JP2000250019A - 液晶光学素子の製造方法 - Google Patents

液晶光学素子の製造方法

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JP2000250019A
JP2000250019A JP11055219A JP5521999A JP2000250019A JP 2000250019 A JP2000250019 A JP 2000250019A JP 11055219 A JP11055219 A JP 11055219A JP 5521999 A JP5521999 A JP 5521999A JP 2000250019 A JP2000250019 A JP 2000250019A
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crystal optical
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Daisaku Nakada
大作 中田
Tomohisa Goto
智久 五藤
Hideya Murai
秀哉 村井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶光学素子の製造時に、入射光による反射
及び多重反射光が調光層前駆体に入射するのを防止す
る。 【解決手段】 調光層前駆体1が、電極層2を介して2
枚の透明基板3に挟持されている。この2枚の透明基板
3の光入射面側には、各々透明性物質13が密着配置さ
れている。調光層前駆体1は、透明性樹脂の前駆体と液
晶材料とを含んでいる。この構成において、レーザー光
4を2つの透明性物質13の入射面から2光束干渉法に
て照射する。照射された光線により、調光層前駆体1
に、透明性樹脂から成る層と主に液晶材料から成る層と
で多層構造が形成され、この多層構造から成る調光層9
が得られる。この時、透明基板3と電極層2、等の界面
での反射光及び多重反射光6は、透明性物質13へ入射
した後、その入射面から射出、又は反射し、調光層前駆
体1へは入射しないように、透明性物質13の厚みや形
状が選定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示装置、調光装
置、光シャッター等に利用される液晶光学素子に関す
る。特に、入射光の特定の波長を選択的に反射する液晶
光学素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、液晶光学素子は、文字や図形
等を表示する表示装置、反射光又は透過光の波長や光量
が変化する調光装置、光シャッター等、種々の用途に利
用されている。
【0003】この液晶光学素子には、高輝度反射型ディ
スプレイとして、特開平4−178623等に開示され
ているホログラフィック高分子分散型液晶素子(HPD
LC素子)がある。HPDLC素子は、主に液晶材料か
ら成る層と、透明性樹脂から成る層とが順次積層して形
成された多層構造である調光層を有し、この調光層を電
極付きの透明基板で挟持して形成された素子である。
【0004】このHPDLC素子(以後、液晶光学素子
と言う)に電圧が印加されていない状態の時に、自然光
が入射された場合は、前記調光層中の前記液晶材料と前
記透明性樹脂の屈折率、及び、多層構造の層間隔によっ
て定められる特定の波長帯の光が選択的に反射され、そ
れ以外の波長帯の光は透過する。そのため、液晶光学素
子による反射光として、特定の波長帯の光のみが観察さ
れる。一方、液晶光学素子に電圧を印加することによ
り、液晶材料と透明性樹脂との屈折率差が小さくなっ
て、選択的な反射に基づく反射光は弱まり、当該素子は
透明状態を示すようになる。
【0005】このように、液晶光学素子は、これに印加
する電圧によって、特定の波長帯の反射光の光強度を制
御することができ、また、液晶光学素子に入射する自然
光の選択的な反射光が、表示用の光源として利用される
ため、バックライトが不要になる等の利点がある。
【0006】この種の液晶光学素子の製造方法を、図1
0を参照して説明する。同図に示すように、調光層前駆
体1を、2枚の透明基板3で電極層2を介して挟持す
る。調光層前駆体1は、透明性樹脂の前駆体と、例えば
ネマティック液晶材料のような液晶材料とを含んでい
る。この調光層前駆体1と2枚の透明基板3と電極層2
から成る部材に、レーザー光4を2光束干渉法で照射す
ると、調光層前駆体1に干渉縞5が形成される。この干
渉縞5において光強度が強められた部分では、透明性樹
脂の前駆体が重合反応し、透明性樹脂が層状に形成され
る。一方、光強度が弱められた部分では、液晶材料が滴
状に析出し、主に液晶材料から成る層が形成される。
【0007】このようにして、図2に示すような、主に
液晶材料から成る層7と、透明性樹脂から成る層8とが
順次積層して形成された多層構造である調光層9が形成
され、この調光層9を2枚の透明基板3で挟持した液晶
光学素子を得ることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の液晶光学素子の製造方法においては、図10に示す
ように、透明基板3、電極層2、及び調光層9のそれぞ
れの界面で、入射光線4が反射、及び多重反射するとい
う現象が起きる。この反射及び多重反射光6は、最終的
に透明基板3の入射面で反射して調光層前駆体1に入射
し、調光層前駆体1内の至る所で重合反応を引き起こ
す。このため、形成された調光層9には、入射光線4で
形成される多層構造と、入射光線4による多重反射光6
で形成される重合構造とが混在することになる。
【0009】このようにして形成された調光層9に、自
然光が入射した場合、多層構造に起因する選択反射光
と、重合構造に起因する散乱光や反射光とが混在して観
察される。このため、表示される選択反射光の色純度が
低下したり、表示画像の色の均一性が低下する等の問題
点があった。
【0010】
【発明の目的】本発明は、かかる従来例の有する不都合
を改善し、液晶光学素子の製造時において、入射する光
線の反射及び多重反射光が調光層前駆体に入射するのを
防止することができ、自然光による選択反射光の色純度
が良好で、表示画像の色の均一性が高い、液晶光学素子
