JP2003109508A - 画像形成装置の特性調整方法、画像形成装置の製造方法、画像形成装置及び特性調整装置 - Google Patents

画像形成装置の特性調整方法、画像形成装置の製造方法、画像形成装置及び特性調整装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子放出素子に特有の性質を利用して、簡易
な工程でマルチ電子源の特性を調整し、画像表示の面内
発光特性を均一にすることが可能な画像形成装置の特性
調整方法、画像形成装置の製造方法、画像形成装置及び
特性調整装置を提供する。 【解決手段】 画像形成装置の表示パネル301を複数
の領域に分割し、分割されたそれぞれの領域内の少なく
とも1以上の電子放出素子の発光特性を測定する測定工
程と、分割領域内の電子放出素子の発光特性を、特性シ
フト電圧を電子放出素子に印加することにより個別の特
性目標値までシフトさせるシフト工程とを備えることを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表面伝導型放出素子
を多数個備える画像形成装置及びこのような画像形成装
置に適用されて好適な、画像形成装置の特性調整方法、
画像形成装置の製造方法及び特性調整装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来から、電子放出素子として熱陰極素
子と冷陰極素子の2種類が知られている。このうち冷陰
極素子では、たとえば電界放出型素子や、金属/絶縁層
/金属型放出素子や、表面伝導型放出素子などが知られ
ている。
【0003】冷陰極素子のうち表面伝導型放出素子(以
下、単に素子とも呼ぶこともある)は、基板上に形成さ
れた小面積のSnO2、Au、In23/SnO2、カ−
ボン等の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことにより電
子放出が生ずる現象を利用するものである。
【0004】従来の表面伝導型放出素子について図17
を参照して説明する。図17は、従来の表面伝導型放出
素子の構成を示す図である。同図において、3001は
基板で、3004はスパッタで形成された金属酸化物よ
りなる導電性薄膜である。導電性薄膜3004は図示の
ようにH字形の平面形状に形成されている。
【0005】該導電性薄膜3004に通電フォーミング
と呼ばれる通電処理を施すことにより、電子放出部30
05が形成される。図中の間隔Lは、0.5〜1[m
m],Wは、0.1[mm]で設定されている。
【0006】尚、図示の便宜から、電子放出部3005
は導電性薄膜3004の中央に矩形の形状で示したが、
これは模式的なものであり、実際の電子放出部の位置や
形状を忠実に表現しているわけではない。
【0007】既に述べたように、表面伝導型放出素子の
電子放出部を形成する際には、導電性薄膜に電流を流し
て薄膜を局所的に破壊もしくは変形もしくは変質させて
亀裂を形成する処理(通電フォーミング処理)を行う。
【0008】この後更に通電活性化処理を行うことによ
り電子放出特性を大幅に改善することが可能である。
【0009】即ち、この通電活性化処理とは、通電フォ
ーミング処理により形成された電子放出部に適宜の条件
で通電を行って、その近傍に炭素もしくは炭素化合物を
堆積せしめる処理のことである。
【0010】例えば、適宜の分圧の有機物が存在し、全
圧が10のマイナス2乗〜10のマイナス3乗[Pa]
の真空雰囲気中において、所定電圧のパルスを定期的に
印加することにより、電子放出部の近傍に単結晶グラフ
ァイト、多結晶グラファイト、非晶質カーボンのいずれ
かか、もしくはその混合物を約500[オングストロー
ム]以下の膜厚で堆積させる。
【0011】但し、この条件は、ほんの一例であって、
表面伝導型放出素子の材質や形状により適宜変更される
べきであるのは言うまでもない。
【0012】このような処理を行うことにより、通電フ
ォーミング直後と比較して、同じ印加電圧における放電
流を、典型的には約100倍以上にまで増加させること
ができる。
【0013】従って、上述の多数の表面伝導型放出素子
を利用したマルチ電子源を製造する際においても、各素
子に通電活性化処理を行うのが望ましい(なお、通電活
性化終了後には、真空雰囲気中の有機物の分圧を低減さ
せるのが望ましい。これを安定化工程と呼ぶ)。
【0014】図18に、表面伝導型放出素子の(放出電
流Ie)対(素子印加電圧Vf)特性、および(素子電
流If)対(素子印加電圧Vf)特性の典型的なグラフ
を示す。ここで、本明細書において、放出電流とは、電
子放出素子を駆動した際に空間に電子が放出されるが、
アノードに加速電圧がかかっている場合は放出された電
子はアノードにひきつけられ衝突するために、電子放出
素子とアノード間に流れる電流のことをいう。
【0015】なお、放出電流Ieは素子電流Ifに比べ
て著しく小さく、同一尺度で図示するのが困難であるう
え、これらの特性は素子の大きさや形状等の設計パラメ
ータを変更することにより変化するものであるため、2
本のグラフは各々任意単位で図示した。
【0016】表面伝導型放出素子は、放出電流Ieに関
して以下に述べる3つの特性を有している。
【0017】ある電圧(これを閾値電圧Vthと呼ぶ)
以上の大きさの電圧を素子に印加すると急激に放出電流
Ieが増加するが、一方、閾値電圧Vth未満の電圧で
は放出電流Ieはほとんど検出されない。
【0018】すなわち、放出電流Ieに関して、明確な
閾値電圧Vthを持った非線形素子である。
【0019】放出電流Ieは素子に印加する電圧Vfに
依存して変化するため、電圧Vfで放出電流Ieの大き
さを制御できる。
【0020】素子に印加する電圧Vfに対して素子から
放出される電流Ieの応答速度が速いため、電圧Vfを
印加する時間の長さによって素子から放出される電子の
電荷量を制御できる。
【0021】表面伝導型放出素子の特性調整について
は、特開平10−228867などでも述べられている
ように、ある電圧(これを閾値電圧Vthと呼ぶ)以上
の大きさの電圧を素子に印加する、すなわち特性を調整
するための特性シフト電圧(以下、単にシフト電圧とも
いう。)を印加することで、各素子の特性を調整するこ
とができる。
【0022】ところで表面伝導型放出素子は、構造が単
純で製造も容易であることから、大面積にわたり多数の
素子を形成できる利点がある。
【0023】そこで、表面伝導型放出素子を応用した、
画像表示装置、画像記録装置などの画像形成装置や、電
子ビーム源等が研究されている。
【0024】発明者らは、さまざまな材料、製法、構造
の表面伝導型放出素子を試みてきた。さらに、多数の表
面伝導型放出素子を配列したマルチ電子ビーム源(単に
電子源とも呼ぶ)、ならびにこの電子源を応用した画像
表示装置について研究を行ってきた。
【0025】たとえば図19に示す電気的な配線方法に
よる電子源を試みてきた。図19は、従来のマルチ電子
源のマトリクス配線を説明する図である。
【0026】図19中、4001は表面伝導型放出素子
を模式的に示したもの、4002は行方向配線、400
3は列方向配線である。図においては配線抵抗4004
および4005として示した。
【0027】上述のような配線方法を、単純マトリクス
配線と呼ぶ。なお、図示の便宜上、6×6のマトリクス
で示しているが、マトリクスの規模はむろんこれに限っ
たわけではない。
【0028】素子を単純マトリクス配線した電子源にお
いては、所望の放出電流を出力させるため、行方向配線
4002および列方向配線4003に適宜の電気信号を
印加する。また、同時に不図示のアノード電極に高電圧
を印加しておく。
【0029】たとえば、マトリクスの中の任意の素子を
駆動するには、選択する行の行方向配線4002の端子
には選択電圧Vsを印加し、同時に非選択の行の行方向
配線4002の端子には非選択電圧Vnsを印加する。
【0030】これと同期して列方向配線4003の端子
に放出電流を出力させるための変調電圧Ve1〜Ve6
を印加する。この方法によれば、選択する素子には、V
e1−Vs〜Ve6−Vsの電圧が印加され、また非選
択の素子にはVe1−Vns〜Ve6−Vnsの電圧が
印加される。
【0031】ここで、選択する素子に閾値電圧Vth以
上の電圧、非選択の素子に閾値電圧Vth以下の電圧が
印加されるよう、Ve1〜Ve6,Vs,Vnsを適宜
の大きさの電圧にすれば選択する素子だけから所望の強
度の放出電流が出力される。
【0032】従って、表面伝導型放出素子を単純マトリ
クス配線したマルチ電子源には種々の応用ができる可能
性があり、例えば画像情報に応じた電気信号を適宜印加
すれば、画像表示装置用の電子源として好適に用いるこ
とができる。
【0033】このようにして作成したマルチ電子源は、
工程上の変動などにより、個々の電子源の放出特性に多
少のバラツキを生じる。
【0034】この様なマルチ電子源を大画面のフラット
