JP2000245663A5 - - Google Patents
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Description
【書類名】 明細書
【発明の名称】 電気掃除機用吸込具並びに電気掃除機
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下面に吸込口を開口させた吸込具本体と、前記吸込口に臨むように前記吸込具本体内に回転自在に設けた回転ブラシとを備え、前記回転ブラシは、外周面に塵埃掻き上げ部を設けた略筒状のブラシホルダーと、前記回転ブラシを回転駆動する電動機と、前記電動機を保持し前記回転ブラシを軸支する中空軸とを有し、前記電動機および前記中空軸を前記ブラシホルダーの内部に設け、前記中空軸の少なくとも前記ブラシホルダーからの外部露出部分を絶縁材で形成または覆うように構成した電気掃除機用吸込具。
【請求項2】 電動機に電気的に接続された電動機用基板を設け、前記電動機用基板側から冷却風を通過させるよう構成した請求項1記載の電気掃除機用吸込具。
【請求項3】 電動機は、整流子電動機で構成し、整流子側から冷却風を通過させるよう構成した請求項1または2記載の電気掃除機用吸込具。
【請求項4】 電動機の温度過昇を防止する温度過昇防止装置を備えた請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気掃除機用吸込具。
【請求項5】 電動機の過電流を防止する過電流防止装置を備えた請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気掃除機用吸込具。
【請求項6】 吸い込み圧力を検知する圧力検知手段を配設し、前記圧力検知手段の出力に応じて電動機への通電を制御するよう構成した請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気掃除機用吸込具。
【請求項7】 内部に塵挨を集塵する集塵室と電動送風機を備えた電気掃除機本体に、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気掃除機用吸込具と連通するように接続される接続口を備えた電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動機によって回転される回転ブラシを具備した電気掃除機用吸込具並びにこの電気掃除機用吸込具に接続する電気掃除機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電気掃除機用吸込具は、図5に示すように構成していた。以下、その構成について説明する。
【0003】
図に示すように、吸込具本体1は、絨毯などの被掃除面に付着した塵埃を遊離させる回転ブラシ2を内蔵し、底面に吸込口を設け、後部に掃除機本体(図示せず)と連通される接続パイプ3を回転自在に具備している。回転ブラシ2の外周面にブラシ毛4を植毛し、内部に回転ブラシ2の駆動源である電動機5と、この電動機5の軸に装着し、回転を減速して回転ブラシ2に伝達する遊星歯車6と、この電動機5と遊星歯車6の間に配設した支持部材7とを内蔵している。
【0004】
この支持部材7は複数のねじ8により電動機5に固定され、電動機5と当接する端面には、電動機5に設けた冷却孔からの換気をよくして放熱性を向上する溝9を形成し、他方の端面は遊星歯車6の内輪10に嵌合するとともに、遊星歯車6の表面をカバーしている。また、回転ブラシ2の内周面には、キー溝(図示せず)を設け、このキー溝に遊星歯車6の外輪に突設した凸部(図示せず)を嵌合するとともに、凹部を軸方向に設けて冷却気流の流路を形成している。回転ブラシ2の両端の開口部には軸受11を具備した蓋12を装着している。
【0005】
固定軸13は中空に形成し、一端を回転ブラシ2の側方に突出させ、軸受11を介して回転ブラシ2を回転自在に支持するとともに、電動機5に接続するリード線を中空部に通し、他端は円筒状に形成して回転ブラシ2の内部に配設し、電動機5の外周を支持している。固定カバー14は回転ブラシ2の両端に装着し、回転ブラシ2や軸受11の内部に塵埃が侵入しないようにしている。
【0006】
回転ブラシ2はこの固定カバー14と固定軸13を介して、吸込具本体1に支持され、接続パイプ3の吸気口15と対向する回転ブラシ2の略中央部には、回転ブラシ2の内部と外部を連通する複数の通気孔16を形成している。洩らし穴17は固定軸13の中空部を介して、回転ブラシ2の内部に電動機を冷却する外気を連通させるもので、吸込具本体1の側面に形成している。
【0007】
上記構成において動作を説明すると、吸込具本体1と掃除機本体に通電すると電動機5が回転し、遊星歯車6によって減速されながら回転トルクが増大されて回転ブラシ2に伝達され、ブラシ毛4により絨毯などに付着した塵埃を掻き出すとともに、掻き出された塵埃は掃除機本体に吸引される。このとき、電動機5によって回転されるのは、遊星歯車6と回転ブラシ2と蓋12と軸受11の外輪のみで、電動機5と固定軸13と固定カバー14とリード線は、吸込具本体1に固定保持されている。
【0008】
また、掃除機本体を運転すると、吸込具本体1と床面で囲まれた空間に負圧がかかり、吸込具本体1の外周より外気が流入して接続パイプ3の吸気口15に流れ込み、この気流により床面上の塵埃も一緒に吸気口15へ吸い込まれていく。
【0009】
このとき、吸気口15と対向して設けた通気孔16を通じて回転ブラシ2内部の通気孔16近傍にも負圧が働くため、中空の固定軸13と洩らし穴17を介して吸込具本体1の外部と連通された回転ブラシ2内の側方部との間に圧力差が生じ、外気が洩らし穴17より固定軸13の中空部を通って回転ブラシ2の内部に流入し、回転ブラシ2の電動機5の周囲に設けた凹部2aを通過して通気孔16に向かって流れ、回転ブラシ2の内部よりさらに気圧が低い吸気口15に向かって通気孔16より流出する気流が生じる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の構成では、吸込具本体1の底面の吸込口を床面に押圧して掃除機本体を運転すると、吸込具本体1と床面で囲まれた空間に負圧がかかり、回転ブラシ2内部の通気孔16近傍にも負圧が働くため、中空の固定軸13と洩らし穴17を介して吸込具本体1の外部と連通された回転ブラシ2内の側方部との間に圧力差が生じ、外気が洩らし穴17より固定軸13の中空部を通って回転ブラシ2の内部に流入し、電動機5の周囲を通過して通気孔16に向かって流れ、電動機5を冷却することができて、温度上昇を低減することができる。
【0011】