の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、透明性樹脂の前駆体と液晶材料とを含む調光層
前駆体を、電極層を介して2枚の透明基板にて挟持し、
この透明基板を介して、干渉性を示す複数の光線を前記
調光層前駆体に入射させることにより調光層を形成する
液晶光学素子の製造方法において、前記2枚の透明基板
の前記光線の入射面側に、透明性物質を密着配置し、こ
の透明性物質及び前記透明基板を介して、前記干渉性を
示す複数の光線を前記調光層前駆体に入射させるように
した。このため、特に、透明基板と電極層の界面での反
射光は、少なくとも、透明基板の入射面で反射して調光
層前駆体へ入射することなく、透明性物質へ入射するこ
とになる。
【0012】請求項2記載の透明性物質は、前記複数の
光線の、前記透明基板、前記電極層、前記調光層前駆体
の各界面からの反射光が、調光層前駆体に入射しないよ
うに、その厚さや形状が設定されているため、透明基板
と電極層、等の界面での反射光及び多重反射光が調光層
前駆体に入射するのが防止される。
【0013】請求項3記載の透明性物質は、透明基板
に、剥離可能に密着配置されているため、調光層を形成
した後、透明性物質を速やかに透明基板から剥離するこ
とにより、前記透明基板、前記電極層、前記調光層から
成る液晶光学素子が得られる。
【0014】請求項9記載の透明性物質の屈折率は、前
記透明基板の屈折率と同一であるため、透明基板と電極
層、等の界面での反射光及び多重反射光が透明性物質に
入射する時に、屈折率が異なっている場合のように、反
射が起きて調光層前駆体へ入射するのが防止される。
【0015】以上のような製造方法を採ることにより、
透明基板に密着配置された透明性物質は、前記干渉性を
示す複数の光線の、界面での反射光及び多重反射光が、
調光層前駆体に入射するのを防ぐという作用を果たす。
このため、反射光及び多重反射光が調光層前駆体に入射
して重合構造が形成されることが完全に無くなるか、又
は低減する。したがって、形成された調光層に自然光が
入射した時に、重合構造によって光が散乱したり反射し
たりすることが無く、多層構造による選択反射光のみと
なるため、選択反射光の色純度が良好となる。また、調
光層や表示画像の均一性が向上する。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図面に基づ
いて説明する。
【0017】図1は本発明の一実施形態を示す液晶光学
素子の製造方法の断面図、図2は液晶光学素子に自然光
を入射させた状態を示す断面図である。図3は自然光を
入射させた液晶光学素子に電圧を印加した状態を示す断
面図である。図4は透明性物質と透明基板を液体物質で
密着させた液晶光学素子の製造方法を示す断面図、図5
は液晶光学素子を包囲する形で透明性物質を配置した液
晶光学素子の製造方法を示す断面図である。従来技術と
同一部材には同一番号を付している。
【0018】本発明の液晶光学素子の製造方法を、図1
を参照して説明する。調光層前駆体1が、電極層2を介
して2枚の透明基板3に挟持されている。この2枚の透
明基板3の光入射面側には、各々透明性物質13が、剥
離可能に密着配置されている。調光層前駆体1は、透明
性樹脂の前駆体と、例えばネマティック液晶材料のよう
な液晶材料とを含んでいる。
【0019】この構成において、同図に示すように、干
渉性を示す入射光線であるレーザー光4を、2つの透明
性物質13の入射面から2光束干渉法にて照射する。照
射された光線の内、透明基板3及び電極層2を透過した
光線4は、調光層前駆体1の部分に干渉縞5を形成す
る。図2及び図3に示すように、この干渉縞5の光強度
が強められた部分では、透明性樹脂の前駆体が重合反応
して、透明性樹脂から成る層7が形成される。一方、光
強度が弱められた部分では、液晶材料が滴状に析出し、
主に液晶材料から成る層8が形成される。これにより、
主に液晶材料から成る層8と、透明性樹脂から成る層7
とが順次積層して形成された多層構造である調光層9を
得ることができる。2光束干渉法とは、図示しないビー
ムスプリッターで2つに分けたレーザー光を調光層前駆
体1内の所定箇所で交差させ、レーザー光が干渉する箇
所にて光重合を行うというものである。
【0020】このように、調光層前駆体1は、レーザー
光4を2光束干渉法にて入射させることにより重合反応
によって調光層9へと変化し、この調光層9を電極層2
を介して2枚の透明基板3で挟持した液晶光学素子(図
2参照)が得られる。
【0021】この時、図1に示すように、透明基板3と
電極層2、及び透明電極2と調光層前駆体1の界面で生
じた反射光及び多重反射光6は、透明基板3と透明性物
質13の界面で反射して調光層前駆体1へ入射すること
無く、そのまま透明性物質13へ入射して、その入射面
から射出したり、ここで調光層前駆体1の外部方向へ反
射したりする。したがって、界面で生じた反射光及び多
重反射光6は、調光層前駆体1へはほとんど入射するこ
とは無い。このように、反射光及び多重反射光6を、調
光層前駆体1の外部方向へ導くためには、透明性物質1
3の厚みや形状を、適宜選定することが必要である。
【0022】尚、透明性物質13の屈折率は、透明基板
3の屈折率と同一であることが望ましい。透明性物質1
3と透明基板3の屈折率の差が大きいと、反射光及び多
重反射光6が透明性物質13に入射する際に、その界面
で反射現象が生じ、この反射光が調光層前駆体1へ入射
してしまう。そのような屈折率の透明性物質13は、本
発明の液晶光学素子には使用できない。
【0023】このように、本発明の液晶光学素子の製造
方法においては、調光層前駆体1に入射するレーザー光
線には、界面で生じた反射光及び多重反射光6が含まれ
ることなく、略入射光線4のみとなる。このため、従来
のように、調光層前駆体1に入射した多重反射光6によ
って形成される重合構造は全く存在しないか、又は低減
され、調光層9は、略、前述した多層構造(積層構造)
のみで形成されることになる。
【0024】このようにして調光層9が形成されると、
透明性物質13を、透明基板3から速やかに剥離して取
り外し、図2に示すような液晶光学素子を得ることがで
きる。
【0025】そこで、同図に示すように、この液晶光学
