JP2000249151A - 転がり軸受の潤滑構造 - Google Patents

転がり軸受の潤滑構造

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JP2000249151A
JP2000249151A JP11227621A JP22762199A JP2000249151A JP 2000249151 A JP2000249151 A JP 2000249151A JP 11227621 A JP11227621 A JP 11227621A JP 22762199 A JP22762199 A JP 22762199A JP 2000249151 A JP2000249151 A JP 2000249151A
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lubricating
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lubricating oil
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Kenji Yakura
健二 矢倉
Hirotsuna Nawamoto
大綱 縄本
Shoji Noguchi
昭治 野口
Hideto Yui
秀人 由井
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】スピンショット型の転がり軸受を高速回転軸に
用いた場合でも、転動体や軌道面を十分に潤滑して、早
期焼付や早期磨耗を解消する。また、潤滑油を安定して
少量ずつ供給できるようにして、トルク変動や温度変化
を抑制する。 【解決手段】潤滑構造部材である内輪間座8の油路9か
らノズル孔10を転動体5向きに穿設するが、その外側
開口部を切欠いて、ノズル孔10に連続する傾斜面12
の外径端部が、転動体5又は保持器6のポケット7に対
して半径方向内側になるようにする。また、内輪3に当
接している内輪間座8に横溝13を多数設けて表面積を
増し、内輪の冷却効果を高めて内外輪の温度差を小さく
する。また、油路9のノズル孔10開口部に、気孔率が
10〜35%の多孔質焼結体19を配設し、潤滑油の安
定供給を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転軸と共に回転
する間座等の内輪側部材から少なくとも転動体に潤滑油
を供給する転がり軸受の潤滑構造に関するものであり、
特に回転軸や間座等の内輪側部材が高速で回転するとき
に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】例えば工作機械の主軸は、その使用時に
高速回転する。このような高速回転する回転軸の転がり
軸受を潤滑する構造として、例えば特開平6−2354
25号公報に記載されるものがある。この転がり軸受の
潤滑構造は、高速回転する回転軸に内輪を外嵌して支持
するが、この内輪に隣接して、当該回転軸に内輪間座等
の潤滑構造部材を外嵌し、この部材から潤滑油を供給す
るようにしている。具体的には、前記潤滑構造部材の周
方向に沿って油路を形成し、この油路から、内輪側向き
で且つ半径方向外向き、つまり転動体に向かう方向に斜
めにノズル孔を穿設する。
【0003】この転がり軸受の潤滑構造によれば、前記
潤滑構造部材の油路内の潤滑油に、回転軸の回転に伴う
遠心力が作用し、潤滑油はノズルから半径方向外側向き
に噴出する。その勢いは、回転軸の回転速度が速くなる
ほど、よくなる。なお、前記潤滑構造部材のうち、ノズ
ルの半径方向外側端部は、内輪側に先細りの面取りが施
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
