関
などを訪れたときに、ICカードに入っている情報を基
にして医療を行うことができ、また医療を施したときの
カルテの内容をICカードに保管することができる。ま
た、電子マネーとしてICカードを使うことも検討され
ている。すなわち、ICカードに使用する人の銀行口
座、暗証番号、必要により口座の残高を記憶させてお
き、お金を使うたびにICカードを経由して銀行口座と
の通信決済を行うというものである。
【0003】またデジタルカメラの撮像情報は比較的情
報量が多いので、容量の大きいフラッシュメモリーに保
管することが提案されている。フラッシュメモリーは数
メガバイトから10メガバイトの容量を持っているので
デジタルカメラの撮像情報をフラッシュメモリーに保管
しておき、そのフラッシュメモリーをパソコンに接続す
ることによって、パソコンで処理を行うことができ、そ
の結果をフラッシュメモリーに蓄積することでMOのよ
うな追加の外部記憶装置を必要としないというものであ
る。
【0004】これらのICカードにしてもフラッシュメ
モリーにしても、それらの入出力装置として独自の機器
が必要であり、この必要性のために普及が妨げられてい
る。コンピュータ、特に広く用いられているパソコンの
入出力装置としてはフロッピーディスクドライブ特に
3.5″フロッピーディスクドライブが一般的である。
3.5″フロッピーディスクドライブを用いて、ICカ
ードやフラッシュメモリーなどのメモリーカードの入出
力が行なえると普及にはずみが付くものと考えられる。
3.5″フロッピーディスクドライブを用いてICカー
ドやフラッシュメモリーなどのメモリーカード(以下、
メモリーカードと言う。)入出力を行うことも考えられ
ており、3.5″フロッピーディスクドライブに挿入組
み込むことのできるアダプターも提案されている。しか
し、3.5″フロッピーディスクドライブはそれに挿入
する3.5″ディスケット(通常の3.5″フロッピー
ディスケット)との間には情報の入出力用の磁気ヘッド
と、フロッピーディスクを300rpmで回転させるた
めの駆動シャフトは付いているが、給電端子は付いてい
ない。そこで、ディスケット形状をしたアダプターに組
み込まれているCPUの電源として、ボタン型の電池を
アダプター内に組み込んで使われている。電池は使用す
るのに伴い消耗するので、長くとも数ヶ月毎にその取替
えが必要である。
【0005】そこで、このディスケット内に発電機を組
み込んでおき、3.5″フロッピーディスクドライブの
駆動シャフトの回転を用いてその発電機を働かすことが
できれば、極めて有用なものとなり、メモリーカードな
どが広く利用されるようになるものと考えられる。事
実、発電機を3.5″ディスケット内に組み込むことは
既に提案されており、日本の特許公報特公平7-86912 号
やPCTの国際公表公報特表平7-500238号に記載されて
いる。
【0006】特公平7-86912 号公報には、3.5″ディ
スケット内に発電機を組み込むことと、その発電機は回
転子と固定子とレギュレータを持つと示されているが、
その詳しい構成は示されていない。また、特表平7-5002
38号公報には、3.5″ディスケットに組み込まれた発
電機としてはボスとともに回転する永久磁石が付けられ
ていて、この永久磁石の付いたボスはフロッピーディス
クドライブの駆動シャフトによって回転させられること
が示されている。またこの永久磁石は円筒形をしてお
り、円筒端面に多数の磁極があるように回転軸方向に磁
化されている。固定子ヨークの磁極はこの円筒形永久磁
石を挟むように配置されていて、円筒形永久磁石の両側
の固定子ヨークの間に固定子コイルが設けられている。
また、この円筒形永久磁石の円周面に磁極を設けた例も
示されていて、その場合固定子ヨークの磁極はクローポ
ール型をしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、これらの
公報では、3.5″ディスケットに永久磁石式発電機を
組み込むことを述べているが、それに使用するのに適し
た永久磁石の材質、詳細な回転子の構造、固定子の詳細
な構造については述べていないので、いかなる出力を得
られるようになったのか不明である。
【0008】特表平7-500238号公報に開示されているよ
うな3.5″フロッピーディスケットに組み込むことの
できる大きさをした永久磁石式発電機で、その円筒形を
した回転子永久磁石で円筒端面に多数の磁極を持つよう
に回転軸方向に磁化されているものを考えてみる。この
場合、円筒端面の両側に小さな磁気空隙を介して固定子
磁極が配置されている。発電機に許される厚さは2.0
〜2.5mmなので永久磁石の厚みとしては0.5〜
0.8mmしか許されない。このように磁極間寸法の短
い磁石では保磁力の大きなものを使っても起磁力の小さ
なものとなってしまう。また、磁石の厚さを大として起
磁力を大きくした場合、固定子磁極に許される厚さが薄
くなって磁束を十分に通すことができなくなってしま
う。
【0009】また、同公報に示されている円筒状永久磁
石の円周面に磁極を設けて、それに対向する固定子ヨー
クをクローポール型とした永久磁石式発電機の場合、ク
ローポールの両磁極の端部ヨークが発電機に許された
2.0〜2.5mmの厚さのなかで対向して設けられ
て、その両端ヨークの間の永久磁石外側に固定子巻線を
施すことになる。固定子巻線に許される長さは永久磁石
厚みよりも少し長い1mm以下であり、十分な巻線数を
入れることができないために、出力電圧の低いものとな
る。
【0010】また、発電機の出力をできるだけ大きくし
て、歪みのないものとするには、円筒型永久磁石の円周
面の磁極が等角間隔で配置されているとともに、固定子
ヨークの磁極数を回転子永久磁石の磁極数と同じにし
て、固定子磁極が永久磁石磁極と対向するようにしてお
く必要があると考えられる。
【0011】ディスケットをICカードなど磁気ストラ
イプを持ったメモリーカードとの間で情報の入出力装置
とするには、カードを入れるためのスペースをディスケ
ットに設ける必要がある。メモリーカードの大きさは通
常長さ85mm、幅54mm、厚さ0.8mmであり、
この厚さはエンボスを無視した厚さなので実際はもう少
し厚くなる。このメモリーカードを入れるスペースと永
久磁石式発電機をディスケット内に設けると、それらが
重なるので、3.5″ディスケットの厚さ3.5mmの
なかで、両面のカバーの厚さ0.2mmが2枚とする
と、メモリーカードの厚さが0.8mmで、それの出し
入れするための余裕を持たせると、発電機の厚さは2.