素子に電源18による電圧が印加されていない状態の時
に、自然光10が入射された場合は、調光層9中の液晶
材料から成る層8と透明性樹脂から成る層7の屈折率、
及び多層構造の層間隔によって定められる特定の波長帯
の光11のみが選択的に反射され、それ以外の波長帯の
光は透過光12となる。前述の如く、調光層9には多重
反射光6による重合構造は存在しない(又は非常に少な
い)ため、多層構造に起因する選択反射光11と、重合
構造に起因する散乱光や反射光とが(目立って)混在す
ることがない。
【0026】したがって、当該液晶光学素子による選択
反射光11として、特定の波長帯の光のみが観察される
ことになり、選択反射光11の色純度の良好性と、表示
画像の色の均一性を向上させることができる。
【0027】一方、図3に示すように、液晶光学素子に
電源18により電圧を印加することによって、液晶材料
から成る層8と透明性樹脂から成る層7の屈折率差が小
さくなる。したがって、選択的な反射に基づく反射光1
1(図2参照)は弱まって、その大部分が透過光12と
なり、当該液晶光学素子は透明状態を示すようになる。
このように、液晶光学素子に印加する電圧によって、特
定の波長帯の反射光の光強度を制御することが可能であ
る。
【0028】調光層前駆体1の透明性樹脂の前駆体の重
合に用いられる光源としては、この実施形態で示したよ
うに、可視領域のレーザー光を用いる。
【0029】得られた調光層9の多層構造に起因する選
択反射光11(図2参照)の波長は、調光層9の製造時
に用いるレーザー光の波長、2つのレーザー光の交差角
度、及び、透明基板3に対するレーザー光の入射角度、
を調節することによって適宜変えることができる。ま
た、必要に応じて、フォトマスクなどの光遮蔽膜を使用
しても良い。
【0030】尚、この実施形態では、透明性物質13
は、透明基板3の入射面側に貼り合わせたが、図4に示
すように、透明性物質13を透明基板3に対して、液体
物質17を介して密着させた構成にすることもできる。
【0031】また、この実施形態では、透明性物質13
は、透明基板3の入射面側に貼り合わせたが、この形態
以外にも、例えば、図5に示すように、液晶光学素子全
体を包囲する形態であっても良い。この構成でも、上記
実施形態と同様の作用、効果を期待することができる。
【0032】次に、この実施形態の液晶光学素子の製造
方法で使用する各部材に用いられる材料について説明す
る。
【0033】調光層前駆体1の透明性樹脂の前駆体は、
光照射により重合するモノマー又はオリゴマー、あるい
はモノマーとオリゴマーの混合物等を用いることができ
る。即ち、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル
基等の通常の光重合性基を有する前駆体化合物であれば
何れも使用することができる。光重合性基は、前駆体化
合物の一分子中に複数あっても構わない。
【0034】モノマーとしては、例えば、2−エチルヘ
キシルアクリレート、ブチルエチルアクリレート、ブト
キシエチルアクリレート、2−シアノエチルアクリレー
ト、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−エトキ
シエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル
アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレ
ート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペン
テニルアクリレート、グリシジルアクリレート、テトラ
ヒドロフルフリルアクリレート、イソボニルアクリレー
ト、イソデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、
モルホリンアクリレート、フェノキシエチルアクリレー
ト、フェノキシジエチレングリコールアクリレート等の
単官能アクリレート化合物、2−エチルヘキシルメタク
リレート、ブチルエチルメタクリレート、ブトキシエチ
ルメタクリレート、2−シアノエチルメタクリレート、
ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−エト
キシエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチ
ルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタ
クリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、ジシ
クロペンテニルメタクリレート、グリシジルメタクリレ
ート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、イソボ
ニルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウ
リルメタクリレート、モルホリンメタクリレート、フェ
ノキシエチルメタクリレート、フェノキシジエチレング
リコールメタクリレート等の単官能メタクリレート化合
物、ジエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブ
タンジオールジアクリレート、1,3−ブチレングリコ
ールジアクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレー
ト、グリセロールジアクリレート、1,6−ヘキサンジ
オールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアク
リレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、
トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリ
スリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトール
トリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラア
クリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアク
リレート、ウレタンアクリレートオリゴマー、等の多官
能アクリレート化合物、ジエチレングリコールジメタク
リレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、
1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、ジシク
ロペンタニルジメタクリレートグリセロールジメタクリ
レート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、
ネオペンチルグリコールジメタクリレート、テトラエチ
レングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロ
パントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
メタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレ
ート、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ジ
ペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタメタクリレ
ート、ウレタンメタクリレートオリゴマー、等の多官能
メタクリレート化合物がある。しかし、これらに限定さ
れるものではない。
【0035】透明性樹脂の前駆体化合物には、光照射に
より重合を開始させるための光重合開始剤、この光重合
開始剤にプロトン等を供給する光重合開始助剤、光を吸
収することによって生じた励起エネルギーを前記光重合
開始剤に移動させる色素増感剤、等を添加することがで
きる。但し、光重合開始剤が単独で光照射により重合を
開始する場合には、必ずしも他の材料を添加する必要は
ない。
【0036】光重合開始剤としては、アセトフェノン
系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系、チオキサンソン
系のものを使用することができる。例えば、ジエトキシ
アセトフェノン、ジメトキシアセトフェノン、ベンゾイ
ンメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、4−フ
ェニルベンゾフェノン、2−クロロチオキサンソン、2
−メチルチオキサンソン等がある。光重合開始剤は、固
体でも液体でも構わないが素子の均一性の点から、液晶
材料と透明性樹脂の前駆体の混合液に、室温で溶解又は
相溶することが望ましい。光重合開始剤の添加量は、透
明性樹脂の前駆体の30重量%以下であることが望まし
い。
【0037】光重合開始助剤としては、一般的な、メチ
ルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸、
等を使用することができる。
【0038】色素増感剤としては、クマリン系色素、ロ
ーダミン系色素、オキサジン系色素、カルボシアニン系
色素、スチリル系色素、キサンテン系色素、メロシアニ
ン系色素、ローダシアニン系色素、ポルフィリン系色
素、アクリジン系色素、等が挙げられるが、これらに限
定されるものではない。色素増感剤は、光照射により励
起され、エネルギーを光重合開始剤に移動させるもので
あれば、何れのものを用いても構わない。
【0039】調光層前駆体1に含まれる液晶材料として
は、特に、ネマティック液晶材料が好ましい。ネマティ
ック液晶材料としては、シアノ系、フッ素系、塩素系、
等の何れの液晶材料でも使用することができるが、薄膜
トランジスター(TFT)等の能動素子でアクティブ駆
動を行うためには、高電荷保持率を有するフッ素系の液
晶材料が望ましい。
【0040】液晶材料は、正の誘電率異方性を持つこと
が好ましいが、印加する周波数により正負の両方の値を
有する二周波駆動液晶材料、あるいは、負の誘電率異方
性を有するものでも構わない。
【0041】調光層前駆体1中の液晶材料の含有比率
は、20重量%以上80重量%以下であることが望まし
く、さらに望ましくは、30重量%以上50重量%以下
である。この範囲より多い場合は、液晶材料と透明性樹
脂とから成る多層構造(積層構造)が形成されにくく、
この多層構造に起因する選択反射光の光強度が弱くな
る。また、前記範囲より少ない場合には、電極層2に印
加する駆動電圧を高くしなければならない。
【0042】透明基板3の材料としては、ガラスや石英
等の無機材料、プラスチック等の有機材料等を使用する
ことができる。また、無機材料と有機材料との複合材料
であっても良い。無機材料及び有機材料は、各々単一の
成分で構成されたものであっても良いし、必要に応じて
複数の成分で構成されているものでも良い。また、光学
的に等方性であることが望ましい。光学的に異方性であ
れば、入射された光の偏光面が変化するため、光干渉が
生じにくくなる。
【0043】電極層2の材料としては、インジウム−テ
ィン−オキシド(ITO)や、導電性高分子材料を使用
することができる。電極層2は透明性であることが望ま
しい。また、各電極層2に電圧を印加するための電極は
透明性である必要はなく、金属材料、導電性高分子材料
など、何れの導電性材料を使用しても良い。薄膜トラン
ジスター等の能動素子にて各調光層を駆動させる際に
は、一つの電極層2が対向電極に、残りの電極層2が各
能動素子に接続されていれば良い。
【0044】本発明の透明性物質13に使用できる材料
としては、屈折率が1.0〜2.0であれば、常温で固体
であるガラス、石英、フッ化カルシウム、フッ化バリウ
ム、塩化ナトリウム、臭化カリウム等の無機材料や、P
MMA、プラスチック等の有機材料、及び、常温で液体
である水、油、有機溶剤、等を挙げることができる。こ
れら無機材料や有機材料、及び、液体は、各々が単一の
成分で構成されたものであっても良いし、必要に応じて
複数の成分にて構成されていても良く、必要に応じてさ
らに混合しても良い。
【0045】透明性物質13は、光学的に等方性である
ことが望ましい。光学的に異方性であれば、入射された
光の偏光面が変化するため、光干渉が生じにくくなる。
但し、異方性を示す材料を用いても、調光層前駆体1の
