JP2000247122A - 空気入りタイヤおよび空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

空気入りタイヤおよび空気入りタイヤの製造方法

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JP2000247122A JP11050894A JP5089499A JP2000247122A JP 2000247122 A JP2000247122 A JP 2000247122A JP 11050894 A JP11050894 A JP 11050894A JP 5089499 A JP5089499 A JP 5089499A JP 2000247122 A JP2000247122 A JP 2000247122A
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rubber sheet
rubber
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シール剤を充填したタイヤを高品質にて生産
する。 【解決手段】 トレッド部2の内方のタイヤ内腔面に周
方向に延在する封止ゴムシートにより封止したパンク防
止用のシール剤を配する。封止ゴムシート5は、タイヤ
内腔面iをなすインナーライナゴム12と一体に接着す
る接着部5aと、この接着部5aの間に設けられかつゴ
ム離型性を有する防着シート13をタイヤ内腔面との間
に介在させることによってインナーライナゴム12との
接着が防止された非接着部分5bとを具える。また、非
接着部分5bにおいて、タイヤ内腔面iと封止ゴムシー
ト5とがなす袋状部内にシール剤6を封止するととも
に、防着シート13は、小巾の防着テープ14を、その
側縁14eが互いに重なる重なり部16を有してタイヤ
周方向に対して螺旋巻きすることにより形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、釘踏み等によるト
レッドの刺傷からの空気漏れを抑制しうるチューブレス
の空気入りタイヤおよび空気入りタイヤの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】釘踏
み等による刺傷部からエアー漏れが発生するのを防止す
る手段の一つとして、例えば特開平8−323875号
公報に示される如く、タイヤ内腔に臨むインナーライナ
ゴムとその内側に付設される封止ゴムシートとの間に袋
状部を形成し、タイヤの加硫成形後に、この袋状部内に
パンクシール剤を注射器等の注入器を用いて注入するも
のが提案されている。
【0003】この袋状部は、生タイヤの形成工程におい
て、前記封止ゴムシートとインナーライナゴムとを重ね
合わせる際、封止ゴムシートの内面にその両側部分を残
してタルク等の粉末状又は液状の離型剤を予め塗布して
おき、加硫成型時に前記封止ゴムシートの両側部分とイ
ンナーライナゴムとが加硫接着することにより、離型剤
の塗布部分のみが剥離することで形成される。
【0004】しかしながら、このような離型剤の塗布に
よって前記袋状部を形成するものでは、塗布作業の際に
離型剤を塗り過ぎる傾向となりやすい。その結果、封止
ゴムシート自身の接着代が過小となって接着不良或いは
接着強度不足を招くなど、必要な強度を有する袋状部を
安定して形成することが難しい。また離型剤の塗布作業
により、タイヤ製造時の作業能率が低下する一方、離型
剤の塗布厚さなどにばらつきが生じるため、時に袋状部
内に剥離しない部位が部分的に形成されるなど、パンク
シール剤の充填が不均一となるなどの問題も発生し易
い。
【0005】そこで本発明は、充分な接着強度を有する
袋状部(非接着部分)を、容易にかつ安定して形成する
ことができ、シール剤を充填したタイヤを高品質を有し
て歩留まり良くかつ能率良く生産しうる空気入りタイヤ
の製造方法の提供を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部の
両端から半径方向内方にのびるサイドウォール部を経て
ビード部を設けたトロイド状をなし、かつ前記トレッド
部内方のタイヤ内腔面に周方向に延在する封止ゴムシー
トにより封止したパンク防止用のシール剤を配する空気
入りタイヤであって、前記封止ゴムシートは、タイヤ内
腔面をなすインナーライナゴムと一体に接着する接着部
と、この接着部の間に設けられかつゴム離型性を有する
防着シートをタイヤ内腔面との間に介在することによっ