一方、吸込具本体1に通電して電動機5を回転させ、回転ブラシ2を回転させると、ブラシ毛4により絨毯などに付着した塵埃を掻き出すが、このとき、ブラシ毛4が絨毯などに摺動することにより静電気を発生する。電動機5は商用電源に接続しているため、発生した静電気は通気孔16を通して回転ブラシ2の内部に侵入し、電動機5に放電する。
【0012】
電動機5は、商用電源電圧を整流する整流器、雑音防止器などを実装した電動機用基板(図示せず)が電気的に接続されており、静電気の放電によって電動機用基板が電気的に破壊され、電動機5が動作できなくなるという問題を有していた。
【0013】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、電動機を冷却して温度上昇を低減するとともに、電動機を回転させて回転ブラシを回転させたとき発生する静電気の放電による不具合をなくし、安全性を向上することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、吸込具本体の下面に開口させた吸込口に臨むように、吸込具本体内に回転ブラシを回転自在に設け、この回転ブラシは、外周面に塵埃掻き上げ部を設けた略筒状のブラシホルダーの内部に、回転ブラシを回転駆動する電動機と、電動機を保持し回転ブラシを軸支する中空軸とを設け、中空軸の少なくともブラシホルダーからの外部露出部分を絶縁材で形成または覆うように構成したもので、回転ブラシが絨毯などに摺動することにより発生した静電気が中空軸を通して電動機に放電することがなく、静電気の放電による不具合をなくすることができ、安全性を向上することができる。
【0015】
また、内部に塵埃を集塵する集塵室と電動送風機を備えた電気掃除機本体に、上記電気掃除機用吸込具と連通するように接続される接続口を備えたもので、電動機を冷却して温度上昇を低減することができるとともに、電動機を回転させて回転ブラシを回転させたとき発生する静電気による不具合をなくし、安全性を向上することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、下面に吸込口を開口させた吸込具本体と、前記吸込口に臨むように前記吸込具本体内に回転自在に設けた回転ブラシとを備え、前記回転ブラシは、外周面に塵埃掻き上げ部を設けた略筒状のブラシホルダーと、前記回転ブラシを回転駆動する電動機と、前記電動機を保持し回転ブラシを軸支する中空軸とを有し、前記電動機および中空軸を前記ブラシホルダーの内部に設け、前記中空軸の少なくとも前記ブラシホルダーからの外部露出部分を絶縁材で形成または覆うように構成したもので、回転ブラシが絨毯などに摺動することにより発生した静電気が中空軸を通して電動機に放電することがなく、静電気の放電による不具合をなくすることができ、安全性を向上することができる。
【0017】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、電動機に電気的に接続された電動機用基板を設け、前記電動機用基板側から冷却風を通過させるよう構成したもので、電動機用基板は電動機の温度上昇の影響を受けることがなく、温度が上昇しないため、誤動作、故障を起こすことがなく、信頼性を向上することができる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、上記請求項1または2に記載の発明において、電動機は、整流子電動機で構成し、整流子側から冷却風を通過させるよう構成したもので、整流子は電動機の温度上昇の影響を受けることがなく、温度が上昇しないため、確実に整流作用を行うことができ、信頼性を向上することができる。
【0019】
請求項4に記載の発明は、上記請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明において、電動機の温度過昇を防止する温度過昇防止装置を備えたもので、電動機の温度が異常に上昇した場合は、温度過昇防止装置を動作させて、安全性を確保することができる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、上記請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明において、電動機の過電流を防止する過電流防止装置を備えたもので、電動機に過電流が流れた場合は、過電流防止装置を動作させて、安全性を確保することができる。
【0021】
請求項6に記載の発明は、上記請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明において、吸い込み圧力を検知する圧力検知手段を配設し、前記圧力検知手段の出力に応じて電動機への通電を制御するよう構成したもので、圧力検知手段により検知した吸い込み圧力が低下した場合は、電動機の回転数を低下または停止することにより吸い込み異常時の電動機の安全性を確保することができる。
【0022】
請求項7に記載の発明は、内部に塵挨を集塵する集塵室と電動送風機を備えた電気掃除機本体に、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気掃除機用吸込具と連通するように接続される接続口を備えたもので、電動機を回転させて、回転ブラシを回転させたとき、ブラシホルダーの端面より吸気し、外周面に形成した通気孔より排気する経路で電動機を冷却することができるので、電動機の温度上昇を低減することができ、また、通気孔と電動機との間に位置する動力伝達装置を合成樹脂により形成しているため、回転ブラシが絨毯などに摺動することにより発生した静電気が電動機に放電することがなく、静電気の放電による不具合をなくすることができ、安全性を向上することができる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0024】
図4に示すように、吸込具本体18は絨毯などの被掃除面に付着した塵埃を遊離させる回転ブラシ19(図1参照)を内蔵し、後部に延長管20と接続される連結体21を回転自在に設けている。掃除機本体22は、内部に塵埃を集塵する集塵室23と電動送風機24を備えており、この掃除機本体22に設けた接続口25に、延長管20に接続したホース26を接続し、吸込具本体18の連結体21を接続口25に連通するように構成している。
【0025】
回転ブラシ19は、図1に示すように、吸込具本体18の下面に開口した吸込口27に臨むように、吸込具本体18内に回転自在に設けている。この回転ブラシ19は、ABS、ポリスチロール、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂で形成した略筒状のブラシホルダー28の外周面に塵埃掻き上げ部を構成する複数のブラシ29を設けている。
【0026】
