JP2000251733A - 電子源および画像形成装置の検査方法及び検査装置及び記録媒体 - Google Patents

電子源および画像形成装置の検査方法及び検査装置及び記録媒体

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JP2000251733A
JP2000251733A JP11047167A JP4716799A JP2000251733A JP 2000251733 A JP2000251733 A JP 2000251733A JP 11047167 A JP11047167 A JP 11047167A JP 4716799 A JP4716799 A JP 4716799A JP 2000251733 A JP2000251733 A JP 2000251733A
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electron source
image forming
forming apparatus
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Akira Fujii
明 藤井
Takeshi Takegami
毅 竹上
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Canon Inc
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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の電子放出素子を配置した電子源及び該
電子源を用いた画像形成装置の検査工程において、検査
時間を短縮し、製造コストを小さくする。 【解決手段】 複数個の電子放出素子を用いた電子源を
作成する各工程における、前記電子源の検査方法であっ
て、a)当該検査が検査対象とする前記電子源におい
て、当該検査以前になされた前検査の検査結果を1つ以
上読み込む前検査結果読み込み手順;b)前記前検査結
果読み込み手順により読み込んだ検査結果より、当該検
査における検査箇所の優先順位を決定する優先順位決定
手順;c)前記優先順位決定手順により決定した検査箇
所の優先順位にしたがって当該検査を行う検査手順;を
備えることを特徴とする電子源の検査方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子源およびそれ
を用いた画像形成装置の検査方法及び検査装置及び本発
明の検査方法をコンピュータに行わせるためのコンピュ
ータプログラムを記録したCD−ROM等の記録媒体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、電子放出素子として熱陰極素
子と冷陰極素子の2種類が知られている。このうち冷陰
極素子では、たとえば表面伝導型放出素子や、電界放出
型素子(以下FE型と記す)や、金属/絶縁層/金属型
放出素子(以下MIM型と記す)、などが知られてい
る。
【0003】表面伝導型放出素子としては、たとえば、
M.I.Elinson,Radio Eng.Ele
ctron Phys.,10,1290,(196
5)や後述する他の例が知られている。
【0004】表面伝導型放出素子は、基板上に形成され
た小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことによ
り、電子放出が生ずる現象を利用するものである。この
表面伝導型電子放出素子としては、前記エリンソン等に
よるSnO2薄膜を用いたものの他に、Au薄膜による
もの[G.Dittmer:“Thin SolidF
ilms”,9,317(1972)]や、In2 3
/SnO2薄膜によるもの[M.Hartwell a
nd C.G.Fonstad:“IEEETran
s.ED Conf.”,519(1975)]や、カ
ーボン薄膜によるもの[荒木 久 他:真空、第26
巻、第1号、22(1983)]等が報告されている。
【0005】これらの表面伝導型放出素子の素子構成の
典型的な例として、図19に前述のM.Hartwel
lらによる素子の平面図を示す。同図において、300
1は基板で、3004はスパッタで形成された金属酸化
物よりなる導電性薄膜である。導電性薄膜3004は図
示のようにH字形の平面形状に形成されている。該導電
性薄膜3004に後述の通電フォーミングと呼ばれる通
電処理を施すことにより、電子放出部3005が形成さ
れる。図中の間隔Lは、0.5〜1[mm]、Wは、
0.1[mm]で設定されている。尚、図示の便宜か
ら、電子放出部3005は導電性薄膜3004の中央に
矩形の形状で示したが、これは模式的なものであり、実
際の電子放出部の位置や形状を忠実に表現しているわけ
ではない。
【0006】M.Hartwellらによる素子をはじ
めとして上述の表面伝導型放出素子においては、電子放
出を行う前に導電性薄膜3004に通電フォーミングと
呼ばれる通電処理を施すことにより電子放出部3005
を形成するのが一般的である。すなわち、通電フォーミ
ングとは、前記導電性薄膜3004の両端に一定の直流
電圧、もしくは、例えば1V/分程度の非常にゆっくり
としたレートで昇圧する直流電圧を印加して通電し、導
電性薄膜3004を局所的に破壊もしくは変形もしくは
変質せしめ、電気的に高抵抗な状態の電子放出部300
5を形成することである。尚、局所的に破壊もしくは変
形もしくは変質した導電性薄膜3004の一部には、亀
裂が発生する。前記通電フォーミング後に導電性薄膜3
004に適宜の電圧を印加した場合には、前記亀裂付近
において電子放出が行われる。
【0007】上述の表面伝導型放出素子は、熱陰極素子
と比較して低温で電子放出を得ることができるため、加
熱用ヒーターを必要としない。したがって、熱陰極素子
よりも構造が単純であり、微細な素子を作成可能であ
る。また、基板上に多数の素子を高い密度で配置して
も、基板の熱溶融などの問題が発生しにくい。また、熱
陰極素子がヒーターの加熱により動作するため応答速度
が遅いのとは異なり、表面伝導型放出素子の場合には応
答速度が速いという利点もある。
【0008】このため、表面伝導型放出素子を応用する
ための研究が盛んに行われてきている。
【0009】たとえば、表面伝導型放出素子は、冷陰極
素子のなかでも特に構造が単純で製造も容易であること
から、大面積にわたり多数の素子を形成できる利点があ
る。そこで、たとえば本出願人による特開昭64−31
332号公報において開示されるように、多数の素子を
配列して駆動するための方法や、マルチ電子ビーム源
や、マルチ電子ビーム源を応用した画像表示装置、画像
記録装置などの画像形成装置、等が研究されている。
【0010】特に、画像表示装置への応用としては、例
えば本出願人によるUSP5,066,883や特開平
2−257551号公報や特開平4−28137号公報
において開示されているように、マルチ電子ビーム源と
電子ビームの照射により発光する蛍光体とを組み合わせ
たものが研究されている。以下に、その一例を示す。
【0011】図10は上記画像表示装置の一例を示す斜
視図であり、内部構造を示すためにパネルの一部を切り
欠いて示している。
【0012】図中、1015はリアプレート、1016
は側壁、1017はフェースプレートであり、リアプレ
ート1015、側壁1016およびフェースプレート1
017により、表示パネルの内部を真空に維持するため
の外囲器(気密容器)を形成している。
【0013】リアプレート1015には基板1011が
固定されているが、この基板1011上には表面伝導型
放出素子1012が、N×M個形成されている。(N,
Mは2以上の正の整数であり、目的とする表示画素数に
応じて適宜設定される。)また、前記N×M個の表面伝
導型放出素子1012は、図10に示すとおり、M本の
行方向配線1013とN本の列方向配線1014により
配線されている。これら基板1011、表面伝導型放出
素子1012、行方向配線1013および列方向配線1
014によって構成される部分をマルチ電子ビーム源と
呼ぶ。また、行方向配線1013と列方向配線1014
の少なくとも交差する部分には、両配線間に絶縁層(不
図示)が形成されており、電気的な絶縁が保たれてい
る。
【0014】フェースプレート1017の下面には、蛍
光体からなる蛍光膜1018が形成されており、さらに
蛍光膜1018のリアプレート1015側の面には、A
l等からなるメタルバック1019が形成されている。
【0015】Dx1〜DxmおよびDy1〜Dynおよ
びHvは、当該表示パネルと不図示の電気回路とを電気
的に接続するために設けた気密構造の電気接続用端子で
ある。Dx1〜Dxmはマルチ電子ビーム源の行方向配
線1013と、Dy1〜Dynはマルチ電子ビーム源の
列方向配線1014と、Hvはメタルバック1019と
各々電気的に接続している。