て前記インナーライナゴムとの接着が防止された非接着
部分とを具え、かつこの非接着部分において、前記タイ
ヤ内腔面と封止ゴムシートとがなす袋状部内に前記シー
ル剤を封止するとともに、前記防着シートは、小巾の防
着テープを、その側縁が互いに重なる重なり部を有して
タイヤ周方向に対して螺旋巻きすることにより形成され
たことを特徴としている。
【0007】また請求項2記載の発明では、トレッド部
の両端から半径方向内方にのびるサイドウォール部を経
てビード部を設けたトロイド状をなし、かつ前記トレッ
ド部内方のタイヤ内腔面に周方向に延在する封止ゴムシ
ートにより封止したパンク防止用のシール剤を配する空
気入りタイヤの製造方法であって、封止ゴムシートにシ
ール剤を注入するための注入孔を設けて孔付の封止ゴム
シートを形成するシート穿設工程、この封止ゴムシート
を成形フォーマ上に貼着する取付工程、ゴム離型性を有
しかつ小巾の防着テープをその側縁が互いに重なる重な
り部を有してタイヤ周方向に対して螺旋巻きすることに
より前記封止ゴムシートよりも巾狭の防着シートを、こ
の封止ゴムシートの上面かつ両側縁から距離を隔てる位
置に形成し防着シート付きの封止ゴムシートを形成する
防着テープ螺旋巻き工程、前記防着シート付きの封止ゴ
ムシートの上面に、インナーライナゴムを貼着するイン
ナーライナゴム貼着工程、前記インナーライナゴム上
に、カーカス、ビードコアを含むタイヤ基体構造材を付
加して生カバー体を形成する生カバー体形成工程、及び
この生カバー体を加硫した後、前記注入孔から、前記防
着シートが介在することによって接着が防止された前記
インナーライナゴムと封止ゴムシートとの間の非接着部
分に、シール剤を注入する注入工程を含むことを特徴と
している。
【0008】ここで、前記「防着テープ」は、特に限定
されるものではないが、例えば10〜30mmの小巾をな
すものが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の空気入りタイヤお
よびその製造方法の実施の一形態を、空気入りタイヤと
して自動二輪車用タイヤを例にとり、図面に基づき説明
する。図1は、自動二輪車用タイヤ(以下、単に「タイ
ヤ」ということがある。)1を例示しており、タイヤ1
は、トレッド部2の両端から半径方向内方にのびるサイ
ドウォール部3の各内方端にビード部4を設けたトロイ
ド状をなすとともに、トレッド部内方のタイヤ内腔面i
で周方向に延在する封止ゴムシート5によりパンク防止
用のシール剤6を封止している。
【0010】またタイヤ1は、前記ビード部4、4間に
架け渡されるカーカス8と、このカーカス8の半径方向
外側かつトレッド部2の内方に配されるブレーカ9とを
含むコード層によって補強され、必要なタイヤ強度及び
剛性が付与される。なお前記ビード部4には、ビードコ
ア10から半径方向外側にのびる断面三角形状のビード
エーペックスゴム11が配されたものを例示している。
【0011】前記カーカス8としては、カーカスコード
を周方向に対して70〜90度の角度で配列したラジア
ル、セミラジアル構造、又は35〜70度の角度で配列
したバイアス構造の1枚以上のカーカスプライ8aが用
いられ、本例では1枚のカーカスプライ8aからなり、
その両端が前記ビードコア10の廻りで折り返されて係
止されたものが例示される。
【0012】また前記ブレーカ9は、ブレーカコードを
周方向に対して0〜70度の角度で配列した1枚以上の
ブレーカプライ9aから形成され、本例では1枚のブレ
ーカプライ9aを具える。ただし、このブレーカ9は、
要求するタイヤ性能に応じて省略することもできる。
【0013】前記カーカス8の内面には、インナーライ
ナゴム12と、その半径方向内側の前記封止ゴムシート
5とが順次配設される。前記インナーライナゴム12
は、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、臭素化ブチル
ゴム等のガス不透過性に優れるブチル系ゴム等も用いる
ことができ、例えば0.5〜2.0mm程度の略均一な厚
さを有するとともに、前記カーカス8の内面をほぼ全域
に亘り被覆している。
【0014】また、前記封止ゴムシート5は、本例で
は、トレッド内方領域Yの80%以上の巾を有して周方
向に連続してのびる帯状のゴムシートから形成され、そ
の両側縁部には、前記インナーライナゴム12と一体
に、例えば加硫接着する接着部分5aを形成している。
各接着部分5aの巾L0は、特に限定されるものではな
いが、例えば4.0〜10.0mm、より好ましくは5.