な画像形成装置を作るのに好適であるが、CRTなどと
違い電子源が多数あるので、これを用いて画像形成装置
を作成した場合に、それぞれの電子源の特性のバラツキ
が輝度のバラツキとなって表れるという問題があった。
【0035】このようにマルチ電子源における電子放出
特性が各電子源毎に異なる理由としては、例えば電子放
出部に用いた材料の成分のバラツキ、素子の各部材の寸
法形状の誤差、通電フォーミング工程における通電条件
の不均一、通電活性化工程における通電条件や雰囲気ガ
スの不均一など種々の原因が考えられる。
【0036】しかしながら、これら全ての原因を除去し
ようとすると非常に高度な製造設備や極めて厳密な工程
管理が必要となり、これらを満足させると製造コストが
莫大なものとなってしまい現実的でない。
【0037】特開平10−228867等において、こ
のバラツキを押さえるためにそれぞれの特性を測定する
工程と基準値に応じた値になるように特性を調整する特
性シフト電圧を印加をする工程を設けて製造する方法が
開示されている。
【0038】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
10−228867等に開示された発明における特性を
測定する工程では図20(フロー)で示すように、素子
を選択(ステップ2007)、電圧を印加してIeや輝
度を計測し(ステップ2004)、結果をメモリーに保
存し(ステップ2005)、全素子についてこの計測動
作を繰り返す(ステップ2008)という工程を行って
いる。図20は、従来の発明の特性調整方法における特
性測定工程のフローチャートである。
【0039】この様な、素子の特性を素子1つ1つを計
測する工程は、昨今の高品位TV等の高解像度の画像形
成装置に用いる場合、すなわち画素数の多い場合には、
その工程にかかる時間が多くかかる可能性があった。
【0040】さらに均一性の指標を示すパラメータとし
て輝度を用いた場合には蛍光体の部分的な発光特性のば
らつきをも補正可能であるという効果をもっているが、
一般的にCRTに用いられている蛍光体であるP22を
用いた場合には、その赤の蛍光体の1/10残光時間は
緑、青で10us、赤で1ms程度である。
【0041】一つ一つ、光学系を用いて1素子からの発
光を計測する場合には、その残光時間があるので、ある
素子と、次の素子の駆動する時間間隔を残光時間分はあ
ける必要がある。
【0042】そのため画素が1280×RGB×768
素子程度の高精彩のディスプレイを構成した場合には全
点の計測に約1000秒と長時間かかってしまう。
【0043】本発明の目的は、電子放出素子に特有の性
質を利用して、簡易な工程でマルチ電子源の特性を調整
し、画像表示の面内発光特性を均一にすることが可能な
画像形成装置の特性調整方法、画像形成装置の製造方
法、画像形成装置及び特性調整装置を提供することにあ
る。
【0044】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る画像形成装置の特性調整方法は、複数
の電子放出素子を配線により電気的に接続し基板上に並
べたマルチ電子源と電子ビームの照射により発光する蛍
光部材とを備える画像形成装置の特性調整方法であっ
て、前記画像形成装置の表示部を複数の領域に分割し、
該分割されたそれぞれの領域内の少なくとも1以上の前
記電子放出素子の発光特性を測定する測定工程と、前記
分割領域内の電子放出素子の発光特性を、特性シフト電
圧を電子放出素子に印加することにより個別の特性目標
値までシフトさせるシフト工程とを備えることを特徴と
する。
【0045】また、本発明に係る画像形成装置の特性調
整方法は、前記測定工程は、前記電子放出素子に駆動電
圧を印加して該電子放出素子の輝度を測定する輝度測定
工程と、前記測定された電子放出素子の駆動電圧と輝度
との関係と、少なくとも1以上の初期特性の異なる電子
放出素子の駆動電圧と輝度との関係とを比較して、前記
測定された電子放出素子の初期特性と略一致する初期特
性の電子放出素子を選択し、該選択された電子放出素子
に印加される特性シフト電圧と該選択された電子放出素
子からの放出電流との関係に基づいて、前記測定された
電子放出素子に印加する特性シフト電圧を算出する算出
工程とを備えることを特徴とする。
【0046】また、本発明に係る画像形成装置の特性調
整方法は、前記測定工程は、前記分割された領域中の電
子放出素子のうちの複数の電子放出素子を同時に駆動し
て輝度を測定する工程であることを特徴とする。
【0047】また、本発明に係る画像形成装置の特性調
整方法は、前記測定工程は、前記分割された領域のうち
異なる分割領域内の電子放出素子のなかから少なくとも
1つ以上の電子放出素子を選択し、前記分割領域のうち
互いに異なる分割領域の電子放出素子の駆動電圧と輝度
との関係を同時に測定する工程であることを特徴とす
る。
【0048】また、本発明に係る画像形成装置の特性調
整方法は、前記測定工程における輝度の測定は、前記分
割されたそれぞれの領域内の少なくとも1以上の電子放
出素子の輝度を移動することなしに測定可能な輝度測定
装置により行われることを特徴とする。
【0049】また、本発明に係る画像形成装置の特性調
整方法は、前記シフト工程は、前記分割された領域のう
ち異なる分割領域内の電子放出素子のなかから少なくと
も1つ以上の電子放出素子を選択し、前記分割領域のう
ち異なる分割領域内の電子放出素子のそれぞれに同時に
特性シフト電圧を印加する工程を備えることを特徴とす
る。
【0050】さらに、本発明に係る画像形成装置の製造
方法は、複数の電子放出素子を配線により電気的に接続
し基板上に並べたマルチ電子源と電子ビームの照射によ
り発光する蛍光部材とを備える画像形成装置の製造方法
であって、前記基板上に複数の電子放出素子用電極及び
導電膜を形成する工程と、前記電子放出用電極を介して
前記導電膜に通電することにより前記複数の電子放出素
子の電子放出部を形成する工程と、前記電子放出部を活
性化する工程と、上記画像形成装置の特性調整方法を行
う工程とを備えることを特徴とする。
【0051】さらに、本発明に係る画像形成装置は、上
記画像形成装置の特性調整方法により特性シフト電圧が
電子放出素子に印加され特性が調整されたことを特徴と
する。
【0052】さらに、本発明に係る特性調整装置は、複
数の電子放出素子を配線により電気的に接続し基板上に
並べたマルチ電子源と電子ビームの照射により発光する
蛍光部材とを備える画像形成装置の特性調整装置であっ
て、前記画像形成装置の表示部の矩形領域内の複数の電
子放出素子を選択して駆動する選択駆動手段と、前記選
択駆動手段の駆動時間に同期したタイミング信号発生手
段と、前記タイミング信号発生手段の出力に同期して、
前記電子放出素子からの放出電子によって発光する発光
手段の発光信号を取り込む少なくとも1つの輝度測定手
段と、前記輝度測定手段が取得した発光信号の値と前記
選択駆動手段が前記電子放出素子を選択する際に用いた
選択情報とから、選択された電子放出素子の発光特性を
求める演算手段と、前記演算手段の出力を格納する格納
手段と、前記選択された電子放出素子に、前記演算手段
により求められた発光特性に基づいて電圧を印加する電
圧印加手段と、前記輝度測定手段と前記表示部を相対的
に移動させる少なくとも1以上の移動手段とを備えるこ
とを特徴とする。
【0053】また、本発明に係る特性調整装置は、前記
選択駆動手段は、前記分割された領域中の電子放出素子
のうちの複数の電子放出素子を同時に駆動することを特
徴とする。
【0054】また、本発明に係る特性調整装置は、前記
電圧印加手段は、前記複数の矩形領域内の電子放出素子
にそれぞれ異なる電圧を同時に印加可能であることを特
徴とする。
【0055】また、本発明に係る特性調整装置は、複数
の電子放出素子を配線により電気的に接続し基板上に並
べたマルチ電子源と電子ビームの照射により発光する蛍
光部材とを備える画像形成装置の特性調整装置であっ
て、前記画像形成装置の表示部を複数の領域に分割した
場合における、該複数の領域のうちの1つの領域の全体
の電子放出素子の輝度を移動することなしに測定可能な
少なくとも1以上の輝度測定装置と、前記電子放出素子
に印加された駆動電圧と前記輝度測定装置により測定さ
れた輝度との関係に基づいて、該電子放出素子に印加す
る特性シフト電圧を算出する制御回路と、前記特性シフ
ト電圧を前記電子放出素子に印加する印加手段とを備え
ることを特徴とする。
【0056】また、本発明に係る特性調整装置は、前記
輝度測定装置は、同時に駆動された、複数の、前記分割
された領域中の電子放出素子の輝度を測定することを特
徴とする。
【0057】また、本発明に係る特性調整装置は、前記
制御回路は、少なくとも1以上の異なる初期特性の電子
放出素子の輝度と駆動電圧との関係と、該異なる初期特
性の電子放出素子のそれぞれについて、該電子放出素子
に印加される特性シフト電圧と該電子放出素子からの放
