JP2000237200A - 腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具 - Google Patents

腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具

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JP2000237200A
JP2000237200A JP11042409A JP4240999A JP2000237200A JP 2000237200 A JP2000237200 A JP 2000237200A JP 11042409 A JP11042409 A JP 11042409A JP 4240999 A JP4240999 A JP 4240999A JP 2000237200 A JP2000237200 A JP 2000237200A
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crushing
tissue
jaw
crushed
laparoscopic surgery
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JP11042409A
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English (en)
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Osamu Yoshida
修 吉田
Toshiro Terachi
敏郎 寺地
Ryuichiro Niizeki
隆一郎 新関
Masaya Tatsumi
正哉 巽
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Japan Science and Technology Agency
J Morita Manufaturing Corp
Original Assignee
J Morita Manufaturing Corp
Japan Science and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】組織を収容した臓器バッグなどを破損すること
なく、確実に、かつ、容易に、短時間で、組織を押し潰
すことのできる、腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具を
提供する。 【解決手段】先端に開閉可能な圧潰顎1を備え、後端に
は握持操作部4を備え、圧潰顎1と握持操作部4とを連
結する連結機構を有した連結部5を備えて成り、握持操
作部4を片手で握持したままで、その握持操作部4を操
作することによって、圧潰顎1に掴み込まれた組織を押
し潰す構成とすると共に、圧潰顎1には、掴み込まれた
組織を押し潰す際の逃げ出しを防止するための逃げ止め
凸凹部2を、または/かつ、上記圧潰顎の先端には、掴
み込まれた組織を押し潰す際の逃げ出しを防止するため
の逃げ止め突片3を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、腹腔鏡下手術など
において、人体臓器などの一部を切除した組織を、臓器
バッグに収容した後に施術穴から臓器バックごと取り出
すときに、取り出しやすいように押し潰すための組織圧
潰器具に関する。
【0002】
【従来の技術】腹腔鏡下手術においては、悪性腫瘍など
の病変のある人体臓器の一部あるいは全部は、組織とし
て切除され、その悪性腫瘍などの影響が他の部分へ及ば
ないように、いったん、臓器バッグの中に収容されて、
標本採取などの処置が行われたのち、その臓器バッグご
と、腹腔鏡手術のために設けられた施術孔を介して、腹
腔外へ取り出される。
【0003】この際、施術孔は、その大きさが制限され
ており、切除され臓器バッグに収容された組織をそのま
ま、腹腔外へ取り出せないことがある。そのため、臓器
バッグ内の組織を、臓器バッグごと施術孔から取り出せ
る程度に小さく押し潰す必要がある。
【0004】図11(a)は、このような組織の圧潰に
も用いられる従来の鉗子の一例を示す正面図、(b)は
その先端部の要部詳細斜視図である。
【0005】この鉗子110は、組織を把持するように
開閉する把持部111、この鉗子110を握持するとと
もに、把持部111の開閉操作を行う握持操作部11
4、これらの把持部111と握持操作部114の操作力
を連結する連結機構を内蔵した連結部115、この握持
操作部114に設けられ、そのリング部の外周を回動操
作することによって、把持部111を、連結部115、
つまり握持操作部114に対して回動させることのでき
る回動手段117が、握持操作部114側に設けられて
いる。
【0006】把持部111は、図11(b)に示すよう
に、この例では、L字状に屈曲された把持顎111aを
開閉するような構造で、その把持顎111aの把持側表
面には、把持した組織の滑りを防止するための細かい凹
凸面111bが設けれられている。この把持部111の
把持顎111aを開閉するには、鉗子110の握持操作
部114の握持部114aに片手の親指以外の最大4本
の指をあてがい、親指を操作部114bのリング孔に挿
入して、親指操作するようになっている。
【0007】しかしながら、このような鉗子110は、
組織を押し潰すための専用品ではなく、その把持顎11
1aも、組織を把持することだけを目的としたもので、
組織を押し潰すことを考慮しておらず、その形状は、組
織圧潰に適したものではなかった。
【0008】また、握持操作部114も、親指で操作す
るようになっているため、あまり力を加えることができ
ず、組織を把持するには支障がないが、組織を押し潰す
のには適していなかった。
【0009】さらに、このような鉗子110では、その
把持部111は、完全に閉じてしまうことができるもの
であるため、臓器バッグ内で使用した場合、この把持部
111の把持顎11aに挟まれた臓器バッグの一部が、
その把持顎111aの凹凸面111bなどで損傷され
