JP2000247608A - 金属酸化物膜の製造方法 - Google Patents

金属酸化物膜の製造方法

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JP2000247608A
JP2000247608A JP11050110A JP5011099A JP2000247608A JP 2000247608 A JP2000247608 A JP 2000247608A JP 11050110 A JP11050110 A JP 11050110A JP 5011099 A JP5011099 A JP 5011099A JP 2000247608 A JP2000247608 A JP 2000247608A
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metal oxide
thin film
gel
film
ultraviolet light
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JP11050110A
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English (en)
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Naoko Asakuma
直子 朝隈
Motoyuki Toki
元幸 土岐
Mamoru Aizawa
守 會澤
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Kansai Research Institute KRI Inc
Original Assignee
Kansai Research Institute KRI Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温での加熱処理が不要で、かつ、膜厚の比
較的大きい結晶化された金属酸化物の薄膜を、従来に比
べて格段に短い時間で形成できる方法を提供する。 【手段】 金属アルコキシドを主原料として得られる金
属酸化物の前駆体ゾルを被塗布物の表面に塗布して被塗
布物表面に金属酸化物ゲルの薄膜を形成する工程と、金
属酸化物ゲルの薄膜に対して波長が360nm以下であ
る紫外光を照射して金属酸化物ゲルを結晶化させる工程
とを複数回繰り返して行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ガラス、セラミ
ックス、金属、プラスチックス等の基体の表面に電子材
料などの金属酸化物の薄膜を形成する方法、特に、高温
での加熱処理を行うことなく結晶化された金属酸化物の
薄膜を製造する金属酸化物膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属酸化物には、優れた機能特性を有す
る化合物が多く存在する。特に、金属酸化物を数μm程
度の厚さの薄膜に形成することにより、例えば、酸化チ
タン(TiO)は、保護膜、反射防止膜、触媒などの
材料として、酸化ジルコニウム(ZrO)は、保護膜
や基板などの材料として、酸化錫(SnO)や酸化亜
鉛(ZnO)は、透明導電性膜の材料として、酸化タン
タル(Ta)は、高誘電体膜の材料として、また
チタン酸バリウム(BaTiO)やPZT(Pb(Z
r,Ti)O)は、強誘電体材料として、それぞれ用
いられている。これらの金属酸化物の薄膜は、ゾルーゲ
ル法、スパッタリング法、MOCVD法などにより製造
される。
【0003】金属酸化物の薄膜をゾル−ゲル法により製
造する場合において、例えば、TiO膜は、400℃
の温度でアナターゼが結晶化し、さらに800℃の温度
で加熱処理することによりルチル相へ転移することが知
られており、ZrO 膜は、700℃の温度で加熱処
理することにより結晶化することが報告されている(窯
業協会誌、94、823(1986)参照)。また、S
nO−Sb膜は500℃の温度で結晶化し(チ
ン・ソリッド・フィルムズ(Thin Solid F
ilms)、295、95〜100(1997)参
照)、BaTiO膜を形成して結晶化するには、60
0℃の温度での加熱処理が必要である(マテリアル・リ
サーチ・ソサイアティ・シンポジウム・プロシーディン
グス(Mat.Res.Soc.Symp.Pro
c.)、Vol.32、157〜161(1984)参
照)。PZT膜については、ペロブスカイト相が結晶化
するのに、450℃〜600℃の温度での加熱処理が必
要である(プロシーディングス・オブ・ブリティッシュ
・セラミック・ソサイアティ(Proc.Br.Cer
am.Soc.)、36、107〜121(1985)
参照)。また、La0.8 Sr0.17Moは、8
00℃の温度での2時間の加熱処理により(特開平9−
59022号参照)、YBaCu7−xは、80
0℃の温度での 6時間の加熱処理により(ジャーナル
・オブ・マテリアル・ケミストリー(J.Mater.
