JP2000252100A - 偏向電磁石及びその製造方法 - Google Patents

偏向電磁石及びその製造方法

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JP2000252100A
JP2000252100A JP4648399A JP4648399A JP2000252100A JP 2000252100 A JP2000252100 A JP 2000252100A JP 4648399 A JP4648399 A JP 4648399A JP 4648399 A JP4648399 A JP 4648399A JP 2000252100 A JP2000252100 A JP 2000252100A
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particle beam
electromagnet
magnetic
gap
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Shoichi Nakanishi
正一 中西
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 荷電粒子ビーム幅に応じた効率的な有効磁場
領域を形成可能で、しかも電磁鋼板の積層構造を変える
ことでエッジ角を必要に応じて高精度に設定可能とす
る。 【解決手段】 この偏向電磁石は、電磁石本体1の荷電
粒子ビーム出入口6A,6Bにおける電磁鋼板2A,2
Bを荷電粒子ビーム7のビーム軸との直交面に対して所
定角度傾けることによりエッジ角αを設定し、荷電粒子
ビーム出入口6A,6Bにおける電磁鋼板2A,2Bに
対して平行に他の電磁鋼板2を前記荷電粒子ビームが通
るべき設計軌道8に合わせて一枚ずつずらして積層する
ことで磁極幅Hを荷電粒子ビーム出入口6A,6B側よ
りも設計軌道8の中央部側を大きくした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、荷電粒子ビーム
を偏向させる偏向電磁石に関し、特に電磁石本体を構成
する電磁鋼板の積み方によって荷電粒子ビームの形状お
よび幅について効率的に有効磁場領域を確保する偏向電
磁石に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5は例えば特開平01-194300号公報に
示された従来の偏向電磁石を示す図である。この偏向電
磁石は、所定のギャップ105を介して互いに対向する
一対の磁極104及び該一対の磁極104を連結するヨ
ーク106とを有するとともに多数枚の電磁鋼板102
で構成された電磁石本体101と、ギャップ105に一
様の磁場を発生させてギャップ105内を通る荷電粒子
ビームBの軌道を曲率中心を持つ円弧状に曲げるコイル
103とを備えている。
【0003】この偏向電磁石の磁極104の断面形状は
偏向角によらず同一形状となっており、発生する磁場有
効領域は一定の幅を持つ円弧状である。そして、偏向電
磁石により曲げられる荷電粒子ビームBの幅は電磁石本
体101内で一定の場合、または荷電粒子ビームの幅が
変化するが電磁石本体101内の最大荷電粒子ビーム幅
が有効磁場領域の幅より小さい場合に適用できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の偏向電磁石で
は、荷電粒子ビーム幅が変化する場合には、最大荷電粒
子ビーム幅に合わせて磁極幅を設計した場合には、電磁
石本体101の全体が大きくなり、偏向電磁石の設置場
所を広くする必要があるばかりか、電磁鋼板102の材
料コスト及びコイル103の材料コストが高くなり、コ
イル103に必要な電力量も高くなるという問題点があ
