JP2000231928A - 固体高分子電解質型燃料電池 - Google Patents

固体高分子電解質型燃料電池

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JP2000231928A
JP2000231928A JP11033109A JP3310999A JP2000231928A JP 2000231928 A JP2000231928 A JP 2000231928A JP 11033109 A JP11033109 A JP 11033109A JP 3310999 A JP3310999 A JP 3310999A JP 2000231928 A JP2000231928 A JP 2000231928A
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Japan
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cation exchange
exchange membrane
polymer electrolyte
fuel cell
solid polymer
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JP11033109A
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English (en)
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Ichiro Terada
一郎 寺田
Yoshiaki Higuchi
義明 樋口
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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    • Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】膜厚が薄くても強度が高くかつ抵抗が低い陽イ
オン交換膜を固体高分子電解質として有する、出力密度
が高い固体高分子型燃料電池の提供。 【解決手段】スルホン酸基を含有するパーフルオロカー
ボン重合体からなる陽イオン交換膜を固体高分子電解質
として有し、前記陽イオン交換膜は、重量平均分子量が
100万以上のポリエチレン繊維からなる補強材を含有
する固体高分子電解質型燃料電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体高分子電解質
型燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、プロトン伝導性の高分子膜を電解
質として用いる固体高分子電解質型燃料電池の研究が進
んでいる。固体高分子電解質型燃料電池は、作動温度が
低く出力密度が高くかつ小型化が可能なため、車載用電
源等の用途に対し有望視されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】固体高分子型燃料電池
に使用される高分子膜は、通常厚さ100〜200μm
のプロトン伝導性イオン交換膜であり、特にスルホン酸
基を含有するパーフルオロカーボン重合体からなる陽イ
オン交換膜が、基本特性に優れるため広く検討されてい
る。しかし、燃料電池が例えば車載用電源の用途に使用
できるほど高出力密度を得るためには、現在提案されて
いる陽イオン交換膜は抵抗が充分には低くない。
【0004】上記陽イオン交換膜の抵抗を低減するに
は、スルホン酸基濃度を増加する方法と膜厚を薄くする
方法があるが、スルホン酸基濃度が著しく増加すると膜
の機械的強度が低下したり、燃料電池の長期運転により
膜がクリープしやすくなり燃料電池の耐久性が低下する
などの問題が生じる。一方、膜厚を薄くすると膜の機械
的強度が低下し、ガス拡散電極と接合させるときなどに
加工しにくかったり取扱いが困難になるなどの問題が生
じる。
【0005】上記の問題を解決する方法として、スルホ
ン酸基を含有するパーフルオロカーボン重合体からなる
フィルムとポリテトラフルオロエチレン(以下、PTF
Eという)からなる多孔体とを複合化した陽イオン交換
膜が提案されている(マーク.W.バーブルッジら、A
IChE ジャーナル、1992年,38,93)。し
かしこの膜は、膜厚は薄くできるものの、多孔体状のP
TFEの存在により抵抗が充分には低下しない。
【0006】そこで本発明は、膜厚が薄くても強度が高
くかつ抵抗が低い陽イオン交換膜を固体高分子電解質と
して有することにより、長期にわたって出力密度が高い
固体高分子型燃料電池を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、重量平均分子