0mm以下とする必要がある。
【0012】この永久磁石式発電機を持ったディスケッ
トを本出願人は、既に特願平10-224051 号として出願し
ている。この出願しているディスケットを図8に示す。
図のディスケット5はその中央にあるボス611の周り
に永久磁石式発電機6が組み込まれており、外周面に磁
極を持った円環状の永久磁石612がボスとともに回転
できるようになっている。発電機の固定子62は、回転
子61の永久磁石612の外周で、永久磁石612の外
周面の磁極との間に磁気空隙を持って設けられており、
ディスケット内部に取り付けられている。ディスケット
5は、メモリーカードの入出力装置として使われるもの
なので、メモリーカードを挿入するためのスペース55
があり、またメモリーカードとの間で情報をやり取りす
るためのカードコンタクト端子56が設けられている。
このディスケットとフロッピーディスクドライブの磁気
ヘッドとの間で情報のやり取りをするための入出力ター
ミナル57が、磁気ヘッドが入り込むために開けられた
開口53のところに設けられている。入出力ターミナル
57とカードコンタクト端子56の間で情報を処理する
ために必要によりCPU58が設けられている。永久磁
石式発電機6はCPU58の駆動およびカードコンタク
ト端子56などの駆動用電源として用いられる。駆動用
電源として、発電機の出力がディスケット内の安定化電
源回路59を経由するのが通常である。
【0013】ディスケット5は3.5″フロッピーディ
スクと同じ形状をしているので、通常フロッピーディス
クと一緒に取り扱われる。永久磁石式発電機を持ったデ
ィスケットはそのディスケットケースの一方の端板の近
くに永久磁石式発電機が設けられているので、その永久
磁石からの磁束が端板を通って外部に漏洩して一緒に取
り扱われている他のフロッピーディスクに悪影響を及ぼ
すことがある。
【0014】そこで、端板の一方である裏板52を磁気
シールド板で構成しておき、その中央の開孔521の大
きさをボス611だけがそこから突出する大きさにして
いる。永久磁石612と固定子62はすべて裏板52で
覆われるようにして、磁束の漏洩を防ぐようにしてい
る。また永久磁石612の磁束がメモリーカードのスペ
ースに漏洩して、メモリーカード情報に悪影響を及ぼす
ことを防ぐために発電機のハウジング63を磁気シール
ド板で作ることも既に提案している。
【0015】ところが、磁気シールド板で作った裏板5
2が回転子永久磁石612の一方側面全体を覆うような
構造としていると、永久磁石612の磁極から出て固定
子磁極に導かれるべき磁束の一部が、永久磁石外周端部
に近いところにある裏板52側に漏洩して、発電機出力
が低下することがあった。また、裏板52は固定されて
いて、それに対して回転子永久磁石612が回転するの
で、両者の接触を避けるためにもその間にある程度の間
隙が必要となっていた。これらの理由のために裏板52
と永久磁石612の間に、両者が重ならないように少な
くとも0.2〜0.3mmの厚さ方向の空隙を必要とし
ていた。発電機の厚さとして許されるのは上に述べたよ
うに2.0mm以下なので、そのなかで0.2〜0.3
mmの空隙を設けることは、永久磁石の厚さを更に薄く
する必要性に通じるので、避けなければならないことで
ある。
【0016】そこで本発明では、組み込んでいる発電機
永久磁石からの漏洩磁束を実質的に無くして発電機出力
を保持するとともに、発電機の厚さを薄くすることので
きる構造とした永久磁石式発電機を持ったディスケット
を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の永久磁石式発電
機を持ったディスケットは、円周面上に並んだ複数の磁
極を持ち、ボスとともに回転することのできる円環状永
久磁石と、この円環状永久磁石の一方の端面に貼り付け
られ、その外径が円環状永久磁石と実質的に同じである
か、またはそれよりも大きくした磁気シールドリング板
とを持っている回転子と、前記円環状永久磁石の磁極と
磁気空隙を介して対向している固定子とを有している永
久磁石式発電機を内部に有し、ディスケットケースの一
方の端板の略中央に開孔があり、その開孔内に円環状永
久磁石の前記磁気シールドリング板が位置しているとと
もに、この磁気シールドリング板と前記端板の高さが実
質的に同じであることを特徴とするものである。
【0018】これにより、ディスケットケースの端板と
磁気シールドリング板が厚さ方向に干渉することなく、
ほぼ同一面を形成して回転子永久磁石を覆うことができ
る。よって、無駄な空隙を設けることなく、外部漏洩磁
束を低減して高い発電出力を維持したディスケットを提
供できる。
【0019】また、このディスケットに挿入されるIC
カード等の磁気ストライプの保磁力には強弱があるの
で、例えば保磁力が低いカードをディスケットの上に載
せてしまったときには情報が消えてしまうことがある。
このような場合に備えてカードの種類に関係なく磁気シ
ールド効果を強化する必要がある。これについて本発明
では、磁気空隙とこれを覆う量、またシールド板の厚さ
及び材質によって調整することができることを見出し
た。まずは磁気シールドリング板を円環状永久磁石の外
径よりも大きくして、永久磁石よりも突出させて覆うこ
とが効果的である。その突出量は少なくとも磁気空隙部
分を覆うもので0.1〜1.0mm程度と考えられる
が、実際のところ磁気空隙間隔の2倍程度の長さを目安
として0.3〜0.6mmの範囲で選択することが望ま
しい。次に、磁気シールドリング板の厚さを考慮するこ
とが考えられ、これについては厚いほど良好であるが、
現実的には0.1〜0.5mmの範囲が選択される。し
かし、ディスケット全体の厚さを薄くすることがより優
先される場合は0.1〜0.3mmがより望ましい。さ
らに磁気シールドリング板の材質も加味しなければなら
ない。これはその透磁率が高いものほど好ましいのであ
るが、コストや加工のし易さ等を考慮する必要があり、
上記突出量や厚さを適宜バランスをとるにしても少なく
ともその透磁率は50以上の材料であることが必要であ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下図面を参照しながら、本発明
の永久磁石式発電機を持ったディスケットについて詳細
に説明する。図1は本発明の永久磁石式発電機を持った
ディスケットで、図1(a)はディスケットの平面図
(底面図)、図1(b)は図1(a)の1B-1B 断面図、
図1(c)は図1(b)の部分拡大図を示す。図2は本
