JP2000246460A - セラミック摺動部品 - Google Patents
セラミック摺動部品Info
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Abstract
とにより、苛酷な使用条件下でもクラウニング付与によ
る十分な片当り防止効果が達成され、また、セラミック
体の耐疲労性能に優れたセラミック摺動部品を提供す
る。 【解決手段】 タペット1のセラミック板4の摺動端面
4aに、クラウニングを施す。室温にて測定したクラウ
ニング高さH(μm)が、摺動側端面の外径をD(m
m)として、H+0.2D<3Dの関係を満足するよう
に調整される。また、中心軸線方向において金属体側か
らセラミック体側に向かう方向を前方側とし、摺動側端
面外縁の最も前方側に位置する点をA、同じく最も後方
側に位置する点をBとして、中心軸線と直交して点Aを
通る平面と、同じく点Bを通る平面との間の距離F(μ
m)により、摺動側端面の直角度を定義したときに、H
−0.5D>0.5Fとなるように、クラウニング高さ
Hが調整される。
Description
ト、ロッカーアーム、バルブブリッジ等の動弁系摺動部
品や、エンジン駆動系を利用して作動する油圧回路のピ
ストン等に適したセラミック摺動部品に関する。
摺動部品は、片当たりによる偏磨耗等の防止を目的とし
て摺動時に部品に回転を生じさせるために、摺動面に凸
形のクラウニングを形成することが多い。本発明者ら
も、例えば特開昭63−225728号公報等におい
て、摺動面に接合母材(具体的には、鋼等の金属体であ
る)よりも熱膨張率の小さい耐摩耗部品(具体的には窒
化珪素等のセラミック体である)を加熱接合し、熱膨張
差により摺動面にクラウニング形状を形成する方法を開
示している。この方法によれば、研磨等の機械加工を用
いることなくクラウニング形状を形成することができ、
ひいては、摺動時の片当たりを防止できる摺動部品を低
コストで提供できる利点を有する。
能化、高速化が進むにつれ、上記接合体にて構成される
タペット等の摺動部品の使用環境はますます厳しくなっ
てきており、より耐久性に優れた接合体が求められてい
る。そして、本発明者らの検討によると、金属体とセラ
ミック体との接合時の熱膨張差によりクラウニングを施
した摺動部品の場合、上記のような非常に過酷な条件下
での使用が前提になると、製品ロット中のクラウニング
プロファイルのばらつき等に起因して、必ずしも十分な
片当り防止効果が発揮されなかったり、あるいはセラミ
ック体の耐久性能が損なわれるなどの不具合が発生しや
すいことが判明した。
条件にて制御することにより、苛酷な使用条件下でもク
ラウニング付与による十分な片当り防止効果が達成さ
れ、また、セラミック体の耐疲労性能に優れたセラミッ
ク摺動部品を提供することにある。
は、2つのセラミック摺動部品の態様を含むが、それら
は以下のような共通の構成要件を有する。すなわち、金
属体とセラミック体とが、中心軸線同士がほぼ一致する
形態で接合された構造を有し、そのセラミック体の前記
金属体に接合されているのとは反対側の端面を摺動端面
としている。セラミック体の摺動端面には、その外縁を
包含する平面を端面基準面として、中心側が該端面基準
面から突出する曲面状のクラウニングが形成される。
の第一の構成(請求項1)は、室温にて測定したクラウ
ニング高さH(μm)を、摺動端面の端面基準面からの
最大突出高さにて定義し、かつ摺動端面の外径をD(m
m)として、 H+0.2D<3D ‥‥ の関係を満足するように、クラウニング高さHが調整さ
れていることを特徴とする。
される摺動部品は、セラミック及び金属という熱膨張率
の異なる部材を接合しているため、使用温度によりクラ
ウニング量が変化する。例えば、タペット等のように使
用温度が上がりやすい摺動部材では、高温使用時を想定
したクラウニング量が、常温近傍では金属体の収縮によ
