JP2000239509A - 熱安定性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

熱安定性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物

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JP2000239509A
JP2000239509A JP11040356A JP4035699A JP2000239509A JP 2000239509 A JP2000239509 A JP 2000239509A JP 11040356 A JP11040356 A JP 11040356A JP 4035699 A JP4035699 A JP 4035699A JP 2000239509 A JP2000239509 A JP 2000239509A
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Koji Okada
耕治 岡田
Yutaka Yoshida
豊 吉田
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Sumika Polycarbonate Ltd
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Sumitomo Dow Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】ポリカーボネート樹脂100重量部、フィ
ブリル形成型の含フッ素ポリマー0.1〜5重量部と下
記式−1に示すナトリウムモル分率が0.075〜0.
13である非ハロゲン系芳香族スルホン酸ナトリウムと
を配合してなる樹脂組成物であり、かつ下記式−2に示
すナトリウム換算値が0.001〜0.05重量部であ
る難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。 (式−1) ナトリウムモル分率=ナトリウムの原子量/非ハロゲン
系芳香族スルホン酸ナトリウムの分子量 (式−2) ナトリウム換算値=ポリカーボネート樹脂100重量部
あたりの非ハロゲン系芳香族スルホン酸ナトリウムの配
合量(重量部)×式−1のナトリウムモル分率 【効果】非ハロゲン系芳香族スルホン酸ナトリウムのナ
トリウムモル分率およびポリカーボネート樹脂中に分配
されるナトリウム量を調整することにより、優れた難燃
性を安定的に発現せしめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、難燃性ポリカーボネー
ト樹脂組成物に関する。更に、詳しくはポリカーボネー
ト樹脂が有する優れた機械、熱および電気的特性を損な
わずに難燃性を付与し、かつ滞留による分子量低下の極
めて少ない優れた熱安定性をも具備する熱安定性に優れ
た難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を提供するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は衝撃性、耐熱
性、電気特性に優れ、さらに自己消火性を兼ね備えた難
燃性の高いプラスチック材料として広範な分野で使用さ
れている。しかしながら、ポリカーボネート樹脂は、ア
ンダーライターズ・ラボラトリーズ(UL)の燃焼試験
(UL94)に準拠した方法において、燃焼時に樹脂の
溶け落ち(ドリップ)が発生することから1.6mmで
V−2等級の難燃性レベルが限界である。
【0003】このため、ポリカーボネート樹脂単独で
は、UL94に規定されている1.6mmV−0さらに
は3.2mm5V等級といったV−2よりも高度な難燃
性を得ることは極めて困難であることから、燃焼時に樹
脂の滴下が発生することのない難燃性に優れたポリカー
ボネート樹脂の開発が求められていた。
【0004】ポリカーボネート樹脂に難燃性を付与する
方法としては、各種の方法が試みられており、ハロゲン
系難燃剤、リン系難燃剤、シリコーン系難燃剤、無機
系、有機金属塩系といった難燃剤・難燃助剤を添加する
ことによって、要求される難燃性レベルを満たす検討が
なされている。
【0005】有機金属塩系難燃剤は、少量の添加で難燃
効果が発現するものもあり、有用な難燃剤として用いら
れている。特公昭57−33302号公報では芳香族カ
ルボン酸あるいはカルボン酸エステルのスルホン酸金属
塩置換化合物をポリカーボネート樹脂へ添加したもの
を、また特公昭57−43100号公報ではポリカーボ
ネート樹脂に芳香族スルホン酸金属塩を添加して難燃化
する方法が提案されている。
【0006】しかしながら、ポリカーボネート樹脂へ芳
