JP2000239403A - セルロースアシレートフィルムの製造方法及びセルロースアシレートフィルム - Google Patents
セルロースアシレートフィルムの製造方法及びセルロースアシレートフィルムInfo
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Abstract
の薄く、光学的等方性、また平面性に優れたセルロース
アシレートフィルムを製造する方法を提供することにあ
る。 【解決手段】 剥離後ウェブをテンターで幅保持してセ
ルロースアシレートフィルムを溶液流延製膜方法で製造
するに際し、剥離時の残留溶媒率Xとテンターに導入す
る時の残留溶媒率Yの関係を下記式の範囲として製膜す
ることを特徴とするセルロースアシレートフィルムの製
造方法。 0.3X≦Y≦0.9X
Description
光材料及び液晶画像表示装置に有用なセルロースアシレ
ートフィルムの製造方法及びセルロースアシレートフィ
ルムに関し、特に平面性の優れた液晶画像表示装置用の
セルロースアシレートフィルムの製造方法及びセルロー
スアシレートフィルムに関する。
セルロースアシレートのフィルムは、一般に溶液流延製
膜方法により製造されている。溶液流延製膜方法は、通
常、ポリマードープ(高濃度溶液)を鏡面を有する無端
のステンレスベルトあるいは回転するドラム(以降流延
用支持体ということもある)上に流延し、溶媒を蒸発さ
せ、流延用支持体が1周する前にドープ膜(ドープが乾
燥された膜で、本発明では、以降ウェブということもあ
る)を剥離し、千鳥状に配置された多数のロール上を搬
送しながら乾燥し、巻き取ってフィルムとする製膜方法
である。このように製造されたセルロースアシレートフ
ィルムは、透明性、適度な機械的強度、しなやかさ、巻
癖回復性等の優れた性質を有しているため、ハロゲン化
銀写真感光材料、特に、ロール状カラーフィルムに長年
使用されている。しかしながら、機械的強度がある程度
あるとしても、厚さを薄くした場合は破断しやすくなる
ため、薄手支持体のハロゲン化銀写真感光材料には適さ
ず、機械的強度を厚さでカバーしていたのが現状であ
る。最近、支持体の厚さを薄くしてコンパクトなハロゲ
ン化銀写真感光材料システム(APSという)が登場し
たが、この支持体には薄くても強度のあるポリエチレン
ナフタレートフィルムが用いられるようになった。
溶液流延製膜によって作られる光学的等方性から、近年
市場の拡大している液晶画像表示装置に使用されてい
る。液晶画像表示装置における具体的な用途としては、
偏光板の保護フィルム及びカラーフィルターが代表的で
ある。この液晶画像表示装置用のフィルムには、ハロゲ
ン化銀写真感光材料よりも、薄く、より優れた平面性、
表面性、より光学的等方性が求められる。従って、ハロ
ゲン化銀写真感光材料用支持体としてのセルロースアシ
レートフィルムの製造方法では、その要求を満足できな
い場合が多く、更にきめ細かい製造方法を必要とするよ
うになった。
も、最近では、ハロゲン化銀乳剤層を高速で薄膜塗布す
る支持体に塗布する場合、支持体の微細な凹凸もハロゲ
ン化銀乳剤層の塗布ムラとなって現れるようになり、平
面性、表面性のよいフィルムを作製する技術が求められ
ていた。その一つの技術として、例えば、特許番号第2
630535号、特公平5−19898号、特開昭62
−115035号、特開平2−182654号、同4−
298310号公報等に流延用支持体からウェブを剥離
後、テンターで幅を保持しあるいは若干延伸して乾燥搬
送させる溶液流延製膜方法が提案されている。
ィルムを溶液流延製膜すると、機械的強度が低くなり切
れやすく、テンタークリップでも裂けが入り幅保持出来
ないため、残留溶媒量を多めにして流延用支持体から剥
