JP2000240706A - エネルギー吸収部材及びその製造方法 - Google Patents

エネルギー吸収部材及びその製造方法

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JP2000240706A
JP2000240706A JP4147399A JP4147399A JP2000240706A JP 2000240706 A JP2000240706 A JP 2000240706A JP 4147399 A JP4147399 A JP 4147399A JP 4147399 A JP4147399 A JP 4147399A JP 2000240706 A JP2000240706 A JP 2000240706A
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energy absorbing
fiber
reinforced resin
fiber reinforced
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Mitsuharu Namiki
光治 並木
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好なエネルギー吸収性能を実現し、且つ生
産性にも優れたエネルギー吸収部材、その製造方法及び
自動車用骨格材を提供すること。 【解決手段】 エネルギー吸収部材100は、一端、即
ち図面では鉛直上向きの端部100tが尖頭形をなして
おり、繊維強化樹脂層10、20及び10を順次積層し
た積層管の構造を有する。強化繊維の配向は、軸線の尖
頭端部100tの方向を0゜、軸線と強化繊維とがなす
配向角度をθとし、配向角度θのうち積層管の内部側に
できるものに負の符号を付し、積層管の外部側にできる
ものに正の符号を付すと、配向角度θが、各層10、2
0及び10において、±10゜〜±45゜となるように
制御されていることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エネルギー吸収部
材及びその製造方法に係り、更に詳細には、靱性の高い
熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂とし、強度の高い層を
低い層で挟持した積層構造とすることができるので、エ
ネルギー吸収量が大きく、また、射出成形法を適用でき
るために、生産性が高いエネルギー吸収部材及びその製
造方法に関し、例えば、耐久性や安全性が要求される車
両等の衝撃作用部位に用いられ、衝突時等におけるエネ
ルギーを好適に吸収して衝撃力を緩和する。
【0002】
【従来の技術】近年、車両等の衝撃作用部位に配置する
筒状エネルギー吸収体が種々検討されている。例えば、
特開平5−332385号公報、特開平5−33238
6号公報には、バンパースティに用いられる側面傾斜付
き筒状エネルギー吸収体として、一端を斜めに切り取っ
た形状及び二段階の板厚形状のものが提案されている。
しかし、これらはフィラメントワインディング(以下、
「FW」という。)成形法によるものであるため生産性
が悪く、また、用いられる繊維強化樹脂のマトリックス
樹脂が熱硬化性樹脂であるために靱性が低く、靱性の高
い熱可塑性樹脂に比してエネルギー吸収性能が低い。
【0003】特開平6−123322号公報、特開平6
−123323号公報及び特開平06−26494号公
報には、生産性を向上したバンパースティ用短繊維強化
筒状エネルギー吸収体が提案されているが、そのエネル
ギー吸収性能は未だ十分とは言えない。また、特開平6
−30068号公報記載の技術では、高強度強化繊維層
と高弾性率補強繊維層とを積層することにより、高エネ
ルギー吸収量を達成しているが、連続繊維強化によるF
W成形法を用いるものであるため生産性が悪い。
【0004】更に、特開平8−177922号公報記載
の技術では、繊維強化複合材料のエネルギー吸収体にお
いて、繊維種/繊維配合の異なった積層構造(ハイブリ
ット化)により、エネルギー吸収の安定化及び吸収量の
増加が達成されている。しかし、強化繊維が連続繊維
で、その成形方法は生産性の悪いFW成形法であってコ
スト高であり、一部でシートワインディング法を用いて