なお、塵埃掻き上げ部は、ブラシ29の他、薄板状のブレード、拭き効果のある帯状体(例えば、布製の帯状体)、これらを適宜組合せたものであってもよい。
【0027】
このブラシホルダー28の内部に、図2に示すように、回転ブラシ19を回転駆動する電動機30、電動機30の回転数を減速する減速装置31、減速装置31の出力をブラシホルダー28に伝達するギヤ32などを内蔵している。ここで、回転ブラシ19は、電動機30、減速装置31などを内蔵するとともに、電動機30のトルクと、外周面のブラシ29の先端での塵埃の掻き上げ性能から、その直径を26mm〜43mmとしている。
【0028】
電動機30は整流子電動機で構成し、商用電源電圧を整流する整流器、雑音防止器などを実装した電動機用基板33を設け、この電動機用基板33に連結体21を通して掃除機本体22に接続したリード線34を接続し、商用電源電圧を整流した電圧により駆動するように構成している。ここで、電動機30の回転数は、減速装置31を介してブラシホルダー28に回転が伝えられるため、3000rpm〜15000rpmに設定している。絨毯を掃除するときは、3000rpm〜12000rpmが好ましい。過電流防止装置35は正特性サーミスタなどで構成し、電動機30に過電流が流れるのを防止している。
【0029】
減速装置31は遊星歯車により構成して電動機30の出力軸36を連結し、電動機30の回転数を減速する。ここで、減速装置31の減速比は、1/3〜1/9(好ましくは、1/5〜1/7)としている。遮音筒37は、減速装置31の外周を覆って遮音するもので、アルミニウムダイカスト、またはプラスチック成型により形成している。この遮音筒37を介して電動機30に保持固定し、電動機30と減速装置31とを一体に構成し、出力軸38にギヤ32を嵌合している。軸受部39は電動機30と一体に構成した減速装置31をブラシホルダー28に支持するもので、内輪を減速装置31の径小部40に固定し、外輪をブラシホルダー28の内面部に形成した軸受支持部41により支持している。
【0030】
電動機30の整流子30a側には、内径を中空とし減速装置31と一体に構成した電動機30を軸支する中空軸42を固定している。この中空軸42は、アルミニウム合金、炭素鋼(S45C)、工業用プラスチックなどの変形しにくい材料で形成し、内径を13mmとして冷却風をスムーズに導入できるように構成している。この中空軸42に軸受部43の内輪を固定し、外輪をブラシホルダー28の端部に固定したキャップ44により支持している。
【0031】
ここで、中空軸42をアルミニウム合金、炭素鋼(S45C)などの金属で構成した場合は、後述する緩衝部材54を絶縁材で形成し、中空軸42の少なくともブラシホルダー28からの外部露出部分を緩衝部材54で覆うように構成している。
【0032】
ギヤ32は、ポリアセタール、ポリアミドなどの工業用プラスチックで構成し、図3に示すように、ブラシホルダー28の内面部に形成したギヤ部45と噛み合い、ギヤ32とギヤ部45とで、動力伝達装置を構成している。ギヤ32の減速装置31の出力軸38と嵌合する孔部46は、炭素鋼(S45C)、ステンレス鋼、焼結合金などで構成し、減速装置31の出力軸38と孔部46は樹脂で覆うように構成している。ギヤ部45と噛み合う部分に、ゴム、エラストマーなどで形成した緩衝材47を介在させ、ゴム、エラストマーなどの弾力性により、歯形相互間で噛み合い音を緩衝させている。
【0033】
ここで、ギヤ部45は、ブラシホルダー28の軸方向における略中央部の内面部に形成し、ギヤ32をブラシホルダー28の軸方向における略中央部でブラシホルダー28と連結させている。ギヤ部45の外側に冷却風の通路孔48を設けており、この通路孔48は、中空軸42から電動機30、減速装置31および軸受支持部41の外側を通るよう形成した冷却風通路49に連通するとともに、ブラシホルダー28に設けた通気孔50に連通している。
【0034】
電動機30には、整流子30a側に冷却風を導入する開口部30b、30cと、冷却風を排出する開口部30dとを設け、冷却風通路49からバイパスして開口部30b、30cより、すなわち、電動機用基板33側で、整流子30a側より冷却風を通過させるように構成している。
【0035】
通気孔50はブラシホルダー28の外周面であって、連結体21に対向する位置に設け、ブラシホルダー28の内面に防塵フィルター51を設け、通気孔50からブラシホルダー28の内部に塵埃が入るのを防止している。ギヤ部45と通気孔50との間に隔壁52をブラシホルダー28に一体に設け、通気孔50側から減速装置31側に塵埃が入るのを防止するとともに、減速装置31より発生する騒音、またはギヤ32とギヤ部45との噛み合わせによる騒音が通気孔50から洩れるのを防止している。
【0036】
吸込具本体18の両側端の内側には、回転ブラシ19を保持する保持部53を形成し、この保持部53に緩衝部材54を介在させて回転ブラシ19の端部を保持している。この緩衝部材54は、ゴム、エラストマーなどの弾力性が優れた材料で形成し、回転ブラシ19の回転による振動、びびりを吸収し、吸込具本体18へ伝えにくくしている。
【0037】
また、吸込具本体18の中空軸42に対向する側面に吸気孔55を設け、この吸気孔55と中空軸42の端面との間にフィルター56を介在させている。圧力センサ(圧力検知手段)57は、掃除機本体22の吸い込み圧力を検知するもので、連結体21の近傍に設け、この圧力センサ57の出力に応じて電動機30への通電を制御するように構成している。
【0038】
上記構成において動作を説明すると、吸込具本体18と掃除機本体22に通電すると、回転ブラシ19に内蔵した電動機30が回転し、減速装置31によって減速され、回転トルクが増大されて回転ブラシ19に回転駆動する。回転ブラシ19の回転により、ブラシホルダー28の外周面に設けたブラシ29により絨毯などに付着した塵埃を掻き上げとともに、掻き上げた塵埃は延長管20、ホース26を介して掃除機本体22に吸引される。
【0039】
ここで、回転ブラシ19は電動機を内蔵することによって、従来に比べて、その直径が大きくなるが、直径が大きくなると、回転数を従来と同じとしたとき、塵埃掻き上げ部の周速が速まり、被掃除面からの塵埃の掻き上げ性能を向上することができる。
【0040】
このとき、吸込具本体18と床面で囲まれた空間に負圧がかかり、吸込具本体18の外周より外気が流入し、この気流により床面上の塵埃も連結体21を通して一緒に吸い込まれていく。そして、連結体21に対向して設けた通気孔50を通して、回転ブラシ19内部の通気孔50の近傍にも負圧が働くため、外気が吸気孔55より中空軸42の中空部を通って回転ブラシ19の内部に流入する。
【0041】
この流入した外気により、電動機30および減速装置31の外側を通る冷却風通路49、ギヤ部45の外側に設けた通路孔48を通り、防塵フィルター51を介して通気孔50から流出する冷却風が生じ、電動機30、電動機用基板33などを冷却する。