離し、乾燥を早める高速技術が、薄膜フィルムには適用
しにくく、剥離時の残留溶媒率をあまり大きくして剥離
出来ない。残留溶媒率を低くすることは、流延用支持体
上での乾燥時間が長くなり、製膜速度が遅くなり、また
早くするためには設備が非常に大きくなり過ぎる。この
ような二律背反的なことを解決しないと平面性、表面性
の優れたセルロースアシレートフィルムを製造すること
が出来ない。安定に高生産性で製造出来、且つフィルム
の厚さが薄く、フィルム全面の平面性、表面性が優れた
製品を製造するためには、もっときめ細かい対応が必要
となる。
較的フィルムの膜厚の薄く、光学的等方性、また平面性
に優れたセルロースアシレートフィルムを製造する方法
を提供することにある。
成すべく、いろいろな角度から検討を行い下記の如き発
明に到達した。
液流延製膜方法で製造するに際し、剥離時の残留溶媒率
Xを下記式の範囲としてウェブを流延用支持体から剥離
した後、乾燥して製膜することを特徴とするセルロース
アシレートフィルムの製造方法。
アシレートフィルムを溶液流延製膜方法で製造するに際
し、剥離時の残留溶媒率Xとテンターに導入する時の残
留溶媒率Yの関係を下記式の範囲として製膜することを
特徴とするセルロースアシレートフィルムの製造方法。
アシレートフィルムを溶液流延製膜方法で製造するに際
し、流延用支持体の全領域における表面温度を1〜80
℃として製膜することを特徴とするセルロースアシレー
トフィルムの製造方法。
面の温度を50℃以下として製膜することを特徴とする
請求項3に記載のセルロースアシレートフィルムの製造
方法。
てセルロースアシレートフィルムを溶液流延製膜方法で
製造するに際し、表面粗さRaがRa≦1μmの流延用
支持体を用いて製膜することを特徴とするセルロースア
シレートフィルムの製造方法。
てセルロースアシレートフィルムを溶液流延製膜方法で
製造するに際し、ドープ流延からウェブの剥離点まで
の、ウェブの全幅に対してウェブの両側の端部からそれ
ぞれ5〜20%以内の幅のウェブの平均残留溶媒率を、
それより内側部分のウェブの平均残留溶媒率に対して
1.10〜1.40倍として製膜することを特徴とする
セルロースアシレートフィルムの製造方法。
てセルロースアシレートフィルムを溶液流延製膜方法で
製造するに際し、ドープ流延からウェブの剥離点まで
の、ウェブの全幅に対してウェブの両側の端部からそれ
ぞれ5〜20%以内の幅のウェブの平均膜厚を、それよ
り内側部分のウェブの平均膜厚に対して1.05〜1.
20倍として製膜することを特徴とするセルロースアシ
レートフィルムの製造方法。
てセルロースアシレートフィルムを溶液流延製膜方法で
製造するに際し、ドープ流延からウェブの剥離点まで
の、ウェブの全幅に対してウェブの両側の端部からそれ
ぞれ5〜20%以内の幅のウェブ部分に相当する流延用
支持体の温度を、それより内側部分の流延用支持体の温
度より5℃以上低くして製膜することを特徴とするセル
ロースアシレートフィルムの製造方法。
液流延製膜方法で製造するに際し、剥離点でウェブが支
持体の長さ方向の等位置で一線に剥離出来るように幅方
向にウェブに部分的に外力を加えて、製膜することを特
徴とするセルロースアシレートフィルムの製造方法。
記載の方法で製膜するにあたり、流延用支持体上でのウ
ェブの乾燥風温度をT1、剥離後少なくとも10秒間ウ
ェブに当てる乾燥風温度をT2、主溶媒の沸点を沸点T
bp、そして剥離部における流延用支持体の温度をTs
としたとき、T1をTbp−20≦T1≦Tbp+20
の範囲とし、且つT2をTs≦T2≦Ts+40の範囲
として製膜することを特徴とするセルロースアシレート
フィルムの製造方法。
に記載の方法で製膜するにあたり、剥離時の搬送張力を
3〜40kg/m巾として製膜することを特徴とするセ
