JP2000247802A - 固形カビとり剤 - Google Patents

固形カビとり剤

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JP2000247802A
JP2000247802A JP11043080A JP4308099A JP2000247802A JP 2000247802 A JP2000247802 A JP 2000247802A JP 11043080 A JP11043080 A JP 11043080A JP 4308099 A JP4308099 A JP 4308099A JP 2000247802 A JP2000247802 A JP 2000247802A
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alkali metal
acid
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Yasuo Sudo
康夫 須藤
Masahiro Ashizawa
正洋 芦澤
Toshihiro Funabiki
俊宏 船曵
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Minnesota Mining and Manufacturing Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ない成分の配合により優れたカビとり効果
を発揮でき、水洗性及び保存安定性に優れ、外圧が加わ
っても液体成分が漏れたりすることがないような固形カ
ビとり剤を提供すること。 【解決手段】 有効塩素濃度に換算して0.5〜2%の
量の次亜塩素酸のアルカリ金属塩、0.5〜5%のアル
カリ金属の水酸化物、0.3〜20%の、少なくとも1
種類の脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩、0.2〜5
%のポリアクリル酸系増粘剤、及び70〜95%の水を
必須の有効成分として含有しているように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋内、屋外の各種
の部材の表面に発生し、付着したカビ(黴)に直接に作
用して、それを死滅させるとともに、作用面を漂白する
ことによって、再び清浄な面を提供することのできる固
形カビとり剤に関する。本発明の固形カビとり剤は、少
ない成分をもって構成することができるとともに、水洗
性及び保存安定性に優れ、また、押圧力等の外圧が加わ
った時にも含まれる液体成分(水など)が滲み出したり
漏れたりすることがない。
【0002】
【従来の技術】従来、屋内、屋外の各種の部材の表面に
発生し、付着したカビを除去するため、いろいろな種類
のカビとり剤が広く使用されている。特に、カビは、浴
室、台所、洗面所等の常に湿った部位、例えば壁面(特
にタイル間の目地の部分)において多量に発生するの
で、浴室用、台所用あるいは洗面所用カビとり剤が数多
く市販されている。具体的には、かかる市販のカビとり
剤は、通常、水酸化ナトリウムなどのような強アルカリ
と、次亜塩素酸塩などのような強酸化剤とを組み合わせ
た形で提供されており、また、その形態は、通常、容器
に収容した液体であり、布帛、スポンジ等の液体吸収性
材料に含浸してカビとり部位に適用することができ、ま
た、その容器がスプレー容器である場合、液体の適当量
をカビとり部位に噴霧することにより適用することがで
きる。
【0003】ところで、前者のように液体の適当量を別
の液体吸収性材料に含浸して使用する場合、適当量をそ
の都度計量しなければならないという点で煩雑であり、
また、液体の取扱い時に手を保護するためにビニール手
袋を着用しなければならないなどの面倒もある。また、
後者のように液体をスプレー容器から噴霧する場合、目
標とするカビとり部位はもちろんのこと、本来は噴霧す
る必要のないその周辺部位にまでその液体が無駄に噴霧
されるのを回避することができない。したがって、この
ような液体噴霧法は、経済的に損失となるばかりでな
く、狭い浴室、台所、洗面所などでの使用では、空気中
に浮遊するカビとり剤の噴霧粒子の濃度が高くなり、特
有の刺激臭で作業者が不快感を覚えたり、場合によって
は、噴霧粒子を作業者が吸い込むことによる事故の原因
となったり、飛散した噴霧粒子の皮膚への付着により、
皮膚荒れの原因になるおそれもある。
【0004】上記したような問題を解決するものとし
て、フェルト状塗布具を装備した塗り付け形カビとり剤
も提案されている。このカビとり剤は、液体のカビとり
剤を塗布具に含ませて使用することができるので、先に
説明したような不都合を回避することができ、特に噴霧
粒子に原因する事故などを防止あるいは軽減できるとい
う点で注目に値する。しかし、塗布具にカビとり剤を含
ませた時、余分な液体が塗布具からたれる「液たれ」ま
でを防止することは困難である。液たれの発生は、カビ
とり剤が余分に使用されていることを意味し、経済的に
損失となり得、また、このようにカビとり剤が液体であ
る限りにおいて、酸性洗浄剤との混合使用による塩素ガ
スの発生の危険性が十分に考えられる。
【0005】酸性洗浄剤との混合使用による塩素ガスの