所定箇所で光干渉が生ずるように、透明性物質13の配
置の仕方や材料を選定すれば、この限りでない。
【0046】透明基板3と透明性物質13との密着に用
いる液体物質17としては、屈折率が1.0〜2.0であ
る物質であれば特に限定されず、例えば、ベンゼン、ト
ルエン、キシレンなどの芳香族化合物、アルコールや脂
肪酸等の鎖式化合物等の有機化合物や水等、種々の物質
を使用することができる。
【0047】尚、液体物質17の屈折率は、透明基板3
及び透明性物質13の屈折率の値に近いことが望まし
い。また、透明性物質13の沸点は、室温以上であるこ
とが望ましく、できれば50度以上が望ましい。沸点が
室温以下であったり、室温近傍の液体物質では、レーザ
ー光の照射で生成する熱等で気化し、透明基板3と透明
性物質13とが剥離する場合があるため、使用に適さな
い。
【0048】次に、他の実施の形態について説明する。
以下の3つの他の実施の形態は、図1の実施の形態と略
同様であって同一部材には同一番号を付しており、その
部分の説明は省略する。
【0049】先ず、図6に示す第2実施形態について説
明する。この実施形態が、図1の実施形態と異なってい
るのは、透明性物質13の入射面側に、光吸収体14
(斜線で示す)を設けている点である。
【0050】この構成において、レーザー光4が透明性
物質13より入射することにより、透明基板3、透明電
極2、及び調光層前駆体1の界面で生じた反射光及び多
重反射光6は、光吸収体14に当たって吸収されるた
め、反射光6が調光層前駆体1へ入射するのを防止する
ことができる。
【0051】この光吸収体14としては、入射光の波長
を吸収する材料であれば、特に限定されず、例えば、フ
ェルト布などの布類、染料や塗料等の塗布材料等、種々
の無機材料、及び有機材料を使用することができる。光
の吸収強度、又は吸収波長は、目的とする作製条件に対
応して任意に変更することができる。
【0052】光吸収体14は、この実施形態のように、
透明性物質13の光入射部分を除く、光入射面側の表面
に設けても良いし、透明性物質13の物質中に形成して
も良い。光吸収体14は、透明性物質13に直接重ねて
配置しても良いし、透明性物質13と光吸収体14とを
接着層を介して貼り合わせても良い。
【0053】また、図7に示す第3実施形態について説
明する。この実施形態が図1の実施形態と異なっている
のは、透明性物質13の入射面側に、光散乱体15を設
けている点である。
【0054】この構成において、レーザー光4が透明性
物質13より入射することにより、透明基板3、透明電
極2、及び調光層前駆体1の界面で生じた反射光及び多
重反射光6は、光散乱体15によって散乱されるため、
反射光6が調光層前駆体1へ入射するのを防止すること
ができる。
【0055】この光散乱体15としては、入射及び反射
した光線を散乱するものであれば、特に限定されず、例
えば、スリガラス、ガラス微粒子、プラスチック微粒子
など種々の無機材料及び有機材料を使用することができ
る。光の散乱強度は目的とする作製条件に対応して任意
に変更することができる。
【0056】光散乱体15は、透明性物質13の光入射
部分を除く、光入射面側の表面に設けても良いし、透明
性物質13の物質中に形成しても良い。光散乱体15
は、透明性物質13に直接重ねて配置しても良いし、透
明性物質13と光散乱体15とを接着層を介して貼り合
わせても良い。
【0057】さらに、図8に示す第4実施形態について
説明する。この実施形態が図1の実施形態と異なってい
るのは、透明性物質13の入射面側に、光回折体16を
設けている点である。
【0058】この構成において、レーザー光4が透明性
物質13より入射することにより、透明基板3、透明電
極2、及び調光層前駆体1の界面で生じた反射光及び多
重反射光6は、光回折体16によって回折されるため、
反射光6が調光層前駆体1へ入射するのを防止すること
ができる。
【0059】光回折体16としては、入射光4及び反射
光6を回折するものであれば、特に限定されず、例え
ば、微小溝付きガラス、有機材料又は無機材料からなる
回折格子を使用することができる。光の回折強度は目的
とする作製条件に対応して任意に変更することができ
る。
【0060】光回折体16は、透明性物質13の光入射
部分を除く、光入射面側の表面に設けても良いし、透明
性物質13の物質中に形成しても良い。光回折体16
は、透明性物質13に直接重ねて配置しても良いし、透
明性物質13と光回折体16とを接着層を介して貼り合
わせても良い。
【0061】以下、本発明の具体的な数値実施例につい
て図面を参照して説明する。
【0062】(実施例1)透明性樹脂の前駆体としてラ
ックストラックLCR208(東亜合成化学社製)を6
5重量%、液晶材料としてBL036(MERCK社
製)を35重量%含有させた調光層前駆体1を調合し
た。この調光層前駆体1を、面積1cmの電極層2を
有し、厚み1.1mmのポリシロケート材質からなる透
明基板3を2枚用い、基板間隔5μmで挟持した。次い
で、透明性物質13として、透明基板3と同材質からな
る厚み1cmのポリシロケート板を、2枚の透明基板3
にそれぞれ密着配置した。その後、入射光4としてビー
ムスプリッターで2光束にした波長488nmのアルゴ
ンレーザー光を透明性物質13の上下方向から夫々入射
し、調光層前駆体1内の所定箇所で交差させた。その
後、高圧水銀ランプを照射して高分子化反応を終了させ
た。透明基板3から透明性物質13を取り除き、主に液
晶材料から成る層と、透明性樹脂からなる層とが順次積
層して成る調光層を有する液晶光学素子を得た。
【0063】このようにして得た液晶光学素子では、図
2に示すように、電圧無印加状態で、白色光10を入射
したとき、波長535nm付近の色純度の高い選択反射
光11が得られた。また、選択反射光11の光強度は、
調光層9面の全面で均一であった。図3に示すように、
液晶光学素子に100Hzで100Vの交流矩形波を印
加したところ、波長535nm付近の光の反射率が減少
した。
【0064】(比較例1)実施例1と同様の処置を行う
が、透明性物質13は使用しない条件で、液晶光学素子
を作製した。ここで得られた液晶光学素子は、電圧無印
加時に短波長側の光透過率が低下した。また、選択反射