ルロースアシレートフィルムの製造方法。
に記載の方法で製膜するにあたり、ドープの固形分濃度
を15〜35重量%とし、且つ溶媒組成中の良溶媒を8
0重量%以上として製膜することを特徴とするセルロー
スアシレートフィルムの製造方法。
ことを特徴とする(12)記載のセルロースアシレート
フィルムの製造方法。
に記載の方法で製膜するにあたり、最終乾燥後の平均膜
厚を10〜130μm且つ、膜厚分布を±4μm以内と
して製膜することを特徴とするセルロースアシレートフ
ィルムの製造方法。
に記載の製造方法で製膜されたセルロースアシレートフ
ィルム。
下記の式(I)〜(IV)を満足するものである。
れているアシル基の置換度を表し、Mはアセチル基の、
またNは炭素原子数3〜5のアシル基の置換度である。
はC2H5CO−、C3H7CO−、C4H9CO−で、セル
ロースアシレートとしては、セルローストリアセテー
ト、セルロースアセテートプロピオネート、セルロース
アセテートブチレート等である。置換度はセルロースの
全水酸基に対するアシル化された割合で、これをグルコ
ーズユニット当たり3個の水酸基に対するアシル基の置
換した個数として表したものである。本発明において
は、上記式の置換度を逸脱するとフィルムとした場合、
耐水性が劣ったり、耐熱性が劣ったり、軟化し易くなっ
たりして本発明の目的に適合しなくなる。
プに使用する溶媒には、溶質をよく溶解する良溶媒と溶
解はしないが、良溶媒と混合してドープのゲル化を促進
する貧溶媒とがある。セルロースアシレートに対する良
溶媒としては、置換されたアシル基、それぞれの置換度
によっても異なるが、ほぼセルローストリアセテートと
同様な溶媒が用いられ、良溶媒となるものも含めてまと
めて例示すると、メチレンクロライド、クロロフォル
ム、トリクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、トリオキサン、ニトロメタン、ニトロエタン、メチ
ルアセテート、エチルアセテート、エチレングリコール
エーテルアセテート、エチレンカーボネート、テトラフ
ルオロエタノール、トリフルオロエタノール、シクロヘ
キサノン、メチルエチルケトン、アセトン、アミルアセ
テート等を挙げることが出来る。これらには、定法では
溶解しないものも含まれている。これらのうち溶解能を
有し、沸点が40℃と低く、爆発の危険もない使用し易
い良溶媒として、メチレンクロライドは最も好ましいも
のの一つである。
用いられるものとして、炭化水素類、芳香族炭化水素
類、直鎖脂肪族エーテル類、アルコール類等を挙げるこ
とが出来るが、メタノール、エタノール、プロピルアル
コール、ブタノール、シクロヘキサン等を好ましく挙げ
ることが出来る。
ロースアシレートドープのセルロースアシレートの濃度
は10〜30重量%程度である。
される。
を115℃、1時間乾燥した重量で、Zは、溶液流延製
膜全工程中の任意の点での残留溶媒率である。
的薄いフィルムを製膜する際に、ウェブが破断したり、
ウェブにシワが寄ったりしないために、剥離時残留溶媒
率Xを15≦X≦120%の範囲、つまり15〜120
%の範囲として製膜することで、好ましくは30〜10
0%である。この剥離残留溶媒率Xで剥離されるウェブ
はそのままロール方式の乾燥装置を使用して乾燥して
も、テンターを用いて乾燥させても平面性の良いフィル
ムを得ることが出来る。
Xのウェブを、剥離に続いて幅保持を行うテンター入口
でのテンター導入時残留溶媒率Yとの関係を下記式: 0.3X≦Y≦0.9X として製膜することで、好ましくは、12≦Y<50で
ある。本式のXは上記構成(1)と同様の剥離時残留溶
媒率であり、剥離時のXに対して、テンター導入時のY
をこのような関係の範囲内にすることによって、平面性
