JP2000251007A - Mos乗算回路 - Google Patents

Mos乗算回路

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JP2000251007A
JP2000251007A JP5013899A JP5013899A JP2000251007A JP 2000251007 A JP2000251007 A JP 2000251007A JP 5013899 A JP5013899 A JP 5013899A JP 5013899 A JP5013899 A JP 5013899A JP 2000251007 A JP2000251007 A JP 2000251007A
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mos
transistor
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drain
differential
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Katsuharu Kimura
克治 木村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】半導体集積回路上に形成し得るMOS乗算回路
の提供。 【解決手段】ゲート−ソース間に一定電圧が印加された
第1から第4のトランジスタのソースが共通接続されて
接地又は定電流源で駆動され、第1乃至第4のトランジ
スタのドレインには、それぞれソースが共通接続されド
レインも共通接続された第5及び第6、第7及び第8、
第9及び第10、第11及び第12のトランジスタから
なる第1乃至第4の差動トランジスタが接続され、第
1、第2の入力電圧をV 1、V2とし、V3を任意の電圧
としa、b、cを任意の定数として、第5から第12の
トランジスタのゲートにはそれぞれaV1+V3、bV2
+V3、(a−c)V1+V3、(b−1/c)V2+
V3、(a−c)V1+V3、bV2+V3、aV1+V3、
(b−1/c)V2+V3の電圧が印加され、第1と第2
の差動トランジスタの出力電流の和電流と第3と第4の
差動トランジスタの出力電流の和電流との差電流を出力
電流とし第1と第2の入力電圧との積に比例する電流を
出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は乗算回路に関し、特
に半導体集積回路上に形成して好適とされるCMOS乗
算回路に関する。
【0002】
【従来の技術】本願発明の関連する技術について、以下
の刊行物が参照される。
【0003】文献1.特開平7−57026号公報. 文献2.Jun and D. M. Kim,“Phase−Tunable CMOS
Triode Transconductor,”IEE Electronics Lette
rs 8th January 1998 Vol. 34, No. 1, pp. 72−7
4.
【0004】従来の線形領域で動作するMOSトランジ
スタを利用した乗算器コア回路として、例えば図9に示
すように、2つのトランジスタからなるMOS乗算器コ
ア回路が知られている。すなわち、ソースが互いに接続
されて電圧V2が印可されるMOSトランジスタM1、
M2を備え、MOSトランジスタM1、M2のドレイン
には電圧V1が印可されゲートにはそれぞれ電圧V3、V
4が印可される。
【0005】基板効果とチャネル長変調を無視すると、
MOSトランジスタのドレイン電流IDは、次の3つの
動作領域により、それぞれ式(1a)乃至(1c)で表
される。
【0006】ピンチ領域では、 ID=0 (VGS≦VTH) …(1a)
【0007】線形領域では、 ID=2β(VGS−VTH−VDS/2)VDS (VDS≦VGS−VTH) …(1b)
【0008】飽和領域では、 ID=β(VGS−VTH)2 (VDS≧VGS−VTH) …(1c)
【0009】ただし、β=μ(COX/2)(W/L)は
トランスコンダクタンスパラメータであり、μはキャリ
アの実効モビリティ、COXは単位面積当たりのゲート酸
化膜容量、W、Lはそれぞれ、ゲート幅、ゲート長、V
THはスレッショルド電圧、V GSはゲート・ソース間電
圧、VDSはドレイン・ソース間電圧である。
