JP2000233377A - 研磨用部材、それを用いた研磨用定盤及び研磨方法 - Google Patents

研磨用部材、それを用いた研磨用定盤及び研磨方法

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JP2000233377A
JP2000233377A JP35717399A JP35717399A JP2000233377A JP 2000233377 A JP2000233377 A JP 2000233377A JP 35717399 A JP35717399 A JP 35717399A JP 35717399 A JP35717399 A JP 35717399A JP 2000233377 A JP2000233377 A JP 2000233377A
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polishing
silica
molded body
silica molded
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JP35717399A
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English (en)
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Toshihito Kuramochi
豪人 倉持
Yoshitaka Kubota
吉孝 窪田
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Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】研磨用成形体を研磨加工プロセスに適用するに
あたり、速い研磨速度と研磨用成形体の高耐久性及び低
消耗性を両立でき、研磨装置への組み込みも容易となる
と共に、廃液処理の問題も軽減できる研磨用部材、それ
を用いた研磨用定盤及び研磨方法を提供する。 【解決の手段】主としてシリカ(二酸化珪素)からな
り、かさ密度が0.2〜1.5g/cm3であり、BE
T比表面積が10〜400m2/gであり、平均粒子径
が0.001〜0.5μmであり、連続微細気孔を開放
気孔として有するシリカ成形体を基材とし、かつシリカ
成形体の開放気孔に研磨液に可溶性の固形物を有する研
磨用部材、それを用いた研磨用定盤及び研磨方法を用い
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコンウエハや
ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウムなどの酸化物基
板、化合物半導体基板、ガラス基板などの基板材料や金
属材料、石英ガラス、石材等の研磨加工プロセスや化学
的機械的研磨(CMP)プロセスに好適な、シリカ成形
体を基材とした研磨用部材、それを用いた研磨用定盤及
び研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、シリコンウエハや酸化物基
板、化合物半導体基板、ガラス基板などの基板材料等の
研磨加工プロセスでは、基板材料等の表面にコロイダル
シリカ等の遊離砥粒を水酸化カリウム等の化学薬品に調
合した研磨液を連続的に流しながら不織布タイプやスウ
ェードタイプ等のポリッシングパッドで磨くことによっ
て仕上げており、例えば特開平5−154760、特開
平7−326597には種々の研磨剤と研磨布を用いて
シリコンウエハの研磨を実施することが開示されてい
る。しかしながら、このような方法では遊離砥粒を大量
に使用するため遊離砥粒を大量に含有する研磨廃液が生
じ、その処理等については研磨処理の効率、廃液処理の
設備面、環境への影響を考慮すると改善されるべきもの
であった。また、研磨処理において、研磨布は目詰まり
等の性能劣化が短時間で生じるために新たなものへと取
り替える必要が生じ、研磨処理作業の効率化の面での課
題もあった。
【0003】このような課題に対し、例えば特開平6−
39732には粗研磨用として液状フェノール樹脂と液
状メラミン樹脂からなる混合液と砥粒等をスラリー化し
た後に固化して砥石を得ることが提案されている。しか
しながら、このような砥石では砥粒間は接触しているだ
けで何ら結合をしているわけではなく、砥石中で結合材
の役割をなしている樹脂分を除去してしまうと砥石とし
ての体をなさなくなってしまうため、樹脂分は研磨加工
中に除去されることはなく常に研磨面表面にも存在する
ために、いわゆる目詰まりと同じような状況を発生しや
すくなってしまうという課題を有していた。
【0004】そこで本発明者らは、例えば特開平10−
1376号公報に開示されるように、主としてシリカか
らなる研磨用成形体が研磨加工プロセスに適用できるこ
とを見い出し、前記の課題を解決するべく検討してき
た。その結果、以下の知見を見い出した。
【0005】1)研磨に携わる研磨用成形体の表面がそ
の原料であるシリカ粉末により粗面となっており、これ
と被研磨材料とが直接接触するために、コロイダルシリ
カ等の遊離砥粒を含まない研磨液を使用して基板材料等
の研磨加工プロセスへの適用が可能となり、しかもその
際にシリカ粒子の脱落が非常に少なくなり、廃液の問題
が軽減される。
【0006】2)研磨用成形体の強度が比較的高いため
に研磨加工プロセスにおいても比較的耐久性があり、そ