発明の永久磁石式発電機を持ったディスケットの分解斜
視図である。図3はそこに組み込まれている永久磁石式
発電機の平面図である。図4に図3の4A-4A 断面を
(a)に、4B-4B 断面を(b) に示している。
【0021】本発明の実施例である永久磁石式発電機を
組み込んだディスケットの構造を説明する。ここでは最
も広く用いられている3.5″フロッピーディスクドラ
イブに取り付けられる構造をしたディスケットを用いて
説明するが、それ以外のサイズあるいは構造をしたディ
スケットについても応用できることは以下の説明から明
らかとなるであろう。3.5″ディスケット(通常、
3.5″フロッピーディスクと呼ばれているもの)1
は、図1(a)に平面図(底面図)で示している構造を
しており、その大きさは長さ94mm、幅90mm、厚
さが3.5mmのケースとなっている。図でディスケッ
トケースは、その両面に端板となる表板11と裏板12
を貼り付けてできており、裏板12は中央にボス211
が外に臨むように開孔121を持った薄板で作られてい
る。ケースの一端には入出力用の磁気ヘッドが入り込む
ための開口13があり、ケースの略中央部にフロッピー
ディスクドライブの駆動シャフトの回転を伝えられるよ
うになっているボス211がある。フロッピーディスク
の場合、このボスと同軸にフロッピーディスクが取り付
けられており、回転できるようになっている。
【0022】本発明の永久磁石式発電機を組み込んだデ
ィスケット1の実施例においては、ディスケット1の中
央のボス211の周りに永久磁石式発電機2が組み込ま
れており、発電機2の回転子21はそのボス211と、
このボス211の外周に取り付けられ、ともに回転でき
るように外周面に磁極を持った円環状の永久磁石212
で構成されている。発電機の固定子22は、回転子永久
磁石212の外周に、永久磁石212の外周面の磁極と
の間に実質的に同じ大きさの磁気空隙を持って設けら
れ、ディスケット内部に取り付けられている。
【0023】図に示しているディスケット1は、ICカ
ードあるいは磁気ストライプを有するICカード(以下
「メモリーカード」と呼ぶ)の入出力装置として使われ
るものなので、メモリーカードを挿入するためのスペー
ス15があり、またメモリーカードとの間で情報をやり
取りするためのカードコンタクト端子16が設けられて
いる。このディスケットとフロッピーディスクドライブ
の磁気ヘッドとの間で情報のやり取りをするための入出
力ターミナル17が、磁気ヘッドが入り込むために開け
られた開口13のところに設けられている。入出力ター
ミナル17とカードコンタクト端子16の間で情報を処
理するために必要によりCPU18が設けられている。
永久磁石式発電機2はCPU18の駆動およびカードコ
ンタクト端子16などの駆動用電源として用いられる
が、発電機からの電気にはリップル等を含んでいること
があるので、整流と安定化を必要としており、安定化電
源回路19がディスケット内に設けられた発電機2の出
力ラインに組み込まれてることもある。
【0024】永久磁石式発電機2の回転子21はそのボ
ス211がフロッピーディスクドライブの駆動シャフト
と係合して、駆動シャフトが回転することによって回転
子21が回転させられる。3.5″フロッピーディスク
ドライブの場合、通常はその回転数は300rpmであ
る。このようにボス211がフロッピーディスクドライ
ブの駆動シャフトと係合するので、ボス211の駆動シ
ャフトとの係合部分の構造は通常のディスケットのボス
の構造と同じにしておくことが好ましい。
【0025】図1(a)に破線で永久磁石式発電機2、
入出力ターミナル17およびカードコンタクト端子16
の位置関係を示しているが、永久磁石式発電機2の固定
子ヨークの外周が完全な円となっていると、固定子ヨー
ク221の外周とこれら入出力ターミナル17やカード
コンタクト端子16とが干渉する恐れがある。そこで、
発電機の外形を矩形とするとともにこれらの部分で切り
欠いておくことが好ましい。
【0026】ハウジング23とディスケット1の構造を
説明するために、図2にディスケット1の分解斜視図を
示している。この図では、ディスケット1のケースの表
板11が一番下に、裏板12が一番上に示されている。
この実施例では、表板11はプラスチック製であるが、
強度を持たせるためには金属板の方が好ましく磁性又は
非磁性のステンレス材でも良い。一方、ここでは裏板1
2は0.1mm厚程度の非磁性ステンレス(SUS30
4)製である。この裏板12としては、非磁性のステン
レス材あるいはプラスチック材等の非磁性材料から形成
することが望ましいが、例えば熱処理して若干磁性を帯
びたステンレス材でも使用できる。永久磁石式発電機2
は、ハウジング23内に組み込まれていて、ハウジング
23に付けられた軸232によって、発電機回転子21
のボス211中央に付いた軸受233が支えられてい
る。発電機2を組み込んだハウジング23はカードスペ
ース15と重なるとともに、隣接している。カードスペ
ース15に挿入されるメモリーカードの磁気ストライプ
151は、図1(a)に示しているように略軸受233
あたりの上の位置にくるようになる。ハウジング23は
0.1mm厚の冷間圧延鋼板(飽和磁束密度1.5T程
度)で作られていて、発電機回転子21の側面に対応す
るところは半円形の切り欠き236が上下に設けられ、
これら2ケの切り欠きの間には磁気ストライプ151に
対応した位置に磁気シールド板の渡り237が設けられ
ている。シールド板の渡り237の上に軸232が取り
付けられている。
【0027】磁気シールド板の渡り237は磁気ストラ
イプ151を完全に覆って、回転子永久磁石212から
の漏洩磁束が磁気ストライプに影響を与えないようにす
るために、磁気シールド板の渡り237の幅を磁気スト
ライプ151の幅よりも少し大きくしておくことが好ま
しい。例えばこの渡り237の幅を6〜10mmとして
おくとよい。また、誤ってメモリーカードを反対向きに
差し込んでしまった場合は、磁気ストライプは本来の磁
気シールド板の渡り部分には位置しないことになるか
ら、このときは漏洩磁界の影響を受ける可能性がある。
このような場合を想定して磁気シールド板の渡り部分
は、正逆両方向からカードが挿入された場合の磁気スト
ライプ位置に設けるようにしても良い。ハウジングに設
けられた半円形の切り欠き236はその直径を回転子永
久磁石212の直径よりも大きく、望ましくは固定子磁
極面の内径よりも大きくしておいて、ハウジング23の