【0010】図9において、MOSトランジスタM1、
M2に流れる電流ID1、ID2は、それぞれ次式(2)、
(3)で与えられる。
【0011】 ID1=2β{(V3−V2−VTH)−(V1−V2)/2}(V1−V2) …(2)
【0012】 ID2=2β{(V4−V2−VTH)−(V1−V2)/2}(V1−V2) …(3)
【0013】したがって、電流ID1、ID2の差電流ΔI
(=ID1−ID2)は次式(4)と求まり、線形領域で動
作する2つのMOSトランジスタは乗算器コア回路とな
ることがわかる。
【0014】 ΔI=ID1−ID2=2β(V1−V2)(V3−V4) …(4)
【0015】図9に示した2つのトランジスタからなる
MOS乗算器コア回路は、共通ソース電圧を任意の電圧
値VSに設定すると、図10に示すように、4トランジ
スタからなるMOS乗算器コア回路に変形できる。図1
0を参照すると、MOSトランジスタM1、M2、M
3、M4のソースは共通接続され、MOSトランジスタ
M1、M4のゲートには電圧V3、MOSトランジスタ
M2、M3のゲートには電圧V4が印加され、MOSト
ランジスタM1、M2、M3、M4のドレインには電圧
V1、V2、V3、V4が印加される。
【0016】図10において、線形領域で動作するMO
SトランジスタM1、M2、M3、M4に流れる電流I
D1、ID2、ID3、ID4は、それぞれ、次式(5)乃至
(8)で与えられる。
【0017】 ID1=2β{(V3−VS−VTH)−(V1−VS)/2}(V1−VS) …(5)
【0018】 ID2=2β{(V4−VS−VTH)−(V1−VS)/2}(V1−VS) …(6)
【0019】 ID3=2β{(V4−VS−VTH)−(V2−VS)/2}(V2−VS) …(7)
【0020】 ID4=2β{(V3−VS−VTH)−(V2−VS)/2}(V2−VS) …(8)
【0021】したがって、MOSトランジスタM1とM
3に流れる電流ID1、ID3の和電流と、MOSトランジ
スタM2とM4に流れる電流ID2、ID4の和電流の差電
流ΔIは次式(9)と求まる。
【0022】 ΔI=(ID1+ID3)−(ID2+ID4) =2β(V1−V2)(V3−V4) …(9)
【0023】すなわち線形領域で動作する4つのMOS
トランジスタM1〜M4は、乗算器コア回路となること
がわかった。
【0024】従来の線形領域で動作するMOSトランジ
スタを用いた4つのMOSトランジスタからなる乗算器
コア回路を利用した乗算回路として、図11に示すよう
なBi−MOS乗算回路が知られている。
【0025】図11において、ソースが共通接続され定
電流源I0で駆動され、線形領域で動作するMOSトラ
ンジスタM1、M2、M3、M4からなるクァドリテー
ルセルは、図9に示した乗算器コア回路を構成してお
り、バイポーラトランジスタQ1、Q2、Q3、Q4は
レベルシフトと電流取り出し用素子として用いられてい
る。すなわち、図11を参照すると、MOSトランジス
タM1、M2、M3、M4のソースは共通接続され定電
流源I0に接続され、MOSトランジスタM1、M4の
ゲートには電圧V3、MOSトランジスタM2、M3の
ゲートには電圧V4が印加され、MOSトランジスタM
1、M2、M3、M4のドレインにはそれぞれトランジ
スタQ1、Q2、Q3、Q4のエミッタが接続されてお
り、トランジスタQ1、Q2のベースは共通接続されて
電圧V1が印加され、トランジスタQ3、Q4のベース
は共通接続されて電圧V2が印加され、トランジスタQ
1、Q3のコレクタ同士、トランジスタQ2、Q4のコ
レクタ同士が接続され、それぞれ抵抗RLを介して電源
VCCに接続する。
【0026】図11において、MOSトランジスタM
1、M2、M3、M4の共通ソース電位をVSとし、ド
レイン電流をそれぞれID1、ID2、ID3、ID4とし、バ
イポーラトランジスタQ1、Q2、Q3、Q4のベース
・エミッタ間電圧を、それぞれVBE1、VBE2、VBE3、
VBE4とすると、Bi−MOS乗算回路の差動出力電流
ΔI、トランジスタQ1、Q3のコレクタ電流の和電流
と、トランジスタQ2、Q4のコレクタ電流の和電流の
差電流は次式(10)で与えられる。
