JP2000235866A - 非水系電解質二次電池 - Google Patents

非水系電解質二次電池

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正極と、リチウム金属またはリチウムの吸蔵
・放出が可能な物質を主材とする負極と、非水系電解質
とを備える非水系電解質二次電池において、充放電サイ
クル特性及び保存特性を改善する。 【解決手段】 非水系電解質中に、以下の一般式(I)
で示されるγ−スルトン化合物を含有させたことを特徴
としている。 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 及びR6 は、そ
れぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ま
たは炭素数1〜6のフッ素原子置換アルキル基を表
す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水系電解質二次
電池に関するものであり、特に充放電サイクル特性を向
上させることができる非水系電解質リチウム二次電池に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】非水系電解質二次電池の電解液として、
プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネートなどの
溶媒に、LiPF6 やLiClO4 などの電解質溶質を
溶かした非水系電解液を使用した場合、溶質や溶媒の分
解に起因して非水系電解液が劣化するため、電池の充放
電サイクル特性が著しく低下するという問題があった。
【0003】このような問題を解消するため、特開平8
−241732号公報では、非水系電解液中にジオキシ
ドチオフェンを添加し、これにより電解液の安定性の向
上を図ることが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、リチウ
ム二次電池においては、さらなる充放電サイクル特性の
向上が望まれており、上記公報に提案されているジオキ
シドチオフェンの添加による方法では、未だ不十分なも
のであった。
【0005】また、充電状態の保存特性についても、そ
の向上が従来より求められている。本発明の目的は、充
放電サイクル特性に優れ、かつ充電状態の保存特性に優
れた非水系電解質二次電池を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の非水系電解質二
次電池(以下、「本発明電池」という場合がある。)
は、正極と、リチウム金属またはリチウムの吸蔵・放出
が可能な物質を主材とする負極と、非水系電解質とを備
える非水系電解質二次電池であり、非水系電解質が以下
の一般式(I)で示されるγ−スルトン化合物を含有し
ていることを特徴としている。
【0007】
【化2】
【0008】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5
びR6 は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のア
ルキル基、または炭素数1〜6のフッ素原子置換アルキ
ル基を表す。) 本発明電池においては、上記γ−スルトン化合物が非水
系電解質中に添加されているので、充放電サイクル時に
起こる放電容量の低下を抑制することができ、充放電サ
イクル特性を向上させることができる。このように放電
容量の低下が抑制されるのは、非水系電解質中に上記γ
−スルトン化合物が添加されることにより、負極の表面
に上記γ−スルトン化合物による安定でかつ良質な被膜
が形成され、これにより負極と溶媒分子の接触が断たれ
るためと思われる。
【0009】また、本発明電池によれば、充電状態の保
存特性を向上させることができる。これは、上記のよう
なγ−スルトン化合物による被膜の形成により、負極か
らの電荷移行及び負極から電解質へのリチウムイオンの
拡散をスムーズに行うことができ、かつ非水系電解質の
劣化を防止することができるためと思われる。
【0010】本発明において、非水系電解質中に添加す
るγ−スルトン化合物は、上記一般式(I)で示される
ものであり、式中のR1 、R2 、R3 、R4 、R5 及び
6はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6の、好ま
しくは炭素数1〜5のアルキル基、または炭素数1〜6
の、好ましくは炭素数1〜5のフッ素原子置換アルキル
基を表している。
【0011】上記一般式(I)で示されるγ−スルトン
化合物の具体例としては、例えば、γ−スルトン、α−
トリフルオロメチル−γ−スルトン、β−トリフルオロ