0〜7.0mmとするのが望ましい。前記接着部分5aの
巾L0が、4.0mmより小さくなると、接着強度が相対
的に低下する傾向があり、逆に10.0mmをこえると、
シール剤6の充填巾を不必要に減じる傾向がある。なお
前記「トレッド内方領域Y」とは、トレッド縁Teにお
いてトレッド面2Sに立てた法線N、Nで挟まれるタイ
ヤ内腔面上の領域を意味する。
【0015】また、前記封止ゴムシート5は、特に限定
されるものではないが、例えば0.5〜2.0mmの厚さ
とすることが好ましい。この厚さが0.5mm未満になる
と、強度が相対的に不足して、例えばシール剤6の封止
効果が低下したり、またタイヤ充填内圧をシール剤6に
一様に付加することが困難となる傾向がある。逆に、封
止ゴムシート5の厚さが2.0mmをこえると、タイヤ重
量の不必要な増加を招く傾向がある。このような観点よ
り、前記封止ゴムシート5の厚さは、例えば1.0〜
1.5mmが特に好ましい。
【0016】また封止ゴムシート5としては、前記イン
ナーライナゴム12と略同一のブチル系ゴムが好適であ
るが、他のゴム、例えば臭素化ブチルゴム、ハロゲン化
ブチルゴム、さらには加硫熱によりインナーライナゴム
12と接着しうるゴム組成物であれば、スチレン・ブタ
ジエン等のジエン系ゴムを混合した配合ゴムなども用い
うる。
【0017】また封止ゴムシート5の前記両側縁部に形
成された接着部分5a、5aの間には、防着シート13
の介在によって前記インナーライナゴム12との接着が
防止された非接着部分5bが形成されるとともに、この
非接着部分5bがなすインナーライナゴム12と封止ゴ
ムシート5との間の袋状部内に前記シール剤6が封止さ
れて例えば気密に保持される。そして、前記防着シート
13は、図2に誇張して示す如く、小巾の防着テープ1
4を、その側縁14eが互いに重なる重なり部16を有
してタイヤ周方向に対して螺旋巻きすることにより形成
されたことを特徴の一つとしている。
【0018】このように防着シート13を、小巾の防着
テープ14の螺旋巻きすることにより形成したことによ
る利点は次の通りである。先ず、図8(A)に示す如
く、巾広かつ1枚のゴム離型性を有するシート材料にて
防着シート13を形成する場合には、防着シートの巻始
め端S1と、巻終わり端S2とがタイヤ半径方向に重な
る重ね継ぎ部jを設けて封止ゴムシート5に巻き付けし
タイヤ生カバーを成形する。このような生カバーを加硫
すると、加硫中の膨張変形に際して、前記防着シート1
3は、通常、粘着性を有しておらず、またゴムに比して
伸び率も小さいため、図8(B)に示す如く、生カバー
の膨張につれて重ね継ぎ部jを減じる向きに互いにすべ
りが生じる。
【0019】このとき、防着シート13の巻始め端S1
と封止ゴムシート5とは加硫時の圧力により圧着されて
互いに密着しているため、巻始め端S1の前記すべり移
動とともに該巻始め端S1に密着している封止ゴムシー
ト5の部分が局部的に大きなタイヤ周方向の引張力を受
け、この部分の封止ゴムシートの厚さが局部的にかつ過
度に減少した凹部Dなどが形成されてしまい、該封止ゴ
ムシート5に破れ等を生じさせる不具合がある。
【0020】これに対して、本発明では、前記防着シー
ト13は、小巾の防着テープ14を、図2、図4に示す
如く、その側縁14eが互いに重なる重なり部16を有
してタイヤ周方向に対して螺旋巻きすることにより形成
されているため、防着シート13として、前述のような
特定の重ね継ぎ部分jが形成されないこととなる。従っ
て、重ね継ぎ部分において生じていた防着シート間の大
きなすべり等を抑制でき、防着テープ14を全体的に延
伸させて膨張変形に対応し得るなど、封止ゴムシート5