【0027】 ΔI=(ID1+ID3)−(ID2+ID4) =2β{V3−VS−VTH−(V1−VBE1−VS)/2}(V1−VBE1−VS) +2β{V4−VS−VTH−(V2−VBE3−VS)/2}(V1−VBE3−VS) −2β{V4−VS−VTH−(V1−VBE2−VS)/2}(V1−VBE2−VS) −2β{V3−VS−VTH−(V2−VBE4−VS)/2}(V2−VBE4−VS) =2β[(V3−VS−VTH)(V1−V2−VBE1+VBE4) −(V4−VS−VTH)(V1−V2−VBE2+VBE3) −1/2{(V1+V2−VBE1−VBE4−2VS)(V1−V2−VBE1+VBE4) −(V1+V2−VBE2−VBE3−2VS)(V1−V2−VBE2+VBE3)}] …(10)
【0028】ここで、バイポーラトランジスタQ1、Q
2、Q3、Q4はアクティブ領域でボルテージフォロワ
として動作していることから、VBE1≒VBE2≒VBE3≒VBE4
≒0.7Vと近似すると、上式(10)は次式(11)
と近似される。
【0029】 ΔI≒2β(V1−V2)(V3−V4) …(11)
【0030】したがって、近似的に2つの差動入力電圧
(V1−V2)と(V3−V4)の積が得られ、4象限乗算
器が実現される。しかしながら、出力回路を簡略化して
抵抗負荷としているために、差動をとらない出力電圧に
はMOSトランジスタの持つ2乗項が残るために、線形
性がさらに劣化する。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来のMOS
乗算回路においては、乗算器コア回路を構成するMOS
トランジスタのゲート・ソース間電圧(VGS)が変化す
るために、MOSトランジスタのモビリティμが変化
し、したがって、トランスコンダクタンスパラメータβ
が一定とはならない。また、図11に示したBi−MO
S乗算回路においても線形性の点で問題がある。
【0032】したがって本発明は、上記問題点に鑑みて
なされたものであって、その目的は、MOSトランジス
タのキャリアの移動度の減少のよる影響をなくし、半導
体集積回路上に形成して好適とされるMOS乗算回路を
提供することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明のMOS乗算回路は、ゲート−ソース間に一定電圧が
印加された第1から第4のトランジスタのソースが共通
接続されて接地、あるいは、定電流源で駆動され、前記
第1のトランジスタのドレインにはそれぞれソースが共
通接続され、ドレインも共通接続された第5と第6のト
ランジスタからなる第1の差動トランジスタが接続さ
れ、前記第2のトランジスタのドレインにはそれぞれソ
ースが共通接続され、ドレインも共通接続された第7と
第8のトランジスタからなる第2の差動トランジスタが
接続され、前記第3のトランジスタのドレインにはそれ
ぞれソースが共通接続され、ドレインも共通接続された
第9と第10のトランジスタからなる第3の差動トラン
ジスタが接続され、前記第4のトランジスタのドレイン
にはそれぞれソースが共通接続され、ドレインも共通接
続された第11と第12のトランジスタからなる第4の
差動トランジスタが接続され、第1の入力電圧をV1、
第2の入力電圧をV2とし、V3を任意の電圧とし、a、
b、cを任意の定数とすると、前記第5から第12のト
ランジスタのゲートにはそれぞれ、aV1+V3、bV2
+V3、(a−c)V1+V3、(b−1/c)V2+
V3、(a−c)V1+V3、bV2+V3、aV1+V3、
(b−1/c)V2+V3の電圧が印加され、前記第1の
差動トランジスタと第2の差動トランジスタの出力電流
の和電流と前記第3の差動トランジスタと第4の差動ト
ランジスタの出力電流の和電流との差電流を出力電流と
し、前記第1の入力電圧と前記第2の入力電圧との積に
比例する電流を出力する。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について説明
する。本発明のMOS乗算回路は、その好ましい実施の
形態において、図1を参照すると、ゲートとソース間に
一定電圧(V A)が印加された第1乃至第4のMOSト
ランジスタ(M1〜M4)のソースが共通接続されて接
地、もしくは定電流源(I0)で駆動され、第1乃至第
4のMOSトランジスタ(M1〜M4)はいずれも線形領
域で動作し、第1のMOSトランジスタ(M1)のドレ
インには、それぞれ、ソースが共通接続され、ドレイン
同士が共通接続された第5及び第6のMOSトランジス