香族スルホン酸金属塩化合物を添加するだけでは、燃焼
時にドリップが発生し、UL94に準拠した方法におい
て1.6mmV−0または3.2mm5V等級を満たす
ことができず、さらに高度な難燃性の要求される分野へ
の適用は困難であった。
【0007】そこで、燃焼時における樹脂の滴下を抑制
する方法が提案されている。特開昭55−93248号
公報では、ポリカーボネート樹脂に、芳香族スルホン酸
金属塩化合物とフッ素化ポリオレフィンを併用すること
によって、UL94に準拠した方法において1.6mm
から3.2mmの範囲においてV−0からV−2等級の
難燃性レベルが得られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、芳香族
スルホン酸金属塩化合物の種類によってかなり難燃性レ
ベルに差異が見られ、ハロゲン系芳香族スルホン酸金属
塩とフッ素化ポリオレフィンとの併用においては良好な
難燃性を示すものもあるが、非ハロゲン系芳香族スルホ
ン酸金属塩を用いた系では十分な難燃性を示すものは無
かった。さらに、これら芳香族スルホン酸金属塩は添加
量が多くなると熱安定性に劣る場合があり、射出成形時
において成型品形状、射出成形機能力等の要因から成形
温度を高くしたり、成形サイクルを長くとらなければな
らない状況にあると、成型品の変色やシルバーストリー
ク等の外観不良を発生するという問題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の問
題点に鑑みポリカーボネート樹脂、非ハロゲン系芳香族
スルホン酸金属塩とフィブリル形成型の含フッ素ポリマ
ーとの配合物における難燃性と熱安定性の改良について
鋭意研究した結果、ポリカーボネート樹脂とフィブリル
形成型の含フッ素ポリマーとからなる樹脂組成物に、ナ
トリウムモル分率を調整した非ハロゲン系芳香族スルホ
ン酸ナトリウムを配合すると共に、樹脂組成中の全体の
ナトリウム量をも調整することにより、驚くべきことに
燃焼時における樹脂のドリップを抑制するのみならず燃
焼時間をも短縮し、かつ、滞留による分子量低下が極め
て少ないことを見出し、本発明を完成するに至った。本
発明によると、UL94の燃焼試験において厚み1.6
mmでV−0、3.2mmで5V等級の燃焼性を安定的
に発現することができ、また成形加工に伴う熱安定性に
おいても優れている。
【0010】すなわち、本発明は、ポリカーボネート樹
脂、フィブリル形成型の含フッ素ポリマーと下記式−1
に示すナトリウムモル分率が0.075〜0.13であ
る非ハロゲン系芳香族スルホン酸ナトリウムとを配合し
てなる樹脂組成物において、フィブリル形成型の含フッ
素ポリマーの配合量がポリカーボネート樹脂100重量
部あたり0.1〜5重量部であり、かつ下記式−2に示
すナトリウム換算値が0.001〜0.05重量部であ
ることを特徴とする熱安定性に優れた難燃性ポリカーボ
ネート樹脂組成物を提供するものである。 (式−1) ナトリウムモル分率=ナトリウムの原子量/非ハロゲン
系芳香族スルホン酸ナトリウムの分子量 (式−2) ナトリウム換算値=ポリカーボネート樹脂100重量部
あたりの非ハロゲン系芳香族スルホン酸ナトリウムの配
合量(重量部)×式−1のナトリウムモル分率
【0011】本発明に使用されるポリカーボネート樹脂
とは、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲン
とを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジアリ
ール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステ
ルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合
体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)か
ら製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
【0012】上記ジヒドロキシジアリール化合物として
は、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オク
タン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチ
ルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3、5−ジブロモフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロ
キシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒド
ロキシアリール)シクロアルカン類、4,4′−ジヒド
ロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−
3,3′−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒド
ロキシジアリールエーテル類、4,4′−ジヒドロキシ
ジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリール
スルフィド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスル
ホキシド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチ
ルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリ
ールスルホキシド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニ
ルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメ
チルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリー
ルスルホン類等が挙げられる。
【0013】これらは、単独または2種類以上混合して
使用される。これらの他に、ピペラジン、ジピペリジル
ハイドロキノン、レゾルシン、4,4′−ジヒドロキシ
ジフェニル等を混合して使用してもよい。
【0014】さらに、上記のジヒドロキシアリール化合
物と以下に示すような3価以上のフェノール化合物を混
合使用してもよい。
【0015】3価以上のフェノールとしてはフロログル
シン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒ
ドロキシフェニル)−ヘプテン、2,4,6−ジメチル
−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘ
プタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキ
シフェニル)−エタンおよび2,2−ビス−[4,4−
(4,4′−ジヒドロキシジフェニル)−シクロヘキシ
ル]−プロパンなどが挙げられる。
【0016】ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量
は、通常10000〜100000、好ましくは150
00〜35000以下である。かかるポリカーボネート
樹脂を製造するに際し、分子量調節剤、触媒等を必要に
応じて使用することができる。
【0017】本発明にて使用される非ハロゲン系芳香族
スルホン酸ナトリウムのナトリウムモル分率は0.07
5〜0.13である。この計算において、各元素の原子
量は国際純正および応用化学連合(IUPAC)の原子
量表(1995年)に基づいて算出される。例えば、水
素であれば1.0080、炭素、酸素、窒素、硫黄、ナ
トリウムであればそれぞれ12.0107、15.99
94、14.0067、32.0666、22.989
8である。
【0018】非ハロゲン系芳香族スルホン酸ナトリウム
のナトリウムモル分率が0.075未満では、該化合物
中に含まれるナトリウムの割合が少なくなりすぎるた
め、難燃性に劣るので好ましくない。一方、ナトリウム
モル分率が0.13を超えると難燃性に劣るので好まし
くない。更に好ましくは、0.077〜0.12の範囲
である。
【0019】本発明にて使用される非ハロゲン系芳香族
スルホン酸ナトリウムとしてはp−トルエンスルホン酸
ナトリウム、p−スチレンスルホン酸ナトリウム、1−
ナフタレンスルホン酸ナトリウム、イソフタル酸ジメチ
ル−5−スルホン酸ナトリウム等が挙げられ、これら一
種もしくはそれ以上併用して使用することができる。
【0020】また、非ハロゲン系芳香族スルホン酸ナト
リウムの配合量は、好ましくはポリカーボネート樹脂1
00重量部に対して0.01〜0.5重量部、より好適
には0.02〜0.4重量部の範囲である。
【0021】非ハロゲン系芳香族スルホン酸ナトリウム
は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して式−2
に示すナトリウム換算値が0.001〜0.05重量部
であることが必須条件である。ポリカーボネート樹脂中
に配合されるナトリウム量は、望ましい難燃性と熱安定
性を発現せしめる要素である。ナトリウム換算値が0.
001重量部未満ではポリカーボネート樹脂中に含まれ
るナトリウムの割合が少なくなりすぎるため、難燃性に
劣るので好ましくない。一方、ナトリウム換算値が0.
