JP2000249213A - 合成樹脂製の成形歯車 - Google Patents

合成樹脂製の成形歯車

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JP2000249213A
JP2000249213A JP11051444A JP5144499A JP2000249213A JP 2000249213 A JP2000249213 A JP 2000249213A JP 11051444 A JP11051444 A JP 11051444A JP 5144499 A JP5144499 A JP 5144499A JP 2000249213 A JP2000249213 A JP 2000249213A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】相交わるように配置された2軸間で回転力を伝
達する合成樹脂製の成形歯車において、簡単に製造で
き、しかも製造後の歯車の取り付け位置を調整すること
なく、噛み合い精度を向上させることが可能な歯車を提
供する。 【解決手段】外周面で複数の歯部11と一体化している
リム12と、リム12の内側に同心円状に配置されたボ
ス13と、リム12とボス13とを接続する円盤形状の
ウェブ1と一体成形された合成樹脂製の成形歯車におい
て、ウェブ14に同心円状に薄肉部15を設けることに
より、薄肉部15における弾性変形を可能にしている。
これにより、軸の向きが異なる他の歯車と噛み合せたと
きに、薄肉部15が弾性変形して、歯部11が前記他の
歯車の歯部と互いに相対するように向きが揃った状態で
噛み合わさるようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、相異なる2軸間で
回転力を伝達する合成樹脂製の成形歯車に関する。
【0002】
【従来の技術】互いに平行でなく、その延長線がある一
点で相交わるように配置された2軸において回転力を伝
達するための歯車として平歯車を取り付けると、図4に
示すように、歯部11,11'の噛み合う部分の面積が
小さくなり、歯部11,11'の一部分に集中して荷重
が掛かるため、回転力を効率よく伝達させることができ
ない。そこで、相交わるように配置された2軸に歯車を
取り付けて噛み合わせる場合には、従来、図5に示すよ
うな傘歯車が用いられている。
【0003】この種の歯車は、歯部11,11'がそれ
ぞれ軸の延長線上の任意の点を頂点とする円錐面に沿っ
て一体成形されており、歯すじが軸に対して傾斜してい
る。そこで、歯部11,11'のそれぞれの軸に対する
傾斜角度を、相交わるように配置された2軸の延長線が
交わる点Oを頂点とする円錐面の傾斜角度にほぼ合うよ
うに設計した傘歯車を所定の位置に取り付ければ、歯車
の噛み合わせ箇所において歯部11,11'を互いにほ
ぼ歯幅全体で噛み合わさるようにすることができ、相交
わるように配置された2軸間において効率よく回転力を
伝達することができる。
【0004】また、この種の歯車は、合成樹脂などの溶
融材料を、ゲート(図示省略)から図5に示すような歯
車の形状に一致するキャビティーを形成した金型(図示
省略)内に注入して、キャビティー内に充填させた後、
冷却、固化し、離型することによって成形される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、射出成形に
おいて合成樹脂が射出されるゲート側と、ゲート側とは
反対側(例えば、成形品が突き出される側)における合
成樹脂の収縮差によって、実際に成形される歯車の歯部
に傾斜角度のずれや径差などの設計上の理論値との誤差
が生じやすい。このため、傘歯車を設計上の所定位置に
取り付けたとしても、上記の誤差が原因で噛み合わせ状
態が大きく変化し、傘歯車の歯部が一部でしか接触しな
かったり、逆に歯部が互いに接近しすぎたりして傘歯車
の回転に支障を来たし易い。そのため、傘歯車の噛み合
わせ状態を最適な状態にするために、傘歯車の取り付け
位置を軸方向にずらす等して調整する必要がある。
【0006】しかし、相交わるように配置された2軸に
おいて、歯車の取り付け位置を軸方向にずらしたりする
と、歯車の歯部間の距離が大きく変動するため、歯車の
歯部が互いに離れすぎて一部でしか接触しなかったり、
逆に歯部が互いに接近しすぎたりして傘歯車の回転に支
障を来たし易くなる。このため、従来は、傘歯車の取り
付け位置の調整が難しく、調整作業が煩雑化していた。
【0007】また、歯車一般には、射出成形に用いる金
型の歯型部分の製造方法として、ワイヤー放電加工によ
り鋼鈑を所望の形状に切断する方法が、簡単かつ高精度
に金型の歯型部分を製造することができる方法として知
られている。しかしながら、ワイヤー放電加工による製
造方法は、基本的には、平板状の鋼鈑に対し垂直にワイ
ヤー放電を行って2次元的に処理するというものである
ため、平歯車の金型を製造する場合には、その簡便さを
発揮するが、傘歯車のように歯すじが回転面に対し垂直
になっていない歯車の金型の製造に適用するには困難が
あった。すなわち、傘歯車の金型の歯型部分を加工する
には、鋼鈑に対する角度が常に一定となるようにワイヤ
ーを斜めにしてワイヤー放電を行わなければならず、制
