JP2000239720A - 複合廃棄物の処理方法 - Google Patents

複合廃棄物の処理方法

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JP2000239720A JP4821799A JP4821799A JP2000239720A JP 2000239720 A JP2000239720 A JP 2000239720A JP 4821799 A JP4821799 A JP 4821799A JP 4821799 A JP4821799 A JP 4821799A JP 2000239720 A JP2000239720 A JP 2000239720A
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Naoya Hamada
直也 浜田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温溶融の際にプラスチック類の持つ高い発
熱量や、還元材としての能力を有効活用するとともに、
具体的な処理条件を設定して、複合廃棄物を解体,分別
せずに安全かつ効率的に溶融処理することができる複合
廃棄物の処理方法を提供する。 【解決手段】 多段の送風羽口9a,9bを有する多機
能溶融炉1内へ少なくとも金属およびプラスチックを含
有する複合廃棄物をコークスとともに装入し、乾燥、熱
分解、燃焼、溶融して複合廃棄物を溶融処理する際し
て、コークスベッド上端レベルを上段羽口9bと下段羽
口9aとの間に設定し、下段羽口9aからコークスベッ
ド13ヘ酸素を富化した熱風送風を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属やプラスチッ
クを含有する廃家電等の複合廃棄物を多機能溶融炉によ
り溶融して処理する方法に係り、特に鉄分総含有量が1
0%<TotalFe(以下、「T.Fe」という。)
<80%の複合廃棄物の溶融処理が可能な複合廃棄物の
処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】使用済みの洗濯機、冷蔵庫、エアーコン
ディショナ等の廃家電は、金属の他、プラスチックやゴ
ム等を含有する複合廃棄物である。従来、このような複
合廃棄物は鉄、アルミニウム、銅等の有益な金属材料を
含有しているにもかかわらず、まるごと小片に解体およ
び破砕され、最終処分地に埋め立て処理されていた。
【0003】しかし、最終処分地の不足やリサイクル新
法の制定等の情勢にともなって、リサイクル実証プラン
トなどが建設され、複合廃棄物を分別処理して有益な金
属材料を回収する試みがなされている。すなわち、複合
廃棄物を洗濯機、冷蔵庫等の製品種別に応じて分類し、
冷却媒体や潤滑油等の危険物質を抜き取った後、構成部
品・部材ごとに解体し、その解体片を金属やプラスチッ
ク等の原材料ごとに分別して、その原材料に応じた処理
を施している。例えば、分別後の金属屑はコークスなど
とともに溶融炉内へ装入して溶融処理され、分別後のプ
ラスチックは破砕して埋め立て処理されている。
【0004】このような分別処理方法は、有益な金属材
料を回収することができ、埋め立て処理する破砕片を減
量化することができる点で有効な手段である。しかし、
複合廃棄物の解体作業や分別作業には多大な労力を要
し、その工数の増大がコスト高を招き、循環型社会を形
成する上での阻害要因となっていた。特に、家電製品の
多様化した今日では、その傾向が著しくなっている。
【0005】そこで近年、複合廃棄物を分別せずに、そ
のまま竪型溶融炉内へ装入し、溶融処理して有益な金属
材料を回収する方法の開発が注目されている。これに関
連する技術としては、例えば特開平5−222424号
公報において、「使用ずみ車両又は使用ずみ機器の有機
及び無機非金属付随物質の環境を保護する廃棄処分方
法」に係る発明が提案されている。
【0006】この発明は「使用ずみ車両又は使用ずみ機
器の鋼屑と一緒に付随物質を立炉へ入れることにより、
付随物質を鋼屑又は鉄鉱石に含まれる鉄酸化物と化学反
応させ、入れられる付随物質を、化学的に還元を行いか
つスラグを形成する融剤として利用して、コークス、油
又はガスのようなこの目的のための従来の融剤を少なく
とも一部補う。」ことを要旨としており、使用ずみ車両
又は洗濯機や冷蔵庫のような他の多量生産品の有機及び
無機非金属付随物質の環境を保護する廃棄処分を行うと
いうものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、複合廃棄物
には大量のプラスチック類が含まれているが、プラスチ
ック類が含まれている場合にも、ごみ溶融炉では有害物
質を発生させることなく、安全に処理することが可能で
ある。しかし、廃棄物は炉内を降下するに従って次第に
温度上昇していくことから、炉下部に到着する前にプラ
スチック類が熱分解・ガス化してしまい、プラスチック
類の持つ高い発熱量や、還元材としての能力が高温溶融
の際に有効に活用されていない。
【0008】また、特開平5−222424号公報に開
示された廃棄処分方法に係る発明は、破砕された金属屑
や、部分的に解体された使用ずみ車両又は使用ずみ機器
を対象とした処分方法であり、複合廃棄物を解体せずに
溶融処理する工夫は何らなされていない。
【0009】さらに、この廃棄処理方法では、竪型炉
内の予熱域,燃焼域,溶融域の制御手段、生成物であ
るガス,スラグ,溶銑のバランス、燃焼排ガスは完全
燃焼か、部分燃焼か、燃焼空間は必要か、装入方法
(ガス流制御の必要性)、周辺流形成か、中心流形成
か、多段吹き込みの際の送風条件、主羽口は上段羽
口、下段羽口のどちらか等の具体的な処理条件につい
て、何ら考察されていない。
【0010】本発明の目的は、上記課題に鑑み、高温溶
融の際にプラスチック類の持つ高い発熱量や、還元材と
しての能力を有効活用するとともに、具体的な処理条件
を設定して、複合廃棄物を解体,分別せずに安全かつ効
率的に溶融処理することができる複合廃棄物の処理方法