いることから、生産性の若干の向上は推測されるが、同
時に積層界面の密着性低下によるエネルギー吸収性能の
低下が懸念される。
【0005】更にまた、特開平10−95035号公報
には、射出成形時に金型の回転体の角度、速度、トルク
及びタイミングを任意に制御しながら回転させることに
より、射出した樹脂中の繊維を配向させる技術が開示さ
れているが、2本一組のシリンダーを用い、2種類の材
料を同時又は順次に共通の金型に射出するという、二色
成形に関する記載はなく、積層構造を形成する概念は開
示されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
エネルギー吸収体において、連続繊維強化によるもので
は、ある程度のエネルギー吸収性能が実現されている
が、これらはFW成形法によらざるを得ないため、生産
性が悪く、一方、熱可塑性樹脂による繊維強化では、射
出成形法の適用が可能で生産性は向上するが、現状の形
状や構造ではそのエネルギー吸収性能が十分と言えない
という課題があった。
【0007】本発明は、このような従来技術の有する課
題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところ
は、良好なエネルギー吸収性能を実現し、且つ生産性に
も優れたエネルギー吸収部材、その製造方法及び自動車
用骨格材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、強化繊維の配向を制
御した繊維強化樹脂層を適切に積層し、且つ全体、特に
端部を所定の形状にすることにより、上記課題が解決で
きることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明のエネルギー吸収部材は、マ
トリックス樹脂に強化繊維が分散した繊維強化樹脂から
成る複数の繊維強化樹脂層を積層して成る積層管状のエ
ネルギー吸収部材であって、上記強化繊維が、上記積層
管の軸線に対して任意の角度をもって配向しており、上
記積層管の管壁の厚みが一端に近づくにつれて減少し、
その一端が尖頭形をなすことを特徴とする。
【0010】また、本発明のエネルギー吸収部材の好適
形態は、上記積層管の軸線を通りこれに平行な断面にお
いて、上記軸線の上記一端方向を0゜とし、この軸線と
上記強化繊維とがなす配向角度のうち、上記積層管の内
部側にできる角度を負の大きさ、外部側にできる角度を
正の大きさで表示すると、上記積層管の一方の管壁断面
における上記配向角度が±10゜〜±45゜であり、且
つ他方の管壁断面における上記配向角度が−(±10゜
〜±45゜)であることを特徴とする。
【0011】更に、本発明のエネルギー吸収部材の他の
好適形態は、隣接する上記繊維強化樹脂層において、上
記強化繊維の配向角度に付された正負の符号が逆転して
いることを特徴とする。
【0012】更にまた、本発明のエネルギー吸収部材の
更に他の好適形態は、上記尖頭形が、上記管壁の外壁厚
が減少するテーパーで規定され、そのテーパー角度が3
0〜75゜であることを特徴とする。
【0013】また、本発明のエネルギー吸収部材の他の
好適形態は、上記マトリックス樹脂が、ポリプロピレン
及び/又はポリアミドであり、その含有量が25〜90
重量%であり、上記強化繊維が、ガラス繊維及び/又は
カーボン繊維であり、その含有量が75〜10重量%で
あることを特徴とする。
【0014】更に、本発明のエネルギー吸収部材の更に
他の好適形態は、上記マトリックス樹脂がポリアミド
で、上記強化繊維がガラス繊維である繊維強化樹脂層を
3層積層して成り、ガラス繊維の含有量が20〜30重
量%である2層の繊維強化樹脂層の間に、ガラス繊維含
有量が40〜50重量%である繊維強化樹脂層を挿入し
て成ることを特徴とする。
【0015】また、本発明の自動車用骨格材は、上述の
如きエネルギー吸収部材を備えることを特徴とする。
【0016】更に、本発明のエネルギー吸収部材の製造
方法は、上述の如きエネルギー吸収部材を製造するに当
たり、同心に配置された複数個の円筒状コアを有するコ
ア部と、このコア部を任意の回転角度、速度、トルク及
びタイミングで回転させる回転制御装置とを備えた金型
を用い、(1)この金型に、複数の繊維強化樹脂のうち
