JP2000247917A - ポリオールの精製方法 - Google Patents

ポリオールの精製方法

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JP2000247917A JP5121599A JP5121599A JP2000247917A JP 2000247917 A JP2000247917 A JP 2000247917A JP 5121599 A JP5121599 A JP 5121599A JP 5121599 A JP5121599 A JP 5121599A JP 2000247917 A JP2000247917 A JP 2000247917A
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリアミンを含有するポリオールから、ポリ
アミンを簡単かつ効率よく除去することができ、品質の
良好なポリオールを得ることができる、ポリオールの精
製方法を提供すること。 【解決手段】 ポリアミンを含有するポリオールに、有
機ジカルボン酸またはその無水物を加えた後、析出物を
除去することによって精製する。このような精製方法に
よれば、塩酸を用いた場合に比べて、容易に析出物を生
成させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオールの精製
方法、詳しくは、ポリウレタン樹脂を分解することによ
って得られる分解回収ポリオールを精製する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリオールは、水酸基を少なくとも2個
以上有する化合物の総称であり、例えば、ポリウレタン
樹脂の製造に使用されるなど、各種の工業用原料として
広く使用されている。
【0003】一方、近年、地球環境を保護する観点よ
り、各種のプラスチック製品をリサイクルすることが種
々検討されており、ポリウレタン樹脂も、その出発原料
であるポリオールと、出発原料であるポリイソシアネー
トの中間原料であるポリアミンとに分解して、次いで、
分解により生成したポリオールとポリアミンとを分離し
て回収し、そのそれぞれを再使用することが検討されつ
つある。
【0004】このようにして得られる分解回収ポリオー
ルは、分離回収時にポリアミンが混在するため、このよ
うな分解回収ポリオールを、例えば、ポリウレタン樹脂
の原料として再使用した場合には、混在するポリアミン
がポリオールとポリイソシアネートとの正常な反応を阻
害して、不良品の発生を招くなどの要因となることがあ
る。
【0005】そのため、例えば、特開昭55−8681
4号公報では、ポリウレタン樹脂を分解してポリオール
とポリアミンとに分離回収する方法において、ポリウレ
タン樹脂の分解生成物中に、塩酸ガスを多段階で吹き込
み、各段階ごとに生じた沈殿を濾別することによって、
ポリオールからポリアミンを除去し、これによって、良
好な品質のポリオールを得ることが提案されている。
【0006】また、特開昭57−80438号公報で
は、ポリウレタン樹脂を分解してポリオールとポリアミ
ンとに分離回収する方法において、ポリウレタン樹脂の
分解生成物を、所定の条件下、管状コイルエバポレータ
中にスプレーすることにより、大部分のポリアミンを除
去し、次いで、塩酸ガスを1段階で吹き込むことによ
り、残りのポリアミンを沈殿させ、これを濾別すること
により良好な品質のポリオールを得ることが提案されて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の方法で
は、いずれも、ポリアミンを塩酸塩として沈殿させ濾別
するようにしているが、ポリアミンの塩酸塩は、結晶化
しにくく濾別が困難である。また、塩酸はウレタン化反
応における強い負触媒として作用するので、得られたポ
リオール中に少しでも塩酸が残存すると、再使用時にお
いて、ウレタン化反応を阻害するおそれがある。さら
に、濾別されたポリアミンの塩酸塩を処分する場合にお
いては、塩素に起因する有害物質の発生も考えられ、環
境汚染の原因となるおそれもある。
【0008】本発明は、このような課題に鑑みなされた
もので、その目的とするところは、ポリアミンを含有す
るポリオールから、ポリアミンを簡単かつ効率よく除去
することができ、品質の良好なポリオールを得ることが
できる、ポリオールの精製方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のポリオールの精製方法は、ポリアミンを含
有するポリオールに、有機ジカルボン酸またはその無水