を良好に得ることが出来るばかりでなく、テンターのク
リッピングを容易にすることが出来る。一般に、テンタ
ー入り口でクリッピングする際、流延用支持体上ではド
ープ膜面(空気面)片側から溶媒が蒸発していたのが、
剥離後のウェブの両面から溶媒が蒸発するため、ウェブ
の支持体面側と空気面側とに残留溶媒含有量が異なり、
その結果として両面の性質に違いを生じる。より溶媒を
含んでいる流延用支持体面側が流延用支持体から開放さ
れるため急激にその表面から溶媒が蒸発し、収縮を始め
流延用支持体面側にカールし易くなる。そのためにクリ
ッピングがし難くなる。本発明においては、剥離後直ぐ
にクリッピングしてもよいし、剥離後、例えば特許番号
第2630535号公報に記載されているようなパスロ
ールを経て、残留溶媒率を上記式に合うYとしてクリッ
ピングすることも好ましい。
を1℃以上80℃以下にすることである。流延用支持体
はセルロースアシレートドープを流延用支持体上に流延
する時は出来るだけ温度は低くすることが好ましく、温
度が高いとドープの流動性が大きく厚みムラなどを生じ
易く、また空気の露点より低い温度では露結し水滴が付
着する。従って11℃以上が好ましく、更に21℃以上
が好ましい。
てから流延用支持体が1周する前の剥離点(流延された
ドープが流延支持体上で乾燥されウェブとなり流延用支
持体が流延された時点から約1周のところでウェブを剥
離する所を剥離点という)での流延用支持体の温度を5
0℃以下として製膜することである。ウェブを剥離する
までに流延用支持体のドープ膜のない側(流延用支持体
の裏側)から溶媒を蒸発させるために積極的に加熱する
が、剥離時点でドープ膜(ウェブ)の温度があまり高過
ぎるとウェブが剥離する張力で部分的に引っ張られ伸ば
され、出来上がったフィルムに部分的に光学的異方性を
生じ液晶画像表示装置の保護フィルムに使用するフィル
ムとしては不都合となる。ウェブの厚さが薄ければこの
傾向は強くなるので、流延用支持体の温度はあまり高く
出来ない。好ましくは1から40℃で、より好ましくは
5〜30℃である。
ウェブを剥離し易くするために、流延用支持体の表面の
粗さRaを1μm以下とすることである。流延用支持体
は鏡面仕上げとなっているが、鏡面といってもある表面
粗さをもっており、全面積、少なくともドープが流延さ
れる面積において粗さが1μm以下であることが必要で
ある。特に、ステンレスベルトを溶接して接合して無端
としてある場合、その部分は本来の鏡面部分と異なる表
面性を持つため、これを研磨して1μm以下にする必要
がある。1μm超えて粗いとドープ膜がステンレス表面
と接着性が高くなり、剥離する時点で、剥がし難くな
る。勿論、仕上がりのフィルムに対しても膜厚分布に影
響を及ぼすので1μm以下にすることは必要なことであ
る。
ェブの剥離点までの、ウェブの全幅に対してウェブの両
側の端部からそれぞれ5〜20%以内の幅のウェブの平
均残留溶媒率を、それより内側部分のウェブの平均残留
溶媒率に対して1.10〜1.40倍として製膜するこ
とである。それによって剥離を均一化することが出来、
ウェブを剥離する時の流延用支持体からの剥離力のムラ
をなくすことが出来る。つまり、ウェブの端の部分は乾
燥が早く、剥離する時に中央部分より早く剥離され易
く、ウェブが流延用支持体面から剥離ロール(剥離点に
おいて剥離されたウェブをガイドするロール)に到達す
る距離が長く、中側に入るほど剥離が遅れ剥離ロールと
の距離が短くなり、剥離力に差を生じる。このことによ
ってウェブに与える力が異なり、ウェブに光学的異方性
を生じ易くなる。特に薄手のウェブになればなるほどこ
の影響が現れ好ましくない。この力の差を解消するため
に、ウェブの端の付近の部分の残留溶媒率と中央部分の
残留溶媒率と同じになるようにコントロールすることに