の第1繊維強化樹脂を充填し、上記コア部を作動させ
て、強化繊維が配向した第1繊維強化樹脂層を形成した
後、上記コア部から、複数個の円筒状コアのうちの最外
周部に設置された第1コアを取り外し、(2)次いで、
第2繊維強化樹脂を充填して第2繊維強化樹脂層を形成
した後、上記コア部から第2コアを取り外し、(3)上
記(1)工程又は(2)工程を、形成する繊維強化樹脂
層の層数に応じて繰り返す、ことを特徴とする。
【0017】
【作用】本発明においては、積層管の構成を採用し、エ
ネルギー吸収部材の各層を構成する繊維強化樹脂中の強
化繊維の配向を制御した。よって、衝撃時に強い衝撃エ
ネルギーを受けても、優れたエネルギー吸収性能を発揮
する。また、衝撃作用部位に相当する積層管の一端を所
定の尖頭形としたため、衝撃エネルギーに対して、良好
な耐座屈性を有する。
【0018】更に、本発明のエネルギー吸収部材では、
各層を構成する繊維強化樹脂のマトリックス樹脂を基本
的に熱可塑性樹脂としたため、靱性を向上することがで
きる。また、本発明のエネルギー吸収部材は、二色成形
を応用した射出成形により製造できるため、積層界面の
接着性や生産性を向上できるのみならず、異なる特性を
有する複数種の繊維強化樹脂を任意に積層配置できるた
め、設計の自由性に優れ、例えば、硬さや剛性の良好な
層を、靱性や柔軟性に優れる層の間に挟持した積層構造
を形成することが可能であり、所望のエネルギー吸収特
性を実現することが可能になる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明のエネルギー吸収部
材について詳細に説明する。上述の如く、本発明のエネ
ルギー吸収部材は、繊維強化樹脂層を積層した積層管の
構造を有するが、この積層管構造では、管壁の厚みが一
端に近づくにつれて減少しており、その一端が尖頭形を
なしている。また、繊維強化樹脂層中の強化繊維は、積
層管構造の軸線に対して任意の角度をもって配向してい
る。
【0020】図1及び図2に、本発明のエネルギー吸収
部材の代表例を示す。この場合、図1は、本エネルギー
吸収部材の外観形状を示しており、図2は、この積層管
の軸線を通りこれに平行な断面を示している。このエネ
ルギー吸収部材100は、一端、即ち図面では鉛直上向
きの端部100tが尖頭形をなしており、繊維強化樹脂
層10、20及び10を順次積層した積層管の構造を有
している。なお、積層管の管壁構造に着目すれば、繊維
強化樹脂層20を特性の異なる繊維強化樹脂層10,1
0で挟持した構造を採用していると言える。
【0021】ここで、上述した強化繊維の配向は、図1
及び図2において、軸線の尖頭端部100tの方向を0
゜、軸線と強化繊維とがなす配向角度をθとし、配向角
度θのうち積層管の内部側にできるものに負の符号を付
し、積層管の外部側にできるものに正の符号を付すと、
配向角度θが、各層10、20及び10において、±1
0゜〜±45゜となるように制御されていることが好ま
しい。なお、積層管における管壁構造が軸線に対して対
称であるため、図示右側の管壁断面100(R)と左側
の管壁断面100(L)とでは、θに付された正負の符
号が逆転し、例えば、管壁断面1(R)における各層の
強化繊維の配向角度θを±10゜〜±45゜とすれば、
管壁断面100(L)における各層の強化繊維の配向角
度θは−(±10゜〜45゜)と表示される。以上の関
係は、図2に示したように、管壁100(R)におい
て、積層管の内側から順に、強化繊維GF(ガラス繊
維)の配向角度が、−15゜(層10)、+15゜(層
20)及び−15゜(層10)であるのに対し、管壁1
00(L)では、積層管の内側から+15゜(層1
0)、−15゜(層20)及び+15゜(層10)であ
ることによって示されている。
【0022】本発明のエネルギー吸収部材において、上
述した配向角度θの大きさ|θ|が10゜〜45゜の範
囲を逸脱すると、エネルギー吸収量の大幅な低下やエネ
ルギー吸収部材の座屈を起こすことがあり、好ましくな
い。また、このエネルギー吸収部材では、隣接する繊維
強化樹脂層間において、強化繊維の配向角度に付された
正負の符号が逆転しており、強化樹脂の配向方向が逆転
していることが、エネルギー吸収上好ましい。例えば、
図2の管壁100(R)においては、層10と層20と
の間で、配向角度θに付された正負の符号は、層10で