量が100万以上の超高分子量高密度ポリエチレン繊維
を用いて補強されたスルホン酸基を含有するパーフルオ
ロカーボン重合体からなる陽イオン交換膜を固体高分子
電解質とする固体高分子電解質型燃料電池を提供する。
【0008】本発明における補強材であるポリエチレン
繊維は、重量平均分子量が100万以上、好ましくは3
00万以上である。重量平均分子量が100万より小さ
いと、陽イオン交換膜の強度を高められない。
【0009】本発明におけるポリエチレン繊維のデニー
ル数は0.8〜50が好ましい。デニール数が0.8よ
り小さいと繊維強度が低いため、加工の際に切れやす
い。デニール数が50より大きいと、スルホン酸基を含
有するパーフルオロカーボン重合体と複合化して製膜す
ると陽イオン交換膜の膜厚が厚くなり、抵抗が高くな
る。デニール数は特に5〜30が好ましい。
【0010】本発明における補強材の形態は、ポリエチ
レン繊維からなるフィラメントを織った織布又は該フィ
ラメントを撚り合わせた糸を織った織布でもよいし、不
織布でもよい。また、ポリエチレン繊維からなるフィラ
メントを陽イオン交換膜中に分散させて補強してもよ
い。ポリエチレン繊維からなる補強材は、PTFE多孔
体と比較して網目構造のコントロールにより補強の程度
の自由度が高いこと、開口率が高くても補強効果が高い
ため抵抗の上昇を少なくできること、及び寸法安定性に
優れていること等の利点がある。
【0011】補強材が織布からなる場合は、縦糸及び横
糸のデニール数がそれぞれ独立に0.8〜50、特に5
〜30であることが好ましい。縦糸、横糸のデニール数
が0.8より小さいと膜の補強効果が不充分となり、5
0より大きいと縦糸と横糸の交点にピンホールやクラッ
クが発生しやすい。縦糸及び横糸としては、デニール数
が0.8〜50であればモノフィラメント、マルチフィ
ラメントのいずれも使用できる。マルチフィラメント
は、糸断面を偏平化できるため、織布の開口率を減少さ
せても陽イオン交換膜の抵抗の上昇を抑えられるので好
ましい。
【0012】織布の縦糸及び横糸の密度は、10〜20
0本/インチ、特に50〜150本/インチが好まし
い。10本/インチより少ないと目ずれが生じやすく、
また織布の強度が低下する。200本/インチより多い
と織布の開口面積が小さくなり、同時に陽イオン交換膜
の厚さが厚くなる。
【0013】また、上記織布は、120℃以下の温度に
て平板プレスやロールプレス等により偏平化されること
が好ましく、織布の厚さは10〜80μm、特に15〜
40μmであることが好ましい。10μmより薄いと陽
イオン交換膜に対する補強効果が顕著に現れない。また
80μmより厚いと陽イオン交換膜の厚さが厚くなり膜
抵抗が増大する。
【0014】補強材が不織布からなる場合は、目付量が
5〜50g/m2、特に20〜40g/m2であることが
好ましい。目付量が5g/m2より小さいと不織布の強
度が低下し、50g/m2より大きいと不織布の開口面
積が小さくなり厚さが厚くなる。また、不織布の厚さは
10〜80μm、特に15〜40μmが好ましい。10
μmより薄いと陽イオン交換膜に対する補強効果が顕著
に現れない。また80μmより厚いと陽イオン交換膜の
厚さが厚くなり膜抵抗が増大する。
【0015】陽イオン交換膜中にポリエチレン繊維を分
散させて補強する場合には、ポリエチレン繊維は陽イオ
ン交換膜1m2あたりに1〜30g、特に10〜25g
/m2分散されていることが好ましい。陽イオン交換膜
中のポリエチレン繊維の密度が1g/m2より低いと補
強効果が顕著に現れない。また30g/m2より高いと
スルホン酸基を含有するパーフルオロカーボン重合体と
補強材を複合製膜する場合に、膜を平坦化できない。
【0016】本発明で使用するポリエチレン繊維からな
る補強材の表面は、放射線処理、放電処理、薬品処理又
はグラフト重合法処理されていることが好ましい。補強
材にこれらの処理が施されていると、スルホン酸基を含
有するパーフルオロカーボン重合体と補強材を複合製膜
する際に該重合体と補強材との接着性が向上し、強度の
高い陽イオン交換膜が得られる。
【0017】放射線処理の方法としては、γ線や電子線
が用いられる。放射線の照射線量は1〜200kGy、
特には10〜100kGyが好ましい。照射線量が1k
Gyより小さいと表面処理効果が小さく、また200k
Gyより大きいとポリエチレン分子鎖の切断が進行し、
ポリエチレン繊維自体の強度が低下する。照射線量が1
〜200kGyの場合には繊維の強度低下は著しくな
く、カルボン酸基や水酸基などの官能基やラジカル等、
スルホン酸基を含有するパーフルオロカーボン重合体と
の接着性を向上させうる活性種が補強材に効率的に導入
される。
【0018】放電処理の方法としては、常圧下でのコロ
ナ放電処理や減圧下でのプラズマ放電処理が挙げられ
る。コロナ放電の処理条件としては、出力が1〜3k
W、処理速度が3〜30m/分であることが好ましい。