タ(M5、M6)からなる第1の差動トランジスタが接
続され、第2のMOSトランジスタ(M2)のドレイン
には、それぞれ、ソースが共通接続され、ドレイン同士
が共通接続された第7及び第8のMOSトランジスタ
(M7、M8)からなる第2の差動トランジスタが接続
され、第3のMOSトランジスタ(M3)のドレインに
は、それぞれ、ソースが共通接続され、ドレイン同士が
共通接続された第9及び第10のMOSトランジスタ
(M9、M10)からなる第3の差動トランジスタが接
続され、第4のMOSトランジスタ(M4)のドレイン
には、それぞれ、ソースが共通接続され、ドレイン同士
が共通接続された第11及び第12のMOSトランジス
タ(M11、M12)からなる第1の差動トランジスタ
が接続されている。
【0035】そして、第1、第2の入力電圧をV1、V2
とし、V3を任意の電圧とし、a、b、cを任意の定数
として、第5から第12のトランジスタのゲートにはそ
れぞれ、aV1+V3、bV2+V3、(a−c)V1+
V3、(b−1/c)V2+V3、(a−c)V1+V3、
bV2+V3、aV1+V3、(b−1/c)V2+V3の電
圧が印加され、第1の差動トランジスタと第2の差動ト
ランジスタの出力電流の和電流と第3の差動トランジス
タと第4の差動トランジスタの出力電流の和電流との差
電流(差電流出力回路101の出力)を出力電流とし、
第1の入力電圧V1と第2の入力電圧V2との積に比例す
る電流を出力する。
【0036】本発明のMOS乗算回路は、線形領域で動
作する第1乃至第4のMOSトランジスタのゲートに定
電圧を印加し、そのドレインに信号電圧を印加すること
で、MOSトランジスタのキャリアの実効移動度(モビ
リティ)の減少による影響を無くしたMOS乗算回路を
実現することができる。
【0037】
【実施例】本発明の実施例について図面を参照して説明
する。図1は、本発明の乗算回路の一実施例の回路構成
を示す図である。図1を参照すると、第1乃至第4のM
OSトランジスタM1、M2、M3、M4のソースはい
ずれも接地されている。第1乃至第4のMOSトランジ
スタM1、M2、M3、M4のゲート−ソース間電圧は
すべてVDS≦VGS−VTHなる条件内にあり、線形領域で
動作している。そして第1乃至第4のMOSトランジス
タM1、M2、M3、M4のゲート・ソース間電圧はす
べて等しく、VGS=VAとおく。第1乃至第4のMOS
トランジスタM1〜M4の各ドレインには、ソース同志
が接続され、ドレイン同志が接続される第5及び第6の
MOSトランジスタM5、M6、第7及び第8のMOS
トランジスタM7、M8、第9及び第10のMOSトラ
ンジスタM9、M10、第11及び第12のMOSトラ
ンジスタM11、M12よりなる、第1乃至第4の差動
トランジスタがそれぞれ接続されている。
【0038】第1のMOSトランジスタM1のドレイン
電流ID1で駆動され、ソースが共通接続された第5及び
第6のMOSトランジスタM5、M6は飽和領域で動作
しており、ドレインは、共通接続されている。第5、第
6のMOSトランジスタM5、M6のそれぞれのゲート
にはそれぞれaV1+V3、bV2+V3が印加されてお
り、共通ソース電圧をVS1とすると、飽和領域で動作す
る第5、第6のMOSトランジスタM5、M6のドレイ
ン電流ID5、ID6はそれぞれ次式(12)、(13)で
与えられる。なお、以下では、説明の簡単のためaV1
+V3をV1、bV2+V3をV2とおく。
【0039】
【0040】また、第5、第6のMOSトランジスタM
5、M6のドレイン電流ID5、ID6の和は第1のMOS
トランジスタM1のドレイン電流ID1に等しいことか
ら、 ID5+ID6=ID1 …(14) と表わされ、上式(12)、(13)を上式(14)に
代入すると、次式(15)が得られる。
【0041】
【0042】上式(15)を解くと、共通ソース電圧V
S1は、次式(16)と求められる。
【0043】
【0044】一方、第1のMOSトランジスタM1のド
レイン電流ID1は上式(1b)から、次式(17)で与
えられる。
【0045】
【0046】上式(17)を解くと、共通ソース電圧VS1
は、次式(18)と求められる。
【0047】
【0048】したがって、上式(16)、(18)よ
り、次式(19)が成り立つ。
【0049】
【0050】あるいは、上式(19)を変形すると、次