(−)であり、層20で(+)である。但し、この条件
は、配向角度θの大きさを限定するものではなく、正負
の符号が逆転していれば十分であり、例えば、隣接する
3層間でθが(+)30゜、(−)20゜及び(+)1
0゜の場合にも満足される。
【0023】なお、強化繊維の配向については、本発明
のエネルギー吸収部材が後述する製造方法により成形さ
れることから、実際には、強化繊維が管壁を渦巻き状に
上昇又は下降した立体的配向をとっていると考えられ
る。よって、上述した強化繊維の配向は、厳密には、強
化繊維の管壁断面への射影を規定したものということに
なるが、本発明を実施するに当たっては、かかる射影を
規定すれば十分である。
【0024】次に、本発明のエネルギー吸収部材におけ
る尖頭形端部につき説明する。図1及び図2に示したよ
うに、かかる尖頭形端部100tは、積層管の管壁の厚
みが最端部に接近するにつれて減少する形式で形成され
ており、管壁の厚みが一定の場合は除かれる。この尖頭
形端部は、本発明のエネルギー吸収部材の使用状態にお
いて、衝撃方向に対向させて配置されて衝撃作用部位と
して機能し、本吸収部材の座屈を抑制する。
【0025】かかる尖頭形状は、通常、金型キャビティ
自体をその形状にしたり、積層管の意図する端部を所定
角度で研削することによって形成され、代表的には、管
壁における外壁の厚みが減少するテーパー形状で規定さ
れるが、この場合、図2に示すテーパー角度αを30〜
75゜とすることが好ましい。この範囲を逸脱すると、
耐座屈性が大幅に低減することがあり、好ましくない。
【0026】なお、本発明において、「尖頭形」は上述
のような条件を満足すれば十分であり、例えば、管壁の
外壁厚が徐々に減少するとともに内径が増大するような
形状であってもよい。また、テーパーの勾配面が曲面で
あってもよく、更には、若干の段付き形状であってもよ
い。
【0027】また、本発明のエネルギー吸収部材におい
ては、上述の積層管の他端を底付きとすることも可能で
あり、この場合には、例えば、骨格部材として自動車へ
固定する際、より安定した据え付けができるという利点
がある。更に、この積層管の全体形状をほぼ円錐台形と
することも可能であり、この場合には、先端部からの破
壊が安定して起こるため、安定したエネルギー吸収がで
きるという利点が得られる。
【0028】次に、上述の積層管構造を構成する繊維強
化樹脂層及びこれに用いられる繊維強化樹脂につき説明
する。本発明において、かかる繊維強化樹脂としては、
靱性向上の観点から、熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂
とするものが好ましく、具体的には、ポリプロピレン及
び/又はポリアミドをマトリックス樹脂とし、強化繊維
をガラス繊維及び/又はカーボン繊維としたものが好適
である。
【0029】繊維強化樹脂におけるポリプロピレン及び
/又はポリアミドの含有量は、25〜90重量%とする
ことが好ましい。25重量%未満では、座屈が起こりや
すくエネルギー吸収が不安定となる場合があり、90重
量%を超えると、強度が低くエネルギー吸収が不安定と
なる場合があるため望ましくない。一方、ガラス繊維及
び/又はカーボン繊維の含有量は、75〜10重量%と
することが好ましい。
【0030】また、強化繊維の繊維長は、10mm以上
とすることが好ましく、10mm未満では、エネルギー
吸収量が不十分となることがあるため望ましくない。更
に、強化繊維の繊維径は、10〜20μmとすることが
好ましく、この範囲を逸脱すると、エネルギー吸収量が
不十分となることがあるため望ましくない。
【0031】本発明においては、繊維強化樹脂層の特性
を適切に変化させることが可能であり、異なる特性を有
する繊維強化樹脂層を適切に積層配置することにより、
エネルギー吸収部材に所望の特性を付与することができ
る。異なる特性は、マトリックス樹脂及び強化繊維の種
類や含有量を変化させたり、強化繊維の配向角度を変化
させることなどにより実現できる。また、層の個数は2
以上であれば特に限定されるものではなく、更に、層毎
に異なる特性を有する必要がないのは言うまでもない。
【0032】上述のような多層構造の代表例としては、
強度が高く硬さや剛性の良好な層を、若干強度は低いが