【0016】また、上記気密容器の内部は10のマイナ
ス6乗Torr程度の真空に保持されており、画像表示
装置の表示面積が大きくなるにしたがい、気密容器内部
と外部の気圧差によるリアプレート1015およびフェ
ースプレート1017の変形あるいは破壊を防止する手
段が必要となる。これに対し、図10においては、比較
的薄いガラス板からなり大気圧を支えるための構造支持
体(スペーサあるいはリブと呼ばれる)1020が設け
られている。このようにして、マルチビーム電子源が形
成された基板1011と蛍光膜1018が形成されたフ
ェースプレート1016間は通常サブミリないし数ミリ
に保たれ、前述したように気密容器内部は高真空に保持
されている。
【0017】以上説明した表示パネルを用いた画像表示
装置は、容器外端子Dx1ないしDxm、Dy1ないし
Dynを通じて各表面伝導型放出素子1012に電圧を
印加すると、各表面伝導型放出素子1012から電子が
放出される。それと同時にメタルバック1019に容器
外端子Hvを通じて数百[V]ないし数[kV]の高圧
を印加して、上記放出された電子を加速し、フェースプ
レート1017の内面に衝突させる。これにより、蛍光
膜1018をなす蛍光体が励起されて発光し、画像が表
示される。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】近年、大画面ディスプ
レイ、ハイビジョンテレビ等の普及が進んでおり、当
然、表面伝導型放出素子を用いたマルチ電子ビーム源の
応用である画像表示装置についても、「大画面」、「高
精細」、「高画質」等の性能が要求されている。
【0019】これらの要求を満たすために、マルチ電子
ビーム源上に画像表示装置の必要とする画素数に対応し
た多数の表面伝導型放出素子を、その素子特性が均一に
なるよう作成することが必要である。また、これと同時
に、表面伝導型放出素子の素子特性や、画像表示装置の
各画素の輝度などが、設計値に対し許容範囲にあるか否
かを評価し良品不良品の判断を行う「検査」を、全素子
にわたって順次行っていく事が必要である。
【0020】しかしながら、画像表示装置の「大画面」
および「高精細」化に伴う画素数の増大に伴い全素子に
わたって順次「検査」する事に要する時間も大幅に増大
している。結果、表面伝導型放出素子を用いたマルチ電
子ビーム源の応用である画像表示装置の製造コストを増
大させる問題があった。
【0021】
【課題を解決するための手段】前述した課題を解決する
ために本発明では、複数個の電子放出素子を用いた電子
源を作成する各工程における、前記電子源の検査方法で
あって、 a)当該検査が検査対象とする前記電子源において、当
該検査以前になされた前検査の検査結果を1つ以上読み
込む前検査結果読み込み手順; b)前記前検査結果読み込み手順により読み込んだ検査
結果より、当該検査における検査箇所の優先順位を決定
する優先順位決定手順; c)前記優先順位決定手順により決定した検査箇所の優
先順位にしたがって当該検査を行う検査手順; を備えることを特徴とする電子源の検査方法を有する。
【0022】また、前記優先順位決定手順は、前記前検
査結果読み込み手順によって読み込んだ検査結果と所定
定数との差分を算出する手順、および前記差分の大きさ
に応じて検査箇所の優先順位を決定する手順とを含むこ
とを特徴とする電子源の検査方法でもある。
【0023】また、前記優先順位決定手順は、検査箇所
の優先順位順に対応して順番に記述した検査箇所のテー
ブルを作成する手順を含むことを特徴とする電子源の検
査方法でもある。
【0024】また、発見された欠陥の数が所定数以上に
なった時点で検査を終了することを特徴とする電子源の
検査方法でもある。
【0025】また、電子源と、該電子源と対向して配置
され、前記電子放出素子からの放出電子を加速する高圧
電極及び該放出電子により画像を形成する画像形成部材
を備えたフェースプレートとを備えた画像形成装置の検
査方法において、前記電子源の検査工程が、上記電子源
の検査方法により行われることを特徴とする画像形成装
置の検査方法でもある。
【0026】また、当該検査の項目が前記画像形成部材
の発光輝度の検査であり、前記前検査結果読み込み手順
が、前記電子放出素子の電子放出部の電気抵抗値の検査
結果を読み込むことを特徴とする画像形成装置の検査方
法でもある。
【0027】また、前記画像形成装置は、前記高圧電極
と電気的に接続され、かつ前記電子源と前記フェースプ
レートとの間に設けられた構造支持体と、前記構造支持
体に電圧を供給する配線とを備えることを特徴とする画
像形成装置の検査方法でもある。
【0028】また、当該検査の項目が前記画像形成部材
の発光輝度の検査であり、前記前検査結果読み込み手順
が前記構造支持体と前記高圧電極との間の電気抵抗値の
検査結果を読み込むことを特徴とする画像形成装置の検
査方法でもある。
【0029】また、前記電子放出素子は、表面伝導型電
子放出素子である上記電子源の検査方法又は画像形成装
置の検査方法でもある。
【0030】また、前記画像形成部材は、蛍光体である
画像形成装置の検査方法でもある。
【0031】また、複数個の電子放出素子を用いた電子
源を作成する各工程における電子源の検査装置におい
て、 a)当該検査が検査対象とする前記電子源において、当
該検査以前になされた前検査の検査結果を1つ以上読み
込む前検査結果読み込み手段; b)前記前検査結果読み込み手段により読み込んだ検査
結果と設計値の値との差分が大きい箇所を当該検査にお
ける優先順位の高い検査箇所とする優先順位決定手段; c)前記優先順位決定手段により決定した検査箇所の優
先順位にしたがって当該検査を行う検査手段; d)前記当該検査の結果、発見された欠陥の数が所定数
以上になった時点で検査を終了する手段; を備えることを特徴とする電子源の検査装置でもある。
【0032】また、複数の電子放出素子を配置した電子
源と、該電子源から放出される電子により画像を形成す
る画像形成部材とを有する画像形成装置の検査装置にお
いて、上記電子源の検査装置を有することを特徴とする
画像形成装置の検査装置でもある。
【0033】また、複数の電子放出素子を配置した電子
源の検査装置において、前検査で測定した電子放出素子
の素子抵抗とその設計値との差分を計算する手段と、該
差分の大きい素子から優先的に次検査の点灯検査を行う
手段と、該点灯検査の結果、欠陥画素が所定数以上ある
場合、その時点で不良と判断し以降の点灯検査を中止す
る手段と、を有することを特徴とする電子源の検査装置
でもある。
【0034】また、前記電子源を複数の領域に分割し、
それぞれの領域中において、前記差分を総和し、求めた
総和が大きい領域ほど次検査の優先順位が高いものとす
る手段を有することを特徴とする電子源の検査装置でも
ある。
【0035】また、複数の電子放出素子を配置した電子
源と、該電子源と対向して配置され、前記電子放出素子
からの放出電子を加速する高圧電極及び該放出電子によ
り画像を形成する画像形成部材を備えたフェースプレー
トと、前記高圧電極と電気的に接続され、かつ前記電子
源と前記フェースプレートとの間に設けられた構造支持
体と、前記構造支持体に電圧を供給する配線と、を備え
を備えた画像形成装置の検査装置において、前記構造支
持体の抵抗値と該抵抗の設計値との差を計算する手段
と、該差が大きい前記構造支持体が多く存在する領域か
ら優先的に点灯検査を行う手段と、を有することを特徴
とする画像形成装置の検査装置でもある。
【0036】また、上記いずれかに記載の電子源の検査
方法をコンピュータに行わせるためのコンピュータプロ
グラムを記録したことを特徴とする記録媒体でもある。
【0037】また、上記のいずれかに記載の画像形成装
置の検査方法をコンピュータに行わせるためのコンピュ
ータプログラムを記録したことを特徴とする記録媒体で
もある。
【0038】
【発明の実施の形態】本発明を適用した実施例を示すの
に先立ち、実施例で取り扱う表面伝導型放出素子を用い
たマルチ電子ビーム源の応用である画像表示装置の構成
および製造方法の概略について以下で説明する。
【0039】(1)画像形成装置概要 図10は、実施例に用いた画像形成装置の斜視図であ
り、内部構造を示すためにパネルの一部を切り欠いて示
している。
【0040】図中、1015はリアプレート、1016
は側壁、1017はフェースプレートであり、1015
〜1017により画像表示装置の内部を真空に維持する
ための気密容器を形成している。気密容器を組み立てる
にあたっては、各部材の接合部に十分な強度と気密性を
保持させるため封着する必要があるが、例えばフリット
ガラスを接合部に塗布し、大気中あるいは窒素雰囲気中
で、摂氏400〜500度で10分以上焼成することに
より封着を達成した。気密容器内部を真空に排気する方
法については後述する。また、上記気密容器の内部は1
0のマイナス6乗[Torr]程度の真空に保持される
ので、大気圧や不意の衝撃などによる気密容器の破壊を