05重量部を超えると十分な難燃性を得ることができ
ず、さらに、滞留後のポリカーボネート樹脂の分子量低
下が大きくなることから好ましくない。より好ましく
は、0.002〜0.04重量部の範囲である。
【0022】フィブリル形成型の含フッ素ポリマーの配
合量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、
0.1〜5重量部である。0.1重量部未満では燃焼時
のドリッピング防止効果に劣る場合があるので好ましく
ない。一方、5重量部を超えると造粒が困難となること
から生産上、支障をきたす場合があるので好ましくな
い。さらに好ましくは0.2〜3重量部の範囲である。
【0023】本発明に使用されるフィブリル形成型の含
フッ素ポリマーとしては、ポリカーボネート樹脂中でフ
ィブリル状構造を形成するものがよく、例えばポリテト
ラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン系共重合
体(例えば、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロ
プロピレン共重合体、等)、米国特許第4379910
号に示される様な部分フッ素化ポリマー、フッ素化ジフ
ェノールから製造されるポリカーボネート等が挙げられ
る。これらは、単独の使用では燃焼時におけるドリップ
防止には極めて有効であるものの、燃焼時間を低減する
には十分ではなく、本発明の非ハロゲン系芳香族スルホ
ン酸ナトリウムとの併用によってはじめて高度な難燃性
が実現される。
【0024】本発明によれば、フィブリル形成型の含フ
ッ素ポリマーによって燃焼時のドリップを抑制するとと
もに、式−2のナトリウム換算値を特定の範囲に調整す
ることによって、ポリカーボネート樹脂に良好な難燃性
を付与するのみならず、滞留後のポリカーボネート樹脂
の分子量低下が少なく、熱安定性も改良される。通常、
ポリカーボネート樹脂の成形温度は280℃〜300
℃、成形サイクルは10〜40秒であるのに対し、本発
明のポリカーボネート樹脂組成物の場合には、340℃
という非常に高い成形温度で、かつ成形サイクルを12
0秒とした過酷な条件においても、分子量の低下率が5
%以下であり良好な熱安定性を有する。
【0025】本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、
公知の他の難燃剤、例えばスルホン酸金属塩化合物、ハ
ロゲン系難燃剤、シリコーン系難燃剤、リン系難燃剤等
を混合してもよい。
【0026】スルホン酸金属塩化合物としては、ジフェ
ニルスルホン−3−スルホン酸の金属塩、ジフェニルス
ルホン−3,3′−ジスルホン酸の金属塩およびジフェ
ニルスルフォン−3,4′−ジスルホン酸の金属塩とい
った芳香族スルホン酸のアルカリ金属塩、サッカリンの
金属塩、N−(p−トリルスルホニル)−p−トルエン
スルホイミドの金属塩、N−(N′−ベンジルアミノカ
ルボニル)スルファニルイミドの金属塩およびN−(フ
ェニルカルボキシル)−スルファニルイミドの金属塩な
どの芳香族スルホンアミド金属塩、パーフルオロメタン
スルホン酸のナトリウムおよびカリウム塩、パーフルオ
ロエタンスルホン酸のナトリウムおよびカリウム塩、パ
ーフルオロプロパンスルホン酸のナトリウムおよびカリ
ウム塩、パーフルオロブタンスルホン酸のナトリウムお
よびカリウム塩、パーフルオロヘキサンスルホン酸のナ
トリウムおよびカリウム塩、パーフルオロオクタンスル
ホン酸のナトリウムおよびカリウム塩といったパーフル
オロアルカンスルホン酸アルカリ金属塩、2,5−ジク
ロロベンゼンスルホン酸のナトリウムおよびカリウム
塩、2,4,5−トリクロロベンゼンスルホン酸のナト
リウムおよびカリウム塩などのハロゲン置換芳香族スル
ホン酸のアルカリ金属塩が挙げられる。
【0027】ハロゲン系難燃剤としては、臭素化ビスフ
ェノールA誘導体、ポリブロモ置換芳香族類縁体等が、
シリコーン系難燃剤としてはポリオルガノシロキサン
類、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合