メチル−γ−スルトン、γ−トリフルオロメチル−γ−
スルトン、α−メチル−γ−スルトン、α,β−ジ(ト
リフルオロメチル)−γ−スルトン、α,α−ジ(トリ
フルオロメチル)−γ−スルトン、α−ウンデカフルオ
ロペンチル−γ−スルトン、α−ヘプタフルオロプロピ
ル−γ−スルトンなどが挙げられ、それらはいずれも本
発明において使用される。
【0012】上記のγ−スルトン化合物の具体的な構造
を以下に示す。
【0013】
【化3】
【0014】上記構造式において、γ−スルトンのR1
〜R6 は、水素原子である。また、α−トリフルオロメ
チル−γ−スルトンでは、R1 もしくはR2 が−CF3
で表される炭素数1のフッ素原子置換アルキル基であ
り、β−トリフルオロメチル−γ−スルトンでは、R3
もしくはR4 が−CF3 で表される炭素数1のフッ素原
子置換アルキル基であり、γ−トリフルオロメチル−γ
−スルトンでは、R5 もしくはR6 が−CF3 で表され
る炭素数1のフッ素原子置換アルキル基である。
【0015】また、α−メチル−γ−スルトンでは、R
1 もしくはR2 が−CH3 で表される炭素数1のアルキ
ル基である。また、α,β−ジ(トリフルオロメチル)
−γ−スルトンでは、R1 もしくはR2 が−CF3 で表
される炭素数1のフッ素原子置換アルキル基、R3 もし
くはR4 が−CF3 で表される炭素数1のフッ素原子置
換アルキル基であり、α,α−ジ(トリフルオロメチ
ル)−γ−スルトンでは、R1 及びR2 が−CF3 で表
される炭素数1のフッ素原子置換アルキル基である。
【0016】また、α−ウンデカフルオロペンチル−γ
−スルトンでは、R1 もしくはR2が−C5 11で表さ
れる炭素数5のフッ素原子置換アルキル基であり、α−
ヘプタフルオロプロピル−γ−スルトンでは、R1 もし
くはR2 が−C3 7 で表される炭素数3のフッ素原子
置換アルキル基である。
【0017】本発明において、γ−スルトン化合物の非
水系電解質(非水系電解液)への添加は、少量でもその
効果を発揮するが、添加量としては、非水系電解質に対
して0.01〜3.0mol/lが好ましく、さらに好
ましくは、0.1〜2.0mol/lである。
【0018】非水系電解液の溶媒としては、エチレンカ
ーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(P
C)、ビニレンカーボネート(VC)、ブチレンカーボ
ネート(BC)等の有機溶媒や、これらとジメチルカー
ボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DE
C)、エチルメチルカーボネート(EMC)、1,2−
ジエトキシエタン(DEE)、1,2−ジメトキシエタ
ン(DME)、エトキシメトキシエタン(EME)など
の低沸点溶媒との混合溶媒が例示される。
【0019】なかでも、本発明で規定する添加剤との相
性が良く、サイクル特性を向上させる上で特に好ましい
溶媒は、一種または二種以上の環状炭酸エステルと一種
または二種以上の鎖状炭酸エステルとの体積比1:4〜
4:1の混合溶媒である。前記環状炭酸エステルとして
は、EC、PC、VC及びBCの一種、鎖状炭酸エステ
ルとしては、DMC、DEC及びEMCの一種が例示で
きる。
【0020】非水系電解液に溶解させる溶質である電解
質塩として、LiPF6 、LiBF 4 及びLiN(C2
5 SO2 2 から選ばれる少なくとも一種を使用する
ことにより、電池特性を一層向上させることができる。
【0021】また、正極材料(活物質)としては、二酸
化マンガン、Li含有マンガン酸化物、Li含有コバル
ト酸化物、Li含有バナジウム酸化物、Li含有ニッケ
ル酸化物、Li含有鉄酸化物、Li含有クロム酸化物、
Li含有チタン酸化物等の、遷移金属を少なくとも一種
含むリチウム複合酸化物が例示される。
【0022】さらに、負極材料(活物質)としては、金
属リチウム;リチウム−アルミニウム合金、リチウム−
鉛合金、リチウム−錫合金等のリチウム合金;黒鉛、コ
ークス、有機物焼成体等の炭素材料;SnO2 、Sn
O、TiO2 、Nb2 3 等の電位が正極活物質に比べ
て卑な金属酸化物が例示される。
【0023】本発明は、正極と、負極と、非水系電解質
とを備える非水系電解質リチウム二次電池に適用される
ものであり、種々のタイプのリチウム二次電池に適用す
ることができる。例えば、正極と負極の間にポリプロピ
レン製多孔膜などからなるセパレータを設けた非水系電
解液二次電池に適用することができる。また、高分子電
解質に非水系電解液を含浸させ、ゲル状高分子電解質と
した高分子固体電解質リチウム二次電池にも適用するこ
とができる。
【0024】本発明の非水系電解質二次電池は、充放電
サイクル特性及び保存特性に優れている。充放電サイク