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明の複合廃棄物の処理方法は、多段の送風羽口を有
する多機能溶融炉内へ少なくとも金属およびプラスチッ
クを含有する複合廃棄物をコークスとともに装入し、乾
燥、熱分解、燃焼、溶融して複合廃棄物を溶融処理する
際して、コークスベッド上端レベルを上段羽口と下段羽
口との間に設定して、下段羽口からコークスベッドヘ酸
素を富化した熱風送風を行うものである。
【0012】また、複合廃棄物の鉄分総含有量が、10
%<Total Fe<80%であることが好ましい。
【0013】さらに、熱風送風の温度が700℃以下で
あることが好ましい。この熱風送風の酸素富化量は、2
%以上であることが好ましい。
【0014】また、上部羽口から熱風送風を行うことが
好ましい。さらに、羽口送風量を上段羽口送風量<下段
羽口送風量に設定することが好ましい。そして、下段羽
口から熱風送風とともに、廃プラスチックを吹き込むこ
とが好ましい。
【0015】また、装入物のストックレベルを変更し
て、炉内の原燃料の昇温速度を制御することが好まし
い。
【0016】さらに、炉中心部に解体しない大径の複合
廃棄物、および破砕後の複合廃棄物のうち金属含有率の
大きいものを大径のコークスと混合して装入し、炉周辺
部に破砕後の複合廃棄物のうち金属含有量の小さいもの
を小径のコークスと混合して装入することが好ましい。
【0017】本発明の他の複合廃棄物の処理方法は、多
段の送風羽口を有する多機能溶融炉内へ少なくとも金属
およびプラスチックを含有する複合廃棄物をコークスと
ともに装入し、乾燥、熱分解、燃焼、溶融して複合廃棄
物を溶融処理する際して、原料として複合廃棄物を鉄ス
クラップとともに装入し、コークスベッド上端レベルを
上段羽口と下段羽口との間に設定して、下段羽口からコ
ークスベッドヘ酸素を富化した熱風送風を行うことが好
ましい。
【0018】また、複合廃棄物の鉄分総含有量が、10
%<Total Fe<80%であることが好ましい。
【0019】さらに、熱風送風の温度が700℃以下で
あることが好ましい。この熱風送風の酸素富化量は、2
%以上であることが好ましい。
【0020】加えて、上部羽口から熱風送風を行うこと
が好ましい。或いは、上部羽口から常温送風を行うこと
が好ましい。
【0021】また、羽口送風量を上段羽口送風量>下段
羽口送風量に設定することが好ましい。さらに、下段羽
口から熱風送風とともに、廃プラスチックを吹き込むこ
とが好ましい。
【0022】そして、装入物のストックレベルを変更し
て、炉内の原燃料の昇温速度を制御することが好まし
い。
【0023】加えて、炉中心部に解体しない大径の複合
廃棄物、破砕後の複合廃棄物のうち金属含有率の大きい
もの、および鉄スクラップを大径のコークスと混合して
装入し、炉周辺部に破砕後の複合廃棄物のうち金属含有
量の小さいものを小径のコークスと混合して装入するこ
とが好ましい。
【0024】また、鉄スクラップに加えて、ダスト塊成
鉱を装入することが好ましい。個の場合には、炉中心部
に解体しない大径の複合廃棄物、破砕後の複合廃棄物の
うち金属含有率の大きいもの、および鉄スクラップを大
径のコークスと混合して装入し、炉周辺部に破砕後の複
合廃棄物のうち金属含有量の小さいもの、およびダスト
塊成鉱を小径のコークスと混合して装入することが好ま
しい。
【0025】本発明によれば、コークスベッド上端レベ
ルを上段羽口と下段羽口との間に設定し、下段羽口から
コークスベッドヘ酸素を富化した熱風送風を行ってい
る。これは次の理由によるものである。すなわち、複合
廃棄物が装入され、予熱過程で乾留された後の状態の廃
棄物(以下、「廃棄物チャー」と呼ぶ。)には、Cの
他、鉄分も多く含有されている。したがって、この廃棄
物チャー中のCを酸素を富化した熱風により燃焼させる
と操業上の効果が大きく、そのためにはコークスベッド
上端レベルを上段羽口と下段羽口との間に設定すること
が必要だからである。
【0026】従来の処理方法は鉄分総含有量が約50%
<T.Feである複合廃棄物を対象としていたが、本発
明の処理方法は10%<T.Fe<80%と広範囲の複
合廃棄物の処理に適している。本発明において、複合廃
棄物の鉄分総含有量の下限を10%<T.Feとしたの
は、10%以下は通常の可燃ごみとして扱われるからで
あり、その上限をT.Fe<80%としたのは、80%
以上は複合廃棄物の破砕処理・分別処理等、事前処理を
加えたものであり、一般にいう鉄屑として扱われるから
である。
【0027】また、下段羽口からの熱風送風の温度を7
00℃としたのは、送風温度が700℃を超えると、コ
ークスの燃焼反応およびソルーションロス反応が促進さ
れ、コークス比が必ずしも低減しないからである。
【0028】さらに、熱風送風の酸素富化量が2%以上
としたのは、2%未満では廃棄物チャー中のCを優先的
に燃焼させた時に、ガス温度が上昇せず、廃棄物チャー
の溶融後のスラグ、メタルの昇温に支障となるからであ
る。
【0029】そして、上部羽口から熱風送風を行うの
は、廃棄物チャーの燃焼、溶解を促進させて、処理量を
増大させることを狙いとする。或いは、複合廃棄物を鉄
スクラップとともに装入する場合に、上部羽口から常温
送風を行うのは、低コークス比を指向する操業で、鉄ス
クラップ装入部位のソルーションロスを低減させηCO
(=CO2 /(CO+CO2 )を高めることを狙いとす
る)。
【0030】また、原料として、複合廃棄物のみを装入
する場合に、羽口送風量を上段羽口送風量<下段羽口送
風量に設定するのは、炉頂廃ガスηCOを低めに誘導す
る時の手段で、下段送風にてコークスのほかに廃棄物チ
ャーを燃焼させ、かつ廃棄物チャーのソルーションロス
反応を促進させることを狙いとする。
【0031】さらに、下段羽口から熱風送風とともに、
廃プラスチックの吹き込みを併用するのは、廃プラスチ
ックの燃焼ガスを熱源として使用することにより、低コ
ークス化を実現するためである。
【0032】そして、装入物のストックレベルを変更し