体等が、リン系難燃剤としては、リン酸エステル類等が
挙げられる。
【0028】さらに、本発明の効果を損なわない範囲
で、ポリカーボネート樹脂に熱安定剤(例えば、硫酸水
素ナトリウム、硫酸水素カリウム、硫酸水素リチウム等
の硫酸水素金属塩および硫酸アルミニウム等の硫酸金属
塩等)、酸化防止剤、着色剤、蛍光増白剤、充填材(例
えば、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、炭
素繊維、タルク粉、クレー粉、マイカ、チタン酸カリウ
ムウィスカー、ワラストナイト粉、シリカ粉等)、離型
剤、軟化材、帯電防止剤等の添加剤、衝撃性改良材(例
えば、アクリル系エラストマー、ポリエステル系エラス
トマー、コアシェル型のメチルメタクリレート・ブタジ
エン・スチレン共重合体、メチルメタクリレート・アク
リロニトリル・スチレン共重合体、エチレン・プロピレ
ン系ゴム、エチレン・プロピレン・ジエン系ゴム等)、
他のポリマー(例えば、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリス
チレン、ハイインパクトポリスチレン、アクリロニトリ
ル・スチレン共重合体とこれのアクリルゴム変成物、ア
クリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、アク
リロニトリル・エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム
(EPDM)・スチレン共重合体等のスチレン系ポリマ
ー、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系ポ
リマー等)を配合してもよい。
【0029】本発明のポリカーボネート樹脂組成物にお
ける各種配合成分の混合方法には、特に制限はなく、公
知の混合機、例えばタンブラー、リボンブレンダー等に
よる混合や押出機による溶融混練が挙げられる。
【0030】本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成
物を成形する方法としては、特に制限はなく、公知の射
出成形法、射出・圧縮成形法等を用いることができる。
【0031】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はそれら実施例に制限されるものではな
い。尚、「部」は重量基準に基づく。また、各ポリマー
の評価方法については次のとおり:
【0032】・造粒性 押出機内で溶融混練された樹脂が、押出機先端からスト
ランド状に出てくる際の状況を目視により評価した。
【0033】・成形性 造粒によって得られたペレットを以下の射出条件に従
い、試験片を作成し、試験片の外観を目視により確認し
た。尚、試験片は縦80mm、横50mmで、厚み1.
6mm、3.2mmの2段形状の成型品を用いた。 成形温度:340℃ 金型温度:100℃ 成形サイクル:30秒
【0034】・滞留熱安定性試験 (成形条件)造粒によって得られたペレットを以下の射
出条件に従い、上記と同様の試験片を作成した。 成形温度:340℃ 金型温度:100℃ 成形サイクル:120秒 (分子量低下率)造粒によって作成したペレットの分子
量を標準の値として、上記成形条件によって12個の試
験片を作成した中で、12番目に採取した試験片の分子
量を測定し、下記式−3にて分子量低下率を算出した。 式−3 分子量低下率(%)=(造粒ペレットの分子量−12番
目の試験片の分子量)×100/(造粒ペレットの分子
量)
【0035】・分子量測定 塩化メチレンを溶媒として、0.5g/lの濃度の溶液
を作成し、キャノンフェンスケ型粘度管を用いて20℃
にて測定した。
【0036】・燃焼性試験 (UL試験用試験片の作成)造粒によって得られたペレ
ットを、射出成形により、下記寸法の試験片をそれぞれ
作成した。 1.UL94−V試験用 長さ127mm、幅12.7mm、厚み1.6mm 2.UL94−5V試験用 棒状試験片:長さ127mm、幅12.7mm、厚み
3.2mm 平板状試験片:縦150mm、横150mm、厚み3.
