JP2000239253A - 2−オキシインドールの製造方法 - Google Patents

2−オキシインドールの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】触媒とする弱塩基の存在下の極性溶媒中
で、イサチンとヒドラジン水和物を反応させることを特
徴とする下記一般式 (式中、Rはアルキル、アルコキシ、アリール、フェノ
キシ、ハロゲン、または水素である)で示す2-オキシイ
ンドール化合物の製造方法。 【効果】先行技術の欠点を解決するため、強塩基や、純
ヒドラジンなどの必要がない、2-オキシインドール化合
物の製造方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2-オキシインドー
ル化合物の製造方法、特に触媒として弱塩基の存在下、
極性溶媒中でイサチンとヒドラジン水和物を反応させて
2-オキシインドール化合物を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】次の式(I)で示すオキシインドールは、
【化2】 特定のタイプの薬剤に関る物質、例えば充血性心臓病の
強心剤として、オキシインドール部分を含有するアジベ
ンダン(adibendan、式2のごとし)、
【化3】 の作製時の中間体として知られている。種々の表皮成長
の調節に有用なチロシンキナゼ抑制剤(tyrosine kinase
inhibitors)も2-オキシインドール化合物から製造され
ている。式3
【化4】 で示す2-オキシインドール化合物は、置換されてもされ
なくても良く、式中、Rはアルキル、アルコキシ、アリ
ール、フェノキシ、ハロゲン、または水素である。2-オ
キシインドール化合物が、次の反応式
【化5】 で表す方法(D. S . Soriano, J. Chem. Edu., 1993, 7
0, 332)により作製できることはすでに公知である。当
該方法によれば、イサチン(式4)が脱水メタノール中で
ヒドラジン水和物と反応して反応混合物の中で懸濁状の
中間体を形成する。この中間体は更に反応混合物から分
離され、結晶方法で純化される。上記純化された中間体
を乾燥して、脱水エタノールに強塩基、例えばナトリウ
ム エトキシドの存在下、高めの温度下でウォルフ−キ
シュナー還元を受けさせることにより2-オキシインドー
ル化合物を得ている。上記方法で得た2-オキシインドー
ル化合物の歩留は69%までに達している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記方法は、2-オキシ
インドール化合物の作製に分離や、純化や、乾燥などの
工程を要するため、複雑である。また、ナトリウム エ
トキシドが水と反応すると、反応に及ぼす触媒活性を失
うため、上記方法において、反応混合物中の溶媒として
高価な脱水エタノールを用いなければならない。なお、
ナトリウム エトキシドは普通、非常にアクティブで危
険なナトリウムと脱水エタノールを反応して得たもので
あるので、大量のナトリウム エトキシドを用いる上記
方法は安全性の問題がある。他にも、次の反応式
【化6】 で示す2-オキシインドール化合物の製造方法がある(Cre
stini and Saladino, Synth. Commun. 1994, 24, 283
5)。これによれば、イサチンは先ず純ヒドラジンに溶
け、次いで後加熱状態下で純ヒドラジンと反応して2-オ
キシインドール化合物を得る。この方法で得た2-オキシ
インドール化合物の歩留は76%までに達する。
【0004】純ヒドラジンを高温下にさらしたり、酸化
剤と反応させたりすると、激しい爆発を引き起こす危険
があるため、純ヒドラジンの使用は非常に注意しなけれ
ばならず、上記方法もしたがって実用的でない。
