JP2000247134A - 外気導入ダンパ装置 - Google Patents

外気導入ダンパ装置

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JP2000247134A JP11046619A JP4661999A JP2000247134A JP 2000247134 A JP2000247134 A JP 2000247134A JP 11046619 A JP11046619 A JP 11046619A JP 4661999 A JP4661999 A JP 4661999A JP 2000247134 A JP2000247134 A JP 2000247134A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構成で、ガソリン排ガスとディーゼル
排ガスとの両方に対して応答できる外気導入ダンパ装置
を提供する。 【解決手段】 本発明にかかる外気導入ダンパ装置は、
車両の外気導入口7を開閉するダンパ15と、このダン
パの開閉を制御する制御装置19と、排気ガスセンサ1
7とを備え、排気ガスセンサの検知信号に応答して外気
の導入を制御するものであって、排気ガスセンサ17
は、還元性ガスの検知量に応じて出力が変化する還元性
ガス検知素子21と、酸化性ガスの検知量に応じて出力
が変化する酸化性ガス性ガス検知素子23とを一体に備
えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排気ガスセンサの
検知信号に応答して外気の導入を制御する外気導入ダン
パ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の従来の外気導入ダンパ装置に用
いられている排気ガスセンサとして、ガソリンエンジン
(ガソリン車)の排気ガスを検知するガソリン用ガスセ
ンサと、ディーゼルエンジン(ディーゼル車)の排気ガ
スを検知するディーゼル用ガスセンサとが公知である。
ガソリンエンジンの排気ガスは、図10に示すように、
主としてHC、CO等の還元性ガスであり、ガソリン用
ガスセンサは、還元性ガスを検知している。
【0003】一方、ディーゼルエンジンの排気ガスは、
主としてNOx等の酸化性ガスであり、ディーゼル用ガ
スセンサは、酸化性ガスを検知している。また、特開平
8−271466号公報には、ガスに対して同じ感度特
性を有する感ガス素子を複数個直列に配置して、これら
の出力差を検知して湿度に対する依存性を小さくする技
術が開示されている。更に、近年は、道路にはガソリン
車とディーゼル車とが混在するため、ガソリン車の排気
ガスとディーゼル車の排気ガスとの両方を検知して、車
室内への外気導入を制御する要求が高い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した公報
に開示の技術では、湿度に対する依存性を小さくできる
ものの、図11に示すように、ガソリン用感ガス素子を
用いたものでは、ガソリン排ガスに対する出力差は検出
できるが、ディーゼル排ガスに対しては負の出力になる
ため検知が困難になるという不都合がある。
【0005】しかも、ガソリン排ガスとディーゼル排ガ
スとが混在する外気中においては、ディーゼル排ガスに
対する出力差が負になるため、感ガス素子の出力差の検
知が困難になるという不都合がある。このことは、複数
の感ガス素子として各素子にディーゼル排ガス用の素子
を用いた場合についても同様である。
【0006】一方、従来のガソリン用ガスセンサと、デ
ィーゼル用ガスセンサとを別個に設け、これらの2つの
センサをそのまま用いたのでは、部品点数が増し、装置
が複雑になるという不都合がある。
【0007】そこで、本発明の目的は、簡易な構成で、
ガソリン排ガスとディーゼル排ガスとの両方に対して応
答できる外気導入ダンパ装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、車両の外気導入口を開閉
するダンパと、このダンパの開閉を制御する制御装置
と、排気ガスセンサとを備え、排気ガスセンサの検知信
号に応答して外気の導入を制御する外気導入ダンパ装置
において、前記排気ガスセンサは、還元性ガスの検知量
に応じて出力が変化する還元性ガス検知素子と、酸化性
ガスの検知量に応じて出力が変化する酸化性ガス性ガス
検知素子とを一体に備えることを特徴とするものであ
る。
【0009】この請求項1に記載の発明では、一つの排
気ガスセンサに還元性ガス検知素子と酸化性ガス検知素
子とを一体に備えているので、簡易且つコンパクトな構
成で、還元性ガス、酸化性ガス及び、こられの混合ガス
のガス濃度を検知することができ、制御装置は、検知量
に応答して外気導入口の開閉を制御し、これらの排気ガ
スが車室内に侵入するのを低減する。しかも、一箇所に
排気ガスセンサを配置して、還元性ガス、酸化性ガス及
び、こられの混合ガスのガス濃度を検知できるので、検
知位置によるガス濃度のばらつきを防止できる。
【0010】制御装置は、還元性ガス検知素子と、酸化
性ガス検知素子とのそれぞれの出力を別個に検出して、
ダンパを開閉制御するものであってもよいし、また、こ
れらのガス検知素子の出力変化を一箇所で同時に検知す
るものであってもよい。ガス検知素子の出力変化を一箇
所で同時に検知する場合には、還元性ガス検知素子と、
酸化性ガス検知素子とが正または負の特性について逆の
感度特性を有することが望ましいが、同じ感度特性を有
する場合には、一方の出力を正または負に反転させて検
知することによって、混合ガスの濃度を容易に検知する
ことができる。
【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記還元性ガス検知素子と前記酸化性
ガス検知素子とは、正負について逆の感度特性を備え、
還元性ガス検知素子と酸化性ガス検知素子とを直列に接
続して、両者の出力差を検知することを特徴とするもの
である。
【0012】この請求項2に記載の発明では、請求項1
に記載の作用効果を奏するとともに、還元性ガス検知素
子と酸化性ガス検知素子とを直列に配置し、これらの出
力差を検知することにより、還元性ガス、酸化性ガス及
び、こられの混合ガスのガス濃度を検知することがで
き、制御装置は、検知量に応答して外気導入口の開閉を
制御し、これらの排気ガスが車室内に侵入するのを低減