て、内部の悪性腫瘍などの外部への影響を阻止するとい
う臓器バックの機能を損ねることとなってしまう。
【0010】図12は、従来、用いられていた組織圧潰
の他例を示す説明図である。
【0011】この場合は、組織を押し潰すために、特別
の器具を用いず、図示するように術者の手Bを用いる。
【0012】この図は、腹腔鏡下手術における腹腔Hの
状態を示すもので、すでに、人体臓器から切除された組
織Aが、腹腔H内の臓器バッグEに収容されている。こ
の状態で、組織Aを臓器バッグEに収容したまま施術孔
Jから取り出すために、術者の手Bの人指し指Dを施術
孔Jから覗いている臓器バッグEの開口部を通して臓器
バッグE内部の組織Aにあてがい、この人指し指Dで臓
器バッグEを介して腹壁Kに押しつけるようにして、組
織Aを押し潰すようにしている。
【0013】このようにして、柔らかい組織の場合は、
あまり困難なく、組織を圧潰することができるが、固
い、繊維質の多い組織の場合は、押し潰すことは容易で
はなく、時間も要していた。
【0014】また、他の方法として、特開平7−275
253号公報、特開平8−257032号公報に記載さ
れたものなどがあるが、これらは、図11を用いて上述
した鉗子と同様のものに過ぎず、組織を把持するのには
適しているが、組織を押し潰すのには適していない。ま
た、これらの把持部の把持面に設けられた凹凸形状も、
いずれも、組織を把持したときの組織の滑り落ちを防止
するためのもので、組織を押し潰すためのものではな
い。
【0015】特許公報第2573782号に記載された
医療用器具も、組織の把持を目的とするもので、組織を
押し潰すことを目的としたものではない。そのため、そ
の把持部の先端に設けられた端部作用手段も、把持した
組織の落ち止めに過ぎないものである。
【0016】さらに、鉗子と、その内部に貫通挿入でき
る円筒回転刃を用い、その鉗子の把持部の先端に、この
円筒回転刃の当たりとなる突片を立設させて、この把持
部に組織を把持し、円筒回転刃を挿入して、この突片と
円筒回転刃の間に組織を挟むようにして、この突片を俎
板として用いて、組織を切除する組織採取切除器を用い
て組織をこま切れにする方法も考えられるが、この組織
採取切除器は、あくまでも、組織を採取するためのもの
で、組織を押し潰すためのものではなく、組織圧潰器具
としては、効率が悪く長時間を要していた。
【0017】さらに、鋏形状の先端部を有する鉗子によ
って、組織をこま切れにする方法などもあるが、その刃
部がむき出しになるため、臓器バッグを損傷してしまう
畏れがあり、安全性の点で問題があった。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題を解決するために提案されるもので、組織を収容
した臓器バッグなどを破損することなく、確実に、か
つ、容易に、短時間で、組織を押し潰すことのできる、
腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具を提供することを目
的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の腹腔鏡
下手術に用いる組織圧潰器具は、腹腔鏡下手術において
使用する臓器圧潰器具であって、先端に開閉可能な圧潰
顎を備え、後端には握持操作部を備え、上記圧潰顎と握
持操作部とを連結する連結機構を有した連結部を備えて
成り、上記握持操作部を片手で握持したままで、その握
持操作部を操作することによって、上記圧潰顎に掴み込
まれた組織を押し潰す構成とすると共に、上記圧潰顎に
は、掴み込まれた組織を押し潰す際の逃げ出しを防止す
るための逃げ止め凸凹部を、または/かつ、上記圧潰顎
の先端には、掴み込まれた組織を押し潰す際の逃げ出し
を防止するための逃げ止め突片を設けた構成としてい
る。
【0020】この組織圧潰器具は、まず、臓器バッグな
どに収容された組織を押し潰すための専用器具として開
発されたことを特徴とする。そのため、従来の鉗子と同
様の構成を有し、腹腔鏡下手術において、施術孔、ある
いは、施術孔に設けられた外套管などに挿入して用いら
れるように先端部と、連結部と、握持操作部を有しなが
ら、その先端部に、特に、組織圧潰のために用いる開閉
可能な圧潰顎を備えている。
【0021】この圧潰顎は、単に組織を把持するもので
はなく、組織を押し潰すためのものであるので、施術孔
などを介した抜き差しに支障のない程度に一定の広がり
を有した圧潰面を有し、この間に、組織の一部を掴み込
んで、押し潰すようにしている。したがって、より広い
面積で押し潰すので、効率よく、短時間で押し潰すこと
ができる。
【0022】また、この圧潰顎を操作する握持操作部
も、この器具を握持した片手の、親指以外の指で操作す
るようにすれば、従来の親指操作に比べ、より、力を込
めることができ、押し潰しが容易に、かつ、簡単にでき
る。
【0023】この組織圧潰器具は、また、組織を掴み込
んで押し潰す際に、その組織が逃げ出すのを防止するた
めに、この圧潰顎に逃げ止め凸凹部、または/かつ、こ
の圧潰顎の先端に逃げ止め突片を設けたことを特徴とす
る。
【0024】つまり、圧潰顎に組織を掴み込んで、その
圧潰顎を閉じることによって、その掴み込んだ組織を押
し潰そうとすると、掴み込まれた組織は、押し潰す圧力
によって、その圧潰顎のより開いた方向へ逃げようとす
る。これを、放置したのでは、組織の押し潰しが良好に
なされない。そのため、この圧潰顎の圧潰面の適所に、
逃げ止め凸凹部を設け、または、この圧潰顎の先端部
に、開口方向への逃げを阻止する逃げ止め突片を設けて
いる。
【0025】したがって、圧潰顎による組織の押し潰し
が、より、スムーズに失敗無く行われ、押し潰しが、よ
り容易に、確実にできる。
【0026】また、上記の逃げ止め凸凹部と逃げ止め突
片の双方を設けると、逃げ止め効果がさらに高くなる。
【0027】さらに、刃部を設けていないので、組織を
収容した臓器バッグなどを損傷することがなく、安全性
が高い。
【0028】請求項2に記載の腹腔鏡下手術に用いる組
織圧潰器具は、請求項1において、上記圧潰顎に設けら
れた逃げ止め凸凹部は、組織の逃げ出し方向に交差する