Chem.)、(6)、1031〜1034(199
1))、それぞれ結晶化する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のゾル−ゲル法を
利用した通常の方法では、1回のコーティング操作によ
り金属酸化物の前駆体ゾルを被塗布物の表面に塗布する
ことが可能である膜厚は数10nmと非常に小さく、こ
のため、例えば1μm程度の厚みの金属酸化物の薄膜を
得ようとすると、被塗布物の表面への前駆体ゾルの塗布
操作と、1回につき30分〜数時間といった時間を要す
る加熱処理とを、数10回以上繰り返す必要があった。
【0005】また、スパッタリング法やMOCVD法で
は、1μm程度の厚みの金属酸化物膜を得るためには、
数時間を要し、基板の加熱処理が必要となる場合も多
い。
【0006】この発明は、以上のような事情に鑑みてな
されたものであり、高温での加熱処理が不要で、かつ、
膜厚の比較的大きい結晶化された金属酸化物の薄膜を、
従来に比べて格段に短い時間で形成することができる金
属酸化物膜の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
金属アルコキシドまたは金属塩を主原料として得られる
金属酸化物の前駆体ゾルを被塗布物の表面に塗布して、
被塗布物表面に金属酸化物ゲルの薄膜を形成するゲル膜
形成工程と、前記金属酸化物ゲルの薄膜に対して波長が
360nm以下である紫外光を照射し、薄膜を形成して
いる金属酸化物ゲルを結晶化させるゲル結晶化工程とを
含む金属酸化物膜の製造方法において、1つの被塗布物
の表面に対し前記ゲル膜形成工程と前記ゲル結晶化工程
とを複数回繰り返して行うことを特徴とする。
【0008】請求項2に係る発明は、金属アルコキシド
または金属塩を主原料として得られる金属酸化物の前駆
体ゾルを被塗布物の表面に塗布して、被塗布物表面に金
属酸化物ゲルの薄膜を形成するゲル膜形成工程と、前記
金属酸化物ゲルの薄膜に対して波長が360nm以下で
あるパターン化された紫外光を照射し、薄膜を形成して
いる金属酸化物ゲルを結晶化させて、金属酸化物の薄膜
を形成するゲル結晶化工程と、前記金属酸化物の薄膜を
エッチングして、紫外光の照射部分と非照射部分とにお
けるエッチング速度の違いにより金属酸化物の薄膜をパ
ターン化する薄膜エッチング工程とを含む金属酸化物膜
の製造方法において、1つの被塗布物の表面に対し前記
ゲル膜形成工程と前記ゲル結晶化工程とを複数回繰り返
して行った後、前記薄膜エッチング工程を行うことを特
徴とする。
【0009】請求項3に係る発明は、請求項1または請
求項2記載の製造方法において、金属酸化物ゲルの薄膜
に対して照射する紫外光の光源が、高圧水銀ランプ、低
圧水銀ランプ、ArFエキシマレーザ、KrFエキシマ
レーザ、エキシマランプまたはシンクロトロン放射光で
あることを特徴とする。光源は、1種類のものだけを使
用しても、また2種以上のものを組み合わせて使用して
もよい。
【0010】請求項1に係る発明の金属酸化物膜の製造
方法によると、ゲル膜形成工程において、金属アルコキ
シドまたは金属塩を出発原料として得られる金属酸化物
の前駆体ゾルを被塗布物の表面に塗布することにより、
被塗布物表面に金属酸化物ゲルの薄膜が形成され、ゲル
結晶化工程において、金属酸化物ゲルの薄膜に対して波
長が360nm以下である紫外光を照射することによ
り、紫外光を薄膜が吸収してそのエネルギーで金属酸化
物ゲルが結晶化される。このように、高温での加熱処理
を行わなくても、結晶化された金属酸化物の薄膜が得ら
れる。そして、1つの被塗布物の表面に対しゲル膜形成
工程とゲル結晶化工程とを複数回繰り返して行うことに
より、所望する膜厚の金属酸化物の薄膜が得られる。こ
の場合において、例えば、ゲル膜形成工程における前駆
体ゾルの塗布操作に要する時間は数10秒程度であり、
ゲル結晶化工程における紫外光照射時間は数秒〜数分程
度であるため、短時間で1μm程度の膜厚の金属酸化物
の薄膜を製造することが可能になる。
【0011】請求項2に係る発明の金属酸化物膜の製造
方法によると、ゲル膜形成工程において、金属アルコキ
シドまたは金属塩を出発原料として得られる金属酸化物
の前駆体ゾルを被塗布物の表面に塗布することにより、
被塗布物表面に金属酸化物ゲルの薄膜が形成され、ゲル
結晶化工程において、金属酸化物ゲルの薄膜に対して波
長が360nm以下である紫外光を照射することによ
り、紫外光を薄膜が吸収してそのエネルギーで金属酸化
物ゲルの結晶化が促進されることになるが、ゲル結晶化
工程では、金属酸化物ゲルの薄膜に対してパターン化さ
れた紫外光が照射されるため、紫外光の照射部分と非照
射部分とで結晶化の程度に違いを生じて、金属酸化物の
薄膜がパターン化されることになる。このように、高温
での加熱処理を行わなくても、結晶化されパターン化さ