する。即ち、図3に示すように、排気ガスが還元性ガス
の場合には、酸化性ガス検知素子に対して還元性ガス検
知素子は正の出力差を持ち、排気ガスが酸化性ガスの場
合には、還元性ガス検知素子に対して酸化性ガス検知素
子は負の出力差を持ち、酸化性ガスと還元性ガスとが混
合した排気ガスの場合には、正負の絶対値の和が出力差
となる。しかも、排気ガスセンサは、2種類のガス検知
素子を直列に配置するだけであるから、構成が簡易であ
るとともに湿度や気流に対しても安定であり信頼性が高
い。
【0013】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載の発明において、前記ダンパは、外気導入口と
室内空気導入口との開閉を切り換え、前記制御装置は、
前記排気ガスセンサが検知した出力差に応じて、ダンパ
の開閉位置を制御することを特徴とするものである。
【0014】この請求項3に記載の発明では、請求項1
または2に記載の作用効果を奏するとともに、ダンパ
は、外気導入口と室内空気導入口との切り換え位置を制
御する。例えば、外気導入口を全開(FRE)にすると
ともに室内空気導入口を閉じ(REC)たり、両者を半
開したりする等の制御をすることにより、排気ガスの少
ない外気を取り入れて車室内の空気の汚れを防止しつ
つ、車室内への排気ガスの侵入を最小限度に抑えること
ができる。
【0015】請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3
のいずれか一項に記載の発明において、前記制御装置
は、排気ガスセンサが検知した出力差に応じて、外気の
汚れ状態を車室内の表示パネルに表示することを特徴と
するものである。
【0016】この請求項4に記載の発明では、請求項1
乃至3のいずれか一項に記載の作用効果を奏するととも
に、排気ガスセンサの検知信号に基づいて、車室内の表
示パネルに外気の汚れ度を表示する構成であるから、車
室内の乗員は外気における排気ガスの汚れ度合いを容易
に認知でき、それに基づいて、例えば、窓の開閉等を判
断できるので、車室内に汚れた外気が導入されるのを更
に防止できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、添付図面を参照して、本
発明の実施の形態を詳細に説明する。図2に示すよう
に、本発明の実施の形態にかかる外気導入ダンパ装置1
は、車両の空調ダクト5における導入空気の切り換えを
おこなうものである。空調ダクト5は外気導入口7、室
内空気導入口9、ブロワ11、エバポレータ13とが設
けられており、外気導入口7と室内空気導入口9とは、
ダンパ15によりその開閉が切り換えられている。
【0018】外気導入ダンパ装置1は、ダンパ15と、
排気ガスセンサ17と、排気ガスセンサ17の出力信号
に応答してダンパの位置を制御する制御装置19とから
構成されている。尚、制御装置19は、後述する表示パ
ネル31に接続されており、外気の汚れ状態を表示パネ
ル31に表示するようになっている。
【0019】排気ガスセンサ17は、車両のコンデンサ
(図示せず)付近に設置されており、外気中の排気ガス
濃度を検知するようになっている。この排気ガスセンサ
17には、一つのガスセンサ内に還元性ガス検知素子2
1と酸化性ガス検知素子23とを備えているので、簡易
且つコンパクトな構成で、還元性ガス、酸化性ガス及
び、こられの混合ガスのガス濃度を検知することができ
る。しかも、一箇所に排気ガスセンサ17を配置して、
還元性ガス、酸化性ガス及び、こられの混合ガスのガス
濃度を検知するので、検知位置によるガス濃度のばらつ
きを防止できる。この排気ガスセンサ17は、図1にそ
の等価回路を示すように、還元性ガス検知素子21と酸
化性ガス検知素子23とを直列に接続しており、還元性
ガス検知素子21と酸化性ガス検知素子23との間の電
圧Voを測定している。また、この回路にはヒータ25
が設けられており、各センサ素子21、23の周囲を加
熱している。尚、図1において、印加電圧は5Vであ
り、符号27は抵抗である。
【0020】還元性ガス検知素子21は、二酸化スズ
(SnO2)、酸化鉄(Fe23)等を主材料とするも
のであり、主としてHC、CO等の還元性ガスを検知し
ている。この還元性ガス検知素子21は、還元性ガスを
主として含むガソリン車排気ガスを検知し、その検知量
に応じて出力が変化する。尚、この還元性ガス検知素子
21は、ガソリン排ガスに対して正の出力特性を有す
る。酸化性ガス検知素子23は、酸化タングステン(W
3)、酸化インジュウム(In23)等が上述した主
原料に添加されたものであり、主としてNOx等の酸化
性ガスを検知するものである。この酸化性ガス検知素子
23は、酸化性ガスを主として含むディーゼル車排気ガ
スを検知し、その検知量に応じて出力が変化する。尚、
この酸化性ガス検知素子23は、ディーゼル排ガスに対
して負の出力特性を有する。
【0021】この排気ガスセンサ17は、還元性ガス検
知素子21と酸化性ガス検知素子23とにおける各素子
21、23の感ガス特性による出力差を電圧(Vo)と
して検知する。尚、この検知電圧(Vo)は制御装置1
9に検知信号として送信する。制御装置19は、排気ガ
スセンサ17における検知電圧に応答してダンパ15の
位置を制御する。本実施の形態では、外気導入口7の開
度を全開にし、車室内導入口9を閉じる位置(100%
FRE)と、外気導入口7の開度を半開にし、車室内導
入口9を半開にする位置(50%FRE)と、外気導入
口7の開度を10%開状態にし、車室内導入口9を全開
にする位置(REC)との3状態にダンパ15の位置を
制御している。
【0022】次に、本実施の形態の作用を説明する。図
3にガソリン排気ガスとディーゼル排気ガスとの濃度
と、各センサ素子の出力との関係を示すように、外気が
ガソリン排気ガスの場合には、還元性ガス検知素子21
(図3において、「センサA」とする)の酸化性ガス検
知素子23(図3において、「センサB」とする)に対
する出力が、濃度に略比例して増加する。この場合、セ
ンサBの出力はほとんど変化しないので、センサAとセ
ンサBとの出力差Sがガソリン排気ガス濃度に対応して
検出することができる。
【0023】一方、外気がディーゼル排気ガスの場合に
は、センサAの出力はほとんど変化ないが、センサBの
出力はディーゼル排気ガスの濃度に略比例して負の出力
値となる。従って、センサBとセンサAとの出力差T