2mm (燃焼性の評価−1:UL94−V等級)該試験片を温
度23℃、湿度50%の恒温室の中で48時間放置し、
ULが定めているUL94試験(機器の部品用プラスチ
ック材料の燃焼性試験)に準拠した難燃性の評価を行っ
た。UL94−Vとは、鉛直に保持した所定の大きさの
試験片にバーナーの炎を10秒間接炎した後の残炎時間
やドリップ性から難燃性を評価する方法であり、以下の
ような基準によって難燃性の分類が決定される。 V−0 V−1 V−2 各試料の残炎時間 10秒以下 30秒以下 30秒以下 5試料の全残炎時間 50秒以下 250秒以下 250秒以下 ドリップによる綿の着火 なし なし あり 上に示す残炎時間とは、着火源を遠ざけた後の、試験片
が有炎燃焼を続ける時間の長さであり、ドリップによる
綿の着火とは、試験片の下端から約300mm下にある
標識用の綿が、試験片からの滴下(ドリップ)物によっ
て着火されるかどうかによって決定される。また、5試
料のうち1つでも上記基準を満たさないものがある場
合、その最も悪かった試料の等級へ分類される。例え
ば、4本の試料がV−0等級を有していても、1本の試
料のみドリップが発生すると、その試料の等級はV−2
となる。
【0037】(難燃性の評価−2:UL94−5V等
級)次いで、上記UL94−Vの試験においてV−0の
基準を満たした試料は、上記UL94−V等級試験と同
様の状態調整を行ったのち、UL94−5V試験を行っ
た。UL94−5V試験とは、鉛直に保持した所定の大
きさの棒状試験片にバーナーの炎を5秒間あて、5秒間
遠ざける。この操作を5回繰り返した後の残炎時間を測
定する方法で、燃焼時間が60秒以下でドリップが発生
しない試料については、さらに平板状試験片による棒状
試験片と同様の接炎操作を行い、平板状試料の溶け落ち
もしくは穴あきの有無によって、以下の基準に分類され
る。 5VA 5VB 各棒状試料に第5回目の接炎後の残炎時間 60秒以内 60秒以内 ドリップによる綿の着火 なし なし 各平板試料の溶け落ち(穴) なし あり
【0038】(実施例1) ・樹脂ペレットの製造 ポリカーボネート樹脂100部にナトリウムモル分率
0.118であるp−トルエンスルホン酸ナトリウム
(A−1)0.02重量%およびポリテロラフルオロエ
チレン(PTFE)0.5部添加したものを、2軸押出
機(神戸製鋼製KTX−37、軸直径=37mm)を用
いて280℃の温度条件下溶融混合した。溶融混合され
た樹脂はストランド状に押し出され、水槽により急冷し
たものをペレタイザーを用いてストランドペレットへと
加工した。このときのストランドの状態は変色、分解等
は見られず、問題なく造粒できた。また、得られたペレ
ットの粘度平均分子量は18300、ナトリウム換算値
は0.0024であった。
【0039】・成形性および滞留熱安定性の評価 次いで、熱風循環棚式オーブンにより、125℃の温度
下、3時間乾燥した樹脂ペレットを射出成形機(日本製
鋼所製J100E−C5 型締め力=100ton)を
用いて340℃の温度条件下、30秒サイクルの成形を
連続して行い、得られた成型品の外観を確認したとこ
ろ、変色、シルバーストリーク等の外観不良は見られ
ず、問題なく成形できた。さらに、成形温度は同じと
し、成形サイクルを120秒と長くし、滞留成形を行
い、12番目に取り出した成型品の粘度平均分子量を測
定したところ、17700であり、分子量低下率は3.
3%であり、5%以下であることから非常に良好であっ
た。
【0040】・UL試験用試験片の作成および燃焼試験
評価 上記と同様の乾燥条件によって調整した樹脂ペレットを
射出成形機(日本製鋼所製J100E−C5 型締め力
=100ton)を用いて280℃の温度によりUL9