よって、剥離力を平均化するのである。その方法として
は、流延用支持体の裏側からの加熱をコントロールする
方法、ドープ膜表面への加熱をコントロールする方法が
ある。通常においては、ウェブの端から中央部にかけて
の、特に端付近の残留溶媒率が少なく、中に入るほど漸
増し、ある程度奥に入ったところからはほとんど変わら
なくなるので、ウェブの両側の端部からそれぞれ5〜2
0%以内の幅の範囲を細かく温度コントロールを行えば
よい。
な課題であるが、剥離時にウェブの両端の部分が早く剥
離しないように、またテンターのクリッピングの時に安
定的に担持出来るように、ドープ流延からウェブの剥離
点までの、ウェブの全幅に対してウェブの両側の端部か
らそれぞれ5〜20%以内の幅のウェブの平均膜厚を、
1.10〜1.20倍の範囲にして製膜することであ
り、ウェブ幅手方向内側部分のウェブの平均膜厚に対し
て、ウェブの両側の端部の膜厚を流延時に厚くし、剥離
時のウェブの残留溶媒率を幅方向で均一化し剥離する条
件を同じにする方法である。この方法は流延ダイの口金
の両端部分のスリットを端に向かって漸増して広くする
手段で達成される。
(7)と同様な思想による発明であるが、具体的には、
ドープ流延からウェブの剥離点までの、ウェブの全幅に
対してウェブの両側の端部からそれぞれ5〜20%以内
の幅のウェブ部分に相当する流延用支持体の温度を、そ
れより内側部分の流延用支持体の温度より5℃以上低く
して製膜するのである。つまり、ウェブの両側の前記端
部の溶媒の蒸発を抑えてウェブの幅全体の残留溶媒率を
均一化しようとするものである。
ートフィルムを溶液流延製膜方法で製造するに際し、剥
離点でウェブが支持体上の幅方向一線に等位置で剥離出
来るように幅方向にウェブに部分的に外力を加えて、製
膜することを特徴とするセルロースアシレートフィルム
の製造方法である。
ェブの幅方向に剥離する位置が異なり(通常では両端部
分が早く剥がれ、ウェブが流延用支持体から剥がれる位
置は一直線にならない)、部分的にウェブの剥離位置か
ら剥離ロールに達する距離が異なる。その結果ウェブに
掛かる力が異なり平面性や等方性に影響を及ぼす。そこ
で、剥離点において、幅方向に非接触の外力を与えるこ
とによって、ウェブの剥離位置を一直線に調節して剥離
するのである。ウェブの両端部分が他の中央部分より早
く剥がれるのを抑制して遅らせて剥離を同位置に合わせ
ること(前者)、及びウェブ内側部分が遅れるのを剥離
を早めるように剥離を同位置に合わせること(後者)か
ら選ばれる少なくとも一つの手段を用いて調節する。こ
れらの手段は、例えば、ガス流を吹き付ける方法とし
て、前者は流延用支持体上にあるウェブの両端部分が剥
がれる直前で、ガス流圧によりウェブの上から押さえつ
ける方法、あるいは減圧してウェブを流延用支持体に引
きつける方法、また後者は、逆に流延用支持体と剥離し
て来るウェブとの間にガス流を吹き付けることによって
調節する方法等がある。ガス流は空気でもよいが、窒素
ガス、炭酸ガスも使用出来る。ガス流は、温度をかけて
も冷やしてもよいが、その時の状況により使い分ければ
よい。より好ましい方法は、ウェブの両側の端部付近に
おいて、流延用支持体と剥離して来るウェブとの間で減
圧することによって、他より早く剥離し易いところのウ
ェブ(端部付近のウェブ)を引きつけ、ウェブ幅手方向
の内側の部分と同じ位置で剥離する調節方法である。減
圧度としては、1.0×10-1〜1.0×102mmA
qが好ましく、より好ましくは1.0〜50mmAqで
あり、この範囲において光学的により等方性のフィルム
が得られる。
〜(9)のそれぞれの製膜方法に加えて、流延用支持体
での乾燥風温度と剥離後の支持体に当てる乾燥風の温度