前記内輪間座等の潤滑構造部材の内径が100mm,回
転軸の回転数が15000rpmである場合には、当該
潤滑構造部材に対応する軸受のdmN値(dm:ピッチ
円径、N:軸回転数)は約200万であり、そのような
場合の前記従来の潤滑構造による潤滑油の流れは、図1
5のようになる。即ち、図中の符号Nが内輪、Gが外
輪、Tが転動体、Hが保持器、Kが潤滑構造部材、Yが
油路、Aがノズル孔、Mが面取り部であるが、ノズル孔
Aから半径方向外側に流れ出る潤滑油のうち、噴射時の
勢いで霧化しないものは油滴となり、面取り部Mに沿っ
て潤滑構造部材Kの半径方向外側に流れる。そして、前
記面取り部Mの外径端部まで到達すると、そこから半径
方向外側に向けて振り飛ばされる。ところが、前記従来
の転がり軸受の潤滑構造では、前記ノズル孔Aの半径方
向外側開口部は転動体Tの半径方向内側に位置している
ものの、この面取り部Mの外径端部が、転動体T又は当
該転動体Tを保持している保持器Hの転動体保持隙間
部,所謂ポケットより軸線方向外側に位置しているた
め、当該面取り部Mの外径端部から半径方向外側に振り
飛ばされる油滴は、転動体Tや保持器Hのポケットに降
りかからず、結果的に転動体潤滑不足となって、軸受の
早期焼付や早期磨耗の原因となる。
【0005】また、前記ノズル孔Aには、油路Yの外周
縁やノズル孔A近傍に存在する潤滑油しか効率よく送り
込まれず、ノズル孔Aから離れた部位の潤滑油はノズル
孔に効率よく送り込まれない(実験によると、ノズル孔
Aからの潤滑油噴射量は約40〜60%程度であること
が分かった)。ノズル孔に送り込まれない潤滑油は、間
座外部に排出されるので、全体として潤滑効率が低いと
いう問題がある。
【0006】また、既存のオイルエアーユニット装置を
用いてオイルエアー潤滑を行う場合、通常、潤滑油は所
定間隔(時間)毎に、所定量ずつ供給されるので、それ
が完全に霧化しないときには、油滴が所定時間毎に軸受
内部に供給されることになる。すると、軸受内部に供給
される潤滑油滴が大きいほど、油滴が供給される瞬間
と、そうでないときとではトルクの変動が生じ、それに
伴って軸受温度も変動するため、加工機械のスピンドル
軸受などでは、加工精度に影響を及ぼすことが懸念され
る。
【0007】本発明は前記諸問題を解決すべく開発され
たものであり、転動体や軌道面に十分な潤滑を施して早
期焼付や早期磨耗を解消でき、或いは潤滑効率がよく、
潤滑油を霧化したり、油滴を小さくしたりすることによ
ってトルクの変動や温度変化を抑制することができる転
がり軸受の潤滑構造を提供することを目的とするもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる諸問題を解決する
ために、本発明に係る転がり軸受の潤滑構造は、保持器
で保持された複数の転動体を外輪と内輪との間に配設
し、回転軸と共に回転する内輪側の潤滑構造部材から少
なくとも転動体に潤滑油を供給する転がり軸受の潤滑構
造であって、前記回転の遠心力によって前記潤滑構造部
材から振り飛ばされる潤滑油の油滴が、前記転動体又は
保持器の転動体保持隙間部に降りかかるようにしたこと
を特徴とするものである。
【0009】また、前記諸問題を解決する転がり軸受の
潤滑構造は、保持器で保持された複数の転動体を外輪と
内輪との間に配設し、回転軸と共に回転する内輪側の潤
滑構造部材から少なくとも転動体に潤滑油を供給する転
がり軸受の潤滑構造であって、前記内輪側の潤滑構造部
材に円環状の油路と、この油路に開口し且つ転動体側ま
で貫通するノズル孔とを形成すると共に、前記油路のノ
ズル孔開口部に、気孔率が10〜35容積%の多孔質焼
結体を設けたことを特徴とするものである。
【0010】なお、前記多孔質焼結体としては、例えば
多孔質金属焼結体や多孔質セラミックス焼結体等が適用
される。多孔質金属焼結体としては、鉄系材料、銅系材