り過度に大きくなってしまうことがある。このような状
況になると、セラミック体に付加される応力が大きくな
り過ぎ、例えば高温と常温(あるいはそれ以下の低温)
との間での冷熱サイクルが頻繁に繰り返し付与される環
境下では、セラミック体の疲労による寿命低下が避けが
たくなる。また、カム等の相手材をアタックし、摩耗が
増大する恐れもある。
結果、室温(20℃)でのクラウニング高さH(μm)
を、セラミック体の摺動端面の外径D(mm)に応じ
て、上記の関係を満足するように設定することで、低
温時にクラウニングが過剰となることが効果的に抑制さ
れ、ひいては冷熱サイクル付加時のセラミック体の耐疲
労性能が飛躍的に向上することがわかり、本発明を完成
するに至ったのである。
は、例えば図4に幾分誇張して示すように、中心軸線方
向において金属体側からセラミック体側に向かう方向を
前方側とし、摺動端面外縁の最も前方側に位置する点を
A(以下、最高点Aという)、同じく最も後方側に位置
する点をB(以下、最低点Bという)として、中心軸線
と直交して点Aを通る平面P1と、同じく点Bを通る平
面P2との間の距離F(単位:μm)により、摺動端面
の直角度を定義したときに、 H−0.5D>0.5F ‥‥ となるように、クラウニング高さHが調整されているこ
とを特徴とする。
では、部品の使用温度(例えばタペットの場合、最大で
170℃程度)が上昇すると、金属体がセラミック体よ
りも大きく膨張するため、セラミック体が径方向外向き
に引っ張られてクラウニングが減少する。また、摺動端
面が、例えば製造上の要因により部品の中心軸線に対し
て傾斜していると、その傾斜の影響で有効に寄与するク
ラウニング量が目減りする(上記定義した直角度Fは、
この傾斜の度合いを定量的に示すパラメータである)。
その結果として、有効クラウニング量が高温にて十分に
確保されなかった場合、摺動面に対する相手材の片当り
が発生しやすくなり、偏摩耗等により部品の寿命が低下
する問題がある。
結果、セラミック体の摺動端面の外径D(mm)に応じ
て、室温(20℃)でのクラウニング高さH(μm)
を、直角度Fを含めて上記の関係を満足するように設
定することで、例えば200℃程度までの温度範囲であ
れば、そのような昇温された環境下でも上記片当り等の
問題が極めて生じにくく、ひいては部品寿命を大幅に向
上できることがわかり、本発明を完成するに至ったので
ある。
を同時に満たすようにクラウニング量の設定を行うこと
で、低温下ではクラウニングが過剰とならず冷熱サイク
ル等に対する耐疲労性能が向上し、かつ高温下ではクラ
ウニング不足による偏摩耗発生といった問題を防止でき
るので、熱サイクルを受けやすい環境で使用される部
品、例えばタペットをはじめとする自動車用摺動部品の
耐久性を一層良好なものとすることができる。
て、図面を参照しつつ説明する。図1は本発明のセラミ
ック摺動部品たるタペットが使用されたオーバーヘッド
バルブ機構を示している。カム100の回転によりタペ
ット1及びプッシュロッド103が上下運動し、ロッカ
アーム102を介してバルブ101を開閉させる。図2
は、タペット1の拡大図である。該タペット1は、ろう
材層3を介して、金属体(以下、タペット金具ともい
う)2とセラミック体(以下、セラミック板ともいう)
4とが接合された構造を有している。タペット金具2は
鉄系材料にて構成され、円状断面の本体部1aの一方の
端部側に、軸線方向のプッシュロッド挿通孔1cを開口
する一方、他方の端部側に本体部1aよりも大径の摺動
基体部1bが一体形成された形状をなす。他方、セラミ
ック板4は窒化珪素の焼結体として円板状に構成され、
摺動基体部1bの平坦な先端面に重ね接合されている。
また、ろう材層3を構成するろう材は、Cu系あるいは
Ag系ろう材が使用される。そして、セラミック板4
の、ろう材層3と接しているのとは反対側の端面がカム
100との摺動端面4aとされている。
やや誇張して示すように、クラウニング(中央部が突出