のため研磨布に比べて長期に渡って取換えなしで研磨作
業を実施できると共に、研磨加工の際の加工圧力を高く
することができるために加工時間の短縮が可能となる。
【0007】3)研磨された被研磨材料の仕上がりが従
来の方法と同程度以上であり、同程度の仕上がりを得る
場合の研磨速度の面でも同等以上であって、研磨性能の
経時的な劣化が少ない。
【0008】4)たとえ遊離砥粒を含有する研磨剤を用
いた場合でも、従来の方法よりも希薄な遊離砥粒濃度で
研磨速度が向上する。
【0009】しかしながら、このような研磨用成形体を
研磨加工に用いることにより上記の優れた点が見出され
たが、研磨速度等の研磨加工作業の効率化と研磨用成形
体の耐久性とを、よりいっそう両立させた優れた研磨加
工用の部材が望まれていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記課題に鑑
みてなされたものであり、その目的は、主としてシリカ
からなる研磨用成形体を研磨加工プロセスに適用するに
あたり、速い研磨速度と研磨用成形体の高耐久性及び低
消耗性を両立でき、研磨装置への組み込みも容易となる
と共に、廃液処理の問題も軽減できる研磨用部材、それ
を用いた研磨用定盤及び研磨方法を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討を重ねた結果、主としてシリカ
(二酸化珪素)からなり、かさ密度が0.2〜1.5g
/cm3であり、BET比表面積が10〜400m2/g
であり、平均粒子径が0.001〜0.5μmであり、
連続微細気孔を備えたシリカ成形体を基材とし、この基
材となるシリカ成形体の開放気孔中に、研磨液に可溶性
の固形物(以下、「研磨液に可溶性の固形物」を単に
「可溶性固形物」という。)を充填させた研磨用部材を
用い、基板材料や金属材料、石英ガラス、石材等の研磨
される材料(以下「被研磨材料」という)をこれに押し
つけた後、研磨用部材及び/又は被研磨材料を摺擦運動
させながら研磨液を加えつつ被研磨材料を研磨すること
で新たに以下の知見を見い出し、本発明を完成するに至
った。
【0012】1)主としてシリカからなる研磨用成形体
の開放気孔に可溶性固形物を充填させた研磨用部材を用
いることにより、研磨加工中に研磨用部材にかかる摩擦
等による負荷を緩和でき、研磨加工における研磨用成形
体の消耗を抑制することができる。このため研磨加工中
に生じうる研磨用部材の破損をなくすことができ、ま
た、たとえ破損することがあるにしてもその頻度あるい
は損傷度を減ずることができる。
【0013】2)主としてシリカからなる研磨用成形体
の開放気孔に可溶性固形物を充填させることで研磨用成
形体の耐久性をさらに向上させることができる。そのた
め、研磨加工の際にかける加工圧力を一層大きくするこ
とができ、また、その加工圧力を研磨面全体に一様にか
けうるために、研磨加工に時間がかかる硬い材質の被研
磨材料であっても比較的短時間で研磨できる。
【0014】3)シリカ成形体の開放気孔に可溶性固形
物を充填することは研磨用部材の研磨加工プロセスでの
目詰まりが懸念されるわけであるが、本発明では、可溶
性固形物を基材となるシリカ成形体の開放気孔に充填し
てあるため、研磨液と接触する研磨用部材の外表面から
少しずつ可溶性固形物が溶解し、そのことで研磨用部材
の研磨面の目詰まりを防止しつつ、その刃先を確保でき
ること、さらに、研磨用部材の耐久性も向上させること
ができ、効率的に研磨加工作業ができるようになる。
【0015】4)本発明の研磨用部材の基材となるシリ
カ成形体がシリカ粒子の三次元網目状組織をなしている
ことから、たとえ基材のシリカ成形体の開放気孔に充填
された可溶性固形物が全て溶解してもその形状を保つこ
とが可能であり、研磨加工を長期に渡って継続して行う
ことができる。
【0016】5)シリカ微粒子を成形して得られるシリ
カ成形体にはその表面に多数の開放気孔を有しているた
めに凹凸構造となっており、このシリカ成形体を研磨加
工に用いられる研磨用定盤として、直接研磨用付帯部品
と接着あるいは研磨用付帯部品に固定して装着する場
合、この凹凸があるがゆえに研磨用付帯部品とはなじみ
にくいものとなっていた。これに対し、シリカ成形体の
開放気孔に可溶性固形物を充填することで、可溶性固形
物が未充填の場合と比較してシリカ成形体の表面をより
平滑となり、研磨用付帯部品とのなじみがよくなって両
者の装着性を向上させることができ、そのために研磨加
工中にも両者間でのずれが生じにくくなって効率的に研
磨加工できるとともに、シリカ成形体の破損の程度を著
しく抑えることができる。
【0017】このように、本発明の研磨用部材、研磨用
定盤及び研磨方法を用いることで、これらの優れた点を
見出だし、本発明を完成するに至った。
【0018】以下、本発明を詳細に説明する。
【0019】本発明において用いられる研磨用部材の基
材となるシリカ成形体は、主としてシリカからなり、か
さ密度が0.2〜1.5g/cm3であり、BET比表
面積が10〜400m2/gであり、平均粒子径が0.
001〜0.5μmであり、連続微細気孔を有してい
る。そして、このシリカ成形体の開放気孔に可溶性固形
物を充填して得られたものが本発明の研磨用部材であ
る。
【0020】<研磨用部材の基材>研磨用部材の基材と
なるシリカ成形体の物性、組成としては以下の通りであ
る。
【0021】主としてシリカとは、シリカ成分がシリカ
成形体全量の90重量%以上有するものであり、例え
ば、その種類としてケイ酸ソーダを原料として得られる