防止する目的で、構造支持体として、スペーサ1020
が設けられている。
【0041】リアプレート1015には、基板1011
が固定されているが、該基板上には表面伝導型放出素子
1012がN×M個形成されている(N,Mは2以上の
正の整数であり、目的とする表示画素数に応じて適宜設
定される。たとえば、高品位テレビジョンの表示を目的
とした画像表示装置においては、N=3000,M=1
000以上の数を設定することが望ましい。本実施例で
はN=3072,M=1024とした。)。前記N×M
個の表面伝導型放出素子は、M本の行方向配線1013
とN本の列方向配線1014により単純マトリクス配線
されている。前記、1011〜1014によって構成さ
れる部分をマルチ電子ビーム源(電子源)と呼ぶ。
【0042】図13に示すのは、図10の画像表示装置
に用いたマルチ電子ビーム源の平面図である。基板10
11上には、後述の図14で示すものと同様な表面伝導
型放出素子が配列され、これらの素子は行方向配線10
13と列方向配線1014により単純マトリクス状に配
線されている。行方向配線1013および列方向配線1
014の交差する部分には、電極間に絶縁層(不図示)
が形成されており、電気的な絶縁が保たれている。
【0043】なお、このような構造のマルチ電子ビーム
源は、あらかじめ基板上に行方向配線1013、列方向
配線1014、電極間絶縁層(不図示)、および表面伝
導型放出素子の素子電極と導電性薄膜を形成した後、行
方向配線1013および列方向配線1014を介して各
素子に給電して通電フォーミング処理(後述)と通電活
性化処理(後述)を行うことにより製造した。
【0044】本実施例においては、気密容器のリアプレ
ート1015にマルチ電子ビーム源の基板1011を固
定する構成としたが、マルチ電子ビーム源の基板101
1が十分な強度を有するものである場合には、気密容器
のリアプレートとしてマルチ電子ビーム源の基板101
1自体を用いてもよい。
【0045】また、フェースプレート1017の下面に
は、画像形成部材として蛍光膜1018が形成されてい
る。画像形成部材としては、蛍光体に限ることはなく、
潜像を形成する部材を用いることもできる。本実施例は
カラー画像表示装置であるため、蛍光膜1018の部分
にはCRTの分野で用いられる赤、緑、青、の3原色の
蛍光体が塗り分けられている。各色の蛍光体は、たとえ
ば図12の(a)に示すようにストライプ状に塗り分け
られ、蛍光体のストライプの間には黒色の導電体101
0が設けてある。黒色の導電体1010を設ける目的
は、電子ビームの照射位置に多少のずれがあっても表示
色にずれが生じないようにする事や、外光の反射を防止
して表示コントラストの低下を防ぐ事、電子ビームによ
る蛍光膜のチャージアップを防止する事などである。黒
色の導電体1010には、黒鉛を主成分として用いた
が、上記の目的に適するものであればこれ以外の材料を
用いても良い。
【0046】また、3原色の蛍光体の塗り分け方は前記
図12(a)に示したストライプ状の配列に限られるも
のではなく、たとえば図12(b)に示すようなデルタ
状配列や、それ以外の配列であってもよい。
【0047】なお、モノクロームの画像表示装置を作成
する場合には、単色の蛍光体材料を蛍光膜1018に用
いればよく、また黒色導電材料は必ずしも用いなくとも
よい。
【0048】また、蛍光膜1018のリアプレート側の
面には、CRTの分野では公知のメタルバック1019
を設けてある。メタルバック1019を設けた目的は、
蛍光膜1018が発する光の一部を鏡面反射して光利用
率を向上させる事や、負イオンの衝突から蛍光膜101
8を保護する事や、電子ビーム加速電圧を印加するため
の電極として作用させる事や、蛍光膜1018を励起し
た電子の導電路として作用させる事などである。メタル
バック1019は、蛍光膜1018をフェースプレート
基板1017上に形成した後、蛍光膜表面を平滑化処理
し、その上にAlを真空蒸着する方法により形成した。
なお、蛍光膜1018に低電圧用の蛍光体材料を用いた
場合には、メタルバック1019は用いない。
【0049】また、本実施例では用いなかったが、加速
電圧の印加用や蛍光膜の導電性向上を目的として、フェ
ースプレート基板1017と蛍光膜1018との間に、
たとえばITOを材料とする透明電極を設けてもよい。
【0050】図11は図10のA−A′の断面模式図で
ある。スペーサ1020は前述した大気圧や不意の衝撃
などによる気密容器の破壊を防止する目的に必要な数だ
け、かつ必要な間隔をおいて基板1011およびフェー
スプレート1017との間に配置している。
【0051】ところでスペーサ1020は、スペーサ1
020の近傍から放出された電子の一部が当たること、
あるいは放出電子の作用でイオン化したイオンが付着す
ること、またはフェースプレートに到達した電子が一部
反射散乱されその一部が当たること、などの理由により
帯電を起こすことがある。このような帯電が生じた場
合、表面伝導型放出素子から放出された電子はその軌道
を曲げられ、蛍光体上の正規な位置とは異なる場所に到
達し、スペーサ1020近傍の画像がゆがんで表示され
る。
【0052】よってスペーサ1020は、帯電を防止す
るためその表面に常時微少電流を流すことが好ましく、
かつ基板1011とフェースプレート1017との間に
印加される高電圧に耐えるだけの絶縁性を有する必要が
ある。そのためスペーサ1020を以下のように構成し
ている。
【0053】スペーサ1020は絶縁性部材1の表面に
高抵抗膜2を成膜し、上下端面および接する側面部に低
抵抗膜3を成膜した部材によって構成している。このよ
うな構成のスペーサ1020をフェースプレート(内側
のメタルバック1019)および基板1011の表面
(行方向配線1013)に導電性を持つ接合材4により
機械的かつ電気的に接続した。このような構成によりス
ペーサ表面に微弱電流を流し、かつ高電圧に耐えるだけ
の絶縁性を有することを実現している。なお本実施例で
はスペーサ1020と行方向配線1013を電気的に接
続したが、列方向配線1014または別の配線を設けそ
れらと電気的に接続してもよい。
【0054】Dx1〜DxmおよびDy1〜Dynおよ
びHvは、当該画像表示装置と不図示の電気回路とを電
気的に接続するために設けた気密構造の電気接続用端子
である。Dx1〜Dxmはマルチ電子ビーム源の行方向
配線1013と、Dy1〜Dynはマルチ電子ビーム源
の列方向配線1014と、Hvはフェースプレートのメ
タルバック1019と電気的に接続している。
【0055】また、気密容器内部を真空に排気するに
は、気密容器を組み立てた後、不図示の排気管と真空ポ
ンプとを接続し、気密容器内を10のマイナス7乗[T
orr]程度の真空度まで排気する。その後、排気管を
封止するが、気密容器内の真空度を維持するために、封
止の直前あるいは封止後に気密容器内の所定の位置にゲ
ッター膜(不図示)を形成する。ゲッター膜とは、例え
ばBaを主成分とするゲッター材料をヒーターもしくは
高周波加熱により加熱し蒸着して形成した膜であり、該
ゲッター膜の吸着作用により気密容器内は1×10マイ
ナス5乗ないしは1×10マイナス7乗[Torr]の
真空度に維持される。
【0056】以上説明した画像表示装置は、容器外端子
Dx1ないしDxm、Dy1ないしDynを通じて各表
面伝導型放出素子1012に電圧を印加すると、各表面
伝導型放出素子1012から電子が放出される。それと
同時にメタルバック1019に容器外端子Hvを通じて
数百[V]ないし数[kV]の高圧を印加して、上記放
出された電子を加速し、フェースプレート1017の内
面に衝突させる。これにより、蛍光膜1018をなす各
色の蛍光体が励起されて発光し、画像が表示される。
【0057】通常、表面伝導型放出素子への1012へ
の印加電圧は12〜16[V]程度、メタルバック10
19と表面伝導型放出素子1012との距離dは0.1
[mm]から8[mm]程度、メタルバック1019と
表面伝導型放出素子1012間の電圧0.1[kV]か
ら10[kV]程度である。
【0058】以上、本発明の実施例の画像表示装置の概
要を説明した。
【0059】(2)マルチ電子ビーム源の製造方法 (表面伝導型放出素子の好適な素子構成と製法)電子放
出部もしくはその周辺部を微粒子膜から形成する表面伝
導型放出素子の代表的な構成には、平面型と垂直型の2
種類があげられる。本実施例では平面型の表面伝導型放
出素子を用いている。
【0060】(平面型の表面伝導型放出素子)ここで
は、平面型の表面伝導型放出素子の素子構成と製法につ
いて説明する。図14に示すのは、平面型の表面伝導型
放出素子の構成を説明するための平面図(a)および断
面図(b)である。図中、1101は基板、1102と
1103は素子電極、1104は導電性薄膜、1105
は通電フォーミング処理により形成した電子放出部、1
113は通電活性化処理により形成した薄膜である。
【0061】基板1101としては、たとえば、石英ガ