て、炉内の原燃料の昇温速度を制御するのは、排ガスη
COを適正に制御するためである。
【0033】また、廃家電等の複合廃棄物を溶融処理す
るに際して、原料として複合廃棄物を鉄スクラップとと
もに装入している。鉄スクラップを装入するのは、複合
廃棄物の燃焼に伴う余剰熱を、鉄スクラップの昇温・溶
解に利用すること、および生産量調整やηCO制御の手
段として活用するためである。
【0034】さらに、鉄スクラップに加えて、ダスト塊
成鉱を装入している。ダスト塊成鉱を装入するのは、複
合廃棄物の燃焼に伴う余剰熱を、ダスト塊成鉱の還元吸
熱に利用すること、またスラグ塩基度調整材として活用
するためである。このように、鉄スクラップとダスト塊
成鉱との双方を加えた場合には、これらの相乗効果を奏
するものである。
【0035】原料として、複合廃棄物に加えて、鉄スク
ラップ、ダスト塊成鉱を装入する場合に、羽口送風量を
上段羽口送風量>下段羽口送風量に設定するのは、ηC
Oを高めにして低コークス比を指向するためで、上段羽
口の送風量を増加させて、廃棄物チャーの燃焼割合を増
加させるためである。
【0036】加えて、炉中心部に解体しない大径の複合
廃棄物、および破砕後の複合廃棄物のうち金属含有率の
大きいものを大径のコークスと混合して装入し、炉周辺
部に破砕後の複合廃棄物のうち金属含有量の小さいもの
を小径のコークスと混合して装入している。もしくは、
炉中心部に解体しない大径の複合廃棄物、破砕後の複合
廃棄物のうち金属含有率の大きいもの、および鉄スクラ
ップを大径のコークスと混合して装入し、炉周辺部に破
砕後の複合廃棄物のうち金属含有量の小さいものを小径
のコークスと混合して装入している。または、炉中心部
に解体しない大径の複合廃棄物、破砕後の複合廃棄物の
うち金属含有率の大きいもの、および鉄スクラップを大
径のコークスと混合して装入し、炉周辺部に破砕後の複
合廃棄物のうち金属含有量の小さいもの、およびダスト
塊成鉱を小径のコークスと混合して装入している。以上
のように区分け装入するのは、炉内中心部において溶解
処理を行うとともに、炉内周辺部において還元処理を行
い、さらに炉内中心部にガス流を形成して、多機能溶融
炉の安定操業を行うためである。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の複合廃棄物の処分
方法における実施の形態を添付図面に基づいて詳述する
が、本発明は以下の実施の形態に限るものではない。図
1(a)は、本発明の複合廃棄物の処分方法に使用する
多機能溶融炉を示す概略図である。図示するように、こ
の多機能溶融炉1の炉頂には、装入装置2が設けられて
いる。装入装置2は、バケット3、ベル4、可動アーマ
ー5および装入ガイド6を有しており、原料および燃料
を半径方向に区分けして装入することが可能な装置とし
て構成されている。
【0038】多機能溶融炉1の炉体7の上部には、炉内
の向流ガスを排気するための排ガス管8が設けられてい
る。排ガス管8に接続されている排ガス系統は、ごみ溶
融炉用のものが流用されている。
【0039】一方、炉体7の下部には、炉内下部に送風
するための羽口9が設けられている。羽口9は、炉体7
の側壁高さ方向に多段に設けられており、本実施形態で
は下段羽口9aと上段羽口9bとの2段羽口として形成
されている。また、これらの羽口9a,9bは、炉体7
の周方向に適宜間隔で複数配置されている。
【0040】送風条件は、下段羽口9aから酸素を富化
した熱風送風を行い、上段羽口9bから常温送風または
熱風送風を行うようになっている。下段羽口9aからの
熱風送風は、酸素富化量2%以上であり、例えば500
℃の温度で送風される。一方、上段羽口9bからの常温
送風は例えば25℃の温度で送風され、熱風送風は例え
ば500℃の温度で送風される。また、羽口9a,9b
は、粉状鉄源や廃プラスチックを吹き込む場合にレース
ウェイを形成しうるように、羽口径および炉内突き出し
位置を変更しうるように構成されている。
【0041】なお、本実施形態では、炉体7の側壁高さ
方向に設けられた多段羽口9が、下段羽口9aと上段羽
口9bとの2段羽口として形成されているが、少なくと
も最下段の羽口から酸素富化空気の送風が行われれば、
3段以上の羽口を設けてもよい。例えば3段の場合に
は、中段に位置する羽口にレースウェイを形成すること
が好ましい。この場合、中段の羽口はレースウェイを形
成させて小径コークス内に廃プラスチックを吹き込むた
めの補助的なものであり、主な送風は最下段の羽口で行
って燃焼効率を維持するものである。
【0042】また、原料および燃料は、炉中心部11と
炉周辺部12とに区分して装入することが可能であり、
上述したように、炉頂部には半径方向に区分け装入が可
能な装入装置2を有している(図1(b)、(c))。
炉中心部11に廃家電等の複合廃棄物を解体せずにその
まま装入する場合には、上記装入装置2を退避させ、不
図示の大径物用の装入装置を配置するものである。
【0043】図2に示すように、炉内下部のコークスベ
ッド13は、その上端レベルが下段羽口9aと上段羽口
9bとの間に位置するように、高さ調整して形成され
る。したがって、酸素富化空気は下段羽口9aからコー
クスベッド13内へ吹き込まれることになる。
【0044】この多機能溶融炉1は、キュポラとごみ溶
融炉との中間形態の処理を行う溶融炉である。すなわ
ち、廃家電等の複合廃棄物は、炉頂装入後、昇温過程で
乾留され、タール等の油分、乾留ガスが炉頂より飛散す
るため、これまでのキュポラのような鉄源処理ではな
い。また、鉄分含有量が多いため、ごみ溶融炉のように
可燃ごみの処理でもない。通常、可燃ごみはT.Fe<
10%であり、鉄分は多くない。
【0045】ごみ溶融炉とキュポラはコークス充填層を
有する竪型炉に酸素含有ガスを吹き込む点で共通する
が、以下の相違点がある。すなわち、ごみ溶融炉は、可
燃物を多く含む都市ごみ等を乾留・予熱し、残渣を溶融
処理する。また、燃焼が主体であり、大量のガスが発生
する。さらに、集塵,有害ガスの処理、排ガスの浄化設
備,方法、脱亜鉛,脱錫工程、及び低P,S化、Cu混