湿式法シリカ粉末(または沈降性シリカとも呼ぶ)や四
塩化ケイ素の気相熱分解により得られる乾式法シリカ粉
末を用いて、粉末の成形法により製造したものや、前記
の四塩化ケイ素の気相熱分解により得られるシリカ微粉
末を直接成形体状に堆積して得られる成形体(通常スー
トと呼ばれる)などが例示できる。さらに、シリカ成分
が90重量%以上とは、シリカ粉末あるいはスートなど
を105℃で2時間加熱処理した後のシリカ成分、不純
物、灼熱減量(Ig.Loss)の総量を全量としたと
きのシリカ成分の重量%として明示できる。従って、灼
熱減量を除いて考えれば、本発明で用いられるシリカ原
料粉末のシリカ成分は実質的に97重量%以上となる。
シリカ成分の含有量が上記範囲を逸脱すると、研磨加工
時に被研磨材料への不純物による汚染等の影響や被研磨
材料に欠陥が生じる等の問題が生じてしまいやすくな
る。
【0022】基材となるシリカ成形体(以下、前記した
スートを含む)のかさ密度の範囲としては、研磨中にお
けるシリカ成形体の形状を保持し、被研磨材料の平滑な
面を得るために0.2〜1.5g/cm3の範囲が好ま
しい。かさ密度が0.2g/cm3を下回ると、耐久性
が低下し、研磨加工時の消耗が速くなるのみならず、そ
の形状を保てないほど形状保持性が悪くなり、1.5g
/cm3を上回ると、被研磨材料の表面の欠陥が無視で
きなくなるため平滑な面を得ることができず、好ましく
ない。
【0023】基材となるシリカ成形体のBET比表面積
の範囲としては10〜400m2/gである。BET比
表面積が400m2/gを超えると成形体の形状を保て
ないほど形状保持性が悪くなり、10m2/gを下回る
と被研磨材料の表面の欠陥が無視できなくなるため平滑
な面を得ることができず好ましくない。
【0024】基材となるシリカ成形体の平均粒子径の範
囲としては、多孔体への成形を容易にし、被研磨材料の
平滑な面を得るために0.001〜0.5μmである。
平均粒子径が0.001μmよりも小さくなると原料粉
末の1次粒子径が0.001μmよりも小さくなり、多
孔体に成形することが非常に難しくなるために実用に供
し得なくなることがあるため好ましくない。
【0025】基材となるシリカ成形体は、主に数nm〜
数百μm程度と推定される微細な気孔同志が接触し、実
質的に連続した気孔、すなわち連続微細気孔を備えてい
る。
【0026】本発明に用いられる基材となるシリカ成形
体は多孔性に富むため、研磨加工中においても目詰まり
を抑制でき、作業効率を向上させることができるもので
あるが、多孔性が増せば増す程、研磨加工に用いられる
シリカ成形体の耐久性が低下し、シリカ成形体の消耗が
著しくなることがあった。そこで本発明者らは、シリカ
成形体の開放気孔に可溶性固形物を充填することでシリ
カ成形体の耐久性を向上させ、研磨加工中のシリカ成形
体の消耗を抑制することができ、しかも可溶性固形物を
使用することにより、研磨加工中に研磨液と接した部分
の可溶性固形物が、すなわち、研磨加工での研磨に携わ
る面の可溶性固形物が少しずつ溶解することで目詰まり
をも抑制することができることを見出したのである。
【0027】本発明の研磨用部材に用いられる基材とな
るシリカ成形体の開放気孔率、すなわちシリカ成形体の
全容積に対する開放気孔部分の容量の割合は30〜95
容量%であることが好ましい。この開放気孔率が30容
量%よりも小さいとシリカ成形体に可溶性固形物を充填
する効果が非常に小さくなってしまうことがあり、ま
た、95容量%よりも大きいと基材となるシリカ成形体
がその形状を保てないほど形状保持性が悪くなることが
ある。
【0028】本発明の研磨用部材に用いられる基材とな
るシリカ成形体は、上記のように気孔を有するものであ
り、この気孔は種々の大きさのものがシリカ成形体中に
分布しているわけであるが、シリカ成形体中の気孔径分
布としては、気孔径が1μm以上の気孔の容積の総和で
ある気孔径積算細孔容積がシリカ成形体の全気孔の容積
の総和である積算総細孔容積の20%以上であり、10
〜100μmの気孔径の積算細孔容積がシリカ成形体の
積算総細孔容積の15%以上であり、100μmより大
きい気孔径の積算細孔容積がシリカ成形体の積算総細孔
容積の5%以下であることが好ましい。
【0029】気孔径1μm以上の気孔径分布がこの範囲
にあれば研磨加工中に目詰まり等が起こりにくくなり、
研磨効率の持続性が高くなって頻繁にドレッシングする
ことがなくなるため好ましい。さらに、気孔径10〜1
00μmの気孔径分布が前記のようであることがさらに
好ましい。これは気孔径が10μmよりも小さい気孔が
多くなると目詰まり等の現象が生じる頻度が少しずつ増
加することと気孔径が100μmよりも大きい気孔が多
くなると構造的に粗すぎて物性の均一性という面でやや
難があるからである。
【0030】ここで、物性の均一性が劣るということは
被研磨材料の均質な研磨が行われにくいということにつ
ながることがある。そのため気孔径が100μmよりも
大きい気孔径分布は前記の範囲にあることが望ましい。
【0031】<可溶性固形物>基材となるシリカ成形体
の開放気孔に充填される可溶性固形物としては、本発明
の目的を達成できるものであれば特に限定されないが、
シリカ成形体に充填・固化でき、さらに、研磨加工プロ
セスにおいて研磨液に接する部分より徐々に溶解するも
のが好ましい。また、実用上は水系の研磨液を用いるこ
とが多く、目詰まり等を避けるために水に可溶性の固形
物を用いることが好ましい。