した光の色純度は低く、当該素子はやや白色を帯びてい
た。また、調光層前駆体1の調光層面にムラがあり、選
択反射の光強度は不均一であった。
【0065】上記(実施例1)及び(比較例1)による
液層光学素子の入射光4の波長と選択反射光の相関関係
を図9に示している。同図において、実線は(実施例
1)、破線は(比較例1)の特性線を示しており、何れ
の特性線も入射光4の波長(nm)が530付近の時
に、光の透過率(%)が急激に減少しており、この波長
(nm)の時に選択反射が生じていることが分かる。特
に、実線が示す(実施例1)による液層光学素子の特性
線は、(比較例1)の特性線に比べて選択反射を示すピ
ークが鋭く、また、選択反射光以外の可視波長域の透過
率(%)が略一定となっている。したがって、本発明の
(実施例1)の液層光学素子による選択反射光は、極め
て色純度が良好であることが分かる。
【0066】(実施例2)透明性樹脂の前駆体化合物と
してラックストラックLCR208(東亜合成化学社
製)を70重量%、液晶材料としてPN001(ROD
IC社製)を30重量%含有させた調光層前駆体1を調
合した。この調光層前駆体1を、面積25mmの電極
層2を有し、厚み0.7mmの石英ガラスからなる透明
基板3を2枚用い、基板間隔5μmで挟持した。次い
で、透明性物質10として厚み0.5cmのフッ化カル
シウム板を、2枚の透明基板3に密着配置した。その後
は、実施例1と同様な処置を行い、主に液晶材料から成
る層と、透明性樹脂からなる層とが順次積層して成る調
光層を有する液層光学素子を得た。
【0067】このようにして得た液晶光学素子では、図
2に示すように、電圧無印加状態で白色光10を入射し
た場合、波長538nm付近の色純度の高いが選択反射
光11が得られた。また、図3に示すように、液晶光学
素子に100Hzで90Vの交流矩形波を印加したとこ
ろ、波長538nm付近の光の反射率が減少した。
【0068】(実施例3)透明性樹脂の前駆体としてラ
ックストラックLCR208(東亜合成化学社製)を6
6重量%、液晶材料としてBL001(MERCK社
製)を34重量%含有させた調光層前駆体1を調合し
た。この調光層前駆体1を、面積1cmの電極層2を
有し、厚み0.7mmの石英ガラスから成る透明基板3
を2枚使い、基板間隔5μmで挟持した。次いで、透明
性物質13として厚み5mmのポリメチルメタアクリレ
ート板を、2枚の透明基板3に密着配置した。その後、
実施例1と同様な処置を行い、主に液晶材料から成る層
と、透明性樹脂からなる層とが順次積層して成る調光層
を有する液層光学素子を得た。
【0069】このようにして得た液晶光学素子では、図
2に示すように、電圧無印加状態で白色光10を入射し
た場合、波長540nm付近の色純度の高い選択反射光
11が得られた。また、図3に示すように、液晶光学素
子に100Hzで85Vの交流矩形波を印加したとこ
ろ、波長540nm付近の光の反射率が減少した。
【0070】(実施例4)透明性樹脂の前駆体として、
ライトアクリレート1・6HX−A(共栄社化学株式会
社製)を68重量%、光重合開始剤として、カンファー
キノン(東京化成製)を1重量%、光重合開始助剤とし
て、DMBI(日本化薬株式会社製)を1重量%含有さ
せたものを使用し、この前駆体に液晶材料としてBL0
36(MERCK社製)を30重量%含有させ、調光層
前駆体1を調合した。この調光層前駆体1を、面積1c
の電極層2を有し、厚み1.1mmのポリシロケー
ト材質から成る透明基板3を2枚使い、基板間隔6μm
で挟持した。次いで、透明性物質13として、透明基板
3と同材質から成る厚み1cmのポリシロケート板を、
2枚の透明基板3に密着配置した。その後、光吸収体1
4として、黒色フェルト布を図6に示すように配置し
た。その後は、実施例1と同様な処置を行い、主に液晶
材料から成る層と、透明性樹脂からなる層とが順次積層
して成る調光層を有する液層光学素子を得た。
【0071】このようにして得た液晶光学素子では、図
2に示すように、電圧無印加状態で白色光10を入射し
た場合、波長530nm付近の色純度の高い選択反射光
11が得られた。また、図3に示すように、この液晶光
学素子に100Hzで110Vの交流矩形波を印加した
ところ、波長530nm付近の光の反射率が減少した。
【0072】(実施例5)透明性樹脂の前駆体としてN
ORLAND NOA65(NORLAND PROD
UCTS INC.製)を69.5重量%、色素増感剤
として、クマリン6(KODAK社製)を0.5重量%
を含有させたものを使用し、この前駆体に液晶材料とし
てBL036(MERCK社製)を30重量%を含有さ
せ、調光層前駆体1を調合した。この調光層前駆体1
を、面積1cmの電極層2を有し、厚み1.1mmの
ポリシロケート材質から成る透明基板3を2枚使い、基
板間隔6μmで挟持した。次いで、透明性物質13とし
て、透明基板3と同材質から成る厚み1cmのポリシロ
ケート板を、2枚の透明基板3に密着配置した。その
後、透明性物質13の光入射面に光吸収体14として、
黒色フェルト布を図6に示すように配置した。その後
は、実施例1と同様な処置を行い、主に液晶材料から成
る層と、透明性樹脂からなる層とが順次積層して成る調
光層を有する液層光学素子を得た。
【0073】このようにして得た液晶光学素子では、図
2に示すように、電圧無印加状態で白色光10を入射し
た場合、波長532nm付近の色純度の高い選択反射光
11が得られた。また、図3に示すように、液晶光学素
子に100Hzで85Vの交流矩形波を印加したとこ
ろ、波長532nm付近の光の反射率が減少した。
【0074】(実施例6)透明性樹脂の前駆体として、
ラックストラックLCR208(東亜合成化学社製)を
65重量%、液晶材料として、BL036(MERCK
社製)を35重量%含有させた調光層前駆体1を調合し
た。この調光層前駆体1を、面積1cmの電極層2を
有し、厚み1.1mmのポリシロケート材質からなる透
明基板3を2枚用い、基板間隔6μmで挟持した。次い
で、透明性物質13として、透明基板3と同材質からな
る厚み1cmのポリシロケート板を、2枚の透明基板3
にそれぞれ密着配置した。その後、図7に示すように、
光散乱体15としてスリガラスを透明性物質13に装着