式(20)が得られる。
【0051】
【0052】上式(20)の両辺を2乗すると、次式(2
1)が導かれる。
【0053】
【0054】したがって、次式(22)が導かれる。
【0055】
【0056】上式(22)の両辺を2乗すると、
【0057】したがって、
【0058】上式(24)をID1/βについて解くと、次
式(25)と求められる。
【0059】
【0060】上式(25)の第1項(=(V1−V2)2/
6)は、差電圧の2乗項、第2項(=2(VA−VTH)2
/3)は定数項、第3項(=(V1+V2−2VA)2/1
8)は和電圧の2乗項である。
【0061】また、第1のMOSトランジスタM1を線
形領域で動作させるために、バイアス電圧VAは十分に
大きな値に設定されることから、上式(25)の平方根
(√)内の値としては、 12(VA−VTH)2 >>{8(V1+V2−2VA)2+6
(V1−V2)2} として近似しても、近似誤差は無視できるほどの小さな
値となる。
【0062】したがって、第4項は、その近似式とし
て、和電圧(V1+V2−VA)√12(VA−VTH)/9の
項のみとなる。
【0063】また、
【0064】が成り立つことから、第5、第6のMOS
トランジスタM5、M6からなる第1の差動トランジス
タから第11、第12のMOSトランジスタM11、M
12からなる第4の差動トランジスタのそれぞれのゲー
トに、aV1+V3、bV2+V3、(a−c)V1+V
3、(b−1/c)V2+V3、(a−c)V1+V3、b
V2+V3、aV1+V3、(b−1/c)V2+V3の電圧
を印加すると、第1、第2の差動トランジスタの出力電
流の和電流ID1+ID2と、第3、第4の差動トランジス
タの出力電流の和電流ID3+ID4を入力とする差電流出
力回路101からの出力である差動出力電流ΔIは、 ΔI=(ID1+ID2)−(ID3+ID4) …(29) で表される。
【0065】上式(27)、(28)から、上式(26)と同様に求
められるMOSトランジスタM1、M2、M3、M4の
各ドレイン電流の差電圧の2乗項((V1−V2)2/
6)、および、和電圧の2乗項((V1+V2−2VA)2
/18)から、2入力信号電圧の積V1V2が導かれる。
例えば差電圧の2乗項からは、{ID1+ID2−(ID3+
ID4)}/β=(aV1−bV2)2+{(a−c)V1−
(b−1/c)V2}2−{(a−c)V1−bV2}2−
{aV1−(b−1/c)V2}2=2V1V2
【0066】また、上式(25)から、和電圧の項で近似
することで、
【0067】と求められ、乗算回路が実現できることが
わかる。
【0068】一般に、MOSトランジスタにはキャリア
の実効移動度(モビリティ)の減少があり、次式(31)
で表される。
【0069】 μ=μ0/{1+θ(VGS−VTH)} … (31)
【0070】ここで、μ0は無電界時の実効移動度であ
り、θ=1/(tOXECR)と表され、tOXはゲート酸化
膜厚、ECRは臨界電界である。したがって、MOSトラ
ンジスタのトランスコンダクタンスパラメータβはゲー
ト・ソース間電圧(VGS)で変化するが、図1に示す乗
算器コア回路では、ゲート・ソース間電圧(VGS)に一
定電圧(VA)を印加しているので、上述した移動度パ
ラメータθの影響が現れない。
【0071】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。図2は、本発明のMOS乗算回路の第2の実施例
の構成を示す図である。
【0072】図2を参照すると、MOSトランジスタM
1、M2、M3、M4のそれぞれのソースが共通接続さ
れて定電流源(I0)で駆動されている。乗算回路を構
成する4つのトランジスタからなる乗算器コア回路にお
いては、共通ソースを定電圧で駆動する定電圧バイアス
法でも共通ソースを定電流で駆動する定電流バイアス法
であっても、同様にして、2入力信号電圧の積V1V2が
導かれる。この場合には、テール電流の条件:
【0073】 ID1+ID2+ID3+ID4=I0 … (32)
【0074】が成り立ち、無信号時には、第1乃至第4
のMOSトランジスタM1、M2、M3、M4の各ドレ
イン電流はI0/4となり、この電流値を直流動作点と
して動作することになる。
【0075】この場合には、例えば、上式(17)におい
て、2I0/β>>(V1−V2)2となるように、定電流源