【0005】反応をさせるために、上記方法のいずれも
200℃ぐらいの高温を要する。かよう な高温はエネルギ
ーを多量に消費し、かつ触媒として強塩基を用いる場
合、特殊な防食材料からなる反応器が必要である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記先行技
術の欠点を解決するべく、強塩基または純ヒドラジンの
いずれをも必要としない2-オキシインドール化合物の製
造方法を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の2-オキシインドール化合
物の製造方法は、触媒として弱塩基の存在下の極性溶媒
中でイサチンとヒドラジン水和物を反応させて、2-オキ
シインドール化合物を得る。
【0008】本発明によれば、先行技術の方法において
触媒として用いられた強塩基の代りに、弱塩基を使用す
ることにより極めて良い結果が得られる。即ち、本発明
によれば、慎重に反応混合物のための弱塩基と極性溶媒
を選ぶと、上記先行技術の方法より高い歩留が得られ
る。
【0009】本発明の方法に適用する極性溶媒は、水、
エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、2-メチ
ル-1-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール、1-ブタ
ノール、2-ブタノール、1-メチル-2-ピロリジノン(1-me
thyl-2-pyrrolidinone)、N,N´-ジメチルホルムアミ
ド、N,N´-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォ
キシド、及びそれらの混合物からなる群より選ぶこと
ができ、中でもN,N´-ジメチルホルムアミドが好まし
い。
【0010】弱塩基はイサチンとヒドラジン水和物との
反応に触媒として作用し、そして、炭酸アルカリ、酢酸
アルカリ、及びそれらの混合物を含む群より選ぶことが
でき、中でも酢酸ナトリウムがより好ましい。
【0011】本発明の方法により得た2-オキシインドー
ル化合物の粗製品は、さらに次の工程、(a)この2-オキ
シインドール化合物の粗製品を溶媒に溶かし溶液にし、
(b)活性炭を加えることで溶液を脱色し、また(c)溶液
から活性炭を除去しながら、溶液を結晶化することによ
り2-オキシインドール化合物の沈澱物を形成する工程を
加えることもできる。
【0012】上記2-オキシインドール化合物の粗製品を
純化する工程で用いる溶媒は、ジクロロメタン、ヘキサ
ン、1,2-ジクロロエタン、トルエン、酢酸エチル、2-プ
ロパノール、イソプロピル エーテル、エタノール、
水、及びそれらの混合物のいずれでもよく、中でも1,2-
ジクロロエタンが好ましい。活性炭の添加量は2-オキシ
インドール化合物の粗製品の重量に基づいて3〜10wt%
であり、5wt%がより好ましい。
【0013】実際に、本発明の方法による2-オキシイン
ドール化合物の作製は60〜250℃の反応温度で行うこと
が望ましく、特に、100℃で、弱塩基の酢酸ナトリウム
がイサチンに対するモル比0.03:1〜0.3:1がより好ま
しい。なお、イサチンが極性溶媒中での重量モル濃度が
0.2ないし3.5Mが好ましい。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例と比較例にもとづき、
本発明の意外に良い結果をより詳しく説明する。
【0015】実施例1 フラスコでイサチン166g(1.1モル)をN,N´-ジメチル
ホルムアミド650mlに溶かし、濃度が80%のヒドラジン
水和物(1.1モル)70mlとN,N´-ジメチルホルムアミド1
80mlとを均一に混合し、これを少しずつフラスコに加え