【0032】この可溶性固形物としては、実際の研磨加
工に用いる研磨液に可溶性の無機化合物、有機化合物が
挙げられ、これらの固形物は被研磨材料中に不純物とし
て残留しないものが望ましい。その具体的な例として
は、以下のものが挙げられる。
【0033】先ず、KOH、NaOH、LiOHのよう
なアルカリ金属の水酸化物や、Mg(OH)2、Ca
(OH)2のようなアルカリ土類金属の水酸化物といっ
たアルカリが挙げられ、これらは基材となるシリカ成形
体の耐久性を向上させるのみならず、研磨加工中にアル
カリ成分を溶出させることで、例えばシリコンウエハを
研磨する場合にはエッチングの効果も期待でき、そのた
め研磨液として蒸留水等のアルカリ分を含まないもので
あっても研磨が可能となる、という優れた効果を奏する
ことができる。
【0034】また、LiF、NaCl、KClのような
アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の塩及びこれら
の水和物などが挙げられ、これらは基材の研磨用成形体
の耐久性を向上させるのみならず、被研磨材料がガラス
基板等の場合には可溶性固形物より溶解する金属イオン
がメカノケミカル作用に寄与することが期待でき、その
ため研磨液として遊離砥粒を用いなくとも十分に研磨で
き、シリコンウエハなどの研磨に効果を奏する。
【0035】熱硬化性、嫌気硬化性、紫外線硬化性、熱
可塑性などのエポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリオ
レフィン系樹脂等の樹脂類や、瞬間硬化性、接触硬化
性、紫外線硬化性、嫌気硬化性などの瞬間系接着剤、弾
性系接着剤、ホットメルト系接着剤、エラストマー系接
着剤、エマルジョン系接着剤、熱硬化性樹脂系接着剤、
熱可塑性樹脂系接着剤等の接着剤が挙げられ、これらは
基材となるシリカ成形体の耐久性を向上させることがで
きる。
【0036】水溶性ワックスなどのワックス類等が挙げ
られ、これらは基材となるシリカ成形体の耐久性を向上
させることができる。
【0037】尿素などのアミン類、シュウ酸、マロン
酸、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、酒石酸などの有機酸類
といった有機物が挙げられ、これらは基材の研磨用成形
体の耐久性を向上させるのみならず、アミン類について
はシリコンウエハの、有機酸については金属や各種ガラ
スの研磨速度を向上させることもできる。
【0038】これらの、研磨液に可溶性の無機化合物、
有機化合物は、一種単独にて用いることができるが、2
種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0039】基材となるシリカ成形体に充填される可溶
性固形物の量としては、シリカ成形体の開放気孔の全容
積の10容量%以上とすることが好ましい。可溶性固形
物が10容量%よりも少なく充填されていると、研磨加
工中におけるシリカ成形体の耐久性向上や消耗抑制の効
果が小さくなってしまうことがある。
【0040】<研磨用部材の製造方法>次に本発明の研
磨用部材の製造方法について説明する。
【0041】まず、基材となるシリカ成形体の製造方法
としては、上記記載のシリカ成形体の特性を有するもの
であれば特に限定されるものではない。例えば、ケイ酸
ソーダを原料として得られる湿式法シリカ粉末(または
沈降性シリカとも呼ぶ)、四塩化ケイ素の気相熱分解に
より得られる乾式法シリカなどの原料粉末に圧力をかけ
たり、スラリー化したものを型に入れたりして成形する
ことでシリカ成形体を得、これに焼成等の加工を施した
ものや、前記の四塩化ケイ素の気相熱分解により得られ
るシリカ微粉末を直接成形体状に堆積させた成形体など
を例示できる。
【0042】さらに原料粉末の処理の方法としては、例
えば予備成形した後、ふるい等を用いて分級する方法な
どが挙げられる。予備成形の際の圧力としては、粉末の
性状等に左右され一定しないが、通常5〜1000kg
/cm2で十分である。また、原料粉末の成形性を向上
させるため、スプレードライ法や転動法などにより造粒
したり、バインダーを溶解して添加してもよい。
【0043】また、この造粒粉末に造孔剤を混合しても
よく、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタ
リンワックス等のワックス類、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリブチルメタクリレート等のアクリル樹脂の粉
末、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体
等のオレフィン系樹脂の粉末、ポリスチレン粉末、ステ
アリン酸等の高級脂肪酸の粉末、馬鈴薯でんぷん、とう
もろこしでんぷん、ポリビニルアルコール、エチルセル
ロース、カーボン粉末などが挙げられる。この場合、造
粒粉末と造孔剤を混合する方法としては、造粒粉末を崩
さずに造孔剤と混合できる方法であれば特に限定される
ものではなく、例えばV型混合機による乾式混合などが
例示できる。
【0044】造粒粉末と造孔剤を混合した混合粉末の成
形方法は特に限定されるものではないが、機械プレス成
形、静水圧成形、射出成形、押出し成形、鋳込み成形な
どが例示できる。
【0045】この基材となるシリカ成形体は、原料シリ
カ粉末のみからシリカ成形体を得た場合はそのまま本発
明の研磨用部材の基材として用いることもできるが、バ