発生の危険性を低減したものが、酸素系漂白剤、特に過
酸化水素を主成分としたカビとり剤である。この種のカ
ビとり剤は、過酸化水素がアルカリ性で不安定であるの
で、カビとり剤そのものは弱酸性となり、多量のカビの
死滅には効果不足の場合がある。すなわち、酸素系漂白
剤を主成分とするカビとり剤を用いる場合には、頻繁に
カビとり作業を実施する必要がある。また、漂白成分を
含まない、乳酸系のカビとり剤も知られているけれど
も、このようなカビとり剤の場合、カビを死滅させたと
きのそのカビの色素がそのまま汚れとして残ってしまう
ので、洗浄効果が十分であるとは言いがたい。
【0006】また、カビとり剤は、それをカビとり部位
に適用して使用した後、水洗により容易にかつきれいに
除去することが望ましく、また、使用しないまま長期間
にわたって保存しておいても化学変化などの不都合が発
生せず、したがって、長期間にわたって安定に保存でき
ることが望ましい。さらに、固形のカビとり剤は、それ
に押圧力等の外圧が加わった時、本来はあってはならな
いことであるが、それに含まれる液体成分(水など)が
滲み出したり漏れたりすることが屡々であり、これを無
くすることが望ましい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
したような従来の技術の問題点を解決して、カビに直接
に作用して、それを死滅させるとともに、作用面を漂白
することによって、再び清浄な面を提供することのでき
るカビとり剤であって、使用が安全かつ容易であり、無
駄なくかつ確実にカビとり効果を発揮でき、しかも水洗
性及び保存安定性に優れ、また、押圧力等の外圧が加わ
ってもそれに含まれる液体成分が滲み出したり漏れたり
することがないような、改良されたカビとり剤を提供す
ることにある。
【0008】本発明の目的は、また、従来においては種
々の成分を組み合わせることによって、所期のカビとり
効果を奏するカビとり剤を提供してきたけれども、より
少ない成分の使用でこれを達成することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した目的は、本発明
に従うと、下記の成分:有効塩素濃度に換算して0.5
〜2%の量の次亜塩素酸のアルカリ金属塩、0.5〜5
%のアルカリ金属の水酸化物、0.3〜20%の、少な
くとも1種類の脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩、
0.2〜5%のポリアクリル酸系増粘剤、及び70〜9
5%の水、を必須の有効成分として含有していることを
特徴とする固形カビとり剤によって達成することができ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】次いで、本発明をその好ましい実
施の形態について説明する。本発明者らは、上記したよ
うな従来の技術の問題点は、カビとり剤は液体として使
用するものであるという認識を改め、もしも固体で使用
することができるのであるならば、今まで予想もつかな
かった多くの利点が導かれるのではないかという知見を
得、いろいろな有効成分についての固体化を試みた結
果、有効成分として酸化形漂白剤を使用するとともに、
その漂白剤を固化せしめるため、ゲル化剤を使用したこ
とを特徴とする固形カビとり剤を完成するに至った。
【0011】この固形カビとり剤は、好ましくは、塩
基、酸化形漂白剤、ゲル化剤、界面活性剤、保湿剤、増
粘剤及び水から構成され、また、その際、漂白剤は、好
ましくは、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸又はハロゲン
酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩からなる群
から選ばれた少なくとも1種類の化合物であり、ゲル化
剤は、好ましくは、炭素数10〜18の脂肪族カルボン
酸のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩及び1,2−ヒ
ドロキシステアリン酸からなる群から選ばれた少なくと
も1種類の化合物である。
【0012】この固形カビとり剤は、従来のカビとり剤
に比較して使用が安全かつ容易であり、無駄なくかつ確
実にカビとり効果を発揮できるけれども、本発明者らは
より優れた固形カビとり剤を開発すべく鋭意研究を続け
た。特に、水洗性に関しては、水洗のみで簡単に除去す
ることができ、ぬるま湯をカビとり部位に吹き付けるこ
とやゲル化剤や増粘剤などの配合量に注意を払うことに
よって有利に水洗を行うことができるということは確認
されたが、より良好な水洗性を保証するまでに至らなか
った。同様に、保存安定性については、より具体的に保
存安定性の改善を試みるまでに至らなかった。
【0013】本発明者らは、このたび、固形カビとり剤
を酸化形漂白剤、塩基、固形化剤、増粘剤及び水から構
成するとともに、その際、これらの有効成分として:有
効塩素濃度に換算して0.5〜2%の量の次亜塩素酸の
アルカリ金属塩(酸化形漂白剤として)、0.5〜5%
のアルカリ金属の水酸化物(塩基あるいは強アルカリと
して)、0.3〜20%の、少なくとも1種類の脂肪族
カルボン酸のアルカリ金属塩(固形化剤として)、0.