た。次いで、酢酸ナトリウム8.3g(0.1モル)をフラスコ
に添加し、イサチンとヒドラジン水和物を反応させるた
め、反応混合物を100℃に8時間加熱した。反応が完了し
たのち、極性溶媒を蒸留によって除去し、残留の混合物
に水500mlを加えた。それから、当該混合物をトルエン5
00mlで2回抽出し、さらに乾燥することにより黄色味が
かった固体2-オキシインドールの粗製品を得た。このよ
うに得た2-オキシインドールの歩留は95%、純度は97%
であった。
【0016】なお、上記2-オキシインドールの粗製品を
加熱状態でジクロロエタン420mlに溶けさせ、また、脱
色として、活性炭7.1g(2-オキシインドールの粗製品の
重量に基づき、約5wt%)を添加した。上記活性炭をろ過
装置で除去すると無色溶液が得られた。次いで、この溶
液を冷却させ、結晶化により2-オキシインドールの沈澱
を得た。続いて、結晶化2-オキシインドールを溶液から
分離させて乾燥し、粉末状固体2-オキシインドール128g
が得られた。2-オキシインドールの歩留は85%であり、
純度は99.5%であった。
【0017】実施例2〜4 極性溶媒として、それぞれ1-メチルー2-ピロリジノン、
N,N´-ジメチルアセトアミド、またはジメチルスルフ
ォキシドを用い、他は実施例1と同じようにし、実施例2
〜4を構成した。歩留はそれぞれに59%、72%、または6
1%であった。
【0018】実施例5 弱塩基としては、炭酸ナトリウムを用い、またイサチ
ン:ヒドラジン水和物:炭酸ナトリウムのモル比は1:
1:0.04であることを除いては実施例1と同じくした。歩
留は61%の結果を得た。
【0019】実施例6 弱塩基としては、炭酸カリウムを用い、またイサチン:
ヒドラジン水和物:炭酸カリウムのモル比は1:1:0.03
であることを除いては実施例1と同じくした。歩留とし
ては52%が得られた。
【0020】実施例7 イサチンのN,N´-ジメチルホルムアミドでの重量モル
濃度は3.4M、弱塩基としては、炭酸ナトリウムを用い、
またイサチン:ヒドラジン水和物:炭酸ナトリウムのモ
ル比は1:1:0.09である点を除き、すべて実施例1と同
じ条件とした。歩留としては68%が得られた。
【0021】実施例8 イサチンのN,N´-ジメチルホルムアミドでの重量モル
濃度は3.4M、弱塩基としては、炭酸カリウムを用い、ま
たイサチン:ヒドラジン水和物:炭酸ナトリウムのモル
比は1:1:0.07である点の他は、実施例1と同じ条件と
した。歩留としては65%が得られた。
【0022】比較例1 弱塩基の代りに強塩基、つまり水酸化リチウムを使用
し、またイサチン:ヒドラジン水和物:水酸化リチウム
のモル比は1:1:0.2であることを除いては実施例1と
同じようにした。歩留としては64%が得られた。
【0023】比較例2 弱塩基の代りに強塩基、つまり水酸化ナトリウムを使用
し、またイサチン:ヒドラジン水和物:水酸化ナトリウ
ムのモル比は1:1:0.1であることを除いては実施例1と
同じようにした。歩留としては66%が得られた。
【0024】比較例3 弱塩基の代りに強塩基、つまり水酸化カリウムを使用
し、またイサチン:ヒドラジン水和物:水酸化カリウム
のモル比は1:1:0.08であることを除いては実施例1と
同じようにした。結果として歩留は63%であった。
【0025】比較例4 イサチンの重量モル濃度は3.4M、弱塩基の代りに強塩
基、つまり水酸化リチウムを使用し、またイサチン:ヒ
ドラジン水和物:炭酸リチウムのモル比は1:1:0.4で
あるほかは、実施例1と同じにした。歩留としては52%
が得られた。
【0026】比較例5 イサチンの重量モル濃度は3.4M、弱塩基の代りに強塩
基、つまり水酸化ナトリウムを使用し、またイサチン:
ヒドラジン水和物:炭酸ナトリウムのモル比は1:1:0.