方向に形成されていることを特徴とする。
【0029】この組織圧潰器具は、逃げ止め凸凹部が、
組織が逃げ出す方向に交差する方向、つまり、逃げ出し
方向に交わる方向に形成されている。したがって、この
逃げ出し凸凹部が、圧潰顎に掴み込んだ組織を、挟み込
めば挟み込むほど、圧潰顎の内部に引き込まれるように
するので、組織の逃げ出しをより効果的に阻止する。
【0030】請求項3に記載の腹腔鏡下手術に用いる組
織圧潰器具は、請求項1または2において、上記圧潰顎
の逃げ止め凸凹部が、スパイク状に突出させた複数の突
出部と、その突出部が嵌入する凹部又は貫通孔を有する
受け部とで構成されていることを特徴とする。
【0031】この組織圧潰器具は、逃げ止め凸凹部の具
体的な形状を、スパイク状の突出部と、それに対応させ
た凹部、あるいは、貫通孔を有する受け部として規定し
た点に特徴を有する。
【0032】したがって、ちょうど、スパイクのよう
に、掴み込んだ組織の逃げ出しを防止することができ
る。
【0033】請求項4に記載の腹腔鏡下手術に用いる組
織圧潰器具は、請求項1から3のいずれかにおいて、上
記圧潰顎の組織を押し潰すために相対する圧潰面が、そ
れぞれ、平面状、曲面の凸凹状、鋭角の凸凹状に、か
つ、その圧潰面の相対する部分が、互いに相手の形状に
沿うように形成されていることを特徴とする。
【0034】この組織圧潰器具は、圧潰顎の圧潰面の形
状を、具体的に、平面状、曲面の凸凹状、鋭角の凸凹状
に規定し、また、もっぱら、組織圧潰を目的とするた
め、その相対する部分が、互いに、相手の形状に沿うよ
うに、つまり、凸部には凹部が、凹部には凸部が対応す
るように設けられていることを特徴とする。
【0035】本発明の組織圧潰器具は、組織バッグの中
などにおいて、組織を切り刻んでばらばらにするのでは
なく、その組織を押し潰して、組織バッグの中に収容さ
れた状態で、施術孔などから、取り出すようにすること
ができれば十分なので、相対する部分が、相手に沿うよ
うな形状となっておれば十分であり、また、そうするこ
とによって、より、押し潰し面が広くなり、より、効率
的に押し潰すことができる。
【0036】また、互いに凸部と凸部が対応していない
ので、この凸部の間に、臓器バッグの一部が挟まれて損
傷するようなことを、次請求項で述べる全閉防止手段と
相まって、よりよく、防止することができる。
【0037】さらに、この圧潰面は、基本的には、平面
状で足りるが、上記のように凸凹面としてもよく、その
場合には、この凸凹面は、組織の圧潰の役割と同時に、
組織の逃げ出しを防止する役割も果たすこととなる。
【0038】請求項5に記載の腹腔鏡下手術に用いる組
織圧潰器具は、請求項1から4のいずれかにおいて、上
記圧潰顎は、閉じた際に、掴み込まれた組織を完全に潰
さない程度の隙間を形成する全閉防止手段を設けている
ことを特徴とする。
【0039】この組織圧潰器具は、圧潰顎が完全に閉じ
てしまわないようにする全閉防止手段を設けているの
で、組織の押し潰しをしている途中に、万一、圧潰顎に
臓器バッグの一部が挟まれた場合でも、臓器バッグを損
傷するようなことがなく、安全性が高い。このような安
全性は、臓器バッグの中の観察が容易でない腹腔鏡下手
術では、とくに重要で、組織圧潰器具を安心して用いる
ことができる。請求項6に記載の腹腔鏡下手術に用いる
組織圧潰器具は、請求項1から5のいずれかにおいて、
上記連結機構は、上記握持操作部を操作したときに、圧
潰顎を閉じるに従って、その操作力が増幅される構造と
なっていることを特徴とする。
【0040】この組織圧潰器具は、握持操作部と圧潰顎
を連結する連結機構に、倍力機能を有したリンクを設け
て、圧潰顎を閉じるに従って、その操作力が増幅される
ようにしている。
【0041】したがって、開き状態では、握持操作部の
操作に対して、圧潰顎はより多く開閉し、一方、閉じ状
態では、握持操作部の操作に対して、圧潰顎は、より少
なく開閉し、つまり、より少ない操作力で、より大きい
圧潰圧力を生じさせることができ、組織の押し潰しをよ
り簡易に、少ない力ですることができる。
【0042】請求項7に記載の腹腔鏡下手術に用いる組
織圧潰器具は、請求項1から6のいずれかにおいて、上
記圧潰顎は、上記把持操作部側に設けられた回動手段に
より、回動可能となっていることを特徴とする。
【0043】この組織圧潰器具は、圧潰顎と握持操作部
を連結する連結機構が、それを収容した連結部におい
て、回動可能となっており、この連結部の把持操作部側
に設けられた回動手段によって、圧潰顎が、連結部、つ
まり、把持操作部に対して、回動できるようになってい
る。
【0044】したがって、圧潰しようとする組織の姿勢
に合わせて、圧潰顎の開閉方向を回動させることがで
き、圧潰に便利である。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明の組織圧潰器具の実
施の形態について、図を用いて説明する。
【0046】図1は、本発明の組織圧潰器具の一例を示
す一部縦断面の正面図で、(a)は圧潰顎を閉じた所、
(b)は圧潰顎を開いた所を示すものである。図1
(a)では、解りやすくするため、圧潰顎1を前方から
見た所を示すA矢視図、圧潰顎1を下から見た所を示す
B矢視図を併せて示している。
【0047】この組織圧潰器具10は、その先端部に設
けられた圧潰顎1、この圧潰顎1に設けられた逃げ止め
凸凹部2と逃げ止め突片3、この組織圧潰器具10を握
持すると共に、圧潰顎1の開閉操作を行うための握持操
作部4、圧潰顎1と握持操作部4を連結する連結機構を
有した連結部5、この連結部5と圧潰顎1の接続部に設
けられた全閉防止手段6から構成されている。
【0048】圧潰顎1は、この例では、連結部5に固定
された固定顎1aと、この固定顎1aに対して開閉支点
gによって開閉可能に支持された可動顎1bとから成
り、それぞれチタン合金やステンレス鋼材など、腹腔内
で、人体組織に悪影響を与えない材料で、オートグレー
ブ滅菌などの方法で滅菌消毒可能な材料で形成されてい
る。
【0049】また、この圧潰顎1の固定顎1aと、可動
顎1bの、それぞれ相対する面、つまり、その面と面と