った。
【0005】このように、最大荷電粒子ビーム幅により
定められた一定の磁極幅を持つ従来の偏向電磁石では、
荷電粒子ビームBの軌道全域にわたって広い有効磁場領
域を与えることになるので、荷電粒子ビーム幅が電磁石
本体101内で顕著に変化する場合には、荷電粒子ビー
ム幅の小さいところでは無駄な磁場領域を与える結果と
なり、電磁石本体101が大きくなるという問題点があ
った。
【0006】また、荷電粒子ビームBを収束させるため
にエッジ角が必要とされる場合、電磁石本体101の荷
電粒子ビーム出入口でエッジ角に相当する角度をつける
ためには、電磁鋼板102を積層した電磁石本体1の荷
電粒子ビームの出入口を切断する必要性が生じる。ここ
で、エッジ角とは、荷電粒子ビームのビーム軸の直交面
と電磁石本体1の荷電粒子ビーム出入口側の端面との交
差角度である。しかし、荷電粒子ビーム出入口では必ず
磁場強度の変化量が高くなるので、僅かな誤差でも荷電
粒子ビームBに対するエッジ効果に大きく影響すること
になり、荷電粒子ビームの出入口を切断した従来の偏向
電磁石では、エッジ角の精度が十分に得られないという
問題点があった。
【0007】また、この偏向電磁石では、設計軌道を境
界として偏向中心側と外側とで等幅の有効磁場領域であ
ったが、必要とする有効磁場領域が、偏向させる荷電粒
子ビームBの偏向中心側と外側とで異なる場合、有効磁
場領域を適合させるために必要以上に電磁石本体101
を大きくしなければならないという問題点もあった。
【0008】この発明は、上記のような問題点を解決す
ることを課題とするものであって、荷電粒子ビームの幅
が偏向電磁石の出入口と中央部とで大きく異なる場合
等、荷電粒子ビーム幅に応じた効率的な有効磁場領域が
形成することが可能で、しかもエッジ角形成についても
切断加工によるものではなく、また電磁鋼板の積層構造
を変えることでエッジ角を必要に応じて高精度に設定可
能な偏向電磁石を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る偏向電磁石は、ギャップを介して互いに対向する一対
の磁極及び該一対の磁極を連結するヨークを有するとと
もに多数枚の電磁鋼板を積層して構成された電磁石本体
と、この電磁石本体に設けられ前記ギャップに磁場を発
生させてギャップ内を通る荷電粒子ビームの軌道を曲率
中心を持つ円弧状に曲げるコイルとを備え、前記電磁石
本体は、荷電粒子ビーム出入口での電磁鋼板を荷電粒子
ビームのビーム軸との直交面に対して所定角度傾けるこ
とにより荷電粒子ビームを収束させるエッジ角を形成す
るとともに荷電粒子ビーム出入口での電磁鋼板に対して
平行に他の電磁鋼板を前記荷電粒子ビームが通るべき円
弧状の軌道に合わせて一枚ずつずらして積層して構成
し、前記軌道の前記曲率中心を通る偏向半径方向の磁極
幅を荷電粒子ビーム出入口側よりも前記軌道の中央部側
が大きくなっているものである。
【0010】また、請求項2に係る偏向電磁石は、ギャ
ップを介して互いに対向する一対の磁極及び該一対の磁
極を連結するヨークを有するとともに多数枚の電磁鋼板
を積層して構成された電磁石本体と、この電磁石本体に
設けられ前記ギャップに磁場を発生させてギャップ内を
通る荷電粒子ビームの軌道を曲率中心を持つ円弧状に曲
げるコイルとを備え、前記電磁石本体は、荷電粒子ビー
ム出入口の電磁鋼板を荷電粒子ビームのビーム軸との直
交面と平行に配置しているとともに前記荷電粒子ビーム
出入口の電磁鋼板に対して平行に他の電磁鋼板を前記荷
電粒子ビームが通るべき円弧状の軌道に合わせて一枚ず
つずらして積層して構成し、前記軌道の前記曲率中心を
通る偏向半径方向の磁極幅を荷電粒子ビームの軌道の中
央部側よりも荷電粒子ビーム出入口側が大きくなってい
るものである。