ラスや青板ガラスをはじめとする各種ガラス基板や、ア
ルミナをはじめとする各種セラミクス基板、あるいは上
述の各種基板上にたとえばSiO2を材料とする絶縁層
を積層した基板、などを用いることができる。
【0062】また、基板1101上に基板面と平行に対
向して設けられた素子電極1102と1103は、導電
性を有する材料によって形成されている。たとえば、N
i,Cr,Au,Mo,W,Pt,Ti,Cu,Pd,
Ag等をはじめとする金属、あるいはこれらの金属の合
金、あるいはIn2 3 −SnO2をはじめとする金属
酸化物、ポリシリコンなどの半導体、などの中から適宜
材料を選択して用いればよい。電極を形成するには、た
とえば真空蒸着などの成膜技術とフォトリソグラフィ
ー、エッチングなどのパターニング技術を組み合わせて
用いれば容易に形成できるが、それ以外の方法(たとえ
ば印刷技術)を用いて形成してもさしつかえない。
【0063】素子電極1102と1103の形状は、当
該電子放出素子の応用目的に合わせて適宜設計される。
一般的には、電極間隔Lは通常は数百オングストローム
から数百マイクロメーターの範囲から適当な数値を選ん
で設計されるが、なかでも画像表示装置に応用するため
に好ましいのは数マイクロメーターより数十マイクロメ
ーターの範囲である。また、素子電極の厚さdについて
は、通常は数百オングストロームから数マイクロメータ
ーの範囲から適当な数値が選ばれる。
【0064】また、導電性薄膜1104の部分には、微
粒子膜を用いる。ここで述べた微粒子膜とは、構成要素
として多数の微粒子を含んだ膜(島状の集合体も含む)
のことをさす。微粒子膜を微視的に調べれば、通常は、
個々の微粒子が離間して配置された構造か、あるいは微
粒子が互いに隣接した構造か、あるいは微粒子が互いに
重なり合った構造が観測される。
【0065】微粒子膜に用いた微粒子の粒径は、数オン
グストロームから数千オングストロームの範囲に含まれ
るものであるが、なかでも好ましいのは10オングスト
ロームから200オングストロームの範囲のものであ
る。また、微粒子膜の膜厚は、以下に述べるような諸条
件を考慮して適宜設定される。すなわち、素子電極11
02あるいは1103と電気的に良好に接続するのに必
要な条件、後述する通電フォーミングを良好に行うのに
必要な条件、微粒子膜自身の電気抵抗を後述する適宜の
値にするために必要な条件、などである。具体的には、
数オングストロームから数千オングストロームの範囲の
なかで設定するが、なかでも好ましいのは10オングス
トロームから500オングストロームの間である。
【0066】また、微粒子膜を形成するのに用いられう
る材料としては、たとえば、Pd,Pt,Ru,Ag,
Au,Ti,In,Cu,Cr,Fe,Zn,Sn,T
a,W,Pb、などをはじめとする金属や、PdO,S
nO2 ,In2 3 ,PbO,Sb2 3 、などをはじ
めとする酸化物や、HfB2 ,ZrB2 ,LaB6 ,C
eB6 ,YB4 ,GdB4 、などをはじめとする硼化物
や、TiC,ZrC,HfC,TaC,SiC,WC、
などをはじめとする炭化物や、TiN,ZrN,Hf
N、などをはじめとする窒化物や、Si,Ge、などを
はじめとする半導体や、カーボン、などがあげられ、こ
れらの中から適宜選択される。
【0067】以上述べたように、導電性薄膜1104を
微粒子膜で形成したが、そのシート抵抗値については、
10の3乗から10の7乗[オーム/sq]の範囲に含
まれるよう設定した。
【0068】なお、導電性薄膜1104と素子電極11
02および1103とは、電気的に良好に接続されるの
が望ましいため、互いの一部が重なりあうような構造を
とっている。その重なり方は、図14の例においては、
下から、基板、素子電極、導電性薄膜の順序で積層した
が、場合によっては下から基板、導電性薄膜、素子電
極、の順序で積層してもさしつかえない。
【0069】また、電子放出部1105は、導電性薄膜
1104の一部に形成された亀裂状の部分であり、電気
的には周囲の導電性薄膜よりも高抵抗な性質を有してい
る。亀裂は、導電性薄膜1104に対して、後述する通
電フォーミングの処理を行うことにより形成する。亀裂
内には、数オングストロームから数百オングストローム
の粒径の微粒子を配置する場合がある。なお、実際の電
子放出部の位置や形状を精密かつ正確に図示するのは困
難なため、図14においては模式的に示した。
【0070】また、薄膜1113は、炭素もしくは炭素
化合物よりなる薄膜で、電子放出部1105およびその
近傍を被覆している。薄膜1113は、通電フォーミン
グ処理後に、後述する通電活性化の処理を行うことによ
り形成する。
【0071】薄膜1113は、単結晶グラファイト、多
結晶グラファイト、非晶質カーボン、のいずれかか、も
しくはその混合物であり、膜厚は500[オングストロ
ーム]以下とするが、300[オングストローム]以下
とするのがさらに好ましい。なお、実際の薄膜1113
の位置や形状を精密に図示するのは困難なため、図14
においては模式的に示した。また、平面図(a)におい
ては、薄膜1113の一部を除去した素子を図示した。
【0072】以上、好ましい素子の基本構成を述べた
が、実施例においては以下のような素子を用いた。
【0073】すなわち、基板1101には青板ガラスを
用い、素子電極1102と1103にはNi薄膜を用い
た。素子電極の厚さdは1000[オングストロー
ム]、電極間隔Lは2[マイクロメーター]とした。
【0074】微粒子膜の主要材料としてPdもしくはP
dOを用い、微粒子膜の厚さは約100[オングストロ
ーム]、幅Wは100[マイクロメーター]とした。
【0075】次に、好適な平面型の表面伝導型放出素子
の製造方法について説明する。
【0076】図15の(a)〜(d)は、表面伝導型放
出素子の製造工程を説明するための断面図で、各部材の
表記は前記図14と同一である。
【0077】1)まず、図15(a)に示すように、基
板1101上に素子電極1102および1103を形成
する。
【0078】形成するにあたっては、あらかじめ基板1
101を洗剤、純水、有機溶剤を用いて十分に洗浄後、
素子電極の材料を堆積させる。(堆積する方法として
は、たとえば、蒸着法やスパッタ法などの真空成膜技術
を用いればよい。)その後、堆積した電極材料を、フォ
トリソグラフィー・エッチング技術を用いてパターニン
グし、(a)に示した一対の素子電極(1102と11
03)を形成する。
【0079】2)次に、同図(b)に示すように、導電
性薄膜1104を形成する。
【0080】形成するにあたっては、まず前記(a)の
基板に有機金属溶液を塗布して乾燥し、加熱焼成処理し
て微粒子膜を成膜した後、フォトリソグラフィー・エッ
チングにより所定の形状にパターニングする。ここで、
有機金属溶液としては、導電性薄膜に用いる微粒子の材
料を主要元素とする有機金属化合物の溶液である(具体
的には、本実施例では主要元素としてPdを用いた。ま
た、実施例では塗布方法として、ディッピング法を用い
たが、それ以外のたとえばスピンナー法やスプレー法を
用いてもよい。)。
【0081】また、微粒子膜で作られる導電性薄膜の成
膜方法としては、本実施例で用いた有機金属溶液の塗布
による方法以外の、たとえば真空蒸着法やスパッタ法、
あるいは化学的気相堆積法などを用いる場合もある。
【0082】3)次に、同図(c)に示すように、フォ
ーミング用電源1110から素子電極1102と110
3の間に適宜の電圧を印加し、通電フォーミング処理を
行って、電子放出部1105を形成する。
【0083】通電フォーミング処理とは、微粒子膜で作
られた導電性薄膜1104に通電を行って、その一部を
適宜に破壊、変形、もしくは変質せしめ、電子放出を行
うのに好適な構造に変化させる処理のことである。微粒
子膜で作られた導電性薄膜のうち電子放出を行うのに好
適な構造に変化した部分(すなわち電子放出部110
5)においては、薄膜に適当な亀裂が形成されている。
なお、電子放出部1105が形成される前と比較する
と、形成された後は素子電極1102と1103の間で
計測される電気抵抗は大幅に増加する。
【0084】通電方法をより詳しく説明するために、図
16に、フォーミング用電源1110から印加する適宜
の電圧波形の一例を示す。微粒子膜で作られた導電性薄
膜をフォーミングする場合には、パルス状の電圧が好ま
しく、本実施例の場合には同図に示したようにパルス幅
T1の三角波パルスをパルス間隔T2で連続的に印加し
た。その際には、三角波パルスの波高値Vpfを、順次
昇圧した。また、電子放出部1105の形成状況をモニ
ターするためのモニターパルスPmを適宜の間隔で三角
波パルスの間に挿入し、その際に流れる電流を電流計1
111で計測した。
【0085】実施例においては、たとえば10のマイナ
ス5乗[torr]程度の真空雰囲気下において、たと
えばパルス幅T1を1[ミリ秒]、パルス間隔T2を1
0[ミリ秒]とし、波高値Vpfを1パルスごとに0.