れた金属酸化物の薄膜が得られる。そして、1つの被塗
布物の表面に対しゲル膜形成工程とゲル結晶化工程とを
複数回繰り返して行うことにより、所望する膜厚のパタ
ーン化された金属酸化物の薄膜が得られる。この場合に
おいて、例えば、ゲル膜形成工程における前駆体ゾルの
塗布操作に要する時間は数10秒程度であり、ゲル結晶
化工程における紫外光照射時間は数秒〜数分程度である
ため、短時間で1μm程度の膜厚の金属酸化物の薄膜を
製造することが可能になる。そして、薄膜エッチング工
程において、金属酸化物の薄膜をエッチングすることに
より、紫外光の照射部分と非照射部分とにおけるエッチ
ング速度の違いにより、表面にパターン化された凹凸を
有する金属酸化物の薄膜が得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
について説明する。
【0013】この発明に係る金属酸化物薄膜の製造方法
では、まず、金属アルコキシドまたは金属塩を出発原料
とし、金属アルコキシドまたは金属塩を含む溶液を加水
分解・重合させて、金属酸化物の前駆体ゾルを調製す
る。金属酸化物としては、Li、Be、B、Na、M
g、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、M
n、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、R
b、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Cd、In、Sn、
Sb、Cs、Ba、La、Hf、Ta、W、Tl、P
b、Bi、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、G
d、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuの
金属のうち、いずれか1種の金属の単一酸化物でもよい
し、2種以上の金属が組み合わされた複合酸化物でもよ
い。これらの金属酸化物の前駆体ゾルを調製する方法は
特に限定されないが、金属酸化物ゲルの薄膜(ゲル膜)
を形成したときに、膜中の残留有機物が少なくなる程、
また、加熱処理によるゲル膜の結晶化温度が低くなる程
好ましい。金属酸化物の前駆体ゾルの調製方法を以下に
説明する。
【0014】出発原料として使用される金属アルコキシ
ドとしては、アルコキシル基の炭素数が1〜5であるも
のが使用され、より好ましくはアルコキシル基の炭素数
が2〜4のものが使用される。また、金属塩としては、
硝酸塩、塩化物などの無機塩、酢酸などの有機酸塩や、
アセチルアセトナートなどのβ−ジケトンの塩が使用さ
れる。
【0015】金属アルコキシドまたは金属塩を溶解させ
る溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノールなどのアルコール類、酢酸エチルなどの
有機酸エステル、アセトニトリル、アセトンやメチルエ
チルケトンなどのケトン類、テトラヒドラフラン(TH
F)やジオキサンなどのシクロエーテル、ホルムアミド
(FA)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)な
どの酸アミド、炭化水素、トルエンなどの芳香族などが
使用される。
【0016】また、金属アルコキシドを含む溶液に、多
座配位化合物であるβ−ジケトン(RCOCH2CO
R’;R、R’はアルキル基またはアルコキシル基)、
アルコキシアルコール、アルカノールアミン、グリコー
ル類、グリセリン、酢酸などを、アルコキシドの安定化
剤として含ませるようにしてもよい。β−ジケトンとし
ては、アセチルアセトン、アセト酢酸エチルやアセト酢
酸メチルなどのアセト酢酸エステル、マロン酸ジエチル
などのマロン酸エステルなどが使用される。アルコキシ
アルコールとしては、2−メトキシエタノール、2−エ
トキシエタノール、2−メトキシ−2−プロパノールな
どが使用される。アルカノールアミンとしては、モノエ
タノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミンなどが使用される。グリコール類としては、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコールおよびプロピレングリコールやこれらの化合
物のモノアルキルエーテルや酢酸エステルが使用され
る。これらの化合物は単独で用いられあるいは併用さ
れ、その種類は、金属種やアルコキシル基の種類により
選定される。また、これらの化合物は、アルコキシドの
0.1モル倍〜1.5モル倍の量が含まれることが望ま
しい。なお、アルコキシアルコール類は、溶媒として使
用することも可能である。
【0017】金属アルコキシドまたは金属塩を含む溶液
の加水分解には、金属アルコキシドまたは金属塩の0.