下から発電機2を見た時に、半円形の切り欠き236を
通して固定子磁極の側面が少し見える程度にしておくこ
とがよい。例えば、固定子磁極面の内径が29.4mm
の場合32mmの直径となるように、内径よりも1〜5
mm程度大きくしておくことが好ましい。
【0028】この半円形の切り欠き236をハウジング
23に開けていることによって、回転子永久磁石212
の側面および端面外周の周囲では、磁気シールド板の渡
り237の部分を除いて、磁気シールド板が存在しない
ことになる。特に永久磁石212の円周面に磁極がある
場合、永久磁石端面の外周線のところに磁束が集中して
いるので、この端面外周の少し外側までシールド板をな
くすことによって、永久磁石磁極間の磁束の短絡が少な
くなって、固定子磁極に導かれる磁束が多くなる。回転
子21の側面では磁気ストライプ151に対応する場所
にだけシールド板の渡り237を設けることによって永
久磁石磁極間の磁束の短絡を小さくするとともに、磁気
ストライプ151への影響をなくすことができる。
【0029】次に、裏板12の中央の開孔121は、回
転子21の外径よりも少し大きな直径を持っている。回
転子21の永久磁石212の、裏板12側の端面に約
0.1mm厚の軟磁性体板からなる磁気シールドリング
板241が貼り付けられている。本例の磁気シールドリ
ング板241は、外径が永久磁石212の外径と実質的
に同じになっていて、その内径は永久磁石212の内径
と略同じかそれよりも少し小さくなっている。よって、
磁気シールドリング板241は永久磁石212の一方端
面を完全に覆うようになっている。ここで磁気シールド
リング板241の外径が小さいと永久磁石の外周端が磁
気シールドリング板外周から出てしまい磁束の漏洩を生
じる。メモリーカード等のカードの保磁力(外部磁界に
対向して入力情報を保持できる力)については、現状数
種類のカード(例えば、2750Oeや650 Oe)がある。
保磁力が高いカードについては、磁束漏れがあるディス
ケットの上に載せてもそれによる影響は少ないが、保磁
力の低いカードについては外部漏洩磁束による影響は無
視出来ない。このことから、外部漏洩磁束に影響力のあ
る磁気シールドリング板の最低限の大きさとしては永久
磁石と実質的に同じ外径(+0.1mm程度)までであ
る。これよりも大きくして突出させることは漏洩磁束の
低減からは望ましいことであるが、反面、発電出力の効
率低下に影響を与えるので、外径側は突出量の範囲を設
定することが望ましい。これについては下記の実施例で
述べることにする。尚、内径側については、機能の上か
らはあまり問題とならないが、外観的には磁気シールド
リング板内周がボス外周にきっちりとはまっている程度
がよい。
【0030】永久磁石式発電機2をディスケット1内に
組み込んだ状態で、図1(C)に示すように、磁気シー
ルドリング板241と裏板12は実質的に同じ高さにな
るようにしておき、固定された裏板12の開孔121内
周と磁気シールドリング板241外周の間に小さな空隙
を持つようにしている。この空隙は0.1〜1.0mm
程度としている。これ以上大きいとこの空隙からゴミな
どの異物が侵入する恐れが生じるので、好ましくは0.
2〜0.5mm程度にするとよい。このように、磁気シ
ールドリング板241外周と裏板12の開孔内周との空
隙を0.1〜1.0mm程度とすることによって、永久
磁石の磁束の短絡を小さくしながら、全面にシールド板
を設けた場合と同じ様なシールド効果を発揮できる。そ
して、このディスケットは外観上、裏板12の開孔12
1から若干の空隙を介して磁気シールドリング板241
が位置しており、このように磁気シールドリング板が外
観から見えることによって本発明の実施が確認される。
【0031】一方、全面にシールド板を設けた場合に
は、固定したシールド板に対して回転子が回転できるよ
うにするとともに、磁束の短絡を防ぐために、シールド
板からなる裏板と回転子永久磁石212の端面との間に
少なくとも0.2〜0.3mmの厚さ方向の空隙を設け
る必要があった。このような空隙を設けることは、それ
だけ発電機の厚さを大きくしてしまう結果となってい
た。しかし、この実施例のような構造をとることによっ
て、発電機に無駄なスペースを設ける必要がなくなり、
ディスケットの厚さを薄く小さくすることができる。
尚、本発明で言うディスケットとは、3.5″型フロッ
ピーディスクに限定されるものではなく、その形やサイ
ズ、構造について任意に変更可能なものである。さら
に、カードについてもICカードや磁気カードに限定さ
れるものではなく、フラッシュメモリ等を含む広い意味
でのメモリーカードに利用できるものである。
【0032】次に、永久磁石式発電機2の構造を図3、
4を参照しながら説明する。21は回転子で、ボス21
1の外周に円環状の永久磁石212が固定されていて、
永久磁石212はその外周円周面上に実質的に等角間隔
で配置された複数個の回転子磁極を持ち、これらの磁極
は円周方向に互いに違った極性、すなわちNSNS……
…と並んでいる。
【0033】永久磁石212の外周に磁気空隙を介して
対向するように固定子22に複数個の固定子磁極が設け
られている。固定子磁極は、軟磁性体材料で作られた磁
極歯223の永久磁石212の外周に対向する側の一端
に設けられている。これら磁極歯223の磁極227
は、回転子磁極と同時に対向することのできるように、
回転子磁極と同様に実質的に等角度間隔で固定子内径面
に配置されている。そのために固定子磁極と回転子磁極
とが同じ極数となるが、後で説明するように固定子22
に設けた切り欠き226、226′のために固定子磁極
227はそれだけ少なくなっている。各磁極歯223に
は固定子コイル225が巻回されていて、このコイルは
好ましくは直列に結線されている。各磁極をその一端に
持っている磁極歯223は実質的に平行に並んでいる。
固定子磁極が回転子磁極と対向することができるように
実質的に等角度間隔すなわち回転子に対して固定子磁極
は放射状に配置されているが、磁極歯223の少なくと
もコイル225の巻回されている部分は平行に並ぶよう
に、磁極歯先端の磁極に近いところで曲がっている。磁
極歯223は2つのブロック、すなわち左ブロックと右
ブロックに分かれている。各ブロック内にある磁極歯2
23は、磁極と反対側端部同士をバックヨーク224で
接続されている。ブロック数としては、全磁極歯で1つ
のブロックになっていることもできるが、2〜4個程度
のブロックにすることができる。しかし、ディスケット