1[V]ずつ昇圧した。そして、三角波を5パルス印加
するたびに1回の割りで、モニターパルスPmを挿入し
た。フォーミング処理に悪影響を及ぼすことがないよう
に、モニターパルスの電圧Vpmは0.1[V]に設定
した。そして、素子電極1102と1103の間の電気
抵抗が1×10の6乗[オーム]になった段階、すなわ
ちモニターパルス印加時に電流計1111で計測される
電流が1×10のマイナス7乗[A]以下になった段階
で、フォーミング処理にかかわる通電を終了した。
【0086】なお、上記の方法は、本実施例の表面伝導
型放出素子に関する好ましい方法であり、たとえば微粒
子膜の材料や膜厚、あるいは素子電極間隔Lなど表面伝
導型放出素子の設計を変更した場合には、それに応じて
通電の条件を適宜変更するのが望ましい。
【0087】4)次に、図15の(d)に示すように、
活性化用電源1112から素子電極1102と1103
の間に適宜の電圧を印加し、通電活性化処理を行って、
電子放出特性の改善を行う。
【0088】通電活性化処理とは、前記通電フォーミン
グ処理により形成された電子放出部1105に適宜の条
件で通電を行って、その近傍に炭素もしくは炭素化合物
を堆積せしめる処理のことである。(図においては、炭
素もしくは炭素化合物よりなる堆積物を部材1113と
して模式的に示した。)なお、通電活性化処理を行うこ
とにより、行う前と比較して、同じ印加電圧における放
出電流を典型的には100倍以上に増加させることがで
きる。
【0089】具体的には、10のマイナス4乗ないし1
0のマイナス5乗[torr]の範囲内の真空雰囲気中
で、電圧パルスを定期的に印加することにより、真空雰
囲気中に存在する有機化合物を起源とする炭素もしくは
炭素化合物を堆積させる。堆積物1113は、単結晶グ
ラファイト、多結晶グラファイト、非晶質カーボン、の
いずれかか、もしくはその混合物であり、膜厚は500
[オングストローム]以下、より好ましくは300[オ
ングストローム]以下である。
【0090】通電方法をより詳しく説明するために、図
17の(a)に、活性化用電源1112から印加する適
宜の電圧波形の一例を示す。本実施例においては、一定
電圧の矩形波を定期的に印加して通電活性化処理を行っ
たが、具体的には、矩形波の電圧Vacは14[V]、
パルス幅T3は1[ミリ秒]、パルス間隔T4は10
[ミリ秒]とした。なお、上述の通電条件は、本実施例
の表面伝導型放出素子に関する好ましい条件であり、表
面伝導型放出素子の設計を変更した場合には、それに応
じて条件を適宜変更するのが望ましい。
【0091】図15の(d)に示す1114は該表面伝
導型放出素子から放出される放出電流Ieを捕捉するた
めのアノード電極で、直流高電圧電源1115および電
流計1116が接続されている。(なお、基板1101
を、画像表示装置の中に組み込んでから活性化処理を行
う場合には、画像表示装置の蛍光面をアノード電極11
14として用いる。)活性化用電源1112から電圧を
印加する間、電流計1116で放出電流Ieを計測して
通電活性化処理の進行状況をモニターし、活性化用電源
1112の動作を制御する。電流計1116で計測され
た放出電流Ieの一例を図17(b)に示すが、活性化
電源1112からパルス電圧を印加しはじめると、時間
の経過とともに放出電流Ieは増加するが、やがて飽和
してほとんど増加しなくなる。このように、放出電流I
eがほぼ飽和した時点で活性化用電源1112からの電
圧印加を停止し、通電活性化処理を終了する。
【0092】なお、上述の通電条件は、本実施例の表面
伝導型放出素子に関する好ましい条件であり、表面伝導
型放出素子の設計を変更した場合には、それに応じて条
件を変更するのが望ましい。
【0093】以上のようにして、図15(e)に示す平
面型の表面伝導型放出素子を製造した。
【0094】(画像表示装置に用いた表面伝導型放出素
子の特性)図18に、画像表示装置に用いた素子の、
(放出電流Ie)対(素子印加電圧Vf)特性、および
(素子電流If)対(素子印加電圧Vf)特性の典型的
な例を示す。なお、放出電流Ieは素子電流Ifに比べ
て著しく小さく、同一尺度で図示するのが困難であるう
え、これらの特性は素子の大きさや形状等の設計パラメ
ータを変更することにより変化するものであるため、2
本のグラフは各々任意単位で図示した。
【0095】画像表示装置に用いた表面伝導型放出素子
は、放出電流Ieに関して以下に述べる3つの特性を有
している。
【0096】第一に、ある電圧(これを閾値電圧Vth
と呼ぶ)以上の大きさの電圧を表面伝導型放出素子に印
加すると急激に放出電流Ieが増加するが、一方、閾値
電圧Vth未満の電圧では放出電流Ieはほとんど検出
されない。すなわち、放出電流Ieに関して、明確な閾
値電圧Vthを持った非線形素子である。
【0097】第二に、放出電流Ieは表面伝導型放出素
子に印加する電圧Vfに依存して変化するため、電圧V
fで放出電流Ieの大きさを制御できる。
【0098】第三に、表面伝導型放出素子に印加する電
圧Vfに対して放出される電流Ieの応答速度が速いた
め、電圧Vfを印加する時間の長さによって表面伝導型
放出素子から放出される電子の電荷量を制御できる。
【0099】以上のような特性を有するため、表面伝導
型放出素子を画像表示装置に好適に用いることができ
た。第一の特性を利用すれば、表示画面を順次走査して
表示を行うことが可能である。すなわち、駆動中の表面
伝導型放出素子には所望の発光輝度に応じて閾値電圧V
th以上の電圧を適宜印加し、非選択状態の表面伝導型
放出素子には閾値電圧Vth未満の電圧を印加する。駆
動する表面伝導型放出素子を順次切り替えてゆくことに
より、表示画面を順次走査して表示を行うことが可能で
ある。
【0100】また、第二の特性かまたは第三の特性を利
用することにより、発光輝度を制御することができるた
め、階調表示を行うことが可能である。
【0101】以上、本実施例で扱う画像表示装置の構成
および作成方法について説明した。
【0102】
【実施例】[実施例1]実施例1では、画像表示装置の
点灯検査において本発明を適用した例を示す。ここで、
述べる点灯検査は、画素の発光輝度測定および測定値の
設計値との比較を行い画素の欠陥を抽出するものであ
る。画像表示装置の不良品判断は点灯検査で抽出した欠
陥画素の数が所定数以上か否かにより行う。
【0103】本実施例の点灯検査では、検査時間を短縮
する目的を達成するため以下のような手順を取る。ま
ず、点灯検査に先立ち行った、通電フォーミング前にお
ける表面伝導型放出素子の導電性薄膜の電気抵抗値(以
下素子抵抗と略す)の検査結果を読み込む。次に、読み
込んだ検査結果により点灯検査を行う箇所の優先順位を
決定する。最後に、前記の優先順位にしたがって点灯検
査を行う。
【0104】以下で上記の点灯検査の方法を具体的に説
明していく。説明の順序として、最初に、素子抵抗と画
素の発光輝度の関係について説明する。次に本発明を適
用した点灯検査の方法および検査時間を短縮できる理由
を説明する。最後に本発明を適用した点灯検査の方法を
説明する。
【0105】(1)素子抵抗と画素の発光輝度の関係 先に説明したように、表面伝導型放出素子においては通
電フォーミング処理により電子放出部に適当な亀裂を生
じさせている。ところで、通電フォーミングにより形成
される亀裂の形態(亀裂の幅、長さ等)が素子抵抗の値
により異なる場合がある事を発明者らは確認している。
亀裂の形態の違いは、素子抵抗の違いによって同一電圧
を印加した場合でもそこを流れる電流に違いが生じるこ
とが一因だと考えている。
【0106】このような電子放出部の亀裂の形態の違い
があると、同一電圧を印加したとしても例えば、電子放
出部の電界強度が異なるため、電子放出量にも違いが出
てしまう。結果、電子放出量と密接な相関を持つ画素の
発光輝度にも違いが生ずる事になる。
【0107】(2)点灯検査時間を短縮できる理由 (1)では、素子抵抗と画素の発光輝度には相関性があ
る事を説明した。本発明の点灯検査ではこの事実を利用
して検査時間の短縮を図っている。つまり点灯検査によ
り欠陥とされる画素の位置は、点灯検査に先立ち行った
素子抵抗の検査結果からある程度予測可能である。よっ
て素子抵抗とその設計値との差の大きさに応じて点灯検
査を行う箇所の優先順位づけを行い、それを元に点灯検
査を行えば、欠陥とされる画素の発見を速やかに行うこ
とができる。つまり欠陥画素が所定数以上ある画像表示
装置(不良品)である場合、画像表示装置の一部の画素
について点灯検査を行った段階で、所定数個以上の欠陥
とされる画素が抽出される可能性が大きく、その時点で
不良と判断し以降の点灯検査を中止することができる
(不良品と判断された後検査を続行する意味がないた
め)。
【0108】結果として、検査箇所の優先順位を付けず
全画素について順次点灯検査を行う従来の方法に比べ画
像表示装置の不良品を検出するのに要する時間を大幅に
短縮する事が可能になる。
【0109】(3)本発明を適用した点灯検査の具体的
方法 まず本発明を適用した点灯検査を行うまでの画像表示装
置の作成手順を図3を用いて簡単に示す。
【0110】S301で基板上に配線、素子電極、導電