出力が1kWより小さいと放電できず、また3kWより
大きいと発熱量が大きくなり補強材の強度が低下する。
処理速度が3m/分より遅いと、処理が過度に行われる
ため補強材の強度が低下する。30m/分より速いと充
分に処理できないおそれがある。
【0019】プラズマ放電の処理条件としては、圧力5
〜100Paの空気、酸素、アルゴン等の気体の存在下
で、出力0.01〜0.5kW、処理速度0.01〜5
m/分で処理するのが好ましい。圧力が5Paより低か
ったり100Paより高いと放電できない。使用する気
体は特に限定されないが、カルボン酸基や水酸基などの
官能基を補強材に導入するためには酸素を含む気体が好
ましい。またアルゴンはプラズマを安定させる効果があ
るので好ましい。気体は単独で用いてもよいが2種以上
の気体を混合して用いてもよい。
【0020】出力が0.01kWより低いと処理効果が
小さく、また0.5kWより高いと発熱が大きく補強材
の強度が低下する。処理速度は0.01m/分より遅い
と処理が過度となり補強材の強度が低下し、また5m/
分より速いと充分に処理できないおそれがある。
【0021】薬品処理の方法としては、クロロスルホン
酸、硫酸、発煙硫酸、発煙硫酸/りん酸トリエチル錯体
等に補強材を浸漬する方法が挙げられる。なかでもクロ
ロスルホン酸を使用すると、低温でも効率的にスルホニ
ルクロリド基を導入でき、さらに加水分解によりスルホ
ン酸基を導入できるため、スルホン酸型パーフルオロカ
ーボン重合体との接着性が向上できるので好ましい。ク
ロロスルホン酸を用いる場合は、そのまま用いてもよい
が、補強材への官能基導入の反応を制御するために、テ
トラクロロエタンやトリクロロエタン等の溶媒で10〜
50重量%程度に希釈して使用することが好ましい。
【0022】放射線グラフト重合法による処理方法とし
ては、補強材に官能基を含有するモノマー又は官能基を
導入可能なモノマー(以下、まとめて官能基導入モノマ
ーという)を浸漬させながら放射線照射しグラフト重合
させてもよいし、補強材に放射線を照射した後に官能基
導入モノマーを浸漬させてグラフト重合させてもよい。
しかし、補強材に官能基導入モノマーを浸漬させながら
放射線照射する方法は取り扱いが煩雑であるので、後者
の方法が好ましい。
【0023】放射線グラフト重合法における放射線処理
は、上述した放射線処理と同様の条件にての処理が好ま
しい。さらにここでの放射線照射は、照射中に発生する
ラジカルを保護するため、減圧下又は窒素等の不活性ガ
ス雰囲気中で行うことが好ましい。また、放射線を照射
してから補強材を官能基導入モノマーに浸漬するまでの
間は、ラジカル濃度の低下を防ぐために補強材を低温で
保持することが好ましい。補強材の官能基導入モノマー
への浸漬も、減圧下又は不活性ガス雰囲気中で行うこと
が好ましく、グラフト重合の温度は40〜90℃が好ま
しい。
【0024】官能基導入モノマーとしては、スチレン、
α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、アルキル
メタクリレート、アルキルアクリレート、アクリロニト
リル、アクロレイン、グリシジルメタクリレート、グリ
シジルアクリレート、ビニルアセテート、スチレンスル
ホン酸又はその塩、アクリル酸又はその塩、メタクリル
酸又はその塩、クロトン酸、イタコン酸、2−アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸、パーフルオロ
スルホニルフルオリド、ビニルベンジルトリメチルアン
モニウムクロリド、アリールアミン又はその塩、4−ビ
ニルピリジン、2−ビニルピリジン、1−ビニルイミダ
ゾール、2−ビニルピラジン、4−(3−ブテニル)ピ
リジン、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルア
ミド、N−(3−(N,N−ジメチル)アミノプロピ
ル)アクリルアミド、2−(N,N−ジメチルアミノエ
チル)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ビニル基と
スルホン酸基を有する化合物又はその塩、CF2=CF
−O−(CF2−CF(CF3))v−(CF2)w−CO
OCH3等で表されるメトキシカルボニル基を有する含
フッ素化合物(ただし、v、wは0以上の整数であり、
v=w=0ではない。)等が挙げられる。
【0025】上記官能基導入モノマーは液体である場合
は補強材を直接浸漬してもよいし、溶媒を用いて希釈し
てから補強材を浸漬してもよい。また、補強材を官能基
導入モノマーに浸漬する方法以外に、減圧下で官能基導
入モノマーを気体にして補強材に導入する方法も採用で
き、この場合は窒素等の不活性ガスで気体を希釈するこ
ともできる。官能基導入モノマーが固体である場合は、
官能基導入モノマーが溶解する溶媒に溶解させて使用す
る。