のように狭い空間に種々の機器を組み込んでいるときに
は、できるだけ発電機のスペースを小さくする必要があ
るので2つのブロックにしておくのがよい。
【0034】また、各ブロック内にある磁極歯223は
その隣合っている固定子磁極間を内ヨーク222で結合
していることが好ましい。回転子磁極に対し固定子磁極
が同時に対向することができる位置に設けられているの
で、コギングトルクが大きなものとなる傾向があるが、
内ヨーク222で固定子磁極間を結ぶことによって、磁
極間での磁束の漏洩が生じるのでコギングトルクを小さ
くできている。しかし、コギングトルクを小さくするた
めに、磁極間の漏洩をあまりにも大きくすると、磁極歯
の中を通る有効磁束が小さくなり出力が落ちる。そこ
で、固定子磁極間にある内ヨーク222の断面積は、固
定子磁極歯223の断面積よりも小さく作られており、
例えば磁極歯幅を3mmとして内ヨークの歯先の渡り部
分の半径方向厚さは0.5mmとして、回転子磁極から
出た磁束のほとんどは固定子磁極歯の中を通るようにな
っている。
【0035】磁極歯223を2つのブロックとして、左
右に分けることによって、発電機2の長さ(図3で紙面
上下方向の長さ)が回転子21の直径に固定子磁極部分
の大きさを加えただけの大きさとなり、ディスケットに
組み込むのに占有空間の小さなものとなる。これは、隣
り合っているコイル225が互いに平行に並んで、コイ
ル間にはほとんど無駄なスペースを持たないようにした
ことによるものである。
【0036】ディスケット1には既に述べたように、メ
モリーカードとのカードコンタクト端子16とフロッピ
ーディスクドライブとの入出力ターミナル17が情報の
入出力のために設けられている。これらのカードコンタ
クト端子16と入出力ターミナル17が発電機2のボス
211の近くにあるので、これらと発電機2との干渉を
避けることが、この発電機の場合可能となる。磁極歯2
23を左右のブロックに分けることによって、回転子2
1の上部および下部にあるべき磁極歯がなくなる。この
磁極歯の無くなった部分、すなわち発電機2に作った切
り欠き226、226′のところには、固定子磁極は設
けられていない。固定子磁極を回転子磁極と同時に対向
させたとき、回転子磁極のうちでいくつかのものは、こ
の切り欠き226、226′のところに来るので、固定
子磁極と対向しないことになる。この対向していない回
転子磁極としては少なくとも1極、好ましくは2〜5極
で、多くとも6極である。この対向していない回転子磁
極と対向している固定子内周面には、軟磁性体片22
8、228′が設けられている。この軟磁性体片22
8、228′は、回転子磁極の両側にある磁極間を結ん
でいる。図3に示している発電機では、軟磁性体片22
8、228′は回転子磁極2極分213と214あるい
は3極分213′〜215′の磁極間を結んでいて、し
かも半径方向の長さは図4にあるように通常の磁極歯2
23よりも短いものである。図3では、上部にある回転
子磁極S213とN214は固定子磁極と対向していな
い。ここで軟磁性体片228の左端228aは、このS
極213とその左隣にあるN極215との磁極間216
に位置していて、軟磁性体片228はそこから右に延び
ている。そして、上部にある対向していないN極214
とその右隣にあるS極217との磁極間218まで続い
ている。この軟磁性体片228には、S極とN極と対向
する面上には各々軸方向に溝229が設けられている。
【0037】また同図の下側の回転子磁極N213′,
S214′、N215′は固定子磁極と対向していな
い。固定子磁極に代えて、軟磁性体片228′が対向し
て設けられている。この軟磁性体片228′は、このN
極213′とその右上にあるS極216′との磁極間2
17′から始まって、対向していないN極215′とそ
の左上にあるS極218′との磁極間219′まで続い
ている。この軟磁性体片228′には、N極213′、
S極214′、N極215′と対向する部分には各々軸
方向に溝229′が設けられている。
【0038】固定子磁極が回転子磁極と対向する位置に
来たときに固定子磁極と対向していない回転子磁極に対
向する固定子内周面には、磁極間をつなぐ軟磁性体片2
28、228′が設けられている。またこの軟磁性体片
228、228′の上には回転子磁極と対向する位置に
溝(軸方向に延びた)229、229′がある。そこ
で、回転子磁極が固定子磁極からずれた位置にあるとき
に、回転子磁極間を軟磁性体片が短絡することになる。
このとき軟磁性体片が、その端部に対向している回転子
磁極を吸引する。一方、回転子磁極が固定子磁極に対向
する位置にあるときには軟磁性体片に設けられた軸方向
に延びた溝と回転子磁極が対向することになって回転子
磁極のその位置での静止が不安定となって、回転子を軟
磁性体片の端部の方向に動かすように働く。
【0039】固定子磁極と対向している回転子磁極はそ
の対向している位置に回転子を静止させようとするが、
軟磁性体片に設けられた溝と対向している回転子磁極は
その位置から回転子を動かそうとするので、回転子のコ
ギングトルクが小さくなる。
【0040】なお、軟磁性体片228、228′が「回
転子磁極の両側にある磁極間を結んでいる」と述べた
が、この「磁極間」という用語は、円筒状永久磁石の外
周面に多くの磁極を並べた場合、隣り合った異極性の磁
極の中間点を必ずしも意味するものではなく、磁極の略
中心を除いた周辺部を言っている。回転子磁極のあるも
のが、固定子磁極と対向しているときに、他の回転子磁
極が軟磁性体片に設けられた溝と対向すれば、他の回転
子磁極の位置での吸引力が減少し、その溝の側にある軟
磁性体片に回転子磁極が吸引されて回転モーメントが与
えられる程度に、軟磁性体片の端が回転子磁極からずれ
ていることである。
【0041】発電機の出力は回転子磁極と対向すること
のできるように設けてある固定子磁極歯に巻いた固定子
コイルから得るので、回転子磁極の数が16極で、1極
が固定子磁極と対向していないときには回転子永久磁石
の磁力として1/16だけ損失となるが、コイルの巻数
を増やすことによって補償することができる。このよう
に、取り除かれた固定子磁極の数としては少なくとも1
極としておくことがよい。好ましいのは、2極以上連続
していることである。また、6極以下、好ましくは5極
以下である。軟磁性体片に設けている溝の幅としては、
回転子永久磁石の磁極幅の0.1〜0.4であることが
好ましい。ここで回転子永久磁石の磁極幅は、その極数
をnとしたときに、2π(360°)/nとして求めて