は、ディーゼル排気ガス濃度に対応して検出することが
できる。更に、外気がガソリン排気ガスと、ディーゼル
排気ガスとの混合ガスの場合には、センサAはガソリン
排気ガスのガス濃度に略比例して正の出力になり、セン
サBはディーゼル排気ガスのガス濃度に略比例して負の
出力になるのでセンサAとセンサBとの出力の絶対値を
加算した出力差Wを検出できる。
【0024】このように、本実施の形態では、ガソリン
排気ガスと、ディーゼル排気ガスと、これらの混合した
排気ガス濃度を検知することができる。一方、制御装置
19では、排気ガスセンサ17からの出力信号を受ける
とその検知出力に応じて、ダンパ15の位置を制御し、
ガソリン排気ガスでも、ディーゼル排気ガスでも、ある
いはこれらの混合ガスでも、その濃度が高い場合にはダ
ンパ15を100%FRE、50%FRE、RECの3
段階に制御する。従って、外気の排気ガス濃度が高い場
合には、外気の導入を自動的に制限するので、車室内に
おける排気ガスの悪臭を低減でき、快適な車室内を提供
できる。
【0025】本実施の形態にかかる排気ガスセンサ17
について、排気ガスに対する出力変化の実験をおこなっ
た。その結果を下記表1に示す。この実験では、5pp
m濃度のNO2 、20ppm濃度のCO、10ppm濃
度のトルエンについて、本実施の形態にかかる排気ガス
センサ17、同種のガスセンサ素子を直列に配置した従
来1、酸化性ガス検知素子のみを有する従来2、還元性
ガス検知素子のみを有する従来3について、各ガス濃度
における出力変化を測定した。
【0026】
【表1】
【0027】この表から明らかなように、本実施の形態
では、ディーゼル排気ガスの主成分であるNO2 、及び
ガソリン排気ガスの主成分であるCOとトルエンとに対
して充分な出力変化(ΔV)を測定することができた。
これに対して、従来例1では、NO2 ガスについては測
定できず、及びCOについても出力変化が小さかった。
従来例2については、CO及びトルエンについては出力
変化を得られないとともに、NO2 のディーゼル排気ガ
スでは出力変化を得えられたものの本発明品よりも小さ
い値であった。従来例3については、NO2 については
出力変化を測定できなかったが、CO及びトルエンにつ
いては出力変化を測定できた。但し、出力変化は本実施
例品に比較して小さい値であった。
【0028】次に、図4を参照して、本実施の形態にか
かる外気導入ダンパ装置1における排気ガスセンサ17
の出力電圧とダンパの開閉制御とについて説明する。図
4のグラフにおいて、横軸には官能試験による臭気度の
官能値を取り、縦軸にはガスセンサの出力電圧を取った
ものである。排気ガスセンサ17の出力電圧が約0.8
Vでは、臭気度は2であり、この場合にはほとんど臭気
を感じないきれいな外気であるため、ダンパの外気導入
口を100%開状態(100%FRE)にする。また、
排気ガスセンサの出力が約0.8乃至1.05Vでは、
臭気の官能値は1.5乃至3.5で臭気を感じる程度に
外気が汚れているので、外気導入口を50%開状態(5
0%FRE)にする。そして、排気ガスセンサの出力が
1.05V以上では、排気ガスの臭気度は3.5以上で
あり、強い臭気を感じる程汚れているため、外気導入口
を10%開き状態(REC)、即ち、ほとんど閉じた状
態にする。このように、外気導入口7の開閉を制御する
ことにより、車室内に不快な排気ガスを導入するを防止
でき、快適な車室内空間を提供できる。尚、ダンパの開
度の切り換え制御ではヒストリシス制御をおこなってい
る。
【0029】更に、本実施の形態では、外気の汚れ状態
を運転席のパネルに表示するようになっている。即ち、
図5に示すように、運転席の表示パネル31には、「A
IRMONITOR(エアモニター)」表示部33を備
えており、本実施の形態では、上述した3段階の外気汚
れ度に応じて、『汚れ強』『汚れ弱』『クリーン』の表
示ランプ35a、35b、35cの各ランプを点灯する
ようになっている。この表示により、車室内の乗員は外
気における排気ガスの汚れ度合いを容易に認知でき、そ
れに基づいて、例えば、車両の窓の開閉等を判断できる
ので、車室内に汚れた外気が導入されるのを更に防止で
きる。
【0030】また、本実施の形態にかかる排気ガスセン
サ17は、2つの検知素子21及び23を直列に接続す
る構成であるから、湿度の影響を受け難い。即ち、相対
湿度変化に対する排気ガスセンサ17の出力の変化を測
定し、その結果を従来と比較したところ、図6に示すよ
うに、従来と比較して相対湿度の変化に対する出力変化
の影響が少ない結果を得た。図6において、従来例1で
示す破線は、同じ感ガス特性を示すセンサ素子を直列に
接続してその出力差を検知した場合であり、従来例2で
示す一点鎖線はガソリン用ガスセンサ素子のみを用いた
場合であり、従来例3で示す二点鎖線はディーゼル用ガ
スセンサ素子のみを用いた場合である。尚、試験条件
は、温度25℃、濃度100ppmのCOガスを用い
た。このグラフから明らかなように、本実施の形態で
は、従来に比較して湿度の影響を受け難いことが明らか
である。
【0031】また、本実施の形態にかかる排気ガスセン
サにおける気流の影響について、上述した従来1との比
較試験をおこなった。その結果を下記表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】風速0と風速1m/sとおける出力の変化
率を測定したところ本実施の形態は変化率が約2%であ
ったが、従来1では約3.5%であり、本発実施の形態
では、気流に対する影響が従来よりも少ないことが明ら
かである。
【0034】更に、本実施の形態にかかる外気導入ダン
パ装置を搭載した車両と、外気導入ダンパ装置(オート
ダンパ)を搭載しない車両とを実施に走行させ、車室内
における臭気を測定する実験を行なった。その結果を図
7及び図8に示す。図7は、本実施の形態にかかる外気
導入ダンパ装置1を搭載した実験例であり、横軸に走行
時間を取り、縦軸に車室内における官能試験による臭気
度を示す。臭気の測定は、車室内に乗車した3人による
官能試験の結果であり、臭気0は無臭であり、臭気4は
極めて強い臭気を示している。図8は、本実施の形態に
かかる外気導入ダンパ装置を搭載しない例を示してお
り、マニュアル操作により外気導入口を開いた状態に保
持したままのものである。
【0035】この実験から明らかなように、本実施の形
態にかかる外気導入ダンパ装置1を搭載した車両では、