05モル倍〜2モル倍の水が用いられ、より好ましく
は、0.5モル倍〜1.5モル倍の水が用いられる。こ
の加水分解には、酸触媒および/または塩基触媒を用い
るようにしてもよく、好ましくは、塩酸などの鉱酸や酢
酸などの有機酸が用いられる。なお、アルコキシドの種
類によっては、アルコキシドの希釈溶液が用いられる。
また、出発原料として金属塩を使用した場合には、アル
コール系の溶剤との反応を有効に利用するようにする。
【0018】金属アルコキシドまたは金属塩を含む溶液
の加水分解によって金属酸化物の前駆体ゾルが調製され
ると、その前駆体ゾルを基板の表面に塗布し、それを乾
燥させて基板表面に金属酸化物ゲルの薄膜を形成する。
前駆体ゾルの塗布方法は、特に限定されず、通常行われ
るディップコート法、スピンコート法、フローコート
法、バーコート法、超音波噴霧法などが用いられる。な
お、このとき得られたゲル膜としては、上記したよう
に、その膜中の残留有機物量が少ない程、また、加熱処
理した場合の結晶化温度が低い程好ましい。
【0019】基板表面に金属酸化物ゲルの薄膜が形成さ
れると、そのゲル膜に対して波長が360nm以下であ
る紫外光を照射する。紫外光の光源としては、波長が3
60nm以下である紫外光を照射可能であれば、その種
類を問わず、目的とする金属酸化物の薄膜に応じて適宜
選択して使用されるが、例えば、高圧水銀ランプ、低圧
水銀ランプ、ArFエキシマレーザ、KrFエキシマレ
ーザ、エキシマランプ、シンクロトロン放射光などが使
用される。また、これらの光源のうち2つもしくはそれ
以上のものを組み合わせて使用することも可能である。
このゲル膜に対する紫外光照射の際に、目的に応じて、
基板を加熱したり、基板を減圧下に置いたり、雰囲気
(酸化雰囲気または非酸化雰囲気)を制御したりするこ
とも可能である。また、紫外光の照射強度やショット数
は、ゲル膜の種類や組成などに応じて適宜選択される。
金属酸化物ゲルの薄膜に対して紫外光が照射されること
により、薄膜を形成している金属酸化物ゲルが結晶化さ
れ、基板の表面に金属酸化物の薄膜が形成される。
【0020】1回のコーティング操作および紫外光照射
操作によっては、数10nm程度の厚みの金属酸化物の
薄膜しか得られない。そこで、所望の膜厚の金属酸化物
の薄膜、例えば1μm程度の厚みの金属酸化物の薄膜を
得るために、上記したコーティング工程と紫外光照射工
程とを必要な回数だけ繰り返して行う。これにより、所
望する膜厚の金属酸化物の薄膜が得られる。この場合、
1回のコーティング操作に要する時間は数10秒程度で
あり、また、紫外光照射時間は数秒〜数分程度である。
このため、金属酸化物ゲルを加熱処理によって結晶化す
る場合に、その1回の加熱処理につき30分〜数時間と
いった時間を要していた従来の方法と比べると、格段に
短い時間で1μm程度の膜厚の金属酸化物の薄膜が得ら
れることとなる。
【0021】また、パターン化された凹凸表面を有する
金属酸化物の薄膜を形成する場合には、上記と同様にし
て基板表面に金属酸化物ゲルの薄膜を形成した後、その
ゲル膜に対し、パターン化されたフォトマスクを介して
波長が360nm以下である紫外光を照射する。そし
て、コーティング操作と紫外光のパターン照射とを必要
な回数だけ繰り返して行い、所望する膜厚の金属酸化物
の薄膜を得た後、基板を塩酸水溶液などのエッチング液
に浸漬させてエッチングを行なうようにする。これによ
り、紫外光の照射部分と非照射部分とにおけるエッチン
グ速度の違いによって、表面にパターン化された凹凸を
有する金属酸化物の薄膜が得られることになる。
【0022】
【実施例】次に、この発明を具体的に適用した実施例に
ついて説明する。
【0023】〔実施例1〜7〕金属アルコキシドを、金
属酸化物の固形分濃度が3重量%となるように溶媒に溶
解させ、この溶液に1N塩酸を添加して加水分解するこ
とにより、塗布液(金属酸化物の前駆体ゾル)を調製し
た。この塗布液を、スピンコータ(1,500rpm×
15秒)を使用してシリコン基板またはシリカ基板上に
塗布し、シリコン基板またはシリカ基板上に塗布膜(金
属酸化物ゲルの薄膜)を形成する工程と、得られた塗布
膜に、ArFエキシマレーザもしくはKrFエキシマレ
ーザを大気中で照射する工程とを、5回繰り返して行っ