の電流値I0とトランジスタのサイズ(β)を設定する
ことで、MOS差動対は、ほぼ電圧加算回路と見なして
良い。
【0076】このように定電流駆動される乗算回路の場
合において、それぞれの出力電流は、
【0077】 I+=ID1+ID4≒I0/2+5βV1V2/18 …(33)
【0078】 I-=ID2+ID3≒I0/2−5βV1V2/18 …(34)
【0079】と表され、直流電流I0/2を動作点とし
た線形な差動出力電流となっていることから、抵抗を負
荷することで出力電圧が得られる。すなわち、第1、第
2の差動トランジスタの出力の接続点を第1の負荷抵抗
を介して電源に接続し、第3、第24の差動トランジス
タの出力の接続点を第2の負荷抵抗を介して電源に接続
し、第1、第2の差動トランジスタの出力の接続点と、
第3、第4の差動トランジスタの出力の接続点の差動出
力電圧(=(I+−I-)R)から、第1、第2の入力電圧
の乗算値V1V2に比例した電圧を得ることができる。
【0080】上式(25)により、乗算回路内での線形項
については出力に現れず、上式(27)に示したように、
差の2乗項と、上式(28)に示したように、和の2乗項
が2入力信号電圧の積V1V2として現れる。
【0081】上式(27)に示した差の2乗項は、差動対
の差動入力に相当し、上式(28)に示した和の2乗項
は、差動対が電圧加算回路として機能していることを示
している。
【0082】したがって、図1、および図2に示した乗
算回路において、定数a、b、cは任意の値で良いこと
がわかった。
【0083】任意の定数a、b、cの中でも、a=b=
1/2、c=1である場合には、印加する電圧が容易に
得ることができる。図3、及び図4は、図1、及び図2
にそれぞれ示した回路において、a=b=1/2、c=
1とした場合の構成を示す図である。
【0084】同様に、a=b=c=1である場合には印
加する電圧が最も得られやすい。図5、及び、図6は、
図1、及び図2にそれぞれ示した回路において、a=b
=c=1とした場合の構成を示す図である。
【0085】さらに、a=1/2、b=0、c=1であ
る場合にも、印加する電圧を得ることが参考となる。図
7、及び、図8は、、図1、及び図2にそれぞれ示した
回路において、a=1/2、b=0、c=1とした場合
の構成を示す図である。図7、及び図8に示す構成で
は、ボルテージフォロワ構成のトランジスタM13、M
14により、シフト電圧V2を得ており、MOS OT
A(オペレーショナルトランスコンタクタンスアンプ)
として用いる場合に適する。第7のMOSトランジスタ
M7のゲートには、−1/2V1+V3なる電圧がゲート
に印加され、ドレインが接地され,ソースが定電流源I
bに接続されてなる第13のMOSトランジスタM13
のソースが接続され、第8のMOSトランジスタM8の
ゲートにはV3なる電圧が印加され、第9のMOSトラ
ンジスタM9のゲートには、1/2V1+V3なる電圧が
ゲートに印加され、ドレインが接地されソースが定電流
源Ibに接続されてなる第14のMOSトランジスタM
14のソースが接続され、第10のMOSトランジスタ
M10のゲートには、V3なる電圧が印加されている。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば下
記記載の効果を奏する。
【0087】本発明の第1の効果は、MOSトランジス
タのみからなり、かつ小さな回路規模でMOS乗算回路
を実現することができる、ということである。
【0088】その理由は、本発明においては、MOS差
動対で、電圧加算回路を実現しているためである。
【0089】本発明の第2の効果は、MOSトランジス
タのキャリアの実効移動度(モビリティ)の減少による
影響を無くしたMOS乗算回路を実現することができ
る、ということである。
【0090】その理由は、本発明においては、線形領域
で動作するMOSトランジスタのゲートに定電圧を印加
し、ドレインに信号電圧を印加しているためである。
【0091】本発明の第3の効果は、抵抗負荷とする乗
算回路を実現することができる、ということである。
【0092】その理由は、本発明においては、MOS乗
算器コア回路を構成する4つのトランジスタを定電流駆
動としている、ためである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のMOS乗算回路の第1の実施例の構成