4−V用およびUL94−5V棒状試験片を作成し、さ
らに、FANUC製AUTOSHOT T serie
s MODEL 225Dの射出成形機を用いて300
℃の温度により、UL94−5V平板状試験片を作成し
た。次いで、各試験片を温度23℃、湿度50%の恒温
室の中で48時間放置し、UL94−V等級の燃焼試験
を行ったところ、燃焼時のドリップは見られず、V−0
等級の基準を満足するものであった。さらに、V−0等
級の難燃性レベルであったことから、引き続きUL94
−5V試験を行った。結果は棒状試料および平板状試料
ともに基準を満足するものであり、5VA等級の優れた
難燃性を示した。以上の結果をまとめて表1に示した。
【0041】(実施例2〜3)難燃剤A−1の配合量を
表1に示すとおり変更する以外は実施例1と同様の操作
を行い、造粒、成形および評価を行った。結果を表1に
示した。
【0042】(比較例1〜3)難燃剤A−1の配合量を
表1に示すとおり変更する以外は実施例1と同様の操作
を行い、造粒、成形および評価を行った。結果を表1に
示した。
【0043】
【表1】
【0044】表1に示すとおり、式−2で算出されるナ
トリウム換算値が0.001〜0.05部の範囲にある
もの(実施例1〜3)は分子量低下率が何れも5%以下
であり、かつ難燃性の指標であるUL94−VおよびU
L94−5Vの試験でそれぞれV−0、5VAの等級を
示した。また、造粒性、成形性も良好であった。一方、
ナトリウム換算値が0.001部未満である比較例1の
試料においては、難燃性の指標であるUL94−Vの試
験で消火に10秒を超える試験片があり、V−0の基準
を満足できず(V−1)、難燃性に劣っていた。また、
ナトリウム換算値が0.05部を超える比較例2および
3の試料においては、分子量低下率が5%を超え、かつ
難燃性も劣っていた。尚、ナトリウム換算値が高くなれ
ばなる程、分子量低下率が高くなり(比較例2および3
参照)、加えて、比較例3では成形性試験においても成
形品にシルバーストリークが大量に発生した。
【0045】(実施例4〜8)難燃剤の種類と配合量を
表2に示すとおり変更する以外は実施例1と同様の操作
を行い、造粒、成形および評価を行った。結果を表2に
示した。使用された難燃剤は以下のとおり: 実施例4:イソフタル酸ジメチルスルホン酸ナトリウム(A−2) ナトリウムモル分率=0.078 実施例5:p−スチレンスルホン酸ナトリウム(A−3) ナトリウムモル分率=0.112 実施例6:1−ナフタレンスルホン酸ナトリウム(A−4) ナトリウムモル分率=0.100 実施例7:ベンゼンスルホン酸ナトリウム(A−5) ナトリウムモル分率=0.128 実施例8:p−トルエンスルホン酸ナトリウム(A−1) ナトリウムモル分率=0.118 1−ナフタレンスルホン酸ナトリウム(A−4) ナトリウムモル分率=0.100
【0046】(比較例4〜7)難燃剤の種類と配合量を
表2に示すとおり変更する以外は実施例1と同様の操作
を行い、造粒、成形および評価を行った。結果を表2に
示した。使用された難燃剤は以下のとおり: 比較例4:n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(A−6) ナトリウムモル分率=0.066 比較例5:アリルスルホン酸ナトリウム(A−7) ナトリウムモル分率=0.160 比較例6:メタクリルスルホン酸ナトリウム(A−8) ナトリウムモル分率=0.146 比較例7:m−ベンゼンスルホン酸ナトリウム(A−9) ナトリウムモル分率=0.163
【0047】
【表2】
【0048】表2に示すとおり、ナトリウムモル分率が
0.075〜0.13である非ハロゲン系芳香族スルホ
ン酸ナトリウムを使用し、かつナトリウム換算値を0.