2〜5%のポリアクリル酸系増粘剤、及び70〜95%
の水、を使用することによって、所期の目的を達成し得
るということを見い出した。
【0014】本発明の実施において、有効成分としての
酸化形漂白剤は、次亜塩素酸のアルカリ金属塩、例えば
ナトリウム塩、カリウム塩等であり、さらに好ましく
は、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウムなどで
ある。このような特定の漂白剤化合物を使用することに
よって、本発明のカビとり剤では、優れた酸化作用が具
現され、よって、カビを死滅させるとともに、カビによ
り黒ずんだりその他の色に汚染されていた部位をいわゆ
る色素漂白の原理で漂白することができる。
【0015】上記したような漂白剤化合物のなかでは、
とりわけ、次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸カリウム
を有利に使用することができ、これらの化合物は、単独
で使用してもよく、あるいは、組み合わせて使用しても
よい。また、このような次亜塩素酸のアルカリ金属塩の
使用量は、有効塩素濃度に換算して0.5〜2%の範囲
であり、したがって、カビとり剤中における有効塩素の
量が0.5〜2%の範囲に収まるように、次亜塩素酸の
アルカリ金属塩の配合量を調整することが必要である。
実際に、かかる次亜塩素酸塩に由来する有効塩素の量が
0.5%を下回ると、カビの漂白効果が十分でなくな
り、また、反対に、有効塩素の量が増加して2%を上回
るようにになると、固形化剤を使用したにもかかわら
ず、得られるカビとり剤に対して十分な固さを付与する
ことができない。
【0016】本発明のカビとり剤では、塩基として、ア
ルカリ金属の水酸化物を使用することを必須とする。こ
こで使用することのできるアルカリ金属の水酸化物は、
水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウムであり、これ
らの水酸化物は、単独で使用してもよく、あるいは混合
して使用してもよい。このような塩基化合物は、それを
本発明のカビとり剤中に配合した場合、主として、カビ
の発育を阻害する機能を奏することができ、あわせて、
酸化形漂白剤、すなわち、次亜塩素酸のアルカリ金属塩
の分解を抑制する機能も奏することができる。したがっ
て、本発明では、カビとり剤に塩基を添加する際、カビ
とり剤の最終的なpH値が11よりも大となるように塩基
の添加量を調整するのが好ましく、12以上となるよう
に調整するのがさらに好ましい。
【0017】ところで、カビの発育阻害の観点からは、
カビとり剤の最終的なpH値は11よりも大きいか、さも
なければ2よりも小さいことが望まれる。これは、一般
にカビはpH=5〜6の近傍で細胞活性に適しているとさ
れながらも、pH=3〜10という広い範囲の自然界に存
在する基質の多くの部分に生息しており、特に高温度
(30℃以上)及び高湿度(80%RH以上)の環境下
では、pH=2〜11のようなさらに広いpH範囲において
カビが容易に生育可能であるからである。また、漂白剤
として使用する次亜塩素酸金属塩の分解の観点からも、
すなわち、これらの化合物は中性付近でより分解反応が
活発であるので、一般には少なくとも11を上回るpH
値、より好ましくは12以上のpH値が得られるように、
塩基の添加量を調整することが好ましい。
【0018】塩基としてのアルカリ金属の水酸化物の配
合量は、0.5〜5%の範囲である。この化合物の配合
量が0.5%を下回ると、上記したようなカビの発育を
阻害する機能が十分に発揮されなくなり、反対に5%を
上回ったとしても、得られる機能に顕著な上昇を期待す
ることができない。本発明のカビとり剤では、有効成分
を含有する水溶液、すなわち、固形カビとり剤の前駆体
を固形化するため、少なくとも1種類の脂肪族カルボン
酸のアルカリ金属塩が固形化剤として使用される。この
種の固形化剤は、60〜100℃の高められた温度に加
熱されることによって、有効成分を含有する水溶液に均
一に溶解可能であり、そして、引き続く冷却により、含
水固体を形成可能である。
【0019】使用し得る脂肪族カルボン酸のアルカリ金
属塩についてさらに説明すると、ここで使用する脂肪族
カルボン酸は、好ましくは、炭素数10〜18の脂肪族
カルボン酸、さらに好ましくは、例えばステアリン酸、
パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸などであり、
また、このようなカルボン酸の塩を形成するために使用
するアルカリ金属は、好ましくは、ナトリウム、カリウ
ムなどである。
【0020】本発明の実施に当たっては、上記したよう
なカルボン酸及びアルカリ金属を任意に組み合わせて適
当な固形化剤を形成することができ、また、かかるカル
ボン酸のアルカリ金属塩は、固形化剤として、単独で使
用してもよく、あるいは混合して使用してもよい。特
に、ミリスチン酸塩やラウリン酸塩の単独もしくは混合
物を固形化剤として有利に使用することができ、また、
必要に応じて、そのような塩に対してステアリン酸塩や
パルミチン酸塩をさらに添加することもできる。なお、