料、ステンレス系材料、ニッケル系材料及びクロム系材
料を使用することができる。鉄系材料は鉄のみの他に合
成成分として銅、鉛、黒鉛等を0.2〜25wt%程度
含有するものも使用できる。また、多孔質セラミックス
焼結体としてはアルミナ、ジルコニア等を使用すること
ができる。また、多孔質焼結体の気孔率としては、10
〜35容積%が適当である。気孔率が10%未満の場合
は、潤滑油の通過量が少な過ぎて、転動体に供給される
量が少なくなり、安定した油膜の形成が保てなくなる。
また、気孔率が35%を超える場合は、潤滑油の通過が
それだけ早くなり、潤滑油の絞りとしての機能が低下
し、潤滑油が油滴として転動体等に供給されてしまう。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各種の実施の形態
について説明する。図1は本発明の転がり軸受の潤滑構
造の第1実施形態を示す断面図である。この実施形態
は、高速回転される工作機械の主軸を回転軸1として、
その図示左方端部を支持する転がり軸受構造であり、二
個の玉軸受2を並べて配設している。即ち、回転軸1が
ハウジング21の内部に配設されている状態で、回転軸
1の図示左方端部から、図示右方,つまり内側の玉軸受
2を、内輪3が回転軸1に外嵌され且つ外輪4がハウジ
ング21に内嵌されるようにして圧入し、次いで潤滑構
造部材である内輪間座8を、前記内側の玉軸受2の内輪
3に当接するまで回転軸1に外嵌し、二つのカラー22
を回転軸1に外嵌すると共に、その外側で、二つの油路
構成部材23をハウジング21に内嵌し、次いでもう一
つの内輪間座8を回転軸1に外嵌してから、図示左方,
つまり外側の玉軸受2を、内輪3が前記内輪間座8に当
接するまで、ハウジング21と回転軸1との間に圧入
し、回転軸1側にはスペーサ24を外嵌してからナット
25を螺合し締付け、ハウジング21側には、前記外側
の玉軸受2の外輪4を押付けるカバー26をボルト27
で取付ける。そして、前記各玉軸受2の内輪3及び前記
内輪間座8は回転軸1に対して、各玉軸受2の外輪4は
ハウジング21に対して、夫々、圧入されており、従っ
て玉軸受2の外輪4はハウジング21に固定され、玉軸
受2の内輪3及び内輪間座8は回転軸1と供回りする。
なお、前記各油路構成部材23の油路28は、ハウジン
グ21に形成されている油路29に連通し、更に前記内
輪間座8に向けて潤滑油を供給する連通路30が形成さ
れている。また、前記各玉軸受2の内輪3の幅は、外輪
4の幅より狭く、転動体5の一部が内輪3からはみ出す
ようになっている。また、複数の転動体5は保持器6に
よって保持されているが、この保持器6と各転動体5の
間には、転動体保持隙間,所謂ポケット7がある。
【0012】前記二つの内輪間座8は、同じ形状のもの
を逆向きに使用している。この内輪間座8は、図2に示
すように、断面がコ字状(又は逆コ字状)のリング部材
であり、前記油路構成部材23の連通路30に向かう側
が開口するようにして用いる。つまり、前記油路構成部
材23の油路28から連通路30を通って吹き出す潤滑
油は、この内輪間座8の中央凹部に溜まるので、この凹
部が、周方向に沿って形成された内輪間座8の円環状の
油路9になる。この油路9からは、各玉軸受2の内輪3
側に向け且つ半径方向外側に向けて斜めにノズル孔10
が穿設されている。ちなみに、各ノズル孔10は、後述
する潤滑油噴射効率向上のために、油路9の最奥端面外
径端側に開口している。そして、このノズル孔10の半
径方向外側開口部に相当する部分が、三角形に切欠かれ
ていて、その隅部が転動体5に向け鋭角に突出してい
る。そのため、前記ノズル孔10が開口している面12
は、転動体5に向けて,即ち内輪3側に向け且つ半径方
向外側に向けて斜めに傾斜している。つまり、前記ノズ
ル孔10が開口している傾斜面12の外径端部は、転動