の厚さの不均一や破れ等を効果的に防止しうる。
【0021】ここで、前記防着テープ14は、特に限定
されるものではないが、例えば10〜30mmの小巾をな
すリボン状のものが好ましい。また、前記重なり部16
は、その重なり量が小さすぎると、膨張時に側縁14e
同士が離間してしまい、前記非接着部分5bが効果的に
形成されず、シール剤6の充填も不均一となりやすい。
このような観点より、タイヤ製造時において、好ましく
は3mm以上、より好ましくは5〜10mmの重なり量を有
する重なり部を設けることにより、成形後に前記防着テ
ープ14の側縁14eが離間していないものとするのが
望ましい。
【0022】また、このような防着テープ14の螺旋巻
きによって形成される防着シート13は、例えば前記封
止ゴムシート5より8〜20mm程度の巾狭としたタイヤ
周方向に連続する帯状体をなす。また本例では防着テー
プ14がゴム離型性を有する高分子フィルムからなるこ
とにより、防着シート13もゴムに対する離型性を有す
ることとなる。
【0023】ここで、前記防着テープ14は、生タイヤ
成形および加硫成型の際に、周囲ゴムとともに膨張変形
しうる伸び性能を有することが特に好ましい。そのため
には、特に限定されるものではないが、例えばテープ巾
8mm当たりの荷重400gに対する伸びを20%以上有
するものが特に好ましいものとなる。
【0024】このような防着テープ14としては、例え
ばテフロン(デュポン社の商標)であるポリフルオルエ
チレン樹脂が好ましく、その厚さを0.05mm〜0.1
5mm、例えば0.1mm程度とすることにより必要かつ十
分な伸び性能が得られる。また防着テープ14には、こ
のようなポリフルオルエチレン樹脂に代えて、例えばよ
り安価な材料としてナイロンフィルムなども用いること
ができる。このナイロンフィルムとしては、例えばナイ
ロン6を主原料としたもの(商品名「レイファンN
O」、東レ合成フィルム(株)社製)が伸び性能、ゴム
離型性の観点から特に好ましい。このようなナイロンフ
ィルムの物性を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】発明者らの種々の実験の結果、このような
ナイロンフィルムを防着シートとして使用した場合、そ
の厚さが例えば25μ程度であっても良好な防着性と伸
び性能を示していることが確認されている。なお、防着
テープ14は、これらの例に限定されることなく、例え
ばポリエチレンフィルム等にゴム離型剤を含浸させたも
の、あるいはゴム離型性の表面処理を施したものなど、
種々の材料を使用しうるのは言うまでもない。
【0027】また前記袋状部内に充填されるシール剤6
としては、常温(20℃)において液状を呈する、例え
ば粘性率を2.0〜10.0mPa・s(温度20゜
C)とした粘性材料が好適に使用できる。この他にも、
−20℃〜60℃の温度範囲で釘穴をシールしうるもの
であれば、種々の液状のパンクシール剤を使用すること
ができる。
【0028】次に、このような空気入りタイヤ1の製造
方法の一例について説明する。本実施形態の製造方法
は、シート穿設工程、取付工程、防着テープ螺旋巻き工
程、インナーライナゴム貼着工程と、生カバー体形成工
程及び注入工程を含んでいる。
【0029】前記シート穿設工程は、図3に略示する如
く、所定巾及び所定長さに裁断した封止ゴムシート5、
又は裁断中の封止ゴムシート5に、前記シール剤6を注
入するための注入孔15を設けて孔付の封止ゴムシート
5Aを形成する。前記注入孔15として、本例では、直
径2〜8mmのものが、封止ゴムシート5の巾方向中央部
分に穿設される。
【0030】また、前記取付工程は、図4(A)、