性薄膜を形成する。これらの作成プロセスについてはす
でに説明した。S302ではS301で作成した導電性
薄膜の電気抵抗値(素子抵抗)の測定を行う。ここで素
子抵抗の測定方法について図4で説明する。
【0111】図4は、マルチ電子ビーム源と素子抵抗測
定装置を模式的に表した図である。401は表面伝導型
放出素子、402は行方向配線素子間の抵抗である。4
03は列方向配線素子間の抵抗である。行方向配線およ
び列方向配線の抵抗は、十分な均一性を持つため、素子
間の抵抗値RylineおよびRxlineの値は区間
の位置によらず一定であるとしている。404は行方向
配線側の電流計であり、各行方向配線とグランドの間に
設けている。405は列方向配線側の電流計であり、直
流電源406を介しグランドに接続している。電流計4
06は測定対象とする素子のある列方向配線に、リレー
などでスイッチング素子407を介して接続する。
【0112】このような装置で、例えばp行q列目に配
置された表面伝導型放出素子の素子抵抗Rpqを求める
方法を説明する。
【0113】まず直流電源406からVinなる電圧を
列方向配線q列目に印加する。本実施例ではVinの電
圧としてDC1〜2[V]の電圧を用いている。また、
列方向配線はq列目以外はすべて開放とし、選択列以外
に電流が流れこまないようにした。この時の素子抵抗R
pq近傍の回路方程式は、以下のように表わせる。
【0114】 Rpq=(Vx(p)−Vy(p))/Iy(p) (1) Vy(p)=Iy(p)×Ryline×q (2) Vx(p)=Vx(p+1)−Ix(p)×Rxline (3) Ix(p)=Ix(p+1)−Iy(p+1) (4) 式(1)において、Iy(p)は行方向配線p行目の電
流計で測定可能であるので、Vy(p)およびVx
(p)を決定すれば、素子抵抗Rpqは決定される。
【0115】式(2)においてVy(p)は、Ryli
neおよびqが固定値であり、さらにIy(p)の値が
測定可能であるので計算可能である。
【0116】式(3)および式(4)からVx(p)
は、Vx(p)とIx(p)のpによる漸化式となって
いることが分かる。よってk=m行目からk=p+1行
目までのVx(k)とIx(k)を順次解くことによっ
て、Vx(p)を算出することができる。
【0117】つまり、列方向配線q行目にVinなる電
圧を印加し、行方向配線p+1行目から行方向配線m行
目に流れ込む電流と、列方向配線q列目に流れ込む電流
を測定し、その測定値から回路方程式の漸化式順次解く
ことにより素子抵抗Rpqを求めることができる。な
お、上記の計算および素子抵抗測定装置の制御は不図示
の制御用コンピュータを設け、ソフトウエアの処理によ
り行った。以上説明したような方法によってマルチ電子
ビーム源の全表面伝導型放出素子について素子抵抗の測
定を行った。
【0118】素子抵抗を測定した後、S303で気密容
器の封着を行い、S304で通電フォーミング処理、S
305で通電活性化処理を行う。これら作成プロセスに
ついては先に説明したのでここで詳しくは述べない。最
後にS306で本発明を適用した点灯検査を行う。
【0119】本発明を適用した点灯検査は図2に示すよ
うな装置により行った。図中201は検査対象の画像表
示装置である。画像表示装置201の容器外端子HVに
は直流高圧電源208を接続している。行方向配線は個
々に配線切り替え器Ro204に接続している。配線切
り替え器Roはリレーなどのスイッチング素子を介して
パルス発生器Ro205およびグランドに接続してお
り、各行方向配線に対し電圧パルスの印加とグランドへ
の接続を行える構成にしている。列方向配線にも、行方
向配線に接続しているものと同一な回路構成の配線切り
替え器Co206を接続している。画像表示装置201
の表示面鉛直前方には、CCDカメラ203を搭載した
リニアモータ駆動のXYステージ202を配置してい
る。XYステージ202によりCCDカメラ203は画
像表示装置の表示面と平行な平面上を移動することがで
きるようにしてある。上記のCCDカメラ203、XY
ステージ202、配線切り替え器Ro204および配線
切り替え器Co206はそれぞれ制御装置209と接続
してあり、制御命令を受けとったり、測定データを転送
したりすることができるようにしている。なお制御装置
209はパーソナルコンピュータで構成しており、機器
との接続はGPIB等のインターフェイスを用いた。
【0120】このような装置を用い、本発明を適用した
点灯検査は図1のような手順により実施した。
【0121】S1では点灯検査に先立ち行った素子抵抗
の測定値(検査結果)を制御装置209のメモリに読み
込む。本実施例では、素子抵抗の測定値およびその表面
伝導型放出素子の位置の情報をデジタル化したものを磁
気ディスクで読み込んだ。
【0122】S2では各表面伝導型放出素子の素子抵抗
と所定定数(素子抵抗の設計値)との差分を算出する。
本実施例では素子抵抗の設計値は4KΩとした。
【0123】S3ではS2で算出した差分の大きさに応
じて点灯検査を行う位置の優先順位を決定し、その結果
を優先順位の高い順にならべたテーブルにし制御装置2
09のメモリに収納した。具体的には、まず図5に示す
ように画像表示装置501の表示面をCCDカメラの視
野と同じ大きさの領域に仮想的に分割した。本実施例で
は列方向×行方向が1024×512の6つの領域、領
域1〜領域6に分割した。次に領域1〜領域6の領域中
においてS2でもとめた差分を総和する。求めた総和が
大きい領域ほど優先順位が高いものとし、優先順位が高
い順に領域1〜領域6をならべたテーブルを作成した。
このようにすれば、素子抵抗と設計値の差が大きい表面
伝導型放出素子が多く存在する領域、つまり欠陥が多く
出る可能性の高い順に領域をならべることができる。
【0124】なお、S1〜S3の手順は制御装置209
のソフトウエアによって実行した。
【0125】S4では、S3で作成したテーブルにした
がって点灯検査を行う。具体的な手順は図6を用いて説
明する。
【0126】S601では点灯検査をしていない領域の
うち、S3で作成したテーブルで優先順位の一番高い領
域が視野におさまるようCCDカメラ203をXYステ
ージ202により移動する。
【0127】S602で画像表示装置201のうちCC
Dカメラ203が上方にある領域内の画素から発光をさ
せる。そのためにCCDカメラ203が上方にある領域
内の表面伝導型放出素子に電子放出を起こさせるための
電圧Vfのパルスを印加する。例えば図5の領域1に電
圧Vfのパルスを印加する場合、配線切り替え器Ro2
04によって行方向配線1〜512をパルス発生器Ro
205に接続し、他の行方向配線をグランドに接続す
る。また配線切り替え器Co206によって列方向配線
1〜1024をパルス発生器Co207に接続し、他の
列方向配線をグランドに接続する。同時にパルス発生器
Ro205から電圧−Vf/2のパルス、パルス発生器
Co207から電圧+Vf/2のパルスを印加する。こ
のようにすると領域1に差し引きで電圧Vfのパルスを
印加することができる。この時領域2、3、5に電圧が
Vf/2のパルスが印加される事になる。そこで、電圧
Vfを前述した表面伝導型放出素子のしきい値電圧Vt
h以上に、電圧Vf/2の値がVth以下になるように
設定しておく必要がある。このようにすれば領域2、
3、5の画素が発光することはない。本実施例ではVf
=15.0[V]、Vf/2=7.5[V]と設定して
いる。また電圧パルスの周期は16[ms]、パルス幅
0.1[ms]とし、高圧電源208からは1.0[K
V]の電圧を画像表示装置のメタルバック(高圧電極)
に印加している。
【0128】S603では、S602での電圧パルス印
加により発光した各画素個別の輝度データを取得する。
まずCCDカメラ203画素の出力の強度(画像)を制
御装置209に転送した。制御装置209ではノイズ等
の要因を取り除く目的で、CCDカメラからの画像を1
0フレームにわたり平均化する処理を行った。次に取得
した画像から画像表示装置201ブラックストライプに
当たる部分の画像を切り捨て、画像表示装置201の各
画素にあたる部分のCCDカメラ203画素の出力を総
和する事で各画素個別輝度データを取得することができ
る。
【0129】S604〜S610ではS603で取得し
た領域内の各画素個別の輝度データを元に画素の欠陥を
検出する。まずS604で輝度データと輝度の設計値の
差分を計算する。S605ではS604で算出した差分
が所定定数(本実施例では設計値の5%の値とした)以
上か否かを判断する。差分が所定定数以上の場合その画
素は欠陥であると判断し、S606で欠陥総数を1つ増
加させる。S607では求めた欠陥総数が所定定数(本
実施例では画像表示装置の全画素数の約1%である3万
個とした。)以上か否かを判断する。欠陥総数が所定定
数以上の場合その画像表示装置を不良品と判断して点灯
検査を終了する。以上S604〜S610の手順を領域
内の全画素について行う。
【0130】1つの領域の点灯検査が終了した後、S6
10〜S612の手順で次に優先順位の高い領域の点灯
検査へと進む。次の領域の点灯検査の手順もすでに説明
したS601〜S610の手順と同じである。