体5に対して、半径方向内側に位置している。なお、こ
のノズル孔10が開口している傾斜面12の半径方向に
対する角度θは、0〜70°が望ましいが、更には20
〜60°程度が望ましい。
【0013】前記油路構成部材23から内輪間座8の中
央凹部,即ち油路9に供給された潤滑油は、当該内輪間
座8が回転軸1と供回りするために、遠心力がかかり、
前記ノズル孔10を通って半径方向外側に流れようとす
る。このノズル孔10から勢いよく噴出して霧化するも
のもあるが、潤滑油の粘度のために、油滴になるものも
ある。このうち、油滴になるものは、図3に示すよう
に、ノズル孔10から当該ノズル孔10が開口している
前記傾斜面12に移動し、更にこの傾斜面12を滑っ
て、外径端部で振り切られる。そこで、この傾斜面12
の外径端部を、油滴の実質的な振り切り位置、つまり噴
出部位とすると、この油滴噴出部位は、前記転動体5に
対して、半径方向内側に位置しているので、ここから振
り切られる油滴は、転動体5に直接降りかかり、それを
潤滑する。ここで、油滴の実質的な振り切り位置を確実
に傾斜面12とするには、当該傾斜面12の外径端部だ
けが、内輪間座8の最外径となればよい。そこで、内輪
間座8の外径面11を、軸受に向かうに従い、半径方向
外方に傾斜する構造にしてもよい。その角度は0〜10
°程度がよく、好ましくは2〜6°がよい。なお、前記
油滴噴出部位は、転動体5以外にも、前記保持器6のポ
ケット(転動体保持隙間)7に対して、ポケット径方向
内側に位置するようにしてもよく、そのようにすれば、
潤滑油の油滴は、当該保持器6のポケット7から転動体
5又は軌道面等を潤滑することになる。
【0014】次に、本発明の転がり軸受の潤滑構造の第
2実施形態について、図4、図5を用いて説明する。図
4は、前記図1に示す第1実施形態の内輪間座8の変形
例であり、図では前記外側の玉軸受2、回転軸1、内輪
間座8のみを抽出してある。この実施形態でも、前記内
輪間座8の断面コ字状(又は逆コ字状)の中央凹部から
なる油路9にノズル孔10を穿設し、当該油路9中の潤
滑油が、回転軸1及び内輪間座8の回転に伴ってノズル
孔10から半径方向外側に流れだすようにしてある。但
し、このノズル孔10の半径方向外側開口部は、前記従
来技術と同様、内輪3側が先細りの面取り部様の傾斜面
14となっている。しかしながら、この傾斜面14の外
径端部は、転動体5に対して、半径方向内側に位置して
いるので、例えば図5に示すように、潤滑油の油滴は、
ノズル孔10から当該ノズル孔10が開口している前記
傾斜面14に移動し、更にこの傾斜面14を滑って、外
径端部で振り切られるが、この油滴噴出部位が、前記転
動体5に対して、半径方向内側に位置しているので、こ
こから振り切られる油滴は、転動体5に直接降りかか
り、それを潤滑する。なお、前記油滴噴出部位は、前記
保持器6のポケット7に対して、ポケット径方向内側に
位置するようにしてもよく、そのようにすれば、潤滑油
の油滴は、当該保持器6のポケット7から転動体5又は
軌道面等を潤滑することになる。
【0015】また、この実施形態では、前記油路9の半
径方向内側面31及び外側面32並びに内輪間座8の外
径面11に複数の横溝13,つまり周方向に沿った溝を
形成し、凹凸を付けている。この横溝13により、内輪
間座8の表面積が増大している。周知のように、外輪4
に比べて内輪3の方が、軌道面の長さが短いので、同じ
回転でも内輪3の方が温度の上昇が大きい。本実施形態
では、この内輪3に隣接している内輪間座8に横溝13
を設けて表面積を増大することで放熱効果が高まり、更
にその横溝13が当該内輪間座8の回転方向に沿って形
成されていることから、より一層、放熱効果が高まり、
内輪3を効果的に冷却することができるので、内外輪の
温度差が小さくなり、予圧の変化等を抑制することがで
き、回転速度を高めることなどが可能となる。