【0026】上記の放射線処理、放電処理、薬品処理及
びグラフト重合法処理は、いずれか1種の処理を行って
もよいし、2種以上の処理を併用してもよい。
【0027】本発明におけるスルホン酸型パーフルオロ
カーボン重合体としては、従来より公知の重合体が広く
採用される。特にCF2=CF−(OCF2CFX)m−
Oq−(CF2)n−SO3Hで表されるフルオロビニル化
合物に基づく重合単位(ただし、Xはフッ素原子又はト
リフルオロメチル基であり、mは0〜3の整数、nは0
〜12の整数、qは0又は1であり、m=q=n=0で
はない。)と、テトラフルオロエチレンやヘキサフルオ
ロプロピレン等のパーフルオロオレフィン、クロロトリ
フルオロエチレン、又はパーフルオロ(アルキルビニル
エーテル)等に基づく重合単位と、を含む共重合体が好
ましい。なかでも上記フルオロビニル化合物に基づく重
合単位とテトラフルオロエチレンに基づく重合単位とを
含む共重合体が好ましい。
【0028】上記フルオロビニル化合物に基づく重合単
位のスルホン酸型官能基は、通常、フルオロビニル化合
物がテトラフルオロエチレンと共重合される際は−SO
2Fであり、共重合された後に加水分解により−SO3H
に変換される。
【0029】共重合されるフルオロビニル化合物の好ま
しい例としては、下記のものが挙げられる。ただし、式
中rは1〜8の整数であり、sは1〜8の整数であり、
tは0〜8の整数であり、uは1〜3の整数である。
【0030】CF2=CFO(CF2)rSO2F、 CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2)sSO
2F、 CF2=CF(CF2)tSO2F、 CF2=CF(OCF2CF(CF3))uO(CF2)2S
O2F。
【0031】スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体
中のスルホン酸基の濃度、すなわちイオン交換容量は
0.5〜2.0ミリ当量/グラム乾燥樹脂、特に0.7
〜1.6ミリ当量/グラム乾燥樹脂が好ましい。イオン
交換容量が0.5ミリ当量/グラム乾燥樹脂より小さい
と陽イオン交換膜の抵抗が大きくなる。一方、2.0ミ
リ当量/グラム乾燥樹脂より大きいと陽イオン交換膜の
機械的強度が弱いおそれがある。
【0032】ポリエチレン繊維からなる補強材による陽
イオン交換膜の補強方法は、スルホン酸型パーフルオロ
カーボン重合体の溶液又は分散液を用いたキャスト法が
好ましい。織布又は不織布からなる補強材は、例えば上
記溶液に含浸させた後、乾燥、製膜を行い陽イオン交換
膜を得る方法が好ましい。ポリエチレン繊維を陽イオン
交換膜中に分散させる場合は、例えばポリエチレンテレ
フタレート等の支持体フィルム上にスルホン酸型パーフ
ルオロカーボン重合体の溶液又は分散液を塗布した後、
ポリエチレン繊維を散布し乾燥させ陽イオン交換膜を得
る方法が好ましい。
【0033】上記したキャスト法以外の製膜方法として
は、加熱加圧プレスやロールプレスなどの溶融熱成形に
よる製膜も考えられるが、補強材とスルホン酸型パーフ
ルオロカーボン重合体を充分に接着するためには、ポリ
エチレン繊維の劣化する温度である140℃以上の高温
処理が必要となるため好ましくない。
【0034】上記のキャスト法で得られる補強された陽
イオン交換膜の厚さは、15〜100μm、特に20〜
80μmが好ましい。
【0035】本発明における補強された陽イオン交換膜
は、その両面にガス拡散電極(燃料極及び空気極)が密
着して配置され、さらにその外側にセパレータが配置さ
れ燃料電池が構成される。
【0036】ガス拡散電極は、通常白金等の触媒微粒子
を担持させた導電性のカーボンブラック粉末をPTFE
等の疎水性樹脂からなる結着材を用いて成形された多孔
質シートからなるが、該多孔質シートにはスルホン酸型
パーフルオロカーボン重合体が含まれていてもよく、前
記カーボンブラック粉末は該重合体で被覆された微粒子
として含まれていてもよい。
【0037】ガス拡散電極は、陽イオン交換膜に対して
例えば溶媒接着法や加熱プレス法等により密着される。
本発明では、加熱プレスすると補強材の強度が低下する
ため、溶媒接着法を採用することが好ましい。溶媒接着
法は、フッ素が含まれないアルコール類及び含フッ素溶
媒の1種以上の溶媒に、0.1〜50重量%のパーフル
オロカーボン重合体からなるイオン交換樹脂を溶解させ
た溶液を接着剤とし、この接着剤をガス拡散電極又は陽
イオン交換膜の少なくとも一方に塗布してガス拡散電極
と陽イオン交換膜を接合する方法である(特開平07−
220741参照)。
【0038】セパレータには燃料ガス又は空気等の酸化
剤ガスの通路となる溝が形成されていてガス拡散電極に
ガスを供給しており、例えば導電性カーボン板等が用い
られる。
【0039】
【実施例】[例1]アゾビスイソブチロニトリルを開始
剤として、0.2モルのテトラフルオロエチレンと0.