入の解決策が必要であり、荷下がり調整、吹き抜け防止
が課題である。不燃物は溶融し、スラグとして排出され
る。
【0046】多機能溶融炉1は、鉄スクラップ、ダスト
等を溶融し、溶銑を製造する。鉄の溶融が主体であり、
廃プラスチックは燃料として使用する。発生ガスは主に
燃料ガスとして使用(部分燃焼)されることになる。
【0047】次に、上記の多機能溶融炉1を用いて実施
する本発明の複合廃棄物の処理方法を説明する。炉頂か
ら装入する原料は、廃家電等の複合廃棄物(解体しない
そのままの状態のもの)、破砕後の複合廃棄物、必要に
応じて鉄スクラップを混合し、さらにダスト塊成鉱を混
合する。燃料は、コークスを主体とし、必要に応じて廃
プラスチックを併用する。
【0048】本発明の処理方法は、鉄分総含有量が10
%<T.Fe<80%の複合廃棄物の処理に適してい
る。本発明において、複合廃棄物の鉄分総含有量の下限
を10%<T.Feとしたのは、10%以下は通常の可
燃ごみとして扱われるからであり、その上限をT.Fe
<80%としたのは、80%以上は複合廃棄物の破砕処
理・分別処理等、事前処理を加えたものであり、一般に
いう鉄屑として扱われるからである。なお、一般に廃家
電には、鉄分(T.Fe)が約37%含有され、廃プラ
スチック類が約37%含有され、廃車には鉄分(T.F
e)が70〜80%含有されている。
【0049】装入方法は、コークスベッドを形成するた
めにコークスを装入した後、原燃料を完全混合または層
状装入する通常の装入方法と、原燃料を半径方向に区分
けして装入する方法とを採用する。
【0050】図3に示すように、区分け装入方法は、そ
のまま状態の大径の複合廃棄物、および破砕後の複合廃
棄物のうち金属含有率の大きいものを大径のコークスと
混合して炉内中心部に装入し、破砕後の複合廃棄物のう
ち金属含有量の小さいものを小径のコークスと混合して
周辺部に装入することで、反応効率の高い操業を指向す
る。
【0051】もしくは、図4に示すように、そのまま状
態の大径の複合廃棄物、破砕後の複合廃棄物のうち金属
含有率の大きいもの、および鉄スクラップを大径のコー
クスと混合して炉内中心部に装入し、破砕後の複合廃棄
物のうち金属含有量の小さいものを小径のコークスと混
合して周辺部に装入する。炉中心部に鉄スクラップを混
合装入するのは、炉中心部のコークスベッドの高さ制御
を容易にすること、中心ガス流を確保すること、ηCO
の高い低燃料比操業を指向することにある。
【0052】または、図5に示すように、そのまま状態
の大径の複合廃棄物、破砕後の複合廃棄物のうち金属含
有率の大きいもの、および鉄スクラップを大径のコーク
スと混合して炉内中心部に装入し、破砕後の複合廃棄物
のうち金属含有量の小さいもの、およびダスト塊成鉱を
小径のコークスと混合して周辺部に装入する。炉周辺部
にダスト塊成鉱を混合装入するのは、ダスト塊成鉱の還
元性改善を図り、その結果、溶融時のスラグ融液量を低
減することができ、棚吊り回避にも寄与するからであ
る。炉中心部に鉄スクラップを混合装入するとともに、
炉周辺部にダスト塊成鉱を混合装入するのは、鉄スクラ
ップ装入とダスト塊成鉱装入との相乗効果を狙ったもの
である。このような原料および燃料の区分け装入を実施
することにより、炉中心部のガス流化を促進して、高η
CO条件を継続することができる。
【0053】多機能溶融炉の操業は、コークスベッドの
上端レベル高さ、ストックレベル位置の調節、原燃料の
大小に応じた区分け装入法、下段羽口突き出し位置等で
制御する。本発明では、上述したように、コークスベッ
ド13の上端レベルの高さを下段羽口9aと上段羽口9
bとの間に設定している。これは次の理由によるもので
ある。すなわち、複合廃棄物が装入され、予熱過程で乾
留された後の状態の廃棄物チャーには、Cの他、鉄分も
多く含有されている。したがって、この廃棄物チャー中
のCを酸素を富化した熱風により燃焼させると操業上の
効果が大きく、そのためにはコークスベッド13の上端
レベルを下段羽口9aと上段羽口9bとの間に設定する
ことが必要だからである。なお、コークスベッド内で
は、コークスの燃焼反応と、燃焼後のソルーションロス
反応が進行するが、両反応の反応速度を、燃料粒度、ガ
ス流速、送風温度等により調整する。
【0054】特に、本発明の処理方法は、下段羽口9a
から500℃の熱風送風を行っている。熱風送風の温度
を500℃としたのは、炉頂廃ガスを燃焼させ、熱交換
器を通して、送風空気を熱風に変換した時の温度が50
0℃であることによる。さらに、熱風送風の酸素富化量
を2%以上としている。酸素富化量を2%以上としたの
は、2%未満では廃棄物チャー中のCを優先的に燃焼さ
せた時に、ガス温度が上昇せず、廃棄物チャーの溶融後
のスラグ、メタルの昇温に支障となるからである。
【0055】また、原料として、複合廃棄物のみを装
入、複合廃棄物を鉄スクラップとともに装入、さらにダ
スト塊成鉱を混合装入する場合には、上部羽口9bから
熱風送風を行っている。このように上部羽口9bから熱
風送風を行うのは、廃棄物チャーの燃焼、溶解を促進さ
せて、処理量を増大させることを狙いとする。或いは、
複合廃棄物を鉄スクラップとともに装入する場合には、
上部羽口9bから常温送風を行っている。このように上
部羽口9bから常温送風を行うのは、低コークス比操業
を指向する場合で、鉄スクラップ装入部位のソルーショ
ンロスを低減させて、ηCOを高めることを狙いとす
る。
【0056】さらに、下段羽口9aは、低燃料比での操
業を指向するため、レースウェイを形成させずにメイン
送風を行い、燃焼率を高くして高ηCO条件とする。一
方、下段羽口9aから廃プラスチックを吹き込む場合に
は、熱風送風条件ではレースウェイを形成させて廃プラ
スチックの吹き込みを容易にし、低コークス化を指向す
る。
【0057】つぎに、本発明の炉内ηCOの制御フロー
の概要について説明する。本発明の制御は次の〜の
ようにまとめられる。 多機能溶融炉への複合廃棄物の含有成分および配合量
(使用量)から、平均金属含有率(平均M.Fe/T.