【0016】また、図5に示すように、例えば前記内輪
間座8の内輪3に接触する面33の粗さをよくして真実
接触面積を増やすとか、両者の間に銅や銀等の軟質高熱
伝導率シートを挟むなどすることにより、内輪3からの
熱伝達効率を向上し、前記内輪間座8による内輪3の冷
却効果を高めるようにしてもよい。次に、本発明の転が
り軸受の潤滑構造の第3実施形態について、図6、図7
を用いて説明する。図6は、前記図1に示す第1実施形
態のノズル孔10の変形例であり、図ではノズル孔10
が穿設されている方向から見た状態,即ち図1の平面図
を示している。このうち、図6aに示すものは、矢印に
示すように図示左右どちらにも回転する可能性があるも
のであり、穿設方向から見たノズル孔10の軸線は回転
軸1の軸線に一致している。一方、図6bに示すもの
は、矢印に示すように図示右方にのみ回転するものであ
り、穿設方向から見たノズル孔10の軸線は回転軸1の
軸線に対して左に傾斜している。今、図7に示すよう
に、ノズル孔10内を流れる油滴の速度をva とする
と、この速度va は半径方向の成分、即ち吐出速度v2
と遠心力速度成分vc とに分解される。ところが、遠心
力が作用する油滴には、同時に、逆向きの慣性力が作用
するので、この慣性力の速度成分をv1 とすると、その
慣性力速度成分v1 分だけノズル孔10を逆向きに形成
しておけば、吐出速度成分には、この慣性力速度成分v
1 ベクトルが加わることになり、最終的な吐出速度をベ
クトル(v 2+vc +v 1)の平面成分とすることがで
き、その分だけ、吐出速度を高速化することができる。
つまり、より高速な回転速度で十分な潤滑効果を得るこ
とができるのである。この原理を、前記左右どちらにも
回転する可能性がある回転軸1に適用したのが図6cで
ある。このようにすることで、回転軸1(内輪間座8)
が左右どちらに回転しても、潤滑油滴は高速で吐出され
るので、回転速度が高速でも十分な潤滑効果を得ること
ができる。
【0017】次に、本発明の転がり軸受の潤滑構造の第
4実施形態について、図8を用いて説明する。図8は、
前記図4に示す第2実施形態の内輪間座8の変形例であ
り、図では前記外側の玉軸受2、内輪間座8のみを抽出
してある。なお、前記横溝は省略した。この実施形態で
も、前記内輪間座8の断面コ字状(又は逆コ字状)の中
央凹部からなる油路9にノズル孔10を穿設し、このノ
ズル孔10の半径方向外側開口部を、内輪3側が先細り
の面取り部様の傾斜面14とした。但し、この実施形態
では、この傾斜面14の外径端部が、転動体5及び保持
器6のポケット7より軸線方向外側に位置している。こ
のような場合に、保持器6のポケット7に潤滑油滴が降
りかかるようにするために、本実施形態では、当該保持
器6のポケット7のポケット径方向内側位置において、
ノズル孔10位置又は内輪間座8全周にわたって切欠き
溝15を形成した。前述のように、潤滑油の油滴は、ノ
ズル孔10から当該ノズル孔10が開口している前記傾
斜面14に移動し、更にこの傾斜面14を滑るが、当該
傾斜面14の外径端部に到達する前に、この切欠き溝1
5で振り切られる。そして、この油滴噴出部位が、前記
保持器6のポケット7に対して、ポケット径方向内側に
位置しているので、ここから振り切られる油滴は、保持
器6のポケット7に流れ込み、転動体5及び軌道面等を
潤滑する。なお、転動体5に直接、潤滑油滴が降りかか
るようにするためには、当該転動体5の軸に平行な半径
方向内側に切欠き溝を形成すればよい。
【0018】次に、本発明の転がり軸受の潤滑構造の第
5実施形態について、図9を用いて説明する。図9は、
前記図4に示す第2実施形態の内輪間座8の変形例であ
り、図では前記外側の玉軸受2、内輪間座8のみを抽出
してある。なお、ここでも前記横溝は省略した。この実
施形態でも、前記内輪間座8の断面コ字状(又は逆コ字