物を加えた後、析出物を除去することを特徴としてい
る。
【0010】この精製方法において、ポリアミンを含有
するポリオールが、ポリウレタン樹脂を分解することに
よって得られる分解回収ポリオールであることが好まし
く、そのポリオールとしては、ポリエーテルポリオール
であることが好ましい。また、有機ジカルボン酸または
その無水物が、シュウ酸であることが好ましい。
【0011】また、ポリアミンのアミノ基1当量あたり
有機ジカルボン酸またはその無水物のカルボキシル基が
0.3〜1.05当量となるような割合で、ポリアミン
を含有するポリオールに有機ジカルボン酸またはその無
水物を加えることが好ましい。
【0012】そして、このようなポリオールの精製方法
は、ウレタン樹脂を流動化する流動化工程、流動化され
たウレタン樹脂を加水分解する加水分解工程、および加
水分解により生成した分解生成物を分離回収する分離回
収工程を備えるウレタン樹脂の分解回収方法の分解回収
工程に、好適に適用することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の精製方法の対象となるポ
リアミンを含有するポリオールは、ポリオール中にポリ
アミンが混在しているものであって、例えば、ポリオー
ルの不純物としてポリアミンが混入したものや、例え
ば、ポリウレタン樹脂を分解して得られるポリオールと
ポリアミンとの混合物、あるいは、分解して得られるポ
リオールとポリアミンとの混合物から、粗ポリオールと
粗ポリアミンとに粗分離した後の粗ポリオールなどの分
解回収ポリオールなどが挙げられる。これらのうち、本
発明の精製方法は、特に分解回収ポリオールの精製に有
用である。
【0014】ここで、ポリオールとは、水酸基を少なく
とも2個以上有する化合物であって、例えば、ポリウレ
タン樹脂などの製造に通常使用される、低分子量ポリオ
ールや高分子量ポリオールなどが挙げられる。
【0015】低分子量ポリオールとしては、例えば、エ
チレングリコール、プロパンジオール、1,4−ブチレ
ングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチ
ルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、ジプロピレングリコール、ビスフェノール
A、水素化ビスフェノールA、キシレングリコールなど
の低分子量ジオール、例えば、グリセリン、1,1,1
−トリス(ヒドロキシメチル)プロパンなどの低分子量
トリオール、例えば、D−ソルビトール、キシリトー
ル、D−マンニトール、D−マンニットなどの水酸基を
4個以上有する低分子量ポリオールなどが挙げられる。
【0016】また、高分子量ポリオールとしては、例え
ば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオー
ル、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオー
ル、エポキシポリオール、天然油ポリオール、シリコン
ポリオール、フッ素ポリオール、ポリオレフィンポリオ
ールなどが挙げられる。
【0017】これらポリオールのうち、高分子量ポリオ
ール、とりわけ、数平均分子量が800〜20000程
度の高分子量ポリオールが、分解回収ポリオールとして
得られやすく、なかでも、ポリエーテルポリオールが得
られやすい。
【0018】ポリエーテルポリオールとしては、例え
ば、活性水素基を有する開始剤に、エチレンオキサイド
および/またはプロピレンオキサイドなどのアルキレン
オキサイドを付加反応させることによって得られる、ポ
リエチレングリコールおよび/またはポリプロピレング
リコール(これらのランダムおよび/またはブロック共
重合体を含む)や、例えば、テトラヒドロフランなどの
開環重合によって得られるポリテトラメチレンエーテル
グリコールなどが挙げられる。
【0019】また、ポリオールに含有されるポリアミン
は、アミノ基を少なくとも2個以上有する化合物であっ
て、例えば、本発明の精製方法が分解回収ポリオールの
精製に用いられる場合には、ポリウレタン樹脂の分解に
よってポリオールとともに生成されるポリイソシアネー
トの中間原料としてのポリアミンが挙げられる。
【0020】このようなポリアミンとしては、例えば、
ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の中間原
料であるジアミノジフェニルメタン(MDA)、トリレ
ンジイソシアネート(TDI)の中間原料であるトリレ
ンジアミン(TDI)などの芳香族ジアミン、例えば、