インダーなどの結合剤や造孔剤を用いて、加熱脱脂、加
熱焼成、機械加工等による方法により加工して得ること
もできる。この際の加工方法は基材となるシリカ成形体
として研磨作業に使用できる強度を付与できる加工方法
であれば特に限定されるものではない。一般的には、成
形性を向上させるために成形前にワックスやバインダー
などの有機物の結合剤を添加し、さらに造孔剤も添加し
ていることから、焼成前に脱脂することが好ましい。脱
脂の方法は特に限定されるものではないが、例えば大気
雰囲気下での加熱による脱脂、又は窒素、アルゴン、ヘ
リウムなどの不活性雰囲気中での加熱脱脂などが挙げら
れる。このときの雰囲気ガスの圧力は真空から加圧まで
変化させることもまた何ら妨げない。また同様に、成形
性を向上させるために、粉末に水分を添加して成形し、
その後焼成操作の前に乾燥させることもできる。
【0046】次に、結合剤や造孔剤が取り除かれた成形
体は、一般的には強度的にもろくなっているため、その
強度を上げ、研磨用定盤としての耐久性を向上させるた
めに、代表的な方法として加熱による焼成を行うことが
好ましい。しかし、耐久性を向上させる方法としては、
加熱焼成に限定されるものではない。
【0047】以上のようにして、本発明において用いら
れる基材となるシリカ成形体が製造される。
【0048】次に基材となるシリカ成形体の開放気孔に
可溶性固形物を充填して得られる研磨用部材の製造方法
について説明する。
【0049】基材となるシリカ成形体へ可溶性固形物を
充填する方法としては特に限定されるものではない。例
えば、可溶性固形物が気化しうるものである場合にはそ
れを高温あるいは減圧下で気化させた後、基材となるシ
リカ成形体へ不活性気体と共にあるいは気化したガスの
みで流通させ、その後冷却等してシリカ成形体に析出さ
せる方法、基材となるシリカ成形体を可溶性固形物を含
む溶液あるいはスラリーに浸し、その後に固化する方
法、基材となるシリカ成形体に可溶性固形物を含む溶液
あるいはスラリーを塗布した後に固化する方法、可溶性
固形物を含む溶液あるいはスラリーをシリカ成形体に対
して加圧下に接触させる方法、等を例示することができ
る。また、可溶性固形物を充填する前にシリカ成形体を
減圧してその細孔中を脱気した後に可溶性固形物を充填
させてもよい。ここで、可溶性固形物を溶解あるいはス
ラリー化する液体や、気化する際の条件としては公知の
方法を用いればよく、また、可溶性固形物をシリカ成形
体へ充填する際の温度、圧力、時間等の条件としても本
発明の目的を達成できるものであれば特に限定されるも
のではない。要は、可溶性固形物が基材となるシリカ成
形体へ充填され、固化された状態にあればよい。
【0050】このようにして、本発明で用いられる研磨
用部材が得られる。
【0051】<研磨用定盤>次に、この研磨用部材を研
磨用の定盤として組み込み、さらにこれを用いて被研磨
材料を研磨する方法について説明する。
【0052】まず、研磨用部材と研磨用付帯部品とを用
いて研磨用定盤が形成される。
【0053】ここで、付帯部品とは、金属製プレートな
ど、研磨用定盤を構成する種々の材質、形状の構造体で
あり、この付帯部品に対して研磨用部材を以下に示され
る手法により配置し、固定することで研磨用定盤が形成
される。両者の固定の方法としては、弾性接着剤、熱可
塑性接着剤、熱硬化性接着剤等の接着剤を用いて接着し
て固定する方法、付帯部品に凹凸を形成させその固定場
所へ埋め込む方法など、本発明の目的を達成できる方法
であれば制限なく用いることができる。殊に、本発明の
研磨用部材は、基材となるシリカ成形体の開放気孔に可
溶性固形物が充填されているため、研磨用の付帯部品と
研磨用部材とを固定する際に、両者をより密接に接しめ
ることができ、研磨加工の際に生じる負荷、振動等によ
り研磨用部材がずれるのを抑制することができ、研磨加
工の精度を高めることが可能となるのである。尚、本発
明の研磨用部材を研磨用付帯部品へ固定する際に接着剤
を用いる場合には、弾性接着剤のような、基材となるシ
リカ成形体に生じることがあるひび、割れ等がない接着
剤を用いることが好ましい。
【0054】さらに、上記のようにして研磨用部材が固
定された研磨用の付帯部品を、研磨装置等へ組み込む際
には、その機構、形状、据え付け方法等にもよるが、直
接、上記の研磨用付帯部品を組み込むだけでなく、研磨
装置等に設置されている回転用部品とこの付帯部品と
を、接着、埋め込み固定、ネジ等による固定といった方
法により固定することができる。
【0055】研磨用部材を研磨用の付帯部品へ固定する
際の研磨用部材の個数については、1個又は2個以上用
いればよく、さらに2個以上用いることが好ましい。こ
れは、研磨加工プロセスにおいて用いられる研磨液を研
磨中に適切に排出することで研磨速度を向上させるため
であり、研磨用部材を2個以上用いて研磨用定盤を形成
させると、研磨用部材の間の隙間より研磨液が排出でき
る。また、1個を用いた場合には、部材の研磨面の側に
研磨液を排出できる適当な溝の構造を持たせるとよい。
さらに、研磨用部材を2個以上用いて研磨用定盤を形成
させた場合には、被研磨材料の当たりがよくなり、被研
磨材料全面の研磨速度に偏りなく、効率よく研磨できる
ようになる。
【0056】研磨用定盤へと組み込まれる研磨用部材の
形状は特に限定されるものではなく、例えば円柱状ペレ
ットや四角柱状ペレット、三角柱状ペレットなどの角柱
状ペレット、扇型柱状ペレット等を例示できる。
【0057】研磨用部材の大きさとしては、通常用いら