長期間に亘って走行した場合でも臭気は1以下で車室内
ではほとんど臭気を感じることなく、快適に走行するこ
とができた。これに対して、外気導入ダンパを搭載しな
い車両では、外気の排気ガス濃度にかかわらず、外気が
導入されてしまうため、車室内の臭気が高くなり、不快
であった。
【0036】次に、本実施の形態にかかる外気導入ダン
パ装置1を搭載した車両において、車室内のCO2濃度
を測定する実験をおこなったので、図9を参照してその
結果を説明する。図9は、横軸に時間を取り、縦軸にC
2濃度を取ったものであり、本発明の外気導入ダンパ
装置1を搭載した車室内のCO2濃度を測定したもので
ある。尚、破線fは常時REC状態における車室内のC
2濃度を示し、実線gは、ダンパ15の開閉状態を示
し、一点鎖線hは外気中におけるCO2濃度を示してい
る。尚、ダンパの開閉は、右横軸にREC(10%
開)、50%FRE(50%開)、100%FRE(1
00%開)をとっている。このグラフから明らかなよう
に、本実施の形態では、外気の排ガス濃度に応じてダン
パ15を開閉しているから、適宜外気を取り入れでき、
車室内のCO2濃度はREC状態fに比較して充分に少
なくでき、車室内の空気を清浄に保持し、快適な車室内
空間を提供できた。
【0037】発明は上述した実施の形態に限定されず、
本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
例えば、酸化性ガス検知素子23と還元性ガス検知素子
21とを直列に接続する場合には、いずれを電流に対し
て上流側に配置しても同様な効果を得ることができる。
また、還元性ガス検知素子と、酸化性ガス検知素子とを
直列に接続することに限らず、それぞれの出力を別個に
検出して、ダンパを開閉制御するものであってもよい。
更に、還元性ガス検知素子と、酸化性ガス検知素子とを
並列に接続し、これらのガス検知素子の出力変化を一箇
所で同時に検知するものであってもよい。この場合に
は、還元性ガス検知素子と、酸化性ガス検知素子とが正
または負の特性について逆の感度特性を有することが望
ましいが、同じ感度特性を有する場合には、一方の出力
を正または負に反転させて検知するものであってもよ
い。
【0038】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、一つの
排気ガスセンサに還元性ガス検知素子と酸化性ガス検知
素子とを備えているので、簡易且つコンパクトな構成
で、還元性ガス、酸化性ガス及び、こられの混合ガスの
ガス濃度を検知することができ、これらの汚れた排気ガ
スが車室内に侵入するのを低減できる。従って、車室内
の空気を快適な状態に保持できる。更に、一箇所に排気
ガスセンサを配置して、還元性ガス、酸化性ガス及び、
こられの混合ガスのガス濃度を検知できるので、検知位
置によるガス濃度のばらつきを防止できる。
【0039】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の作用効果を奏するとともに、還元性ガス検知素
子と酸化性ガス検知素子とを直列に配置しているので、
構成が簡易である。また、これらのガス検知において、
湿度や気流の影響を受け難いので、安定であり信頼性が
高い。
【0040】請求項3に記載の発明によれば、請求項1
または2に記載の効果を奏するとともに、制御装置は、
排気ガスセンサによる検知信号に応じて、ダンパによる
外気導入口と室内空気導入口との切り換え位置を制御し
ているので、車室内の空気の汚れを防止しつつ車室内へ
の排気ガスの侵入を最小限度に抑えることができる。
【0041】請求項4に記載の発明によれば、請求項1
乃至3のいずれか一項に記載の効果を奏するとともに、
排気ガスセンサの検知結果に基づいて、車室内の表示パ
ネルに外気の汚れ度を表示する構成であるから、車室内
の乗員は外気の汚れ度合いを容易に認知できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる排気ガスセンサの
等価回路図である。
【図2】車両の空調ダクトの概略的構成を示す図であ
る。
【図3】排気ガスセンサにおけるガス濃度と出力との関
係を示すグラフである。
【図4】排気ガスセンサの出力とモニタ表示との関係を
示すグラフである。
【図5】運転席における表示パネルの平面図である。
【図6】相対湿度と排気ガスセンサとの関係を示すグラ
フである。
【図7】外気導入ダンパを搭載した車両の車室内におけ
る臭気度と走行時間との関係を示すグラフである。
【図8】オートダンパを搭載していない車両の車室内に
おける臭気度と走行時間との関係を示すグラフである。
【図9】車室内のCO2濃度と走行時間との関係を示す
グラフである。
【図10】ガソリン車の概略的な排気ガス成分と、ディ
ーゼル車の概略的な排気ガス成分とを示す図である。
【図11】従来の排気ガスセンサにおけるガス濃度と出
力との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 外気導入ダンパ装置 7 外気導入口 15 ダンパ 17 排気ガスセンサ 19 制御装置 21 還元性ガス検知素子 23 酸化性ガス検知素子 31 表示パネル 35a、35b、35c 表示ランプ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年3月23日(2000.3.2
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 外気導入ダンパ装置
【特許請求の範囲】
【請求項】 前記ダンパは、外気導入口と室内空気導
入口との開閉を切り換え、前記制御装置は、前記排気ガ
スセンサが検知した出力差に応じて、ダンパの開閉位置
を制御することを特徴とする請求項に記載の外気導入
ダンパ装置。
【請求項】 前記制御装置は、排気ガスセンサが検知
した出力差に応じて、外気の汚れ状態を車室内の表示パ
ネルに表示することを特徴とする請求項1または2に記
載の外気導入ダンパ装置。
【請求項前記制御装置は、前記ダンパの開閉位置
を、外気導入口の開度を全開にし且つ室内導入口を閉じ
る位置と、外気導入口及び室内導入口を半開にする位置
と、外気導入口を10%開にし且つ室内導入口を全開に
する位置との3段階に制御することを特徴とする請求項
2に記載の外気導入ダンパ装置
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排気ガスセンサの