キシリレンジイソシアネート(XDI)の中間原料であ
るキシリレンジアミン(XDA)、ビス(1−イソシア
ナト−1−メチルエチル)ベンゼン(TMXDI)の中
間原料であるビス(1−アミノ−1−メチルエチル)ベ
ンゼン(TMXDA)などの芳香脂肪族ジアミン、例え
ば、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチル
シクロヘキシルイソシアネート(IPDI)の中間原料
である3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシク
ロヘキシルアミン(IPDA)、4,4' −メチレンビ
ス(シクロヘキシルイソシアネート)(H12MDI)の
中間原料である4,4' −メチレンビス(シクロヘキシ
ルアミン)(H12MDA)、ビス(イソシアナトメチ
ル)シクロヘキサン(H6 XDI)の中間原料であるビ
ス(アミノメチル)シクロヘキサン(H6 XDA)など
の脂環族ジアミン、例えば、ヘキサメチレンジイソシア
ネート(HDI)の中間原料であるヘキサメチレンジア
ミン(HDA)などの脂肪族ジアミン、および、ポリメ
チレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMD
I、ポリメリックMDI)の中間原料であるポリメチレ
ンポリフェニルポリアミンなどが挙げられる。
【0021】次に、本発明の精製方法をウレタン樹脂の
分解回収方法に適用して、分解回収されるポリオールを
精製する方法について説明する。
【0022】このウレタン樹脂の分解回収方法は、ウレ
タン樹脂を流動化する流動化工程、流動化されたウレタ
ン樹脂を加水分解する加水分解工程、および加水分解に
より生成した分解生成物を分離回収する分離回収工程を
備えており、本発明の精製方法は、このような分解回収
方法の分離回収工程に適用される。なお、図1には、こ
のような分解回収方法を工業的に実施する場合の一例を
示しており、以下、この図1を参照しながら説明する。
ただし、図1は概略図であって、ポンプや加熱装置など
の附帯手段を省略して示している。
【0023】この分解回収方法の対象となるポリウレタ
ン樹脂は、主として、上記したポリオールとポリイソシ
アネートとの反応により得られる合成高分子化合物であ
って、例えば、軟質、半硬質あるいは硬質ポリウレタン
フォーム、注型あるいは熱可塑ポリウレタンエラストマ
ーなどが挙げられる。より具体的には、これらを、各種
の家庭用または産業用の製品として成形加工する際に生
ずる切断片および切屑や、これらの製品の使用後の廃品
などが対象とされる。なお、これらの製品中に、例え
ば、繊維、皮革、合成皮革、金属などが多少含まれてい
ても差し支えはないが、処理しやすいように、適宜、所
定の大きさに、裁断または粉砕しておくことが好まし
い。
【0024】まず、流動化工程では、投入手段としての
ホッパ1から投入されたポリウレタン樹脂を流動化槽2
内において流動化させる。流動化させる方法としては、
例えば、ポリウレタン樹脂にアミン化合物を作用させる
アミノリシス、分散媒中にポリウレタン樹脂を物理的攪
拌によって分散させるスラリー化、ポリウレタン樹脂を
溶媒で溶解させる可溶化などの方法が挙げられる。好ま
しくは、アミノリシスが用いられる。
【0025】アミノリシスでは、液状とされたアミン化
合物中に、ポリウレタン樹脂を加え、約120〜220
℃、好ましくは、150〜200℃に加熱して、ポリウ
レタン樹脂を流動化させるようにする。加熱温度がこれ
より低いと、流動化に時間がかかる場合があり、一方、
加熱温度がこれより高いと、アミン化合物の分解や重合
が起こり流動化できない場合がある。また、このアミノ
リシスにおいて用いられるアミン化合物は、ポリウレタ
ン樹脂の加水分解後に生成するポリアミンであることが
好ましい。このようなポリアミンを還流して使用すれ
ば、加水分解後の分離回収が容易となり、またコストの
低減を図ることができる。さらに、アミン化合物には、
ポリオール化合物を配合してもよい。ポリオール化合物
を配合することによって、系中の粘度を低下させて、均
一に流動化させることができる。アミン化合物とポリオ
ール化合物とを併用する場合の配合割合は、アミン化合
物1重量部に対し、ポリオール化合物が0.5〜5重量
部の範囲であることが好ましい。ポリオール化合物の配
合割合がこれより高いと、ポリウレタン樹脂が良好に流
動化しない場合がある。また、用いられるポリオール化
合物は、上記と同様の理由により、ポリウレタン樹脂の
加水分解後に生成するポリオールであることが好まし
い。