する小さな曲率)が施されている。このクラウニング
は、金属体2とセラミック板4とをろう付け接合して冷
却する際に、金属体2がセラミック板4よりも大きく収
縮することを利用して、セラミック板4を中央部が盛り
上がるように弾性変形させることで形成されたものであ
る。図4を援用して示すように、セラミック体4の摺動
端面4aには、その外縁を包含する平面を端面基準面と
して、中心側が該端面基準面から突出する曲面状のクラ
ウニングが形成されている。
さH(μm)を、摺動端面4aの端面基準面からの最大
突出高さにて定義し、かつ摺動端面4aの外径をD(m
m)として、 H+0.2D<3D ‥‥ の関係を満足するように、クラウニング高さHが調整さ
れている。また、中心軸線方向において金属体2側から
セラミック体4側に向かう方向を前方側とし、摺動端面
4a外縁の最も前方側に位置する点を最高点A、同じく
最も後方側に位置する点を最低点Bとして、中心軸線と
直交して点Aを通る平面と、同じく点Bを通る平面との
間の距離F(μm)により、摺動端面の直角度を定義し
たときに、 H−0.5D>0.5F ‥‥ となるように、クラウニング高さHが調整されている。
ニング量が確保されていても、温度が上がりやすい使用
環境や、頻繁な冷熱サイクルにさらされる環境下では、
有効なクラウニング量が確保できず片当りを生じたり、
逆にクラウニングが過剰となってセラミック体4に過度
の応力が作用し、寿命を縮めてしまうケースが存在す
る。しかしながら、上記のようにクラウニング高さHを
調整することで、苛酷な使用条件下でもクラウニング付
与による十分な片当り防止効果が達成され、また、セラ
ミック体の耐疲労性能も格段に改善される。
より、上記の効果が達成される理由について、主に図4
を参照しながら、さらに詳しく説明する。タペット等の
摺動部品においては、セラミック体に相手材の片当たり
が生じると極端に耐久性が低下し、セラミック体の偏磨
耗や応力集中による剥がれといった不具合を生じやすく
なる。従って、摺動面への相手材の片当たりの生じない
適切なクラウニング量が存在する。
及びセラミック体という、熱膨張の異なる部材をろう材
層を介して接合する形で構成されているため、製品温度
によりクラウニング量が変化する特徴がある。具体的に
は、温度が上昇すればクラウニングが減少し、下降すれ
ばクラウニングは増加するのであるが、本発明者らが検
討した結果によると、クラウニング量Hをタペット径D
を基準に標準化した場合、その標準化したクラウニング
量の温度依存性が、タペット形状や寸法に関係なく、ほ
ぼ同じ傾向を示すことが判明した。以下に、その根拠と
なる実験結果について示す。
NCM439を鍛造、機械研削することにより図2に示
した形状のタペット金具2を作製した。他方、Si3N
4原料100重量部に対し、Al2O3−Y2O3系焼
結助剤を10重量部と、成形バインダ5量部とを配合し
て金型プレスにて成形し、さらに脱バインダした後、N
2ガス雰囲気で1700℃にて2時間焼成して、円板状
の焼成体を得た。そして、得られた焼成体の両面を研削
してセラミック板4を作成した。一方、ろう材箔とし
て、Ag−Cu−In−Ti系ろう材(Cu:23重量
%、In:15重量%、Ti:2重量%、残部Ag、厚
さ0.05mm)を用意し、これを上記タペット金具2
とセラミック板4との間に挟み込み、真空雰囲気にて8
00℃にて30分加熱した後、炉内をN2ガス置換する
ことにより冷却してろう付け接合することにより、図2
に示す形状の各種寸法のタペット1の試験品を得た。な
お、タペット試験品は、表1の(I)〜(III)の3種類
の寸法のものを、それぞれ5個ずつ作成している。
0℃)でクラウニング量Hを測定した。図8に示すよう
に、セラミック板4の摺動端面1a表面に対し、その中
心を通る基準線上にて表面粗さ測定装置により形状プロ
ファイルを測定し、その形状プロファイル上に表れた外
縁位置M,Nを結んで端面基準面に相当する基準線を描