ステアリン酸塩の単独では加熱溶融が困難な傾向がある
が、これは、他のカルボン酸塩を併用することなどによ
って解決することができ、また、そのような目的に適当
なカルボン酸塩は、例えば、ミリスチン酸塩やラウリン
酸塩である。
【0021】カビとり剤中における固形化剤の量は、
0.3〜20%の範囲であることが必要であり、さらに
好ましくは、0.5〜10%の範囲であり、また、最も
好ましくは、1.0〜8%の範囲である。かかる固形化
剤の配合量が0.3%を下回ると、カビとり剤の固形状
態を十分に維持することができなくなり、例えばスティ
ック状で容器に入れて使用した時、容器から繰り出すこ
とが困難になる。反対に、固形化剤の配合量が増加して
20%を上回るようになると、カビとり剤が固くなり過
ぎてしまい、使用時、十分な量のカビとり剤を所定の部
位に塗布することができなくなり、有効成分を所定の量
で適用するため、塗布作業を繰り返して実施しなければ
ならなくなる。
【0022】また、本発明のカビとり剤では、ポリアク
リル酸あるいはその誘導体を増粘剤として使用する。ポ
リアクリル酸及びその誘導体(以下、「ポリアクリル酸
系増粘剤」とも呼ぶ)は、それを本発明のカビとり剤中
に含ませると、押圧力等の外圧が加わった時にカビとり
剤から液体成分が滲み出したり漏れたりするのを防止す
るかもしくは少なくとも軽減することに寄与することが
できる。また、追加的な機能として、ポリアクリル酸系
増粘剤は、主成分として使用される次亜塩素酸系漂白剤
の分解反応を促進することがなく、また、使用後の水洗
除去が容易に可能である。本発明の実施において増粘剤
として有利に使用し得るポリアクリル酸及びその誘導体
は広範囲に及ぶけれども、好ましくは、約1,000,
000以上の分子量、さらに好ましくは、約2,00
0,000〜約5,000,000の範囲の分子量を有
するものである。これは、このような高分子量の時、上
記したような所期の機能が十二分に発揮されるからであ
る。
【0023】カビとり剤中におけるポリアクリル酸系増
粘剤の量は、0.2〜5%の範囲であることが必要であ
り、さらに好ましくは、0.5〜3%の範囲である。か
かる増粘剤の配合量が0.2%を下回ると、カビとり剤
に外圧が加わった時にそれからの液体成分(ここでは、
「内容液」とも呼ぶ)の滲み出しや漏れが多くなる。反
対に、増粘剤の配合量が増加して5%を上回ると、組成
物が高粘度となる結果、使用する成分を溶解することが
不可能になる。
【0024】ところで、汎用の増粘剤は多種類に及ぶけ
れども、本発明のカビとり剤中で使用した場合、ポリア
クリル酸系増粘剤に比較し得る作用効果を奏することが
できない。例えば、デンプン誘導体やセルロース誘導
体、アルギン酸ナトリウム、ガム等の天然多糖類系増粘
剤は、次亜塩素酸系漂白剤の分解反応を引き起こし、カ
ビとり剤の安定性を低下させるので、使用することがで
きない。また、例えば合成雲母、合成スメクタイトなど
の無機物系増粘剤は、水洗除去性がポリアクリル酸系増
粘剤よりも劣るので、有利に使用することができない。
【0025】本発明のカビとり剤中では、水も、例えば
薬剤の浸透などを目的として必須ではあるが、水の添加
量は、通常、バランス量である。本発明のカビとり剤
は、上記したような成分を任意に配合して調製すること
ができる。好ましくは、固形化剤を除くすべての成分を
任意の順序で配合してカビとり剤前駆体を調製し、次い
で、この前駆体に固形化剤の所定量を配合し、加熱溶解
した後、適当な型に入れて調製することができる。所望
の形状を有する固形カビとり剤が得られる。
【0026】本発明のカビとり剤は、固形の状態で提供
され、さらに好ましくはスティックの形態、クレヨンの
形態、矩形ボックスの形態などで提供される。例えば、
スティック状のカビとり剤は、容器に収納して、使用時
に徐々に繰り出し可能なように構成することが好まし
い。スティックは、小円柱又は小角柱の形を有すること
ができ、好ましくは、容器からの繰り出し易さなどを考
慮して、小円柱である。スティックが小円柱である場
合、その寸法は、取扱い性などの面から、10〜50mm
の直径及び50〜150mmの長さであるのが好ましく、
しかし、細くて筋状のカビとり部位に使用可能とするた
め、必要に応じて、10mmよりも小さい直径を採用して
もよい。
【0027】本発明のカビとり剤は、通常のカビとり剤
と同様にして、しかし、より容易な方法でカビとりに適
用することができる。例えば、浴室の壁面に発生したカ
ビを除去しようとする場合、スティック状容器からカビ
とり剤の所要量を繰り出して、壁面のタイルの目地の部
分にカビとり剤を擦り込むようにして塗り付ける。カビ
とり剤の塗り付けは、通常、1回あるいは2回の少回数
で十分であり、必要に応じてさらに重ね塗りしてもよ
い。カビとり剤の塗り付け厚さは、カビとり剤がカビと
接触していれば、薄くても十分である。カビとり剤の塗
り付けが完了した後、カビに対する作用が十分に進行す
るように、そのまま放置する。放置時間は、短時間で十
分であり、塗られる部分によるけれども、通常、数分か
ら十数分である。カビとり効果の進行は、カビの色の消
失、すなわち、カビの色素の消失によって、視覚的に容