れる範囲であれば特に限定されるものではなく、研磨用
付帯部品の大きさに応じて決めればよい。さらに具体的
には、一辺が5〜100mm角の範囲内に収まる大きさ
である方が実用上好ましい。例えば円柱状ペレットでは
直径5〜100mm、四角柱状ペレットでは5〜100
mmの範囲内の一辺であることになる。一辺が5mm角
の範囲よりも小さい場合でも研磨用定盤としての機能を
十分に有するが、実際の研磨加工プロセスで使用する際
は研磨処理の効率化のために大型の研磨用定盤として用
いることがあり、その場合には用いる個数を多くしなく
てはならず、実用的に不利となることがある。一方、一
辺が100mm角の範囲よりも大きい研磨用部材を複数
個用いる場合は研磨用定盤としての機能を十分に有する
が、上記記載のような研磨用部材を複数個配列する効果
が小さくなってくる。もちろん、部材の研磨面の側に研
磨液を排出できる適当な溝のような構造を持たせれば、
一辺が100mm角の範囲よりも大きくともよい。
【0058】研磨用部材の厚さとしては特に限定される
ものではないが、3〜10mmの範囲内であることが好
ましい。厚さが3mmより小さい場合でも研磨用定盤と
しての機能を十分に有するが研磨用部材を取り替える作
業などの実用性を考慮すると前記範囲が好ましい。ま
た、厚さが10mmよりも大きい場合でも研磨用定盤と
しての機能を十分に有するが、研磨用部材間の段差等に
より、研磨加工時に研磨用部材の研磨に携わる面に研磨
液が十分に行き渡りにくくなることが懸念されるために
研磨液の流し方に工夫が必要となるなどの実用性を考慮
すると前記範囲が好ましい。
【0059】配列の仕方は研磨用部材を研磨加工プロセ
スで使用できるために当然配列しなければならない場
所、例えば研磨装置の回転定盤などの全面にわたって偏
りなく配列されていれば特に限定されるものではなく、
任意の位置に配置されても構わないが、研磨効率が被研
磨材料の研磨位置に影響されないようにするためには研
磨用定盤の中心線に対して左右対称になるように、ある
いは研磨用定盤の中心点より同心円上に配置するなど適
切に配置するとよい。
【0060】上記の研磨用部材の配列する個数として
は、研磨用部材個々の大きさ、研磨用部材を研磨加工プ
ロセスで使用できるために当然配列しなければならない
場所や研磨装置の定盤などの大きさ等により一概に決め
られないが、研磨用部材を配列すべき場所の総面積に対
する研磨用部材の研磨面(研磨加工時に被研磨材料に接
触する面、以下同じ)の総面積の割合で表すと95%以
下であることが好ましい。この割合が95%を超えると
いうことは大きな研磨用部材を1個使用した場合とあま
り異ならなくなり、研磨用部材を複数個配列して研磨用
定盤とする効果が小さくなってしまう。ただ、研磨用部
材1枚に溝加工など適当な方法により研磨用部材を配列
すべき場所の総面積に対する研磨用部材の研磨面の総面
積の割合を95%以下とすることもできる。この割合の
下限値は特に限定されるものではないが、小さすぎると
研磨用部材の研磨面の総面積が小さくなることを意味し
ており、30%程度以上とする方が実用的である。
【0061】以上のようにして本発明の研磨用部材を研
磨用定盤へ組み込むことができる。
【0062】また、本発明の研磨用部材を用いて被研磨
材料を研磨する方法としては、上記記載の研磨用部材を
研磨用付帯部品に固定した研磨用定盤を用いて行うのみ
ならず、研磨用部材を研磨装置中の回転部分等に直接組
み込んで行うこともできる。
【0063】研磨の際に研磨用定盤を用いる場合、定盤
は被研磨材料に対して直接接触して研磨するために用い
られるものであり、研磨加工プロセスにおいて十分な強
度を有し、かつ被研磨材料を研磨できる性能を有してお
ればよい。従って、その形状としては、被研磨材料と同
じ形状を有するだけでなく、必要に応じて非平面の形状
を有していてもよく、例えばその形状として、平板状、
円盤状、リング状、円筒状等を挙げることができる。
【0064】研磨加工プロセスにおける研磨液の液温や
種類、加工圧力、定盤等の回転数などの研磨条件、研磨
液等の使用などについては公知の方法を用いればよく、
特に限定されるものではない。例えば、研磨液として水
酸化カリウム水溶液等のアルカリ水溶液を用いることが
できる。また、その研磨加工の際の研磨液の液温もその
沸点より低い温度にて研磨加工すればよい。加工圧力も
研磨布を用いた従来の方法では研磨加工時の通常の加工
圧力は100〜500gf/cm2程度であったが、本
発明においても従来の方法と同程度の加工圧力を用いる
ことができ、さらに、従来の方法では面だれ現象などに
より行うことができなかったような、より高い加工圧力
でも研磨加工でき、研磨用成形体の耐えられる限界(1
000gf/cm2以上)までの加工圧力での研磨加工
が可能である。実用的には1000gf/cm2程度ま
での加工圧力の範囲が好ましい。
【0065】また、本発明の研磨方法は従来の方法のよ
うな研磨布を用いず、さらに、耐久性に優れた研磨用部
材を用いるため、取り替えによる作業の中断の頻度を減
少でき、研磨作業を効率化できる。
【0066】さらに、従来の研磨剤による方法において
研磨処理により生じる遊離砥粒を含んだ研磨廃液につい
ても、本発明の研磨用部材を用いることで遊離砥粒を用
いなくても研磨することが可能となり、そのために研磨
廃液中の遊離砥粒がなくなって廃液処理の問題が軽減で
きる。また、たとえ遊離砥粒を含有する研磨液を用いた
場合でも、従来の方法の場合よりも用いられる遊離砥粒