靱性や柔軟性に優れる層で挟持した3層構造を挙げるこ
とができ、この構造によれば、適度な衝撃吸収性を発揮
させ易い。構成が簡易なものの具体例としては、ポリア
ミド樹脂にガラス繊維を分散させた繊維強化樹脂を用
い、ガラス繊維の含有量によって各層の強度を調整した
構造を挙げることができ、この場合、強化繊維含有量が
40〜50重量%の層を、強化繊維含有量が20〜30
重量%の層で挟持した構造のものが好ましい。
【0033】以上に説明した本発明のエネルギー吸収部
材は、各種骨格材の支柱材、具体的にはバンパースティ
等として用いるのに好適である。また、本発明の自動車
用骨格材は、かかるエネルギー吸収部材を有する部材で
あり、具体的には、フロントサイドメンバー、リヤサイ
ドメンバー及びバンパーなどを挙げることができる。
【0034】次に、本発明のエネルギー吸収部材の製造
方法について説明する。図18に、本発明の製造方法に
用いる金型の一例を示す。同図において、この金型1
は、ほぼ中空の円柱状をなしており、同心に配置された
円筒状コア2、3及び4から成るコア部を収容し、その
内壁とコア2との間にはキャビティ5が形成されてい
る。また、上記コア部は、モーター7と連結した回転軸
6により回転可能に収容されており、かかる回転運動の
回転角度、速度、トルク及びタイミングが回転制御ユニ
ット9によって制御可能に構成されている。
【0035】本発明の製造方法では、複数の繊維強化樹
脂を成形材料として用いるが、まず、その第1繊維強化
樹脂を樹脂注入口8から金型1のキャビティ5に充填
し、上記コア部を所望の回転角度、速度、トルク及びタ
イミングで作動させて、強化繊維が配向した第1繊維強
化樹脂層を形成し、その後、上記コア部から、最外周部
に設置された円筒状コア2を取り外す。((1)工
程)。次いで、コア2の取り外しにより形成されたキャ
ビティ(図示せず)に、第2繊維強化樹脂を充填し、コ
ア部を所望条件で作動させて第2繊維強化樹脂層を形成
した後、上記コア部からコア3を取り外す((2)工
程)。そして、上記(1)工程や(2)工程を、形成す
る繊維強化樹脂層の層数に応じて繰り返す(図18に示
す例では、第3繊維強化樹脂層を形成するので、もう1
回繰り返す)。
【0036】本発明の製造方法では、上述の如く、二色
成形を応用した射出成形を行うため、シートワインディ
ング法やFW法などの物理的巻回法に比し、複数個の繊
維強化樹脂層を密着性良く積層することができ、更に
は、生産性を大幅に向上することができる。また、強化
繊維の配向は、上述の回転制御ユニットにより精密に制
御することができるので、各繊維強化樹脂層に所望の特
性を付与することができる。なお、上述の製造方法にお
いては、金型を固定してコア部を回転させたが、これに
限定されるものではなく、コア部を固定して金型を回転
させたり、双方を回転させることができるのは言うまで
もない。
【0037】
【実施例】以下、本発明を、図面を参照して実施例及び
比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実
施例に限定されるものではない。
【0038】(実施例1)図18に示した金型を用いて
本発明の製造方法を実施し、図1及び図2に示したよう
な積層管構造を有する本実施例のエネルギー吸収部材を
得た。本実施例では、層10としては、管壁断面100
(R)において、ガラス繊維の配向角度θが−15゜
(以下、「GF配向−15゜」と略す)であり、66−
ナイロンをマトリックスとしガラス繊維(GF)含有量
が40重量%の繊維強化樹脂(以下、「PA66/GF
40wt%」と略す)を配置し、層20としては、GF
配向+15゜のPA66/GF50wt%を配置し、2
つの層10で層20を挟持した3層構造を採用した。な
お、GFの繊維長は12mm、繊維径は13μmとし
た。また、外形形状は、テーパー角度αが45゜で、肉
厚が一定の円筒状をなし、その大きさは長さ200mm
×外径50mm×厚み2.5mmである。
【0039】[性能評価]本例のエネルギー吸収部材を
下記の条件で静的圧潰してその吸収エネルギーを測定
し、得られた値(kJ)を圧潰したエネルギー吸収部材
の重量(kg)で除すことにより、比エネルギー吸収量
を求め、この結果を表1に示した。 ・試験条件 装置:デジタル静的材料試験機−5507(インストロ