【0011】また、請求項3に係る偏向電磁石では、電
磁石本体は、偏向角が1/2であるとともに互いに荷電
粒子ビームのビーム軸に対して垂直な面で接合された第
1の積層ブロック及び第2の積層ブロックで構成されて
いる。
【0012】また、請求項4に係る偏向電磁石は、ギャ
ップを介して互いに対向する一対の磁極及び該一対の磁
極を連結するヨークを有するとともに多数枚の電磁鋼板
を積層して構成された電磁石本体と、この電磁石本体に
設けられ前記ギャップに磁場を発生させてギャップ内を
通る荷電粒子ビームの軌道を曲率中心を持つ円弧状に曲
げるコイルとを備え、前記電磁石本体は、前記荷電粒子
ビームが通るべき円弧状の前記軌道に合わせて一枚ずつ
ずらして積層することで前記軌道の前記曲率中心を通る
偏向半径方向の磁極幅を荷電粒子ビームの軌道の中央部
側を荷電粒子ビームの出入口側より大きくすると共に、
各電磁鋼板の電極の中心線を荷電粒子ビームの軌道に対
して軌道の曲率中心を通る偏向半径方向に一定寸法ずら
すことで電磁石本体の有効磁場領域を荷電粒子ビームの
軌道に対してずらすようになっているものである。
【0013】また、請求項5に係る偏向電磁石では、軌
道の曲率中心を通る偏向半径方向の磁極の両端部に両端
部の磁束密度を高めるシムを設けたものである。
【0014】また、請求項6に係る偏向電磁石の製造方
法は、電磁鋼板を積層してブロックを形成する工程と、
荷電粒子ビームのビーム軸に対して垂直な切断面を有す
るように前記ブロックを切断して、第1の積層ブロック
及び第2の積層ブロックを形成する工程と、前記第1の
積層ブロックの切断面と第2の積層ブロックの切断面と
を接合する工程とを含むものである。
【0015】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、この発明
の実施の形態1に係る偏向電磁石を示している。この実
施の形態1は、偏向電磁石が荷電粒子ビーム7の出入口
においてエッジフォーカスの効果を有する場合に適用す
るものである。即ち、この偏向電磁石は、所定のギャッ
プ6を介して互いに対向する一対の磁極5,5及びこの
一対の磁極5,5を連結するヨーク21を有するととも
に、多数枚の電磁鋼板2が積層されて構成された電磁石
本体1と、この電磁石本体1に設けられ磁極5,5間の
ギャップ6に一様の磁場を発生させてギャップ6内を通
る荷電粒子ビーム7の軌道を曲率中心4を持つ円弧状に
曲げるコイル3とを備えている。
【0016】この電磁石本体1は、荷電粒子ビーム出入
口6A,6Bでの電磁鋼板2A,2Bを荷電粒子ビーム
7のビーム軸との直交面に対して所定角度傾けて荷電粒
子ビーム7を収束させるためのエッジ角αを形成し、こ
の荷電粒子ビーム出入口6A,6Bでの電磁鋼板2A,
2Bに対して平行に他の同一形状の電磁鋼板2を荷電粒
子ビーム7が通るべき円弧状の設計軌道8に合わせて一
枚ずつずらして積層して構成されている。この積層方法
を採用することで、荷電粒子ビーム7の設計軌道8の曲
率中心4を通る偏向半径方向の磁極幅H(電磁鋼板2に
対して垂直方向から見たときの磁極幅WとしたときにH
=Wcos(θ−(β/2−α))で示される。但し、
θは合わせ面11と曲率中心4を通る偏向半径方向との
間の角度である。)は荷電粒子ビーム出入口6A,6B
側よりも荷電粒子ビーム7の設計軌道8の中央部側が大
きくなっている。
【0017】上記電磁石本体1は、基準となる荷電粒子
ビーム入口6A側及び出口6B側のそれぞれの電磁鋼板
2A,2Bに対して偏向角βの1/2に相当するまで電
磁鋼板2を積層した2つの第1の積層体ブロック1A及
び第2の積層体ブロック1Bによって構成されている。
これらの第1の積層体ブロック1A及び第2の積層体ブ
ロック1A,1Bは設計軌道8全体の中央点で設計軌道