【0042】
一方、吸込具本体19に通電して電動機30を回転させ、回転ブラシ19を回転させると、ブラシホルダー28の外周面に設けたブラシ29により絨毯などに付着した塵埃を掻き出すが、このとき、ブラシ29が絨毯などに摺動することにより静電気を発生する。
【0043】
本実施例では、ギヤ32およびギヤ部45と通気孔50との間にブラシホルダー28に隔壁52を一体に設けており、例え隔壁52を設けていなくても、ギヤ32およびギヤ部45を合成樹脂により形成しているため、回転ブラシ19が絨毯などに摺動することにより発生した静電気が電動機30に放電することがなく、静電気の放電による不具合をなくすることができ、安全性を向上することができる。
【0044】
ギヤ32は、通気孔50側の端面を合成樹脂で覆うように構成しているので、ギヤ32に連結した入力側の軸が金属であっても、通気孔50側の端面を合成樹脂で覆うことによって、回転ブラシ19が絨毯などに摺動することにより発生した静電気が電動機に放電することがなく、静電気の放電による不具合をなくすることができ、安全性を向上することができる。
【0045】
また、中空軸42を工業用プラスチックで構成するか、またはアルミニウム合金、炭素鋼(S45C)などの金属で構成した場合は、緩衝部材54を絶縁材で形成し、中空軸42の少なくともブラシホルダー28からの外部露出部分を緩衝部材54で覆うように構成しているので、回転ブラシ19が絨毯などに摺動することにより発生した静電気が中空軸42を通して電動機30に放電することがなく、静電気の放電による不具合をなくすることができ、安全性を向上することができる。
【0046】
また、電動機30は、電動機用基板33側から冷却風を通過させるよう構成したので、電動機用基板33は電動機の温度上昇の影響を受けることがなく、温度が上昇しないため、誤動作、故障を起こすことがなく、信頼性を向上することができ、また、整流子30a側から冷却風を通過させるよう構成したので、整流子30aは電動機30の温度上昇の影響を受けることがなく、温度が上昇しないため、確実に整流作用を行うことができ、信頼性を向上することができる。
【0047】
また、電動機30の過電流を防止する過電流防止装置35を備えているので、電動機30に過電流が流れた場合は、過電流防止装置35を動作させて、安全性を確保することができ、さらに、圧力センサ57の出力に応じて電動機30への通電を制御するよう構成しているので、圧力センサ57により検知した吸い込み圧力が低下した場合は、電動機30の回転数を低下または停止することにより吸い込み異常時の電動機30の安全性を確保することができる。
【0048】
なお、上記実施例では、電動機30の過電流を防止する過電流防止装置35を備えているが、電動機30の温度過昇を防止する温度過昇防止装置を備えることにより、電動機30の温度が異常に上昇した場合は、温度過昇防止装置を動作させて、安全性を確保することができる。
【0049】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1に記載の発明によれば、下面に吸込口を開口させた吸込具本体と、前記吸込口に臨むように前記吸込具本体内に回転自在に設けた回転ブラシとを備え、前記回転ブラシは、外周面に塵埃掻き上げ部を設けた略筒状のブラシホルダーと、前記回転ブラシを回転駆動する電動機と、前記電動機を保持し回転ブラシを軸支する中空軸とを有し、前記電動機および中空軸を前記ブラシホルダーの内部に設け、前記中空軸の少なくとも前記ブラシホルダーからの外部露出部分を絶縁材で形成または覆うように構成したから、回転ブラシが絨毯などに摺動することにより発生した静電気が中空軸を通して電動機に放電することがなく、静電気の放電による不具合をなくすることができ、安全性を向上することができる。
【0050】
また、請求項2に記載の発明によれば、電動機に電気的に接続された電動機用基板側から冷却風を通過させるよう構成したから、電動機用基板は電動機の温度上昇の影響を受けることがなく、温度が上昇しないため、誤動作、故障を起こすことがなく、信頼性を向上することができる。
【0051】
また、請求項3に記載の発明によれば、電動機は、整流子電動機で構成し、整流子側から冷却風を通過させるよう構成したから、整流子は電動機の温度上昇の影響を受けることがなく、温度が上昇しないため、確実に整流作用を行うことができ、信頼性を向上することができる。
【0052】
また、請求項4に記載の発明によれば、電動機の温度過昇を防止する温度過昇防止装置を備えたから、電動機の温度が異常に上昇した場合は、温度過昇防止装置を動作させて、安全性を確保することができる。
【0053】
また、請求項5に記載の発明によれば、電動機の過電流を防止する過電流防止装置を備えたから、電動機に過電流が流れた場合は、過電流防止装置を動作させて、安全性を確保することができる。
【0054】
また、請求項6に記載の発明によれば、吸い込み圧力を検知する圧力検知手段を配設し、前記圧力検知手段の出力に応じて電動機への通電を制御するよう構成したから、圧力検知手段により検知した吸い込み圧力が低下した場合は、電動機の回転数を低下または停止することにより吸い込み異常時の電動機の安全性を確保することができる。
【0055】
また、請求項7に記載の発明によれば、内部に塵挨を集塵する集塵室と電動送風機を備えた電気掃除機本体に、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気掃除機用吸込具と連通するように接続される接続口を備えたから、電動機を回転させて、回転ブラシを回転させたとき、ブラシホルダーの端面より吸気し、外周面に形成した通気孔より排気する経路で電動機を冷却することができるので、電動機の温度上昇を低減することができ、また、通気孔と電動機との間に位置する動力伝達装置を合成樹脂により形成しているため、回転ブラシが絨毯などに摺動することにより発生した静電気が電動機に放電することがなく、静電気の放電による不具合をなくすることができ、安全性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の一実施例の電気掃除機用吸込具の断面図
【図2】
同電気掃除機用吸込具の要部分解斜視図
【図3】
図1のA−A線拡大断面図
【図4】
同電気掃除機用吸込具を備えた電気掃除機の斜視図
【図5】
従来の電気掃除機用吸込具の断面図
【符号の説明】
18 吸込具本体
19 回転ブラシ
27 吸込口
28 ブラシホルダー
29 ブラシ(塵埃掻き上げ部)
30 電動機
32 ギヤ(動力伝達装置)
45 ギヤ部(動力伝達装置)
50 通気孔
【発明の名称】 電気掃除機用吸込具並びに電気掃除機