(B)に略示する如く、円筒状の成形フォーマ20上か
つトレッド内方領域Yに相当する位置に、前記封止ゴム
シート5Aを巻き付けて貼着する。
【0031】また前記防着テープ螺旋巻き工程は、図4
(A)、(B)に略示する如く、前記ゴム離型性を有し
かつ小巾の防着テープ14をその側縁14eが互いに重
なる重なり部16を有してタイヤ周方向に対して螺旋巻
きすることにより前記封止ゴムシート5Aよりも巾狭の
防着シート13を、この封止ゴムシート5Aの上面かつ
両側縁から本例では等距離LO、LOを隔てる位置に形
成し、防着シート付きの封止ゴムシート5Bを形成す
る。このように、本発明では、従来では離型剤をいちい
ち塗布していた工程が、小巾の防着テープ14を螺旋巻
きして封止ゴムシート5に貼付けするという簡単な作業
に置き換えしうる。
【0032】なお、防着テープ14は、例えば予め巻始
め端、巻終わり端を、斜辺状に形成しておくことによ
り、防着テープにたるみ、しわなどを生じさせることな
く、防着シート13の側縁部をタイヤ周方向に整一させ
つつ小さなリードで螺旋巻きすることが可能となり、こ
のとき、精度の良い接着部、非接着部の寸法管理が可能
となる。なお、防着テープ14のタイヤ周方向に対する
角度は、例えば3°以下が好ましい。
【0033】また前記インナーライナゴム貼着工程は、
図5に略示する如く、前記防着シート付きの封止ゴムシ
ート5Bの上面に、インナーライナゴム12を貼着す
る。さらに、前記生カバー体形成工程は、図6に略示す
る如く、前記インナーライナゴム12上に、カーカスプ
ライ8a、ビードコア10を含むタイヤ基体構造材21
を付加しかつ、例えば成形フォーマ20による拡径によ
って生カバー体1Aを形成する。ここでタイヤ基体構造
材21としては、本例では、他にビードエーペックスゴ
ム11、ブレーカプライ9a、トレッドゴム2G、サイ
ドウオールゴム3Gなどを含み、前記拡径に先立ちカー
カスプライ8aの両端の折返しなどが行われる。
【0034】前記注入工程は、図7に略示する如く、前
記生カバー体1Aを加硫した後、前記注入孔15から、
前記防着シート13によって接着が防止された前記イン
ナーライナゴム12と封止ゴムシート5との間の非接着
部分5bに、シール剤6を注入する工程である。この注
入は、注射器状の注入器を用いて、規定量注入すること
によって、図1、図2に示す如く、所定厚さに膨らんだ
シール剤の層が形成される。なお、注入後の注入孔15
は、本例では、接着剤を塗布した未加硫または既加硫の
ゴムシート等によって適宜封止される。
【0035】以上のように本実施形態の空気入りタイヤ
の製造方法では、離型剤の塗布に代わり、小巾の防着テ
ープ14を螺旋巻きして形成される防着シート13を封
止ゴムシート5の上に設けているため、作業能率に優
れ、しかも両端の接着部分5aの巾L0を高精度で管理
することが可能となる。その結果、袋状部の接着強度を
高くかつ安定化しうるとともに、非接着部分5bの巾す
なわちシール剤6が注入される袋状部の容積もバラ付き
がなくなり、シール剤6の層の厚さが均一化した空気入
りタイヤを得ることができる。
【0036】また防着シートが、小巾の防着テープ14
の螺旋巻きによって形成されるため、防着シート13と
して、特定の重ね継ぎ部分が形成されないこととなる。
従って、重ね継ぎ部分において生じがちな防着シートの
大きなすべり等を防止し、防着テープ14を全体的にか
つ均一に延伸させて膨張変形に対応し得るなど、封止ゴ
ムシート5の厚さの不均一や破れ等を効果的に防止しう
る。
【0037】さらに本発明の製造方法では、従来の離型
剤の塗りムラ等に起因する剥離不良も効果的に抑制しう