出電流との関係とを格納するメモリを備え、前記輝度を
測定した電子放出素子の輝度と駆動電圧との関係が略一
致する前記メモリに格納された輝度と駆動電圧との関係
を選択し、該選択された輝度と駆動電圧との関係の電子
放出素子の前記特性シフト電圧と該電子放出素子からの
放出電流との関係に基づいて、前記測定された電子放出
素子に印加する特性シフト電圧を算出することを特徴と
する。
【0058】さらに、本発明に係る画像形成装置は、上
記特性調整装置により、電子放出素子に特性シフト電圧
が印加され特性が調整されることを特徴とする。
【0059】すなわち、本発明に係る画像形成装置の特
性調整方法は、上記目的を達成するために、複数の電子
放出素子を配線により電気的に接続し基板上に並べた電
子源を用いた画像形成装置の特性調整方法であって、電
子源の駆動時に複数の電子放出素子の発光特性を同時に
測定する測定工程、測定された発光特性から各電子放出
素子の個別の発光特性分布を求める工程、前記複数個の
電子放出素子の発光特性を、特性シフト電圧の印加によ
り、目標値迄シフトさせるシフト工程、とを備えること
を特徴とする。
【0060】さらに本発明に係る画像形成装置の特性調
整方法は、表示パネルの位置と発光特性を得る手段を相
対的に移動する工程を有する。
【0061】(作用)複数の表面伝導型放出素子を配線
により電気的に接続し基板上に並べたマルチ電子源と電
子ビームの照射により発光する蛍光部材とを有する画像
形成装置において画面内の一部の輝度測定装置の測定視
野内の領域に対して、選択駆動手段によって所望のアド
レスの複数の表面伝導型放出素子を同時に駆動する。
【0062】駆動された表面伝導型放出素子から放出さ
れた電子は発光手段に到達し発光する。
【0063】発光手段上には駆動された電子放出素子に
対応した輝点が形成される。駆動時間に同期した信号を
出力とするタイミング信号発生手段を同期信号に用いて
輝度測定手段を用いることで2次元的な輝点の信号を光
電変換する。
【0064】光電変換された2次元輝度信号と駆動素子
のアドレスとから演算手段を用いて、駆動されたそれぞ
れの表面伝導型放出素子に対応した輝度特性値を算出す
る。
【0065】輝度特性値のばらつきと特性調整目標値と
の比較を行い基準値に達していない表面伝導型放出素子
のみに電圧印加手段により特性シフト電圧を印加する。
【0066】シフト電圧を印加された電子放出素子は目
標とされる発光特性に特性がそろえられる。
【0067】選択駆動手段によって駆動する素子の選択
を変更し輝度測定視野内における素子の全ての特性を揃
える。
【0068】さらに輝度測定手段と画像形成装置の相対
位置を変え測定視野を変更する。以上の工程を繰り返し
画像形成装置全域に渡って均一な特性を持たせることが
出来る。
【0069】さらに、輝度測定装置を複数設けて、単純
マトリクス構成で配線を構成した場合には、複数の輝度
測定装置それぞれに対応した領域内の素子を同時に選択
し駆動する。
【0070】輝度測定装置が1台の場合と同様に駆動さ
れた素子に対応した輝度特性値を測定する。
【0071】目標値に揃っていない素子にのみシフト電
圧を印加する。順次視野に対して繰り返す。
【0072】以上のようにして特性シフト電圧を印加し
てその特性を揃えた画像形成装置を、いずれの素子の特
性シフト電圧の波高値よりも低い値の駆動電圧Vfによ
り駆動すると、全ての表面伝導型放出素子による発光輝
度が均一な画像形成装置を得ることができる。ここで、
電子放出素子に印加される特性シフト電圧と電子放出素
子からの放出電流との関係とは、例えば図9に示される
よう、一定の駆動電流を電子放出素子に印加している場
合に、特性シフト電圧を加えた場合に、放出電流がどの
程度変化するのかという関係をいう。
【0073】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、この発明
の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただ
し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、
材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載が
ない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣
旨のものではない。
【0074】また、以下の図面において既述の図面に記
載された部材と同様の部材には同じ番号を付す。また、
以下に説明する、本発明に係る画像形成装置の特性調整
方法の各実施形態の説明は、本発明に係る画像形成装置
の製造方法、画像形成装置及び特性調整装置の各実施形
態の説明を兼ねる。
【0075】(画像形成装置の特性調整方法の第1の実
施形態)以下、本発明に係る画像形成装置の特性調整方
法の第1の実施形態について説明する。以下の実施形態
では、本発明を、マルチ電子ビーム源を用いた画像形成
装置に適用した例を示す。
【0076】まず、本発明を適用した画像形成装置の表
示パネルの構成と製造法について説明する。
【0077】(表示パネルの構成と製造法)図1は、本
発明を適用した画像形成装置の表示パネルの斜視図であ
り、内部構造を示すためにパネルの1部を切り欠いて示
している。
【0078】図中、1005はリアプレート、1006
は側壁、1007はフェースプレートであり、1005
〜1007により表示パネルの内部を真空に維持するた
めの気密容器を形成している。気密容器を組み立てるに
あたっては、各部材の接合部に十分な強度と気密性を保
持させるため封着する必要があるが、たとえばフリット
ガラスを接合部に塗布し、大気中あるいは窒素雰囲気中
で、摂氏400〜500度で10分以上焼成することに
より封着を達成した。
【0079】リアプレート1005には、基板1001
が固定されているが、該基板上には表面伝導型放出素子
1002がm×n個形成されている。m、nは目的とす
る表示画素数に応じて適宜設定される。本実施形態にお
いては、m=3840,n=768とした。
【0080】1001〜1004によって構成される部
分をマルチ電子ビーム源と呼ぶ。図2に示すのは、図1
に示される画像形成装置のマルチ電子ビーム源の平面図
である。
【0081】基板上には、電子放出素子としての表面伝
導型放出素子1002が配列され、これらの素子は行方
向配線電極1003と列方向配線電極1004により単
純マトリクス状に配線されている。
【0082】行方向配線電極1003と列方向配線電極
1004の交差する部分には、電極間に絶縁層(不図
示)が形成されており、電気的な絶縁が保たれている。
【0083】なお、このような構造のマルチ電子ビーム
源は、あらかじめ基板上に行方向配線電極1003、列
方向配線電極1004、電極間絶縁層、および表面伝導
型放出素子の素子電極と導電性薄膜を形成した後、行方
向配線電極1003および列方向配線電極1004を介
して各素子に給電して通電フォーミング処理と通電活性
化処理を行うことにより製造した。
【0084】図1のフェースプレート1007の下面に
は、蛍光膜1008が形成されている。本実施形態の画
像形成装置はカラー表示装置であるため、蛍光膜100
8の部分にはCRTの分野で用いられる赤、緑、青、の
3原色の蛍光体が塗り分けられている。
【0085】各色の蛍光体は、図3に示すようにストラ
イプ状に塗り分けられ、蛍光体のストライプの間には黒
色の導電体1010が設けてある。したがって表示画素
数としては1280×768の解像度を持つ画像形成装
置を形成している。図3は、図1に示される画像形成装
置の表示パネルのフェースプレートの蛍光体配列を例示
した平面図である。
【0086】黒色の導電体1010を設ける目的は、電
子ビームの照射位置に多少のずれがあっても表示色にず
れが生じないようにする事や、外光の反射を防止して表
示コントラストの低下を防ぐ事、電子ビ−ムによる蛍光
膜のチャージアップを防止する事などである。
【0087】黒色の導電体1010には、黒鉛を主成分
として用いたが、上記の目的に適するものであればこれ
以外の材料を用いても良い。また、3原色の蛍光体の塗
り分け方は前記図3に示したストライプ状の配列に限ら
れるものではなく、デルタ状配列やそれ以外の配列であ
ってもよい。
【0088】蛍光膜1008のリアプレート側の面に
は、CRTの分野では公知のメタルバック1009を設
けてある。
【0089】メタルバック1009を設けた目的は、蛍
光膜1008が発する光の一部を鏡面反射して光利用率
を向上させる事や、負イオンの衝突から蛍光膜1008
を保護する事や、電子ビ−ム加速電圧を印加するための
電極として作用させる事や、蛍光膜1008を励起した
電子の導電路として作用させる事などである。
【0090】メタルバック1009は、蛍光膜1008
をフェースプレート1007上に形成した後、蛍光膜表