に関するものである。構成(10)は流延用支持体上で
のウェブの乾燥風温度をT1、剥離後少なくとも10秒
間ウェブに当てる乾燥風温度をT2、主溶媒の沸点を沸
点Tbp、そして剥離部における流延用支持体の温度を
Tsとした時、T1をTbp−20≦T1≦Tbp+2
0の範囲内とし、且つT2をTs≦T2≦Ts+40の
範囲内として製膜する方法である。主溶媒とはドープ処
方のうち、セルロースアシレートを溶解する良溶媒で、
全溶媒組成の少なくとも50%以上のものをいう。セル
ローストリアセテートの場合はメチレンクロライドであ
り、その沸点Tbは40℃であるから、この場合、流延
用支持体上でのウェブの乾燥風温度T1は20〜60℃
で、好ましくは35〜55℃である。本構成(10)
は、剥離部からテンターに導入する前の間、少なくとも
10秒間は、T2の温度で乾燥風をウェブの両面から当
てることによって、急激な収縮による湾曲(カール)を
抑制し、クリッピングを正確に行わせることが出来、T
2は40〜80℃で、好ましくは40〜60℃である。
また、ウェブの表裏によって乾燥風の当て方、温度、風
速などを変えることが好ましい。
〜(10)のそれぞれの製膜方法に加えて、ウェブを流
延用支持体から剥離時の搬送張力を3〜40kg/m幅
とすることにより、ウェブの剥離時の剥離困難、裂け、
破断、伸ばされて幅方向に大きな収縮力が加わることに
よるシワの発生を抑えることが出来る。また、ウェブが
搬送方向に伸ばされることにより配向が起こり、液晶画
像表示装置に使用するフィルムとしては不都合となる。
好ましい搬送張力は5〜20kg/m幅である。
〜(11)のそれぞれの製膜方法に加えて、ドープ組成
のセルロースアシレート濃度を15〜35重量%とし、
且つドープ溶媒組成の80重量%以上がセルロースアシ
レートの良溶媒とすることによって、セルロースアシレ
ート濃度の薄いことによる流延後の風による吹かれム
ラ、またセルロースアシレート濃度が高すぎることによ
る流延時のメルトフラクチャーの発生もなく、良好なフ
ィルムが得られる。溶媒組成うちの良溶媒の組成を80
重量%未満に減ずると溶解性が落ち、ドープとして形成
し得なくなる。貧溶媒の多いゲルドープ(流延後流延用
支持体上でゲル化する)は製膜速度を速めることが出来
るが、逆に貧溶媒が少ない場合はゲル化せず、ドープ膜
の固まりがおそく、剥離し難くなって製膜速度が遅くな
る。また、吹かれムラも起きやすくなる。従ってドープ
溶媒の良溶媒としては84〜95重量%が好ましい。
媒としてメチレンクロライドがもっとも好ましく、特に
セルローストリアセテートの場合に好ましい。
〜(13)のそれぞれの製膜方法に加えて、仕上がりの
セルロースアシレートフィルムの膜厚が10〜130μ
mで、液晶画像表示装置用フィルムとして、複屈折や機
械的強度、取り扱い易さ等からこの膜厚範囲が好まし
い。更に好ましくは30〜90μmである。また膜厚の
分布は、膜厚分布が−4〜+4μmである。
〜(14)から選ばれる少なくとも1つの構成の製造方
法で製膜されたセルロースアシレートフィルムは、特に
液晶画像表示装置用にフィルムに適したフィルムが得ら
れる。構成(1)〜(14)のうち、組み合わせが多け
れば多いほど好ましいフィルムが得られる。
するものではない。
料を切り出し、50W蛍光灯を5本並べて試料台に45
°の角度から照らせるように高さ1.5mの高さに固定
し、試料台の上に各フィルム試料を置き、フィルム試料
の搬送方向を蛍光灯の5本に対して平行、45°及び9
0°の各角度に置き、フィルム表面に反射してみえる縦
スジ及び横スジの凹凸を目で見て、次のように判定し
た。
る。
ズ(株)社製のKOBRA21DH式自動複屈折計で測
定し、位相差をレターデーションとしてnmで表した。
この値が大きい程、配向の度合いが大きく光学的に異方