Fe)を求める。より効率の良い操業を指向する場合は
半径方向区分け装入を実施するが、この装入法を適用す
る場合には中心部、周辺部に装入する複合廃棄物に対
し、それぞれ平均金属含有率を求める。
【0058】この装入廃棄物の平均金属含有率(平均
M.Fe/T.Fe)と、複合廃棄物中の含C量とか
ら、操業に適したηCOレベル範囲を特定する。半径方
向区分け装入法を適用する場合、中心部、周辺部それぞ
れに適正ηCOを特定する。
【0059】溶融炉の操業条件(出銑量の目安)によ
り、炉内平均ガス流速(Nm/s)が決まるため、使用
する燃料粒度により、下段羽口からのコークスベッド高
さを設定する。
【0060】ストックレベルについては、目標ηCO
に対応したストックレベル(下段羽口からの装入面高
さ)H(m)を特定し、設定する。半径区分け装入法を
採用する場合、中心部、周辺部にそれぞれ別々に、スト
ックレベルを設定するのが好ましい。
【0061】燃料比については、炉の特性である炉体
放散熱(kcal/h)と、目標出銑量(t/d)並び
に複合廃棄物の種類、品質等を含む操業条件に加え、上
記に示す目標ηCOが決まれば、熱・物質バランスから
燃料比(kg/t)レベルが求まることから、最終的に
は、下段羽口送風量の微調整、ストックレベルの微調整
を実施して、目標ηCOレベルを維持するようにして操
業する。半径区分け装入法を採用する場合、中心部、周
辺部それぞれ別々に、燃料比を設定して装入する。
【0062】つぎに、複合廃棄物と燃料からなる装入物
の溶融炉内の装入高さ(ストックレベル)を変更するこ
とが、ηCO制御に有効なことを説明する。ストックレ
ベルについては、例えば、大径の鋳物用コークスを使用
し、鉄屑,鋳物屑を溶解処理するキュポラ操業では、通
常、下段羽口からストックレベルまでの高さ(H)/炉
径(D)=4〜5に設定されているが、高炉用コークス
などの小径コークスを使用し、かつ廃プラスチックを燃
料として使用する多機能溶融炉に関しては、ストックレ
ベルに関する検討結果が見当たらない。そこで、複合廃
棄物の多量使用条件下で、ストックレベル変更試験を実
施し、排ガスηCOとの関係を図6に整理した。
【0063】炉床径D=1.4mの多機能溶融炉を用い
た試験結果によると、H/D≦3と小さく設定すること
で、排ガスηCO>50%と高く維持できること、スト
ックレベルを上昇することで、排ガスηCOを低下させ
ることが可能なことが判明した。これは、ストックレベ
ルを高くすると、ガスから原燃料への伝熱が良好とな
り、燃料の予熱、昇温がより上部から進行する結果、下
記(1)式のソルーションロス反応領域が炉上部に拡が
るためで、この結果、Cの消費量が多くなり、ηCOが
低下することを示唆している。 C+CO2 =2CO ・・・(1) このように、ストックレベルの変更は、炉内の原燃料の
昇温速度を制御する役割があり、排ガスηCOの制御手
段となる。
【0064】つぎに、多機能溶融炉の炉内下部のコーク
スベッド高さを調整すること、さらには、送風量、羽口
径、羽口突き出し位置の変更が、ηCO制御に有効なこ
とを説明する。図7は、コークス粒度および送風量(ガ
ス流速)を変化させて、羽口からのコークスベッド高さ
と、その部位のηCOの推移を調査したオフラインシミ
ュレータによる実験結果である。図5によると、羽口か
ら送風された空気中の酸素並びに富化酸素は、下記
(2)式の反応でコークスと燃焼してCO2 を生成し、
2が消失した部位で完全燃焼に至る。この部位が、最
もガス温度が高く、これより上部では、吸熱反応である
(1)式のソルーション反応が進行して、ηCOが低下
し、ガス温度も低下する。 C+O2 →CO2 ・・・(2)
【0065】コークス粒度が小さくなると、(2)式の
燃焼速度が速くなるため、最高ガス温度(O2 =0%で
ηCO=100%)の部位は、羽口に近くなる。また、
送風量を増量し、ガス流速を上げた場合、羽口から吹き
込まれた酸素の炉内流速が上昇し、羽口近傍のCとの接
触時間が短くなるため、(2)式の燃焼反応は炉上部に
拡がる。そのため、同じコークス粒度で、流速を上げる
と、図8に見られるように、炉内におけるηCOは流速
の低い場合に比べて、全体的に高くなる。下段羽口を炉
内に突き出すこと、あるいは羽口径を絞り、羽口風速を
上げることは、送風酸素とCとの接触時間を短縮するこ
とに相当し、炉内流速を上げるのと同様の効果がある。
このように、溶融炉内下部のコークスベッド高さを変更
すること、さらには、送風量、羽口径、羽口突き出し位
置を変更することは、炉内ηCO制御に有効な手段とな
る。
【0066】つぎに、半径方向の区分け装入法を採用し
た複合廃棄物の処理方法が、操業の安定性、低燃料比操
業に有効で、複合廃棄物の種類、粒度によらず、効率の
良い操業が指向できること、また、複合廃棄物、燃料の
性状に応じて、効率の良い操業を指向するための操業方
法について、説明する。半径方向の区分け装入法につい
ては、複合廃棄物の種類によって、適正な装入法があ
る。一つは、炉内のηCOを高くして、効率の良い操業
を指向する例で、複合廃棄物のM.Fe/T.Feによ
る分別法であり、一方は複合廃棄物の粒度に応じた分別
法である。
【0067】まず、最初に、複合廃棄物の金属含有率
(M.Fe/T.Fe)による分別法が、操業安定化に
寄与し、効率の良い操業が指向できることを説明する。
複合廃棄物が数種類に及び、M.Fe/T.Feの大小
で分別できる場合、好ましくは、金属含有率の高い複合
廃棄物、例えば一部の洗濯機等のように金属材料を多く
使用した複合廃棄物等は炉中心部に装入し、金属含有率
の低い複合廃棄物、例えば分解・破砕後のプラスチック
部品・部材等を炉周辺部に装入する。炉周辺部に金属含
有率の低い複合廃棄物を装入し、炉中心部に金属含有率
の高い複合廃棄物を装入する理由は、炉中心部のコーク
スベッドの高さ制御を容易にすること、中心ガス流を確
保すること、低燃料比操業を指向することにある。
【0068】この操業を指向する場合、下段羽口は、羽
口先端が炉壁よりも炉内部に突き出した構造とし、基本
的には、下段羽口の先端位置を、炉中心部と炉周辺部の
境界に設けるのが理想的である。また、ガス流を中心流
とすることを重視すると、周辺部の燃料は小径が好まし
く、中心部の燃料は大径が好ましい。
【0069】下段羽口を炉の中心部と周辺部の境界に設
定する理由は、下段羽口からの送風を周辺部に存在する
燃料の燃焼に使用させないためで、下段羽口からの送風
はCOガス燃焼用に作用させるためである。炉中心部は
溶解機能を促進させるため、炉中心部のηCO>90%
の操業を指向すれば最も効率的であり、炉中心部の燃料
は最低燃料比である浸炭分程度とすることができる。そ
のため、急激なコークスベッド高さの変化を抑制できる
上、粒径を維持したコークスがコークスベッドとなるた
め、通気・通液性を確保した低燃料比操業が可能とな
る。
【0070】この操業においては、コークスベッド高さ
により、下段羽口の適正送風量が決まる。コークスベッ
ド高さは、前記したように、コークス粒度や炉内ガス流
速等によって異なるが、最適位置にコークスベッド上端
レベルをセットした場合(ηCO>90%)には、下段