面を平滑化処理し、その上にAlを真空蒸着する方法に
より形成した。
【0091】Dx1〜DxmおよびDy1〜Dynおよ
びHvは、当該表示パネルと不図示の電気回路とを電気
的に接続するために設けた気密構造の電気接続用端子で
ある。
【0092】Dx1〜Dxmは電子源の列方向配線電極
1003と、Dy1〜Dynは電子源の行方向配線電極
1004と、Hvはフェースプレートのメタルバック1
009と電気的に接続している。
【0093】気密容器内部を真空に排気するには、気密
容器を組み立てた後、不図示の排気管と真空ポンプとを
接続し、気密容器内を1.0×10-6[Pa]程度の真
空度まで排気する。
【0094】その後、排気管を封止するが、気密容器内
の真空度を維持するために、封止の直前あるいは封止後
に気密容器内の所定の位置にゲッター膜(不図示)を形
成する。
【0095】ゲッター膜とは、たとえばBaを主成分と
するゲッター材料をヒーターもしくは高周波加熱により
加熱し蒸着して形成した膜であり、該ゲッター膜の吸着
作用により気密容器内は1.0×10-6[Pa]程度の
真空度に維持される。即ち、有機物分圧の低減した安定
化状態にある。
【0096】以下、添付図面を参照して本発明の好適な
実施の形態をさらに詳細に説明する。出願人らは表面伝
導型放出素子の特性を改善するための研究を鋭意行った
結果、製造工程において通常の駆動に先立ち、予備駆動
処理を行うことで経時的な変化が低減することが出来る
ことを見出している。
【0097】本実施形態においては予備駆動と、電子源
の特性調整を一本化して行ったので、最初に予備駆動に
ついて説明する。
【0098】前述したように、通常フォーミング処理、
通電活性化処理を施した素子は、有機物分圧の低減した
安定化状態に維持されている。
【0099】このような真空雰囲気中の有機物の分圧を
低減した雰囲気(安定化状態)で、通常の駆動に先立っ
て施される通電処理が予備駆動である。
【0100】表面伝導型放出素子において駆動中の電子
放出部近傍の電界強度は極めて高い。このため同一の駆
動電圧で長期間駆動すると、放出電子量が徐々に低下す
るという問題があった。高い電界強度に起因する電子放
出部近傍の経時的な変化が、放出電子量の低下となって
現れているものと思われる。
【0101】予備駆動とは、安定化工程を施した表面伝
導型放出素子に対し、Vpreなる電圧でしばらく駆動
を行った後、Vpre電圧で駆動時に素子の電子放出部
近傍の電界強度を測定することである。
【0102】その後電界強度が小さくなるような通常駆
動電圧Vdrvで通常の駆動を行う。Vpre電圧印加
による駆動により、素子の電子放出部を予め大きな電界
強度で駆動を行うことで、通常駆動電圧Vdrvで長い
間駆動時に、経時特性の不安定の原因となる構造部材の
変化を短期間に集中的に発現させ、変動要因を減少する
ことが出来ると考えられる。
【0103】本実施形態においては、画像形成装置での
電子放出素子の使用に先立って通常駆動電圧Vdrvで
各電子放出素子の特性にバラツキがあった場合、そのバ
ラツキを減らし均一な分布を持つように、各電子の特性
調整をおこなった(特性調整の方法については後述にて
説明する)。
【0104】図4は、表示パネル301の各表面伝導型
放出素子に特性調整用の波形信号を加えて電子源基板の
個々の表面伝導型放出素子の電子放出特性を変えるため
の駆動回路の構成である。すなわち、図4は、本発明に
係る画像形成装置の特性調整方法の第1の実施形態に使
用される、マルチ電子源を用いた画像形成装置及び特性
調整信号をこの画像形成装置に印加する画像形成装置の
特性調整装置の概略構成図である。
【0105】図4において、301は表示パネルで、複
数の表面伝導型放出素子をマトリクス状に配設した基板
と、その基板上に離れて設けられ、表面伝導型放出素子
から放出される電子により発光する蛍光体を有するフェ
ースプレート等を真空容器中に配設している。
【0106】表示パネル301の各素子には特性調整に
先立って、予備駆動電圧Vpreが印加されている。3
02は、表示パネル301の蛍光体に高電圧源311か
らの高電圧を印加するための端子である。
【0107】303,304はスイッチマトリクスで、
それぞれ行方向配線及び列方向配線を選択してパルス電
圧を印加するための電子放出素子を選択している。
【0108】306,307はパルス発生回路で、駆動
用のパルス波形信号Px,Pyを発生させている。
【0109】305は画像形成装置の発光を捉えて光電
センシングをする輝度測定装置であり光学レンズ305
aとエリアセンサー305bからなる。
【0110】本発明ではエリアセンサー305bとして
はCCDを用いた。この光学系を用いて画像形成装置の
発光の様子を2次元画像情報として電子化する。
【0111】308は演算回路である。エリアセンサー
305bの出力である2次元画像情報Ixyと303,
304のスイッチマトリクスに指定した位置情報Axy
をスイッチマトリックス制御回路310から入力するこ
とで駆動された表面伝導型放出素子の一つ一つに対応し
た発光量の情報を算出しLxyとして制御回路312に
出力する。この方法の詳細については後述する。
【0112】309は上記エリアセンサーをパネルに対
して相対移動させるロボットシステムであり不図示のボ
ールネジとリニヤガイドからなる。
【0113】311はパルス波高値設定回路で、パルス
設定信号Lpx,Lpyを出力することにより、パルス
発生回路306,307のそれぞれより出力されるパル
ス信号の波高値を決定している。312は制御回路で、
特性調整フロー全体を制御し、パルス波高値設定回路3
11に波高値を設定するためのデータTvを出力してい
る。尚、312aはCPUで、制御回路312の動作を
制御している。
【0114】312bは、各素子の特性調整のための各
素子の発光特性を記憶するための輝度データ格納メモリ
である。
【0115】具体的には、輝度データ格納メモリ312
bは通常駆動電圧Vdrv印加時に各素子から放出され
る電子によって発光した発光輝度に比例した発光データ
を格納している。
【0116】312cは目標設定値にするために必要な
特性シフト電圧を格納するメモリである。
【0117】312dは、詳細は後述するが、素子の特
性調整を行うために参照するルックアップテーブル(L
UT)である。
【0118】310はスイッチマトリクス制御回路で、
スイッチ切換え信号Tx、Tyを出力してスイッチマト
リクス303、304のスイッチの選択を制御すること
により、パルス電圧を印加する電子放出素子を選択して
いる。またどの素子を点灯させたかのアドレス情報Ax
yを演算装置308に出力している。
【0119】次に、この駆動回路の動作について説明す
る。この回路の動作は、表示パネル301の各表面伝導
型放出素子の発光輝度を測定し調整目標値に達するため
に必要な輝度ばらつき情報を得る段階と、調整目標値に
達するように特性シフト用のパルス波形信号を印加する
段階とを有する。
【0120】まず、発光輝度を測定する方法について述
べる。最初にロボットシステム309により輝度測定装
置305を計測したい表示パネル上の対面に位置させる
ように移動する。
【0121】次に制御回路312からのスイッチマトリ
クス制御信号Tswにより、スイッチマトリクス制御回
路310がスイッチマトリクス303及び304が所定
の行方向配線又は列方向配線を選択し、所望のアドレス
の表面伝導型放出素子が駆動できるように切換え接続さ
れる。
【0122】一方、制御回路312はパルス波高値設定
回路311に、電子放出特性の測定用の波高値データT
vを出力する。これによりパルス波高値設定回路311
から波高値データLpx及びLpyが、パルス発生回路
306,307のそれぞれに出力される。
【0123】この波高値データLpx及びLpyに基づ
いて、パルス発生回路306及び307のそれぞれは駆
動パルスPx及びPyを出力し、この駆動パルスPx及
びPyがスイッチマトリクス303及び304により選
択された素子に印加される。
【0124】ここで、この駆動パルスPx及びPyは、
表面伝導型放出素子に、特性測定のために印加される電
圧(波高値)Vdrvの1/2の振幅で、かつ互いに異
なる極性のパルスとなるように設定されている。また同
時に、高圧電源313により表示パネル301の蛍光体
に所定の電圧を印加する。
【0125】このアドレス選択とパルス印加の工程を複
数の行配線にわたって繰り返し表示パネルの矩形領域を
走査しながら駆動する。
【0126】そしてこの繰り返しの工程の期間を示す信
号Tsyncを電子シャッターのトリガーとしてエリア
センサーに渡す。
【0127】すなわち制御回路312は図5で示すよう
にTx、Tyに同期して駆動信号を出力し、Tyを走査
する行配線数分順次出力する。図5は、図4に示される
画像形成装置の特性調整装置における駆動タイミングチ
ャートである。
【0128】その複数個のTy信号を覆うようにTsy