を少なくして研磨することができるため、廃液処理の問
題が軽減される。この研磨処理により生じる研磨廃液に
ついては、例えば、研磨廃液に対して光を照射した場合
の透過率が従来の方法におけるものよりも高くなること
で確認できる。このような研磨廃液の問題を考慮する
と、研磨廃液の600nmの波長の光における透過率は
水を対象とした場合に対して10%以上にすることが好
ましい。
【0067】本発明の研磨用部材を用いた研磨用定盤の
用途としては、シリコンウエハ、ガリウムリン、ガリウ
ム砒素等の化合物半導体基板、ニオブ酸リチウム、タン
タル酸リチウム、ホウ酸リチウム等の酸化物基板、石英
ガラス基板などの基板材料、石英ガラス、金属材料、建
築等の石材等の研磨加工プロセス用の研磨材や化学的機
械的研磨(CMP)プロセス用の研磨材等として有用で
ある。
【0068】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いてさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、各評価は以下に示した方法によって実施し
た。
【0069】〜基材となるシリカ成形体のかさ密度〜 100mm×100mm×15mm(厚さ)の平板状試
料を作製し、サンプルとした。このサンプルを電子天秤
で測定した重量と、マイクロメータで測定した形状寸法
とから算出した。
【0070】〜基材となるシリカ成形体のBET比表面
積〜 シリカ成形体を砕いた後、MONOSORB(米国QU
ANTACHROME社製)を用い、BET式1点法に
より測定した。
【0071】〜基材となるシリカ成形体の平均粒子径〜 シリカ成形体の一部を、走査型電子顕微鏡ISI DS
−130(明石製作所製)で観察し、シリカ粒子部分の
みを考慮してインタセプト法により求めた。
【0072】〜気孔径分布〜 シリカ成形体を、水銀ポロシメータ(島津製作所製、ポ
アサイザ9320)用い、水銀圧入法により0から27
0MPaの圧力範囲で測定した。水銀ポロシメータで得
られる測定値は、水銀に圧力を掛けて気孔を有する成形
体サンプル中に水銀を圧入し、圧力と浸入した水銀の積
算容積の関係から得られる。すなわち、ある直径を有す
る気孔に水銀が入るための圧力は、Washburnの
式があり、この式を用いることにより、圧力と浸入した
水銀の積算容積の関係が気孔の直径とその直径よりも大
きな直径を有する気孔に浸入した水銀の容積の関係とし
て求めることができる。そして、この浸入した水銀の容
積は水銀の密度で除することにより、その気孔径よりも
大きな気孔の容積を示す。この気孔径と気孔容積の関係
は、通常水銀の表面張力、接触角や測定装置の構造から
くる水銀頭などの必要な補正がなされる。このように水
銀ポロシメータで得られた気孔径と気孔の積算容積の関
係からその値を求めることができる。
【0073】〜基材となるシリカ成形体の開放気孔率〜 直径25mm、厚さ10mmの円柱状試料を作製し、サ
ンプルとした。このサンプルを沸騰水中で煮沸して水を
十分に浸み込ませた。その後、この沸騰水が室温まで冷
却されるまで、サンプルを水中に放置してから、サンプ
ルを取り出し、表面に付着した水を拭き取り、重量増加
から開放気孔の体積を求めた。
【0074】得られた開放気孔の体積Vpともとのサン
プルの体積Vaから式(1)により開放気孔率を求め
た。
【0075】 開放気孔率(%) = Vp/Va ×100 (1) 〜基材となるシリカ成形体の開放気孔への可溶性固形物
の充填率〜基材となるシリカ成形体の寸法と重量Ws
それぞれ測定した。このシリカ成形体に可溶性固形物を
充填し、固化・乾燥した後、再度重量Waを測定した。
充填した固形物の比重dを用いて充填された可溶性固形
物の体積Vが式(2)により求めた。
【0076】V=(Wa−Ws)/d (2) 開放気孔の体積Vpと、可溶性固形物の体積Vから式
(3)により充填された可溶性固形物の開放気孔全容積
に対する容量%を求めた。
【0077】 充填率(容量%)=V/Vp×100 (3) 〜圧縮強度〜 JIS−R−1608に準拠し、10mm×10mm×
7mm(厚さ)の試料を作製し、島津オートグラフIS
−10T(島津製作所製)を用い、クロスヘッド速度
0.5mm/分で負荷を加えて測定した。
【0078】〜研磨試験〜 実施例については、表2に示した特性の円柱状の基材と
なるシリカ成形体(直径25mm、厚さ5mmの円柱
状)の開放気孔に可溶性固形物を充填して研磨用部材の
円柱状試験片を作製した。この研磨用部材を研磨装置P
LANOPOL/PEDEMAX2(Struers社
製)の回転下定盤(直径300mm)に100個装着
し、研磨用部材の表面を平坦に整えた。これを下定盤回
転数 150rpm、被研磨材料の下定盤へ250g/
cm2の加工圧力のもとで、被研磨材料としてシリコン
ウエハ(45mm×45mm角)を用い、研磨液として
水酸化カリウム水溶液(液温:30℃、pH=10.
8)を用いて、研磨液を100ml/分の速度で滴下し
ながら研磨した。研磨後の表面を顕微鏡(OLYMPU
S製、型式:BH−2)で観察した。評価に際しては、
極めて平滑でスクラッチ等のない良好な面である場合を
○、平滑にもならずに研磨加工できない場合を×とし
た。
【0079】〜表面精度〜 研磨処理後の被研磨材料の表面精度をJIS−B−06
01に準拠して、万能表面形状測定器SE−3C(小坂
研究所製)を用いて評価した。評価は中心線平均粗さ
(Ra)及び最大高さ(Rmax)をカットオフ値0.