羽口からの送風は不要となる。コークスベッド上端レベ
ルのηCOが90%以下の場合には、下段羽口からの送
風によりηCO>90%に設定することが可能であり、
炉中心部に関して理想的な操業が可能となる。
【0071】つぎに、ダスト塊成鉱および金属含有率の
低い複合廃棄物を炉周辺部に装入する場合に燃料と混合
する装入法が効率的であることを説明する。ηCOの高
い操業を指向できれば、低燃料比の操業が可能となる
が、ダスト塊成鉱をηCO>30%の条件で還元させる
実験を実施したところ、コークスと混合しない条件で
は、還元反応は進行せず、高温部で操業に悪影響を及ぼ
す溶融還元を引き起こす。それに対し、ダスト塊成鉱を
コークスと混合して装入すると、コークスと混合しない
場合に比べ、少なくとも20%以上の還元率改善効果が
あることが、オフラインシミュレータの検討結果で明か
となった。
【0072】このことは、ダスト塊成鉱を装入する操業
では、燃料(小径コークス)と混合する装入法が、燃料
(小径コークス)と混合しない操業に比べると、ダスト
塊成鉱の還元性改善に効果があり、その結果、溶融時の
スラグ融液量を低減することができ、棚吊り回避にも寄
与することを示している。また、金属含有率の低い複合
廃棄物はCを多く含有するため、周辺部に装入してコー
クス代替えに活用できる。
【0073】つぎに、コークスベッド高さを維持するた
めの制御方法について述べる。コークスベッド高さの制
御が難しいのは、これが炉の中心下部にあり、コークス
比が適当でなければ、未還元のFeO分が炉下部で溶融
還元し、コークスベッドを消費することによって、コー
クスベッドの異常消耗が引き起こされるためである。特
に、炉の中心下部で、このようなコークスの異常消耗が
生じると、鉄分の溶解に支障となる上、スラグの固化等
により、操業不能に陥る可能性もあり、問題となる。
【0074】そこで、上述したように、炉中心部には、
主として金属含有率の高い複合廃棄物を装入し、必要に
応じて鉄スクラップを混合装入することにより、炉中心
部で溶融還元の生じ難い操業とし、炉中心部のコークス
ベッドの異常消耗を抑制する。また、コークスのソルー
ションロス反応を極力抑制するために、炉中心部に装入
する燃料を、炉周辺部に装入する燃料と区別し、大径コ
ークスを使用する。これによって、炉中心部のコークス
ベッドの異常損耗を抑制でき、さらに、炉下部の燃焼効
率ηCOを高めた操業が可能となる。一方、炉周辺部に
は、主として金属含有率の低い複合廃棄物を装入し、必
要に応じてダスト塊成鉱を混合装入することにより、炉
周辺部で溶融還元の生じ易い操業とする。
【0075】上段羽口の設置位置は、コークス粒度、送
風量等の操業諸元によって、適正位置が存在するが、基
本的には、下段羽口部でのηCOレベルが、65%<η
CO<90数%程度が目安となる。
【0076】コークスベッド高さを制御または監視する
簡易法として、下段羽口部での肉眼観察、炉内圧損値に
よる判定などがある。下段羽口部での観察は、少なくと
も複合廃棄物の溶融部位が上段羽口の上部か下部のいず
れかに存在することを判定できる。また、下段羽口と上
段羽口の圧損差を検知することにより、コークスベッド
上端位置の確認が可能である。操業例によると、コーク
スベッドの上端レベルが上段羽口より下にある場合、下
段羽口と上段羽口の圧損差が大きく検知される。これ
は、溶融部位の存在が圧損値を大きくするためである。
【0077】また、コークスベッド高さを、精度良く測
定する方法としては、炉上部から装入した垂直ゾンデも
しくは鉄線類の降下挙動を測定することによって、判定
可能である。垂直ゾンデの場合、炉内温度が急に上昇
し、1200℃以上となる部位に相当し、鉄線類を用い
た場合、降下速度がストップした地点が、コークスベッ
ドの上端部に相当する。
【0078】本発明でいう炉中心部と炉周辺部の境界位
置は、複合廃棄物の金属含有率やコークス粒度によっ
て、多少は炉半径方向で移動する。この炉中心部と炉周
辺部の境界位置riは、各部に装入する複合廃棄物と燃
料の量が決まれば、下記(3)式によって求められる。 ri2=(Wm(c)/ρm(c)+Wc(c)/ρc(c))/{(Wm(c)/ρm(c)+ Wc(c)/ρc(c))+(Wm(p)/ρm(p)+Wc(p)/ρc(p))} ・・・(3) 但し、ri:中心部と周辺部との無次元境界半径(−) Wm(c) : 中心部に装入する廃棄物重量(kg/チャ
ージ) Wc(c) : 中心部に装入する燃料重量(kg/チャー
ジ) Wm(p) : 周辺部に装入する廃棄物重量(kg/チャ
ージ) Wc(p) : 周辺部に装入する燃料重量(kg/チャー
ジ) ρm(c) : 中心部に装入する廃棄物の嵩密度(kg/
3) ρc(c) : 中心部に装入する燃料の嵩密度(kg/m3
) ρm(p) : 周辺部の装入する廃棄物の嵩密度(kg/
3 ) ρc(p) : 周辺部に装入する燃料の嵩密度(kg/m3
【0079】なお、このriは、無次元半径で表されて
おり、炉中心部と炉周辺部の装入物の降下速度を一定と
した場合の境界位置を示している。このriで示される
境界位置を調節するための装入方法については、種々考
えられるが、ベル式の装入装置を使用する場合でも、ア
ーマーを使用し、装入チャージ毎に中心装入、周辺装入
を交互に繰り返して装入することにより、一部混合層が
生成するものの、所定の境界設定は可能である。
【0080】また、原料として、複合廃棄物のみを装入
する場合には、羽口送風量を上段羽口送風量<下段羽口
送風量に設定する。これは、炉頂廃ガスηCOを低めに
誘導する時の手段で、下段送風にてコークスのほかに廃
棄物チャーを燃焼させ、かつ廃棄物チャーのソルーショ
ンロス反応を促進させることを狙いとする。一方、原料
として、複合廃棄物に加えて、鉄スクラップを混合装入
する場合、さらにダスト塊成鉱を混合装入のみを使用す
る場合には、羽口送風量を上段羽口送風量>下段羽口送
風量に設定する。これは、ηCOを高めにして、低コー
クス比を指向するためで、上段羽口の送風量を増加させ
て、廃棄物チャーの燃焼割合を増加させるためである。
【0081】さらに、下段羽口から常温の酸素富化空気
とともに、廃プラスチックの吹き込みを行う。廃プラス
チックの吹き込みを併用するのは、廃プラスチックを燃
料として併用し、その燃焼ガスを熱源として使用するこ
とにより、低コークス化を実現するためである。
【0082】また、コークス使用量の低減について考察
した結果、次のことから廃プラスチックの吹き込み位置
が廃プラスチックの果たす役割に大きく影響することが
判明した。図9は、通常のコークスベッド内に廃プラス
チックを吹き込んだ場合のコークスベッド内でのC
2、CO及びO2の変化を示す図である。コークス中の
Cまたは廃プラスチック中のCの消費には下記の2形態
が存在する。 C + O2 →CO2 ・・・(4) C +CO2 →2CO ・・・(5)
【0083】図9において、CO2濃度の曲線に示され
るように、送風羽口からコークスベッド上方にいくにし
たがって、(4)式の反応によりCO2 濃度が上昇し、
2は消費され減少していく。そして、O2 の消失した