性が強いことを示し、本発明としては好ましくない方向
である。
でウェブを剥離し、テンターでウェブ幅を保持し、乾燥
して巻き取り、試料とした。
は、表1に示した条件で実施した以外は、実施例1と同
様に乾燥して巻き取り、試料とした。
件により対応した結果、何れも平面性、リターデーショ
ンが優れていることがわかった。テンターに導入しなか
った比較例は何れも、平面性リターデーションが劣って
いた。
レートフィルムは、平面性及び光学的当方性に優れ、液
晶画像表示装置の保護フィルム等に有用な薄手のセルロ
ースアシレートフィルムを提供出来る。
Claims (15)
- 【請求項1】 セルロースアシレートフィルムを溶液流
延製膜方法で製造するに際し、剥離時の残留溶媒率Xを
下記式の範囲としてウェブを流延用支持体から剥離した
後、乾燥して製膜することを特徴とするセルロースアシ
レートフィルムの製造方法。 15≦X≦120 - 【請求項2】 剥離後ウェブをテンターで幅保持してセ
ルロースアシレートフィルムを溶液流延製膜方法で製造
するに際し、剥離時の残留溶媒率Xとテンターに導入す
る時の残留溶媒率Yの関係を下記式の範囲として製膜す
ることを特徴とするセルロースアシレートフィルムの製
造方法。 0.3X≦Y≦0.9X - 【請求項3】 剥離後ウェブをテンターで幅保持してセ
ルロースアシレートフィルムを溶液流延製膜方法で製造
するに際し、全領域における流延用支持体の表面温度を
1〜80℃として製膜することを特徴とするセルロース
アシレートフィルムの製造方法。 - 【請求項4】 ウェブの剥離点での流延用支持体の表面
温度を50℃以下として製膜することを特徴とする請求
項3に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方
法。 - 【請求項5】 剥離後ウェブをテンターで幅保持してセ
ルロースアシレートフィルムを溶液流延製膜方法で製造
するに際し、表面粗さRaがRa≦1μmの流延用支持
体を用いて製膜することを特徴とするセルロースアシレ
ートフィルムの製造方法。 - 【請求項6】 剥離後ウェブをテンターで幅保持してセ
ルロースアシレートフィルムを溶液流延製膜方法で製造
するに際し、ドープ流延からウェブの剥離点までの、ウ
ェブの全幅に対してウェブの両側の端部からそれぞれ5
〜20%以内の幅のウェブの平均残留溶媒率を、それよ
り内側部分のウェブの平均残留溶媒率に対して1.10
〜1.40倍として製膜することを特徴とするセルロー
スアシレートフィルムの製造方法。 - 【請求項7】 剥離後ウェブをテンターで幅保持してセ
ルロースアシレートフィルムを溶液流延製膜方法で製造
するに際し、ドープ流延からウェブの剥離点までの、ウ
ェブの全幅に対してウェブの両側の端部からそれぞれ5
〜20%以内の幅のウェブの平均膜厚を、それより内側
部分のウェブの平均膜厚に対して1.05〜1.20倍
として製膜することを特徴とするセルロースアシレート
フィルムの製造方法。 - 【請求項8】 剥離後ウェブをテンターで幅保持してセ
ルロースアシレートフィルムを溶液流延製膜方法で製造
するに際し、ドープ流延からウェブの剥離点までの、ウ
ェブの全幅に対してウェブの両側の端部からそれぞれ5
〜20%以内の幅のウェブ部分に相当する流延用支持体
の温度を、それより内側部分の流延用支持体の温度より
5℃以上低くして製膜することを特徴とするセルロース
アシレートフィルムの製造方法。 - 【請求項9】 セルロースアシレートフィルムを溶液流
延製膜方法で製造するに際し、剥離点でウェブが支持体
の長さ方向の等位置で一線に剥離出来るように幅方向に
ウェブに部分的に外力を加えて、製膜することを特徴と
するセルロースアシレートフィルムの製造方法。 - 【請求項10】 請求項1乃至9の何れか1項に記載の