る。又注入器先端を刺入れてシール剤6を注入する際、
封止ゴムシート5に注入孔15が予め設けられしかも防
着シート13がインナーライナゴム12を保護するた
め、このインナーライナゴム12に刺傷を生じさせる危
険性が排除される。このように高品質のタイヤを歩留ま
り良く、かつ能率良く生産しうる。
【0038】
【実施例】図1の基本構造をなす、タイヤサイズ3.0
0−10の自動二輪車用タイヤを、前記製造方法を用い
て試作し、防着シートの形成方法は表2に示す仕様と
し、加硫中での封止ゴムシートの破れや、タイヤ成形後
に、前記袋状部内に空気を注入して成形精度などを目視
により確認した。なおカーカスは、840dtex/2のコ
ード繊度を有するナイロンコードを、タイヤ赤道に対し
て42゜の角度で傾けて配列してビードコアの回りを折
り返す2枚のカーカスプライにて形成し、ブレーカは省
略した。テストの結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】表2に示すように、防着テープを螺旋巻き
したものでは、いずれも封止ゴムシートが破れることな
く、かつ精度の良い空気入りタイヤが得られたが、防着
シートとして巾広の1枚ものを用いたものでは、封止ゴ
ムシートに破れが生じていた。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明では、シール剤を封止する封止ゴムシートが、インナ
ーライナゴムと一体に接着する接着部と、この接着部の
間にゴム離型性を有する防着シートの介在によって前記
インナーライナゴムとの接着が防止された非接着部分と
を具え、かつこの非接着部分がなすインナーライナゴム
と封止ゴムシートとの間の袋状部内に前記シール剤を封
止したことにより、シール剤が注入される袋状部の容積
のばらつきをなくし、シール剤の層の厚さを均一化した
精度の良い空気入りタイヤを得ることができる。
【0042】また前記防着シートは、小巾の防着テープ
を、その側縁が互いに重なる重なり部を有してタイヤ周
方向に対して螺旋巻きすることにより形成されているた
め、防着シートとして、特定の重ね継ぎ部分が形成され
ないこととなる。従って、防着シートの重ね継ぎ部分に
おいて生じがちな防着シート同士の大きなすべり等を効
果的に抑制することができ、防着テープを全体的にかつ
均一に延伸させて加硫中の膨張変形に対応し得るなど、
封止ゴムシートの厚さが不均一になることや薄肉化によ
る破れ等が生じるのを効果的に防止しうる。
【0043】また請求項2記載の発明では、離型剤の塗
布に代えて、防着シートを封止ゴムシートに貼付けする
ため、作業能率に優れ、封止ゴムシートの両端の接着部
分の巾を高精度で管理することが可能となり、その結
果、袋状部の接着強度を高くかつ安定化しうるととも
に、非接着部分の巾すなわちシール剤が注入される袋状
部の容積もバラ付きがなくなり、シール剤の層の厚さが
均一化した空気入りタイヤを容易に製造しうる。また前
記防着シートが、小巾の防着テープを、その側縁が互い
に重なる重なり部を有してタイヤ周方向に対して螺旋巻
きすることにより形成される防着テープ螺旋巻き工程を
含むものであるため、防着シートとして、特定の重ね継
ぎ部分が形成されず、防着シートの重ね継ぎ部分におい
て生じがちであった防着シート同士の大きなすべり等を
効果的に抑制しうる。これにより、防着テープを全体的
にかつ均一に延伸させて加硫中の膨張変形に対応し得る
など、封止ゴムシートの厚さが不均一になることや薄肉
化による破れ等が生じるのを効果的に防止しうる空気入
りタイヤを製造しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りタイヤの一実施形態を示す断