た。これにより、結晶性の金属酸化物の薄膜が得られ
た。
【0024】レーザー光の照射は、いずれも10Hzで
行い、1回の照射は、数10秒程度で終了した。使用し
た金属アルコキシドの種類、溶媒の種類、加水分解に使
用した水の量などの合成条件、および、レーザー光の照
射条件、ならびに、得られた結晶性の金属酸化物膜の膜
厚を表1にまとめて示す。表1中、「安定化剤」の
「量」の欄には、安定化剤/全アルコキシドのモル比を
示しており、「水の添加量」の欄には、H2O/全アル
コキシドのモル比を示している。
【0025】
【表1】
【0026】〔比較例1〜4〕上記した実施例1・2、
実施例3〜5および実施例6・7においてそれぞれ得ら
れた塗布液(金属酸化物の前駆体ゾル)を、スピンコー
タ(1,500rpm×15秒)を使用してシリコン基
板またはシリカ基板上に塗布し、シリコン基板またはシ
リカ基板上に塗布膜(金属酸化物ゲルの薄膜)を形成す
る工程と、得られた塗布膜を加熱処理する工程とを、5
回繰り返して行うことにより、結晶性の金属酸化物の薄
膜を作製した。これらの金属酸化物ゲルを結晶化するた
めには、塗布液を1回塗布するごとに30分以上の加熱
処理が必要であった。このときのそれぞれのゲル膜の結
晶化温度を表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】表2から分かるように、結晶性の金属酸化
物の薄膜を得るためには、400℃以上の温度での加熱
処理が必要であった。
【0029】〔実施例8〜15〕金属酸化物ABO
得るために、A−アルコキシドとB−アルコキシドと
を、金属酸化物の固形分濃度が3〜10重量%となるよ
うに溶媒に添加し、A−アルコキシドおよびB−アルコ
キシドを所定の比率で含む混合溶液を調製して還流させ
た後、この混合溶液に水を添加して溶液を加水分解する
ことにより、塗布液(金属酸化物ABOの前駆体ゾ
ル)を調製した。出発原料としたA−アルコキシドおよ
びB−アルコキシドのそれぞれの種類、溶媒の種類、加
水分解に使用した水の量などの合成条件を表3にまとめ
て示す。表3中、「水の添加量」の欄には、HO/全
アルコキシドのモル比を示している。
【0030】
【表3】
【0031】得られた塗布液を、スピンコータ(1,5
00rpm×15秒)を使用してシリコン基板または白
金(Pt)基板上に塗布し、シリコン基板またはPt基
板上に塗布膜(金属酸化物ゲルの薄膜)を形成する工程
と、得られた塗布膜に、KrFエキシマレーザを大気中
で照射する工程とを、5回繰り返して行った。これによ
り、結晶性の金属酸化物の薄膜が得られた。レーザー光
の照射は、いずれも10Hzで行い、1回の照射は、数
10秒〜数分程度で終了した。結晶性の金属酸化物の薄
膜が得られたときのレーザー光の照射条件、および、得
られた結晶性の金属酸化物膜の膜厚を表4にまとめて示
す。
【0032】
【表4】
【0033】〔比較例5〜12〕上記した実施例8〜1
5においてそれぞれ得られた塗布液(金属酸化物の前駆
体ゾル)を、スピンコータ(1,500rpm×15
秒)を使用してシリコン基板またはPt基板上に塗布
し、シリコン基板またはPt基板上に塗布膜(金属酸化
物ゲルの薄膜)を形成する工程と、得られた塗布膜を加
熱処理する工程とを、5回繰り返して行うことにより、
結晶性の金属酸化物の薄膜を作製した。これらの金属酸
化物ゲルを結晶化するためには、塗布液を1回塗布する
ごとに50分以上の加熱処理が必要であった。このとき
のそれぞれのゲル膜の結晶化温度を表4に示す。
【0034】表4から分かるように、結晶化温度の最も
低いSrTiOやPZTでも、その結晶化が確認され
るには、600℃の温度での加熱処理が必要であった。
【0035】なお、この発明は、上記実施例で示した金
属酸化物の薄膜の形成に限定されるものではなく、上記
以外の金属酸化物の薄膜を加熱処理なしで所望の膜厚に
形成する場合にも適用可能であることは言うまでもな
い。このように、加熱処理を行わずに所望の膜厚を有す
る結晶性の金属酸化物の薄膜を形成することができるの
で、この発明の方法によると、従来方法では不可能であ
ったプラスチックス等の耐熱性に劣る基板上に金属酸化
物の薄膜を形成することができる。
【0036】
【発明の効果】請求項1に係る発明の金属酸化物膜の製