8に対して垂直な面で切断した合わせ面11で接合され
ている。
【0018】磁極5,5は、偏向半径方向両端部に円弧
部が形成されている。この円弧部の内側の中央領域がギ
ャップ6間に生じる磁場の誤差が加速器設計値の範囲内
である有効磁場領域9である。電磁鋼板2は、図1
(b)に示すように中央にH形状の穴が形成された薄板
で、図1(a)では点線よってその間隔が粗く示されて
いる。すなわち、電磁鋼板2は、ヨーク21が四角形の
枠を構成し、その対向辺間に磁極5,5が互いに対向す
るように突出して構成されている。各電磁鋼板2の中心
には、磁極5の中心位置を設計軌道8に合わせる位置を
表わす磁極基準線10が形成されている。
【0019】次に、本実施の形態1の偏向電磁石の電磁
石本体1の組立手順について説明する。まず、荷電粒子
ビーム出入口6A,6Bの電磁鋼板2A,2Bを設計軌
道8に対して所定のエッジ角αを持つように傾斜させ、
磁極基準線10を設計軌道8上に合わせて配置させる。
次に、基準とする電磁鋼板2A,2Bと同形のその他の
電磁鋼板2を、荷電粒子ビーム出入口6A,6Bの電磁
鋼板2A,2Bに対して平行に接着ないし溶接して積層
する。そのときには、磁極基準線10が設計軌道8上に
合うように積層される。この電磁鋼板2の積層は偏向電
磁石の偏向角βの1/2に相当するまで行なう。この電
磁鋼板のブロックを二組形成した後、各ブロックの荷電
粒子ビーム出入口6A、6Bの電磁鋼板2A、2Bと反
対側の部分を切断して、設計軌道8の全領域の中央点に
おいて設計軌道8の垂直な面となる合わせ面11を有す
る第1の積層ブロック1A及び第2の積層ブロック1B
を形成する。その後、第1の積層ブロック1A及び第2
の積層ブロック1Bは合わせ面11で接着ないし溶接し
て電磁石本体1を製作する。こうして製作された電磁石
本体1では、偏向半径方向の磁極幅Hは荷電粒子ビーム
7の設計軌道8の中央部で最大となり、出入口6A,6
B方向に向かうにつれ狭くなる。
【0020】偏向電磁石を制作する場合には、電磁鋼板
2が上記したように中央にH形状の穴が形成される薄板
によって構成されているために、上記制作された電磁石
本体1のままではコイル3を組み込むことが困難であ
る。そこで、一対の電極5,5を連結する左右のヨーク
21を上下に切断し、第1及び第2の積層ブロック1
A,1Bについても上下にさらに分割した4つの積層ブ
ロックを形成し、コイル3を電磁石本体1に組み込むよ
うにしている。
【0021】なお、本実施の形態では、電磁鋼板2をH
形状としているが、従来技術と同様に一対の電極を連結
するヨークが電極の左右片側だけ位置するようなC形の
電磁鋼板を用いてもよい。この場合には積層ブロック1
A,1Bを上下に分割する必要はない。
【0022】次に、上記構成の偏向電磁石の動作につい
て説明する。コイル3に電流を流すとヨーク1に磁場が
発生しギャップ6に一様な磁場が発生する。荷電粒子ビ
ーム7はギャップ6に発生した一様磁場を受けて曲率中
心4を持つ円弧状の設計軌道8を通る。つまり、荷電粒
子ビーム7はギャップ内6の有効磁場領域9内を進行す
る。この偏向電磁石の有効磁場領域9の偏向半径方向の
幅は電磁石中央で最大で電磁石出入口6A、6Bで最小
となるので、荷電粒子ビーム幅が電磁石中央で最大で電
磁石出入口6A、6Bで最小となる場合には、有効磁場
領域9は効率良く利用されることになる。また、このも
のでは、エッジ角を形成するために切断加工が不要であ
り、高精度のエッジフォーカス効果を得ることができ
る。
【0023】次に、本発明の他の実施の形態について説
明する。以下の実施の形態2乃至4では上記実施の形態
1と異なる点のみについて説明するものとし、同一の構
成部分について同一の符号を付し、その説明を省略する
ものとする。