nc信号を出力する。Tsyncが論理Highの期間
エリアセンサー305bのシャッターが開かれるためエ
リアセンサー305bには、光学レンズ305aを通し
て縮小された点灯像が結像される。
【0129】その様子を図6に模式的に示す。図6は、
図4に示される画像形成装置上の輝点がエリアセンサー
上に投影された様子を示す模式図である。
【0130】1つの発光点601に対して複数のエリア
センサーの素子602上に結像されるように光学系の縮
小倍率を設定しておく。
【0131】この撮像された像Ixyを演算装置308
に転送する。駆動した素子の像が結像されているので、
素子のそれぞれに対応して割り当てられたCCD情報の
素子分の和を計算すればその駆動されたそれぞれの素子
の発光量に比例した輝度値となる。これで駆動した矩形
エリアの素子に対応した輝度値が得られるので制御回路
312にLxyとして情報を送る。
【0132】蛍光体の残光時間の間も電子シャッターは
開放しているが、発光点同士はエリアセンサー上で空間
的に分離されているので残光時間の影響が発光点間で生
じることはなかった。
【0133】次に本実施形態で用いた特性調整方法を図
7、図8、図9を参照して模式的に説明する。図7は、
本発明に係る画像形成装置の特性調整方法により表示パ
ネル301のマルチ電子源を作成する工程中、予備駆動
電圧波高値Vpreを印加した各表面伝導型放出素子の
駆動電圧(駆動パルスの波高値)Vfを変えたときの放
出電流特性の一例を示したグラフである。図8は、図7
(a)の放出電流特性を持つ素子に特性シフト電圧を印
加した際の放出電流特性の変化を示したグラフであり、
図9は、特性シフトパルス電圧波高値(特性シフト電
圧)と放出電流変化を示したグラフである。
【0134】図7において、ある表面伝導型放出素子の
電子放出特性が動作曲線(a)で示されている、駆動電
圧Vdrvの時の放出電流は、曲線(a)の放出特性を
有する電子放出素子ではIe1となる。
【0135】一方、本実施形態に使用される表面伝導型
放出素子は、過去に印加された電圧の駆動パルスの最大
波高値やパルス巾に応じた放出電流特性(メモリ機能
性)を有している。
【0136】図8は、図7(a)の放出電流特性を持つ
素子に特性シフト電圧Vshift(Vshift≧V
pre)を印加した際に放出電流特性がどう変化するか
を示したものである(図8(c)曲線)。
【0137】特性シフト電圧の印加によりVdrv印加
時の放出電流IeがIe1からIe2に減少しているこ
とがわかる。即ち特性シフト電圧印加により放出電流特
性は右方向(放出電流が小さくなる方向)に、シフトす
ることになる。
【0138】放出電流に対する発光量は発光量に電子の
加速電圧、蛍光体の発光効率及び電流密度特性により決
まるのであらかじめそれらのを加味した量を参照すれば
発光特性をシフトさせることが出来る。本実施形態にお
いても、このような特性調整を行った。
【0139】本発明に係る画像形成装置の特性調整方法
の第1の実施形態においては、電子放出素子の使用に先
立って各電子放出素子の発光特性を測定し、電子放出特
性にバラツキがあった場合には均一になるように補正す
るが、各工程で電子放出素子に印加する電圧の大きさを
以下に述べるように設定した。
【0140】即ち、各電子放出素子の発光特性を測定す
る工程において印加する測定用駆動電圧と、各電子放出
素子の特性が均一になるように調整する工程において印
加する特性シフト用電圧と、電子放出素子を使用する際
に印加する駆動電圧の最大値とを、各々VEmeasu
re,Vshift,Vdriveと表した時、下記の
大小関係が成り立つようにした。
【0141】Vdrive<VEmeasure<Vs
hift
【0142】このように、VEmeasureをVdr
iveよりも大きく設定したことにより、各電子放出素
子には使用に先立って、使用時に印加される駆動電圧よ
りも大きな電圧が予め印加される。このため、使用中に
電子放出特性がシフトしてしまう不都合を防止できる。
【0143】また、VshiftをVEmeasure
よりも大きく設定しているので、特性シフト用パルスが
電子放出素子に印加される最大電圧となる。
【0144】従って、特性シフト用パルスを印加すれ
ば、電子放出特性を所望の特性にまで確実にシフトさせ
ることができる。
【0145】もちろんVshiftはVdriveより
も大きく設定されているので、均一に調整した電子放出
特性が使用中にシフトしてしまう不都合も防止できる。
【0146】ところで、素子からの電子放出電流に対す
る発光輝度は電子の加速電圧と電流密度、蛍光体の発光
特性で決まるので、ある初期特性をもつ電子放出素子に
対してどのくらいの大きさの特性シフト用電圧を印加す
れば、どれくらいの特性カーブが右方向にシフトするか
を知るには、いろいろな初期特性の電子放出素子を選ん
で、いろいろな大きさのVshiftを印加して実験を
行い輝度を計測し、様々なデータを蓄積しておいた。
【0147】すなわち、シフト電圧を印加して素子の特
性が変えられる記述を縦軸が放出電流Ieのグラフを用
いて説明しているが、そのグラフがわかっているので上
記の関係から縦軸が輝度の場合のグラフも決定すること
ができるということを意味する。
【0148】なお図4の装置においては、これらのデー
タを制御回路312に予めルックアップテーブル312
dとして蓄積している。
【0149】図9は、上記ルックアップテーブルの中か
ら、図7中に(a)で示された初期特性と同じ初期特性
を持つ電子放出素子のデータをピックアップしてグラフ
化して示したものである。
【0150】このグラフの横軸は特性シフト電圧の大き
さを表わし、縦軸は発光輝度Lを表す。このグラフは、
特性シフト用電圧を印加した後、Vdrvと等しい大き
さの駆動電圧を印加して放出電流を測定した結果であ
る。
【0151】したがって、Vdrv印加時L1で発光し
た図7中の(a)の素子をVdrv印加時L2にするた
めに印加するべき特性シフト用電圧の大きさを決定する
には、図9のグラフにおいてLがL2と等しい点のVs
hift値を読み取れば良い(図中Vshift#
1)。
【0152】本実施形態においては表示パネルの領域を
縦横10×8の視野に分割して計測できるようにその光
学系とロボットシステムを設計した。
【0153】本実施形態においては1色の1画素の蛍光
体が205μm×300ミクロン、横ブラックストライ
プ幅300ミクロンの大きさに構成したため1280×
1024画素では表示領域は約790mm×442mm
となる。
【0154】したがってその領域を走査できるようにロ
ボットシステムを設計し、光学系の倍率を0.18倍と
した。
【0155】図10は、制御回路312による特性測定
処理を示すフローチャートであり、本発明に係る画像形
成装置の特性調整方法の第1の実施形態の電子源の各表
面伝導型放出素子の特性調整処理を示すフローチャート
である。
【0156】まずステップ1001で、光学系を所望の
視野に移動する。
【0157】ステップ1002でスイッチマトリクス制
御信号Tswを出力して、スイッチマトリクス制御回路
310によりスイッチマトリクス303,304を切り
換えて表示パネル301の表面伝導型放出素子を384
素子選択する。
【0158】次にステップ1003で、その選択された
素子に印加するパルス信号の波高値データTvをパルス
波高値設定回路311に出力する。測定用パルスの波高
値は、画像表示を行う際の駆動電圧Vdrvある。
【0159】そしてステップ1004で、パルス発生回
路306,307よりスイッチマトリクス303,30
4を介して、ステップS1で選択されている表面伝導型
放出素子に、電子放出素子の特性測定用のパルス信号を
印加する。
【0160】次に、ステップ1005で駆動電圧に対す
る輝度を測定する。
【0161】そして、ステップ1006で、予定した駆
動電圧に対する輝度値の測定が終了したか否かを判定す
る。
【0162】本実施形態においては、駆動電圧を変えて
Vdrv,Vdrv−0.5Volt,Vdrv−1V
oltの3種類の条件で複数回輝度を計測した。
【0163】予定された駆動電圧による輝度測定が終了
していなければ、予定された駆動電圧による輝度測定が
終了するまでステップ1003からステップ1005ま
での処理を繰り返す。予定された駆動電圧による輝度測
定が終了していれば、ステップ1007に移行する。
【0164】このステップ1002からステップ100
6を96回、指定する行配線を順次代えながら繰り返す
(ステップ1007)。
【0165】次にステップ1008で発光画像と駆動さ
れた素子のアドレスから素子アドレスに対応した輝度値
に変換する。すなわち384×96個の素子を駆動しそ
の輝度値を得ることができた。ステップ1009で、輝
度データ格納メモリ312bに格納する。
【0166】ステップ1010でシフト電圧印加処理を
行う。このステップの詳細は後述する。ここまでで1つ