した。その後は、実施例1と同様な処置を行い、主に液
晶材料から成る層と、透明性樹脂からなる層とが順次積
層して成る調光層を有する液層光学素子を得た。
【0075】このようにして得た液晶光学素子では、図
2に示すように、電圧無印加状態で白色光10を入射し
たとき、波長530nm付近の色純度の高い選択反射光
11が得られた。また、選択反射の光強度は、調光層9
面の全面で均一であった。図3に示すように、液晶光学
素子に100Hzで120Vの交流矩形波を印加したと
ころ、波長530nm付近の光の反射率が減少した。
【0076】(実施例7)透明性樹脂の前駆体として、
ライトアクリレートDCP−A(共栄社化学株式会社
製)を68重量%、光重合開始剤として、カンファーキ
ノン(東京化成製)を1重量%、光重合開始助剤として
DMBI(日本化薬株式会社製)を1重量%含有させた
ものを使用し、この前駆体に液晶材料としてTL−21
3(MERCK社製)を30重量%含有させ、調光層前
駆体1を調合した。この調光層前駆体1を、面積25m
の電極層2を有し、厚み1.1mmのソーダガラス
から成る透明基板3を2枚使い、基板間隔6μmで挟持
した。次いで、透明性物質13として、透明基板3と同
材質から成る厚み1cmのソーダガラス板を、2枚の透
明基板3に密着配置した。その後、図7に示すように、
光散乱体15としてスリガラスを、透明性物質13に配
置した。その後は、実施例1と同様な処置を行い、主に
液晶材料から成る層と、透明性樹脂からなる層とが順次
積層して成る調光層を有する液層光学素子を得た。
【0077】このようにして得た液晶光学素子では、図
2に示すように、電圧無印加状態で白色光10を入射し
た場合、波長525nm付近の色純度の高い選択反射光
11が得られた。また、図3に示すように、液晶光学素
子に100Hzで115Vの交流矩形波を印加したとこ
ろ、波長525nm付近の光の反射率が減少した。
【0078】(実施例8)透明性樹脂の前駆体として、
ライトアクリレート1・6HX−A(共栄社化学株式会
社製)を67重量%、光重合開始剤としてCGI784
(チバ・スペシャリティケミカルズ社製)を3重量%含
有させて得た前駆体に、液晶材料としてBL036(M
ERCK社製)を30重量%含有させ、調光層前駆体1
を調合した。この調光層前駆体1を、面積1cmの電
極層2を有し、厚み1.1mmのポリシロケート材質か
ら成る透明基板3を2枚使い、基板間隔6μmで挟持し
た。次いで、透明性物質13として、透明基板3と同材
質から成る厚み1cmのポリシロケート板を、2枚の透
明基板3に密着配置した。その後、図6に示すように、
光吸収体14として黒色フェルト布を、透明性物質13
に配置した。その後は、実施例1と同様な処置を行い、
主に液晶材料から成る層と透明性樹脂からなる層とが順
次積層して成る調光層を有する液層光学素子を得た。
【0079】このようにして得た液晶光学素子では、図
2に示すように、電圧無印加状態で白色光10を入射し
た場合、波長560nm付近の色純度の高い選択反射光
11が得られた。また、図3に示すように、液晶光学素
子に100Hzで115Vの交流矩形波を印加したとこ
ろ、波長560nm付近の光の反射率が減少した。
【0080】(実施例9)透明性樹脂の前駆体として、
ライトアクリレートDCP−A(共栄社化学株式会社
製)を67重量%、光重合開始剤として、CGI784
(チバ・スペシャリティケミカルズ社製)3重量%含有
させた。この前駆体に液晶材料として、RDP−409
57(RODIC社製)を30重量%含有させ、調光層
前駆体1を調合した。その後、実施例8と同様な処置を
行い、調光層が主に液晶材料から成る層と透明性樹脂か
らなる層とが順次積層して成る液層光学素子を得た。
【0081】このようにして得た液晶光学素子では、図
2に示すように、電圧無印加状態で白色光10を入射し
た場合、波長555nm付近の色純度の高い選択反射光
11が得られた。また、図3に示すように、液晶光学素
子に100Hzで130Vの交流矩形波を印加したとこ
ろ、波長555nm付近の光の反射率が減少した。
【0082】(実施例10)透明性樹脂の前駆体とし
て、ライトアクリレートTMP−A(共栄社化学株式会
社製)を68重量%、光重合開始剤としてカンファーキ
ノン(東京化成製)を1重量%、光重合開始助剤とし
て、DMBI(日本化薬株式会社製)を1重量%含有さ
せたものを使用し、この前駆体に液晶材料としてBL0
36(MERCK社製)を30重量%含有させ、調光層
前駆体1を調合した。この調光層前駆体1を、面積1c
の電極層2を有し、厚み0.7mmのソーダガラス
から成る透明基板3を2枚使い、基板間隔6μmで挟持
した。次いで、透明性物質13として前記透明基板3と
同材質から成る厚み1cmのソーダガラス板を、2枚の
透明基板3に密着配置した。その後、透明性物質13と
透明基板3との間にトルエン(Aldrich社製:屈
折率1.496)を介して密着させた。その後は、実施
例1と同様な処置を行い、主に液晶材料から成る層と透
明性樹脂からなる層とが順次積層して成る調光層を有す
る液層光学素子を得た。
【0083】このようにして得た液晶光学素子では、図
2に示すように、電圧無印加状態で白色光10を入射し
た場合、波長526nm付近の色純度の高い選択反射光
11が得られた。また、図3に示すように液晶光学素子
に100Hzで120Vの交流矩形波を印加したとこ
ろ、波長526nm付近の光の反射率が減少した。
【0084】(実施例11)透明性樹脂の前駆体とし
て、ライトアクリレートPE−4A(共栄社化学株式会
社製)を73重量%、光重合開始剤として、カンファー
キノン(東京化成製)を1重量%、光重合開始助剤とし
て、DMBI(日本化薬株式会社製)を1重量%含有さ
せたものを使用し、この前駆体に液晶材料としてBL0
36(MERCK社製)を25重量%含有させ、調光層
前駆体1を調合した。この調光層前駆体1を、面積1c
の電極層2を有し、厚み0.7mmのソーダガラス
から成る透明基板3を2枚使い、基板間隔6μmで挟持
した。次いで、透明性物質13として透明基板3と同材
質から成る厚み1cmのソーダガラス板を、2枚の透明
基板3に密着配置した。その際、透明性物質13と透明
基板3とをキシレン(Aldrich社製:屈折率1.