【0024】実施の形態2.図2は本発明の実施の形態
2に係る偏向電磁石を示している。この実施の形態では
上記実施の形態1と異なりエッジ角を持たない形態を示
している。即ち、電磁石本体1の荷電粒子ビーム出入口
6A,6Bにおける電磁鋼板2A,2Bを荷電粒子ビー
ム7のビーム軸との直交面と平行に配置し、荷電粒子ビ
ーム出入口6A,6Bにおける電磁鋼板2A,2Bに対
して平行に他の電磁鋼板2を前記荷電粒子ビームが通る
べき設計軌道8に合わせて一枚ずつずらして積層するこ
とで、荷電粒子ビームの設計軌道8の曲率中心4を通る
偏向半径方向の磁極幅Hを荷電粒子ビーム7の設計軌道
8の中央部側よりも荷電粒子ビーム出入口側を大きくし
たものである。
【0025】上記実施の形態1では、電磁石出入口6
A,6Bの電磁鋼板2A,2Bを基準としてこれに平行
に積層することによりエッジ角αを形成する場合につい
て述べたが、この実施の形態2では、荷電粒子ビーム出
入口6A,6Bにおいて荷電粒子ビーム軸に垂直な面内
に基準となる電磁鋼板2A,2Bを設置して実施の形態
1と同様に積層したものである。このようにすると、荷
電粒子ビーム出入口6A,6Bで幅が大きく電磁石中央
部で小さくなる荷電粒子ビーム7で、さらにエッジ角を
必要としない場合に適した偏向電磁石とすることができ
る。
【0026】また、偏向電磁石の電磁石本体1の組立手
順についても、実施の形態1と同様である。即ち、偏向
電磁石の偏向角βの1/2に相当するまで電磁鋼板2を
積層した電磁鋼板のブロックを二組形成した後、各ブロ
ックの荷電粒子ビーム出入口6A、6Bの電磁鋼板2
A、2Bと反対側の部分を切断して、設計軌道8の全領
域の中央点において設計軌道8の垂直な面となる合わせ
面11を有する第1の積層ブロック1A及び第2の積層
ブロック1Bを形成する。その後、第1の積層ブロック
1A及び第2の積層ブロック1Bは合わせ面11で接着
ないし溶接して電磁石本体1を製作する。
【0027】実施の形態3.図3は、本発明の実施の形
態3に係る偏向電磁石を示している。この実施の形態3
では、電磁石本体1中央の電磁鋼板2Cを設計軌道8に
垂直な面内に設置し、この電磁鋼板2Cに対して他の電
磁鋼板2(電磁鋼板2Cと同形である。)を平行に積層
したものである。即ち、電磁鋼板2を荷電粒子ビーム7
が通るべき円弧状の設計軌道8に合わせて一枚ずつずら
して積層することで、荷電粒子ビーム7の設計軌道8の
曲率中心4を通る偏向半径方向の磁極幅Hにおいて荷電
粒子ビーム7の設計軌道8の中央部側を荷電粒子ビーム
出入口6A,6B側よりも大きくしている。また、設計
軌道8の中心線である電磁鋼板2の中心基準線10は曲
率中心4を通る偏向半径方向に磁極5の中心線から一定
幅δだけ外側方向にずらしている。つまり、有効磁場領
域9を荷電粒子ビームの設計軌道8に対してずらしてい
る。
【0028】この場合にも、荷電粒子ビーム出入口6
A,6Bとで中央部で有効磁場領域9の幅が違う効果は
実施の形態1と同等の効果が得られる。また、荷電粒子
ビームの設計軌道8を境に曲率中心4側と外側とで要求
する有効磁場領域9の幅が違う場合には好適である。な
お、エッジフォーカス効果が必要な場合は荷電粒子ビー
ム出入口6A,6Bにおいて任意の角度で切断すればよ
い。
【0029】実施の形態4.図4は本発明の実施の形態
4に係る偏向電磁石を示している。この実施の形態4
は、電磁鋼板2を荷電粒子ビーム7の設計軌道8に合わ
せて一枚ずつずらして積層することで、荷電粒子ビーム
7の設計軌道8の曲率中心4を通る偏向半径方向の磁極
幅Hを荷電粒子ビームの設計軌道8の中央部側を荷電粒
子ビーム出入口6A,6B側より大きくしてある。ま
た、磁極5の設計軌道8の曲率中心4を通る偏向半径方
向の両端部に両端部の磁束密度を高めるシム12が付さ