検知信号に応答して外気の導入を制御する外気導入ダン
パ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の従来の外気導入ダンパ装置に用
いられている排気ガスセンサとして、ガソリンエンジン
(ガソリン車)の排気ガスを検知するガソリン用ガスセ
ンサと、ディーゼルエンジン(ディーゼル車)の排気ガ
スを検知するディーゼル用ガスセンサとが公知である。
ガソリンエンジンの排気ガスは、図10に示すように、
主としてHC、CO等の還元性ガスであり、ガソリン用
ガスセンサは、還元性ガスを検知している。
【0003】一方、ディーゼルエンジンの排気ガスは、
主としてNOx等の酸化性ガスであり、ディーゼル用ガ
スセンサは、酸化性ガスを検知している。また、特開平
8−271466号公報には、ガスに対して同じ感度特
性を有する感ガス素子を複数個直列に配置して、これら
の出力差を検知して湿度に対する依存性を小さくする技
術が開示されている。更に、近年は、道路にはガソリン
車とディーゼル車とが混在するため、ガソリン車の排気
ガスとディーゼル車の排気ガスとの両方を検知して、車
室内への外気導入を制御する要求が高い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した公報
に開示の技術では、湿度に対する依存性を小さくできる
ものの、図11に示すように、ガソリン用感ガス素子を
用いたものでは、ガソリン排ガスに対する出力差は検出
できるが、ディーゼル排ガスに対しては負の出力になる
ため検知が困難になるという不都合がある。
【0005】しかも、ガソリン排ガスとディーゼル排ガ
スとが混在する外気中においては、ディーゼル排ガスに
対する出力差が負になるため、感ガス素子の出力差の検
知が困難になるという不都合がある。このことは、複数
の感ガス素子として各素子にディーゼル排ガス用の素子
を用いた場合についても同様である。
【0006】一方、従来のガソリン用ガスセンサと、デ
ィーゼル用ガスセンサとを別個に設け、これらの2つの
センサをそのまま用いたのでは、部品点数が増し、装置
が複雑になるという不都合がある。
【0007】そこで、本発明の目的は、簡易な構成で、
ガソリン排ガスとディーゼル排ガスとの両方に対して応
答できる外気導入ダンパ装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、車両の外気導入口を開閉
するダンパと、このダンパの開閉を制御する制御装置
と、排気ガスセンサとを備え、排気ガスセンサの検知信
号に応答して外気の導入を制御する外気導入ダンパ装置
において、前記排気ガスセンサは、還元性ガスの検知量
に応じて出力が変化する還元性ガス検知素子と、酸化性
ガスの検知量に応じて出力が変化する酸化性ガス検知素
子とを一体に備え、前記還元性ガス検知素子と前記酸化
性ガス検知素子とは、正負について逆の感度特性を備え
ており、還元性ガス検知素子と酸化性ガス検知素子とを
直列に接続して、両者の出力差を検知することを特徴と
するものである。
【0009】この請求項1に記載の発明では、一つの排
気ガスセンサに還元性ガス検知素子と酸化性ガス検知素
子とを一体に備えているので、簡易且つコンパクトな構
成で、還元性ガス、酸化性ガス及び、これらの混合ガス
のガス濃度を検知することができ、制御装置は、検知量
に応答して外気導入口の開閉を制御し、これらの排気ガ
スが車室内に侵入するのを低減する。しかも、一箇所に
排気ガスセンサを配置して、還元性ガス、酸化性ガス及
び、こられの混合ガスのガス濃度を検知できるので、検
知位置によるガス濃度のばらつきを防止できる。また、
還元性ガス検知素子と酸化性ガス検知素子とを直列に配
置し、これらの出力差を検知することにより、還元性ガ
ス、酸化性ガス及び、こられの混合ガスのガス濃度を検
知することができ、制御装置は、検知量に応答して外気
導入口の開閉を制御し、これらの排気ガスが車室内に侵
入するのを低減する。即ち、図3に示すように、排気ガ
スが還元性ガスの場合には、酸化性ガス検知素子に対し
て還元性ガス検知素子は正の出力差を持ち、排気ガスが
酸化性ガスの場合には、還元性ガス検知素子に対して酸
化性ガス検知素子は負の出力差を持ち、酸化性ガスと還
元性ガスとが混合した排気ガスの場合には、正負の絶対
値の和が出力差となる。しかも、排気ガスセンサは、2
種類のガス検知素子を直列に配置するだけであるから、
構成が簡易であるとともに湿度や気流に対しても安定で
あり信頼性が高い。
【0010】制御装置は、還元性ガス検知素子と、酸化
性ガス検知素子とのそれぞれの出力を別個に検出して、
ダンパを開閉制御するものであってもよいし、また、こ
れらのガス検知素子の出力変化を一箇所で同時に検知す
るものであってもよい。ガス検知素子の出力変化を一箇
所で同時に検知する場合には、還元性ガス検知素子と、
酸化性ガス検知素子とが正または負の特性について逆の
感度特性を有することが望ましいが、同じ感度特性を有
する場合には、一方の出力を正または負に反転させて検
知することによって、混合ガスの濃度を容易に検知する
ことができる。
【0011】請求項に記載の発明は、請求項に記載
の発明において、前記ダンパは、外気導入口と室内空気
導入口との開閉を切り換え、前記制御装置は、前記排気
ガスセンサが検知した出力差に応じて、ダンパの開閉位
置を制御することを特徴とするものである。
【0012】この請求項に記載の発明では、請求項
に記載の作用効果を奏するとともに、ダンパは、外気導
入口と室内空気導入口との切り換え位置を制御する。例
えば、外気導入口を全開(FRE)にするとともに室内
空気導入口を閉じ(REC)たり、両者を半開したりす
る等の制御をすることにより、排気ガスの少ない外気を
取り入れて車室内の空気の汚れを防止しつつ、車室内へ
の排気ガスの侵入を最小限度に抑えることができる。
【0013】請求項に記載の発明は、請求項1または
に記載の発明において、前記制御装置は、排気ガスセ
ンサが検知した出力差に応じて、外気の汚れ状態を車室
内の表示パネルに表示することを特徴とするものであ
る。
【0014】この請求項3に記載の発明では、請求項1
または2に記載の作用効果を奏するとともに、排気ガス
センサの検知信号に基づいて、車室内の表示パネルに外
気の汚れ度を表示する構成であるから、車室内の乗員は
外気における排気ガスの汚れ度合いを容易に認知でき、