【0026】より具体的には、図1に示すように、後述
する脱水槽6と加水分解槽7との途中から、流動化槽2
に接続する還流ライン9を設けて、ポリウレタン樹脂の
加水分解後により生成するポリアミンおよびポリオール
の混合物を流動化槽2内に還流することによって、アミ
ノリシスを行なうようにすればよい。なお、加水分解槽
7の下流側のポリアミン回収ラインから流動化槽2に接
続する還流ライン10を設けて、ポリアミンのみを還流
するようにしてもよく、またはこれら還流ライン9およ
び10を併用するようにしてもよい。
【0027】このようにして流動化されたポリウレタン
樹脂は、次いで、加水分解工程において、加水分解され
る。なお、流動化工程において流動化されたポリウレタ
ン樹脂中に繊維や金属などが混在している場合には、図
1には示していないが、必要により濾過手段などを用い
て、これら繊維や金属などを除き、その後に、加水分解
工程に移行することが好ましい。
【0028】加水分解は、加水分解槽3内において、例
えば、給水槽4から供給される超臨界水または高温高圧
水を用いて、200〜400℃、好ましくは、240〜
300℃で、この温度域で水が液状を保ち得る以上の圧
力下において行なわれる。この温度より低いと、分解速
度が遅い場合があり、一方、この温度より高いと、生成
するポリオールあるいはポリアミンの分解または副反応
が生じる場合がある。使用される水の重量は、例えば、
流動化されたポリウレタン樹脂1重量部あたり、0.3
〜10.0重量部(以下「加水比」という。)であるこ
とが好ましく、加水比が、0.3〜5.0であることが
さらに好ましい。加水比がこれより低いと、分解が不完
全となる場合があり、一方、加水比がこれより高いと、
エネルギーロスが大きく不経済となる場合がある。な
お、加水分解時に、少量のアルカリ金属水酸化物やアン
モニアなどを触媒として用いてもよい。
【0029】そして、この加水分解により、流動化され
たポリウレタン樹脂は、その出発原料であるポリオール
と、出発原料であるポリイソシアネートの中間原料であ
るポリアミンとに分解される。
【0030】次いで、得られた分解生成物を分離回収工
程において、分離および回収するのであるが、その前
に、加水分解に使用された水、および加水分解により生
成した炭酸ガスを除去するために、脱水工程を備えるこ
とが好ましい。脱水工程における脱水および脱ガスは、
脱水槽6内において、例えば、単蒸留、フラッシュ蒸
留、減圧蒸留、吸着、乾燥など公知の方法を用いて行な
うことができる。好ましくは、フラッシュ蒸留が用いら
れる。フラッシュ蒸留では、加水分解工程において高圧
となっている水および炭酸ガスを、圧力調節弁5などを
用いて、大気圧下に開放するのみの簡易な操作により、
水および炭酸ガスを減圧蒸発させることができる。
【0031】次いで、分離回収工程において、水および
炭酸ガスが除去されたポリオールとポリアミンとの混合
物から、ポリオールとポリアミンとのそれぞれに分離し
て回収する。この分離回収工程において、本発明の精製
方法が適用される。
【0032】分離回収工程は、ポリオールとポリアミン
との混合物から、本発明の精製方法を用いて直接ポリオ
ールを単離精製してもよいが、好ましくは、まず、分離
工程において、粗ポリオールと粗ポリアミンとに粗分離
し、得られた粗ポリオールを本発明の精製方法を用いて
精製することが好ましい。
【0033】分離工程におけるポリオールとポリアミン
との粗分離は、分離槽7内において、例えば、蒸留、抽
出、遠心分離、吸着、乾燥など公知の方法を用いて行な
うことができる。高分子量ポリオールを回収する場合に
は、蒸留が好ましく用いられる。蒸留によれば、軽沸分
として粗ポリアミンを、重沸分として粗ポリオールを、
それぞれ効率よく分離できる。
【0034】そして、精製工程では、精製槽8内におい
て、本発明の精製方法を用いて、粗ポリオール、つま
り、ポリアミンを含有するポリオールからポリアミンを
除去する。
【0035】この精製方法は、ポリアミンを含有するポ
リオールに、有機ジカルボン酸またはその無水物を加え
ることにより、ポリアミンを有機ジカルボン酸の塩とし
て析出させ、次いで、この析出物を除去することにより
行なわれる。
【0036】この精製方法において用いれられる有機ジ
カルボン酸またはその無水物としては、例えば、シュウ
酸、コハク酸、マレイン酸、無水マレイン酸などが挙げ
られる。好ましくは、シュウ酸および無水マレイン酸が
挙げられ、さらに好ましくは、シュウ酸が挙げられる。
また、有機ジカルボン酸またはその無水物を加える量
は、ポリアミンのアミノ基1当量に対して、有機ジカル