の間に組織を掴み込んで、組織を圧潰する圧潰面11
a、11bは、その圧潰顎1が、腹腔鏡下手術で用いら
れる施術孔、あるいは、外套管などを通過させることが
できる範囲内で、できるだけ広くなるように構成されて
いる。
【0050】この点で、この組織圧潰器具10の圧潰顎
1は、従来の組織を把持するための鉗子の把持部と相違
し、このように、できるだけ圧潰面積の広い圧潰顎1と
することによって、組織の押し潰しをより、効率的に、
かつ、確実にすることができる。
【0051】この圧潰顎1に設けられた逃げ止め凸凹部
2は、掴み込まれた組織を押し潰す際の逃げ出しを防止
するもので、この例では、可動顎1bに設けられたスパ
イク状に突出させて複数の突出部21と、この突出部2
1が嵌入するように固定顎1aに設けられた貫通孔を有
する受け部22から構成され、この突出部21と受け部
の形成方向は、組織が逃げ出す方向に交差するように成
っている。
【0052】また、これらの突出部21と受け部22か
ら構成される逃げ止め凸凹部2は、この例では、圧潰顎
1の圧潰面11a、11bに対して、B矢視図に示すよ
うに、その全面に分散されるように設けられている。
【0053】このスパイク状の突出部21と、それに対
応した受け部22によって、この圧潰顎1に掴み込んだ
組織は、横移動しないように規制されるので、圧潰顎1
の上下の圧潰面11a、11bを閉じて、掴み込んだ組
織を押し潰すようにしても、その組織は、圧潰面11
a、11bから逃げ出すようなことがなく、確実に、失
敗なく、掴み込んだ組織を押し潰すことができる。ま
た、突出部21と受け部22の形成方向が、組織の逃げ
出し方向に交差するようになっているので、その防止効
果が大きい。
【0054】この圧潰顎1に更に設けられた逃げ止め突
片3は、上記逃げ止め凸凹部2と、同様の目的で設けら
れたもので、固定顎1aの先端に立設され、A矢視図で
も解るように、特に、圧潰顎1に掴み込まれた組織が、
一番逃げやすい圧潰顎1の先端部から逃げ出すのを防止
している。
【0055】逃げ止め手段は、このように、逃げ止め凸
凹部2と逃げ止め突片3を両方、設けてもよいが、どち
らか、片方だけ設けてもよい。
【0056】握持操作部4は、連結部5の適所に設けら
れた固定支点dを支点として、回動可能に支持された操
作部41と、連結部5の後端に固定された握持部42か
ら成り、この操作部41には、操作部41の両方向の回
動を可能にする指止め41aが設けられている。
【0057】この組織圧潰器具10を握持するときに
は、片手の親指側を握持部42にあてがい、操作部41
の指止め41aの上部に人指し指、その下部に残りの指
をあてがうように、握持操作部4を握持する。このと
き、その握持した片手の掌で、ちょうど握持部42を包
み込むような形となり、操作部41を、親指以外の3〜
4本の指を用いて、より力が込められるような形で操作
することができる。
【0058】したがって、従来例で説明したような親指
操作を基本とする鉗子などを用いた組織の押し潰しに比
べて、より強力に、組織を押し潰すことができる。
【0059】この握持操作部4の操作部41には、連結
部5に内蔵された連結機構51に接続される支点bが設
けられている。
【0060】連結部5は、筒状体で、固定顎1aを固定
支持している前方筒5aと、この前方筒5aに着脱可能
に挿嵌固定されている筒状体の後方筒5bから成り、両
者を嵌合固定したときには、所定の内空部5cを内部に
形成するようになっている。また、上記した握持操作部
4の握持部42は、この後方筒5bに固定されている。
【0061】この連結部に内蔵された連結機構51は、
圧潰顎1の可動顎1bに支点fでリンクされた前リンク
板51a、この前リンク板51aに支点eでリンクさ
れ、連結部51の前方筒5aから、後方筒5bの後端に
固定された握持部42まで貫通している連接軸51b、
この連接軸52bの連結部51の内空部5cに当たる部
分に挿嵌され、連結部51の後方筒5bに対して、この
連接軸52bを前方に(図において左方向に、つまり、
可動顎1aを開く方向に)付勢しているバネ51c、連
接軸52bの後方筒5bの後端に固定された握持部42
から露出している後端に着脱可能に挿嵌固定されている
リンク筒51d、このリンク筒51dに設けられた支点
cと握持操作部4の操作部41の支点bをリンクする後
リンク板51fから構成されている。
【0062】このような連結機構によると、握持操作部
4の操作部4を、図において右方向(反時計回り)、つ
まり、握持部42に近づくように操作すると、その操作
力が、支点b、後リンク板51f、支点c、リンク筒5
1d、連接軸51b、支点e、前リンク板51a、支点
fとリンク伝達され、可動顎1bをその開閉支点gを中
心として、閉じ方向に回動させ、最終的に図1(a)の
ような状態となる。
【0063】逆に、握持操作部4の操作部4を、図にお
いて左方向(時計回り)、つまり、握持部42から離れ
るように操作すると(この場合、上述したように、連接
軸51bがバネ51cによって、可動顎1aを開く方向
に付勢されているので、この操作部4にあてがった指の
力を抜くだけで、その付勢力により、操作部41は、そ
の方向に移動する。)、連結機構51の同様のリンク伝
達により、可動顎1bをその開閉支点gを中心として、
開き方向に回動させ、最終的に図1(b)のような状態
となる。
【0064】こうして、片手で握持操作部4を握持する
と共に、その握持した片手の親指以外の指で、より強力
に、かつ、簡単に、圧潰顎1を開閉することができる。
【0065】全閉防止手段6は、ここでは、いわゆるス
トッパーピンの態様で、連結部5の前方筒5aの内部
に、開閉支点fを中心として開閉回動する可動顎1bの
圧潰面11bと点対称部分となる背部1baの当たりと
なるように設けられ、図1(a)に示すように、その背
部1baが全閉防止手段6に当接したときに、固定顎1
aの圧潰面11aに対して、可動顎1bの圧潰面11b
が、掴み込まれた組織を完全に潰さない程度の隙間を形
成するようにしている。
【0066】このようにしておくと、組織の押し潰しを
している途中に、万一、圧潰顎1に臓器バッグの一部が