れている。このシム12は電磁鋼板2を打ち抜く段階で
予め成形されている。
【0030】上記実施の形態1ないし3では、磁極の端
部形状を円弧型としてギャップ6に発生する磁場分布に
影響を与えないようにしているが、逆に円弧形状の部分
だけ磁極幅を有する結果となる。本実施の形態では、従
来技術で記載した磁場高次成分の影響があるものの、磁
極5の偏向半径方向の両端にシム12を設けることによ
り、上記実施の形態1ないし3と同様に広い有効磁場領
域が確保できるようにしたものである。シム12を設け
たことによる磁場高次成分の影響については、誤差が小
さくなるように修正される。
【0031】なお、上記各実施の形態ではコイル3の形
状としてトラック型としているが、鞍型等の任意の形状
でもよいことは勿論である。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明では、ギャップを介して互いに対向する一対の磁極及
び該一対の磁極を連結するヨークを有するとともに多数
枚の電磁鋼板を積層して構成された電磁石本体と、この
電磁石本体に設けられ前記ギャップに磁場を発生させて
ギャップ内を通る荷電粒子ビームの軌道を曲率中心を持
つ円弧状に曲げるコイルとを備え、前記電磁石本体は、
荷電粒子ビーム出入口での電磁鋼板を荷電粒子ビームの
ビーム軸との直交面に対して所定角度傾けることにより
荷電粒子ビームを収束させるエッジ角を形成するととも
に荷電粒子ビーム出入口での電磁鋼板に対して平行に他
の電磁鋼板を前記荷電粒子ビームが通るべき円弧状の軌
道に合わせて一枚ずつずらして積層して構成し、前記軌
道の前記曲率中心を通る偏向半径方向の磁極幅を荷電粒
子ビーム出入口側よりも前記軌道の中央部側が大きくな
っているので、荷電粒子ビームのビーム幅が電磁石本体
中央で最大で電磁石本体の出入口で最小となる場合に効
率のよい有効磁場領域を与えることができる。従って、
荷電粒子ビーム幅が偏向角により変化する場合に適した
偏向電磁石が軽量化できる。また、エッジ角を荷電粒子
ビームの出入口側の電磁鋼板の傾きによって定めるの
で、エッジ角を形成するために切断加工が不要となり、
高精度のエッジフォーカス効果を与えることができ
る。。
【0033】また、請求項2に係る発明の偏向電磁石
は、ギャップを介して互いに対向する一対の磁極及び該
一対の磁極を連結するヨークを有するとともに多数枚の
電磁鋼板を積層して構成された電磁石本体と、この電磁
石本体に設けられ前記ギャップに磁場を発生させてギャ
ップ内を通る荷電粒子ビームの軌道を曲率中心を持つ円
弧状に曲げるコイルとを備え、前記電磁石本体は、荷電
粒子ビーム出入口の電磁鋼板を荷電粒子ビームのビーム
軸との直交面と平行に配置しているとともに前記荷電粒
子ビーム出入口の電磁鋼板に対して平行に他の電磁鋼板
を前記荷電粒子ビームが通るべき円弧状の軌道に合わせ
て一枚ずつずらして積層して構成し、前記軌道の前記曲
率中心を通る偏向半径方向の磁極幅を荷電粒子ビームの
軌道の中央部側よりも荷電粒子ビーム出入口側が大きく
なっているので、荷電粒子ビームのビーム幅が電磁石本
体の出入口で最大で電磁石本体の中央部で小さく、かつ
エッジ角を必要としない場合に適した偏向電磁石に好適
である。
【0034】また、請求項3に係る発明の偏向電磁石で
は、電磁石本体は、偏向角が1/2であるとともに互い
に荷電粒子ビームのビーム軸に対して垂直な面で接合さ
れた第1の積層ブロック及び第2の積層ブロックで構成
されているので、簡単に偏向電磁石を作製することがで
きる。
【0035】また、請求項4に係る発明の偏向電磁石で
は、ギャップを介して互いに対向する一対の磁極及び該
一対の磁極を連結するヨークを有するとともに多数枚の
電磁鋼板を積層して構成された電磁石本体と、この電磁
石本体に設けられ前記ギャップに磁場を発生させてギャ