045モルのCF2=CFOCF2CF(CF3)O(C
F2)2SO3Fとを、70℃にて、5時間共重合し、イ
オン交換容量1.1ミリ当量/グラム乾燥樹脂の共重合
体を得た。これを20%KOH水溶液中で90℃にて1
6時間かけて加水分解した後、1Nの塩酸に室温にて1
6時間浸漬して酸型に変換し、水洗乾燥後エタノールに
溶解することにより、濃度8%のスルホン酸基を含有す
るパーフルオロカーボン重合体の溶液を得た。
【0040】一方、径が12μmのフィラメントを9本
撚った10デニールのポリエチレン繊維(商品名:ダイ
ニーマSK−60、東洋紡社製、重量平均分子量400
万)を用いて縦糸、横糸ともに密度が80本/インチの
織布を織った。該織布を100℃にて加圧プレスして扁
平化し、厚さを20μmとした。
【0041】上記織布に30kGyのγ線を照射した
後、上記スルホン酸基を含有するパーフルオロカーボン
重合体の溶液に含浸させ乾燥する操作を繰り返し、厚さ
30μmの補強された陽イオン交換膜を得た。
【0042】(強度測定)この陽イオン交換膜を90℃
の純水中に浸漬した後、引張り強度を測定したところ、
8.5kg/cm幅であった。
【0043】(膜抵抗測定)この陽イオン交換膜を25
℃にて1Mの硫酸に24時間浸漬した後、交流で比抵抗
を測定した。なお、測定において電解液は1Mの硫酸を
使用し、電極には白金を使用した。有効膜面積は1.8
7cm2であり、LCRメータ(横河ヒューレッドパッ
カー社製)を用いて25℃にて比抵抗を測定した結果
は、5Ω・cmであった。
【0044】[例2(比較例)]例1で得られたスルホ
ン酸基を含有するパーフルオロカーボン重合体の溶液を
ポリエチレンテレフタレートフィルム上に流延させて乾
燥し、厚さ30μmの補強されていない陽イオン交換膜
を得た。
【0045】この陽イオン交換膜を用いた以外は例1と
同様にして引張り強度及び比抵抗を測定したところ、引
張り強度は0.3kg/cm、比抵抗は4.8Ω・cm
であった。
【0046】[例3]例1で得られた織布に減圧下で2
0kGyのγ線を照射した後、該織布をスチレンモノマ
ーに浸漬し、60℃にて96時間グラフト重合を行っ
た。次いでトルエンで洗浄、乾燥した後、30重量%の
濃度のクロロスルホン酸のテトラクロロエタン溶液に2
5℃にて16時間浸漬し、グラフト重合により得られた
重合体のスチレンに基づく重合単位部にスルホニルクロ
リド基を導入した。次に2Mの水酸化カリウム水溶液に
90℃で2時間浸漬して加水分解した後、1Mの塩酸水
溶液に90℃で2時間浸漬しスルホニルクロリド基をス
ルホン酸基に変換した。グラフト率(100×(スルホ
ン化後の織布乾燥重量−原料織布の重量)/原料織布の
重量)は62%で、グラフト重合後の織布の厚さは30
μmであった。
【0047】上記織布を用いた以外は例1と同様にして
補強された厚さ35μmの陽イオン交換膜を得た。この
陽イオン交換膜を用いた以外は例1と同様にして引張り
強度及び比抵抗を測定したところ、引張り強度は8.9
kg/cm、膜抵抗は5.2Ω・cmであった。
【0048】[例4]燃料極及び酸素極のガス拡散電極
としては、カーボンブラックとPTFE(重量比で6:
4)とからなり、白金が担持された厚さ約200μm、
面積10cm 2のシート(白金担持量0.5mg/c
m2)を使用した。接着剤としては、エタノールとジク
ロロペンタフルオロプロパンの重量比が1:1の混合溶
媒に、例1で合成したスルホン酸基を含有するパーフル
オロカーボン重合体を溶解し、5重量%の溶液を作製し
た。
【0049】常温において、2枚のガス拡散電極に対し
それぞれ0.05gの接着剤を塗布し、塗布面を内側に
向けて例1で得られた補強された陽イオン交換膜を挟ん
だ。次いで、これを手押しローラーで押し付け、常温で
2時間乾燥した後、60℃で2時間乾燥して膜電極接合
体を得た。
【0050】次に上記膜電極接合体を2枚のチタン製の
集電体で挟み、さらにその外側に2組のPTFE製のガ
ス供給室を配置し、さらにその外側にヒーターを配置
し、有効膜面積10cm2の燃料電池を組み立てた。
【0051】燃料電池の温度を80℃に保ち、酸素極に