き、その基準線からのプロファイル曲線のふくらみ高さ
をクラウニング量Hとして求めた。
さし込み、フロン系液体中で昇温ないし冷却するととも
に、−50℃、0℃、50℃、100℃、150℃、2
00℃の各温度となったときのクラウニング量Hを、上
記と同様の方法により測定した。そして、20℃のクラ
ウニング量を基準値として、各温度で測定された該基準
値からのクラウニング変化量の平均値ΔHを各タペット
の摺動面外径Dにて標準化した値を縦軸にとり、横軸に
測定温度をとって測定結果をプロットしたグラフを図7
に示す。これを見てもわかる通り、クラウニング変化量
の温度依存性は、タペット径Dにて標準化することで、
タペット形状によらずほぼ一定の傾向を示すことがわか
る。
定結果から、実際のエンジンでのタペットの使用温度範
囲を、余裕を見て−50〜200℃と考えたとき、まず
低温側限界温度である−50℃にてクラウニング変化量
は、タペット形状によらず+0.2D(μm)程度とな
ることがわかる。すなわち、前述の式の左辺であるH
+0.2Dは、エンジン始動時等において予想される余
裕を見込んだ使用最低温度を−50℃として、その時に
見込まれるクラウニング量を表す値ということになる。
そして、後述する実験結果からも明らかな通り、このH
+0.2D(μm)を、3D(μm)未満に設定するこ
とで、実使用時のほとんどの使用最低温度にてクラウニ
ングが過剰となる不具合が効果的に回避され、ひいては
冷熱サイクル付加時のセラミック体の耐疲労性能が飛躍
的に向上する効果を達成できるのである。また、タペッ
トの製造工程において、Hを上記の範囲にて管理するこ
とで、セラミック体の耐疲労性能に関する不良発生頻度
を大幅に減少させることができる。なお、H+0.2D
は、望ましくは2.5D(μm)未満とするのがよい。
る。前述の通り、図4において、クラウニング量Hは、
セラミック体の摺動端面の外縁が作る端面基準面から
の、摺動端面の突出高さにより定量化することができ
る。摺動端面が金属体あるいはセラミック体の中心軸線
と直交している場合は、突出高さHの実質的に全てが、
相手材から受ける摺動力を摺動部品の軸線周り回転力に
変換する有効クラウニング量として寄与する形となる。
しかしながら、セラミック体と金属体との接合面の傾斜
や粗さ、あるいはろう材層厚さの分布等により、端面基
準面が部品の中心軸線に対して傾いていると、突出高さ
Hのすべてが必ずしも有効クラウニング量として寄与し
なくなる。前述の通り、直角度Fは、この傾斜の度合い
を規定するパラメータである。
を与える位置は、該端面の概ね中央付近、すなわち端面
基準面と中心軸線との交点を基準位置Gとすれば、その
Gの近傍に表れる。しかしながら、端面基準面が傾斜し
ている場合は、最低点B側において、上記定義した直角
度Fの1/2だけ摺動端面が中心軸線後方側にに沈み込
む形となる。換言すれば、この位置ではクラウニング量
Hが0.5Fだけ目減りする形になるわけである。従っ
て、全クラウニング量Hのうち、有効に機能するのはH
−0.5F(=Hef:有効クラウニング量という)のみ
ということになる。なお、図4では直角度Fやクラウニ
ング量Hを誇張して表しており、全クラウニング量は基
準位置Gからの中心軸線方向の突出高さH’を用いるの
がより正確であるようにも見えるが、実際には、FやH
の値は端面径Dと比較してはるかに小さいことから、
H’をHにより代用しても実質的な差異はほとんど生じ
ない。
る200℃でのクラウニング変化量は、タペット形状に
よらず−0.5D(μm)程度となることがわかる。す
なわち、前述の式の左辺であるH−0.5Dは、エン
ジン始動時等において予想される、余裕を見込んだ使用
最高温度を200℃として、その時の減少分を見込んだ
クラウニング量を表す値ということになる。そして、後
述する実験結果からも明らかな通り、このH−0.5D
(μm)の値を、端面基準面の傾斜による目減り分0.