ン(株)製) 試験速度:10mm/min 変位量:60mm 試験温度:23℃
【0040】(実施例2)層10をPA66/GF30
wt%(GF配向−15゜)とし、層20をPA66/
GF40wt%(GF配向+15゜)とした以外は、実
施例1と同様の構成を採用した。図3に、本例のエネル
ギー吸収部材を示す。実施例1と同様の性能評価を行
い、得られた結果を表1に示した。
【0041】(実施例3)層10をPA66/GF20
wt%(GF配向−15゜)とし、層20をPA66/
GF30wt%(GF配向+15゜)とした以外は、実
施例1と同様の構成を採用した。図4に、本例のエネル
ギー吸収部材を示す。実施例1と同様の性能評価を行
い、得られた結果を表1に示した。
【0042】(実施例4)層10及び層20におけるマ
トリックスをポリプロピレン(PP)とした以外は、実
施例1と同様の構成を採用した。図5に、本例のエネル
ギー吸収部材を示す。実施例1と同様の性能評価を行
い、得られた結果を表1に示した。
【0043】(実施例5)層10及び層20におけるマ
トリックスをポリプロピレン(PP)とした以外は、実
施例2と同様の構成を採用した。図6に、本例のエネル
ギー吸収部材を示す。実施例1と同様の性能評価を行
い、得られた結果を表1に示した。
【0044】(比較例1)テーパー100tを形成しな
かった以外は、実施例1と同様の構成を採用した。図7
及び図8に、本例のエネルギー吸収部材を示す。実施例
1と同様の性能評価を行い、得られた結果を表2に示し
た。
【0045】(比較例2)層10及び層20におけるG
F配向を0゜とした以外は、実施例1と同様の構成を採
用した。図9に、本例のエネルギー吸収部材を示す。実
施例1と同様の性能評価を行い、得られた結果を表2に
示した。
【0046】(実施例6)層10及び層20におけるG
F配向を、それぞれ−75゜及び+75゜とした以外
は、実施例1と同様の構成を採用した。図10に、本例
のエネルギー吸収部材を示す。実施例1と同様の性能評
価を行い、得られた結果を表2に示した。
【0047】(実施例7)GFの繊維長を5mmとした
以外は、実施例1と同様の構成を採用した。図11に、
本例のエネルギー吸収部材を示す。実施例1と同様の性
能評価を行い、得られた結果を表2に示した。
【0048】(比較例5)マトリックス樹脂がエポキシ
樹脂でGFを49wt%含有する連続繊維を用いてFW
法を行い、図12に示すように、実施例1のエネルギー
吸収部材と同一の形状・寸法を有する本例のエネルギー
吸収部材を得た。なお、GFの配向角度は±75゜程度
である。実施例1と同様の性能評価を行い、得られた結
果を表2に示した。
【0049】(比較例6)66−ナイロンをマトリック
ス樹脂としGF(繊維長5mm)を50重量%含む繊維
強化樹脂(PA66/GF40wt%)を用いて射出成
形を行い、図16に示すように、GF配向−15°の一
層構造から成り、実施例1のエネルギー吸収部材と同一
形状・寸法を有する本例のエネルギー吸収部材を得た。
実施例1と同様の性能評価を行い、得られた結果を表2
に示した。
【0050】(比較例7)スチールパイプJIS G3
445に準拠した鋼材を用い、実施例1のエネルギー吸
収部材と同一形状・寸法を有する本例のエネルギー吸収
部材(スチールパイプ)を作成した。図17に、本例の
エネルギー吸収部材を示す。実施例1と同様の性能評価
を行い、得られた結果を表2に示した。
【0051】(実施例6)側面が10°傾斜した円錐台
形状を適用した以外は、実施例1と同様の構成を採用し
た。図13及び図14に、本例のエネルギー吸収部材を
示す。実施例1と同様の性能評価を行い、得られた結果
を表1に示した。
【0052】(実施例7)底付き形状を適用した以外
は、実施例1と同様の構成を採用した。但し、底部では
GFの配向は無い。図15に、本例のエネルギー吸収部
材を示す。実施例1と同様の性能評価を行い、得られた
結果を表1に示した。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】表1及び2より、本発明の範囲に属する実
施例1〜7と比較例1〜7とを比較すると、以下のこと
が分かる。比エネルギー吸収量は、エネルギー吸収部材
を構成するマトリックス樹脂の含有量にほぼ比例する