の視野についてシフト電圧の印加処理が終了する。
【0167】ステップ1011では、表示パネル1の全
ての視野に対して、輝度測定、シフト電圧印加処理を行
ったかどうかを調べ、そうでないときはステップ100
1に進み、次の視野に光学系を移動し繰り返す。
【0168】光学系の移動はロボットシステム309を
用いたが、輝度測定系の移動速度は30mm/秒で動か
した。
【0169】1つの視野は約80mm×60mmなので
視野間の移動時間は4秒ほどであった。
【0170】本実施形態ではVdrv=14V、Vpr
e=16V、Vshift=16〜18V、特性シフト
にはパルス巾1ms、周期2msの短形パルス、輝度測
定にはパルス幅18μs周期20μsを用いた。
【0171】移動時間と素子を点灯した時間であるが、
全画面の輝度値を計測するときに出力するパルス数は1
視野あたり96発、視野数が80なので計7680発で
あるから駆動時間は0.15秒である。移動時間は4秒
が80視野分あるので320秒、程度であった。
【0172】またシフト電圧の印加時間は2ms×全素
子数なので約5900秒であった。
【0173】図11は、本実施の形態の制御回路312
により実施される、表示パネル301の1視野内の表面
伝導型放出素子の輝度値を目標設定値に揃えるための処
理を示すフローチャートであり図10のステップ101
0に相当する。すなわち、図11は、本発明に係る画像
形成装置の特性調整方法の第1の実施形態における測定
した電子放出特性に基づいて特性調整信号を印加する処
理を示すフローチャートである。
【0174】まずステップ1101で輝度データ格納メ
モリ312bより計測された輝度値を読み込む。ステッ
プ1102で、その表面伝導型放出素子に特性シフト電
圧を印加する必要があるか否か、すなわち目標うとする
輝度値との上下を判断する。
【0175】シフト電圧印加が必要な場合、ステップ1
103として、CPU312aは、ルックアップテーブ
ル312dの中から、当該素子と初期特性が最も近似し
た素子のデータを読み出す。
【0176】ここで、初期特性とは輝度のVf依存性に
なるので、CPU312aは、Vfを変えて輝度を計測
し、その近似カーブを求めてその近似係数を比較して値
が近いデータを選ぶ。
【0177】そして、当該データの中から、その素子の
特性を目標値に等化させるための特性シフト電圧を選び
出す。
【0178】この場合、通常、加速電圧、蛍光体の発光
特性は、ある製品に対しては一種類しかないと考えてよ
い(蛍光体はRGB3種類になる)。
【0179】また放出電流と輝度(蛍光体の発光特性)
の関係もほぼ一意に決まると考えてよいので当該発明に
おいては素子駆動電圧Vfが変化に対する輝度の変化が
初期特性となる。
【0180】次にステップ1103で、スイッチマトリ
クス制御信号Tswによりスイッチマトリクス制御回路
312を介してスイッチマトリクス303及び304を
制御し、表示パネル301の表面伝導型放出素子を1素
子選択する。
【0181】波高値設定信号Tvによりパルス波高値設
定回路311でパルス信号の波高値を設定し、ステップ
1104で、パルス波高値設定回路311は波高値デー
タLpx及びLpyを出力し、その値に基づいてパルス
発生回路306及び307は、その設定された波高値の
駆動パルスPx及びPyを出力する。
【0182】こうして、夫々の素子について、特性シフ
ト用電圧の値を決定し、特性をシフトさせる必要がある
表面伝導型放出素子に、その特性に応じた特性シフトパ
ルスが印加される(ステップ1105)。
【0183】ステップ1106で1視野内の全ての表面
伝導型放出素子に対する処理が終了したかを調べ、そう
でないときは次の素子を選択し(ステップ1107)、
ステップ1101に戻る。
【0184】以上の工程により作成した画像形成装置を
Vdrv=14Voltで駆動し全面の輝度むらを計測
したところ標準偏差/平均値は3%であった。またその
パネルに動画像を表示するとばらつき感を感じない高品
位の画像が表示できた。
【0185】(画像形成装置の特性調整方法の第2の実
施形態)次に本発明に係る画像形成装置の特性調整方法
の第2の実施形態について説明する。
【0186】表示パネル301の各表面伝導型放出素子
の電子放出特性を、ある目標設定値にそって揃えるため
の装置構成は図12である。前述の図4の構成に輝度測
定系314、315、316パルス発生回路317、3
18が加わっている。図12は、本発明に係る画像形成
装置の特性調整方法の第2の実施形態に使用される、マ
ルチ電子源を用いた画像形成装置及び特性調整信号をこ
の画像形成装置に印加する画像形成装置の特性調整装置
の概略構成図である。
【0187】表示パネルの作成に関しては第1の実施形
態と共通するので省略する。本実施形態では1度に選択
する視野を4つ設けることで高速化を測っている。
【0188】図13は、本発明に係る画像形成装置の特
性調整方法の第2の実施形態における特性調整装置の構
成を示す斜視図である。
【0189】図13で示す模式図の様にステージ130
1上に表示パネル301が置かれ、台座1302上にX
Y方向に光学系を移動するためのロボットシステム13
03を配置している。光学系はレンズ1304とCCD
カメラ1305からなり4台分配置されている。
【0190】本発明に係る画像形成装置の特性調整方法
の第2の実施形態の動作について図14を参照して説明
する。図14は、本発明に係る画像形成装置の特性調整
方法の第2の実施形態の電子源の各表面伝導型放出素子
の特性調整をするための処理を示すフローチャートであ
る。
【0191】まずステップ1401で、2つの光学系を
図15で示すような視野1、視野2、視野3、視野4の
2つの場所に移動する。図15は、本発明に係る画像形
成装置の特性調整方法の第2の実施形態における画像形
成装置に設定した視野位置を示す模式図である。
【0192】ステップ1402でスイッチマトリクス制
御信号Tswを出力して、スイッチマトリクス制御回路
310によりスイッチマトリクス303,304を切り
換えて表示パネル301の表面伝導型放出素子を768
素子選択する。
【0193】具体的に複数ある視野を一つ選んだ場合の
動作を例にとるとY=1、Y=385、X=1〜38
4、X=1921〜2304のスイッチがONになるよ
うに選択する。
【0194】次にステップ1403で、その選択された
素子に印加するパルス信号の波高値データTv1、Tv
2をパルス波高値設定回路311に出力する。
【0195】そしてステップ1404で、パルス発生回
路306,307、317、318によりスイッチマト
リクス303,304を介して、ステップ1402で選
択されている表面伝導型放出素子に、電子放出素子の特
性測定用のパルス信号を印加する。
【0196】したがってY=1、Y=385、X=1〜
384、X=1921〜2304の合計1536個の素
子が同時に駆動される。
【0197】ここで、合計1536個となるのは、Y=
1とY=385の2ラインに対してそれぞれX=1〜3
84、X=1921〜2304が点灯するので、153
6となる。これは、2次元的にみると4箇所(部分)点
灯していることになる。
【0198】次に、ステップ1405で駆動電圧に対す
る輝度を測定する。
【0199】そして、ステップ1406で、予定した駆
動電圧に対する輝度値の測定が終了したか否かを判定す
る。
【0200】本実施形態においては、駆動電圧を変えて
Vdrv,Vdrv−0.5Volt,Vdrv−1V
oltの3種類の条件で複数回輝度を計測した。
【0201】予定された駆動電圧による輝度測定が終了
していなければ、予定された駆動電圧による輝度測定が
終了するまでステップ1402からステップ1405ま
での処理を繰り返す。予定された駆動電圧による輝度測
定が終了していれば、ステップ1407に移行する。
【0202】このステップ1403からステップ140
6を96回、指定する行配線(Y)を順次増やしながら
繰り返す(ステップ1407)。
【0203】この操作によりY=1〜96、Y=385
〜480、X=1〜384、X=1921〜2304の
4つの矩形エリアが点灯する。
【0204】この矩形領域の点灯に同期した同期信号T
syncを制御回路312から出力し、その信号をもと
に電子シャッターを開放する。これによりステップ14
05で駆動された領域の発光画像を測定する。
【0205】ここで、この時の各エリアに印加される電
圧について説明する。図15で重複領域として太斜線部
で示した場所にも電圧が印加される。
【0206】調整を行なう素子以外の素子にシフト電圧
がかかると素子の特性が変動してしまうので本実施形態
においては以下の様にしてこの問題を回避した。
【0207】視野1、2のY側から印加される電圧をP
y1、X側から印加される電圧をPx1視野3、4のY
側から印加される電圧をPy2、X側から印加される電
圧をPx2とすると視野1内の素子にはPy1+Px1
の電圧がかかる。視野2内の素子にはPy2+Px1の