易に確認することができる。カビの色が消失してから、
壁面に付着しているカビとり剤を洗浄により除去する。
本発明のカビとり剤は、水道水を吹きつけるなどの水洗
作業のみで簡単にきれいに除去することができる。必要
に応じて、シャワーなどからのぬるま湯をカビとり部位
に吹き付けることによってより迅速に水洗を行うことも
できる。引き続く乾燥は、放置により行うことができ、
必要に応じて、温風を吹き付けるなどの作業を組み合わ
せてもよい。
【0028】
【実施例】引き続いて、本発明を下記の実施例を参照し
てさらに詳しく説明する。なお、下記の実施例でカビと
り剤の調製に使用した化合物は、それぞれ、商業的に入
手可能なものであり、説明の簡略化のため、下記のよう
な略記号で表示することにする。
【0029】 化合物名 入手先など 略記号 次亜塩素酸ナトリウム 試薬級、有効塩素濃度=5.0% I 水酸化ナトリウム 試薬級 IIa 水酸化カリウム 試薬級 IIb ラウリン酸ナトリウム 試薬級 IIIa ミリスチン酸ナトリウム 試薬級 IIIb パルミチン酸ナトリウム 試薬級 IIIc ステアリン酸ナトリウム 試薬級 IIId ミリスチン酸カリウム 試薬級 IIIe ポリアクリル酸系増粘剤 東亜合成社製「ARON A20−P」 IVa ポリアクリル酸系増粘剤 B.F.Goodrich社製「カーボポール1342」 IVb 合成雲母 コープケミカル社製「SWN」 V グアーガム 大日本製薬社製「モナートガムGS」 VI アルギン酸ナトリウム 試薬級 VII 水 VIII また、下記の表に記載するこれらの化合物の使用量は、
特に断らない限り、重量%を意味する。例1 下記の第1表に記載するように、次のような化合物を記
載の量で混合した。
【0030】 次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素濃度=5%) 25.0重量% 水酸化ナトリウム 1.0重量% ミリスチン酸ナトリウム 5.0重量% ポリアクリル酸系増粘剤、東亜合成社製「ARON A20−P」 0.5重量% 水 68.5重量% まず、水酸化ナトリウムと水をガラス容器(市販のマヨ
ネーズ瓶を洗浄したもの)に入れて混合し、次いで、攪
拌を継続しながら、ポリアクリル酸系増粘剤を徐々に添
加して均一に溶解させた。得られた溶液に次亜塩素酸ナ
トリウムの溶液を注ぎ、均一に混和した後、ミリスチン
酸ナトリウムを添加した。得られた配合物を70〜90
℃に加熱した。固形化剤として使用したミリスチン酸ナ
トリウムの全量が完全に溶解した後、得られた粘稠な溶
液を、長内径46mm、短内径26mm及び深さ70mmの楕
円筒状プラスチック容器に充填し、室温まで冷却した。
スティック状の固形カビとり剤(有効塩素濃度=1.2
5%)が得られた。
【0031】得られたカビとり剤を、浴室内のタイル面
のカビが繁殖した目地に薄く塗り付けて、5分間放置し
た。カビとり剤の塗り付け後、カビの色が少しずつ薄く
なり、5分後にはほぼ無色の状態となった。引き続い
て、カビとり剤の塗り付け個所にシャワーからの水道水
を吹き付けたところ、カビとり剤やその滑りなどを残す
ことなく、すばやくかつ完全に洗浄、除去することがで
きた。例2 前記例1に記載の手法を繰り返したが、本例では、下記
の第1表に記載するように、次のような化合物を記載の
量で混合した。
【0032】 次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素濃度=5%) 25.0重量% 水酸化ナトリウム 1.0重量% ミリスチン酸ナトリウム 5.0重量% ポリアクリル酸系増粘剤、B.F.Goodrich社製「カーボポール1342」 1.0重量% 水 68.0重量% 得られたスティック状の固形カビとり剤(有効塩素濃度
=1.25%)を、浴室内のタイル面のカビが繁殖した
目地に薄く塗り付けて、5分間放置した。カビとり剤の
塗り付け後、カビの色が少しずつ薄くなり、5分後には
ほぼ無色の状態となった。引き続いて、カビとり剤の塗
り付け個所にシャワーからの水道水を吹き付けたとこ
ろ、カビとり剤やその滑りなどを残すことなく、すばや
くかつ完全に洗浄、除去することができた。例3 前記例1に記載の手法を繰り返したが、本例では、下記
の第1表に記載するように、次のような化合物を記載の
量で混合した。
【0033】 次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素濃度=5%) 25.0重量% 水酸化カリウム 1.0重量% ミリスチン酸ナトリウム 5.0重量% ポリアクリル酸系増粘剤、東亜合成社製「ARON A20−P」 0.5重量% 水 68.5重量% 得られたスティック状の固形カビとり剤(有効塩素濃度
=1.25%)を、浴室内のタイル面のカビが繁殖した
目地に薄く塗り付けて、5分間放置した。カビとり剤の
塗り付け後、カビの色が少しずつ薄くなり、5分後には
ほぼ無色の状態となった。引き続いて、カビとり剤の塗
り付け個所にシャワーからの水道水を吹き付けたとこ
ろ、カビとり剤やその滑りなどを残すことなく、すばや
くかつ完全に洗浄、除去することができた。例4 前記例1に記載の手法を繰り返したが、本例では、下記