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下面に吸込口を開口させた吸込具本体と、前記吸込口に臨むように前記吸込具本体内に回転自在に設けた回転ブラシとを備え、前記回転ブラシは、外周面に塵埃掻き上げ部を設けた略筒状のブラシホルダーと、前記回転ブラシを回転駆動する電動機と、前記電動機を保持し前記回転ブラシを軸支する中空軸とを有し、前記電動機および前記中空軸を前記ブラシホルダーの内部に設け、前記中空軸の少なくとも前記ブラシホルダーからの外部露出部分を絶縁材で形成または覆うように構成した電気掃除機用吸込具。
【請求項2】 電動機に電気的に接続された電動機用基板を設け、前記電動機用基板側から冷却風を通過させるよう構成した請求項1記載の電気掃除機用吸込具。
【請求項3】 電動機は、整流子電動機で構成し、整流子側から冷却風を通過させるよう構成した請求項1または2記載の電気掃除機用吸込具。
【請求項4】 電動機の温度過昇を防止する温度過昇防止装置を備えた請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気掃除機用吸込具。
【請求項5】 電動機の過電流を防止する過電流防止装置を備えた請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気掃除機用吸込具。
【請求項6】 吸い込み圧力を検知する圧力検知手段を配設し、前記圧力検知手段の出力に応じて電動機への通電を制御するよう構成した請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気掃除機用吸込具。
【請求項7】 内部に塵挨を集塵する集塵室と電動送風機を備えた電気掃除機本体に、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気掃除機用吸込具と連通するように接続される接続口を備えた電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動機によって回転される回転ブラシを具備した電気掃除機用吸込具並びにこの電気掃除機用吸込具に接続する電気掃除機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電気掃除機用吸込具は、図5に示すように構成していた。以下、その構成について説明する。
【0003】
図に示すように、吸込具本体1は、絨毯などの被掃除面に付着した塵埃を遊離させる回転ブラシ2を内蔵し、底面に吸込口を設け、後部に掃除機本体(図示せず)と連通される接続パイプ3を回転自在に具備している。回転ブラシ2の外周面にブラシ毛4を植毛し、内部に回転ブラシ2の駆動源である電動機5と、この電動機5の軸に装着し、回転を減速して回転ブラシ2に伝達する遊星歯車6と、この電動機5と遊星歯車6の間に配設した支持部材7とを内蔵している。
【0004】
この支持部材7は複数のねじ8により電動機5に固定され、電動機5と当接する端面には、電動機5に設けた冷却孔からの換気をよくして放熱性を向上する溝9を形成し、他方の端面は遊星歯車6の内輪10に嵌合するとともに、遊星歯車6の表面をカバーしている。また、回転ブラシ2の内周面には、キー溝(図示せず)を設け、このキー溝に遊星歯車6の外輪に突設した凸部(図示せず)を嵌合するとともに、凹部を軸方向に設けて冷却気流の流路を形成している。回転ブラシ2の両端の開口部には軸受11を具備した蓋12を装着している。
【0005】
固定軸13は中空に形成し、一端を回転ブラシ2の側方に突出させ、軸受11を介して回転ブラシ2を回転自在に支持するとともに、電動機5に接続するリード線を中空部に通し、他端は円筒状に形成して回転ブラシ2の内部に配設し、電動機5の外周を支持している。固定カバー14は回転ブラシ2の両端に装着し、回転ブラシ2や軸受11の内部に塵埃が侵入しないようにしている。
【0006】
回転ブラシ2はこの固定カバー14と固定軸13を介して、吸込具本体1に支持され、接続パイプ3の吸気口15と対向する回転ブラシ2の略中央部には、回転ブラシ2の内部と外部を連通する複数の通気孔16を形成している。洩らし穴17は固定軸13の中空部を介して、回転ブラシ2の内部に電動機を冷却する外気を連通させるもので、吸込具本体1の側面に形成している。
【0007】
上記構成において動作を説明すると、吸込具本体1と掃除機本体に通電すると電動機5が回転し、遊星歯車6によって減速されながら回転トルクが増大されて回転ブラシ2に伝達され、ブラシ毛4により絨毯などに付着した塵埃を掻き出すとともに、掻き出された塵埃は掃除機本体に吸引される。このとき、電動機5によって回転されるのは、遊星歯車6と回転ブラシ2と蓋12と軸受11の外輪のみで、電動機5と固定軸13と固定カバー14とリード線は、吸込具本体1に固定保持されている。
【0008】
また、掃除機本体を運転すると、吸込具本体1と床面で囲まれた空間に負圧がかかり、吸込具本体1の外周より外気が流入して接続パイプ3の吸気口15に流れ込み、この気流により床面上の塵埃も一緒に吸気口15へ吸い込まれていく。
【0009】
このとき、吸気口15と対向して設けた通気孔16を通じて回転ブラシ2内部の通気孔16近傍にも負圧が働くため、中空の固定軸13と洩らし穴17を介して吸込具本体1の外部と連通された回転ブラシ2内の側方部との間に圧力差が生じ、外気が洩らし穴17より固定軸13の中空部を通って回転ブラシ2の内部に流入し、回転ブラシ2の電動機5の周囲に設けた凹部2aを通過して通気孔16に向かって流れ、回転ブラシ2の内部よりさらに気圧が低い吸気口15に向かって通気孔16より流出する気流が生じる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の構成では、吸込具本体1の底面の吸込口を床面に押圧して掃除機本体を運転すると、吸込具本体1と床面で囲まれた空間に負圧がかかり、回転ブラシ2内部の通気孔16近傍にも負圧が働くため、中空の固定軸13と洩らし穴17を介して吸込具本体1の外部と連通された回転ブラシ2内の側方部との間に圧力差が生じ、外気が洩らし穴17より固定軸13の中空部を通って回転ブラシ2の内部に流入し、電動機5の周囲を通過して通気孔16に向かって流れ、電動機5を冷却することができて、温度上昇を低減することができる。
【0011】
一方、吸込具本体1に通電して電動機5を回転させ、回転ブラシ2を回転させると、ブラシ毛4により絨毯などに付着した塵埃を掻き出すが、このとき、ブラシ毛4が絨毯などに摺動することにより静電気を発生する。電動機5は商用電源に接続しているため、発生した静電気は通気孔16を通して回転ブラシ2の内部に侵入し、電動機5に放電する。
【0012】