ップ内を通る荷電粒子ビームの軌道を曲率中心を持つ円
弧状に曲げるコイルとを備え、前記電磁石本体は、前記
荷電粒子ビームが通るべき円弧状の前記軌道に合わせて
一枚ずつずらして積層することで前記軌道の前記曲率中
心を通る偏向半径方向の磁極幅を荷電粒子ビームの軌道
の中央部側を荷電粒子ビームの出入口側より大きくする
と共に、各電磁鋼板の電極の中心線を荷電粒子ビームの
軌道に対して軌道の曲率中心を通る偏向半径方向に一定
寸法ずらすことで電磁石本体の有効磁場領域を荷電粒子
ビームの軌道に対してずらすようになっているので、荷
電粒子ビームが設計軌道を境に曲率中心側と外側で要求
する有効磁場領域の幅が違う場合に好適である。。
【0036】また、請求項5に係る発明の偏向電磁石で
は、軌道の曲率中心を通る偏向半径方向の磁極の両端部
に両端部の磁束密度を高めるシムを設けたので、磁極幅
を狭くしても広い有効磁場領域を形成することができ
る。
【0037】また、請求項6に係る発明の偏向電磁石の
製造方法は、電磁鋼板を積層してブロックを形成する工
程と、荷電粒子ビームのビーム軸に対して垂直な切断面
を有するように前記ブロックを切断して、第1の積層ブ
ロック及び第2の積層ブロックを形成する工程と、前記
第1の積層ブロックの切断面と第2の積層ブロックの切
断面とを接合する工程とを含むので、複雑な工程を採る
ことなく簡単に偏向電磁石を製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(a)はこの発明の実施の形態1に係る
偏向電磁石の平面図、同図(b)は同図(a)の荷電粒
子ビームの出口側を示す図である。
【図2】 図2(a)はこの発明の実施の形態2に係る
偏向電磁石の平面図、同図(b)は同図(a)の荷電粒
子ビームの出口側を示す図である。
【図3】 図3(a)はこの発明の実施の形態3に係る
偏向電磁石の平面図、同図(b)は同図(a)の偏向電
磁石の中央切断端面を示す図である。
【図4】 図4(a)はこの発明の実施の形態4に係る
偏向電磁石の平面図、同図(b)は同図(a)の偏向電
磁石の中央切断端面を示す図である。
【図5】 図5(a)は従来の偏向電磁石を示す平面
図、同図(b)は同図(a)の装置の斜視図である。
【符号の説明】
1 電磁石本体、1A,1B 積層ブロック、2 電磁
鋼板、2A 荷電粒子ビーム入口の電磁鋼板、2B 荷
電粒子ビーム出口の電磁鋼板、3 コイル、4曲率中
心、5 磁極、6 ギャップ、6A 荷電粒子ビーム入
口、6B 荷電粒子ビーム出口、7 荷電粒子ビーム、
8 設計軌道、9 有効磁場領域、10磁極基準線、1
1 合わせ面、12 シム、α エッジ角、H 磁極
幅、β偏向角。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ギャップを介して互いに対向する一対の
    磁極及び該一対の磁極を連結するヨークを有するととも
    に多数枚の電磁鋼板を積層して構成された電磁石本体
    と、 この電磁石本体に設けられ前記ギャップに磁場を発生さ
    せてギャップ内を通る荷電粒子ビームの軌道を曲率中心
    を持つ円弧状に曲げるコイルとを備え、 前記電磁石本体は、荷電粒子ビーム出入口での電磁鋼板
    を荷電粒子ビームのビーム軸との直交面に対して所定角
    度傾けることにより荷電粒子ビームを収束させるエッジ
    角を形成するとともに荷電粒子ビーム出入口での電磁鋼
    板に対して平行に他の電磁鋼板を前記荷電粒子ビームが
    通るべき円弧状の軌道に合わせて一枚ずつずらして積層
    して構成し、前記軌道の前記曲率中心を通る偏向半径方
    向の磁極幅を荷電粒子ビーム出入口側よりも前記軌道の
    中央部側が大きくなっている偏向電磁石。