酸素、燃料極に水素をそれぞれ2気圧で供給し、電流密
度1A/cm2のときの端子間電圧を測定したところ
0.60Vであった。この条件で1500時間連続して
運転したところ、1500時間後も端子間電圧はかわら
なかった。
【0052】[例5(比較例)]例2で製造した補強さ
れていない陽イオン交換膜を用いた以外は例4と同様に
して燃料電池を組み立てた。この燃料電池を用いて例4
と同様にして電流密度1A/cm2のときの端子間電圧
を測定したところ0.60Vであった。例4と同様に連
続運転したところ、1000時間後に端子間電圧は0.
4Vに低下した。そこで、燃料電池を解体してみると、
膜電極接合体のエッジの部分で陽イオン交換膜にしわが
生じていた。
【0053】
【発明の効果】本発明では、従来に比べ抵抗が低くかつ
機械的強度が高い陽イオン交換膜を固体高分子電解質と
して使用しているため、長期にわたって高性能の固体高
分子電解質型燃料電池が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA26 AA27 AA27X AA30 AA30X FA05 FB01 FC01 FC06 FD02 5H026 AA06 BB00 BB10 CX02 CX03 CX05 EE18 EE19 HH00 HH03 HH05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スルホン酸基を含有するパーフルオロカー
    ボン重合体からなる陽イオン交換膜を固体高分子電解質
    として有し、前記陽イオン交換膜は、重量平均分子量が
    100万以上のポリエチレン繊維からなる補強材を含有
    することを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池。
  2. 【請求項2】前記ポリエチレン繊維は、デニール数が
    0.8〜50である請求項1に記載の固体高分子電解質
    型燃料電池。
  3. 【請求項3】前記陽イオン交換膜は、前記ポリエチレン
    繊維からなる織布により補強されており、該織布は、縦
    糸及び横糸のデニール数がそれぞれ独立に0.8〜50
    であり、縦糸及び横糸の密度がそれぞれ独立に10〜2
    00本/インチであり、かつ厚さ10〜80μmである
    請求項1に記載の固体高分子電解質型燃料電池。
  4. 【請求項4】前記陽イオン交換膜は、前記ポリエチレン
    繊維からなる不織布により補強されており、該不織布
    は、目付量5〜50g/m2かつ厚さ10〜80μmで
    ある請求項1又は2に記載の固体高分子電解質型燃料電
    池。
  5. 【請求項5】前記ポリエチレン繊維が、1m2あたりに
    1〜30g分散されていることにより前記陽イオン交換
    膜が補強されている請求項2に記載の固体高分子電解質
    型燃料電池。
  6. 【請求項6】前記ポリエチレン繊維の表面は、放射線処
    理、放電処理、薬品処理又は放射線グラフト重合法処理
    により処理されている請求項1、2、3、4又は5に記
    載の固体高分子電解質型燃料電池。
  7. 【請求項7】スルホン酸基を含有するパーフルオロカー
    ボン重合体が、CF2=CF2に基づく重合単位とCF2
    =CF−(OCF2CFX)m−Oq−(CF2)n−SO3
    Hに基づく重合単位(ただし、Xはフッ素原子又はトリ
    フルオロメチル基であり、mは0〜3の整数、nは0〜
    12の整数、qは0又は1であり、m=q=n=0では
    ない。)とを含む共重合体である請求項1、2、3、
    4、5又は6に記載の固体高分子電解質型燃料電池。
  8. 【請求項8】前記陽イオン交換膜は、スルホン酸基を含
    有するパーフルオロカーボン重合体の溶液又は分散液を
    キャスト法により製膜されてなる請求項1、2、3、
    4、5、6又は7に記載の固体高分子電解質型燃料電
    池。
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