それに基づいて、例えば、窓の開閉等を判断できるの
で、車室内に汚れた外気が導入されるのを更に防止でき
る。
【0015】請求項に記載の発明は、請求項に記載
の発明において、前記制御装置は、前記ダンパの開閉位
置を、外気導入口の開度を全開にし且つ室内導入口を閉
じる位置と、外気導入口及び室内導入口を半開にする位
置と、外気導入口を10%開にし且つ室内導入口を全開
にする位置との3段階に制御することを特徴とするもの
である。
【0016】この請求項に記載の発明では、請求項2
に記載の作用効果を奏するとともに、外気導入口の開閉
を3段階で制御することにより、車室内に不快な排気ガ
スを導入するのを防止でき、快適な車室内空間を提供で
きる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、添付図面を参照して、本
発明の実施の形態を詳細に説明する。図2に示すよう
に、本発明の実施の形態にかかる外気導入ダンパ装置1
は、車両の空調ダクト5における導入空気の切り換えを
おこなうものである。空調ダクト5は外気導入口7、室
内空気導入口9、ブロワ11、エバポレータ13とが設
けられており、外気導入口7と室内空気導入口9とは、
ダンパ15によりその開閉が切り換えられている。
【0018】外気導入ダンパ装置1は、ダンパ15と、
排気ガスセンサ17と、排気ガスセンサ17の出力信号
に応答してダンパの位置を制御する制御装置19とから
構成されている。尚、制御装置19は、後述する表示パ
ネル31に接続されており、外気の汚れ状態を表示パネ
ル31に表示するようになっている。
【0019】排気ガスセンサ17は、車両のコンデンサ
(図示せず)付近に設置されており、外気中の排気ガス
濃度を検知するようになっている。この排気ガスセンサ
17には、一つのガスセンサ内に還元性ガス検知素子2
1と酸化性ガス検知素子23とを備えているので、簡易
且つコンパクトな構成で、還元性ガス、酸化性ガス及
び、こられの混合ガスのガス濃度を検知することができ
る。しかも、一箇所に排気ガスセンサ17を配置して、
還元性ガス、酸化性ガス及び、こられの混合ガスのガス
濃度を検知するので、検知位置によるガス濃度のばらつ
きを防止できる。この排気ガスセンサ17は、図1にそ
の等価回路を示すように、還元性ガス検知素子21と酸
化性ガス検知素子23とを直列に接続しており、還元性
ガス検知素子21と酸化性ガス検知素子23との間の電
圧Voを測定している。また、この回路にはヒータ25
が設けられており、各センサ素子21、23の周囲を加
熱している。尚、図1において、印加電圧は5Vであ
り、符号27は抵抗である。
【0020】還元性ガス検知素子21は、二酸化スズ
(SnO2)、酸化鉄(Fe23)等を主材料とするも
のであり、主としてHC、CO等の還元性ガスを検知し
ている。この還元性ガス検知素子21は、還元性ガスを
主として含むガソリン車排気ガスを検知し、その検知量
に応じて出力が変化する。尚、この還元性ガス検知素子
21は、ガソリン排ガスに対して正の出力特性を有す
る。酸化性ガス検知素子23は、酸化タングステン(W
3)、酸化インジュウム(In23)等が上述した主
原料に添加されたものであり、主としてNOx等の酸化
性ガスを検知するものである。この酸化性ガス検知素子
23は、酸化性ガスを主として含むディーゼル車排気ガ
スを検知し、その検知量に応じて出力が変化する。尚、
この酸化性ガス検知素子23は、ディーゼル排ガスに対
して負の出力特性を有する。
【0021】この排気ガスセンサ17は、還元性ガス検
知素子21と酸化性ガス検知素子23とにおける各素子
21、23の感ガス特性による出力差を電圧(Vo)と
して検知する。尚、この検知電圧(Vo)は制御装置1
9に検知信号として送信する。制御装置19は、排気ガ
スセンサ17における検知電圧に応答してダンパ15の
位置を制御する。本実施の形態では、外気導入口7の開
度を全開にし、車室内導入口9を閉じる位置(100%
FRE)と、外気導入口7の開度を半開にし、車室内導
入口9を半開にする位置(50%FRE)と、外気導入
口7の開度を10%開状態にし、車室内導入口9を全開
にする位置(REC)との3状態にダンパ15の位置を
制御している。
【0022】次に、本実施の形態の作用を説明する。図
3にガソリン排気ガスとディーゼル排気ガスとの濃度
と、各センサ素子の出力との関係を示すように、外気が
ガソリン排気ガスの場合には、還元性ガス検知素子21
(図3において、「センサA」とする)の酸化性ガス検
知素子23(図3において、「センサB」とする)に対
する出力が、濃度に略比例して増加する。この場合、セ
ンサBの出力はほとんど変化しないので、センサAとセ
ンサBとの出力差Sがガソリン排気ガス濃度に対応して
検出することができる。
【0023】一方、外気がディーゼル排気ガスの場合に
は、センサAの出力はほとんど変化ないが、センサBの
出力はディーゼル排気ガスの濃度に略比例して負の出力
値となる。従って、センサBとセンサAとの出力差T
は、ディーゼル排気ガス濃度に対応して検出することが
できる。更に、外気がガソリン排気ガスと、ディーゼル
排気ガスとの混合ガスの場合には、センサAはガソリン
排気ガスのガス濃度に略比例して正の出力になり、セン
サBはディーゼル排気ガスのガス濃度に略比例して負の
出力になるのでセンサAとセンサBとの出力の絶対値を
加算した出力差Wを検出できる。
【0024】このように、本実施の形態では、ガソリン
排気ガスと、ディーゼル排気ガスと、これらの混合した
排気ガス濃度を検知することができる。一方、制御装置
19では、排気ガスセンサ17からの出力信号を受ける
とその検知出力に応じて、ダンパ15の位置を制御し、
ガソリン排気ガスでも、ディーゼル排気ガスでも、ある
いはこれらの混合ガスでも、その濃度が高い場合にはダ
ンパ15を100%FRE、50%FRE、RECの3
段階に制御する。従って、外気の排気ガス濃度が高い場
合には、外気の導入を自動的に制限するので、車室内に
おける排気ガスの悪臭を低減でき、快適な車室内を提供
できる。
【0025】本実施の形態にかかる排気ガスセンサ17
について、排気ガスに対する出力変化の実験をおこなっ
た。その結果を下記表1に示す。この実験では、5pp
m濃度のNO2 、20ppm濃度のCO、10ppm濃
度のトルエンについて、本実施の形態にかかる排気ガス
センサ17、同種のガスセンサ素子を直列に配置した従
来1、酸化性ガス検知素子のみを有する従来2、還元性