電圧が印加される。
【0208】視野3の素子にはPy1+Px2の電圧が
かかる。視野2内の素子にはPy2+Px2の電圧が印
加される。
【0209】したがって輝度を測定する際は各4種類の
電圧がVdrv電圧となるように指示信号Lp1,Lp
2,Lp3,Lp4を決定した。
【0210】次にステップ1408で第1の実施形態と
同様に発光画像と駆動された素子のアドレスから素子ア
ドレスに対応した輝度値に変換する。これで384×9
6個の素子が並んだ4箇所についての輝度値を得ること
ができた。
【0211】そして、輝度データを輝度データ格納メモ
リに保存し(ステップ1409)、シフト電圧印加処理
を行い(ステップ1410)、全視野に対して終了した
か否かを確認し(ステップ1411)、終了していれば
動作を終える。
【0212】特性をシフトさせる処理について図16を
用いて説明する。図16は、本発明に係る画像形成装置
の特性調整方法の第2の実施形態において特性調整信号
を印加する処理を示すフローチャートである。本実施形
態では視野2つに対してそれぞれ1つづつ合計2つの素
子を選び同時にシフト電圧を印加する。
【0213】4つの視野に対してそれぞれ1つ、計4つ
の素子について同時にシフト電圧を印加しないのは以下
の理由による。
【0214】たとえば、図15において視野1、視野
2、視野3,視野4の中にある素子に印加する必要があ
るシフト電圧が16,15,15.5,16voltで
あったとすると、視野には上述したような組み合わせの
電圧しか印加されないのでPy1,Py2,Px1,P
x2を決めることができない。
【0215】また同時にシフト電圧を印加する素子2つ
を視野1、視野4から選ぼうとしても視野2、視野3の
部分にも電圧が印加されてしまうため同時に異なるシフ
ト電圧を印加することは出来ない。
【0216】そのため、図16に示されるように、ステ
ップ1601でそれぞれの視野1、視野3に該当するア
ドレスの素子の輝度−データを読み込む。便宜上仮に
A,とBの素子とするとまずAに対して目標値との比較
を行いVシフト電圧の印加の有無を判断する。
【0217】シフト電圧の印加が必要か否かを判断し
(ステップ1602)、印加が必要な場合にはステップ
1603においてルックアップテーブルの参照を行いシ
フト電圧Tv1を決める。
【0218】次にステップ1604でBの素子に対する
シフト電圧印加の有無を判断しステップ1605でTv
2を決定する。
【0219】次に図12、311のパルス波高値設定回
路を用いてパルスの波高値を決定するが、たとえばAの
素子にVpreとして16Volt、Bの素子に15.
5Voltの電圧印加が必要な場合にはPy1=8Vo
lt、Py2=0Volt、Px1=8volt、Px
2=7.5Voltとして設定した。
【0220】このときには視野2、視野4の素子にはV
drv以下の電圧しか印加されることは無いのでAの素
子とBの素子のシフト電圧印加を同時に行なっても特性
には影響を与えなかった。
【0221】この様に指示信号Lp1,Lp2,Lp
3,Lp4を決定していく。そして、選択する素子を視
野2、視野4から選んで順次シフト電圧印加処理を行な
う。
【0222】本実施形態ではVdrv=14v、Vpr
e=16v、Vshift=16〜18v、特性シフト
にはパルス巾1ms、周期2msの短形パルス、輝度測
定にはパルス幅18μs周期20μsを用いて調整を行
なったので、上記のような電圧設定を用いてステップ1
606で素子を選択し、ステップ1607で実際にシフ
ト電圧を印加する。
【0223】以上の処理を2つの視野内の全素子に対し
て行い(ステップ1609)、ステップ1608におい
て終了と判断されれば終了となる。
【0224】全画面の輝度値を計測する時間は第1の実
施形態の1/4の80秒程度であった。シフト電圧の印
加時間は本実施形態においては2つの素子に対して同時
にシフト電圧を印加することが可能になったので300
0秒と第1の実施形態の半分にすることができた。
【0225】以上の工程により作成した画像形成装置を
Vdrv=14Voltで駆動し全面の輝度むらを計測
したところ標準偏差/平均値は3%であり第1の実施形
態で作成した画像形成装置比較して同等のものが作成で
きた。
【0226】本実施形態では視野を2つに増やした場合
の実施形態について説明したが、光学系を増やせばその
分輝度計測にかかる時間を短縮することが出来る。
【0227】またパルスの波高値を設定する信号および
パルス発生回路を4つ設けたため4つの視野を設定し、
2つの素子に対して同時にシフト電圧を印加したが、こ
れらのパルス発生回路を増やせば同時にシフト電圧を印
加できる素子数をさらに増やすことが可能である。
【0228】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、大
画面TVに応用した場合に、複数視野に分割して発光特
性を取得して調整処理を順次行うことで各電子放出素子
の電子放出特性の不規則なバラツキに起因する表示装置
の輝度ばらつきを軽減することが出来た。
【0229】さらに複数の素子の発光特性を同時に得ら
れることから調整処理を高速に行うことが出来たため、
特性調整に必要な工程時間を大幅に短縮することができ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の特性調整方法に使用さ
れる画像形成装置の表示パネルの一部を切り欠いて示し
た斜視図である。
【図2】図1に示される画像形成装置のマルチ電子源の
基板の平面図である。
【図3】図1に示される画像形成装置の表示パネルのフ
ェースプレートの蛍光体配列を例示した平面図である。
【図4】本発明に係る画像形成装置の特性調整方法の第
1の実施形態に使用される、マルチ電子源を用いた画像
形成装置及び特性調整信号をこの画像形成装置に印加す
る画像形成装置の特性調整装置の概略構成図である。
【図5】図4に示される画像形成装置の特性調整装置に
おける駆動タイミングチャートである。
【図6】図4に示される画像形成装置上の輝点がエリア
センサー上に投影された様子を示す模式図である。
【図7】本発明に係る画像形成装置の特性調整方法によ
り表示パネル301のマルチ電子源を作成する工程中、
予備駆動電圧波高値Vpreを印加した各表面伝導型放
出素子の駆動電圧(駆動パルスの波高値)Vfを変えた
ときの放出電流特性の一例を示したグラフである。
【図8】図7(a)の放出電流特性を持つ素子に特性シ
フト電圧を印加した際の放出電流特性の変化を示したグ
ラフである。
【図9】特性シフトパルス電圧波高値と放出電流変化を
示したグラフである。
【図10】本発明に係る画像形成装置の特性調整方法の
第1の実施形態の電子源の各表面伝導型放出素子の特性
調整処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明に係る画像形成装置の特性調整方法の
第1の実施形態における測定した電子放出特性に基づい
て特性調整信号を印加する処理を示すフローチャートで
ある。
【図12】本発明に係る画像形成装置の特性調整方法の
第2の実施形態に使用される、マルチ電子源を用いた画
像形成装置及び特性調整信号をこの画像形成装置に印加
する画像形成装置の特性調整装置の概略構成図である。
【図13】本発明に係る画像形成装置の特性調整方法の
第2の実施形態における特性調整装置の構成を示す斜視
図である。
【図14】本発明に係る画像形成装置の特性調整方法の
第2の実施形態の電子源の各表面伝導型放出素子の特性
調整をするための処理を示すフローチャートである。
【図15】本発明に係る画像形成装置の特性調整方法の
第2の実施形態における画像形成装置に設定した視野位
置を示す模式図である。
【図16】本発明に係る画像形成装置の特性調整方法の
第2の実施形態において特性調整信号を印加する処理を
示すフローチャートである。
【図17】従来の表面伝導型放出素子の構成を示す図で
ある。
【図18】表面伝導型放出素子の素子特性の一例を示す
グラフである。
【図19】従来のマルチ電子源のマトリクス配線を説明
する図である。
【図20】従来の発明の特性調整方法における特性測定
工程のフローチャートである。
【符号の説明】
301 表示パネル 302 端子 303,304 スイッチマトリクス 305 輝度測定装置 305a 光学レンズ 305b エリアセンサー 306,307 パルス発生回路 308 演算装置 309 ロボットシステム 310 スイッチマトリクス制御回路 311 パルス波高値設定回路 312 制御回路 312a CPU 312b 輝度データ格納メモリ 312c メモリ 312d ルックアップテーブル 313 高圧電源 314 輝度測定系 317,318 パルス発生回路 601 発光点 602 素子 1001 基板 1002 表面伝導型放出素子 1003 行方向配線電極 1004 列方向配線電極 1005 リアプレート 1006 側壁 1007 フェースプレート 1008 蛍光膜 1009 メタルバック 1010 導電体 1301 ステージ 1302 台座 1303 ロボットシステム 1304 レンズ 1305 カメラ 3001 基板 3004 導電性薄膜 3005 電子放出部 4001 表面伝導型放出素子 4002 行方向配線 4003 列方向配線 4004,4005 配線抵抗