ル特性に優れている理由としては、非水系電解質中に添
加されたγ−スルトン化合物によって、負極の表面に安
定な被膜が形成され、この被膜により負極と溶媒分子の
接触が断たれ、このため充放電時におこる電解液の分解
反応が抑制され、充放電における可逆性が向上するため
と考えられる。また、充放電状態のみならず、保存状態
においても電解液が安定に存在し得るため、保存特性に
も優れていると考えられる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例に基づい
て、さらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例によ
り何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない
範囲において適宜変更して実施することが可能なもので
ある。
【0026】(実験1)この実験では、非水系電解液に
添加する添加剤の種類と、電池の充放電サイクル特性の
関係を調べた。
【0027】〔正極の作製〕LiCoO2 粉末90重量
部と、人造黒鉛粉末5重量部と、ポリフッ化ビニリデン
5重量部のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液
とを混合してスラリーを調製し、このスラリーをアルミ
ニウム箔の両面にドクターブレード法により塗布して活
物質層を形成した後、150℃で2時間真空乾燥して、
正極を作製した。
【0028】〔負極の作製〕天然黒鉛95重量部と、ポ
リフッ化ビニリデン5重量部のNMP溶液とを混合して
スラリーを調製し、このスラリーを銅箔の両面にドクタ
ーブレード法により塗布して炭素層を形成した後、15
0℃で2時間真空乾燥して、負極を作製した。
【0029】〔非水系電解液の調製〕エチレンカーボネ
ートとジエチルカーボネートとの等体積混合溶媒に、L
iPF6 を0.5mol/l溶かした溶液に、さらにγ
−スルトン、α−トリフルオロメチル−γ−スルトン、
β−トリフルオロメチル−γ−スルトン、γ−トリフル
オロメチル−γ−スルトン、α−メチル−γ−スルト
ン、α,β−ジ(トリフルオロメチル)−γ−スルト
ン、α,α−ジ(トリフルオロメチル)−γ−スルト
ン、α−ウンデカフルオロペンチル−γ−スルトン、α
−ヘプタフルオロプロピル−γ−スルトンを非水電解液
に対して1.0mol/lとなるように添加混合して非
水系電解液を調製した。
【0030】〔電池の作製〕上記正極、負極及び非水系
電解液を用いて、AAサイズの非水系電解液二次電池
(電池寸法:直径14mm;高さ50mm)の本発明電
池A1〜A9及び比較電池B1,B2を作製した。な
お、いずれの電池も、セパレータとしてポリプロピレン
製の多孔膜を用いた。
【0031】〔充放電サイクル試験〕各電池を、室温
(25℃)にて、200mAで4.2Vまで定電流充電
した後、200mAで3.0Vまで定電流放電する工程
を1サイクルとする充放電サイクル試験を行った。結果
を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1より、本発明電池A1〜A9は、添加
剤を添加していない比較電池B1及び添加剤としてジオ
キシドチオフェンを添加した比較電池B2に比べて、5
00サイクル後の放電容量残存率が高く、サイクル特性
が良いことが分かる。
【0034】また、フッ素置換アルキル基を有するα−
トリフルオロメチル−γ−スルトンは、アルキル基を有
するα−メチル−γ−スルトンに比べて、サイクル特性
に優れる傾向が見られた。これは、フッ素置換アルキル
基を有するγ−スルトン化合物を用いることにより、よ
り安定な被膜形成が可能になるためと考えられ、このこ
とから、γ−スルトンにおいて、置換基はフッ素置換ア
ルキル基の方が好ましいと思われる。
【0035】(実験2)この実験では、添加剤の非水系
電解液への好適な添加量を調べた。エチレンカーボネー
トとジエチルカーボネートとの等体積混合溶媒に、Li
PF6 を0.5mol/l溶かした溶液に、さらにα−
ヘプタフルオロプロピル−γ−スルトンを非水系電解液
に対して、0.001〜4.0mol/lの添加範囲で
変化させて各非水系電解液を調製した。これらの非水系
電解液を使用したこと以外は実験1と同様にして電池A
10〜A15を準備した。その後、各電池を前記実験1
と同じ条件でサイクル試験を行った。
【0036】この結果を表2に示す。なお、表2には、
本発明電池A9及び比較電池B1の結果も表1より転記
して示してある。
【0037】
【表2】
【0038】表2に示すように、本発明電池A9及びA
11〜A14のサイクル特性が特に良い。この事実か
ら、α−ヘプタフルオロプロピル−γ−スルトンを非水
系電解液に対して、0.01〜3.0mol/lとなる