方法で製膜するにあたり、流延用支持体上でのウェブの
乾燥風温度をT1、剥離後少なくとも10秒間ウェブに
当てる乾燥風温度をT2、主溶媒の沸点を沸点Tbp、
そして剥離部における流延用支持体の温度をTsとした
とき、T1をTbp−20≦T1≦Tbp+20の範囲
とし、且つT2をTs≦T2≦Ts+40の範囲として
製膜することを特徴とするセルロースアシレートフィル
ムの製造方法。 - 【請求項11】 請求項1乃至10の何れか1項に記載
の方法で製膜するにあたり、剥離時の搬送張力を3〜4
0kg/m巾として製膜することを特徴とするセルロー
スアシレートフィルムの製造方法。 - 【請求項12】 請求項1乃至11の何れか1項に記載
の方法で製膜するにあたり、ドープの固形分濃度を15
〜35重量%とし、且つ溶媒組成中の良溶媒を80重量
%以上として製膜することを特徴とするセルロースアシ
レートフィルムの製造方法。 - 【請求項13】 前記良溶媒が塩化メチレンであること
を特徴とする請求項12記載のセルロースアシレートフ
ィルムの製造方法。 - 【請求項14】 請求項1乃至13の何れか1項に記載
の方法で製膜するにあたり、最終乾燥後の平均膜厚を1
0〜130μm且つ、膜厚分布を±4μm以内として製
膜することを特徴とするセルロースアシレートフィルム
の製造方法。 - 【請求項15】 請求項1乃至14の何れか1項に記載
の製造方法で製膜されたセルロースアシレートフィル
ム。
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|---|---|---|---|
| JP3988599A JP3864608B2 (ja) | 1999-02-18 | 1999-02-18 | セルロースアシレートフィルムの製造方法及びセルロースアシレートフィルム |
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|---|---|
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| JP3988599A Expired - Lifetime JP3864608B2 (ja) | 1999-02-18 | 1999-02-18 | セルロースアシレートフィルムの製造方法及びセルロースアシレートフィルム |
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Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002248639A (ja) * | 2000-09-25 | 2002-09-03 | Konica Corp | セルロースエステルフィルムとその製造方法、偏光板保護フィルム、偏光板及び液晶表示装置 |
| JP2002264152A (ja) * | 2001-03-08 | 2002-09-18 | Konica Corp | フィルム製造方法及び偏光板用保護フィルム |
| JP2003103544A (ja) * | 2001-09-28 | 2003-04-09 | Konica Corp | セルロースエステルフィルムの製造方法 |
| JP2013082192A (ja) * | 2011-03-29 | 2013-05-09 | Fujifilm Corp | 溶液製膜方法 |
-
1999
- 1999-02-18 JP JP3988599A patent/JP3864608B2/ja not_active Expired - Lifetime
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