面図である。
【図2】そのトレッド部を拡大する断面図である。
【図3】シート穿設工程を説明する略図である。
【図4】取付工程、及び防着テープ螺旋巻き工程を説明
する図であり、(A)は概略平面図、(B)は概略断面
図である。
【図5】インナーライナゴム貼着工程を説明する概略断
面図である。
【図6】生カバー体形成工程を説明する概略断面図であ
る。
【図7】注入工程を説明する略図である。
【図8】(A)、(B)は、防着シートのすべりを説明
するタイヤ周方向の部分断面図である。
【符号の説明】
1 タイヤ 1A 生カバー体 5 封止ゴムシート 5b 非接着部分 6 シール剤 8 カーカス 10 ビードコア 12 インナーライナゴム 13 防着シート 14 防着テープ 14e 防着テープの側縁 15 注入孔 16 防着テープの重なり部 20 成形フォーマ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トレッド部の両端から半径方向内方にのび
    るサイドウォール部を経てビード部を設けたトロイド状
    をなし、かつ前記トレッド部内方のタイヤ内腔面に周方
    向に延在する封止ゴムシートにより封止したパンク防止
    用のシール剤を配する空気入りタイヤであって、 前記封止ゴムシートは、タイヤ内腔面をなすインナーラ
    イナゴムと一体に接着する接着部と、この接着部の間に
    設けられかつゴム離型性を有する防着シートをタイヤ内
    腔面との間に介在することによって前記インナーライナ
    ゴムとの接着が防止された非接着部分とを具え、 かつこの非接着部分において、前記タイヤ内腔面と封止
    ゴムシートとがなす袋状部内に前記シール剤を封止する
    とともに、 前記防着シートは、小巾の防着テープを、その側縁が互
    いに重なる重なり部を有してタイヤ周方向に対して螺旋
    巻きすることにより形成されたことを特徴とする空気入
    りタイヤ。
  2. 【請求項2】トレッド部の両端から半径方向内方にのび
    るサイドウォール部を経てビード部を設けたトロイド状
    をなし、かつ前記トレッド部内方のタイヤ内腔面に周方
    向に延在する封止ゴムシートにより封止したパンク防止
    用のシール剤を配する空気入りタイヤの製造方法であっ
    て、 封止ゴムシートにシール剤を注入するための注入孔を設
    けて孔付の封止ゴムシートを形成するシート穿設工程、 この封止ゴムシートを成形フォーマ上に貼着する取付工
    程、 ゴム離型性を有しかつ小巾の防着テープをその側縁が互
    いに重なる重なり部を有してタイヤ周方向に対して螺旋
    巻きすることにより前記封止ゴムシートよりも巾狭の防
    着シートを、この封止ゴムシートの上面かつ両側縁から
    距離を隔てる位置に形成し防着シート付きの封止ゴムシ
    ートを形成する防着テープ螺旋巻き工程、 前記防着シート付きの封止ゴムシートの上面に、インナ
    ーライナゴムを貼着するインナーライナゴム貼着工程、 前記インナーライナゴム上に、カーカス、ビードコアを
    含むタイヤ基体構造材を付加して生カバー体を形成する
    生カバー体形成工程、 及びこの生カバー体を加硫した後、前記注入孔から、前
    記防着シートが介在することによって接着が防止された
    前記インナーライナゴムと封止ゴムシートとの間の非接
    着部分に、シール剤を注入する注入工程を含むことを特
    徴とする空気入りタイヤの製造方法。
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