ように添加混合して使用することが好ましいことがわか
る。
【0039】なお、α−ヘプタフルオロプロピル−γ−
スルトン以外のγ−スルトン化合物を使用する場合も、
添加量が0.01〜3.0mol/lとなるように使用
することが好ましいことを別途確認した。
【0040】(実験3)この実験では、電解質塩の種類
とサイクル特性の関係を調べた。エチレンカーボネート
とジエチルカーボネートとの等体積混合溶媒に、表3に
示す種々の電解質塩を0.5mol/l溶かした溶液
に、α−ヘプタフルオロプロピル−γ−スルトンを非水
電解液に対して1.0mol/lとなるように添加混合
して非水系電解液を調製し、これらの非水系電解液を使
用したこと以外は実験1と同様にして本発明電池A16
〜A22を作製し、次いで実験1と同じ条件のサイクル
試験を行った。
【0041】結果を表3に示す。なお、表3には、本発
明電池A9及び比較電池B1の結果も表1より転記して
示してある。
【0042】
【表3】
【0043】表3に示すように、本発明電池A9、A1
6及びA17のサイクル特性が特に良い。この事実か
ら、電解質塩としては、LiPF6 、LiBF4 及びL
iN(C2 5 SO2 2 を使用することが好ましいこ
とが分かる。
【0044】(実験4)この実験では、各電池の充電保
存特性を調べた。本発明電池A1〜A22及び比較電池
B1,B2について、200mAで4.2Vまで充電し
た後、200mAで3.0Vまで充電した。その後、2
00mAで4.2Vまで充電し、この状態で60℃、2
0日間保存試験を行った。また、各電池の保存に伴う放
電容量の変化は200mAで3.0Vまで放電して測定
した。
【0045】図1は、本発明電池A1〜A22及び比較
電池B1,B2について、各電池の保存後の放電容量
を、縦軸に放電容量(mAh)、横軸に保存期間(日)
をとって示したものである。
【0046】図1に示すように、本発明電池A1〜A2
2では比較電池B1,B2に比べて、保存後の放電容量
が大きく、保存特性に優れていることが分かる。これ
は、γ−スルトン化合物が、負極と電解液の界面に被膜
を形成し、この被膜によって保存状態における電解液が
安定化するためと考えられる。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、γ−スルトン化合物を
非水系電解質中に含有させることにより、充放電サイク
ル特性及び保存特性に優れた非水系電解質二次電池とす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明電池及び比較電池の保存特性を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤谷 伸 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 5H029 AJ04 AJ05 AK03 AL02 AL06 AL07 AL12 AM00 AM01 AM02 AM03 AM07 AM16 DJ08 EJ11 HJ02 HJ07 HJ10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極と、リチウム金属またはリチウムの
    吸蔵・放出が可能な物質を主材とする負極と、非水系電
    解質とを備える非水系電解質二次電池において、 前記非水系電解質が、以下の一般式(I)で示されるγ
    −スルトン化合物を含有していることを特徴とする非水
    系電解質二次電池。 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 及びR6 は、そ
    れぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ま
    たは炭素数1〜6のフッ素原子置換アルキル基を表
    す。)
  2. 【請求項2】 前記γ−スルトン化合物が、0.01〜
    3.0mol/l含有されていることを特徴とする請求
    項1に記載の非水系電解質二次電池。
  3. 【請求項3】 前非水系電解質が、LiPF6 、LiB
    4 及びLiN(C 2 5 SO2 2 から選ばれる少な
    くとも一種の電解質塩を含有することを特徴とする請求
    項1または2に記載の非水系電解質二次電池。
  4. 【請求項4】 前記正極が、遷移金属を少なくとも一種
    含むリチウム複合酸化物を活物質として含有することを
    特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水系
    電解質二次電池。
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