5Fよりも大きく設定することで、実使用時のほとんど
の使用最高温度にて、クラウニングが不足する不具合が
解消され、ひいては高温使用時の片当り現象を極めて効
果的に防止することができる。また、タペットの製造工
程において、Hを上記の範囲にて管理することで、片当
り不良の発生頻度を大幅に減少させることができる。な
お、H−0.5Dの値は、望ましくは0.7F(μm)
以上とするのがよい。
ング量Hを設定することによる、前記した効果をより高
めるためには、セラミック体4は、厚さを0.5〜2.
5mm程度に設定しておくことが望ましい。セラミック
体4の厚さが0.5mm未満では、耐疲労特性が十分に
確保できない場合がある。また、セラミック体4の厚さ
が2.5mmを超えると、セラミック体4の剛性が高く
なり所定のクラウニングが得られなくなる。
は、各種炭素鋼、合金鋼(ステンレス鋼あるいは耐熱鋼
を含む)、あるいは鋳鉄を使用できる。例えばJISに
規定されたものでは、次のようなものを例示できる(組
成の単位は重量%)。 (1)機械構造用Ni−Cr−Mo鋼:SNCM630
(C:0.25〜0.35、Si:0.15〜0.3
5、Mn:0.35〜0.60、Ni:2.5〜3.
5、Cr:2.5〜3.5、Mo:0.5〜0.7、残
Fe(単位:重量%、以下同じ))、SNCM439
(C:0.36〜0.43、Si:0.15〜0.3
5、Mn:0.6〜0.90、Ni:1.6〜2.0、
Cr:0.6〜1.0、Mo:0.15〜0.3、残F
e)、SNCM447(C:0.44〜0.50、S
i:0.15〜0.35、Mn:0.6〜0.90、N
i:1.6〜2.0、Cr:0.6〜1.0、Mo:
0.15〜0.3、残Fe)等。 (2)機械構造用Cr−Mo鋼:SCM445(C:0.
43〜0.48、Si:0.15〜0.35、Mn:
0.6〜0.85、Cr:0.9〜1.2、Mo:0.
15〜0.3、残Fe)等。 (3)機械構造用Cr鋼:SCr440(C:0.43〜
0.48、Si:0.15〜0.35、Mn:0.6〜
0.85、Cr:0.9〜1.2、残Fe)、SCr4
15(C:0.13〜0.18、Mn:0.60〜0.
85、Cr:0.90〜1.20、残Fe(単位:重量
%))等。 (4)機械構造用炭素鋼:S50C(C:0.47〜0.
53、Mn:0.6〜0.9、残Fe)等。
素を主体に構成することができる。窒化珪素は機械的強
度、耐磨耗性及び耐食性に優れ、例えばタペットなど、
高温・高負荷かつ腐食性の苛酷な環境下で使用される動
弁系摺動部品においても、十分な強度及び耐久性を確保
することが可能である。なお、窒化珪素以外では、サイ
アロン、炭化珪素、窒化アルミニウム等も使用も可能で
ある。
は、Agを主成分とするAg系ろう材を使用することが
できる。本発明にて使用可能なAg系ろう材には、Ag
−Cu−Ti系ろう材(Cu:20〜40、Ti:0.