御が複雑な3次元的な処理が要求されるため、ワイヤー
放電加工の簡便さが損なわれてしまうという問題があ
る。
【0008】これに対し、傘歯車の金型を製造するため
の比較的簡便な方法として、例えば、傘歯車の原型を鋼
材で形成した後、その原型の周囲をベリリウムを含む金
属粉末で覆い高温で加圧して、ベリリウムを含む金属粉
末を固化し、その後その固化物を所定箇所で切断して金
型の歯型部分を製造するという方法が知られている。し
かし、この方法を用いる場合には、金型の歯型部分を高
精度に製造することができないという問題があった。
【0009】また、傘歯車の金型の歯型部分を製造する
その他の方法として、鋼製の傘歯車の原型の周囲に鍍金
を施して金型の型どりをするという方法もある。この方
法を用いて製造すれば、歯型部分を高精度に製造するこ
とができるが、鍍金皮膜を何層にも重ねていかなければ
ならないので製造し終えるまでに非常に手間がかかって
しまうという問題があった。
【0010】このため、従来、相交わるように配置され
た2軸に歯車を取り付けて歯車を噛み合わせる場合、そ
の歯車を製造するまでに多大な労力を要し、しかも製造
された歯車を軸に取り付けた後の噛み合わせ位置の調整
に手間がかかっていた。
【0011】そこで本発明は、相交わるように配置され
た2軸間で回転力を伝達する合成樹脂製の成形歯車にお
いて、簡単に製造でき、しかも製造後の歯車の取り付け
位置を調整することなく、噛み合い精度を向上させるこ
とが可能な歯車の提供を課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この課題を達成するため
に、本発明による合成樹脂製の成形歯車は、外周面で複
数の歯部と一体化しているリムと、前記リムの内側に同
心円状に配置されたボスと、前記リムと前記ボスとを接
続する円盤形状のウェブとが一体成形された合成樹脂製
の成形歯車において、前記ウェブに同心円状に薄肉部を
設けることにより、前記薄肉部における弾性変形を可能
にしたことを特徴とする。
【0013】また本発明では、前記薄肉部を前記ウェブ
の前記リムとの接続部近傍に形成するのが好ましいが、
前記薄肉部は前記ウェブの前記ボスとの接続部近傍に形
成してもよく、あるいは、前記ウェブの前記ボスおよび
前記リムのいずれの接続部からも離れた位置に形成して
もよい。
【0014】また、前記薄肉部は前記ウェブに複数個形
成することもできる。
【0015】また、前記薄肉部は前記ウェブの少なくと
も一方の面側に溝を形成することによって設けられれば
よいが、前記ウェブの両面の相対する位置にそれぞれ溝
を形成することによって設けられていてもよい。
【0016】また本発明は、前記溝を断面U字状,V字
状またはコの字状に形成するのが好ましい。
【0017】また本発明の歯車は、熱可塑性エストラマ
−で射出成形されているのが好ましい。
【0018】
【発明の実施形態】以下、本発明の実施形態を、図を用
いて説明する。図1は本発明による歯車の一実施形態を
示し、(a)は平面図、(b)は(a)に示す歯車のA−A断面
図である。図2は本実施形態の歯車を相異なる2軸に取
り付けたときの歯部の噛み合わせ状態を示す状態説明図
である。図3(a)〜(f)は本発明による歯車の他の実施形
態をそれぞれ示す要部断面図である。
【0019】本実施形態の歯車は、図1(a)に示すよう
に、外周面で複数の歯部11と一体化している円筒形の
リム12と、リム12と同心円状に位置するボス13
と、ボス13とリム12とに接続された円盤状のウェブ
14とを有し、これらが歯車10として一体成形されて
いる。本発明の歯車が、従来の歯車と大きく異なるの
は、ウェブに同心円状に薄肉部を設けることにより前記
薄肉部における弾性変形を可能にし、これによって軸の
向きが異なる他の歯車と噛み合わせたときに薄肉部が弾
性変形して、その歯部が、前記他の歯車の歯部と互いに
相対するように向きが揃った状態で噛み合わさるように
した点である(図2参照)。
【0020】すなわち本実施形態では、図1(b)に示す
ように、リム12の外周面および歯部11の歯すじが、
軸に対して平行に形成されている。また、図1(a),(b)
に示すようにウェブ14には、リム12との接続部近傍
に同心円状に薄肉部15が形成されている。薄肉部15
は、ウェブ14の両面に同心円状に形成された溝16,
17で構成され、肉厚t1がその他の箇所の肉厚t2よ
り薄くなっており、歯部11に所定量以上の力が加わっ
たとき、弾性変形し、噛み合い位置における歯部11の
向きを、軸の向きが異なる他の歯車の歯部と互いに相対
するように向きが揃った状態で噛み合わさるように変え
ることができるようになっいる。
【0021】本実施形態の歯車は、このように構成した
ので、相異なる2軸に取り付けたときには、図2に示す
ように、二つの軸に取り付けられたそれぞれの歯車1
0,10'の薄肉部15,15'が弾性変形して、歯部1
1,11'が互いにほぼ歯幅全体にわたって歯すじの向
きが揃った状態で噛み合わされる。このため、平歯車で
ありながら交差する2軸間においても歯幅全体で効率よ
く回転力を伝達することができる。尚、図示の実施形態
において、歯車10,10'は、それぞれの延長線が交
差して相交わるように配置された2軸に取り付けられて