001〜0.05部に調整した試料(実施例4〜7)に
おいては、何れも分子量低下率が5%以下であり、かつ
UL94の燃焼試験結果でV−0および5VAの難燃性
を示した。さらに、非ハロゲン系芳香族スルホン酸ナト
リウムを2種併用した試料(実施例8)においても、ナ
トリウムモル分率およびナトリウム換算値が規定範囲内
であれば同様の結果を示した。一方、ナトリウム換算値
が規定範囲内であってもナトリウムモル分率が規定範囲
外である試料(比較例4〜7)では、好ましい結果は得
られなかった。例えば、ナトリウムモル分率が規定値よ
りも小さい比較例4および規定値よりも大きい比較例7
の試料においては分子量低下率は5%以下を示すものの
難燃性はV−1であった。また、ナトリウムモル分率が
規定値よりも大きい比較例5および6では、造粒時に分
解反応が起こり、ペレット化することが不可能であっ
た。
【0049】(実施例9〜10)難燃剤A−1の配合量
を0.05部とし、ポリテトラフルオロエチレン(PT
FE)の配合量を表3に示すとおり変更する以外は実施
例1と同様の操作を行い、造粒、成形および評価を行っ
た。結果を表3に示した。
【0050】(比較例8〜10)難燃剤A−1の配合量
を0.05部とし、ポリテトラフルオロエチレン(PT
FE)の配合量を表3に示すとおり変更する以外は実施
例1と同様の操作を行い、造粒、成形および評価を行っ
た。結果を表3に示した。
【0051】
【表3】
【0052】表3に示すとおり、ポリテトラフルオロエ
チレン(PTFE)の配合量が0.1〜5部の範囲内に
あるもの(実施例9〜10)は、何れも分子量低下率が
5%以下であり、かつ燃焼性試験結果でV−0および5
VB以上の難燃性を示した。一方、PTFEの配合量が
規定値よりも小さい比較例8および比較例9の試料で
は、分子量低下率は5%以下を示すものの、難燃性評価
では、ドリップが発生し、V−2等級であった。また、
PTFEの配合量が規定値よりも大きい比較例10で
は、造粒において安定的な生産を行うことができず、ペ
レット化することが不可能であった。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、ポリカーボネート樹脂
にフィブリル形成型の含フッ素ポリマーを配合し、さら
に非ハロゲン系芳香族スルホン酸ナトリウムのナトリウ
ムモル分率およびポリカーボネート樹脂中に分配される
ナトリウム量を調整することにより、優れた難燃性を安
定的に発現せしめるだけではなく、熱安定性をも改良し
た難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を提供することが
できる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年2月23日(1999.2.2
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】
【表1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】
【表2】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正内容】
【0051】
【表3】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリカーボネート樹脂、フィブリル形成型
    の含フッ素ポリマーと下記式−1に示すナトリウムモル
    分率が0.075〜0.13である非ハロゲン系芳香族
    スルホン酸ナトリウムとを配合してなる樹脂組成物にお
    いて、フィブリル形成型の含フッ素ポリマーの配合量が
    ポリカーボネート樹脂100重量部あたり0.1〜5重
    量部であり、かつ下記式−2に示すナトリウム換算値が
    0.001〜0.05重量部であることを特徴とする熱
    安定性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。 (式−1) ナトリウムモル分率=ナトリウムの原子量/非ハロゲン
    系芳香族スルホン酸ナトリウムの分子量 (式−2) ナトリウム換算値=ポリカーボネート樹脂100重量部
    あたりの非ハロゲン系芳香族スルホン酸ナトリウムの配
    合量(重量部)×式−1のナトリウムモル分率
  2. 【請求項2】非ハロゲン系芳香族スルホン酸ナトリウム
    のナトリウムモル分率が0.077〜0.12である請
    求項1記載の熱安定性に優れた難燃性ポリカーボネート
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】非ハロゲン系芳香族スルホン酸ナトリウム
    がp−トルエンスルホン酸ナトリウム、p−スチレンス
    ルホン酸ナトリウム、1−ナフタレンスルホン酸ナトリ
    ウム、イソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウ
    ムの中から選択される一種またはそれ以上であることを
    特徴とする請求項1記載の熱安定性に優れた難燃性ポリ
    カーボネート樹脂組成物。
  4. 【請求項4】フィブリル形成型の含フッ素ポリマーの配
    合量がポリカーボネート樹脂100重量部あたり0.2
    〜3重量部であることを特徴とする請求項1記載の熱安
    定性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
  5. 【請求項5】フィブリル形成型の含フッ素ポリマーがポ
    リテトラフルオロエチレンであることを特徴とする請求
    項1または請求項4記載の熱安定性に優れた難燃性ポリ
    カーボネート樹脂組成物。
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