状)の中央凹部からなる油路9にノズル孔10を穿設
し、このノズル孔10の半径方向外側開口部を、内輪3
側が先細りの面取り部様の傾斜面14とし、この傾斜面
14の外径端部は、転動体5及び保持器6のポケット7
より軸線方向外側に位置している。このような場合に、
保持器6のポケット7に潤滑油滴が降りかかるようにす
るために、本実施形態では、前記傾斜面14を含み、内
輪間座8の外径面11、ノズル孔10、油路9に、コー
ティング等の撥油処理を施した。そのため、ノズル孔1
0の半径方向外側開口部に到達すると同時に又はほぼ同
時に振り切られる。そして、この油滴噴出部位が、前記
転動体5に対して、軸に平行な半径方向内側に位置して
いるので、ここから振り切られる油滴は、転動体5に直
接降りかかり、それを潤滑する。なお、前記油滴噴出部
位は、前記保持器6のポケット7に対して、ポケット径
方向内側に位置するようにすれば、潤滑油の油滴は、当
該保持器6のポケット7から転動体5又は軌道面等を潤
滑することになる。
【0019】次に、本発明の転がり軸受の潤滑構造の第
6実施形態について、図10を用いて説明する。図10
は、前記図4に示す第2実施形態の内輪間座8の変形例
であり、図では前記外側の玉軸受2、内輪間座8のみを
抽出してある。なお、ここでも前記横溝は省略した。こ
の実施形態でも、前記内輪間座8の断面コ字状(又は逆
コ字状)の中央凹部からなる油路9にノズル孔10を穿
設し、このノズル孔10の半径方向外側開口部を、内輪
3側が先細りの面取り部様の傾斜面14とする。また、
この傾斜面14の外径端部は、本来の保持器6のポケッ
ト7より軸線方向外側に位置している。このような場合
に、保持器6のポケット7に潤滑油滴が降りかかるよう
にするために、本実施形態では、保持器6のポケット7
の内輪間座8側端部に面取りを施し、ポケット7に傾斜
面16を延長して、実質的なポケット7を大きくした。
そのため、潤滑油の油滴は、ノズル孔10から当該ノズ
ル孔10が開口している前記傾斜面14に移動し、更に
この傾斜面14を滑って、当該傾斜面14の外径端部で
振り切られる。そして、この油滴噴出部位が、前記延長
された保持器6のポケット7の傾斜面16に対して、半
径方向内側に位置しているので、ここから振り切られる
油滴は、保持器6のポケット7に流れ込み、転動体5及
び軌道面等を潤滑する。
【0020】次に、本発明の転がり軸受の潤滑構造の第
7実施形態について、図11を用いて説明する。図11
は、前記図4に示す第2実施形態の内輪間座8の変形例
であり、図では前記外側の玉軸受2、内輪間座8のみを
抽出してある。なお、ここでも前記横溝は省略した。こ
の実施形態でも、前記内輪間座8の断面コ字状(又は逆
コ字状)の中央凹部からなる油路9にノズル孔10を穿
設し、このノズル孔10の半径方向外側開口部を、内輪
3側が先細りの面取り部様の傾斜面14とし、この傾斜
面14の外径端部は、転動体5及び保持器6のポケット
7より軸線方向外側に位置している。このような場合
に、保持器6のポケット7に潤滑油滴が降りかかるよう
にするために、本実施形態では、内輪間座8の外径面1
1にエアノズル部17を形成した。具体的には、前記油
路構成部材23から内輪間座8の外径面11の外側に、
当該外径面11との間に僅かな隙間ができるような円筒
部18を突設し、当該油路構成部材23の油路9には、
空気と潤滑油を圧送する。このうち、圧送される空気
は、油路構成部材23の連通路30を通り、内輪間座8
の油路9からあふれて、前記内輪間座8の外径面11と
前記油路構成部材23の円筒部18との間のエアノズル
部17を通り、前記傾斜面14の外径端部に向けて吹き
付けられる。そのため、潤滑油の油滴は、ノズル孔10
から当該ノズル孔10が開口している前記傾斜面14に
移動し、更にこの傾斜面14を滑って、当該傾斜面14
の外径端部で振り切られるが、エアノズル部から吹き出