の第1表に記載するように、次のような化合物を記載の
量で混合した。
【0034】 次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素濃度=5%) 25.0重量% 水酸化カリウム 1.0重量% ミリスチン酸カリウム 5.0重量% ポリアクリル酸系増粘剤、東亜合成社製「ARON A20−P」 0.5重量% 水 68.5重量% 得られたスティック状の固形カビとり剤(有効塩素濃度
=1.25%)を、浴室内のタイル面のカビが繁殖した
目地に薄く塗り付けて、5分間放置した。カビとり剤の
塗り付け後、カビの色が少しずつ薄くなり、5分後には
ほぼ無色の状態となった。引き続いて、カビとり剤の塗
り付け個所にシャワーからの水道水を吹き付けたとこ
ろ、カビとり剤やその滑りなどを残すことなく、すばや
くかつ完全に洗浄、除去することができた。比較例1〜3 前記例1に記載の手法を繰り返したが、本例では、下記
の第1表に記載するよに、増粘剤として、ポリアクリル
酸系増粘剤に代えて、次のような汎用の増粘剤化合物を
使用した。
【0035】 比較例1 合成雲母、コープケミカル社製「SWN」 比較例2 グアーガム、大日本製薬社製「モナートガムGS」 比較例3 試薬級アルギン酸ナトリウム 得られたスティック状の固形カビとり剤を、浴室内のタ
イル面のカビが繁殖した目地に薄く塗り付けて、5分間
放置した。カビとり剤の塗り付け後、カビの色が少しず
つ薄くなってきたが、褪色の度合いは前記例1〜例4に
比較して緩慢であった。約10〜20分後にほぼ無色の
状態となった。引き続いて、カビとり剤の塗り付け個所
にシャワーからの水道水を繰り返し吹き付けたけれど
も、カビとり剤やその滑りなどを完全に洗浄、除去する
には多量の水道水と洗浄時間が必要であった。
【0036】
【表1】
【0037】〔評価試験1〕前記例1〜例4ならびに比
較例1〜3で調製したスティック状の固形カビとり剤の
保存安定性を評価するため、それぞれのカビとり剤にお
ける次亜塩素酸ナトリウムの含有量の加熱による変化を
測定した。予備試験 それぞれの供試カビとり剤を88℃のオーブンに入れ、
下記の第2表に記載するように12時間(H)以上にわ
たって加熱を行った後、残留する次亜塩素酸ナトリウム
の量をヨウ素チオ硫酸滴定により定量した。下記の第2
表に記載のような残留率(%)が確認された。本試験 先の予備試験において次亜塩素酸ナトリウムの残留が確
認された供試カビとり剤(例1〜例4ならびに比較例
1)について、保存安定性を評価するための本試験を実
施した。
【0038】新品の供試カビとり剤の次亜塩素酸ナトリ
ウムの含有量(初期濃度、%)をヨウ素チオ硫酸滴定に
より測定した。次いで、それぞれの供試カビとり剤を5
0℃のオーブンに入れ、20日間にわたって保温した。
その後、供試カビとり剤の次亜塩素酸ナトリウムの含有
量を先の初期濃度の測定と同様にヨウ素チオ硫酸滴定に
より測定し、初期濃度との比較から次亜塩素酸ナトリウ
ムの残留率(%)を算出した。得られた評価結果を下記
の第2表に記載する。
【0039】
【表2】
【0040】上記した第2表に記載の結果から理解され
るように、本発明によるカビとり剤(例1〜例4、ポリ
アクリル酸系増粘剤を使用)と従来のカビとり剤(比較
例1、増粘剤として合成雲母を使用)では満足すべき保
存安定性が得られ、しかし、増粘剤としてグアーガム
(比較例2)やアルギン酸ナトリウム(比較例3)を使
用した場合には、明らかに悪い保存安定性しか得ること
ができない。例5及び例6 前記例1に記載の手法を繰り返したが、本例では、下記
の第3表に記載するように、ポリアクリル酸系増粘剤の
配合量を記載のように変更した。なお、下記の第3表で
は、参考のため、前記例1、例3及び例4の配合例もあ
わせて記載する。
【0041】得られたスティック状の固形カビとり剤
を、浴室内のタイル面のカビが繁殖した目地に薄く塗り
付けて、5分間放置した。カビとり剤の塗り付け後、カ
ビの色が少しずつ薄くなり、5分後にはほぼ無色の状態
となった。引き続いて、カビとり剤の塗り付け個所にシ
ャワーからの水道水を吹き付けたところ、カビとり剤や
その滑りなどを残すことなく、すばやくかつ完全に洗
浄、除去することができた。比較例4及び5 前記例1に記載の手法を繰り返したが、本例では、下記
の第3表に記載するよに、増粘剤を使用しないか(比較
例4)、もしくは、ポリアクリル酸系増粘剤に代えて、
合成雲母を記載の量で使用した(比較例5)。なお、下
記の第3表では、参考のため、前記比較例1の配合例も
あわせて記載する。
【0042】
【表3】
【0043】〔評価試験2〕前記例1、例3〜例6なら
びに前記比較例1、4及び5で調製したスティック状の
固形カビとり剤の水洗性及び滲み出し防止性(外圧によ
る内容液の滲み出しを防止する性質)を評価するため、
それぞれのカビとり剤を下記の手順に従って試験した。水洗試験 63個の白色タイル(24mm×24mm)を用意し、縦2
45mm×横190mmの基材パネルに緊密に貼り付け、さ
らにタイル間の目地の部分にポルトランドセメントを充
填した。得られたタイルパネルの表面にそれぞれのカビ
とり剤を4ストロークで塗布し、引き続いて水洗を行っ