位置より上方では、(5)式の反応によりCO2 濃度が
減少し、CO濃度が上昇しはじめる。
【0084】(4)式の反応は、発熱反応でコークス中
のCが有効に利用されるが、(5)式の反応は吸熱反応
でCが有効に利用されないことになる。従って、コーク
スには極力(4)式の反応をさせる必要があるが、O2
のない状態で、高温のCO2に接すると(5)式の反応
によりコークスのソルーションロスが起こり、コークス
が無駄に消費されることになる。
【0085】廃プラスチックはコークスに比べ燃焼速度
が速いため、コークスベッド内に廃プラスチックを吹き
込むと、吹き込まない場合に比べて、O2 の消失位置が
下ることになる。従って、廃プラスチックを吹き込まな
い条件のままで、むやみにコークスベッド内へ廃プラス
チックを吹き込んでも、O2 の消失位置より上方にコー
クスが存在することになり、(4)式のコークス消費量
を減少できても、(5)式でコークス消費量が増大し、
結果的に廃プラスチック吹き込みがコークス消費量の低
減に寄与することができなくなる。
【0086】こうした状況を回避し、廃プラスチック吹
き込みによりコークス代替を行わせるには、以下の二つ
の方法が有効である。即ち(5)式の反応をコークスベ
ッド内で行わせないようにするか、(5)式で反応する
コークス中のCを廃プラスチック中のCに置き換えるこ
とによりコークスのソルーションロスを起こさせないよ
うにすることである。
【0087】第一の方法は、下段羽口から吹き込まれた
2 が廃プラスチックも加味して消失する高さにコーク
スベッドの上端レベルを設定し、O2 の存在しない領域
にはコークスも存在しないようにして、廃プラスチック
を下段羽口レベルとコークスベッド上端レベルとの間に
吹き込む方法である。この場合、廃プラスチックの吹き
込み位置は、下段羽口レベルとコークスベッド上端レベ
ルとの間であれば下段羽口をも含めて任意の位置で良
く、一段でも復数段でも良い。
【0088】第二の方法は、下段羽口から吹き込まれた
2 が廃プラスチックも加味して消失する高さよりコー
クスベッドの上端レベルを上方に設定する場合で、この
ときは、廃プラスチックを下段羽口レベルとコークスベ
ッド上端レベルとの間に吹き込むとともに、O2 の存在
しないコークスベッド上部領域にもコークスに代替して
ソルーションロスを起こさせるための廃プラスチックを
吹き込む方法である。この場合、下部の廃プラスチック
吹き込み位置は、下段羽口レベルとO2 消失点レベルと
の間であれば下段羽口をも含めて任意の位置で良く、一
段でも複数段でも良い。また、上部の廃プラスチック吹
き込み位置もO2 消失点レベルとコークスベッド上端レ
ベルとの間であれば任意の位置で良く、一段でも複数段
でも良い。この方法によれば、上部に吹き込む分だけ廃
プラスチックの吹き込み量を増やすことが可能となる。
【0089】
【実施例】図10は、本実施例の複合廃棄物の処理方法
を実施する装置構成を示す概略図である。図示するよう
に、多機能溶融炉1内には、不図示の装入装置によって
廃家電等の複合廃棄物が装入されるとともに、炭素含有
量3.8%のダスト塊成鉱および鉄スクラップが装入さ
れる。本実施例では、複合廃棄物は、解体されて一部処
理されるか、或いは解体されずにまるごと処理される。
【0090】多機能溶融炉1下部より、スラグ、メタル
が排出され、排気ガスはサイクロン14を介して排ガス
処理装置15によって燃焼,冷却処理され、煙突16か
ら放出される。排ガス処理装置15には、排ガスの熱を
利用して羽口に熱風を供給する熱交換器17、排ガスを
冷却する冷却装置18、および粉塵や有害物質等を除去
するバグフィルター18が備えられている。
【0091】多機能溶融炉1の操業条件は、下記表1に
示されている。
【表1】 表1に示すように、本実施例はηCOを45%に制御す
る場合を示している。廃家電は1000kgずつ装入さ
れ、CRは各実施例のコークス比を表わしている。廃家
電とともに、実施例1、4〜7では1000kgの鉄ス
クラップが装入され、実施例2では300kgのダスト
塊成鉱とともに800kgの鉄スクラップが装入されて
いる。実施例3では1000kgの廃家電のみが装入さ
れている。
【0092】下段羽口からコークスベッド内へ酸素富化
量10%以上の酸素を富化した熱風送風(500℃)が
行われるとともに、実施例1〜3では上段羽口から熱風
送風(500℃)が行われ、実施例4〜7では上段羽口
から常温送風(25℃)が行われる。羽口送風量は、実
施例1、2、4〜7では上段羽口送風量(2次羽口送風
量)>下段羽口送風量(1次羽口送風量)となるよう
に、実施例3では2次羽口送風量<1次羽口送風量とな
るように設定されている。上段羽口からの蒸気吹き込み
量は、実施例1、3、4〜6が3g/Nm3であり、実
施例2が30g/Nm3、実施例7が50g/Nm3であ
る。
【0093】複合廃棄物の処理ではタールなどの排出が
あるため、炉頂ガスの温度を極力300℃以上に制御し
て操業することが好ましく、より好ましくは300℃〜
450℃の範囲にあることが好ましい。したがって、特
に実施例1〜4の条件が好適であり、実施例5も近い値
を示し適している。
【0094】実施例1〜7では、複合廃棄物の溶融処理
に際して、必要に応じてダスト塊成鉱、鉄スクラップを
混合装入し、下段羽口と上段羽口との間にコークスベッ
ド上端レベルを設定して、下段羽口からコークスベッド
内へ酸素富化量10%以上の酸素を富化した熱風送風
(500℃)を行い、上段羽口から熱風送風(500
℃)または常温送風(25℃)を行うことにより、廃家
電等の複合廃棄物に含まれるプラスチックを燃料成分と
して使用することができ、コークス使用量を低減しても
多機能溶融炉の安定操業を行うことができた。
【0095】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
多機能溶融炉の具体的な処理条件を設定することによ
り、廃家電等の複合廃棄物を解体,分別せずに安全かつ
効率的に溶融処理することができ、廃プラスチック処理
が行えるとともに、コークス使用量を低減して溶融炉の
安定操業を行うことができるという優れた効果を発揮す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合廃棄物の処分方法に使用する多機
能溶融炉であり、(a)はその全体構成を示す概略図、
(b)はその装入装置の炉中心部への装入状況を示す概
略図、(c)はその装入装置の炉周辺部への装入状況を
示す概略図である。
【図2】コークスベッドの上端レベルを示す概略図であ
る。
【図3】原料として複合廃棄物のみを採用する場合の炉
半径方向区分け装入状況を示す概略図である。
【図4】原料として複合廃棄物および鉄スクラップを採
用する場合の炉半径方向区分け装入状況を示す概略図で
ある。
【図5】原料として複合廃棄物、鉄スクラップ、および
ダスト塊成鉱を採用する場合の炉半径方向区分け装入状
況を示す概略図である。
【図6】ストックレベル変更試験における排ガスηCO
との関係を示す説明図である。
【図7】コークスベッド高さとηCOの推移のオフライ