す空気によって、逆向きに流される。従って、振り切ら
れた油滴は、保持器6のポケット7に流れ込み、転動体
5及び軌道面等を潤滑する。なお、転動体5に直接、潤
滑油滴が降りかかるようにするためには、前記円筒部1
8を延長するなどすればよい。
【0021】次に、本発明の転がり軸受の潤滑構造の第
8実施形態について、図12、図13を用いて説明す
る。図12に示す転がり軸受の潤滑構造の概略構成は、
前記図1に示す第1実施形態のものと同様である。但
し、内輪間座8の外径面11に向かう傾斜面14は、前
記第2実施形態から第7実施形態のものと同様に、内輪
3側が先細りの面取り部様の傾斜面となっている。
【0022】この実施形態では、前記内輪間座8の油路
9のうち、前記傾斜面14に貫通するノズル孔10の開
口部に多孔質焼結体19が設けられている。即ち、この
実施形態では、前記コ字状断面の内輪間座8の凹部に相
当する円環状油路9の最奥端面外径端側にノズル孔10
が開口しているのであるが、この実施形態の多孔質焼結
体19は、この油路9の最奥端面側を覆う形状になって
いる。
【0023】この多孔質焼結体19は、油路9内の潤滑
油の絞りとして機能し、ノズル孔10から噴出される潤
滑油を安定して連続的にするためのものである。前述の
ように油路9内の潤滑油は、内輪間座8自体が内輪3と
共回りするときの遠心力によりノズル孔11から噴出す
るのであるが、一般的なオイルエアーユニット装置で
は、潤滑油は所定時間毎に所定量ずつ分割供給されるの
で、油路9に供給される潤滑油が、供給直後に全て噴射
されると、ノズル孔10からは潤滑油が間欠的に噴出さ
れることになり、転動体5には所定時間毎に潤滑油の油
滴が降りかかる。これは、軸受トルクの変動になると共
に、温度も変動し易くなり、特に加工機械のスピンドル
などでは加工精度に影響を及ぼす可能性がある。そこ
で、前記多孔質焼結体19は多数の連続気孔を有するの
で、その気孔を通って、油路9内の潤滑油を徐々に浸み
出すようにノズル孔10に供給し、全体として絞りとし
て機能する。
【0024】この多孔質焼結体19としては、前述のよ
うに多孔質金属焼結体や多孔質セラミックス焼結体等が
適用可能であるが、何れも気孔率が10〜35%である
ことが望ましい。即ち、多孔質焼結体19の気孔率が1
0%未満では、ノズル孔10に供給される潤滑油の絶対
量が少なくなって潤滑不足となる恐れがあり、気孔率が
35%を超えると、絞りとしての機能が十分でなくな
り、転動体側に油滴として滴下してしまう恐れがある。
なお、この多孔質焼結体19によれば、油路9内の潤滑
油を吸着して、ノズル孔10に供給する効果があるの
で、従来のように油路9内に潤滑油を多量に供給する必
要がなく、潤滑油供給量を低減して潤滑効果を向上する
ことができる。
【0025】次に、本発明の転がり軸受の潤滑構造の第
9実施形態について、図14を用いて説明する。図14
は、前記図12,図13に示す第8実施形態の内輪間座
8の変形例であり、図では前記玉軸受2、内輪間座8の
みを抽出してある。この実施形態では、多孔質焼結体2
0が、前記油路9の外径面を覆う形状となっており、結
果的にノズル孔10の開口部を覆っている。従って、前
記第8実施形態の多孔質焼結体19と同様に、潤滑油の
絞りとして機能し、ノズル孔10に潤滑油を徐々に、し
かしながら安定して供給することができ、それがトルク
変動や温度変化の抑制防止につながる。また、前述のよ
うな気孔率条件を満足すれば、潤滑油吸着機能を発揮し
て、潤滑効率を向上することが可能となる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の転がり軸
受の潤滑構造によれば、回転の遠心力によって潤滑構造
部材から振り飛ばされる潤滑油の油滴が、前記転動体又
は保持器の転動体保持隙間部に降りかかるようにしたた