5〜4、残部Ag(単位:重量%、以下同じ))、Ag
−Cu−In−Ti系ろう材(Cu:15〜30、I
n:8〜15、Ti:0.5〜4、残部Ag)等があ
る。Ag系ろう材を使用した場合のろう材層の厚さは、
5〜60μmの範囲にて調整するのがよい。厚さが60
μmを超えると、接合強度の低下を招く場合がある。一
方、厚さが5μm未満では接合不良(接合面積率の不足
等)につながる場合がある。
使用れば、ろう材層の耐熱性、ひいては接合体の高温接
合強度をさらに高めることができる。Cu系ろう材とし
ては、Cuを80重量%以上含有するものを使用するこ
とで、接合部の耐熱性にとりわけ優れた接合体を得るこ
とができる。Cu系ろう材としては、具体的にはCu−
Al−Si−Ti系のろう材を使用することができる。
Cuの含有量は前述の通り80重量%以上に設定するこ
とで、ろう材層の耐熱性が特に良好となる。Alは主に
ろう材の融点を調整する働きをなし、含有量が高いほど
ろう材の融点が低下する。一方、Siはろう材が溶融し
てできる液相の流れ性を高め、空隙等の欠陥が少ない接
合構造を形成するのに寄与する。ただし、Si含有量が
0.1重量%未満になると液相の流動性改善効果が乏し
くなり、逆に8重量%を超えるとろう材層が脆弱化して
接合強度の低下につながる場合がある。
等も使用できる)が10重量%を超えるとセラミックス
被接合体との界面反応生成物の量が増大して接合強度が
低下するため、活性金属の含有量は10重量%以下、望
ましくは5重量%以下の範囲で調整するのがよい。な
お、Alの含有量は、Si及び活性金属成分の含有量
と、ろう材の狙い融点(固相線温度)とを勘案して、
0.1〜5重量%の範囲で適宜調整する。なお、上記以
外のCu系ろう材としては、Cu−Pd−Si−Ti
系、Cu−Si−Ti系、Cu−Si系等を使用でき
る。
厚さは、30〜100μmの範囲にて調整するのがよ
い。厚さが100μmを超えると、接合強度の低下を招
く場合がある。一方、厚さが30μm未満では接合不良
(接合面積率の不足等)につながる場合がある。
ク体との各隣接境界(あるいは接合界面)は、成分拡散
等のため一般には不明瞭となることが多い。具体的に
は、各隣接境界付近に、成分の拡散ないし反応により拡
散層あるいは反応層(以下、両者を総称して拡散・反応
層という)が形成されることがある。本明細書において
は、図3に示すように、金属体とセラミック体との接合
方向において、セラミック体を構成する金属イオンある
いは珪素イオン等のカチオン成分のうち、最も含有量の
高いもの(以下、主カチオン成分という)の濃度をセラ
ミック体側からろう材層側に向けて分析した場合に、該
主カチオン成分濃度の分析値レベルが、その平均濃度C
mの1/2となる位置を、セラミック体とろう材層との
境界BXとして定めるものとする。また、同様に金属体
を構成する金属成分のうち、最も含有量の高いもの(以
下、主金属成分という)の濃度を金属体側からろう材層
側に向けて分析した場合に、該主金属成分濃度の分析値
レベルが、その平均濃度Mmの1/2となる位置を、金
属体とろう材層との境界BYとして定めるものとする。
そして、両境界間の距離をろう材層の厚さtとして定義
する(ただし、ろう材層の厚さに分布を生じている場合
には、その平均値にて代表させるものとする)。なお、
こような分析は、電子プローブ・マイクロ・アナライザ
(EPMA)、EDS(エネルギー分散型X線分光)及
びWDS(波長分散型X線分光)、オージェ電子分光法
(AES)等の公知の方法により実施することができ
る。
すように、セラミック体を金属体に直接ろう付け接合し
ていたが、同図(b)に示すように、セラミック体を接
合熱処理時等における金属体とセラミック体との間の熱
膨張差に起因した残留応力(あるいは熱応力)を緩和す
るために、金属体とろう材層との間に中間層(あるいは
緩衝板)を介挿することもできる。この中間層は、例え
ばCuやNi等の軟質金属を主体とするもので構成で
き、自身の塑性変形により上記残留応力を緩和する効果
をさらに高める働きをなす。また、W合金やコバール
等、セラミック部と金属本体部との中間の線膨張係数を
有する材質で中間層を構成してもよい。なお、中間層
は、上記材質の薄板を金属体側にろう付け等により接合
する一方、セラミック部側には上記ろう材層を介して同
様にろう付け接合することができる。この場合、接合に
より一体化した金属体と中間層との全体をあらためて金
属体とみなおせば、当該構造も本発明の請求項に記載し
た接合体の構成を有していると見ることができる。
図2に示すものに限定されない。例えば、図6(a)に