8mm以上、測定長さ2.5mmの条件で実施した。こ
こで、Raとは、中心線平均粗さを意味し、粗さ曲線か
らその中心線の方向に測定長さ(Lで表す)の部分を抜
き取り、この抜き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方
向をY軸とし、粗さ曲線をy=f(x)で表したとき、
式(4)によって求められる値をマイクロメートル(μ
m)単位で表したものである。
【0080】
【数1】
【0081】また、Rmaxとは、最大高さを意味し、
断面曲線から基準長さだけ抜き取った部分の平行線に平
行な2直線で抜き取り部分を挟んだとき、この2直線の
間隔を断面曲線の縦倍率の方向に測定して、この値をμ
m単位で表したものである。
【0082】ここで研磨処理後とは実施例、比較例とも
に通常製品としていわれる研磨面相当の面を得た段階の
ことで、通常単結晶インゴットをワイヤーソーで切断し
て板状基板を得、それを両面ラップした面(この面の粗
さは、最大高さRmaxが3μm程度)を約10μm鏡
面研磨した状態のことである。
【0083】〜成形体の耐久性〜 研磨試験を継続的に行い、研磨試験開始から90時間後
に研磨用部材またはシリカ成形体を目視にて観察し、ひ
び、割れ、欠け等の破損や接着・固定のずれ等の有無を
観察した。評価に際しては研磨用部材またはシリカ成形
体の破損やずれが生じた個数を調べた。
【0084】〜成形体の消耗〜 研磨試験時間に対する成形体の厚さの変化を単位時間の
変化量として測定し、μm/時間単位で示した。この値
が小さい程研磨加工時の研磨用成形体の消耗が抑制され
ていることになる。
【0085】<研磨用成形体の製造・評価> 実施例1 表1に示す特性の、湿式法により得た沈降性シリカの原
料粉末にバインダー、水を添加、混合してスラリー化し
た。このスラリーをスプレードライヤーを用いて造粒粉
末を調製し、さらにバインダーを添加、混合して成形用
原料粉末とした。この成形用原料粉末を成形した後、焼
成炉で焼成してシリカ成形体を得た。これを前記記載の
評価方法により評価した。表1に得られた結果として、
シリカ成形体のかさ密度、BET比表面積、平均粒子
径、開放気孔率、気孔径分布、圧縮強度を示す。
【0086】このシリカ成形体の開放気孔に水溶性ワッ
クス(WA−302、日化精工製)を含浸した後、乾
燥、固化させて研磨用部材を作製した。表1に前記記載
の評価方法により評価した結果として研磨用部材のかさ
密度、開放気孔への可溶性固形物の充填率、圧縮強度を
示す。この研磨用部材を研磨装置の定盤部分に固定して
前記の研磨試験を行った。得られた研磨試験結果、表面
粗さ等の測定結果及び耐久性試験結果を表2に示す。
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】比較例1 実施例1で用いたと同じ基材となるシリカ成形体を研磨
装置の定盤部分に実施例1と同様に固定して研磨試験を
行った。得られた結果を表2に示す。
【0090】比較例2 ポリッシングパッド(RODEL製、SUBA−60
0)を研磨装置PLANOPOL/PEDEMAX2
(Struers社製)の回転下定盤に貼付し、回転数
150rpm、被研磨材料の下定盤への加工圧力 2
50g/cm2のもとで、被研磨材料としてシリコンウ
エハ(45mm×45mm角)を用い、市販の研磨剤N
ALCO2350(RODEL製)を蒸留水で希釈した
ものを研磨液として用いて、液温30℃、pH=10.
8、流量100ml/分の速度で滴下しながら研磨試験
を実施した。表2には得られた結果として、表面精度等
の測定結果を示す。
【0091】以上の実施例1、比較例2の結果から、本
発明の研磨用部材からなる研磨用定盤を用いて研磨を実
施することで、研磨加工に適用できる研磨用部材が得ら
れることが分かった。
【0092】また、実施例1、比較例1の結果から、基
材となるシリカ成形体の工夫を凝らして研磨用部材とす
ることにより耐久性が向上することが分かった。
【0093】<研磨廃液の評価> 実施例2 実施例1で得られた研磨用部材を用い、研磨試験に記載
の方法により研磨を実施した。研磨廃液については、生
じた廃液の濁度を分光光度計(日本分光製、型式:Ub
est−55)を用い、精製水を基準として波長600
nmにおける透過率により評価した。その結果を表3に
示した。透過率が高い場合は研磨試験実施後の研磨廃液
中の遊離砥粒量が少ないことを示し、低い場合は逆に多
いことを示す。
【0094】
【表3】
【0095】比較例3 比較例2で実施した研磨試験で得られた研磨廃液を実施
例2と同様に評価し、表3に示した。
【0096】以上の実施例2と、比較例3とを比較する
と、本発明の研磨装置を用いて研磨を実施することで研
磨廃液の透過率は従来の方法よりも高く、研磨廃液中の
遊離砥粒量が極めて少ないことが分かる。
【0097】
【発明の効果】本発明によれば、研磨用成形体を研磨加
工プロセスに適用するにあたり、速い研磨速度と研磨用
成形体の高耐久性及び低消耗性を両立できるようにな
り、さらに研磨装置への組み込みも容易となる。また、
廃液処理の問題も軽減できることから、生産性の向上、
コスト削減が可能となり、産業上極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // H01L 21/304 622 H01L 21/304 622F

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主としてシリカ(二酸化珪素)からなり、
    かさ密度が0.2〜1.5g/cm3であり、BET比
    表面積が10〜400m2/gであり、平均粒子径が
    0.001〜0.5μmであり、連続微細気孔を開放気
    孔として有するシリカ成形体を基材とし、かつ前記シリ
    カ成形体の開放気孔に研磨液に可溶性の固形物を有する
    ことを特徴とする研磨用部材。
  2. 【請求項2】基材となるシリカ成形体の開放気孔率がシ
    リカ成形体の全容積に対して30〜95容量%であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の研磨用部材。
  3. 【請求項3】基材となるシリカ成形体の気孔径分布にお
    いて、1μm以上の気孔径の積算細孔容積がシリカ成形
    体の積算総細孔容積の20%以上であり、10〜100
    μmの気孔径の積算細孔容積がシリカ成形体の積算総細
    孔容積の15%以上であり、100μmより大きい気孔
    径の積算細孔容積がシリカ成形体の積算総細孔容積の5
    %以下であることを特徴とする請求項2に記載の研磨用
    部材。
  4. 【請求項4】研磨液に可溶性の固形物が、基材となるシ
    リカ成形体の開放気孔の全容積の10容量%以上を占め
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の研
    磨用部材。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の研磨用部
    材が研磨用の付帯部品に固定されてなることを特徴とす
    る研磨用定盤。
  6. 【請求項6】被研磨材料を請求項5に記載の研磨用定盤
    に押しつけ、研磨液を加えつつ研磨用定盤及び/又は被
    研磨材料を摺擦運動させることを特徴とする研磨方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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TWI500480B (zh) * 2009-09-11 2015-09-21 Cabot Microelectronics Corp 具有粒子於聚合基質內之cmp多孔墊及藉其拋光基板之方法
JP2021054683A (ja) * 2019-09-30 2021-04-08 日揮触媒化成株式会社 シリカ粒子分散液及びその製造方法

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