め、転動体や軌道面に十分な潤滑を施すことができ、早
期焼付や早期磨耗を解消できる。
【0027】また、内輪側の潤滑構造部材の油路のノズ
ル孔開口部に、気孔率が10〜35容積%の多孔質焼結
体を設けることにより、潤滑油の絞りの機能を発揮して
ノズル孔に少量ずつ安定して潤滑油を供給することがで
き、転動体に降りかかる潤滑油量を安定してトルク変動
や温度変化を抑制防止することができると共に、油路内
の潤滑油の吸着機能により、潤滑油供給量を低減せしめ
て潤滑効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転がり軸受の潤滑構造の第1実施形態
を示す軸受構造全体の縦断面図である。
【図2】図1の潤滑構造に用いられる潤滑構造部材の説
明図であり、(a)は1/4斜視図、(b)は1/2縦
断面図である。
【図3】図1の潤滑構造による油滴の流れの説明図であ
る。
【図4】本発明の転がり軸受の潤滑構造の第2実施形態
を示す軸受構造全体の縦断面図である。
【図5】図4の潤滑構造による油滴の流れの説明図であ
る。
【図6】本発明の転がり軸受の潤滑構造の第3実施形態
を示すノズル孔の平面図である。
【図7】図6のノズル孔による吐出速度の説明図であ
る。
【図8】本発明の転がり軸受の潤滑構造の第4実施形態
を示す軸受及び内輪間座の縦断面図である。
【図9】本発明の転がり軸受の潤滑構造の第5実施形態
を示す軸受及び内輪間座の縦断面図である。
【図10】本発明の転がり軸受の潤滑構造の第6実施形
態を示す軸受及び内輪間座の縦断面図である。
【図11】本発明の転がり軸受の潤滑構造の第7実施形
態を示す軸受及び内輪間座の縦断面図である。
【図12】本発明の転がり軸受の潤滑構造の第8実施形
態を示す軸受構造全体の縦断面図である。
【図13】図12の軸受及び内輪間座の縦断面図であ
る。
【図14】本発明の転がり軸受の潤滑構造の第9実施形
態を示す軸受及び内輪間座の縦断面図である。
【図15】従来の転がり軸受の潤滑構造による油滴の流
れの説明図である。
【符号の説明】
1は回転軸 2は玉軸受 3は内輪 4は外輪 5は転動体 6は保持器 7はポケット 8は内輪間座(潤滑構造部材) 9は油路 10はノズル孔 11は外径面 12は傾斜面 13は横溝 14は傾斜面 15は切欠き溝 16は傾斜面 17はエアノズル部 18は円筒部 19は多孔質焼結体 20は多孔質焼結体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野口 昭治 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 (72)発明者 由井 秀人 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 Fターム(参考) 3J101 AA03 AA32 AA43 AA62 BA71 CA04 CA07 CA14 EA75 FA32 GA31

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 保持器で保持された複数の転動体を外輪
    と内輪との間に配設し、回転軸と共に回転する内輪側の
    潤滑構造部材から少なくとも転動体に潤滑油を供給する
    転がり軸受の潤滑構造であって、前記回転の遠心力によ
    って前記潤滑構造部材から振り飛ばされる潤滑油の油滴
    が、前記転動体又は保持器の転動体保持隙間部に降りか
    かるようにしたことを特徴とする転がり軸受の潤滑構
    造。
JP11227621A 1998-12-28 1999-08-11 転がり軸受の潤滑構造 Pending JP2000249151A (ja)

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