挟まれた場合でも、臓器バッグを損傷するようなことが
なく、安全性が高い。このような安全性は、腹腔内や、
臓器バッグの中の観察が容易でない腹腔鏡下手術では、
とくに重要で、組織圧潰器具を安心して用いることがで
きる。
【0067】このような構成の組織圧潰器具10は、広
い圧潰面11a、11bを有する圧潰顎1でより効率的
に、逃げ止め凸凹部2や、逃げ止め突片3によって、掴
み込んだ組織が逃げ出すことなく確実に組織を押し潰す
ことが出来、また、握持操作部4で、握持した片手で、
より強い力で操作することができ、腹腔鏡下手術で用い
るのに適している。
【0068】なお、点aは、握持操作部4の操作部41
の指止め部41aを形成している首下部の中央点を示す
もの、また、点hは、圧潰顎1の可動顎1bの圧潰面1
1bの先端部を示すもので、これらの点は、いずれも、
図中に示した、他の小文字表記の点b〜gなどと共に、
後に、上記連結部5の連結機構51の増幅作用について
説明する際に用いるために記載したものである。
【0069】図2は、本発明の組織圧潰器具の圧潰顎に
設けられた逃げ止め凸凹部の種々の例を示す一部縦断面
の要部正面図で、(a)は上下逆タイプ、(b)は偏在
タイプ、(c)は上下タイプ、(d)は不均一突出タイ
プ、図3は、本発明の組織圧潰器具の圧潰顎に設けられ
た逃げ止め凸凹部の種々の他例を示す一部縦断面の要部
正面図で、(a)は先尖りタイプ、(b)は角柱タイ
プ、(c)は不貫通タイプ、(d)は曲げ突出タイプで
ある。
【0070】なお、これより、すでに説明した部分につ
いては、同じ符号を付して、重複説明を省略する。
【0071】本発明の組織圧潰器具では、圧潰するとき
に、圧潰顎に掴み込まれた組織の逃げ出しを防止するの
に、逃げ出し防止凸凹部を設けることを特徴とするが、
この逃げ出し防止凸凹部の態様は、図1で説明したもの
だけには限らない。
【0072】図2(a)は上下逆タイプ、つまり、突出
部21が固定顎1bに設けられ、受け部22が可動顎1
bに設けられたものを示している。
【0073】図2(b)は偏在タイプで、突出部21と
受け部22で構成される逃げ止め凸凹部2が、圧潰顎1
の先端付近だけに設けられ、全体に分散されるように
は、設けられてはいないものである。
【0074】図2(c)は上下タイプ、つまり、一部の
突出部21が可動顎1bに、一部の突出部21が固定顎
1aに設けられ、受け部22もそれに対応するように固
定顎1a、可動顎1bに設けられたものを示している。
【0075】図2(d)は、不均一突出タイプで、突出
部21の長さが、可動顎1bの先端にいくほど、長くな
っているものである。このようにすると、初め、この圧
潰顎1に掴み込んで、組織に逃げ止めを効かせようとす
るときに、最も開口の大きい先端部から順に突出部21
が組織に当接し、逃げ止めできるようになるので、より
確実に逃げ止め効果が発揮される。
【0076】図3(a)は先尖りタイプで、突出部21
の先端を、尖らせたものである。こうすると、組織の中
により食い込み易くなる。
【0077】図3(b)は角柱タイプである。突出部2
1の形状は、円柱形状だけでなく、このように角柱形状
であってもよく、逃げ止め効果を発揮するものであれ
ば、その断面形状は限定されるものではない。
【0078】図3(c)は不貫通タイプで、受け部22
が貫通していない凹部で構成されているものである。
【0079】図3(d)は曲げ突出タイプで、突出部2
1が、それが設けられた可動顎1bの開閉支点gを曲率
中心とする曲線を描くように曲げられており、受け部2
2もそれに対応するような形状となっている。
【0080】このようにすると、可動顎1bの閉じ方
向、つまり、組織の押し潰し方向と、突出部21の組織
への食い込み方向がちょうど、直交するようになり、開
き状態から閉じ状態に渡って、均一に、掴み込んだ組織
の逃げ出しを防止する。
【0081】また、この場合、突出部の曲げ具合を、さ
らに、開閉支点g側になるようにして、可動顎1bを閉
じれば閉じるほど、掴み込まれた組織が、圧潰顎1の開
閉支点g方向に押しやられるようにしてもよい。
【0082】図4は、本発明の圧潰顎の圧潰面の種々の
例を示す要部正面図で、(a)は鋭角凸凹タイプの閉じ
た状態、(b)は鋭角凸凹タイプの開いた状態、(c)
は曲面凸凹タイプの閉じた状態、(d)は曲面凸凹タイ
プの開いた状態である。
【0083】また、図4(a)では、解りやすくするた
め、圧潰顎1の鋭角凸凹タイプの圧潰面11cを真上か
ら見た所を示すC矢視図を併せて示している。
【0084】図1では、圧潰顎1の圧潰面11a、b
は、平面状のものを示していたが、これに限らず、組織
を押し潰す効果を発揮するものであれば、平面状だけに
限るものではなく、例えば、この図4に示したようなも
のがある。
【0085】図4(a)、(b)は鋭角凸凹タイプの圧
潰面11c、11dを有した固定顎1c、可動顎1d
を、また、(c)、(d)は曲面凸凹タイプの圧潰面1
1e、11fを有した固定顎1e、可動顎1fを示して
いる。
【0086】これらの凸凹状の圧潰面11c、11d、
11e、11fは、それぞれ、凸部と凸部、凹部と凹部
が対応するように配置されているのではなく、凸部に対
しては凹部、凹部に対しては凸部が対応するように設け
られている。
【0087】なんとなれば、本発明の組織圧潰器具10
では、組織バッグの中などにおいて、組織を切り刻んで
ばらばらにするのではなく、その組織を押し潰して、組
織バッグの中に収容された状態で、施術孔などから、取
り出すようにすることができれば十分で、相対する部分
が、相手に沿うような形状となっておれば十分であり、
また、そうすることによって、より、押し潰し面が広く
なり、より、効率的に押し潰すことができるからであ
る。
【0088】また、互いに凸部と凸部が対応していない
ので、この凸部の間に、臓器バッグの一部が挟まれて損
傷するようなことを、上述した全閉防止手段6(図1参
照)と相まって、よりよく、防止することができる。
【0089】さらに、このように、圧潰面を凸凹面とす
ると、組織の圧潰の役割と同時に、組織の逃げ出しを防
止する役割も果たすことができる。したがって、この場
合、積極的な逃げ止め手段としては、図に示すように、