示すように、プッシュロッド挿通孔1cを摺動基体部2
b内に入り込む位置まで延長してもよいし、同図(b)
に示すように、本体部2aと摺動基体部2bをほぼ同一
径とし、全体をカップ状に構成してもよい。
の性能を確認するために、以下の条件で試作品を製作し
た。まず、鋼材として、JISに規定された合金鋼SN
CM439を鍛造、機械研削することにより図2に示し
た形状のタペット金具2を作製した。他方、Si3N4
原料100重量部に対し、Al2O3−Y2O3系焼結
助剤を10重量部と、成形バインダ5重量部とを配合し
て金型プレスにて成形し、さらに脱バインダした後、N
2ガス雰囲気で1700℃にて2時間焼成して、円板状
の焼成体を得た。こうして得られた焼成体の両面を研削
してセラミック板4を作成した。そして、上記タペット
金具2とセラミック板4との間にろう材箔を挟み込み、
真空雰囲気にてろう付け接合することにより、図2に示
す形状の各種寸法のタペット1を得た。なお、タペット
試験品は、表1の(I)〜(III)の3種類の寸法のもの
を、それぞれ5個ずつ作成している。
は以下の通りである(組成の単位は重量%)。 Ag−Cu−In−Ti系ろう材(Cu:23、I
n:25、Ti:2.0、残部Ag、厚さ0.05m
m):800℃×30分;N2ガス置換冷却 Ag−Cu−Ti系ろう材(Cu:28、Ti:2.
0、残部Ag、厚さ0.05mm):850℃×30
分;N2ガス置換冷却 Cu−Si−Ti系ろう材(Si:3.0、Ti:
3.0、残部Cu、厚さ0.05mm):1050℃×
30分;N2ガス置換冷却
I)はエンジン2台分(各24個)、(III)はエンジン
1台分(20個)製作し、実機モータリング耐久試験及
び冷熱サイクル試験に供試した。まず、試験に先立ち、
以下のデータを収集した。 (1)クラウニング量H 20℃での値。測定方法は、図8によりすでに説明済
み。 (2)直角度F 20℃での値。図9に示すように、タペット金具2の本
体部2aをVブロックにて支持し、これを回転させなが
ら、摺動端面4aの外縁部の中心軸線方向の振れ量をダ
イヤルゲージにて測定するとともに、このときの全振れ
幅を直角度Fとした。 (3)接合部の状態 超音波探傷装置にて、タペット金具2とセラミック板4
とのろう付部の接着面積率を全数測定した。
カムモータリング試験機に装着し、以下の条件にて実機
モータリング耐久試験を行った。使用したエンジンを表
1に、試験条件を表2に示している。これら条件は、い
ずれも実車100万km走行相当の衝撃を想定した過酷
なものであり、エンジンオイルも5万キロ走行相当の劣
化品を使用して、エンジン温度が比較的上昇しやすい環
境を作為的に形成している。なお、耐久性評価は、耐久
前後で超音波探傷法による接合面積率が1%以上変化し
たもの(剥離発生に相当)をNGとした。次に、この実
機モータリング耐久試験後に剥離未発生のものを、気相
の冷熱サイクル試験装置に組み込み、−50℃×1hr
及び200℃×1hrのサイクルを5000サイクル繰
り返して、耐久前後で接合面積率が1%以上変化したも
のをNGと判定した。以上の結果を表3〜5に示す。
寸法やろう材の材質によらず、前記したの関係式を満
足しているものは実機モータリング耐久試験に合格し、
さらにの関係式を満足しているものは冷熱サイクル試
験においても良好な結果を示していることがわかる。
機構の正面図。
模式図。
例示して示す模式図。
フ。
を求める原理を示す説明図。
Claims (6)
- 【請求項1】 金属体とセラミック体とが、中心軸線同
士がほぼ一致する形態で接合された構造を有し、そのセ
ラミック体の前記金属体に接合されているのとは反対側
の端面を摺動端面としたセラミック摺動部品において、 前記セラミック体の前記摺動端面には、その外縁を包含
する平面を端面基準面として、中心側が該端面基準面か
ら突出する曲面状のクラウニングが形成されるととも
に、 室温にて測定したクラウニング高さH(μm)を、前記
摺動端面の前記端面基準面からの最大突出高さにて定義
し、かつ前記摺動端面の外径をD(mm)として、 H+0.2D<3D の関係を満足するように、前記クラウニング高さHが調
整されていることを特徴とするセラミック摺動部品。 - 【請求項2】 前記中心軸線方向において前記金属体側
から前記セラミック体側に向かう方向を前方側とし、前
記摺動端面外縁の最も前方側に位置する点をA、同じく
最も後方側に位置する点をBとして、前記中心軸線と直
交して点Aを通る平面と、同じく点Bを通る平面との間
の距離F(単位:μm)により、前記摺動端面の直角度