た。水洗は、1回につき200mlの水道水を洗浄ビンの
ノズルからタイル面に吹き付け、水流によりカビとり剤
を洗い流すことによって実施した。水洗の完了後、カビ
とり剤の残存状態を調べるため、0.5%のヨウ化カリ
ウムと0.5%のデンプンを含む試験液をタイル面にス
プレー噴霧し、紫色の呈色状態を目視により観察し、下
記の第4−1表に記載の基準に従い5段階で評価した。
【0044】水洗試験は、下記の第4−1表に記載の基
準に従い、得点「2」がでるまで反復した。すなわち、
水道水による洗浄を繰り返して、その都度得点を記録
し、得られた得点に下記の第4−2表に示す偏重点を掛
けて合計し、最初に得点「2」がでるまでの合計を総得
点とした。
【0045】
【表4】
【0046】下記の第5表に記載のような試験結果(総
得点)が得られた。なお、水洗性の善し悪しと水洗試験
の総得点との関係であるが、総得点が低いほうが、より
水洗性に優れていることが理解されるであろう。 〔搾り汁試験〕外圧による内容液の滲み出しを防止する
性質である滲み出し防止性を評価するため、模擬的に外
圧を適用して、搾り出される液体成分(搾り汁)の量を
測定した。スティック状の固形カビとり剤(長外径46
mm、短外径26mm及び長さ70mm)を約5mmの厚さで切
断して供試片を作製した。最初に、試験前の供試片の重
量を測定し、記録した。次いで、供試片を中央の部分で
分割して2枚の半楕円形供試片を得た。これらの供試片
を別に用意したポリプロピレン板(50mm×80mm、以
下、「PP板」と記す)の中央部に、PP板の端部から
供試片がはみ出ることがないように注意しながら載置
し、軽く押し付けて貼り付かせた。次いで、供試片の付
いたPP板をステンレス製の浅皿の上に、供試片が浅皿
とPP板とでサンドイッチされるように、載置した。さ
らに、浅皿を試験管バイブレータの上に置き、PP板の
上に2kgの重りを載せた後、荷重がかかったまま1分間
にわたって振動させた。荷重がかかったまま振動を加え
た結果、供試片からそれに含まれた内容液(カビとり剤
の液体成分)が搾り出されてきた。浅皿から供試片のみ
を取り出した後、再び供試片の重量を測定し、搾り出さ
れた液体成分(搾り汁)の重量を算出し、記録した。
【0047】下記の第5表に記載のような評価結果が得
られた。なお、この表の搾り汁試験の欄に記載の数値
は、このような試験によって測定することのできた、搾
り出された液体成分の割合(重量%)である。滲み出し
防止性の善し悪しと搾り出された液体成分の割合(重量
%)との関係であるが、液体成分の割合が低いほうが、
より滲み出し防止性に優れていることが理解されるであ
ろう。
【0048】
【表5】
【0049】上記した第5表に記載の結果から理解され
るように、本発明によるカビとり剤(例1、例3〜例
6、ポリアクリル酸系増粘剤を異なる配合量で使用)と
従来のカビとり剤(比較例1、4及び5、増粘剤を使用
していないかもしくは増粘剤として合成雲母を異なる配
合量で使用)では、水洗性及び滲み出し防止性の両面に
関して顕著な効果の相違が存在する。また、従来のカビ
とり剤では、むしろ増粘剤として合成雲母を配合しない
ほうが、優れた水洗性を得ることができる。例7〜例17 前記例1に記載の手法を繰り返したが、本例では、下記
の第6表に記載するように、固形化剤の種類及び配合量
を変更した。なお、下記の第6表では、参考のため、前
記例1の配合例もあわせて記載する。
【0050】
【表6】
【0051】得られたスティック状の固形カビとり剤
を、浴室内のタイル面のカビが繁殖した目地に薄く塗り
付けて、5分間放置した。カビとり剤の塗り付け後、カ
ビの色が少しずつ薄くなり、5分後にはほぼ無色の状態
となった。引き続いて、カビとり剤の塗り付け個所にシ
ャワーからの水道水を吹き付けたところ、カビとり剤や
その滑りなどを残すことなく、すばやくかつ完全に洗
浄、除去することができた。なお、使用したカビとり剤
によって、目地に対する塗布量が変動することが観察さ
れたので、塗布量の固形化剤量依存性を評価するため、
次のような評価試験を実施した。 〔評価試験3〕前記例1ならびに例7〜例17で調製し
たスティック状の固形カビとり剤の塗布量の固形化剤量
依存性を下記の手順に従って評価した。塗布量の測定 複写用紙(普通紙)を用意し、その重量を測定した。次
いで、同一の複写用紙の中央部の所定の領域(254mm
×178mm)にそれぞれのカビとり剤を4ストロークで
塗布した。それぞれのカビとり剤について、同一の塗布
作業を5回にわたって繰り返した。カビとり剤の塗布直
後、そのカビとり剤がまだ乾燥しないうちに、複写用紙
の重量を再び測定した。塗布前後の複写用紙の重量の変
化からカビとり剤の塗布量(g/0.0451m2)を求
め、図1にプロットした。
【0052】上記したように、いずれのカビとり剤にお
いても満足すべきカビとり効果を得ることができたが、
図1の測定結果から考察すると、固形化剤の量が比較的
に少ない場合には(例えば、ラウリン酸ナトリウムやミ
リスチン酸ナトリウムを0.5%の量で配合した場合に
は)、塗布量にばらつきが発生する傾向があり、したが
って、塗布作業にやや注意を払う必要があるであろう。