いる。溝の深さとしては、回転子と固定子との磁気空隙
以上あればよい。
【0042】固定子22の磁極歯223、内ヨーク22
2およびバックヨーク224は、ともに軟磁性体で作ら
れている。これら飽和磁束密度Bsが大きいことは、部
品の断面積を小さくして、発電機全体の大きさを小さく
する上から好ましいことなので、飽和磁束密度Bsが
1.2T以上の軟鉄、電磁軟鉄、圧粉磁心、4〜6%S
iを含む珪素鋼板を使うことができる。各磁極歯223
には出力を取り出すためのコイル225が巻かれてい
る。この発電機2は全体として平板状をしており、最も
厚いところでも2mm以下にする必要があるので、磁極
歯223に巻いたコイル225の最外径、すなわち回転
軸方向での厚さを2mm以下にすることが必要である。
【0043】回転子21に用いている永久磁石212と
しては既に述べたように円環状の永久磁石が好ましい。
この永久磁石212はボス211の外周に接着剤などで
固定されている。この円環状の永久磁石は、回転軸方向
に適当な長さ、すなわち厚さを持っている。永久磁石厚
さは厚くとも2.0mmであり、0.8〜2.0mmで
使用することができるが、好ましくは1.0〜1.8m
mである。しかしこの寸法は使われるディスケットの寸
法や、一緒に組み込まれる機器の構成によって変わって
くることは明らかである。
【0044】円環状永久磁石212は磁化方向の厚さが
できるだけ厚いことは起磁力の観点からは望ましい。半
径方向に磁化容易軸すなわちラジアル異方性を持つ場
合、ボス211を強磁性材料で作っておくと、円周面上
の隣り合った磁極から磁石の半径方向に入った磁束が強
磁性体のボス211の中で反対極性の磁極から半径方向
に入った磁束に結び付く。また、極異方性の場合、磁石
内部で反対極性の磁極同士を磁束が結んでいる。いずれ
の場合も、永久磁石212の半径方向の厚さは磁極間距
離の1/3〜1/4以上の厚さがあればよいが、2mm
以上あることが好適である。
【0045】永久磁石212の材質としては、焼結Nd
FeB磁石が好適である。厚さが比較的薄い(磁化方向
の厚さの比較的薄い)永久磁石であるにもかかわらず、
大きな逆磁界が印加される上に、形状的に反磁界係数の
大きい使い方をされているので、NdFeB磁石のよう
に保磁力が大きく、大きな磁束密度を持っているものが
よい。焼結NdFeB磁石は磁気異方性を持っている
が、半径方向に磁化容易軸を持つ、すなわちラジアル異
方性を持つもの、および円周面上にある隣り合った異極
性の磁極間をつなぐ方向に磁化容易軸を持つ、すなわち
極異方性を持つものがよい。NdFeBのボンド磁石と
呼ばれているNdFeB磁石粉をプラスチックバインダ
ーなどで結合したものも使用することができるが、ボン
ド磁石の場合焼結NdFeB磁石と比して磁石分の比率
が小さいので、発生する磁束は小さくなる。しかし、必
要とする出力の小さい場合はボンド磁石を用いて作った
永久磁石式発電機でも十分なことがある。
【0046】本発明に使用する永久磁石式発電機の永久
磁石として、NdFeB磁石以外に、(1)窒化物磁石
例えばSmFeN磁石、(2)交換スプリング磁石と呼
ばれているSmFeNにα鉄を含む磁石、NdFeBに
α鉄を含む磁石やNdFeBにFe3 Bを含む磁石等、
(3)NdFeBやSmFeNなどのHDDR(水素化
・分解・脱水素・再結合)磁石、(4)SmCo磁石な
ども、要求される特性との兼ね合いで使用することがで
きる。
【0047】図では、円環状永久磁石212の外周面上
に16極の磁極を持ったものを示しているが、本発明に
おいては極数として12〜24極とすることが好まし
く、16〜20極とすることは更に好ましいことであ
る。極数が少ないと、1極当たりの磁束量は大きくなる
が、発電機の出力の最も大きくなるのが16〜24極で
ある。しかし、極数を多くしていくと、固定子の半径方
向に延びた磁極歯間の空間が小さくなり、磁極歯のコイ
ルの巻き数が少なくなってくる。その上、固定子の製作
に困難が伴い、また出力の電圧波形に歪みが生じるなど
の問題があるので、16〜20極が最適である。
【0048】固定子磁極歯223の磁極厚さは、永久磁
石212の回転軸方向長さ、すなわち厚さよりも小さく
することが必要である。すなわち、回転子軸方向長さよ
りも固定子磁極歯厚さが大きいか、同等の厚みの場合、
固定子巻線の厚み分以上固定子が回転子よりも厚くなる
事になる。軸方向長さの制約がはなはだしい本発明のよ
うな発電機の場合、限られた軸方向長さに対し空間の利
用効率を高くするには、固定子の磁極厚みと、それに巻
回された巻線との全体の軸方向長さを回転子の軸方向長
さとほぼ同じ長さとする事が重要である。この高い空間
の利用効率を実現するには、固定子磁極の歯厚みを回転
子の厚みに比べて薄くし、巻線を含めた固定子全体の厚
みを固定子の軸方向長さに近づけることが有効である。
このように固定子磁極歯223の厚さを永久磁石厚さよ
りも小さくすることによって、発電機2として大きな出
力が得られる。しかし、この固定子磁極歯223の磁極
厚さは永久磁石212から出る磁束によって飽和しない
だけの厚みを持っている必要がある。図4(a)に永久
磁石式発電機2の固定子22と回転子21の主要部の断
面を示し、固定子磁極歯の厚さt1と磁石厚みt2を示
している。この図でt1<t2であることが必要であ
る。これは固定子22を構成している磁極歯223の中
に永久磁石212の磁極から出た磁束を集中させて磁極
歯内の磁束密度を大きくするためである。永久磁石21
2の持っている磁束密度と、固定子磁極歯223の飽和
磁束密度を比較してみると、既に述べたように固定子磁
極歯223は軟磁性材料で作られていて、その飽和磁束
密度は1.2T以上であるのに対して、永久磁石212
は最も磁力の強い焼結NdFeB磁石であってもその残
留磁束密度が1.2〜1.3Tなので作動点での磁束密
度は1.0T程度である。焼結したNdFeB磁石を回
転子永久磁石212として用いて、1.2T以上の飽和
磁束密度を持った固定子22を用いている場合、永久磁
石厚みの30%〜70%の厚さを持った磁極歯223が
好ましい。
【0049】
【実験例】本発明の永久磁石式発電機を持ったディスケ
ットを、以下に示す実験によって更に詳しく説明すると
ともに、その実施条件などを明らかにする。
【0050】図1〜4に示す構造の永久磁石式発電機を
持ったディスケットを、表1に示す設計条件に基づいて
作製した。ここで本発明品のディスケット(A)は、ハ
ウジング23として飽和磁束密度Bsが1.5Tで0.