(実施例1〜3)。マトリックス樹脂としては、66−
ナイロンを用いた場合の方がポリプロピレンの場合より
も比エネルギー吸収量が高く、エネルギー吸収部材に用
いるのに好適である(実施例1、2に対する実施例4、
5)。
【0056】強化繊維の配向角度を所定の範囲内、例え
ば軸線方向に対して±15°に制御すると、繊維配向を
±0°としたものに比べ、比エネルギー吸収量が増加
し、また、座屈も有効に防止できる(実施例1に対する
比較例2及び3)。また、衝撃作用部位を尖頭形にする
と、座屈を有効に防止できる(実施例1に対する比較例
1)。更に、強化繊維の長さを10mm以上、例えば1
2mmとすれば、5mm以下の場合と比べて、比エネル
ギー吸収量が増加するためより好ましい(実施例1に対
する実施例7)。
【0057】更にまた、3層による積層構造とすること
により良好なエネルギー吸収能が得られ、1層構造では
吸収部材が座屈してしまう(実施例1に対する比較例
6)。また、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)の連続繊維
を素材として、FW成形法によって得られたエネルギー
吸収部材では、比エネルギー吸収量が著しく低下する
(実施例1に対する比較例5)。
【0058】また、素材に鋼材を用いたエネルギー吸収
部材(スチールパイプ)は、素材が繊維強化樹脂のもの
と比べて、比エネルギー吸収量が極めて小さい(実施例
1〜7に対する比較例7)。なお、形状を円錐台形とし
た場合(実施例6)や、底付きとした場合(実施例7)
であっても、実施例1とほぼ同一の比エネルギー吸収量
が得られる。
【0059】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、強化繊維の配向を制御した繊維強化樹脂層を適切に
積層し、且つ全体、特に端部を所定の形状にすることと
したため、良好なエネルギー吸収性能を実現し、且つ生
産性にも優れたエネルギー吸収部材、その製造方法及び
自動車用骨格材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエネルギー吸収部材の一実施例を示す
斜視図である。
【図2】図1のエネルギー吸収部材の断面図である。
【図3】本発明のエネルギー吸収部材の他の実施例を示
す断面図である。
【図4】本発明のエネルギー吸収部材の他の実施例を示
す断面図である。
【図5】本発明のエネルギー吸収部材の他の実施例を示
す断面図である。
【図6】本発明のエネルギー吸収部材の他の実施例を示
す断面図である。
【図7】本発明外のエネルギー吸収部材(比較例1)を
示す斜視図である。
【図8】図7のエネルギー吸収部材の断面図である。
【図9】本発明外のエネルギー吸収部材(比較例2)を
示す断面図である。
【図10】本発明外のエネルギー吸収部材(実施例6)
を示す断面図である。
【図11】本発明外のエネルギー吸収部材(実施例7)
を示す断面図である。
【図12】本発明外のエネルギー吸収部材(比較例5)
を示す断面図である。
【図13】本発明のエネルギー吸収部材の他の実施例を
示す斜視図である。
【図14】図13のエネルギー吸収部材の断面図であ
る。
【図15】本発明のエネルギー吸収部材の他の実施例を
示す断面図である。
【図16】本発明外のエネルギー吸収部材(比較例6)
を示す断面図である。
【図17】スチールパイプの斜視図である。
【図18】本発明の製造方法に用いる金型の一例を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 金型 2、3、4 円筒状コア 5 金型キャビティ 6 回転軸 7 モータ 8 樹脂注入口 9 回転制御ユニット 10、20 繊維強化樹脂層 100 エネルギー吸収部材 100t 尖頭形端部

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マトリックス樹脂に強化繊維が分散した
    繊維強化樹脂から成る複数の繊維強化樹脂層を積層して
    成る積層管状のエネルギー吸収部材であって、 上記強化繊維が、上記積層管の軸線に対して任意の角度
    をもって配向しており、 上記積層管の管壁の厚みが一端に近づくにつれて減少
    し、その一端が尖頭形をなすことを特徴とするエネルギ