図1のプロットから理解されるように、1.0%以上の
量で固形化剤を配合したカビとり剤のほうが、より少な
い塗布量のばらつきで塗布することができる。例18〜例22 前記例1に記載の手法を繰り返したが、本例では、下記
の第7表に記載するように、漂白剤として使用した次亜
塩素酸ナトリウムの配合量を変更した。
【0053】得られたスティック状の固形カビとり剤
を、浴室内のタイル面のカビが繁殖した目地に薄く塗り
付けて、5分間放置した。カビとり剤の塗り付け後、カ
ビの色が少しずつ薄くなり、5分後にはほぼ無色の状態
となった。引き続いて、カビとり剤の塗り付け個所にシ
ャワーからの水道水を吹き付けたところ、カビとり剤や
その滑りなどを残すことなく、すばやくかつ完全に洗
浄、除去することができた。 〔評価試験4〕前記例18〜例22で調製したスティッ
ク状の固形カビとり剤の保存安定性を評価するため、そ
れぞれのカビとり剤の促進劣化試験を下記の手順に従っ
て実施した。促進劣化試験 それぞれの供試カビとり剤の次亜塩素酸ナトリウムの含
有量をヨウ素チオ硫酸滴定により測定した。次いで、そ
れぞれの供試カビとり剤を50℃のオーブンに入れ、2
0日間にわたって保温した。その後、供試カビとり剤の
次亜塩素酸ナトリウムの含有量(有効塩素濃度)を先の
初期濃度の測定と同様にヨウ素チオ硫酸滴定により測定
し、初期濃度との比較から次亜塩素酸ナトリウムの残留
率(%)を算出した。得られた評価結果を下記の第7表
に記載する。
【0054】
【表7】
【0055】上記した第7表に記載の結果から理解され
るように、本発明によるカビとり剤の場合、有効塩素の
初期濃度は少なくとも2%であれば分解の問題は少な
い。また、先に参照し、その構成要件について記載した
本発明者らの先願発明の効果等の考察から、有効塩素の
濃度はそれが0.5%以上である時に効力があるので、
本発明のカビとり剤中の次亜塩素酸ナトリウムの含有量
は、それを有効塩素濃度で示して、0.5〜2%の範囲
であるのが好ましい。
【0056】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の固形カ
ビとり剤を使用すると、その有効成分がカビに直接に作
用して、それを死滅させるとともに、作用面を漂白する
ことによって、再び清浄な面を提供することのでき、ま
た、安全かつ容易に、無駄なくかつ確実にカビとり作業
及び洗浄作業を行うことができる。
【0057】また、本発明の固形カビとり剤は、水洗性
に優れ、使用後の簡単な水洗のみで容易に溶解し、除去
することができる。加えて、この固形カビとり剤は保存
安定性に優れるので、長期間にわたって保管しておいて
も、変質等を生じることがなく、そのカビとり効果も安
定に保持することができる。さらに、本発明の固形カビ
とり剤は、上記したように少ない成分を配合して調製し
たものであるが、その効果は、従来のカビとり剤よりも
顕著に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】カビとり剤の塗布量と固形化剤量との関係を示
したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01N 59/08 A01N 59/08 A C11D 9/08 C11D 9/08 9/50 9/50 (72)発明者 船曵 俊宏 神奈川県相模原市南橋本3−8−8 住友 スリーエム株式会社内 Fターム(参考) 4H003 AB03 BA02 DA08 DB01 EA21 EA25 EB30 EB41 EB46 ED02 EE08 FA34 4H011 AA03 BA01 BA02 BA04 BB18 BC06 BC18 BC19 DA01 DA11 DG07 DG16 DH02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の成分:有効塩素濃度に換算して
    0.5〜2%の量の次亜塩素酸のアルカリ金属塩、 0.5〜5%のアルカリ金属の水酸化物、 0.3〜20%の、少なくとも1種類の脂肪族カルボン
    酸のアルカリ金属塩、 0.2〜5%のポリアクリル酸系増粘剤、及び70〜9
    5%の水、を必須の有効成分として含有していることを
    特徴とする固形カビとり剤。
  2. 【請求項2】 前記アルカリ金属の水酸化物が、水酸化
    ナトリウム、水酸化カリウム又はその混合物であること
    を特徴とする請求項1に記載の固形カビとり剤。
  3. 【請求項3】 前記脂肪族カルボン酸が、ステアリン
    酸、パルミチン酸、ミリスチン酸又はラウリン酸である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の固形カビとり
    剤。
  4. 【請求項4】 スティックの形状を有しておりかつ使用
    時に徐々に繰り出し可能に容器に収納されていることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の固形カ
    ビとり剤。
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