圧潰顎1の先端に設けた逃げ止め突片3だけで、十分、
逃げ止めの効果を発揮させることができる。
【0090】図5は、本発明の圧潰顎の圧潰面の他例を
示す要部正面図で、(a)は閉じた状態、(b)は開い
た状態を示している。
【0091】この圧潰顎1は、曲面凸凹タイプの圧潰面
11g、11hを有した固定顎1g、可動顎11hから
構成されており、圧潰面11g、11hが、相手の形状
に沿わずに、凸部と凸部、凹部と凹部が対応するように
配置されている。
【0092】このような圧潰顎は、圧潰効果は図4で説
明した圧潰顎より劣るものの、実際の使用には、十分耐
えるものである。
【0093】図6は、本発明の圧潰顎の他例を示す要部
正面図で、(a)は閉じた状態、(b)は開いた状態で
ある。
【0094】この圧潰顎1は、曲面凸凹タイプの圧潰面
11e、11fを有した固定顎1e、可動顎1fで構成
される圧潰顎1に、更に、固定顎1eに設けられた受け
部22と、可動顎11fに設けられた突出部21から構
成される逃げ止め凸凹部2を設けたものである。
【0095】上述したように、凸凹タイプの圧潰面11
e、11fは、組織を押し潰すと同時に、押し潰す組織
の逃げ止めの役割を果たすが、さらに、逃げ止め凸凹部
2を設けることによって、組織の押し潰しを、より確実
にすることが出来る。
【0096】図7は、本発明の圧潰顎の逃げ止め突片の
種々の例を示す要部正面図で、(a)は片方上タイプの
閉じた状態、(b)は片方上タイプの開いた状態、
(c)は両方タイプの閉じた状態を前方よりみた状態、
(d)は両方タイプの閉じた状態、(e)は両方タイプ
の開いた状態である。
【0097】この例では、突出部21と受け部22から
構成される逃げ止め凸凹部2を設けた圧潰顎1にさら
に、その先端部に逃げ止め突片3A、3Bを設けたもの
で、図1と同様な構成であるが、図7(a)(b)は、
圧潰顎1の可動顎1bに逃げ止め突片3Aを設けたも
の、図7(c)(d)(e)は、圧潰顎1の固定顎1a
と、可動顎1bの双方に、逃げ止め突片3Ba、3Bb
を設けたものである。
【0098】逃げ止め突片を、上下に設ける場合、図7
(c)に示すように、上下の逃げ止め突片3Ba、3B
bが、相互に干渉しないように設ける必要がある。
【0099】このように、逃げ止め凸凹部と、逃げ止め
突片の双方を設けると、押し潰す際の組織の逃げ出しを
より確実に阻止することができる。
【0100】図8は、本発明の組織圧潰器具の圧潰顎の
両開きタイプの一例を示す一部縦断面の要部正面図で、
(a)は閉じた状態、(b)は開いた状態である。
【0101】これまで、圧潰顎1は、一方は、固定で、
他方だけが可動のものについて説明したが、双方共、開
閉するようにしても、本発明の圧潰顎の効果は発揮され
る。ここに示した圧潰顎1Aは、そのような両開きの一
例である。
【0102】この圧潰顎1Aでは、圧潰顎1Aを構成す
る2つの顎は、それぞれ、握持操作部4の操作により開
閉支点iを中心として回動開閉する可動顎1g、1hか
ら構成されており、それぞれ、平面状の圧潰面11g、
11hを備え、また、一方の可動顎1gに受け部22が
設けられ、他方の可動顎1hに突出部21が設けられ、
これらの突出部21と受け部22で逃げ止め凸凹部2を
構成している。また、この逃げ止め凸凹部2は、組織の
逃げ出す方向に交差する方向、望ましくは、逃げ出し方
向にほぼ直交する方向に設けられている。
【0103】これらのそれぞれの可動顎1g、1hは、
それぞれ、支点j、kを有しており、その支点j、kに
よって、前リンク板51ab、51aaを介して、連接
軸51bに接続されており、上述の一方可動の圧潰顎の
場合と同様に、連結機構を介して、握持操作部4により
開閉され、掴み込んだ組織を押し潰すことができる。
【0104】6Aは、図1の圧潰顎1に設けられた全閉
防止手段6と同様の全閉防止手段であり、ここでは、開
閉支点iを中心として開閉回動する可動顎1gの圧潰面
11gと点対称部分となる背部の突起として設けられ、
図8(a)に示すように、その全閉防止手段6Aが、前
リンク板51aaに当接したときに、可動顎1g、1h
の相対する圧潰面11g、hの間に、掴み込まれた組織
を完全に潰さない程度の隙間を形成するようにして、上
記全閉防止手段6と同様の効果を発揮している。
【0105】なお、これまで説明した圧潰面の種々のタ
イプ、逃げ止め凸凹部の種々のタイプ、逃げ止め突片の
種々のタイプは、ここに上げた組み合わせだけでなく、
それぞれ、自由に選択して、組み合わせることが出来る
ものであり、その場合には、それぞれが持つ効果を相乗
的に発揮するものである。
【0106】図9は、本発明の組織圧潰器具の連結機構
を模式的に説明する概念図で、(a)は、圧潰顎が閉じ
られた状態、(b)は開かれた状態である。
【0107】この図は、図1(a)、(b)に示した連
結機構51に関係する点a〜hの相対的関係がどのよう
に変化するか模式的に説明するもので、図1の握持操作
部4の操作部41の操作による点aの動きに対して、圧
潰顎1の可動顎1bの先端の点hがどのように動くかを
示している。
【0108】図9(a)において、これらの点a〜hの
圧潰顎1が最も閉じた時の位置を添字0で示し、それか
ら操作部41を回転角10度だけ、開方向に操作した時
の位置を添字1で示している。一方、図9(b)では、
これらの点a〜hの圧潰顎1が最も開いた時の位置を添
字9で示し、それから操作部41を回転角10度だけ、
閉方向に操作した時の位置を添字8で示している。
【0109】また、図において、圧潰顎1の開閉支点g
と、操作部4の固定支点dは常に位置固定されており、
位置変化しないので、添字を付していない。さらに、支
点e、cを結ぶ直線は、図1の連接軸51bを模式的に
示すもので、この軸51bは、連結部5に収容されて前
後方向だけにスライドする。
【0110】こうして、図1の相対的関係を維持しなが
ら、図9(a)に示すように、操作部41の点aを全閉
点a0から、開き方向に10度の点a1になるように操
作した時には、可動顎1bの先端の点h0は、点h1へ
と約31度しか回動しないが、操作部41の点aを全開
点a9から閉方向に10度の点a8になるように操作し