を示す図である。
【図2】本発明のMOS乗算回路の第2の実施例の構成
を示す図である。
【図3】本発明のMOS乗算回路の第1の実施例の具体
的構成の一例を示す図である。。
【図4】本発明のMOS乗算回路の第2の実施例の具体
的構成の一例を示す図である。。
【図5】本発明のMOS乗算回路の第1の実施例の具体
的構成の第2の例を示す図である。
【図6】本発明のMOS乗算回路の第2の実施例の具体
的構成の第2の例を示す図である。
【図7】本発明のMOS乗算回路の第1の実施例の具体
的構成の第3の例を示す図である。
【図8】本発明のMOS乗算回路の第2の実施例の具体
的構成の第3の例を示す図である。
【図9】2つのトランジスタからなる従来のMOS乗算
器コア回路の構成の一例を示す図である。
【図10】4つのトランジスタからなる従来のMOS乗
算器コア回路の構成の一例を示す図である。
【図11】従来のBi−MOS乗算回路の構成の一例を
示す図である。
【符号の説明】
M1〜M14 MOSトランジスタ I0 定電流源 101 差電流出力回路

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゲート−ソース間に一定電圧が印加され、
    ソース接地され、線形領域で動作している第1から第4
    のMOSトランジスタと、 前記第1のMOSトランジスタのドレインに、共通接続
    されたソースが接続され、ドレインが共通接続されてな
    る第5及び第6のMOSトランジスタからなる第1の差
    動トランジスタと、 前記第2のMOSトランジスタのドレインに、共通接続
    されたソースが接続され、ドレインが共通接続されてな
    る第7及び第8のMOSトランジスタからなる第2の差
    動トランジスタと、 前記第3のMOSトランジスタのドレインに、共通接続
    されたソースが接続され、ドレインが共通接続されてな
    る第9及び第10のMOSトランジスタからなる第3の
    差動トランジスタと、 前記第4のMOSトランジスタのドレインに、共通接続
    されたソースが接続され、ドレインが共通接続されてな
    る第11及び第12のMOSトランジスタからなる第4
    の差動トランジスタと、 を備え、 第1の入力電圧をV1、第2の入力電圧をV2とし、V3
    を任意の電圧とし、a、b、cを任意の定数として、前
    記第5から第12のMOSトランジスタのゲートには、
    それぞれ、 aV1+V3、bV2+V3、(a−c)V1+V3、(b−
    1/c)V2+V3、(a−c)V1+V3、bV2+V3、
    aV1+V3、(b−1/c)V2+V3なる電圧が印加さ
    れ、 前記第1の差動トランジスタと第2の差動トランジスタ
    の出力電流の和電流と、前記第3の差動トランジスタと
    第4の差動トランジスタの出力電流の和電流との差電流
    を出力電流とし、前記第1の入力電圧と前記第2の入力
    電圧との積に比例する電流を出力することを特徴とする
    MOS乗算回路。
  2. 【請求項2】ゲート−ソース間に一定電圧が印加され、
    ソースが共通接続されて定電流源で駆動され、線形領域
    で動作している第1から第4のMOSトランジスタと、 前記第1のMOSトランジスタのドレインに、共通接続
    されたソースが接続され、ドレインが共通接続されてな
    る第5及び第6のMOSトランジスタからなる第1の差
    動トランジスタと、 前記第2のMOSトランジスタのドレインに、共通接続
    されたソースが接続され、ドレインが共通接続されてな
    る第7及び第8のMOSトランジスタからなる第2の差
    動トランジスタと、 前記第3のMOSトランジスタのドレインに、共通接続
    されたソースが接続され、ドレインが共通接続されてな
    る第9及び第10のMOSトランジスタからなる第3の
    差動トランジスタと、 前記第4のMOSトランジスタのドレインに、共通接続
    されたソースが接続され、ドレインが共通接続されてな
    る第11及び第12のMOSトランジスタからなる第4
    の差動トランジスタと、 を備え、 第1の入力電圧をV1、第2の入力電圧をV2とし、V3
    を任意の電圧とし、a、b、cを任意の定数として、前