ンシミュレータによる実験結果を示す説明図である。
【図8】同じコークス粒度で流速を変化させた場合のη
COの変化を示す説明図である。
【図9】廃プラスチック吹き込み時のηCO変化を示す
説明図である。
【図10】本実施例の複合廃棄物の処理方法を実施する
装置構成を示す概略図である。
【符号の説明】
1 多機能溶融炉 2 装入装置 3 バケット 4 ベル 5 可動アーマー 6 装入ガイド 7 炉体 8 排ガス管 9 羽口 9a 下段羽口 9b 上段羽口 11 炉中心部 12 炉周辺部 14 サイクロン 15 排ガス処理装置 16 煙突
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F27B 1/00 B09B 3/00 303K (72)発明者 浜田 直也 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 河村 隆文 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 Fターム(参考) 4D004 AA07 AA21 AB03 BA05 CA02 CA04 CA24 CA29 CA32 CA42 CB13 CB50 CC02 CC11 DA03 DA06 DA10 4K001 AA10 BA14 BA22 DA01 4K012 CB02 CB04 4K045 AA02 BA02 GA02 GB11 GB12 GC02

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多段の送風羽口を有する多機能溶融炉内
    へ少なくとも金属およびプラスチックを含有する複合廃
    棄物をコークスとともに装入し、乾燥、熱分解、燃焼、
    溶融して複合廃棄物を溶融処理する際して、 コークスベッド上端レベルを上段羽口と下段羽口との間
    に設定して、下段羽口からコークスベッドヘ酸素を富化
    した熱風送風を行うことを特徴とする複合廃棄物の処理
    方法。
  2. 【請求項2】 複合廃棄物の鉄分総含有量が、10%<
    Total Fe<80%であることを特徴とする請求
    項1に記載の複合廃棄物の処理方法。
  3. 【請求項3】 熱風送風の温度が700℃以下であるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の複合廃棄物の
    処理方法。
  4. 【請求項4】 熱風送風の酸素富化量が2%以上である
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の複
    合廃棄物の処理方法。
  5. 【請求項5】 上部羽口から熱風送風を行うことを特徴
    とする請求項1から4のいずれかに記載の複合廃棄物の
    処理方法。
  6. 【請求項6】 羽口送風量を上段羽口送風量<下段羽口
    送風量に設定することを特徴とする請求項1から5のい
    ずれかに記載の複合廃棄物の処理方法。
  7. 【請求項7】 下段羽口から熱風送風とともに、廃プラ
    スチックを吹き込むことを特徴とする請求項1から6の
    いずれかに記載の複合廃棄物の処理方法。
  8. 【請求項8】 装入物のストックレベルを変更して、炉
    内の原燃料の昇温速度を制御することを特徴とする請求
    項1から7のいずれかに記載の複合廃棄物の処理方法。
  9. 【請求項9】 炉中心部に解体しない大径の複合廃棄
    物、および破砕後の複合廃棄物のうち金属含有率の大き
    いものを大径のコークスと混合して装入し、 炉周辺部に破砕後の複合廃棄物のうち金属含有量の小さ
    いものを小径のコークスと混合して装入することを特徴
    とする請求項1から9のいずれかに記載の複合廃棄物の
    処理方法。
  10. 【請求項10】 多段の送風羽口を有する多機能溶融炉
    内へ少なくとも金属およびプラスチックを含有する複合
    廃棄物をコークスとともに装入し、乾燥、熱分解、燃
    焼、溶融して複合廃棄物を溶融処理する際して、 原料として複合廃棄物を鉄スクラップとともに装入し、
    コークスベッド上端レベルを上段羽口と下段羽口との間
    に設定して、下段羽口からコークスベッドヘ酸素を富化
    した熱風送風を行うことを特徴とする複合廃棄物の処理
    方法。
  11. 【請求項11】 複合廃棄物の鉄分総含有量が、10%
    <Total Fe<80%であることを特徴とする請
    求項10に記載の複合廃棄物の処理方法。
  12. 【請求項12】 熱風送風の温度が700℃以下である
    ことを特徴とする請求項10または11に記載の複合廃
    棄物の処理方法。
  13. 【請求項13】 熱風送風の酸素富化量が2%以上であ
    ることを特徴とする請求項10から12のいずれかに記
    載の複合廃棄物の処理方法。
  14. 【請求項14】 上部羽口から熱風送風を行うことを特
    徴とする請求項10から13のいずれかに記載の複合廃
    棄物の処理方法。
  15. 【請求項15】 上部羽口から常温送風を行うことを特
    徴とする請求項10から13のいずれかに記載の複合廃
    棄物の処理方法。
  16. 【請求項16】 羽口送風量を上段羽口送風量>下段羽
    口送風量に設定することを特徴とする請求項10から1
    5のいずれかに記載の複合廃棄物の処理方法。
  17. 【請求項17】 下段羽口から熱風送風とともに、廃プ
    ラスチックを吹き込むことを特徴とする請求項10から
    16のいずれかに記載の複合廃棄物の処理方法。
  18. 【請求項18】 装入物のストックレベルを変更して、
    炉内の原燃料の昇温速度を制御することを特徴とする請
    求項10から17のいずれかに記載の複合廃棄物の処理
    方法。
  19. 【請求項19】 炉中心部に解体しない大径の複合廃棄
    物、破砕後の複合廃棄物のうち金属含有率の大きいも
    の、および鉄スクラップを大径のコークスと混合して装
    入し、 炉周辺部に破砕後の複合廃棄物のうち金属含有量の小さ
    いものを小径のコークスと混合して装入することを特徴
    とする請求項10から18のいずれかに記載の複合廃棄
    物の処理方法。
  20. 【請求項20】 鉄スクラップに加えて、ダスト塊成鉱
    を装入することを特徴とする請求項10から19のいず
    れかに記載の複合廃棄物の処理方法。
  21. 【請求項21】 炉中心部に解体しない大径の複合廃棄
    物、破砕後の複合廃棄物のうち金属含有率の大きいも
    の、および鉄スクラップを大径のコークスと混合して装
    入し、 炉周辺部に破砕後の複合廃棄物のうち金属含有量の小さ
    いもの、およびダスト塊成鉱を小径のコークスと混合し
    て装入することを特徴とする請求項20に記載の複合廃
    棄物の処理方法。
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