造方法によると、膜厚の比較的大きい結晶化された金属
酸化物の薄膜を、従来に比べて格段に短い時間で、プラ
スチックス等の耐熱性に劣る基板上にも形成することが
できる。
【0037】請求項2に係る発明の金属酸化物膜の製造
方法によると、膜厚が比較的大きく表面にパターン化さ
れた凹凸を有する結晶化された金属酸化物の薄膜を、従
来に比べて格段に短い時間で、プラスチックス等の耐熱
性に劣る基板上にも形成することができる。
【0038】請求項3に係る発明の製造方法では、高温
での加熱処理を行わなくても、紫外光のエネルギーによ
り金属酸化物ゲルを結晶化することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C01G 23/047 C01G 23/047 25/02 25/02 30/00 30/00 45/00 45/00 C23C 26/00 C23C 26/00 E // C23C 18/12 18/12 20/08 20/08 Fターム(参考) 4G042 DA01 DA02 DB11 DB15 DB27 DC01 DC03 DD02 DE04 DE09 DE14 4G047 CA02 CA05 CA07 CA08 CB06 CC02 CC03 CD02 4G048 AA02 AA05 AB02 AC02 AC04 AC08 AD02 AE06 AE08 4K022 AA01 AA02 AA03 AA04 AA05 BA02 BA04 BA06 BA07 BA08 BA10 BA11 BA12 BA14 BA15 BA17 BA20 BA22 BA23 BA24 BA25 BA26 BA27 BA28 BA33 DA08 DB04 DB06 DB07 4K044 AA01 AA11 AA12 AA13 AA16 BA12 BA13 BA14 BA15 BB01 BC14 CA41 CA53

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属アルコキシドまたは金属塩を主原料
    として得られる金属酸化物の前駆体ゾルを被塗布物の表
    面に塗布して、被塗布物表面に金属酸化物ゲルの薄膜を
    形成するゲル膜形成工程と、 前記金属酸化物ゲルの薄膜に対して波長が360nm以
    下である紫外光を照射し、薄膜を形成している金属酸化
    物ゲルを結晶化させるゲル結晶化工程とを含む金属酸化
    物膜の製造方法において、 1つの被塗布物の表面に対し前記ゲル膜形成工程と前記
    ゲル結晶化工程とを複数回繰り返して行うことを特徴と
    する金属酸化物膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 金属アルコキシドまたは金属塩を主原料
    として得られる金属酸化物の前駆体ゾルを被塗布物の表
    面に塗布して、被塗布物表面に金属酸化物ゲルの薄膜を
    形成するゲル膜形成工程と、 前記金属酸化物ゲルの薄膜に対して波長が360nm以
    下であるパターン化された紫外光を照射し、薄膜を形成
    している金属酸化物ゲルを結晶化させて、金属酸化物の
    薄膜を形成するゲル結晶化工程と、 前記金属酸化物の薄膜をエッチングして、紫外光の照射
    部分と非照射部分とにおけるエッチング速度の違いによ
    り金属酸化物の薄膜をパターン化する薄膜エッチング工
    程とを含む金属酸化物膜の製造方法において、 1つの被塗布物の表面に対し前記ゲル膜形成工程と前記
    ゲル結晶化工程とを複数回繰り返して行った後、前記薄
    膜エッチング工程を行うことを特徴とする金属酸化物膜
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 金属酸化物ゲルの薄膜に対して照射する
    紫外光の光源が、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、A
    rFエキシマレーザ、KrFエキシマレーザ、エキシマ
    ランプまたはシンクロトロン放射光である請求項1また
    は請求項2記載の金属酸化物膜の製造方法。
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