  2. 【請求項2】 ギャップを介して互いに対向する一対の
    磁極及び該一対の磁極を連結するヨークを有するととも
    に多数枚の電磁鋼板を積層して構成された電磁石本体
    と、 この電磁石本体に設けられ前記ギャップに磁場を発生さ
    せてギャップ内を通る荷電粒子ビームの軌道を曲率中心
    を持つ円弧状に曲げるコイルとを備え、 前記電磁石本体は、荷電粒子ビーム出入口の電磁鋼板を
    荷電粒子ビームのビーム軸との直交面と平行に配置して
    いるとともに前記荷電粒子ビーム出入口の電磁鋼板に対
    して平行に他の電磁鋼板を前記荷電粒子ビームが通るべ
    き円弧状の軌道に合わせて一枚ずつずらして積層して構
    成し、前記軌道の前記曲率中心を通る偏向半径方向の磁
    極幅を荷電粒子ビームの軌道の中央部側よりも荷電粒子
    ビーム出入口側が大きくなっている偏向電磁石。
  3. 【請求項3】 電磁石本体は、偏向角が1/2であると
    ともに互いに荷電粒子ビームのビーム軸に対して垂直な
    面で接合された第1の積層ブロック及び第2の積層ブロ
    ックで構成された請求項1または2に記載の偏向電磁
    石。
  4. 【請求項4】 ギャップを介して互いに対向する一対の
    磁極及び該一対の磁極を連結するヨークを有するととも
    に多数枚の電磁鋼板を積層して構成された電磁石本体
    と、 この電磁石本体に設けられ前記ギャップに磁場を発生さ
    せてギャップ内を通る荷電粒子ビームの軌道を曲率中心
    を持つ円弧状に曲げるコイルとを備え、 前記電磁石本体は、前記荷電粒子ビームが通るべき円弧
    状の前記軌道に合わせて一枚ずつずらして積層すること
    で前記軌道の前記曲率中心を通る偏向半径方向の磁極幅
    を荷電粒子ビームの軌道の中央部側を荷電粒子ビームの
    出入口側より大きくすると共に、各電磁鋼板の電極の中
    心線を荷電粒子ビームの軌道に対して軌道の曲率中心を
    通る偏向半径方向に一定寸法ずらすことで電磁石本体の
    有効磁場領域を荷電粒子ビームの軌道に対してずらすよ
    うになっている偏向電磁石。
  5. 【請求項5】 軌道の曲率中心を通る偏向半径方向の磁
    極の両端部に両端部の磁束密度を高めるシムを設けた請
    求項1ないし4の何れかに記載の偏向電磁石。
  6. 【請求項6】 ギャップを介して互いに対向する一対の
    磁極及び該一対の磁極を連結するヨークを有するととも
    に多数枚の電磁鋼板を積層して構成された電磁石本体
    と、この電磁石本体に設けられ前記ギャップに一様の磁
    場を発生させてギャップ内を通る荷電粒子ビームの軌道
    を曲率中心を持つ円弧状に曲げるコイルとを備えた偏向
    電磁石の製造方法であって、 前記電磁鋼板を積層してブロックを形成する工程と、 前記荷電粒子ビームのビーム軸に対して垂直な切断面を
    有するように前記ブロックを切断して、第1の積層ブロ
    ック及び第2の積層ブロックを形成する工程と、 前記第1の積層ブロックの切断面と第2の積層ブロック
    の切断面とを接合する工程とを含む偏向電磁石の製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008192562A (ja) * 2007-02-07 2008-08-21 Ihi Corp 質量分離電磁石
JP2015144846A (ja) * 2008-05-22 2015-08-13 エゴロヴィチ バラキン、ウラジミール 荷電粒子癌治療システムの一部としての荷電粒子ビーム加速方法及び装置

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