    ー吸収部材。
  2. 【請求項2】 上記積層管の軸線を通りこれに平行な断
    面において、上記軸線の上記一端方向を0゜とし、この
    軸線と上記強化繊維とがなす配向角度のうち、上記積層
    管の内部側にできる角度を負の大きさ、外部側にできる
    角度を正の大きさで表示すると、 上記積層管の一方の管壁断面における上記配向角度が±
    10゜〜±45゜であり、且つ他方の管壁断面における
    上記配向角度が−(±10゜〜±45゜)であることを
    特徴とする請求項1記載のエネルギー吸収部材。
  3. 【請求項3】 隣接する上記繊維強化樹脂層において、
    上記強化繊維の配向角度に付された正負の符号が逆転し
    ていることを特徴とする請求項2記載のエネルギー吸収
    部材。
  4. 【請求項4】 上記尖頭形が、上記管壁の外壁厚が減少
    するテーパーで規定され、そのテーパー角度が30〜7
    5゜であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1
    つの項に記載のエネルギー吸収部材。
  5. 【請求項5】 上記積層管の他端が底付きであることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載のエ
    ネルギー吸収部材。
  6. 【請求項6】 上記積層管が、ほぼ円錐台形をなすこと
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の
    エネルギー吸収部材。
  7. 【請求項7】 上記強化繊維の長さが10mm以上であ
    ることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に
    記載のエネルギー吸収部材。
  8. 【請求項8】 上記マトリックス樹脂が、ポリプロピレ
    ン及び/又はポリアミドであり、その含有量が25〜9
    0重量%であることを特徴とする請求項1〜7のいずれ
    か1つの項に記載のエネルギー吸収部材。
  9. 【請求項9】 上記強化繊維が、ガラス繊維及び/又は
    カーボン繊維であり、その含有量が75〜10重量%で
    あることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つの項
    に記載のエネルギー吸収部材。
  10. 【請求項10】 上記マトリックス樹脂がポリアミド
    で、上記強化繊維がガラス繊維である繊維強化樹脂層を
    3層積層して成り、ガラス繊維の含有量が20〜30重
    量%である2層の繊維強化樹脂層の間に、ガラス繊維含
    有量が40〜50重量%である繊維強化樹脂層を挿入し
    て成ることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つの
    項に記載のエネルギー吸収部材。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1つの項に
    記載のエネルギー吸収部材を備えることを特徴とする自
    動車用骨格材。
  12. 【請求項12】 請求項1〜10のいずれか1つの項に
    記載のエネルギー吸収部材を製造するに当たり、 同心に配置された複数個の円筒状コアを有するコア部
    と、このコア部を任意の回転角度、速度、トルク及びタ
    イミングで回転させる回転制御装置とを備えた金型を用
    い、(1)この金型に、複数の繊維強化樹脂のうちの第
    1繊維強化樹脂を充填し、上記コア部を作動させて、強
    化繊維が配向した第1繊維強化樹脂層を形成した後、上
    記コア部から、複数個の円筒状コアのうちの最外周部に
    設置された第1コアを取り外し、(2)次いで、第2繊
    維強化樹脂を充填して第2繊維強化樹脂層を形成した
    後、上記コア部から第2コアを取り外し、(3)上記
    (1)工程又は(2)工程を、形成する繊維強化樹脂層
    の層数に応じて繰り返す、ことを特徴とするエネルギー
    吸収部材の製造方法。
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