た時には、可動顎1bの先端の点h9は、点h8へと約
47度回動することが解る。
【0111】このような関係は、図より、より両端にな
るほど増幅されることが解り、このような連結機構51
を用いて、握持操作部4と圧潰顎1を連結すれば、圧潰
顎1の閉じ状態になるにつれ、操作部41の動きに対し
て、圧潰顎1はより小さく回動し、逆に、全開状態にな
るにつれ、操作部41の動きに対して、圧潰顎1はより
大きく回動するようになる。
【0112】このようにして、力のかからない開き状態
では、より早く圧潰顎1を回動させ、力のかかる閉じ状
態では、操作部41の操作力をより増幅させて圧潰顎1
に伝え、理想的な態様で、圧潰顎1を開閉操作すること
ができ、組織を押し潰すのに適している。
【0113】図10は、本発明の組織圧潰器具の他例を
示す一部縦断面の正面図である。
【0114】この組織圧潰器具10Aは、圧潰顎1の開
閉構造は、図1のものと同じであるが、この圧潰顎1
が、連結部5に対して回動可能に支持されており、この
連結部の後端には、この圧潰顎1を回動させる回動手段
7を備えていることを特徴とする。
【0115】この組織圧潰器具10Aにおいては、圧潰
顎1を固定支持する連結部5の前方筒5dが、後方筒5
eに対して回動可能に挿嵌されており、その前方筒5d
内に、前リンク板51aに連結され、この前方筒5d内
を前後にスライドし、かつ、この前方筒5dと共回動す
る連接軸受け51gが収容され、この連接軸受け51g
の収容穴51gaに、この連接軸受け51gと後部のリ
ンク筒51dとを接続する連接軸51hの頭部51ha
が、回動可能に、かつ、スライド力を伝達するように収
容されている。
【0116】連結部5の後方筒5eの後端には、握持操
作部42のリング部42aが固定され、そのリング部4
2aに回動リング71が回動可能に挿嵌され、この回動
リング71と、連結部5の前方筒を連接する回動筒72
が、後方筒5e内に収容されている。したがって、この
回動リング71を回動させると、後方筒5eに対して、
前方筒5dが回動し、それにともなって、この前方筒5
dに固定された圧潰顎1が回動するようになっている。
【0117】したがって、握持操作部4を片手で握持し
て、その握持状態のままで、その親指を使って、回動リ
ング71を回動させることができ、それによって、圧潰
顎1を、握持操作部4に対して回動させることができ
る。
【0118】こうして、この組織圧潰器具10Aによれ
ば、上記の組織圧潰器具10の効果を発揮すると共に、
圧潰顎1を、握持状態で握持操作部4に対して回動させ
ることができるので、圧潰しようとする組織の姿勢に合
わせて、圧潰顎の開閉方向を合わせることができ、圧潰
に便利である。
【0119】なお、上記に説明した組織圧潰器具の全て
の外に露出している角部を丁寧に面取りしておくと、万
一、圧潰対象となる臓器バッグなどに接触した場合も、
その接触相手を損傷するようなことがない。
【0120】
【発明の効果】請求項1に記載の腹腔鏡下手術に用いる
組織圧潰器具によれば、専用の圧潰顎を備えているの
で、効率よく、短時間で組織を押し潰すことができる。
【0121】また、組織を掴み込んで押し潰す際に、そ
の組織が逃げ出すのを防止する逃げ止め凸凹部、または
/かつ、逃げ止め突片を設けたので、圧潰顎による組織
の押し潰しが、より、スムーズに失敗無く行われ、押し
潰しが、より容易に、確実にできる。
【0122】さらに、刃部を設けていないので、組織を
収容した臓器バッグなどを損傷することがなく、安全性
が高い。
【0123】請求項2に記載の腹腔鏡下手術に用いる組
織圧潰器具よれば、請求項1に記載の腹腔鏡下手術に用
いる組織圧潰器具の効果に加え、逃げ止め凸凹部が、組
織の逃げ出し方向に交差する方向に形成されているの
で、この逃げ出し凸凹部が、圧潰顎に掴み込んだ組織を
挟み込んで、組織の逃げ出しをより効果的に阻止する。
【0124】請求項3に記載の腹腔鏡下手術に用いる組
織圧潰器具によれば、請求項1または2に記載の腹腔鏡
下手術に用いる組織圧潰器具の効果に加え、逃げ止め凸
凹部が、スパイク状の突出部と、それに対応させた凹
部、あるいは、貫通孔を有する受け部として構成されて
いるので、ちょうど、スパイクのように、掴み込んだ組
織の逃げ出しを防止することができる。
【0125】請求項4に記載の腹腔鏡下手術に用いる組
織圧潰器具によれば、請求項1から3のいずれかに記載
の腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具の効果に加え、圧
潰顎の圧潰面が、それぞれ、平面状、曲面の凸凹状、鋭
角の凸凹状に、かつ、その圧潰面の相対する部分が、互
いに相手の形状に沿うように形成されているので、組織
を押し潰すのに都合がよく、互いに凸部と凸部が対応し
ていないので、この凸部の間に、臓器バッグの一部が挟
まれて損傷するようなことを、請求項5の全閉防止手段
と相まって、よりよく、防止することができる。
【0126】さらに、この凸凹状の圧潰面は、組織の圧
潰の役割と同時に、組織の逃げ出しを防止する役割も果
たす。
【0127】請求項5に記載の腹腔鏡下手術に用いる組
織圧潰器具によれば、請求項1から4のいずれかに記載
の腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具の効果に加え、圧
潰顎は、閉じた際に、掴み込まれた組織を完全に潰さな
い程度の隙間を形成する全閉防止手段を設けているの
で、組織の押し潰しをしている途中に、万一、圧潰顎に
臓器バッグの一部が挟まれた場合でも、臓器バッグを損
傷するようなことがなく、安全性が高い。
【0128】請求項6に記載の腹腔鏡下手術に用いる組
織圧潰器具によれば、請求項1から5のいずれかに記載
の腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具の効果に加え、連
結機構は、握持操作部を操作したときに、圧潰顎を閉じ
るに従って、その操作力が増幅される構造となっている
ので、組織の押し潰しをより簡易に、少ない力でするこ
とができ、組織圧潰に適している。
【0129】請求項7に記載の腹腔鏡下手術に用いる組