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小口 高弘 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 青木 修司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 5C012 AA05 BE01 VV02

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の電子放出素子を配線により電気的
    に接続し基板上に並べたマルチ電子源と電子ビームの照
    射により発光する蛍光部材とを備える画像形成装置の特
    性調整方法であって、 前記画像形成装置の表示部を複数の領域に分割し、該分
    割されたそれぞれの領域内の少なくとも1以上の前記電
    子放出素子の発光特性を測定する測定工程と、 前記分割領域内の電子放出素子の発光特性を、特性シフ
    ト電圧を電子放出素子に印加することにより個別の特性
    目標値までシフトさせるシフト工程とを備えることを特
    徴とする画像形成装置の特性調整方法。
  2. 【請求項2】 前記測定工程は、 前記電子放出素子に駆動電圧を印加して該電子放出素子
    の輝度を測定する輝度測定工程と、 前記測定された電子放出素子の駆動電圧と輝度との関係
    と、少なくとも1以上の初期特性の異なる電子放出素子
    の駆動電圧と輝度との関係とを比較して、 前記測定された電子放出素子の初期特性と略一致する初
    期特性の電子放出素子を選択し、 該選択された電子放出素子に印加される特性シフト電圧
    と該選択された電子放出素子からの放出電流との関係に
    基づいて、 前記測定された電子放出素子に印加する特性シフト電圧
    を算出する算出工程とを備えることを特徴とする請求項
    1に記載の画像形成装置の特性調整方法。
  3. 【請求項3】 前記測定工程は、 前記分割された領域中の電子放出素子のうちの複数の電
    子放出素子を同時に駆動して輝度を測定する工程である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置
    の特性調整方法。
  4. 【請求項4】 前記測定工程は、 前記分割された領域のうち異なる分割領域内の電子放出
    素子のなかから少なくとも1つ以上の電子放出素子を選
    択し、前記分割領域のうち互いに異なる分割領域の電子
    放出素子の駆動電圧と輝度との関係を同時に測定する工
    程であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1
    項に記載の画像形成装置の特性調整方法。
  5. 【請求項5】 前記測定工程における輝度の測定は、 前記分割されたそれぞれの領域内の少なくとも1以上の
    電子放出素子の輝度を移動することなしに測定可能な輝
    度測定装置により行われることを特徴とする請求項1か
    ら4のいずれか1項に記載の画像形成装置の特性調整方
    法。
  6. 【請求項6】 前記シフト工程は、 前記分割された領域のうち異なる分割領域内の電子放出
    素子のなかから少なくとも1つ以上の電子放出素子を選
    択し、前記分割領域のうち異なる分割領域内の電子放出
    素子のそれぞれに同時に特性シフト電圧を印加する工程
    を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1
    項に記載の画像形成装置の特性調整方法。
  7. 【請求項7】 複数の電子放出素子を配線により電気的
    に接続し基板上に並べたマルチ電子源と電子ビームの照
    射により発光する蛍光部材とを備える画像形成装置の製
    造方法であって、 前記基板上に複数の電子放出素子用電極及び導電膜を形
    成する工程と、 前記電子放出用電極を介して前記導電膜に通電すること
    により前記複数の電子放出素子の電子放出部を形成する
    工程と、 前記電子放出部を活性化する工程と、 上記請求項1から6のいずれか1項に記載の画像形成装
    置の特性調整方法を行う工程とを備えることを特徴とす
    る画像形成装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記請求項1から6のいずれか1項に記
    載の画像形成装置の特性調整方法により特性シフト電圧
    が電子放出素子に印加され特性が調整されたことを特徴
    とする画像形成装置。
  9. 【請求項9】 複数の電子放出素子を配線により電気的
    に接続し基板上に並べたマルチ電子源と電子ビームの照
    射により発光する蛍光部材とを備える画像形成装置の特
    性調整装置であって、 前記画像形成装置の表示部の矩形領域内の複数の電子放
    出素子を選択して駆動する選択駆動手段と、 前記選択駆動手段の駆動時間に同期したタイミング信号
    発生手段と、 前記タイミング信号発生手段の出力に同期して、前記電
    子放出素子からの放出電子によって発光する発光手段の
    発光信号を取り込む少なくとも1つの輝度測定手段と、 前記輝度測定手段が取得した発光信号の値と前記選択駆
    動手段が前記電子放出素子を選択する際に用いた選択情
    報とから、選択された電子放出素子の発光特性を求める
    演算手段と、 前記演算手段の出力を格納する格納手段と、 前記選択された電子放出素子に、前記演算手段により求
    められた発光特性に基づいて電圧を印加する電圧印加手
    段と、 前記輝度測定手段と前記表示部を相対的に移動させる少
    なくとも1以上の移動手段とを備えることを特徴とする
    特性調整装置。
  10. 【請求項10】 前記選択駆動手段は、 前記分割された領域中の電子放出素子のうちの複数の電
    子放出素子を同時に駆動することを特徴とする請求項9
    に記載の特性調整装置。
  11. 【請求項11】 前記電圧印加手段は、前記複数の矩形
    領域内の電子放出素子にそれぞれ異なる電圧を同時に印
    加可能であることを特徴とする請求項9又は10に記載
    の特性調整装置。
  12. 【請求項12】 複数の電子放出素子を配線により電気
    的に接続し基板上に並べたマルチ電子源と電子ビームの
    照射により発光する蛍光部材とを備える画像形成装置の
    特性調整装置であって、 前記画像形成装置の表示部を複数の領域に分割した場合
    における、該複数の領域のうちの1つの領域の全体の電
    子放出素子の輝度を移動することなしに測定可能な少な
    くとも1以上の輝度測定装置と、 前記電子放出素子に印加された駆動電圧と前記輝度測定
    装置により測定された輝度との関係に基づいて、該電子
    放出素子に印加する特性シフト電圧を算出する制御回路
    と、 前記特性シフト電圧を前記電子放出素子に印加する印加
    手段とを備えることを特徴とする特性調整装置。
  13. 【請求項13】 前記輝度測定装置は、 同時に駆動された、複数の、前記分割された領域中の電
    子放出素子の輝度を測定することを特徴とする請求項1
    2に記載の特性調整装置。
  14. 【請求項14】 前記制御回路は、 少なくとも1以上の異なる初期特性の電子放出素子の輝
    度と駆動電圧との関係と、 該異なる初期特性の電子放出素子のそれぞれについて、
    該電子放出素子に印加される特性シフト電圧と該電子放
    出素子からの放出電流との関係とを格納するメモリを備
    え、 前記輝度を測定した電子放出素子の輝度と駆動電圧との
    関係が略一致する前記メモリに格納された輝度と駆動電
    圧との関係を選択し、 該選択された輝度と駆動電圧との関係の電子放出素子の
    前記特性シフト電圧と該電子放出素子からの放出電流と
    の関係に基づいて、 前記測定された電子放出素子に印加する特性シフト電圧
    を算出することを特徴とする請求項12又は13に記載
    の特性調整装置。
  15. 【請求項15】 上記請求項9から14のいずれか1項
    に記載の特性調整装置により、電子放出素子に特性シフ
    ト電圧が印加され特性が調整されることを特徴とする画
    像形成装置。
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