電動機5は、商用電源電圧を整流する整流器、雑音防止器などを実装した電動機用基板(図示せず)が電気的に接続されており、静電気の放電によって電動機用基板が電気的に破壊され、電動機5が動作できなくなるという問題を有していた。
【0013】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、電動機を冷却して温度上昇を低減するとともに、電動機を回転させて回転ブラシを回転させたとき発生する静電気の放電による不具合をなくし、安全性を向上することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、吸込具本体の下面に開口させた吸込口に臨むように、吸込具本体内に回転ブラシを回転自在に設け、この回転ブラシは、外周面に塵埃掻き上げ部を設けた略筒状のブラシホルダーの内部に、回転ブラシを回転駆動する電動機と、電動機を保持し回転ブラシを軸支する中空軸とを設け、中空軸の少なくともブラシホルダーからの外部露出部分を絶縁材で形成または覆うように構成したもので、回転ブラシが絨毯などに摺動することにより発生した静電気が中空軸を通して電動機に放電することがなく、静電気の放電による不具合をなくすることができ、安全性を向上することができる。
【0015】
また、内部に塵埃を集塵する集塵室と電動送風機を備えた電気掃除機本体に、上記電気掃除機用吸込具と連通するように接続される接続口を備えたもので、電動機を冷却して温度上昇を低減することができるとともに、電動機を回転させて回転ブラシを回転させたとき発生する静電気による不具合をなくし、安全性を向上することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、下面に吸込口を開口させた吸込具本体と、前記吸込口に臨むように前記吸込具本体内に回転自在に設けた回転ブラシとを備え、前記回転ブラシは、外周面に塵埃掻き上げ部を設けた略筒状のブラシホルダーと、前記回転ブラシを回転駆動する電動機と、前記電動機を保持し回転ブラシを軸支する中空軸とを有し、前記電動機および中空軸を前記ブラシホルダーの内部に設け、前記中空軸の少なくとも前記ブラシホルダーからの外部露出部分を絶縁材で形成または覆うように構成したもので、回転ブラシが絨毯などに摺動することにより発生した静電気が中空軸を通して電動機に放電することがなく、静電気の放電による不具合をなくすることができ、安全性を向上することができる。
【0017】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、電動機に電気的に接続された電動機用基板を設け、前記電動機用基板側から冷却風を通過させるよう構成したもので、電動機用基板は電動機の温度上昇の影響を受けることがなく、温度が上昇しないため、誤動作、故障を起こすことがなく、信頼性を向上することができる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、上記請求項1または2に記載の発明において、電動機は、整流子電動機で構成し、整流子側から冷却風を通過させるよう構成したもので、整流子は電動機の温度上昇の影響を受けることがなく、温度が上昇しないため、確実に整流作用を行うことができ、信頼性を向上することができる。
【0019】
請求項4に記載の発明は、上記請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明において、電動機の温度過昇を防止する温度過昇防止装置を備えたもので、電動機の温度が異常に上昇した場合は、温度過昇防止装置を動作させて、安全性を確保することができる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、上記請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明において、電動機の過電流を防止する過電流防止装置を備えたもので、電動機に過電流が流れた場合は、過電流防止装置を動作させて、安全性を確保することができる。
【0021】
請求項6に記載の発明は、上記請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明において、吸い込み圧力を検知する圧力検知手段を配設し、前記圧力検知手段の出力に応じて電動機への通電を制御するよう構成したもので、圧力検知手段により検知した吸い込み圧力が低下した場合は、電動機の回転数を低下または停止することにより吸い込み異常時の電動機の安全性を確保することができる。
【0022】
請求項7に記載の発明は、内部に塵挨を集塵する集塵室と電動送風機を備えた電気掃除機本体に、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気掃除機用吸込具と連通するように接続される接続口を備えたもので、電動機を回転させて、回転ブラシを回転させたとき、ブラシホルダーの端面より吸気し、外周面に形成した通気孔より排気する経路で電動機を冷却することができるので、電動機の温度上昇を低減することができ、また、通気孔と電動機との間に位置する動力伝達装置を合成樹脂により形成しているため、回転ブラシが絨毯などに摺動することにより発生した静電気が電動機に放電することがなく、静電気の放電による不具合をなくすることができ、安全性を向上することができる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0024】
図4に示すように、吸込具本体18は絨毯などの被掃除面に付着した塵埃を遊離させる回転ブラシ19(図1参照)を内蔵し、後部に延長管20と接続される連結体21を回転自在に設けている。掃除機本体22は、内部に塵埃を集塵する集塵室23と電動送風機24を備えており、この掃除機本体22に設けた接続口25に、延長管20に接続したホース26を接続し、吸込具本体18の連結体21を接続口25に連通するように構成している。
【0025】
回転ブラシ19は、図1に示すように、吸込具本体18の下面に開口した吸込口27に臨むように、吸込具本体18内に回転自在に設けている。この回転ブラシ19は、ABS、ポリスチロール、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂で形成した略筒状のブラシホルダー28の外周面に塵埃掻き上げ部を構成する複数のブラシ29を設けている。
【0026】
なお、塵埃掻き上げ部は、ブラシ29の他、薄板状のブレード、拭き効果のある帯状体(例えば、布製の帯状体)、これらを適宜組合せたものであってもよい。
【0027】