    記第5から第12のMOSトランジスタのゲートには、
    それぞれ、aV1+V3、bV2+V3、(a−c)V1+
    V3、(b−1/c)V2+V3、(a−c)V1+V3、
    bV2+V3、aV1+V3、(b−1/c)V2+V3なる
    電圧が印加され、 前記第1の差動トランジスタと第2の差動トランジスタ
    の出力電流の和電流と前記第3の差動トランジスタと第
    4の差動トランジスタの出力電流の和電流との差電流を
    出力電流とし、前記第1の入力電圧と前記第2の入力電
    圧との積に比例する電流を出力する、ことを特徴とする
    MOS乗算回路。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載のMOS乗算回路にお
    いて、a=b=1/2、c=1であることを特徴とする
    MOS乗算回路。
  4. 【請求項4】請求項1又は2記載のMOS乗算回路にお
    いて、a=b=c=1であることを特徴とするMOS乗
    算回路。
  5. 【請求項5】請求項1又は2記載のMOS乗算回路にお
    いて、a=1/2、b=0、c=1であることを特徴と
    するMOS乗算回路。
  6. 【請求項6】前記第5乃至第12のMOSトランジスタ
    がいずれも飽和領域で動作していることを特徴とする請
    求項1又は2記載のMOS乗算回路。
  7. 【請求項7】前記第1及び第2の差動トランジスタの出
    力の接続点と前記第3及び第4の差動トランジスタの出
    力の接続点をそれぞれ第1、第2の抵抗素子を介して電
    源に接続し、これらの接続点から、前記第1、第2の入
    力電圧に比例した差動出力電圧を出力する、ことを特徴
    とする請求項2記載のMOS乗算回路。
  8. 【請求項8】前記第7のMOSトランジスタのゲートに
    は、−1/2V1+V3なる電圧がゲートに印加されドレ
    インが接地されソースが定電流源に接続されてなる第1
    3のMOSトランジスタのソースが接続され、前記第8
    のMOSトランジスタのゲートにはV3なる電圧が印加
    され、前記第9のMOSトランジスタのゲートには、1
    /2V1+V3なる電圧がゲートに印加されドレインが接
    地されソースが定電流源に接続されてなる第14のMO
    Sトランジスタのソースが接続され、前記第10のMO
    SトランジスタのゲートにはV3なる電圧が印加され
    る、ことを特徴とする請求項5記載のMOS乗算回路。
  9. 【請求項9】ゲートとソース間に一定電圧が印加され、
    ソースが共通接続されて定電流源に接続するか、又は接
    地され、線形領域で動作する第1乃至第4のMOSトラ
    ンジスタの各ドレインに、ソース同士が接続されると共
    にドレイン同士が接続され、飽和領域で動作する1対の
    トランジスタよりなる第1乃至第4の差動トランジスタ
    対の各共通ソースをそれぞれ接続し、 第1の入力電圧をV1、第2の入力電圧をV2とし、V3
    を任意の電圧とし、a、b、cを任意の定数として、 前記第1の差動トランジスタ対のゲートにはそれぞれ、
    aV1+V3、bV2+V3、 前記第2の差動トランジスタ対のゲートにはそれぞれ、
    (a−c)V1+V3、(b−1/c)V2+V3、 前記第3の差動トランジスタ対のゲートにはそれぞれ、
    (a−c)V1+V3、bV2+V3、 前記第3の差動トランジスタ対のゲートにはそれぞれ、
    aV1+V3、(b−1/c)V2+V3、なる電圧が印加
    され、 前記第1、第2の差動トランジスタ対の各ドレインを接
    続し、前記第3、第4の差動トランジスタ対の各ドレイ
    ンを接続し、前記第1、第2の差動トランジスタ対の出
    力電流の和電流と前記第3、第4の差動トランジスタ対
    の出力電流の和電流との差から、前記第1の入力電圧V
    1と前記第2の入力電圧V2との積に比例する電流を出力
    するか、もしくは抵抗負荷により前記第1の入力電圧V
    1と前記第2の入力電圧V2との積に比例するを出力す
    る、ことを特徴とするMOS乗算回路。
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