1mm厚の冷間圧延鋼板を用いて作製し、直径32mm
の半円形の切り欠きを2ケ設け、その間に9mm幅のシ
ールド板の渡りを設けたものを使用した。またディスケ
ットケースの裏板12の中央の開孔121の径を29.
2mmとし、永久磁石の裏板側端面にBsが1.5Tで
0.1mm厚の冷間圧延鋼板で作った磁気シールドリン
グ板(外径29.0mm×内径24.5mm)をエポキ
シ系接着剤で貼り付けたものを使用した。ディスケット
ケースの裏板12面と永久磁石端面に貼り付けた磁気シ
ールドリング板との高さの差を0.1mm以内に調整し
た。
【0051】比較品のディスケット(B)は、ハウジン
グ構造をディスケット(A)と同じにして、ディスケッ
トケースの裏板12中央の開孔121の径を26.0m
mとして、すなわち裏板12の開孔の部分と永久磁石端
面とが重なるようにして、永久磁石端面と裏板12との
間に厚さ方向のギャップを0.3mm付けた。しかし、
永久磁石の裏板側端面には磁気シールドリング板を設け
なかった。比較品のディスケット(C)として、裏板1
2とハウジングを共に非磁性プラスチック材料とし、他
の条件はディスケット(A)と同じとした。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】出力電圧と裏板外側における漏洩磁界強度
を測定した結果を表2に示す。本発明品のディスケット
(A)と、比較品(B)ともに外部漏洩磁界強度は、比
較品(C)に比して小さく、外部への影響は全くないレ
ベルであった。しかし、ディスケット(A)は、ディス
ケット(B)に比してその発電機の厚さが0.3mm薄
くできた。
【0055】次に、本発明の他の実施例について説明す
る。
【0056】図5は、本発明の永久磁石式発電機を持っ
たディスケットの他の実施例を示しているもので、
(a)はディスケット外観の斜視図、(b)はその断面
図、(c)は回転子部分の断面図である。上述してきた
実施例では永久磁石と実質的に同じ外径の磁気シールド
リング板を設けたものであった。しかしながら、それだ
けでは保磁力の弱いカードに対してはシールド効果が不
充分である。そこで、本例では円環状永久磁石212の
外径よりも大きくして、オーバハングした磁気シールド
リング板251を取り付けたものである。即ち、図5
(b)、(c)に示すように永久磁石212の外径より
も突出量sだけ飛び出させて磁気空隙gを覆うようにし
ている。また、この例でも図5(b)に示すように磁気
シールドリング板251は、裏板12の開孔121との
間に0.5mm程度の空隙を開けて位置していると共
に、裏板12とほぼ同じ高さで対向するようになってお
り、端板はほぼ同一平面を形成している。その他の構造
については、上記実施例と同様であるので同一符号を付
してその説明は省略する。
【0057】保磁力の低いメモリーカードをディスケッ
トの上に放置したような場合、外部漏洩磁界によって情
報が消されることがあり情報の読み取り精度が低下する
ことがある。この点を本実施例では磁気シールドリング
板251を永久磁石よりさらに突出させることによって
解消したものである。また一方で、この突出量を多くし
過ぎても発電機の出力を低下させる傾向にあることから
望ましい磁気シールドリング板の突出量を見出したもの
である。また、さらにこのときの磁気シールドリング板
の厚さによっても前記突出量と同様に悪影響を与えるの
で、これらのことを考慮した磁気シールド板の寸法バラ
ンスについて新たに見出したものである。
【0058】以下、実験結果を基にして説明する。この
実験に用いたディスケットは、表1の仕様を基本に、デ
ィスケット(A)の構造をもとにして磁気シールドリン
グ板の開孔の大きさ等を変えたものである。なお、磁気
空隙は0.15mm程度に設定している。実験は、まず
保磁力の低いメモリーカード(650Oe)を用いて、
磁気シールドリング板の突出量sを変えることによるカ
ード読み取り出力と発電機出力の変化を、また同様に磁
気シールドリング板の厚さtを変えることによるカード
読み取り出力の変化を調べた。図6および図7は実験結
果を示すグラフであるが、図6では磁気シールドリング
板の厚さを0.2mmに固定したときのカード読み取り
出力(●)と発電出力比(○)とを磁気シールドリング
板の突出量sをパラメータとして測定した結果である。
また、図7では磁気シールドリング板の突出量を0.2
mmに固定したときのカード読み取り出力(●)と発電
出力比(○)とを磁気シールドリング板の厚さtをパラ
メータとして測定した結果である。ここでカード読み取
り出力とは、情報を100%入力した初期状態のカード
をディスケットの上に載せ情報を少し消したとき、その
後情報が何%読みとれるかを信号波形の変化量で測定し
たものである。また、発電出力比とは、図6では突出量
がゼロの場合を100%とし、また図7ではじきシール
ドリング板がない場合を100%として相対比を測定し
たものである。
【0059】先ず、図6より突出量sを増やす毎にカー
ド読み取り出力は高まり、0.1mm以上の突出量で6
0%以上となり、0.2mm以上になると90%以上が維
持できている。即ち、突出量が0.2mm以上になると
外部漏洩磁束が急激に抑制されることがわかる。しか
し、逆に発電出力の方は突出量が多くなると徐々に減少
するが1.0mmまでは90%以上の発電出力が得ら
れ、0.6mmまでは95%を上回っている結果となっ
た。これは、突出量が0.1mmよりも少ない状況では
ほとんどの磁束が外部に漏洩してしまうが、磁気空隙を
ほぼ覆う0.2mm程度となると固定子ヨーク側に磁束
が集中し磁気回路を構成して外部漏洩がなくなってく
る。しかしそれ以上大きくしても外部漏洩磁界には影響
を与えない。逆にシールドリング板側に短絡する磁束が
出始めて発電機の出力が低下するためであると考えられ
る。このことより、磁気シールドリング板の突出量s
は、磁気空隙gを覆ってその2倍前後の位置でバランス
する領域があり、漏洩磁束と発電力とを共に満足する範
囲としては略0.1〜1.0mmであり、更に好ましく
は0.2〜0.6mmである。
【0060】次に、図7は磁気シールドリング板の厚さ
が及ぼす影響を示すものであるが、図より板厚が厚くな
るほどカード読み取り出力は高まり、0.1mm以上で
は40%以上となり、ほぼ0.2mm以上で90%以上の
出力を維持できることがわかる。しかし、逆に発電出力