495)を介して貼り合わせた。その後、図6に示すよ
うに、光吸収体14として黒色フェルト布を透明性物質
13に配置した。その後は、実施例1と同様な処置を行
い、調光層が主に液晶材料から成る層と透明性樹脂から
なる層とが順次積層して成る液層光学素子を得た。
【0085】このようにして得た液晶光学素子では、図
2に示すように、電圧無印加状態で白色光10を入射し
た場合、波長524nm付近の色純度の高い選択反射光
11が得られた。また、図3に示すように、液晶光学素
子に100Hzで110Vの交流矩形波を印加したとこ
ろ、波長524nm付近の光の反射率が減少した。尚、
本発明は、上記実施形態及び数値実施例だけに限定され
ず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施形態は
適宜、変更可能である。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
透明性樹脂の前駆体と液晶材料とを含む調光層前駆体
を、電極層を介して2枚の透明基板で挟持し、この透明
基板を介して、干渉性を示す複数の光線を前記調光層前
駆体に入射させようとする際、前記2枚の透明基板の前
記光線の入射面側に、透明性物質を密着配置し、この透
明性物質及び前記透明基板を介して、前記干渉性を示す
複数の光線を前記調光層前駆体に入射させるようにした
ので、特に、透明基板と電極層の界面での反射光は、少
なくとも、透明基板の入射面で反射して調光層前駆体へ
入射することなく、透明性物質へ入射させることができ
る。
【0087】また、前記透明性物質を、前記複数の光線
の、前記透明基板、前記電極層、前記調光層前駆体の各
界面からの反射光が、調光層前駆体に入射しないよう
に、その厚さや形状を設定することにより、透明基板と
電極層、等の界面での反射光及び多重反射光が調光層前
駆体に入射するのを極力、防止することができる。この
ため、入射光の反射及び多重反射で調光層前駆体に形成
される重合構造を完全に無くすか、又は低減させること
ができる。
【0088】したがって、得られた調光層に自然光が入
射した時に、従来のように、混在する重合構造によって
光が散乱したり反射したりすることが無く、多層構造に
よる選択反射光のみが観察されるため、選択反射光の色
純度を良好なものとすることができる。牽いては、調光
層の均一性を向上させることができ、その表示画像の色
も均一になって画質を向上させることができる。
【0089】また、透明性物質は、透明基板に、剥離可
能に密着配置されているため、調光層を形成した後、透
明性物質を速やかに透明基板から剥離することにより、
液晶光学素子が大型化しないようにすることができる。
【0090】さらに、透明性物質の屈折率を透明基板の
屈折率と同一にすることにより、透明基板と電極層、等
の界面での反射光及び多重反射光が透明性物質に入射す
る時に反射が起きて、その反射光が調光層前駆体へ入射
することを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す液晶光学素子の製
造方法の断面図である。
【図2】液晶光学素子に自然光を入射させた状態を示す
断面図である。
【図3】自然光を入射させた液晶光学素子に電圧を印加
した状態を示す断面図である。
【図4】透明性物質と透明基板を液体物質で密着させた
液晶光学素子の製造方法を示す断面図である。
【図5】液晶光学素子を包囲する形で透明性物質を配置
した液晶光学素子の製造方法を示す断面図である。
【図6】透明性物質に光吸収体を配置した第2実施形態
を示す断面図である。
【図7】透明性物質に光散乱体を配置した第3実施形態
を示す断面図である。
【図8】透明性物質に光回折体を配置した第4実施形態
を示す断面図である。
【図9】液晶光学素子への入射光の波長と透過率との相
関関係を示す特性線図である。
【図10】従来の液晶光学素子の製造方法を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 調光層前駆体 2 電極層 3 透明基板 4 レーザー光 5 干渉縞 6 反射光及び多重反射光 9 調光層 10 自然光 11 選択反射光 12 透過光 13 透明性物質 14 光吸収体 15 光散乱体 16 光回折体 17 液体物質
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村井 秀哉 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 Fターム(参考) 2H089 HA04 KA04 QA16

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明性樹脂の前駆体と液晶材料とを含む
    調光層前駆体を、電極層を介して、2枚の透明基板にて
    挟持し、この透明基板を介して、干渉性を示す複数の光
    線を前記調光層前駆体に入射させることにより調光層を
    形成する液晶光学素子の製造方法において、 前記2枚の透明基板の前記光線の入射面側に、透明性物
    質を密着配置し、この透明性物質及び前記透明基板を介
    して、前記干渉性を示す複数の光線を前記調光層前駆体
    に入射させることを特徴とする液晶光学素子の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記透明性物質は、前記複数の光線の、
    前記透明基板、前記電極層、前記調光層前駆体の各界面
    からの反射光が、調光層前駆体に入射しないように、そ
    の厚さや形状が設定されていることを特徴とする請求項
    1記載の液晶光学素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記透明性物質は、前記透明基板に、剥
    離可能に密着配置されていることを特徴とする請求項
    1、又は2記載の液晶光学素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記干渉性を示す複数の光線は、可視波
    長のレーザー光であることを特徴とする請求項1記載の
    液晶光学素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記透明性物質は、前記透明基板に対し
    て、液体物質を介して密着配置されていることを特徴と
    する請求項1、2、又は3記載の液晶光学素子の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記液体物質は、その屈折率が1.0〜
    2.0であることを特徴とする請求項5記載の液晶光学
    素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記透明性物質は、光学的に等方性であ
    ることを特徴とする請求項1、2、3、4、又は5記載
    の液晶光学素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記透明性物質は、その屈折率が1.0
    〜2.0であることを特徴とする請求項1、2、3、
    4、5、6、又は7記載の液晶光学素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記透明性物質の屈折率は、前記透明基
    板の屈折率と同一であることを特徴とする請求項1、又
    は8記載の液晶光学素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記透明性物質は、常温で、固体又は
    液体であることを特徴とする請求項1、2、3、4、
    5、7、8、又9記載の液晶光学素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記透明性物質の入射面の、前記光線
    の入射部分以外の所定位置に、前記透明基板,前記電極
    層,前記調光層前駆体の各界面からの反射光を吸収する
    ための光吸収体を設けたことを特徴とする請求項1、
    2、3、4、5、6、7、8、9、又は10記載の液晶
    光学素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記透明性物質の入射面の、前記光線
    の入射部分以外の所定位置に、前記透明基板,前記電極
    層,前記調光層前駆体の各界面からの反射光を散乱させ
    るための光散乱体を設けたことを特徴とする請求項1、
    2、3、4、5、6、7、8、9、又は10記載の液晶
    光学素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記透明性物質の入射面の、前記光線
    の入射部分以外の所定位置に、前記透明基板,前記電極
    層,前記調光層前駆体の各界面からの反射光を回折させ
    るための光回折体を設けたことを特徴とする請求項1、
    2、3、4、5、6、7、8、9、又は10記載の液晶
    光学素子の製造方法。
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