ボン酸またはその無水物のカルボキシル基が0.3〜
1.05当量、好ましくは、0.5〜1.03当量、さ
らに好ましくは、0.7〜1.01当量となるような割
合であることが好ましい。この当量より少ないと、塩が
析出しにくく、または必要な量のポリアミンが析出せず
ポリアミンを完全に除去できない場合がある。一方、こ
の当量より多いと、精製後のポリオールに有機ジカルボ
ン酸またはその無水物が残存して、品質の良いものが得
られない場合がある。また、塩を析出させるには、窒素
雰囲気下で、50〜140℃に加熱することが好まし
い。
【0037】そして、析出物を、濾過、遠心分離など公
知の方法により除去する。好ましくは、濾過が用いられ
る。濾過によれば、簡易な装置により、連続的に除去す
ることができる。
【0038】このように精製して得られたポリオール
は、ポリアミンがほぼ完全に除去されており、品質の高
いポリオールとして、各種の分野において再使用するこ
とができる。すなわち、本発明の精製方法では、有機ジ
カルボン酸またはその無水物を用いているので、塩酸を
用いた場合に比べて、容易に塩を結晶化させて析出させ
ることができるため、ポリアミンを簡単かつ効率よく除
去して、品質の高いポリオールを得ることができる。し
かも、有機ジカルボン酸またはその無水物は、塩酸に比
べるとそれほどウレタン化反応を阻害するものではない
ので、再使用時において、ウレタン化反応を阻害するお
それも少なく、さらに、除去されたポリアミンの塩を処
分する場合においても、塩素のように有害物質が発生す
る可能性も少なく、環境汚染の原因となるおそれも少な
い。
【0039】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を
より具体的に説明する。
【0040】流動化工程:温度計、撹拌機及び窒素ガス
導入管を備えた500mlの4つ口フラスコ中に、トル
イレンジアミン50gと、ポリプロピレントリオール
(数平均分子量3000)50gとを仕込み、外部から
加熱して170℃に昇温した。この液中に、トリレンジ
イソシアネート(タケネート80:武田薬品工業(株)
製)とポリプロピレントリオール(数平均分子量300
0)とを用いて発泡させた密度25kg/m3 の軟質ポ
リウレタンフォームの裁断片30gを加え、同温度で1
時間撹拌してフォームを完全に流動化(可溶化)させ
た。この液を25℃まで冷却し、粘度を測定したところ
約10000mPaであった。
【0041】加水分解工程:次いで、温度計および圧力
計を備えた内容積200mlのオートクレーブ中に、得
られたフォームの溶解液50gと純水50gとを仕込
み、窒素ガスで置換後外部から加熱し、270℃まで昇
温することによって加水分解を行なった。この時、内圧
は68kg/m2 Gを示した。この温度で20分間放置
したがこれ以上の昇圧は認められなかった。室温まで冷
却後、得られた加水分解生成物をGPCにより分析した
結果、トリレンジアミン(TDA)とポリプロピレント
リオール(数平均分子量3000)とに分解されている
ことが確認された。
【0042】分離工程:得られた加水分解生成物におい
て、ポリプロピレントリオール(数平均分子量300
0)からTDAを除去するために減圧単蒸留を行なっ
た。すなわち、まず、110℃で水を完全に留去した
後、90℃の冷却水を流した蒸留装置に、加水分解生成
物を仕込み、15torrに減圧した後に昇温を行っ
た。先に低沸分が留去した後、塔温が155℃に達した
ときに透明液体が留出した。塔温が下がり始め液が留出
しなくなったところで単蒸留を終了した。残渣のTDA
の濃度を、0.1mol/l過塩素酸・酢酸溶液で電位
差滴定により測定すると、TDAが2.0重量%まで留
去されたことが確認された。
【0043】精製工程:さらに、この単蒸留の残渣分
を、4つ口フラスコに入れ70℃まで昇温した後、表1
に示す実施例1〜4および比較例1〜5の種々の酸を、
TDAのアミノ基1当量に対して、0.5および/また
は1.0倍当量添加した。その後、窒素ガスを吹き込み
ながら、徐々に昇温し120℃で脱水を行ない、1時間
後に反応を終了して70℃まで降温した後、300メッ
シュの金網で沈殿物を濾別した。
【0044】
【表1】
【0045】表1に示すように、酢酸、ギ酸、無水酢酸
は沈殿物を生じなかったので、TDAを系中から除去す
ることができなかった。
【0046】シュウ酸水溶液、無水マイレン酸、6mo
l/lの塩酸は、白濁し塩が析出した。しかし、6mo
l/lの塩酸は塩が析出したものの,その粒子が非常に
細かく、300メッシュの金網では濾別がほとんどでき
なかった。なお、10000rpm、10分間の遠心分