を定義したときに、 H−0.5D>0.5F となるように、前記クラウニング高さHが調整されてい
る請求項1記載のセラミック摺動部品。 - 【請求項3】 金属体とセラミック体とが、中心軸線同
士がほぼ一致する形態で接合された構造を有し、そのセ
ラミック体の前記金属体に接合されているのとは反対側
の端面を摺動端面としたセラミック摺動部品において、 前記セラミック体の前記摺動端面には、その外縁を包含
する平面を端面基準面として、中心側が該端面基準面か
ら突出する曲面状のクラウニングが形成されるととも
に、 室温にて測定したクラウニング高さH(単位:μm)
を、前記摺動端面の前記端面基準面からの最大突出高さ
にて定義し、かつ前記摺動端面の外径をD(単位:m
m)とする一方、 前記中心軸線方向において前記金属体側から前記セラミ
ック体側に向かう方向を前方側とし、前記摺動端面外縁
の最も前方側に位置する点をA、同じく最も後方側に位
置する点をBとして、前記中心軸線と直交して点Aを通
る平面と、同じく点Bを通る平面との間の距離F(単
位:μm)により、前記摺動端面の直角度を定義したと
きに、 H−0.5D>0.5F となるように、前記クラウニング高さHが調整されてい
ることを特徴とするセラミック摺動部品。 - 【請求項4】 前記セラミック体は、厚さが0.5〜
2.5mmの板状に形成されている請求項1ないし4の
いずれかに記載のセラミック摺動部品。 - 【請求項5】 前記セラミック体は窒化珪素を主体に構
成され、前記金属体はFeを主体に構成される請求項1
ないし5のいずれかに記載のセラミック摺動部品。 - 【請求項6】 前記摺動端面がカム摺動面であるタペッ
トとして構成されている請求項1ないし6のいずれかに
記載のセラミック摺動部品。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP05593399A JP3713159B2 (ja) | 1999-03-03 | 1999-03-03 | セラミック摺動部品 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP05593399A JP3713159B2 (ja) | 1999-03-03 | 1999-03-03 | セラミック摺動部品 |
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|---|---|
| JP2000246460A true JP2000246460A (ja) | 2000-09-12 |
| JP3713159B2 JP3713159B2 (ja) | 2005-11-02 |
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|---|---|---|---|---|
| JP2007218141A (ja) * | 2006-02-15 | 2007-08-30 | Denso Corp | 耐久評価装置 |
Citations (5)
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| JPH0692749A (ja) * | 1992-09-09 | 1994-04-05 | Isuzu Motors Ltd | 摺動部品の製造方法 |
| JPH0932515A (ja) * | 1995-07-19 | 1997-02-04 | Ngk Spark Plug Co Ltd | タペットボディ |
| JPH0979009A (ja) * | 1995-09-11 | 1997-03-25 | Hino Motors Ltd | きのこ形タペットの製造方法 |
| JPH09264107A (ja) * | 1996-03-27 | 1997-10-07 | Ngk Spark Plug Co Ltd | タペット |
| JPH10196320A (ja) * | 1996-12-30 | 1998-07-28 | Daewoo Heavy Ind Co Ltd | 耐摩耗性機械部品の製造方法 |
-
1999
- 1999-03-03 JP JP05593399A patent/JP3713159B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| JPH0692749A (ja) * | 1992-09-09 | 1994-04-05 | Isuzu Motors Ltd | 摺動部品の製造方法 |
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