このブラシホルダー28の内部に、図2に示すように、回転ブラシ19を回転駆動する電動機30、電動機30の回転数を減速する減速装置31、減速装置31の出力をブラシホルダー28に伝達するギヤ32などを内蔵している。ここで、回転ブラシ19は、電動機30、減速装置31などを内蔵するとともに、電動機30のトルクと、外周面のブラシ29の先端での塵埃の掻き上げ性能から、その直径を26mm〜43mmとしている。
【0028】
電動機30は整流子電動機で構成し、商用電源電圧を整流する整流器、雑音防止器などを実装した電動機用基板33を設け、この電動機用基板33に連結体21を通して掃除機本体22に接続したリード線34を接続し、商用電源電圧を整流した電圧により駆動するように構成している。ここで、電動機30の回転数は、減速装置31を介してブラシホルダー28に回転が伝えられるため、3000rpm〜15000rpmに設定している。絨毯を掃除するときは、3000rpm〜12000rpmが好ましい。過電流防止装置35は正特性サーミスタなどで構成し、電動機30に過電流が流れるのを防止している。
【0029】
減速装置31は遊星歯車により構成して電動機30の出力軸36を連結し、電動機30の回転数を減速する。ここで、減速装置31の減速比は、1/3〜1/9(好ましくは、1/5〜1/7)としている。遮音筒37は、減速装置31の外周を覆って遮音するもので、アルミニウムダイカスト、またはプラスチック成型により形成している。この遮音筒37を介して電動機30に保持固定し、電動機30と減速装置31とを一体に構成し、出力軸38にギヤ32を嵌合している。軸受部39は電動機30と一体に構成した減速装置31をブラシホルダー28に支持するもので、内輪を減速装置31の径小部40に固定し、外輪をブラシホルダー28の内面部に形成した軸受支持部41により支持している。
【0030】
電動機30の整流子30a側には、内径を中空とし減速装置31と一体に構成した電動機30を軸支する中空軸42を固定している。この中空軸42は、アルミニウム合金、炭素鋼(S45C)、工業用プラスチックなどの変形しにくい材料で形成し、内径を13mmとして冷却風をスムーズに導入できるように構成している。この中空軸42に軸受部43の内輪を固定し、外輪をブラシホルダー28の端部に固定したキャップ44により支持している。
【0031】
ここで、中空軸42をアルミニウム合金、炭素鋼(S45C)などの金属で構成した場合は、後述する緩衝部材54を絶縁材で形成し、中空軸42の少なくともブラシホルダー28からの外部露出部分を緩衝部材54で覆うように構成している。
【0032】
ギヤ32は、ポリアセタール、ポリアミドなどの工業用プラスチックで構成し、図3に示すように、ブラシホルダー28の内面部に形成したギヤ部45と噛み合い、ギヤ32とギヤ部45とで、動力伝達装置を構成している。ギヤ32の減速装置31の出力軸38と嵌合する孔部46は、炭素鋼(S45C)、ステンレス鋼、焼結合金などで構成し、減速装置31の出力軸38と孔部46は樹脂で覆うように構成している。ギヤ部45と噛み合う部分に、ゴム、エラストマーなどで形成した緩衝材47を介在させ、ゴム、エラストマーなどの弾力性により、歯形相互間で噛み合い音を緩衝させている。
【0033】
ここで、ギヤ部45は、ブラシホルダー28の軸方向における略中央部の内面部に形成し、ギヤ32をブラシホルダー28の軸方向における略中央部でブラシホルダー28と連結させている。ギヤ部45の外側に冷却風の通路孔48を設けており、この通路孔48は、中空軸42から電動機30、減速装置31および軸受支持部41の外側を通るよう形成した冷却風通路49に連通するとともに、ブラシホルダー28に設けた通気孔50に連通している。
【0034】
電動機30には、整流子30a側に冷却風を導入する開口部30b、30cと、冷却風を排出する開口部30dとを設け、冷却風通路49からバイパスして開口部30b、30cより、すなわち、電動機用基板33側で、整流子30a側より冷却風を通過させるように構成している。
【0035】
通気孔50はブラシホルダー28の外周面であって、連結体21に対向する位置に設け、ブラシホルダー28の内面に防塵フィルター51を設け、通気孔50からブラシホルダー28の内部に塵埃が入るのを防止している。ギヤ部45と通気孔50との間に隔壁52をブラシホルダー28に一体に設け、通気孔50側から減速装置31側に塵埃が入るのを防止するとともに、減速装置31より発生する騒音、またはギヤ32とギヤ部45との噛み合わせによる騒音が通気孔50から洩れるのを防止している。
【0036】
吸込具本体18の両側端の内側には、回転ブラシ19を保持する保持部53を形成し、この保持部53に緩衝部材54を介在させて回転ブラシ19の端部を保持している。この緩衝部材54は、ゴム、エラストマーなどの弾力性が優れた材料で形成し、回転ブラシ19の回転による振動、びびりを吸収し、吸込具本体18へ伝えにくくしている。
【0037】
また、吸込具本体18の中空軸42に対向する側面に吸気孔55を設け、この吸気孔55と中空軸42の端面との間にフィルター56を介在させている。圧力センサ(圧力検知手段)57は、掃除機本体22の吸い込み圧力を検知するもので、連結体21の近傍に設け、この圧力センサ57の出力に応じて電動機30への通電を制御するように構成している。
【0038】
上記構成において動作を説明すると、吸込具本体18と掃除機本体22に通電すると、回転ブラシ19に内蔵した電動機30が回転し、減速装置31によって減速され、回転トルクが増大されて回転ブラシ19に回転駆動する。回転ブラシ19の回転により、ブラシホルダー28の外周面に設けたブラシ29により絨毯などに付着した塵埃を掻き上げとともに、掻き上げた塵埃は延長管20、ホース26を介して掃除機本体22に吸引される。
【0039】
ここで、回転ブラシ19は電動機を内蔵することによって、従来に比べて、その直径が大きくなるが、直径が大きくなると、回転数を従来と同じとしたとき、塵埃掻き上げ部の周速が速まり、被掃除面からの塵埃の掻き上げ性能を向上することができる。
【0040】
このとき、吸込具本体18と床面で囲まれた空間に負圧がかかり、吸込具本体18の外周より外気が流入し、この気流により床面上の塵埃も連結体21を通して一緒に吸い込まれていく。そして、連結体21に対向して設けた通気孔50を通して、回転ブラシ19内部の通気孔50の近傍にも負圧が働くため、外気が吸気孔55より中空軸42の中空部を通って回転ブラシ19の内部に流入する。
【0041】
この流入した外気により、電動機30および減速装置31の外側を通る冷却風通路49、ギヤ部45の外側に設けた通路孔48を通り、防塵フィルター51を介して通気孔50から流出する冷却風が生じ、電動機30、電動機用基板33などを冷却する。
【0042】
一方、吸込具本体19に通電して電動機30を回転させ、回転ブラシ19を回転させると、ブラシホルダー28の外周面に設けたブラシ29により絨毯などに付着した塵埃を掻き出すが、このとき、ブラシ29が絨毯などに摺動することにより静電気を発生する。