ガス検知素子のみを有する従来3について、各ガス濃度
における出力変化を測定した。
【0026】
【表1】
【0027】この表から明らかなように、本実施の形態
では、ディーゼル排気ガスの主成分であるNO2 、及び
ガソリン排気ガスの主成分であるCOとトルエンとに対
して充分な出力変化(ΔV)を測定することができた。
これに対して、従来例1では、NO2 ガスについては測
定できず、及びCOについても出力変化が小さかった。
従来例2については、CO及びトルエンについては出力
変化を得られないとともに、NO2 のディーゼル排気ガ
スでは出力変化を得えられたものの本発明品よりも小さ
い値であった。従来例3については、NO2 については
出力変化を測定できなかったが、CO及びトルエンにつ
いては出力変化を測定できた。但し、出力変化は本実施
例品に比較して小さい値であった。
【0028】次に、図4を参照して、本実施の形態にか
かる外気導入ダンパ装置1における排気ガスセンサ17
の出力電圧とダンパの開閉制御とについて説明する。図
4のグラフにおいて、横軸には官能試験による臭気度の
官能値を取り、縦軸にはガスセンサの出力電圧を取った
ものである。排気ガスセンサ17の出力電圧が約0.8
Vでは、臭気度は2であり、この場合にはほとんど臭気
を感じないきれいな外気であるため、ダンパの外気導入
口を100%開状態(100%FRE)にする。また、
排気ガスセンサの出力が約0.8乃至1.05Vでは、
臭気の官能値は1.5乃至3.5で臭気を感じる程度に
外気が汚れているので、外気導入口を50%開状態(5
0%FRE)にする。そして、排気ガスセンサの出力が
1.05V以上では、排気ガスの臭気度は3.5以上で
あり、強い臭気を感じる程汚れているため、外気導入口
を10%開き状態(REC)、即ち、ほとんど閉じた状
態にする。このように、外気導入口7の開閉を制御する
ことにより、車室内に不快な排気ガスを導入するを防
止でき、快適な車室内空間を提供できる。尚、ダンパの
開度の切り換え制御ではヒスリシス制御をおこなって
いる。
【0029】更に、本実施の形態では、外気の汚れ状態
を運転席のパネルに表示するようになっている。即ち、
図5に示すように、運転席の表示パネル31には、「A
IRMONITOR(エアモニター)」表示部33を備
えており、本実施の形態では、上述した3段階の外気汚
れ度に応じて、『汚れ強』『汚れ弱』『クリーン』の表
示ランプ35a、35b、35cの各ランプを点灯する
ようになっている。この表示により、車室内の乗員は外
気における排気ガスの汚れ度合いを容易に認知でき、そ
れに基づいて、例えば、車両の窓の開閉等を判断できる
ので、車室内に汚れた外気が導入されるのを更に防止で
きる。
【0030】また、本実施の形態にかかる排気ガスセン
サ17は、2つの検知素子21及び23を直列に接続す
る構成であるから、湿度の影響を受け難い。即ち、相対
湿度変化に対する排気ガスセンサ17の出力の変化を測
定し、その結果を従来と比較したところ、図6に示すよ
うに、従来と比較して相対湿度の変化に対する出力変化
の影響が少ない結果を得た。図6において、従来例1で
示す破線は、同じ感ガス特性を示すセンサ素子を直列に
接続してその出力差を検知した場合であり、従来例2で
示す一点鎖線はガソリン用ガスセンサ素子のみを用いた
場合であり、従来例3で示す二点鎖線はディーゼル用ガ
スセンサ素子のみを用いた場合である。尚、試験条件
は、温度25℃、濃度100ppmのCOガスを用い
た。このグラフから明らかなように、本実施の形態で
は、従来に比較して湿度の影響を受け難いことが明らか
である。
【0031】また、本実施の形態にかかる排気ガスセン
サにおける気流の影響について、上述した従来1との比
較試験をおこなった。その結果を下記表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】風速0と風速1m/sとおける出力の変化
率を測定したところ本実施の形態は変化率が約2%であ
ったが、従来1では約3.5%であり、本発実施の形態
では、気流に対する影響が従来よりも少ないことが明ら
かである。
【0034】更に、本実施の形態にかかる外気導入ダン
パ装置を搭載した車両と、外気導入ダンパ装置(オート
ダンパ)を搭載しない車両とを実施に走行させ、車室内
における臭気を測定する実験を行なった。その結果を図
7及び図8に示す。図7は、本実施の形態にかかる外気
導入ダンパ装置1を搭載した実験例であり、横軸に走行
時間を取り、縦軸に車室内における官能試験による臭気
度を示す。臭気の測定は、車室内に乗車した3人による
官能試験の結果であり、臭気0は無臭であり、臭気4は
極めて強い臭気を示している。図8は、本実施の形態に
かかる外気導入ダンパ装置を搭載しない例を示してお
り、マニュアル操作により外気導入口を開いた状態に保
持したままのものである。
【0035】この実験から明らかなように、本実施の形
態にかかる外気導入ダンパ装置1を搭載した車両では、
長期間に亘って走行した場合でも臭気は1以下で車室内
ではほとんど臭気を感じることなく、快適に走行するこ
とができた。これに対して、外気導入ダンパを搭載しな
い車両では、外気の排気ガス濃度にかかわらず、外気が
導入されてしまうため、車室内の臭気が高くなり、不快
であった。
【0036】次に、本実施の形態にかかる外気導入ダン
パ装置1を搭載した車両において、車室内のCO2濃度
を測定する実験をおこなったので、図9を参照してその
結果を説明する。図9は、横軸に時間を取り、縦軸にC
2濃度を取ったものであり、本発明の外気導入ダンパ
装置1を搭載した車室内のCO2濃度を測定したもので
ある。尚、破線fは常時REC状態における車室内のC
2濃度を示し、実線gは、ダンパ15の開閉状態を示
し、一点鎖線hは外気中におけるCO2濃度を示してい
る。尚、ダンパの開閉は、右横軸にREC(10%
開)、50%FRE(50%開)、100%FRE(1
00%開)をとっている。このグラフから明らかなよう
に、本実施の形態では、外気の排ガス濃度に応じてダン
パ15を開閉しているから、適宜外気を取り入れでき、
車室内のCO2濃度はREC状態fに比較して充分に少
なくでき、車室内の空気を清浄に保持し、快適な車室内
空間を提供できた。
【0037】発明は上述した実施の形態に限定されず、
本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