いるが、薄肉部15,15'の弾性変形による歯部1
1,11'の良好な噛み合いがなされるならば、歯車1
0,10'を取り付ける2軸は、それぞれの延長線が交
差せずに互いにねじれの関係にあってもよい。
【0022】また、本実施形態の歯車は、歯車を射出成
形する際にゲート側とゲート側とは反対側で溶融した樹
脂の収縮率の差などから実際に成形される歯車の歯部に
径差などが生じたとしても、上記のように歯車の薄肉部
15,15'が弾性変形することで、噛み合わせ状態を
良好にすることができる。また、本実施形態の歯部11
の歯すじは歯車10の回転面に対し垂直になる。そのた
め、射出成形用金型の歯型部分を、ワイヤー放電加工を
用いて、例えば水平に置いた平板状の鋼材をワイヤーで
放電しながら垂直に切断して製造することができる。そ
して、ワイヤー放電加工は、上述のようにベリリウムを
含む金属粉末を用いた製造方法や鍍金を施した製造方法
に比べて簡単かつ高精度に加工が可能であるという利点
を有している。
【0023】したがって、本実施形態の合成樹脂製歯車
によれば、金型の製造が簡単にでき、取り付け位置の調
整をすることなく、射出成形の際の誤差、ゲート側とゲ
ート側とは反対側とで溶融した樹脂の収縮率の差から生
じる径差に影響されることなく噛み合い精度を良好にす
ることができる。
【0024】なお、本発明の歯車において、薄肉部の形
態は、図1の実施形態に限定されるものではなく、例え
ば、薄肉部15を構成する溝16,17の形状を、図3
(a)〜図3(c)に示すように、U字状、コの字状またはV
字状に形成してもよい。また、薄肉部15を設ける位置
は、ウェブ14上であれば、リブ12との接続部近傍
(図1〜図3(c))の他に、ボス13との接続部近傍
(図3(d))、またはリブ12およびボス13のいずれ
からも離れた箇所(例えば、ウェブ14の中央部(図3
(e)))のいずれの位置に設けてもよい。さらに、図3(f)
に示すように、薄肉部15,15を複数個形成するよう
にし、それぞれの薄肉部が弾性変形するようにしてもよ
い。なお、薄肉部の形状、薄肉部の肉厚、薄肉部の個
数、薄肉部を形成する箇所、ウェブの幅、歯車の歯幅方
向からみたウェブの接続位置なども、歯車の回転に伴う
トルクの大きさを考慮して設計しておけば、上記各実施
形態と同様の効果を奏することができる。
【0025】なお、合成樹脂製の成形歯車を射出成形す
るために用いる合成樹脂材料として、一般にはポリアセ
タールが用いられるが、本発明の歯車を射出成形する際
に、熱可塑性エストラマーを合成樹脂材料として用いれ
ば、ウェブの薄肉部でより一層弾性変形し易くすること
ができる。
【0026】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、成形歯車の製造が簡単で、しかも製造後の取り付け
位置を再調整することなく、相交わるように配置された
2軸間で取り付けたときの噛み合わせ精度を向上させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による歯車の一実施形態を示し、(a)は
平面図、(b)は(a)に示す歯車のA−A断面図である。
【図2】本実施形態の歯車を相異なる2軸に取り付けた
ときの歯部の噛み合わせ状態を示す状態説明図である。
【図3】本発明による歯車の他の実施形態をそれぞれ示
す要部断面図である。
【図4】平歯車を相異なる2軸に取り付けたときの歯部
の噛み合わせ状態を示す状態説明図である。
【図5】傘歯車を相異なる2軸に取り付けたときの歯部
の噛み合わせ状態を示す状態説明図である。
【符号の説明】
10,10' 歯車 11,11' 歯部 12,12' リム 13,13' ボス 14,14' ウェブ 15,15' 薄肉部 16,17 溝

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周面で複数の歯部と一体化しているリム
    と、前記リムの内側に同心円状に配置されたボスと、前
    記リムと前記ボスとを接続する円盤形状のウェブとが一
    体成形された合成樹脂製の成形歯車において、 前記ウェブに同心円状に薄肉部を設けることにより、前
    記薄肉部における弾性変形を可能にしたことを特徴とす
    る合成樹脂製の成形歯車。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008163962A (ja) * 2006-12-27 2008-07-17 Enplas Corp 射出成形樹脂かさ歯車
JP2008281135A (ja) * 2007-05-11 2008-11-20 Kyocera Mita Corp 歯車及び画像形成装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008163962A (ja) * 2006-12-27 2008-07-17 Enplas Corp 射出成形樹脂かさ歯車
JP2008281135A (ja) * 2007-05-11 2008-11-20 Kyocera Mita Corp 歯車及び画像形成装置

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