【0043】
本実施例では、ギヤ32およびギヤ部45と通気孔50との間にブラシホルダー28に隔壁52を一体に設けており、例え隔壁52を設けていなくても、ギヤ32およびギヤ部45を合成樹脂により形成しているため、回転ブラシ19が絨毯などに摺動することにより発生した静電気が電動機30に放電することがなく、静電気の放電による不具合をなくすることができ、安全性を向上することができる。
【0044】
ギヤ32は、通気孔50側の端面を合成樹脂で覆うように構成しているので、ギヤ32に連結した入力側の軸が金属であっても、通気孔50側の端面を合成樹脂で覆うことによって、回転ブラシ19が絨毯などに摺動することにより発生した静電気が電動機に放電することがなく、静電気の放電による不具合をなくすることができ、安全性を向上することができる。
【0045】
また、中空軸42を工業用プラスチックで構成するか、またはアルミニウム合金、炭素鋼(S45C)などの金属で構成した場合は、緩衝部材54を絶縁材で形成し、中空軸42の少なくともブラシホルダー28からの外部露出部分を緩衝部材54で覆うように構成しているので、回転ブラシ19が絨毯などに摺動することにより発生した静電気が中空軸42を通して電動機30に放電することがなく、静電気の放電による不具合をなくすることができ、安全性を向上することができる。
【0046】
また、電動機30は、電動機用基板33側から冷却風を通過させるよう構成したので、電動機用基板33は電動機の温度上昇の影響を受けることがなく、温度が上昇しないため、誤動作、故障を起こすことがなく、信頼性を向上することができ、また、整流子30a側から冷却風を通過させるよう構成したので、整流子30aは電動機30の温度上昇の影響を受けることがなく、温度が上昇しないため、確実に整流作用を行うことができ、信頼性を向上することができる。
【0047】
また、電動機30の過電流を防止する過電流防止装置35を備えているので、電動機30に過電流が流れた場合は、過電流防止装置35を動作させて、安全性を確保することができ、さらに、圧力センサ57の出力に応じて電動機30への通電を制御するよう構成しているので、圧力センサ57により検知した吸い込み圧力が低下した場合は、電動機30の回転数を低下または停止することにより吸い込み異常時の電動機30の安全性を確保することができる。
【0048】
なお、上記実施例では、電動機30の過電流を防止する過電流防止装置35を備えているが、電動機30の温度過昇を防止する温度過昇防止装置を備えることにより、電動機30の温度が異常に上昇した場合は、温度過昇防止装置を動作させて、安全性を確保することができる。
【0049】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1に記載の発明によれば、下面に吸込口を開口させた吸込具本体と、前記吸込口に臨むように前記吸込具本体内に回転自在に設けた回転ブラシとを備え、前記回転ブラシは、外周面に塵埃掻き上げ部を設けた略筒状のブラシホルダーと、前記回転ブラシを回転駆動する電動機と、前記電動機を保持し回転ブラシを軸支する中空軸とを有し、前記電動機および中空軸を前記ブラシホルダーの内部に設け、前記中空軸の少なくとも前記ブラシホルダーからの外部露出部分を絶縁材で形成または覆うように構成したから、回転ブラシが絨毯などに摺動することにより発生した静電気が中空軸を通して電動機に放電することがなく、静電気の放電による不具合をなくすることができ、安全性を向上することができる。
【0050】
また、請求項2に記載の発明によれば、電動機に電気的に接続された電動機用基板側から冷却風を通過させるよう構成したから、電動機用基板は電動機の温度上昇の影響を受けることがなく、温度が上昇しないため、誤動作、故障を起こすことがなく、信頼性を向上することができる。
【0051】
また、請求項3に記載の発明によれば、電動機は、整流子電動機で構成し、整流子側から冷却風を通過させるよう構成したから、整流子は電動機の温度上昇の影響を受けることがなく、温度が上昇しないため、確実に整流作用を行うことができ、信頼性を向上することができる。
【0052】
また、請求項4に記載の発明によれば、電動機の温度過昇を防止する温度過昇防止装置を備えたから、電動機の温度が異常に上昇した場合は、温度過昇防止装置を動作させて、安全性を確保することができる。
【0053】
また、請求項5に記載の発明によれば、電動機の過電流を防止する過電流防止装置を備えたから、電動機に過電流が流れた場合は、過電流防止装置を動作させて、安全性を確保することができる。
【0054】
また、請求項6に記載の発明によれば、吸い込み圧力を検知する圧力検知手段を配設し、前記圧力検知手段の出力に応じて電動機への通電を制御するよう構成したから、圧力検知手段により検知した吸い込み圧力が低下した場合は、電動機の回転数を低下または停止することにより吸い込み異常時の電動機の安全性を確保することができる。
【0055】
また、請求項7に記載の発明によれば、内部に塵挨を集塵する集塵室と電動送風機を備えた電気掃除機本体に、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気掃除機用吸込具と連通するように接続される接続口を備えたから、電動機を回転させて、回転ブラシを回転させたとき、ブラシホルダーの端面より吸気し、外周面に形成した通気孔より排気する経路で電動機を冷却することができるので、電動機の温度上昇を低減することができ、また、通気孔と電動機との間に位置する動力伝達装置を合成樹脂により形成しているため、回転ブラシが絨毯などに摺動することにより発生した静電気が電動機に放電することがなく、静電気の放電による不具合をなくすることができ、安全性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の一実施例の電気掃除機用吸込具の断面図
【図2】
同電気掃除機用吸込具の要部分解斜視図
【図3】
図1のA−A線拡大断面図
【図4】
同電気掃除機用吸込具を備えた電気掃除機の斜視図
【図5】
従来の電気掃除機用吸込具の断面図
【符号の説明】
18 吸込具本体
19 回転ブラシ
27 吸込口
28 ブラシホルダー
29 ブラシ(塵埃掻き上げ部)
30 電動機
32 ギヤ(動力伝達装置)
45 ギヤ部(動力伝達装置)
50 通気孔
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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1999
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