【0131】全領域の点灯検査が終了した後に欠陥総数
が所定定数以下の場合、画像表示装置は良品と判断(S
613)され点灯検査を終了する。
【0132】なお、以上S601〜S613の手順は制
御装置209上のソフトウエアによって行った。
【0133】以上説明したように、本発明を適用した点
灯検査では、素子抵抗と設計値の差が大きい表面伝導型
放出素子が多い領域、つまり点灯検査で欠陥が出る可能
性が高いと予想される領域から優先的に点灯検査を行
う。同時に画素の欠陥総数が所定定数以上になった時点
で点灯検査を終了するようにしている。このようにした
ことで、画像表示装置が不良品である場合、全領域にわ
たって点灯検査をする前に不良品である判断が可能であ
る場合が多く生じた。結果として各領域に対し優先順位
を定めず順次全領域の点灯検査を行う従来の方法と比較
して画像表示装置の不良品を判断する時間を大幅に短縮
することができた。
【0134】[実施例2]実施例2では、画像表示装置
の点灯検査において本発明を適用した例を示す。
【0135】本実施例の点灯検査では、点灯検査に先立
ち行った、構造支持体(スペーサー)を挟んだ高圧電極
(メタルバック)および行方向配線との間の電気抵抗値
(以下スペーサー抵抗と略す)の検査結果を読み込む。
次に、読み込んだ検査結果により点灯検査を行う箇所の
優先順位を決定する。最後に、前記の優先順位にしたが
って点灯検査を行う。
【0136】以下で上記の点灯検査の方法を具体的に説
明していく。
【0137】まず点灯検査に先立って行ったスペーサー
抵抗の測定方法について図7を用いて説明する。
【0138】図7は行方向配線m番に接続したスペーサ
ーのスペーサー抵抗Rsp(m)を測定する際の回路構
成を模式的に示したものである。図中で画像表示装置7
01の行方向配線m番は電流計703を介しグランドと
接続した。他の行方向配線および列方向配線は電気的に
何も接続しない状態にしている。画像表示装置の高圧電
極(不図示)には容器外端子HVを介し直流高圧電源7
02を接続した。なお高圧電源から印加する電圧Vaは
本実施例では1.0[kV]とした。
【0139】ところで、先に図11を用いて述べたよう
に、スペーサーは高圧電極(メタルバック)および行方
向配線と電気的に接続している。このため電流計703
で測定する電流をI(m)とすればスペーサー抵抗Rs
p(m)は Rsp(m)=Va/I(m) の様な式で算出できる。
【0140】以上のような方法を電流計703を接続す
る行方向配線を切り替えて順次行い、スペーサー抵抗の
測定を行った。
【0141】次に本発明を適用した点灯検査の方法につ
いて説明する。
【0142】本発明を適用した点灯検査は実施例1と同
じ図2に示す装置により行ったため説明は省く。
【0143】本発明を適用した点灯検査は図8のような
手順により実施した。
【0144】S801では点灯検査に先立ち行ったスペ
ーサー抵抗の測定値(検査結果)を制御装置209のメ
モリに読み込む。本実施例では、スペーサー抵抗の測定
値およびそのスペーサーの位置の情報をデジタル化した
ものを磁気ディスクで読み込んだ。
【0145】S802ではスペーサー抵抗と所定定数
(スペーサー抵抗の設計値)との差分を算出する。本実
施例ではスペーサー抵抗の設計値は10MΩとした。
【0146】S803ではS802で算出した差分の大
きさに応じて点灯検査を行う位置の優先順位を決定し、
その結果を優先順位の高い順にならべたテーブルにし制
御装置209のメモリに収納した。具体的には、図9に
示すように画像表示装置901の表示面を列方向が30
72行方向が256の大きさの領域、領域1〜領域4に
仮想的に分割した。次に領域1〜領域4の領域中におい
てS2でもとめた差分を総和する。求めた総和が大きい
領域ほど優先順位が高いものとし、優先順位が高い順に
領域1〜領域4をならべたテーブルを作成した。このよ
うにすれば、スペーサー抵抗と設計値の差が大きいスペ
ーサーが多く存在する領域、つまり欠陥が多く出る可能
性の高い順に領域をならべることができる。
【0147】ところで、スペーサー抵抗と設計値の差が
大きいとき画素の欠陥が生じる可能性が高い理由は以下
であると考えている。スペーサー抵抗が設計値とずれる
とスペーサーに流れる電流が設計と異なってしまうため
スペーサーが帯電してしまう事がある。スペーサーが帯
電するとスペーサー近傍にある表面伝導型放出素子から
の放出電子の軌道が曲げられ画素の正規な位置と異なる
場所に到達するため、スペーサー近傍の画素の輝度が正
常な場合と異なるためである。
【0148】S804では、S803で作成したテーブ
ルにしたがって点灯検査を行う。具体的な手順は実施例
1で説明した図6のS601〜S613の手順と同じで
あるので説明は省く。ただし本実施例では領域が列方向
に長い形態にしたため、領域全体をCCDカメラ203
の視野に収めることができなかった。このため各画素の
輝度の取得は領域内においてCCDカメラ203を行方
向にそって移動し複数回に分けて取得した。
【0149】なおS801〜S804の手順は制御装置
209のソフトウエアによって実行した。
【0150】以上説明したように、本発明を適用した点
灯検査では、スペーサー抵抗と設計値の差が大きいスペ
ーサーが多い領域、つまり点灯検査で欠陥が出る可能性
が高いと予想される領域から優先的に点灯検査を行う。
このようにしたことで、実施例1と同様、従来の点灯検
査方法と比較して画像表示装置の不良品を判断する時間
を大幅に短縮することができた。
【0151】また、本発明は、上述した本発明の検査方
法をコンピュータに行わせるためのコンピュータプログ
ラムを記録したCD−ROMやフロッピーディスク等の
記録媒体でもあり、本発明は、このような記録媒体か
ら、プログラムをコンピュータのメモリに読み込んでC
PUを制御することにより、容易に実施可能である。
【0152】
【発明の効果】本発明によれば、当該検査により欠陥と
される画素の位置は、当該検査に先立ち行った前検査の
検査結果からある程度予測可能であるという観点から、
前検査の検査結果とその設計値との差の大きさに応じて
当該検査を行う箇所の優先順位づけを行い、それを元に
当該検査を行うことにより、欠陥とされる画素の発見を
速やかに行うことができる。つまり欠陥画素が所定数以
上ある画像表示装置(不良品)である場合、画像表示装
置の一部の画素について点灯検査等の当該検査を行った
段階で、所定数個以上の欠陥とされる画素が抽出される
可能性が大きく、その時点で不良と判断し以降の点灯検
査を中止することができる(不良品と判断された後検査
を続行する意味がないため)。その結果、検査箇所の優
先順位を付けず全画素について順次点灯検査を行う従来
の方法に比べ検査時間を大幅に短縮する事が可能にな
る。
【0153】また、本発明によれば、点灯検査により欠
陥とされる画素の位置は、点灯検査に先立ち行った素子
抵抗の検査結果からある程度予測可能であるため、素子
抵抗とその設計値との差の大きさに応じて点灯検査を行
う箇所の優先順位づけを行い、それを元に点灯検査を行
えば、欠陥とされる画素の発見を速やかに行うことがで
きる。つまり欠陥画素が所定数以上ある画像表示装置
(不良品)である場合、画像表示装置の一部の画素につ
いて点灯検査を行った段階で、所定数個以上の欠陥とさ
れる画素が抽出される可能性が大きく、その時点で不良
と判断し以降の点灯検査を中止することができる(不良
品と判断された後検査を続行する意味がないため)。結
果として、検査箇所の優先順位を付けず全画素について
順次点灯検査を行う従来の方法に比べ画像表示装置の不
良品を検出するのに要する時間を大幅に短縮する事が可
能になる。
【0154】また、スペーサー抵抗と設計値の差が大き
いスペーサーが多い領域、つまり点灯検査で欠陥が出る
可能性が高いと予想される領域から優先的に点灯検査を
行うことにより、従来の点灯検査方法と比較して画像表
示装置の不良品を判断する時間を大幅に短縮することが
できた。
【0155】従って、本発明によれば、従来のような、
画像形成装置の大画面および高精細化に伴う画素数の増
大に伴い、電子源の全素子にわたって順次、検査する方
法に比較して、検査に要する時間を大幅に短縮すること
ができ、このため、電子源を用いた画像形成装置等の製
造コストを縮小することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した点灯検査の手順を示す図
【図2】本発明を適用した点灯検査で用いた装置を示す
【図3】実施例1で点灯検査を行うまでの工程を示す図
【図4】表面伝導型放出素子の素子抵抗測定方法を説明
する図
【図5】実施例1で点灯検査を行う領域を説明する図
【図6】本発明を適用した点灯検査の手順の一部を詳し
く示す図
【図7】スペーサー抵抗の測定方法を説明する図
【図8】実施例2の点灯検査の手順を示す図
【図9】実施例2で点灯検査を行う領域を説明する図
【図10】画像表示装置の一部を切り欠いて示した斜視
【図11】本発明の実施例の画像表示装置に用いたスペ
ーサーの構造を説明する図
【図12】画像表示装置のフェースプレートの蛍光体配
列を例示した平面図