の方は厚くなるほど減少し、0.4mm以上では90%
を下回り、0.5mm以上では60%を下回る結果とな
った。つまり、シールド板は厚いほど磁束をガードでき
るのであるが、厚すぎると短絡する程度が多くなってし
まい発電機の出力は急激に低下するのである。以上のこ
とより、磁気シールドリング板の厚さについても、漏洩
磁束量と発電力とを共に満足する範囲があり、それが略
0.1〜0.5mmであり、更に好ましくは0.2〜
0.4mmである。但し、このディスケットとしては発
電機の厚さを薄くすることが重要であることから、先ず
厚さを0.1〜0.5mmの範囲のなかでも薄い値、例
えば0.1〜0.3mmに選定して、その上で突出量を
0.1〜1.0mm、好ましくは0.2〜0.6mmの
範囲で選定することが好ましいであろう。
【0061】また、磁気シールドリング板の材料につい
ては、機能上軟磁性体材料で透磁率が50以上の飽和磁
束密度の高いものを用いることが望ましいが、コストお
よび加工性のことを考慮して通常の薄肉鋼板が実用的で
ある。
【0062】図5に示した実施例では、漏洩磁束の低減
とディスケットを薄くすること及び発電機の出力維持、
作り易さ、コスト等を考慮して磁気シールドリング板2
51は、冷間圧延鋼板から形成し、その厚さtを0.2
mm、突出量sを0.3mm、磁気空隙gを0.15m
mに設定した。この例で上記表2と同じ実験データを取
ったところ、磁気ストライプ部分での漏洩磁界強度は1
0ガウス、外部漏洩磁界強度は150ガウスと外部への
影響は全くないレベルであった。また、発電機の出力は
20mWという高いものが得られた。
【0063】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、本発明によ
る永久磁石式発電機及びこの発電機を持ったディスケッ
トによれば、発電機永久磁石からの外部漏洩磁束を実質
的になくし発電出力を高く維持できると共に、発電機の
厚さを薄くすることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の永久磁石式発電機を持ったディスケッ
トで、(a)はディスケットの平面図(底面図)、
(b)は(a)の1B-1B 断面図、(c)は(b)の部分
拡大図を示す。
【図2】本発明の永久磁石式発電機を持ったディスケッ
トの分解斜視図である。
【図3】図1のディスケットに使用している永久磁石式
発電機の平面図である。
【図4】図3に示す永久磁石式発電機の4A-4A 断面図を
(a)に、4B-4B 断面図を(b)に示す。
【図5】本発明の永久磁石式発電機を持ったディスケッ
トの他の実施例を示すもので、(a)はディスケット外
観の斜視図、(b)はディスケット全体の断面図、
(c)は回転子部分を抜き出した拡大断面図である。
【図6】磁気シールドリング板の厚さを0.2mmにし
たときのカード読み取り出力と発電力を磁気シールドリ
ング板の突出量をパラメータとして測定した結果を示す
グラフである。
【図7】磁気シールドリング板の突出量を0.2mmに
したときのカード読み取り出力と発電力を磁気シールド
リング板の厚さをパラメータとして測定した結果を示す
グラフである。
【図8】出願中の永久磁石式発電機を持ったディスケッ
トで、(a)はディスケットの平面図(底面図)、
(b)は(a)の8B-8B 断面図、(c)は(b)の部分
拡大図を示す。
【符号の説明】
1、5 ディスケット 11 表板 12、52 裏板 121、521 開孔 13、53 開口 14 カバー 15、55 (メモリーカード)スペース 151 磁気ストライプ 16、56 カードコンタクト端子 17、57 入出力ターミナル 18、58 CPU 19、59 安定化電源回路 2、6 (永久磁石式)発電機 21、61 回転子 211、611 ボス 212、612 永久磁石 213、214′、217、216′、218′ S
極 213′、214、215、215′ N
極 216、217′、218、219′ 磁
極間 22、62 固定子 221 固定子ヨーク 222 内ヨーク 223 磁極歯 224 バックヨーク 225 固定子コイル 226、226′ 切り欠き 227 (固定子)磁極 228、228′ 軟磁性体片 228a 左端 229、229′ 溝 23、63 ハウジング 232 軸 233 軸受 236 切り欠き 237 磁気シールド板の渡り 241、251 磁気シールドリング板
フロントページの続き (72)発明者 高橋 俊子 埼玉県熊谷市三ヶ尻5200番地 日立金属株 式会社磁性材料研究所内 (72)発明者 三田 正裕 埼玉県熊谷市三ヶ尻5200番地 日立金属株 式会社磁性材料研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円周面上に並んだ複数の磁極を持ち、ボ
    スとともに回転することのできる円環状永久磁石と、こ
    の円環状永久磁石の一方の端面に貼り付けられ、その外
    径が円環状永久磁石と実質的に同じであるか、またはそ
    れよりも大きくした磁気シールドリング板とを持ってい
    る回転子と、 前記円環状永久磁石の磁極と磁気空隙を介して対向して
    いる固定子とを有している永久磁石式発電機を内部に有
    し、 ディスケットケースの一方の端板の略中央に開孔があ
    り、その開孔内に円環状永久磁石の前記磁気シールドリ
    ング板が位置しているとともに、この磁気シールドリン
    グ板と前記端板の高さが実質的に同じであることを特徴
    とする永久磁石式発電機を持ったディスケット。
  2. 【請求項2】 前記磁気シールドリング板の突出量は、
    0.1〜1.0mmであることを特徴とする請求項1に
    記載の永久磁石式発電機を持ったディスケット。
  3. 【請求項3】 前記磁気シールドリング板の厚さは、
    0.1〜0.5mmであることを特徴とする請求項1又
    は2のいずれかに記載の永久磁石式発電機を持ったディ
    スケット。
  4. 【請求項4】 前記磁気シールドリング板は、透磁率が
    50以上の材料であることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかに記載の永久磁石式発電機を持ったディスケッ
    ト。
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