離も試みたが、沈降する塩はほとんど得られなかった。
これに対し、シュウ酸水溶液および無水マイレン酸を加
えたものでは、塩として沈殿物が析出し、またその粒径
が大きいため簡単に濾別することができた。
【0047】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のポリオール
の精製方法は、有機ジカルボン酸またはその無水物を用
いているので、塩酸を用いた場合に比べて、容易に析出
物を生成させることができるため、ポリアミンを簡単か
つ効率よく除去して、品質の高いポリオールを得ること
ができる。しかも、有機ジカルボン酸またはその無水物
は、塩酸に比べるとそれほどウレタン化反応を阻害する
ものではないので、たとえ残存しても、ポリウレタン樹
脂の原料として良好に再使用でき、さらには、除去され
た析出物を処分する場合においても、塩素のように有害
物質が発生する可能性も少なく、環境汚染の原因となる
おそれも少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリオールの精製方法が適用される、
ポリウレタン樹脂の分解回収方法を工業的に実施するた
めの装置の概略図である。
【符号の説明】
2 流動槽 3 加水分解槽 7 分離槽 8 精製槽
【手続補正書】
【提出日】平成11年9月16日(1999.9.1
6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項6
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】そして、このようなポリオールの精製方法
は、ウレタン樹脂を流動化する流動化工程、流動化され
たウレタン樹脂を加水分解する加水分解工程、および加
水分解により生成した分解生成物を分離回収する分離回
収工程を備えるウレタン樹脂の分解回収方法の分離回収
工程に、好適に適用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 熊木 高志 大阪府大阪市淀川区十三本町二丁目17番85 号 武田薬品工業株式会社化学品カンパニ ー内 Fターム(参考) 4F301 AA29 CA08 CA13 CA33 CA65 CA72 CA73 4H006 AA02 AC91 AD17 AD30 BC50 GP01 GP10 4J034 CA03 CA04 CA05 CB03 CB04 CB05 CB07 CC03 CC08 CC12 CC23 CC26 CC45 CC52 CC61 CC62 CC65 CC67 DA01 DB03 DB07 DG03 DG04 DG06 DG08 DG09 LA34 LB02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミンを含有するポリオールに、有
    機ジカルボン酸またはその無水物を加えた後、析出物を
    除去することを特徴とする、ポリオールの精製方法。
  2. 【請求項2】 ポリアミンを含有するポリオールが、ポ
    リウレタン樹脂を分解することによって得られる分解回
    収ポリオールであることを特徴とする、請求項1に記載
    のポリオールの精製方法。
  3. 【請求項3】 ポリアミンを含有するポリオールが、ポ
    リエーテルポリオールであることを特徴とする、請求項
    1または2に記載のポリオールの精製方法。
  4. 【請求項4】 有機ジカルボン酸またはその無水物が、
    シュウ酸であることを特徴とする、請求項1〜3のいず
    れかに記載のポリオールの精製方法。
  5. 【請求項5】 ポリアミンを含有するポリオールに、有
    機ジカルボン酸またはその無水物を、ポリアミンのアミ
    ノ基1当量あたり有機ジカルボン酸またはその無水物の
    カルボキシル基が0.3〜1.05当量となるような割
    合で加えることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか
    に記載のポリオールの精製方法。
  6. 【請求項6】 ウレタン樹脂を流動化する流動化工程、 流動化されたウレタン樹脂を加水分解する加水分解工
    程、および加水分解により生成した分解生成物を分離回
    収する分離回収工程を備えるウレタン樹脂の分解回収方
    法の、 分解回収工程に適用される、請求項1〜5のいずれかに
    記載のポリオールの精製方法。
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