例えば、酸化性ガス検知素子23と還元性ガス検知素子
21とを直列に接続する場合には、いずれを電流に対し
て上流側に配置しても同様な効果を得ることができる。
また、還元性ガス検知素子と、酸化性ガス検知素子とを
直列に接続することに限らず、それぞれの出力を別個に
検出して、ダンパを開閉制御するものであってもよい。
更に、還元性ガス検知素子と、酸化性ガス検知素子とを
並列に接続し、これらのガス検知素子の出力変化を一箇
所で同時に検知するものであってもよい。この場合に
は、還元性ガス検知素子と、酸化性ガス検知素子とが正
または負の特性について逆の感度特性を有することが望
ましいが、同じ感度特性を有する場合には、一方の出力
を正または負に反転させて検知するものであってもよ
い。
【0038】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、一つの
排気ガスセンサに還元性ガス検知素子と酸化性ガス検知
素子とを備えているので、簡易且つコンパクトな構成
で、還元性ガス、酸化性ガス及び、これらの混合ガスの
ガス濃度を検知することができ、これらの汚れた排気ガ
スが車室内に侵入するのを低減できる。従って、車室内
の空気を快適な状態に保持できる。更に、一箇所に排気
ガスセンサを配置して、還元性ガス、酸化性ガス及び、
こられの混合ガスのガス濃度を検知できるので、検知位
置によるガス濃度のばらつきを防止できる。また、還元
性ガス検知素子と酸化性ガス検知素子とを直列に配置
し、これらの出力差を検知することにより、還元性ガ
ス、酸化性ガス及び、こられの混合ガスのガス濃度を検
知することができ、制御装置は、検知量に応答して外気
導入口の開閉を制御し、これらの排気ガスが車室内に侵
入するのを低減する。しかも、排気ガスセンサは、2種
類のガス検知素子を直列に配置するだけであるから、構
成が簡易であるとともに湿度や気流に対しても安定であ
り信頼性が高い。
【0039】請求項に記載の発明によれば、請求項
に記載の作用効果を奏するとともに、制御装置は、排気
ガスセンサによる検知信号に応じて、ダンパによる外気
導入口と室内空気導入口との切り換え位置を制御してい
るので、車室内の空気の汚れを防止しつつ車室内への排
気ガスの侵入を最小限度に抑えることができる。
【0040】請求項に記載の発明によれば、請求項
または2に記載の効果を奏するとともに、排気ガスセン
サの検知結果に基づいて、車室内の表示パネルに外気の
汚れ度を表示する構成であるから、車室内の乗員は外気
の汚れ度合いを容易に認知できる。
【0041】請求項に記載の発明によれば、請求項2
に記載の効果を奏するとともに、外気導入口の開閉を3
段階で制御することにより、車室内に不快な排気ガスを
導入するのを防止でき、快適な車室内空間を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる排気ガスセンサの
等価回路図である。
【図2】車両の空調ダクトの概略的構成を示す図であ
る。
【図3】排気ガスセンサにおけるガス濃度と出力との関
係を示すグラフである。
【図4】排気ガスセンサの出力とモニタ表示との関係を
示すグラフである。
【図5】運転席における表示パネルの平面図である。
【図6】相対湿度と排気ガスセンサとの関係を示すグラ
フである。
【図7】外気導入ダンパを搭載した車両の車室内におけ
る臭気度と走行時間との関係を示すグラフである。
【図8】オートダンパを搭載していない車両の車室内に
おける臭気度と走行時間との関係を示すグラフである。
【図9】車室内のCO2濃度と走行時間との関係を示す
グラフである。
【図10】ガソリン車の概略的な排気ガス成分と、ディ
ーゼル車の概略的な排気ガス成分とを示す図である。
【図11】従来の排気ガスセンサにおけるガス濃度と出
力との関係を示すグラフである。
【符号の説明】 1 外気導入ダンパ装置 7 外気導入口 15 ダンパ 17 排気ガスセンサ 19 制御装置 21 還元性ガス検知素子 23 酸化性ガス検知素子 31 表示パネル 35a、35b、35c 表示ランプ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の外気導入口を開閉するダンパと、
    このダンパの開閉を制御する制御装置と、排気ガスセン
    サとを備え、排気ガスセンサの検知信号に応答して外気
    の導入を制御する外気導入ダンパ装置において、 前記排気ガスセンサは、還元性ガスの検知量に応じて出
    力が変化する還元性ガス検知素子と、酸化性ガスの検知
    量に応じて出力が変化する酸化性ガス性ガス検知素子と
    を一体に備えることを特徴とする外気導入ダンパ装置。
  2. 【請求項2】 前記還元性ガス検知素子と前記酸化性ガ
    ス検知素子とは、正負について逆の感度特性を備え、還
    元性ガス検知素子と酸化性ガス検知素子とを直列に接続
    して、両者の出力差を検知することを特徴とする請求項
    1に記載の外気導入ダンパ装置。
  3. 【請求項3】 前記ダンパは、外気導入口と室内空気導
    入口との開閉を切り換え、前記制御装置は、前記排気ガ
    スセンサが検知した出力差に応じて、ダンパの開閉位置
    を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の
    外気導入ダンパ装置。
  4. 【請求項4】 前記制御装置は、排気ガスセンサが検知
    した出力差に応じて、外気の汚れ状態を車室内の表示パ
    ネルに表示することを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れか一項に記載の外気導入ダンパ装置。
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KR100406803B1 (ko) * 2001-05-08 2003-11-21 씨멘스브이디오한라 주식회사 자동차의 유해가스 검출 방법
WO2007032571A1 (en) * 2005-09-13 2007-03-22 Doowon Electronics Co., Ltd. A method for controlling air quality control system for cars

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