2であるほかは、実施例1と同じようにした。歩留として
は57%が得られた。
【0027】比較例6 イサチンの重量モル濃度は3.4M、弱塩基の代りに強塩
基、つまり水酸化カリウムを使用し、またイサチン:ヒ
ドラジン水和物:炭酸カリウムのモル比は1:1:0.1で
ある点を除き、すべて実施例1と同じようにした。結果
として歩留は54%であった。
【0028】比較例7 極性溶媒としてエチレン グリコールを用い、イサチン
の重量モル濃度は0.2M、弱塩基の代りに強塩基、つまり
水酸化カリウムを使用し、イサチン:ヒドラジン水和
物:炭酸カリウムのモル比は1:1:1、また反応温度が1
40℃で維持されることを除いては実施例1と同じように
した。その歩留は51%であった。
【0029】比較例8 極性溶媒としてエタノールを用い、イサチンの重量モル
濃度は0.2M、弱塩基の代りに強塩基、つまりナトリウム
メトキシドを使用し、またイサチン:ヒドラジン水和
物:ナトリウム メトキシドのモル比は1:3:1、また反
応温度が80℃で維持されることを除いては実施例1と同
じようにした。その歩留は27%であった。
【0030】上記実施例と比較例の結果から分かるよう
に、本発明により、慎重に反応混合物での弱塩基と極性
溶媒を選ぶと、2-オキシインドール化合物の歩留を向上
させることができた。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】触媒とする弱塩基の存在下の極性溶媒中で
    イサチンとヒドラジン水和物を反応させることを特徴と
    する次の一般式 【化1】 (式中、Rはアルキル、アルコキシ、アリール、フェノ
    キシ、ハロゲン、または水素である)で示す2-オキシイ
    ンドール化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】上記極性溶媒が、水、エタノール、1-プ
    ロパノール、2-プロパノール、2-メチル-1-プロパノ
    ール、2-メチル-2-プロパノール、1-ブタノール、2
    -ブタノール、1-メチル-2-ピロリジノン、N,N´-ジ
    メチルホルムアミド、N,N´-ジメチルアセトアミド、
    ジメチルスルフォキシド、及びそれらの混合物からなる
    群より選ぶようにしてなる上記請求項1に記載の2-オキ
    シインドール化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】上記極性溶媒が、N,N´-ジメチルホルム
    アミドである上記請求項2に記載の2-オキシインドール
    化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】上記弱塩基が、炭酸アルカリ、酢酸アルカ
    リ、及びそれらの混合物を含む群より選ばれる上記請求
    項1に記載の2-オキシインドール化合物の製造方法。
  5. 【請求項5】上記弱塩基が、酢酸ナトリウムである上記
    請求項4に記載の2-オキシインドール化合物の製造方
    法。
  6. 【請求項6】上記酢酸ナトリウムは、上記イサチンに対
    するモル比が0.03:1ないし0.3:1である上記請求項5
    に記載の2-オキシインドール化合物の製造方法。
  7. 【請求項7】上記イサチンとヒドラジン水和物との反応
    が、60〜250℃の温度下で行われることを特徴とする上
    記請求項1に記載の2-オキシインドール化合物の製造方
    法。
  8. 【請求項8】上記反応温度が、100℃である上記請求項7
    に記載の2-オキシインドール化合物の製造方法。
  9. 【請求項9】上記イサチンが、上記極性溶媒中での重量
    モル濃度0.2ないし3.5Mである上記請求項1に記載の2-
    オキシインドール化合物の製造方法。
  10. 【請求項10】上記2-オキシインドール化合物の製造方
    法はさらに、(a)2-オキシインドール化合物の粗製品を
    溶媒に溶かして、溶液にし、(b)上記溶液に活性炭を加
    えて脱色し、(c)上記溶液から活性炭を除去しながら、
    当該溶液を結晶化することにより2-オキシインドール化
    合物の沈殿物を形成する工程を含む上記請求項1に記載
    の2-オキシインドール化合物の製造方法。
  11. 【請求項11】上記溶媒がジクロロメタン、ヘキサン、
    1,2-ジクロロエタン、トルエン、酢酸エチル、2-プロパ
    ノール、イソプロピルエーテル、エタノール、水、及び
    それらの混合物からなる群より選ぶようにしてなる上記
    請求項10に記載の2-オキシインドール化合物の製造方
    法。
  12. 【請求項12】上記溶媒が1,2-ジクロロエタンである上
    記請求項11に記載の2-オキシインドール化合物の製造方
    法。
  13. 【請求項13】上記活性炭を、上記2-オキシインドール
    化合物の粗製品の重量に基づいて3〜10wt%添加する上
    記請求項10に記載の2-オキシインドール化合物の製造方
    法。
  14. 【請求項14】上記活性炭を、上記2-オキシインドール
    化合物の粗製品の重量に基づいて5wt%添加する上記請
    求項13に記載の2-オキシインドール化合物の製造方法。
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