【図13】実施例で用いたマルチ電子ビーム源の基板の
平面図
【図14】実施例で用いた平面型の表面伝導型放出素子
の平面図(a)、断面図(b)
【図15】平面型の表面伝導型放出素子の製造工程を示
す断面図
【図16】通電フォーミング処理の際の印加電圧波形
【図17】通電活性化処理の際の印加電圧波形(a)、
放出電流Ieの変化(b)
【図18】実施例で用いた表面伝導型放出素子の典型的
な特性を示すグラフ
【図19】従来知られた表面伝導型放出素子の一例を示
す模式図
【符号の説明】
201 画像表示装置 202 XYステージ 203 CCDカメラ 204 配線切り替え器Ro 205 パルス発生器Ro 206 配線切り替え器Co 206 配線切り替え器Co 207 パルス発生器Co 208 直流高圧電源 209 制御装置 HV 容器外端子

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数個の電子放出素子を用いた電子源を
    作成する各工程における電子源の検査方法であって、 a)当該検査が検査対象とする前記電子源において、当
    該検査以前になされた前検査の検査結果を1つ以上読み
    込む前検査結果読み込み手順; b)前記前検査結果読み込み手順により読み込んだ検査
    結果より、当該検査における検査箇所の優先順位を決定
    する優先順位決定手順; c)前記優先順位決定手順により決定した検査箇所の優
    先順位にしたがって当該検査を行う検査手順; を備えることを特徴とする電子源の検査方法。
  2. 【請求項2】 前記優先順位決定手順は、前記前検査結
    果読み込み手順によって読み込んだ実際の検査結果と予
    め設定した所定の検査結果との差分を算出する手順、お
    よび前記差分の大きい検査箇所から優先的に次検査を行
    うための優先順位を決定する手順とを含むことを特徴と
    する請求項1記載の電子源の検査方法。
  3. 【請求項3】 前記優先順位決定手順は、検査箇所の優
    先順位に対応して順番に記述した検査箇所の情報テーブ
    ルを作成する手順を含むことを特徴とする請求項1に記
    載の電子源の検査方法。
  4. 【請求項4】 発見された欠陥の数が所定数以上になっ
    た時点で検査を終了することを特徴とする請求項1に記
    載の電子源の検査方法。
  5. 【請求項5】 電子源と、該電子源と対向して配置さ
    れ、前記電子放出素子からの放出電子を加速する高圧電
    極及び該放出電子により画像を形成する画像形成部材を
    備えたフェースプレートとを備えた画像形成装置の検査
    方法において、前記電子源の検査工程が、請求項1〜4
    のいずれかに記載の電子源の検査方法により行われるこ
    とを特徴とする画像形成装置の検査方法。
  6. 【請求項6】 当該検査の項目が前記画像形成部材の発
    光輝度の検査であり、前記前検査結果読み込み手順が、
    前記電子放出素子の電子放出部の電気抵抗値の検査結果
    を読み込むことを特徴とする、請求項5に記載の画像形
    成装置の検査方法。
  7. 【請求項7】 前記画像形成装置は、前記高圧電極と電
    気的に接続され、かつ前記電子源と前記フェースプレー
    トとの間に設けられた構造支持体と、前記構造支持体に
    電圧を供給する配線とを備えることを特徴とする請求項
    5に記載の画像形成装置の検査方法。
  8. 【請求項8】 当該検査の項目が前記画像形成部材の発
    光輝度の検査であり、前記前検査結果読み込み手順が前
    記構造支持体と前記高圧電極との間の電気抵抗値の検査
    結果を読み込むことを特徴とする、請求項7に記載の画
    像形成装置の検査方法。
  9. 【請求項9】 前記電子放出素子は、表面伝導型電子放
    出素子である請求項1〜4のいずれかに記載の電子源の
    検査方法又は請求項5〜8のいずれかに記載の画像形成
    装置の検査方法。
  10. 【請求項10】 前記画像形成部材は、蛍光体である請
    求項5〜8のいずれかに記載の画像形成装置の検査方
    法。
  11. 【請求項11】 複数の電子放出素子を配置した電子
    源の検査方法において、 前検査で測定した電子放出素子の素子抵抗とその設計値
    との差分の大きい素子から優先的に次検査の点灯検査を
    行い、該点灯検査の結果、欠陥画素が所定数以上ある場
    合、その時点で不良と判断し以降の点灯検査を中止する
    ことを特徴とする電子源の検査方法。
  12. 【請求項12】 前記電子源を複数の領域に分割し、そ
    れぞれの領域中において、前記差分を総和し、求めた総
    和が大きい領域ほど次検査の優先順位が高いものとする
    ことを特徴とする請求項11記載の電子源の検査方法。
  13. 【請求項13】 前記構造支持体の抵抗と該抵抗の設計
    値との差が大きい前記構造支持体が多く存在する領域か
    ら優先的に点灯検査を行うことを特徴とする請求項7記
    載の画像形成装置の検査方法。
  14. 【請求項14】 複数個の電子放出素子を用いた電子源
    を作成する各工程における電子源の検査装置において、 a)当該検査が検査対象とする前記電子源において、当
    該検査以前になされた前検査の検査結果を1つ以上読み
    込む前検査結果読み込み手段; b)前記前検査結果読み込み手段により読み込んだ検査
    結果と設計値の値との差分が大きい箇所を当該検査にお
    ける優先順位の高い検査箇所とする優先順位決定手段; c)前記優先順位決定手段により決定した検査箇所の優
    先順位にしたがって当該検査を行う検査手段; d)前記当該検査の結果、発見された欠陥の数が所定数
    以上になった時点で検査を終了する手段; を備えることを特徴とする電子源の検査装置。
  15. 【請求項15】 複数の電子放出素子を配置した電子源
    と、該電子源から放出される電子により画像を形成する
    画像形成部材とを有する画像形成装置の検査装置におい
    て、 請求項14に記載の電子源の検査装置を有することを特
    徴とする画像形成装置の検査装置。
  16. 【請求項16】 複数の電子放出素子を配置した電子
    源の検査装置において、 前検査で測定した電子放出素子の素子抵抗とその設計値
    との差分を計算する手段と、 該差分の大きい素子から優先的に次検査の点灯検査を行
    う手段と、 該点灯検査の結果、欠陥画素が所定数以上ある場合、そ
    の時点で不良と判断し以降の点灯検査を中止する手段
    と、を有することを特徴とする電子源の検査装置。
  17. 【請求項17】 前記電子源を複数の領域に分割し、そ
    れぞれの領域中において、前記差分を総和し、求めた総
    和が大きい領域ほど次検査の優先順位が高いものとする
    手段を有することを特徴とする請求項16記載の電子源
    の検査装置。
  18. 【請求項18】 複数の電子放出素子を配置した電子源
    と、 該電子源と対向して配置され、前記電子放出素子からの
    放出電子を加速する高圧電極及び該放出電子により画像
    を形成する画像形成部材を備えたフェースプレートと、 前記高圧電極と電気的に接続され、かつ前記電子源と前
    記フェースプレートとの間に設けられた構造支持体と、 前記構造支持体に電圧を供給する配線と、を備えた画像
    形成装置の検査装置において、 前記構造支持体の抵抗値と該抵抗の設計値との差を計算
    する手段と、 該差が大きい前記構造支持体が多く存在する領域から優
    先的に点灯検査を行う手段と、を有することを特徴とす
    る画像形成装置の検査装置。
  19. 【請求項19】 請求項1〜4のいずれか又は請求項1
    1又は12に記載の電子源の検査方法をコンピュータに
    行わせるためのコンピュータプログラムを記録したこと
    を特徴とする記録媒体。
  20. 【請求項20】 請求項5〜10のいずれか又は請求項
    13に記載の画像形成装置の検査方法をコンピュータに
    行わせるためのコンピュータプログラムを記録したこと
    を特徴とする記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003109508A (ja) * 2001-09-28 2003-04-11 Canon Inc 画像形成装置の特性調整方法、画像形成装置の製造方法、画像形成装置及び特性調整装置
KR20050078412A (ko) * 2004-01-29 2005-08-05 삼성에스디아이 주식회사 스페이서정렬 자동검사장치

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JP2003109508A (ja) * 2001-09-28 2003-04-11 Canon Inc 画像形成装置の特性調整方法、画像形成装置の製造方法、画像形成装置及び特性調整装置
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