織圧潰器具によれば、請求項1から6のいずれかに記載
の腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具の効果に加え、圧
潰顎は、把持操作部側に設けられた回動手段により、回
動可能となっているので、圧潰しようとする組織の姿勢
に合わせて、圧潰顎の開閉方向を回動させることがで
き、圧潰に便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の組織圧潰器具の一例を示す一部縦断面
の正面図で、(a)は圧潰顎を閉じた所、(b)は圧潰
顎を開いた所
【図2】本発明の組織圧潰器具の圧潰顎に設けられた逃
げ止め凸凹部の種々の例を示す一部縦断面の要部正面図
で、(a)は上下逆タイプ、(b)は偏在タイプ、
(c)は上下タイプ、(d)は不均一突出タイプ
【図3】本発明の組織圧潰器具の圧潰顎に設けられた逃
げ止め凸凹部の種々の他例を示す一部縦断面の要部正面
図で、(a)は先尖りタイプ、(b)は角柱タイプ、
(c)は不貫通タイプ、(d)は曲げ突出タイプ
【図4】本発明の圧潰顎の圧潰面の種々の例を示す要部
正面図で、(a)は鋭角凸凹タイプの閉じた状態、
(b)は鋭角凸凹タイプの開いた状態、(c)は曲面凸
凹タイプの閉じた状態、(d)は曲面凸凹タイプの開い
た状態
【図5】本発明の圧潰顎の圧潰面の他例を示す要部正面
図で、(a)は閉じた状態、(b)は開いた状態
【図6】本発明の圧潰顎の他例を示す要部正面図で、
(a)は閉じた状態、(b)は開いた状態
【図7】本発明の圧潰顎の逃げ止め突片の種々の例を示
す要部正面図で、(a)は片方上タイプの閉じた状態、
(b)は片方上タイプの開いた状態、(c)は両方タイ
プの閉じた状態を前方よりみた状態、(d)は両方タイ
プの閉じた状態、(e)は両方タイプの開いた状態
【図8】本発明の組織圧潰器具の圧潰顎の両開きタイプ
の一例を示す一部縦断面の要部正面図で、(a)は閉じ
た状態、(b)は開いた状態
【図9】本発明の組織圧潰器具の連結機構を模式的に説
明する概念図で、(a)は、圧潰顎が閉じられた状態、
(b)は開かれた状態
【図10】本発明の組織圧潰器具の他例を示す一部縦断
面の正面図
【図11】(a)は組織の圧潰にも用いられる従来の鉗
子の一例を示す正面図、(b)はその先端部の要部詳細
斜視図
【図12】従来、用いられていた組織圧潰の他例を示す
説明図
【符号の説明】
1 圧潰顎 2 逃げ止め凸凹部 21 突出部 22 受け部 3 逃げ止め突片 4 握持操作部 5 連結部 51 連結機構 6 全閉防止手段 7 回動手段 10 臓器圧潰器具 A 組織 B 手 C 親指 D 人指し指 E 臓器収納バッグ H 腹腔 J 施術孔 K 腹壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 000138185 株式会社モリタ製作所 京都府京都市伏見区東浜南町680番地 (72)発明者 吉田 修 京都府京都市左京区岩倉三宅町38−3 (72)発明者 寺地 敏郎 京都府京都市左京区聖護院川原町54 (72)発明者 新関 隆一郎 京都府京都市伏見区東浜南町680番地 株 式会社モリタ製作所内 (72)発明者 巽 正哉 京都府京都市伏見区東浜南町680番地 株 式会社モリタ製作所内 Fターム(参考) 4C060 EE21 FF12 GG22 GG23 GG24 MM26

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】腹腔鏡下手術において使用する臓器圧潰器
    具であって、 先端に開閉可能な圧潰顎を備え、後端には握持操作部を
    備え、上記圧潰顎と握持操作部とを連結する連結機構を
    有した連結部を備えて成り、 上記握持操作部を片手で握持したままで、その握持操作
    部を操作することによって、上記圧潰顎に掴み込まれた
    組織を押し潰す構成とすると共に、 上記圧潰顎には、掴み込まれた組織を押し潰す際の逃げ
    出しを防止するための逃げ止め凸凹部を、または/か
    つ、上記圧潰顎の先端には、掴み込まれた組織を押し潰
    す際の逃げ出しを防止するための逃げ止め突片を設けた
    構成とした腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具。
  2. 【請求項2】請求項1において、 上記圧潰顎に設けられた逃げ止め凸凹部は、組織の逃げ
    出し方向に交差する方向に形成されていることを特徴と
    する腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、 上記圧潰顎の逃げ止め凸凹部が、スパイク状に突出させ
    た複数の突出部と、その突出部が嵌入する凹部又は貫通
    孔を有する受け部とで構成されていることを特徴とする
    腹腔鏡下手術に用いる組織圧潰器具。
  4. 【請求項4】請求項1から3のいずれかにおいて、 上記圧潰顎の組織を押し潰すために相対する圧潰面が、
    それぞれ、平面状、曲面の凸凹状、鋭角の凸凹状に、か
    つ、その圧潰面の相対する部分が、互いに相手の形状に
    沿うように形成されていることを特徴とする腹腔鏡下手
    術に用いる組織圧潰器具。
  5. 【請求項5】請求項1から4のいずれかにおいて、 上記圧潰顎は、閉じた際に、掴み込まれた組織を完全に
    潰さない程度の隙間を形成する全閉防止手段を設けてい
    ることを特徴とする組織圧潰器具。
  6. 【請求項6】請求項1から5のいずれかにおいて、 上記連結機構は、上記握持操作部を操作したときに、圧
    潰顎を閉じるに従って、その操作力が増幅される構造と
    なっていることを特徴とする腹腔鏡下手術に用いる組織
    圧潰器具。
  7. 【請求項7】請求項1から6のいずれかにおいて、 上記圧潰顎は、上記把持操作部側に設けられた回動手段
    により、回動可能となっていることを特徴とする腹腔鏡
    下手術に用いる組織圧潰器具。
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